JPH1079363A - 化合物半導体ウエハの表面処理方法 - Google Patents

化合物半導体ウエハの表面処理方法

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JPH1079363A
JPH1079363A JP23300596A JP23300596A JPH1079363A JP H1079363 A JPH1079363 A JP H1079363A JP 23300596 A JP23300596 A JP 23300596A JP 23300596 A JP23300596 A JP 23300596A JP H1079363 A JPH1079363 A JP H1079363A
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JP
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compound semiconductor
semiconductor wafer
wafer
polishing
oxide layer
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JP23300596A
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Takehiko Tani
毅彦 谷
Harunori Sakaguchi
春典 坂口
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Hitachi Cable Ltd
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Hitachi Cable Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 化合物半導体ウエハ表面における不純物の付
着量が少なく、かつ、平坦性が高いと共に乾燥ムラのな
い化合物半導体ウエハの表面処理方法を提供するもので
ある。 【解決手段】 単結晶から切り出された化合物半導体ウ
エハ1の表面1aを研磨し、その後、有機溶媒および超
純水で洗浄し、最後に乾燥する化合物半導体ウエハ1の
表面処理方法において、研磨中に化合物半導体ウエハ1
の表面1aに層厚2〜10nmの自然酸化層2を形成
し、溶存酸素量が1ppm以下の超純水を用いて化合物
半導体ウエハ1の表面1aから上記自然酸化層2を溶解
除去するものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、化合物半導体ウエ
ハの表面処理方法に係り、特に、高品質なエピタキシャ
ル層を形成するための化合物半導体ウエハの表面処理方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】化合物半導体は、ショットキーゲート電
界効果トランジスタ(MESFET)、高移動度トラン
ジスタ(HEMT)、ヘテロ接合バイポーラトランジス
タ(HBT)、種々の受発光デバイスの作製に用いられ
ている。これらの素子は、鏡面ウエハの表面に分子線エ
ピタキシャル成長法(MBE法)、有機金属気相成長法
(MOVPE法)などにより能動層を形成する。鏡面ウ
エハは、次の手順で作製される。
【0003】 結晶インゴットをスライスし、ウエハ
を切り出す。
【0004】 ウエハをアルミナ砥粒で粗研磨して平
坦性を高めた後、メカノケミカル研磨によりウエハの表
面を鏡面に仕上げる。
【0005】 鏡面ウエハの脱脂洗浄を行った後、極
わずかなエッチング作用を持つ洗浄液での洗浄および超
純水での洗浄を行う。
【0006】 超純水洗浄後の鏡面ウエハを、IPA
乾燥法、スピン乾燥法などにより乾燥させる。
【0007】エピタキシャル成長用基板として、この鏡
面ウエハをそのまま用いる場合もある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たような方法で作製した鏡面ウエハにおいては、その表
