JPH1079632A - 信号増幅装置 - Google Patents

信号増幅装置

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JPH1079632A
JPH1079632A JP8232843A JP23284396A JPH1079632A JP H1079632 A JPH1079632 A JP H1079632A JP 8232843 A JP8232843 A JP 8232843A JP 23284396 A JP23284396 A JP 23284396A JP H1079632 A JPH1079632 A JP H1079632A
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JP
Japan
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signal
level
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amplifying device
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JP8232843A
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English (en)
Inventor
Joji Kasai
譲治 笠井
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Onkyo Corp
Original Assignee
Onkyo Corp
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Publication date
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  • Tone Control, Compression And Expansion, Limiting Amplitude (AREA)
  • Control Of Amplification And Gain Control (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 リミッタ動作の際、違和感なく楽音信号を減
衰することができる信号増幅装置を提供する。 【解決手段】 第1増幅器22は、出力電圧V0がしきい
値電圧Vth1を正側に越えたか否かを監視するとともに、
越えた場合に越えた程度に応じた検出電圧V1を生成す
る。第2増幅器24は、出力電圧V0がしきい値電圧Vth2
を負側に越えたか否かを監視するとともに、越えた場合
に越えた程度に応じた電圧であって、検出電圧V1と同極
性の検出電圧V2を生成する。論理和回路26は、検出電
圧V1と検出電圧V2との論理和を演算し、演算結果である
検出電圧Vsを出力する。時定数回路18は、検出電圧Vs
の時間変化率の絶対値が小さくなるよう、検出電圧Vsを
加工することにより、制御電圧Vcを生成する。可変イン
ピーダンス回路20は、制御電圧Vcに応じて入力信号を
減衰させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、信号増幅装置に
関し、特に、信号減衰手段を有する信号増幅装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】楽音の再生時に低音を増強する低音増強
オーディオ再生システムが知られている。このようなシ
ステムにおいては、低音を増強したり、スピーカの最低
共振周波数f0(=ω0/2π)より低い周波数まで再生帯域を
拡大したりするよう構成されている。したがって、この
ようなシステムにおいては、スピーカを駆動する電力増
幅器の出力特性は、高域利得に比べて低域利得が大きく
なるよう設定される。
【0003】しかしながら、電力増幅器の最大出力電圧
は、電力増幅器の電源電圧によって制限を受ける。した
がって、利得の大きい低域信号は、利得の小さい高域信
号に比べて入力電圧が小さい状態で出力がクリップして
しまうことになる。このため、低音、高音の両者が同時
に存在するような楽音の再生時においては、低音の存在
のために、高音だけの場合に比べより早くクリップレベ
ルに到達してしまうことになる。
【0004】しかし、実際の楽音信号では常に大振幅の
低域信号が存在するわけではない。このため、たまにし
