JPH107954A

JPH107954A - 塗膜等の除去剤組成物および塗膜等の除去方法

Info

Publication number: JPH107954A
Application number: JP17873596A
Authority: JP
Inventors: Hideyuki Murakami; 英幸村上; Takashi Shijiki; 俊志自岐; Shozo Kaneko; 正三金子
Original assignee: Individual
Current assignee: Individual
Priority date: 1996-06-20
Filing date: 1996-06-20
Publication date: 1998-01-13

Abstract

(57)【要約】【目的】人体に有害な有機溶媒を含まない塗膜等の除
去剤組成物およびそれを用いた塗膜等の除去方法を提供
する。【構成】（ａ）脂肪族ジカルボン酸アルキルエステル
の少なくとも１種および（ｂ）Ｎ−メチルピロリドンか
らなる塗膜等の除去剤組成物。ならびに該塗膜等の除去
剤組成物を用いて塗膜等を除去した後、固形分が（ｄ）
アルカリ金属水酸化物、（ｅ）アルカリ金属ポリリン酸
塩からなり、水で希釈した仕上洗浄剤組成物で処理す
る、塗膜等の除去方法。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、基材に形成された
不要の塗膜等（塗料、インキ、接着剤等を含む）を除去
するための組成物および除去方法に関し、特に人体に有
害な有機溶剤を含まない塗膜等の除去用組成物に関する
ものである。

【０００２】

【従来の技術】ラッカー、ワニス等を除去するための従
来の塗膜等の除去剤は、例えば塩化メチレン、トルエ
ン、キシレン等の揮発性の大きい低沸点有機溶剤を含む
ものが用いられているが、このような低沸点有機溶剤は
その溶剤蒸気の吸入又は皮膚等への付着によりその毒性
によって健康を害するおそれがある。また、低沸点有機
溶剤を建物内或いは車両内等密閉性の高い場所で使用す
る場合、塗膜等の除去後の溶剤雰囲気によって、建物内
或いは車両内のプラスチック製品にダメージを与え、ひ
び割れが生じることもある。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
従来の塗膜等の除去剤のもつ欠点を克服し、人体に有害
な低沸点有機溶剤を含まない塗膜等の除去剤組成物を提
供するためになされたものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明の塗膜等の除去剤
組成物は、（ａ）脂肪族ジカルボン酸アルキルエステル
の少なくとも１種および（ｂ）Ｎ−メチルピロリドンか
らなることを特徴とする。

【０００５】また、本発明の塗膜等の除去剤組成物は、
上記（ａ）及び（ｂ）からなる組成物にさらに（ｃ）カ
ルビトール系化合物を加えたことを特徴とする。

【０００６】また、本発明の塗膜等の除去剤組成物は、
増粘剤をさらに加えたことを特徴とする。

【０００７】本発明の塗膜等の除去方法は、（ａ）脂肪
族ジカルボン酸アルキルエステルの少なくとも１種およ
び（ｂ）Ｎ−メチルピロリドンからなる塗膜等の除去剤
組成物を用いて塗膜等を除去した後、固形分が（ｄ）ア
ルカリ金属水酸化物および（ｅ）アルカリ金属ポリリン
酸塩からなり、水で希釈した仕上洗浄剤組成物で処理す
ることを特徴とする。

【０００８】また、本発明の塗膜等の除去方法は、
（ｃ）カルビトール系化合物をさらに加えた塗膜等の除
去剤組成物を使用することを特徴とする。

【０００９】（ａ）成分の脂肪酸アルキルエステルとし
ては、特に限定はしないが、好ましくは炭素数２〜８の
飽和脂肪族ジカルボン酸と炭素数１〜４の飽和脂肪族ア
ルコールとのジエステルまたはそれらの混合物が用いら
れ、特に好ましくはコハク酸ジメチル、グルタル酸ジメ
チル、アジピン酸ジメチルの３種混合物が用いられる。

【００１０】（ｃ）成分のカルビトール系化合物として
は、カルビトールの他にメチルカルビトール、ジエチル
カルビトール、ブチルカルビトール等いずれも使用でき
る。

【００１１】本発明の塗膜等の除去剤組成物は除去すべ
き塗膜の表面に刷毛、ロール、スプレー等で塗布するこ
とができ、また塗膜表面が多少とも傾斜している場合、
塗膜等の除去剤組成物のハンドリング性および塗膜表面
上への塗膜等の除去剤組成物の被着性の向上を考慮し
て、塗膜等の除去剤組成物の粘度を調節する必要があ
り、塗膜等の除去剤組成物にさらに増粘剤を加えること
ができる。

【００１２】上記増粘剤としては、上記塗膜等の除去剤
組成物に可溶なものである必要があり、例えば無機系と
しては、モンモリロナイト、ベントナイト、沈降法また
は気相法によって製造されたシリカ等が挙げられまた、
有機系としては、界面活性剤、脂肪酸アマイド、有機ベ
ントナイト等が挙げられる。