面に1011〜1012/cm2 レベルのSi、Sなどの不
純物が付着していることが多く、このような鏡面ウエハ
に化合物半導体をエピタキシャル成長させると、これら
の不純物がエピタキシャル層−ウエハ界面(以下、エピ
層−ウエハ界面と呼ぶ)にドナー準位やアクセプター準
位を形成する。
【0009】これらの準位は、エピ層−ウエハ界面のリ
ーク電流の原因となり、デバイス特性を悪化させる。こ
れらの不純物の付着は、研磨直後においては問題になら
ない程の微量であり、その大部分が研磨後の大気中放
置、ハンドリングや種々の洗浄、および乾燥工程の間に
蓄積されたものである。
【0010】そこで、一般には、エピタキシャル成長前
に、表面不純物除去のために硫酸系エッチャント(H2
SO4 −H2 2 −H2 O)やアンモニア系エッチャン
ト(NH4 OH−H2 2 −H2 O)で鏡面ウエハの表
面をエッチングする。この時、不純物が再付着しないよ
うにエッチング速度の速いエッチャントを用いているた
め、ウエハ表面は少なくとも1〜2μmエッチングされ
る。
【0011】このエッチングの後、表面酸化物除去のた
めに、HF、HCl、およびBr−メタノール溶液に浸
漬し、超純水で再び洗浄する。その後、ウエハをスピン
乾燥法、イソプロピル蒸気乾燥法、N2 ガス吹き付け乾
燥法などで乾燥させ、このウエハをエピタキシャル成長
用基板とする。これらの一連のエッチング、水洗、およ
び乾燥は、ウエハキャリアを用いて多数枚を同時に処理
する。
【0012】上述した通り、従来の方法で作製した鏡面
ウエハの表面に、多くの不純物が付着している場合、こ
れを直接エピタキシャル成長用基板として用いることが
できない。
【0013】そこで従来は、エッチング速度の速いエッ
チャントを用いたエッチングで、鏡面ウエハ表面から表
面層を少なくとも1〜25μm除去することによって不
純物を除去しているのであるが、これでは、ウエハ表面
の平坦性を悪化させてしまい問題となる。
【0014】また、上述した従来の方法で作製したウエ
ハにおいては、鏡面ウエハをエッチングして酸化膜を除
去することによってウエハの表面は疎水性になる。水洗
中において、この表面状態(酸化膜が除去された状態)
を保持することができれば、水洗後にウエハを超純水中
から引き上げるだけで、ウエハ表面に水が残っていない
状態、すなわちウエハが乾燥している状態となる。
【0015】ところが、水洗中にウエハ表面は徐々に親
水性となってしまい、ウエハを超純水中から引き上げて
も、ウエハ表面には局所的に水が残っている。このウエ
ハをスピン乾燥、イソプロピル蒸気乾燥、N2 ガス吹き
付け乾燥などで乾燥させると、残留水部は乾燥ムラとな
る。この乾燥ムラは、その後のエピタキシャル結晶成長
工程でエピタキシャル層の異常成長を引き起こし、結晶
欠陥となるおそれがある。
【0016】そこで、本発明は、上記課題を解決し、化
合物半導体ウエハ表面における不純物の付着量が少な
く、かつ、平坦性が高いと共に乾燥ムラのない化合物半
導体ウエハの表面処理方法を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に請求項1の発明は、単結晶から切り出された化合物半
導体ウエハの表面を研磨し、その後、有機溶媒および超
純水で洗浄し、最後に乾燥する化合物半導体ウエハの表
面処理方法において、研磨中に化合物半導体ウエハの表
面に層厚2〜10nmの自然酸化層を形成し、溶存酸素
量が1ppm以下の超純水を用いて化合物半導体ウエハ
の表面から上記自然酸化層を溶解除去するものである。
【0018】請求項2の発明は、単結晶から切り出され
た化合物半導体ウエハの表面を研磨し、その後、有機溶
媒および超純水で洗浄し、最後に乾燥する化合物半導体
ウエハの表面処理方法において、研磨中に化合物半導体
ウエハの表面に層厚2〜10nmの自然酸化層を形成
し、上記超純水による洗浄の前に化合物半導体ウエハを
エッチングしてその表面を疎水性とした後、溶存酸素量
が1ppm以下の超純水を用いて洗浄して表面が疎水性
を有する化合物半導体ウエハを得るものである。請求項