か現われない大振幅の低域信号のために大出力の電力増
幅器を用意するのは効率的でない。
【0005】そこで、図11に示すように、電力増幅器
2の入力側にツェナダイオード4等の受動非線形インピ
ーダンス素子を配置したリミッタ回路6が用いられる。
このリミッタ回路6を用いることにより、所定出力レベ
ルに対応する入力レベル以上の入力電圧をカットするこ
とができる。このようにして、電力増幅器2におけるク
リップの発生を未然に防止することができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このような従
来の低音増強オーディオ再生システムには、次のような
問題があった。上述のリミッタ回路6は、制限の対象で
ある出力レベル自体を判断の対象とするのではなく、入
力レベルに基づいて出力レベルを判断することから、電
力増幅器2の利得周波数特性がフラットでなければ適用
が難しい。
【0007】このような問題を解決するために、出力レ
ベル自体を監視し、出力レベルが所定値を越えた時に、
入力側に配置したスイッチング素子等を動作させ、瞬時
に入力レベルを制限するリミッタ回路が考えられる。し
かし、このリミッタ回路によって上述の問題点は解決す
るものの、応答が速いことから、リミッタループ利得が
大きいと不安定になりやすいという問題がある。
【0008】また、いずれのリミッタ回路も、入力レベ
ルまたは出力レベルの大きさにかかわらず、これらが所
定のレベルを越えれば、リミッタ回路を一律に動作させ
る。したがって、入力レベルまたは出力レベルがわずか
に所定のレベルを越えるような場合には、再生楽音が必
要以上に低レベルになることがある。
【0009】また、急激に一定レベルまで入力信号を減
衰させるため、結果としてクリッピングのような信号変
形を起こし、耳ざわりな音となる可能性が高い。すなわ
ち、リミッタ動作により、出力信号はクリップ波形のよ
うになり、高調波を多く発生する。この場合、リミッタ
動作の対象が低域信号であるから、高調波が可聴範囲と
なり、特に不快な出力歪音が発生する。
【0010】この発明は、このような問題点を解決し、
リミッタ動作の際、違和感なく楽音信号を減衰すること
ができる信号増幅装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1の信号増幅装置
は、入力信号を増幅して出力信号を得る信号増幅手段、
前記出力信号に基づいて前記入力信号を減衰する信号減
衰手段、を備えた信号増幅装置であって、前記信号減衰
手段は、出力信号が所定の監視レベルを越えた場合に、
越えた程度が大きいほど入力信号を減衰させる程度を大
きくするよう構成したことを特徴とする。
【0012】請求項2の信号増幅装置は、請求項1の信
号増幅装置において、前記信号減衰手段は、出力信号が
所定の監視レベルを越えたか否かを監視するとともに、
越えた場合に越えた程度に応じた検出出力を生成するレ
ベル検出部、レベル検出部の検出出力の時間変化率の絶
対値が小さくなるよう、該検出出力を加工する遅れ生成
部、遅れ生成部の出力に応じて入力信号を減衰させる可
変減衰部、を備えたことを特徴とする。
【0013】請求項3の信号増幅装置は、請求項2の信
号増幅装置において、前記レベル検出部は、出力信号が
正の監視レベルを正側に越えたか否かを監視するととも
に、越えた場合に越えた程度に応じた検出出力を生成す
る正側レベル検出部、出力信号が負の監視レベルを負側
に越えたか否かを監視するとともに、越えた場合に越え
た程度に応じた検出出力であって、前記正側レベル検出
部の検出出力と同極性の検出出力を生成する負側レベル
検出部、正側レベル検出部の検出出力と負側レベル検出
部の検出出力との論理和を出力する論理和出力部、を備
えたことを特徴とする。
【0014】請求項4の信号増幅装置は、請求項2の信
号増幅装置において、前記遅れ生成部は、所定の時定数
を有し、レベル検出部の検出出力の絶対値が減少する場
合に適用される時定数が、該検出出力の絶対値が増加す
る場合に適用される時定数より大きいことを特徴とす
る。
【0015】請求項5の信号増幅装置は、請求項2の信
号増幅装置において、前記可変減衰部は、前記遅れ生成
部の出力に応じてインピーダンスが連続的に変化する可
変インピーダンス素子を備えたことを特徴とする。
【0016】請求項6の信号増幅装置は、請求項1ない
し請求項5のいずれかの信号増幅装置において、前記信
号減衰手段は、出力信号が所定の監視レベルを越えた場
合に、入力信号のうち低域の信号レベルのみを減衰させ
ることを特徴とする。
【0017】請求項7の信号増幅装置は、請求項1ない