【００１３】本発明の塗膜等の除去剤組成物の（ａ）成
分および（ｂ）成分の重量比は、使用目的に応じて最適
化することができる。（ａ）成分は通常１５〜９５重量
％、好ましくは２０〜９２重量％であり、（ｂ）成分は
通常５〜８５重量％、好ましくは８〜８０重量％であ
る。さらに（ｃ）成分は、上記の（ａ）成分および
（ｂ）成分の合計１００重量部に対して２０重量部ま
で、好ましくは１５重量部まで加えてもよい。

【００１４】本発明の塗膜等の除去方法に使用される仕
上洗浄剤組成物の固形分の（ｄ）成分および（ｅ）成分
の重量比は、使用目的に応じて最適化することができ
る。（ｄ）成分は通常２０〜６０重量％、好ましくは２
５〜５０重量％であり、（ｅ）成分は通常４０〜８０重
量％、好ましくは５０〜７５重量％である。本発明の仕
上洗浄剤組成物は上記固形物重量の５〜５００倍重量の
水で希釈したものを用いる。

【００１５】また、（ｆ）成分のアルキレングリコール
モノアルキルエーテルとしては、有機溶剤を除去するの
に十分な溶解性を有し、かつ、水との混和性を有するた
めに、炭素数２〜４のアルキレングリコールの炭素数１
〜４の飽和アルキルエーテルが用いられ、特に、ブチル
セルソルブが好ましい。その配合量は、（ｄ）成分と
（ｅ）成分の合計１００重量部に対し、１００重量部以
下、好ましくは１０〜６０重量部とすることができる。

【００１６】また本発明の塗膜等の除去剤組成物におい
ては、必要に応じて、塗膜等の除去を助ける成分として
テルペン系化合物（例えば、Ｄ−リモネン）を加えても
よく、またその他に防錆剤、香料等を併用してもよい。

【００１７】

【実施例】

実施例１〜３下記の塗料を亜鉛メッキ鋼板に塗布し、
十分乾燥させた後、下記の表１のとおりの組成の塗膜等
の除去剤組成物を３滴滴下し、それぞれ滴下直後、１分
後にワイピングシート（十條キンバリー社製、商品名：
キムワイプ）にて拭き取り、各塗膜の除去性を観察し
た。この結果を表２に示す。塗料１赤色１液性アクリル系塗料（アサヒペン株式会
社製、水性ニュースプレー）塗料２赤色アルキド樹脂系塗料（関西ペイント株式会
社製、ラッカースプレーＡ）塗料３黄色エポキシ樹脂系塗料（Ｚｙｎｏｌｙｔｅ社
製、ＲＵＳＴ−ＭＡＴＥ）

【００１８】

【表１】

【００１９】

【表２】

【００２０】上記実施例１〜３の後、塗膜を除去した部
分に除去剤組成物の高沸点溶剤成分が若干残り、べたつ
きがあったが、下記の仕上洗浄剤組成物を３滴滴下し、
ワイピングシート（十條キンバリー社製、商品名：キム
ワイプ）で拭き取ったところ、べたつきは完全に除去さ
れた。

【００２０】仕上洗浄剤組成物水酸化カリウム３８重量部ピロリン酸ナトリウム６２重量部ブチルセルソルブ２５重量部水１０００重量部

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】（ａ）脂肪族ジカルボン酸アルキルエス
テルの少なくとも１種および（ｂ）Ｎ−メチルピロリド
ンからなる塗膜等の除去剤組成物。
【請求項２】（ｃ）カルビトール系化合物をさらに加
えたことを特徴とする、請求項１記載の塗膜等の除去剤
組成物。
【請求項３】増粘剤をさらに加えたことを特徴とする
請求項１または２記載の塗膜等の除去剤組成物。
【請求項４】（ａ）成分の脂肪族ジカルボン酸アルキ
ルエステルが、炭素数２〜８の飽和脂肪族ジカルボン酸
と炭素数１〜４の飽和脂肪族アルコールとのジエステル
である請求項１〜３のいずれか１項に記載の塗膜等の除
去剤組成物。
【請求項５】（ａ）成分の脂肪族ジカルボン酸アルキ
ルエステルが、コハク酸ジメチル、グルタル酸ジメチ
ル、アジピン酸ジメチルの３種混合物である請求項１〜
４のいずれか１項に記載の塗膜等の除去剤組成物。
【請求項６】（ａ）脂肪族ジカルボン酸アルキルエス
テルの少なくとも１種および（ｂ）Ｎ−メチルピロリド
ンからなる塗膜等の除去剤組成物を用いて塗膜等を除去
した後、固形分が（ｄ）アルカリ金属水酸化物、（ｅ）
アルカリ金属ポリリン酸塩からなり、水で希釈した仕上
洗浄剤組成物で処理することを特徴とする塗膜等の除去
方法。
【請求項７】上記の仕上洗浄剤組成物の固形分にさら
に（ｆ）アルキレングリコールモノアルキルエーテルを
加え、水で希釈した仕上洗浄剤組成物で処理することを
特徴とする請求項６に記載の塗膜等の除去方法。