3の発明は、鏡面研磨および洗浄を施した化合物半導体
ウエハを、エピタキシャル成長用基板として使用するの
に先立ち、上記化合物半導体ウエハをエッチング液中に
浸漬し、その後、溶存酸素量が1ppm以下の超純水で
後洗浄するものである。
【0019】請求項4の発明は、上記研磨に用いる研磨
液が、有効塩素5%以上の次亜塩素ナトリウム水溶液と
過酸化水素水とを混合したものでなる請求項1または請
求項2記載の化合物半導体ウエハの表面処理方法であ
る。
【0020】請求項5の発明は、上記研磨に用いる研磨
液が、0.1%臭素−メタノール溶液と過酸化水素水と
を混合したものでなる請求項1または請求項2記載の化
合物半導体ウエハの表面処理方法である。
【0021】上記数値範囲の限定理由を以下に述べる。
【0022】化合物半導体ウエハの表面に形成される自
然酸化層の層厚を2〜10nmとした理由は、自然酸化
層の層厚が2nmより薄いと、自然酸化層の表面に付着
した不純物が酸化層中を移動すると共に化合物半導体ウ
エハの表面に到達して付着するためである。逆に、自然
酸化層の層厚が10nmより厚いと、化合物半導体ウエ
ハの表面を研磨する際に、傷(スクラッチ)が発生し易
くなるためである。
【0023】超純水中の溶存酸素量を1ppm以下とし
た理由は、上記自然酸化層の主成分は、水に可溶性のA
2 3 と水に難溶性のGa2 3 であり、超純水中に
おける酸化層の層厚の増減は超純水中の溶存酸素量に依
存するためである。すなわち、溶存酸素量が1ppmよ
り多いと、As2 3 が超純水中に溶解するよりも速く
酸化が進むため、結果的に酸化層の層厚はより厚くな
る。逆に、溶存酸素量が1ppmより少ないと、酸化速
度よりも速くAs2 3 が超純水中に溶解するため、結
果的に酸化膜を溶解除去することができる。
【0024】なお、従来、エッチングにより疎水性とし
たウエハ表面が水洗中に親水性となるのは、ウエハ表面
が超純水中の溶存酸素により酸化されるためであった
が、上記溶存酸素量が1ppm以下の超純水で酸化層を
除去したウエハ表面は充分な疎水性を有している。
【0025】また、酸化層を除去してウエハ表面を疎水
性とするエッチング処理後の水洗いに、溶存酸素量が1
ppm以下の超純水を用いれば、水洗中にウエハ表面は
酸化されず、疎水性を維持することができるため、乾燥
ムラがない。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。
【0027】本発明の第一実施形態の化合物半導体ウエ
ハの表面処理方法における不純物除去機構を図1に示
す。図1(a)は、ウエハ表面に酸化層を形成した直後
の様子、図1(b)は、酸化層の表面に不純物が付着し
た様子、図1(c)は、酸化層を不純物ごと溶解除去す
る様子、図1(d)は、表面が清浄なウエハの様子を示
している。
【0028】先ず、単結晶から切り出された化合物半導
体ウエハ(例えば、半絶縁性GaAsウエハ)の表面を
粗研磨および一次研磨した後、例えば、有効塩素5%以
上の次亜塩素ナトリウム水溶液または臭素−メタノール
溶液と過酸化水素水とを混合したものでなる研磨液でメ
カノケミカル研磨(研磨)する(図示せず)。
【0029】メカノケミカル研磨中に、図1(a)に示
すように、化合物半導体ウエハの表面(以下、ウエハ表
面と呼ぶ)1aに、例えば、層厚2〜10nmの自然酸
化層2を形成することによって、メカノケミカル研磨後
の工程で付着する不純物(図示せず)に対する保護層と
し、その後、次工程を行うまでの間、大気中に放置(例
えば、8時間)する。
【0030】次に、研磨加工時に化合物半導体ウエハ1
の固定に用いたワックスの残渣や自然酸化層の表面(以
下、酸化層表面と呼ぶ)2aに付着した大気中の塵埃な
どを除去するために、例えば、アセトンやメタノールな
どの有機溶媒(図示せず)で、適宜洗浄する。しかし、
この状態では、図1(b)に示すように、酸化層表面2
aには不純物3が付着している。
【0031】そこで、図1(c)に示すように、溶存酸
素量が1ppm以下の超純水(図示せず)を用いて、ウ