し請求項5のいずれかの信号増幅装置において、前記信
号減衰手段は、出力信号が所定の監視レベルを越えた場
合に、入力信号の全帯域の信号レベルを減衰させること
を特徴とする。
【0018】請求項8の信号増幅装置は、請求項1ない
し請求項5のいずれかの信号増幅装置において、前記信
号減衰手段は、出力信号が所定の監視レベルを越えた場
合に、入力信号のうち低域の信号レベルを減衰させると
ともに、さらに、入力信号の全帯域の信号レベルをも減
衰させることを特徴とする。
【0019】請求項9の信号増幅装置は、請求項4の信
号増幅装置において、前記信号増幅手段の電源の立上が
りを検出し、所定の立上がり信号を生成する立上がり検
出手段を設け、前記立上がり検出手段の立上がり信号
を、前記遅れ生成部の入力として与えるよう構成したこ
とを特徴とする。
【0020】
【発明の効果】請求項1の信号増幅装置は、出力信号が
所定の監視レベルを越えた場合に、越えた程度が大きい
ほど入力信号を減衰させる程度を大きくすることを特徴
とする。
【0021】したがって、出力信号が所定の監視レベル
を越えない場合には、入力信号を減衰させることなく忠
実に再現するとともに、出力信号が所定の監視レベルを
越えるような場合は、その越える程度によって、入力信
号を減衰させる。このため、越える程度が小さい場合に
は入力信号を少し減衰させ、越える程度が大きい場合に
は入力信号を大幅に減衰させる。このようにすること
で、入力信号を必要以上に変形させることなくリミッタ
動作を行なわせることができる。すなわち、リミッタ動
作の際、違和感なく楽音信号を減衰することができる。
【0022】請求項2の信号増幅装置は、出力信号が所
定の監視レベルを越えた場合に、越えた程度に応じた検
出出力を生成し、該検出出力の時間変化率の絶対値が小
さくなるよう該検出出力を加工し、加工された出力に応
じて入力信号を減衰させることを特徴とする。
【0023】したがって、入力信号を徐々に減衰させる
ことができる。このため、リミット動作の際の信号波形
の変形を穏やかに行なわせることができ、不快な出力歪
音の発生を防止することができる。すなわち、リミッタ
動作の際、違和感なく楽音信号を減衰することができ
る。
【0024】請求項3の信号増幅装置は、レベル検出部
が、正側レベル検出部と、正側レベル検出部の検出出力
と同極性の検出出力を生成する負側レベル検出部とを備
えるとともに、両検出部の検出出力の論理和を出力する
論理和出力部を備えたことを特徴とする。したがって、
出力信号が極正変化を伴う場合に、いずれの極性におい
ても確実にリミット動作を行なわせることができる。
【0025】請求項4の信号増幅装置は、レベル検出部
の検出出力の絶対値が減少する場合に適用される時定数
が、該検出出力の絶対値が増加する場合に適用される時
定数より大きいことを特徴とする。
【0026】したがって、リミッタ動作開始時には比較
的速やかに減衰動作を開始させるとともに、リミッタ動
作終了時には、穏やかに減衰動作を終了させることがで
きる。このため、リミッタ動作の開始が必要以上に遅れ
ることはなく、かつ、リミッタ動作終了時にレベル変化
が耳につくこともない。
【0027】請求項5の信号増幅装置は、可変減衰部
が、遅れ生成部の出力に応じてインピーダンスが連続的
に変化する可変インピーダンス素子を備えたことを特徴
とする。したがって、遅れ生成部の出力が連続的に変化
する場合、可変減衰部の減衰率も連続的に変化する。こ
のため、リミット動作の際の信号波形の変形を穏やかに
行なわせることができる。
【0028】請求項6の信号増幅装置は、出力信号が所
定の監視レベルを越えた場合に、入力信号のうち低域の
信号レベルのみを減衰させることを特徴とする。
【0029】したがって、たとえば、信号増幅手段の入
力部の低域カットオフ周波数を上昇させて入力信号の低
域成分を減少させることで、クリップを生じやすい低域
の信号レベルのみを減衰させることができる。このた
め、高域の信号レベルを変化させることなく、全体とし
てクリップの発生を防止することができる。
【0030】請求項7の信号増幅装置は、出力信号が所
定の監視レベルを越えた場合に、入力信号の全帯域の信
号レベルを減衰させることを特徴とする。したがって、
全帯域の信号レベルを同等に変化させることができる。
このため、リミッタ動作の際、違和感なく楽音信号を減
衰することができる。
【0031】請求項8の信号増幅装置は、出力信号が所
定の監視レベルを越えた場合に、入力信号のうち低域の
信号レベルを減衰させるとともに、さらに、入力信号の
全帯域の信号レベルをも減衰させることを特徴とする。
【0032】したがって、クリップを生じやすい低域の
信号レベルを確実に減衰させるとともに、さらに、全帯
域の信号レベルを同等に変化させることにより、リミッ
タ動作の際、違和感なく確実に楽音信号を減衰すること
ができる。
【0033】請求項9の信号増幅装置は、信号増幅手段
の電源の立上がりを検出し、該立上がり信号を、前記遅
れ生成部の入力として与えることを特徴とする。
【0034】したがって、電源投入とともに速やかにリ
ミッタ動作を開始させるとともに、その後、徐々にリミ
ッタ動作を解除することができる。すなわち、電源投入
時におけるフェードイン動作を行なわせることができ
る。
【0035】
【発明の実施の形態】図1に、この発明の一実施形態に
よる信号増幅装置である電力増幅装置10のブロック図
を示す。この電力増幅装置10は、低音増強オーディオ
再生システムの一部を構成する。電力増幅装置10は、
入力信号を増幅して出力電圧V0(出力信号に該当)を得
る電力増幅器12(信号増幅手段に該当)と、出力電圧
V0に基づいて入力信号を減衰するリミッタ回路14(信
号減衰手段に該当)とを備えている。
【0036】リミッタ回路14は、レベル検出回路16
(レベル検出部に該当)、時定数回路18(遅れ生成部
に該当)、可変インピーダンス回路20(可変減衰部に
該当)を備えており、出力電圧V0が後述するしきい値電
圧Vth1,Vth2(所定の監視レベルに該当)を越えた場合
に、越えた程度が大きいほど入力信号を減衰させる程度
を大きくするよう構成されている。
【0037】レベル検出回路16は、第1増幅器22
(正側レベル検出部に該当)、第2増幅器24(負側レ
ベル検出部に該当)、論理和回路26(論理和出力部に
該当)を備えており、出力電圧V0がしきい値電圧Vth1,
Vth2を越えたか否かを監視するとともに、越えた場合に
越えた程度に応じた検出電圧Vs(検出出力に該当)を生
成する。
【0038】第1増幅器22は、出力電圧V0がしきい値
電圧Vth1(正の監視レベルに該当)を正側に越えたか否
かを監視するとともに、越えた場合に越えた程度に応じ
た検出電圧V1を生成する。
【0039】第2増幅器24は、出力電圧V0がしきい値
電圧Vth2(負の監視レベルに該当)を負側に越えたか否
かを監視するとともに、越えた場合に越えた程度に応じ
た電圧であって、第1増幅器22の検出電圧V1と同極性
の検出電圧V2を生成する。
【0040】論理和回路26は、第1増幅器22の検出
電圧V1と第2増幅器24の検出電圧V2との論理和を演算
し、演算結果である検出電圧Vsを出力する。
【0041】時定数回路18は、レベル検出回路16の
出力である検出電圧Vsの時間変化率の絶対値が小さくな
るよう該検出電圧を加工して、制御電圧Vcを得る。時定
数回路18においては、レベル検出回路16の検出電圧
Vsの絶対値が減少する場合に適用される時定数が、検出
電圧Vsの絶対値が増加する場合に適用される時定数より
大きくなるよう調整されている。
【0042】可変インピーダンス回路20は、時定数回
路18の出力である制御電圧Vcに応じてインピーダンス
が連続的に変化する可変インピーダンス素子を備えてい
る。したがって、制御電圧Vcに応じて入力信号を減衰さ
せることができる。なお、可変インピーダンス回路20
は、出力電圧V0がしきい値電圧Vth1,Vth2を越えた場合
に、入力信号のうち低域の信号レベルを減衰させるとと
もに、さらに、入力信号の全帯域の信号レベルをも減衰
させるよう構成されている。
【0043】この実施形態においては、電力増幅装置1
0は、さらに、電力増幅器12の電源30の立上がりを
検出し、所定の立上がり信号を生成する電源ON検出回
路28(立上がり検出手段に該当)を備えるとともに、
電源ON検出回路28の立上がり信号を、論理和回路2
6を介して、時定数回路18の入力として与えるよう構
成している。
【0044】図2に、図1に表わされた電力増幅装置1
0の具体的な回路構成の一例を示す。図10に、電力増
幅装置10のリミッタ動作を示すフローチャートを示
す。図2および図10に基づいて、電力増幅装置10の
リミッタ動作を説明する。まず、図2に示す第1増幅器
22および第2増幅器24において、電力増幅器12の
出力電圧V0に基づいて検出電圧V1、V2が算出される(ス
テップS2)。
【0045】検出電圧V1、V2は、次式にしたがって算出