エハ表面1aから不純物3ごと自然酸化層2を溶解除去
し、最後にウエハ表面1aを乾燥させ、図1(d)に示
すような、ウエハ表面1aが清浄で、かつ、疎水性の化
合物半導体ウエハ1を得る。
【0032】本実施形態の化合物半導体ウエハの表面処
理方法は、ウエハ表面1aに付着する不純物3の大部分
が、メカノケミカル研磨後の大気中放置、ハンドリング
や種々の洗浄、および乾燥工程の間になされるものであ
るということに着目し、メカノケミカル研磨中にウエハ
表面1aに付着する不純物3に対する保護層とするため
に、メカノケミカル研磨中のウエハ表面1aに自然酸化
層2を形成した。
【0033】これによって、不純物3は酸化層表面2a
に付着するものの、ウエハ表面1aには付着しない。す
なわち、メカノケミカル研磨直後のウエハ表面1aの清
浄性を保つことができる。
【0034】従って、図1(d)の化合物半導体ウエハ
1は、そのままエピタキシャル成長に用いても、エピタ
キシャル層との間に不純物が無いため、デバイス特性に
優れた半導体素子を得ることができる。
【0035】また、超純水中で洗浄した化合物半導体ウ
エハ1を超純水中から引き上げるだけで、ウエハ表面1
aから水が切れるため、ウエハ表面1aにおける乾燥ム
ラのおそれがない。すなわち、高品質なエピタキシャル
層をウエハ表面1a上に形成させることができ、素子歩
留りを上げることができる。
【0036】本実施形態においては、研磨液として有効
塩素5%以上の次亜塩素ナトリウム水溶液または臭素−
メタノール溶液に混合する酸化剤として過酸化水素水を
挙げているが、特にこれに限定するものではなく、酸素
やオゾンなどであってもよい。 次に、本発明の第二実
施形態を説明する。
【0037】上記第一実施形態では、溶存酸素量が1p
pm以下の超純水による水洗いでウエハ表面1aの自然
酸化層2を除去しており、ウエハ表面1aは充分な疎水
性を有している。しかし、自然酸化層2を完全に除去す
るためには、長時間水洗いする必要がある。
【0038】そこで、本実施形態では、水洗い前に、自
然酸化層2を除去してウエハ表面1aを疎水性とするエ
ッチングを施し、水洗い時間を短縮する。
【0039】すなわち、上記実施形態と同じ様に、鏡面
研磨後に有機溶媒で洗浄した化合物半導体ウエハ1を、
図1(c)に示すように、エッチング液(例えば、ふっ
酸水溶液)中に、例えば、10分間浸漬してエッチング
処理を行い、ウエハ表面1aから不純物3ごと自然酸化
層2を溶解除去することによって、短時間でウエハ表面
1aを疎水性にし、続いて、溶存酸素量が1ppm以下
の超純水中でウエハ表面1aを洗浄することによって、
ウエハ表面1aに新たな酸化層の形成を防止し、ウエハ
表面1における疎水性を保持することができる。
【0040】このように、本実施形態によれば、水洗い
前に化合物半導体ウエハ1をエッチングして酸化層を除
去しておき、その後で、溶存酸素量が1ppm以下の超
純水で洗浄することによって、ウエハ表面1aにおける
清浄性と疎水性の両方を達成することができると共に、
水洗い時間を短縮することができる。
【0041】次に、本発明の第三実施形態について説明
する。
【0042】上記各実施形態の表面処理された化合物半
導体ウエハ1は、そのままエピタキシャル成長に使用す
ることができる。しかし、エピタキシャル成長を行うま
でに、長時間大気に晒されてウエハ表面1aに酸化膜が
形成されることもある。このような化合物半導体ウエハ
1に対しては、上記第二実施形態と同様に、酸化膜を除
去するエッチングの後に、溶存酸素量が1ppm以下の
超純水で洗浄することにより、ウエハ表面1aの清浄性
と疎水性の両方を達成できる。
【0043】なお、上記実施形態では、化合物半導体ウ
エハ1を浸漬するエッチング液としてふっ酸水溶液を挙
げたが、特にこれに限定するものではなく、硫酸系や臭
素系溶液などであってもよい。
【0044】また、化合物半導体ウエハ1としては、半
絶縁性GaAsウエハの例を挙げたが、特にこれに限定
するものではなく、GaAsウエハ、InPウエハ、半
絶縁性InPウエハなどであってもよい。
【0045】