される、 V1=R3/(R1+R3)・(R1・R4/(R1+R4)+R2)/(R1・R4/(R1+R4))・V0-R2/R1・Vth1 =R3・(R1・R4+R2・R4+R1・R2)/(R1・R4・(R1+R3))・V0-R2/R1・Vth1 V2=-R2/R1・V0+R3・(R1・R4+R2・R4+R1・R2)/(R1・R4・(R1+R3))・Vth2 ・・・(1)。
【0046】ここで、 R4=R2・R3/(R2-R3) ・・・(2) とすると、式(1)、(2)より、 V1=R2/R1・(V0-Vth1) V2=-R2/R1・(V0-Vth2) ・・・(3)。
【0047】式(3)からわかるように、第1増幅器2
2および第2増幅器24で構成される変形差動増幅回路
により、 V0>Vth1 の時、検出電圧V1は正となり、 V0<Vth2 の時、検出電圧V2が正となる。また、検出電圧V1、V2の
増幅度は、ともにR2/R1となる。
【0048】なお、式(3)において、しきい値電圧Vt
h1, Vth2は電力増幅器12の実際のクリッピングポイン
トよりも小さく設定されている。すなわち、電力増幅器
12の電源30の正側電源電圧を+B、負側電源電圧を-
B、ツェナダイオードZDのツェナ電圧をVzdとすると、
しきい値電圧Vth1,Vth2は次式で表わされる、 Vth1=+B-Vzd Vth2=-B+Vzd ・・・(4)。
【0049】つぎに、図2に示す論理和回路26におい
て、検出電圧Vsが、次式にしたがって算出される(ステ
ップS4)、 Vs=V1∪V2 ・・・(5) すなわち、正側ダイオードORにより構成された論理和
回路26を用いることにより、出力電圧V0がしきい値電
圧Vth1以上、またはしきい値電圧Vth2以下になった時に
検出電圧Vsが現われるようにすることができる。
【0050】上述の出力電圧V0、しきい値電圧Vth1,Vt
h2、検出電圧V1、V2、および、検出電圧Vsの関係を、図
3に示す。ここで、Vrefは電力増幅器12の動作基準電
位を表わす。なお、この実施形態においては、動作基準
電位Vrefはグランド電位に等しい。
【0051】つぎに、図2に示す時定数回路18におい
て、制御電圧Vcが生成される(ステップS6)。すなわ
ち、検出電圧Vsを、充電時定数と放電時定数とが異なる
時定数回路18に通すことで、制御電圧Vcを得ることが
できる。検出電圧Vsと制御電圧Vcとの関係を図4に示
す。
【0052】この実施形態においては、時定数回路18
における充電時定数を、数ミリ秒ないし数十ミリ秒程度
に設定している。これは、リミッタ動作を速やかに開始
するためである。一方、放電時定数は、数秒ないし数十
秒に設定している。これは、リミッタ動作を解除する
際、信号レベルの変化を穏やかに進行させることで、違
和感を生じさせないようにするためである。
【0053】つぎに、図2に示す可変インピーダンス回
路20において、入力信号を減衰させる(ステップS
8)。制御電圧Vcは、トランジスタTr1で電流Ifに
変換される。電流Ifは、フォトカプラ32を介して、
可変インピーダンス素子であるCdS36の抵抗値RD
を決定する。なお、この実施形態においては、フォトカ
プラ32の発光素子としてLED34を用いたが、発光
素子としてタングステンランプ等を用いてもよい。
【0054】図5に、フォトカプラ32の入力である電
流Ifと出力である抵抗値RDとの関係を示す。電流I
f(すなわち制御電圧Vc)が大きいほど、抵抗値RDが
小さくなることがわかる。
【0055】図6は、図2に示す回路38の伝達利得の
周波数特性を、抵抗値RDをパラメータとして示した図
である。図6からもわかるように、抵抗値RDが小さく
なると、電力増幅器12へ入力される入力信号の低域カ
ットオフ周波数が上昇する。これにより、出力電圧の低
域成分が減衰する。また、入力信号の全帯域の信号レベ
ルも減衰する。したがって、クリップを生じやすい低域
の信号レベルを確実に減衰させるとともに、さらに、全
帯域の信号レベルを同等に変化させることにより、リミ
ッタ動作の際、違和感なく確実に楽音信号を減衰するこ
とができる。
【0056】なお、図2に示す回路38に替えて、図7
Aに示す回路138を用いることもできる。図7Bは、
図7Aに示す回路138の伝達利得の周波数特性を、抵
抗値RDをパラメータとして示した図である。図7Bか
らもわかるように、抵抗値RDが小さくなると、電力増
幅器12へ入力される入力信号の低域カットオフ周波数
が上昇する。これにより、出力電圧の低域成分が減衰す
る。したがって、クリップを生じやすい低域の信号レベ
ルを確実に減衰させることができる。
【0057】また、図2に示す回路38に替えて、図8
Aに示す回路238を用いることもできる。図8Bは、
図8Aに示す回路238の伝達利得の周波数特性を、抵
抗値RDをパラメータとして示した図である。図8Bか
らもわかるように、抵抗値RDが小さくなると、電力増
幅器12へ入力される入力信号の全帯域の信号レベルが
減衰する。したがって、全帯域の信号レベルを同等に変
化させることにより、リミッタ動作の際、違和感なく楽
音信号を減衰することができる。
【0058】つぎに、図2に示す電力増幅器12におい
て、入力信号の電力増幅が行なわれ、出力電圧V0が出力
される(ステップS10)。図9に、入力信号として所
定周波数のサイン波を与え、リミッタ動作を実施した場
合における出力電圧V0のエンベロープを示す。
【0059】図9において、(a1)、(a2)は、ク
リップを生じないと仮定した場合における出力電圧V0の
エンベロープを示す。(b1)、(b2)は、クリッピ
ングレベルを示す。(c1)、(c2)は、リミッタ動
作を実施した場合における出力電圧V0のエンベロープを
示す。
【0060】図9に示すように、入力信号が連続正弦波
のような場合は、リミッタ動作〜リミッタ動作による信
号低下〜リミッタ動作解除〜信号復帰〜リミッタ動作と
いったループにより、エンベロープが変調を受けること
になる。しかし、楽音再生のように、たえずレベルが変
動しているような信号の場合には、不自然さを感じさせ
ることはない。
【0061】なお、図2に示すように、電源ON検出回
路28は、電力増幅器12の電源30がONになったと
き、一定時間、立上がり信号を出力する。時定数回路1
8は、この立上がり信号により、所定の充電時定数で、
論理和回路26を介して強制的に充電される。これによ
り、リミッタ動作が開始される。一定時間後、立上がり
信号が停止すると、所定の放電時定数で、徐々にリミッ
タ動作が解除される。これにより、電源ON時にフェー
ドイン動作を行なわせる。
【0062】なお、上述の実施形態においては、正側レ
ベル検出部および負側レベル検出部を、ともに増幅器を
用いて構成したが、正側レベル検出部および負側レベル
検出部は、増幅器を用いないで構成することもできる。
【0063】また、論理和出力部を、ダイオードを並列
に接続したダイオードOR回路を用いて構成したが、論
理和出力部は、ダイオードOR回路以外の回路を用いて
構成することもできる。
【0064】また、可変インピーダンス素子としてCd
Sを用いたが、可変インピーダンス素子として、CdS
以外の素子を用いることもできる。
【0065】また、遅れ生成部として、所定の時定数を
有する回路を用いたが、レベル検出部の検出出力の時間
変化率の絶対値が小さくなるよう、該検出出力を加工す
る機能を果すものであれば、遅れ生成部が時定数を有す
る必要はない。
【0066】また、上述の実施形態においては、電力増
幅装置が、電源ON検出回路を備えた場合について説明
したが、電力増幅装置は、必ずしも電源ON検出回路を
備えている必要はない。
【0067】また、上述の実施形態においては、電力増
幅装置10の各機能を、トランジスタ、抵抗、ダイオー
ド、コンデンサ等を用いて実現した場合を例に説明した
が、当該各機能の一部または全部を、CPU(中央処理
装置)等を用いて実現するよう構成することもできる。
【0068】なお、上述の実施形態においては、低音増
強オーディオ再生システムの一部を構成する電力増幅装
置を例に説明したが、この発明に係る電力増幅装置は、
低音増強オーディオ再生システムの一部を構成するもの
に限定されるものではない。また、この発明は電力増幅
装置に限定されるものではなく、信号増幅装置一般に適
用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態による信号増幅装置であ
る電力増幅装置10のブロック図である。
【図2】図1に表わされた電力増幅装置10の具体的な
回路構成の一例を示す図面である。
【図3】出力電圧V0、しきい値電圧Vth1,Vth2、検出電
圧V1、V2、および、検出電圧Vsの関係を示す図面であ
る。
【図4】検出電圧Vsと制御電圧Vcとの関係を示す図面で
ある。
【図5】フォトカプラ32の入力である電流Ifと出力
である抵抗値RDとの関係を示す図面である。
【図6】図2に示す回路38の伝達利得の周波数特性
を、抵抗値RDをパラメータとして示した図である。
【図7】回路38に替えて用い得る回路138の構成を
示すとともに、回路138の伝達利得の周波数特性を抵
抗値RDをパラメータとして示した図面である。
【図8】回路38に替えて用い得る回路238の構成を
示すとともに、回路238の伝達利得の周波数特性を抵
抗値RDをパラメータとして示した図面である。
【図9】入力信号として所定周波数のサイン波を与え、
リミッタ動作を実施した場合における出力電圧V0のエン
ベロープを示す図面である。
【図10】電力増幅装置10のリミッタ動作を示すフロ
ーチャートである。
【図11】従来のリミッタ回路6の一例を示す図面であ
る。
【符号の説明】
18・・・・・時定数回路 20・・・・・可変インピーダンス回路 22・・・・・第1増幅器 24・・・・・第2増幅器 26・・・・・論理和回路 V0・・・・・・出力電圧 Vth1・・・・・しきい値電圧 Vth2・・・・・しきい値電圧 V1・・・・・・検出電圧 V2・・・・・・検出電圧 Vs・・・・・・検出電圧 Vc・・・・・・制御電圧

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】入力信号を増幅して出力信号を得る信号増
    幅手段、 前記出力信号に基づいて前記入力信号を減衰する信号減
    衰手段、 を備えた信号増幅装置であって、 前記信号減衰手段は、出力信号が所定の監視レベルを越
    えた場合に、越えた程度が大きいほど入力信号を減衰さ
    せる程度を大きくするよう構成したことを特徴とする信
    号増幅装置。
  2. 【請求項2】請求項1の信号増幅装置において、 前記信号減衰手段は、 出力信号が所定の監視レベルを越えたか否かを監視する
    とともに、越えた場合に越えた程度に応じた検出出力を
    生成するレベル検出部、 レベル検出部の検出出力の時間変化率の絶対値が小さく
    なるよう、該検出出力を加工する遅れ生成部、 遅れ生成部の出力に応じて入力信号を減衰させる可変減
    衰部、 を備えたことを特徴とするもの。
  3. 【請求項3】請求項2の信号増幅装置において、 前記レベル検出部は、 出力信号が正の監視レベルを正側に越えたか否かを監視
    するとともに、越えた場合に越えた程度に応じた検出出
    力を生成する正側レベル検出部、 出力信号が負の監視レベルを負側に越えたか否かを監視
    するとともに、越えた場合に越えた程度に応じた検出出
    力であって、前記正側レベル検出部の検出出力と同極性
    の検出出力を生成する負側レベル検出部、 正側レベル検出部の検出出力と負側レベル検出部の検出
    出力との論理和を出力する論理和出力部、 を備えたことを特徴とするもの。
  4. 【請求項4】請求項2の信号増幅装置において、 前記遅れ生成部は、 所定の時定数を有し、 レベル検出部の検出出力の絶対値が減少する場合に適用
    される時定数が、該検出出力の絶対値が増加する場合に
    適用される時定数より大きいことを特徴とするもの。
  5. 【請求項5】請求項2の信号増幅装置において、 前記可変減衰部は、前記遅れ生成部の出力に応じてイン
    ピーダンスが連続的に変化する可変インピーダンス素子
    を備えたことを特徴とするもの。
  6. 【請求項6】請求項1ないし請求項5のいずれかの信号
    増幅装置において、 前記信号減衰手段は、出力信号が所定の監視レベルを越
    えた場合に、入力信号のうち低域の信号レベルのみを減
    衰させることを特徴とするもの。
  7. 【請求項7】請求項1ないし請求項5のいずれかの信号
    増幅装置において、 前記信号減衰手段は、出力信号が所定の監視レベルを越
    えた場合に、入力信号の全帯域の信号レベルを減衰させ
    ることを特徴とするもの。
  8. 【請求項8】請求項1ないし請求項5のいずれかの信号
    増幅装置において、 前記信号減衰手段は、出力信号が所定の監視レベルを越
    えた場合に、入力信号のうち低域の信号レベルを減衰さ
    せるとともに、さらに、入力信号の全帯域の信号レベル
    をも減衰させることを特徴とするもの。
  9. 【請求項9】請求項4の信号増幅装置において、 前記信号増幅手段の電源の立上がりを検出し、所定の立
    上がり信号を生成する立上がり検出手段を設け、 前記立上がり検出手段の立上がり信号を、前記遅れ生成
    部の入力として与えるよう構成したことを特徴とするも
    の。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016225913A (ja) * 2015-06-02 2016-12-28 アルパイン株式会社 オーディオ装置、電流制御プログラムおよび電流制御方法

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