【実施例】
(実施例1)粗研磨および一次研磨を経た半絶縁性Ga
Asウエハを、有効塩素5%以上の次亜塩素ナトリウム
水溶液に25%過酸化水素水を5%混合した溶液でメカ
ノケミカル研磨し、半絶縁性GaAsウエハの表面に2
nmの酸化層を形成する。その後、半絶縁性GaAsウ
エハを大気中に8時間放置する。次に、アセトン、メタ
ノール、超純水で半絶縁性GaAsウエハを洗浄した
後、IPA蒸気乾燥する。 この半絶縁性GaAsウエ
ハ表面上に、MOVPEエピタキシャル成長法で、アン
ドープGaAsを800nm、SiドープGaAs(キ
ャリア濃度:2×1017)を200nmの厚さで成長さ
せ、化合物半導体ウエハを作製した。
【0046】(実施例2)粗研磨および一次研磨を経た
半絶縁性GaAsウエハを、有効塩素5%以上の次亜塩
素ナトリウム水溶液に25%過酸化水素水を10%混合
した溶液でメカノケミカル研磨し、半絶縁性GaAsウ
エハの表面に5nmの酸化層を形成し、実施例1と同様
にして化合物半導体ウエハを作製した。
【0047】(実施例3)粗研磨および一次研磨を経た
半絶縁性GaAsウエハを、有効塩素5%以上の次亜塩
素ナトリウム水溶液に25%過酸化水素水を20%混合
した溶液でメカノケミカル研磨し、半絶縁性GaAsウ
エハの表面に10nmの酸化層を形成し、実施例1と同
様にして化合物半導体ウエハを作製した。
【0048】(比較例1)粗研磨および一次研磨を経た
半絶縁性GaAsウエハを、有効塩素5%以上の次亜塩
素ナトリウム水溶液に25%過酸化水素水を0%混合し
た溶液でメカノケミカル研磨し、半絶縁性GaAsウエ
ハの表面に1.3nmの酸化層を形成し、実施例1と同
様にして化合物半導体ウエハを作製した。
【0049】(比較例2)粗研磨および一次研磨を経た
半絶縁性GaAsウエハを、有効塩素5%以上の次亜塩
素ナトリウム水溶液に25%過酸化水素水を30%混合
した溶液でメカノケミカル研磨し、半絶縁性GaAsウ
エハの表面に11nmの酸化層を形成し、実施例1と同
様にして化合物半導体ウエハを作製した。
【0050】(実施例4)粗研磨および一次研磨を経た
半絶縁性GaAsウエハを、0.1%臭素−メタノール
溶液に25%過酸化水素水を5%混合した溶液でメカノ
ケミカル研磨し、半絶縁性GaAsウエハの表面に2n
mの酸化層を形成し、実施例1と同様にして化合物半導
体ウエハを作製した。
【0051】(実施例5)粗研磨および一次研磨を経た
半絶縁性GaAsウエハを、0.1%臭素−メタノール
溶液に25%過酸化水素水を10%混合した溶液でメカ
ノケミカル研磨し、半絶縁性GaAsウエハの表面に5
nmの酸化層を形成し、実施例1と同様にして化合物半
導体ウエハを作製した。
【0052】(実施例6)粗研磨および一次研磨を経た
半絶縁性GaAsウエハを、0.1%臭素−メタノール
溶液に25%過酸化水素水を20%混合した溶液でメカ
ノケミカル研磨し、半絶縁性GaAsウエハの表面に1
0nmの酸化層を形成し、実施例1と同様にして化合物
半導体ウエハを作製した。
【0053】(比較例3)粗研磨および一次研磨を経た
半絶縁性GaAsウエハを、0.1%臭素−メタノール
溶液に25%過酸化水素水を0%混合した溶液でメカノ
ケミカル研磨し、半絶縁性GaAsウエハの表面に1.
3nmの酸化層を形成し、実施例1と同様にして化合物
半導体ウエハを作製した。
【0054】(比較例4)粗研磨および一次研磨を経た
半絶縁性GaAsウエハを、0.1%臭素−メタノール
溶液に25%過酸化水素水を30%混合した溶液でメカ
ノケミカル研磨し、半絶縁性GaAsウエハの表面に1
1nmの酸化層を形成し、実施例1と同様にして化合物
半導体ウエハを作製した。
【0055】実施例1〜3および比較例1〜2、実施例
4〜6および比較例3〜4の化合物半導体ウエハにおい
て、エピ層−ウエハ界面のキャリアの蓄積を調べるべく
C−V法で評価した。また、同様にエピ層−ウエハ界面
の不純物量を調べるべくSIMSで評価した。その評価
結果を表1、表2に示す。
【0056】
【表1】
【0057】
【表2】
【0058】表1、表2に示すように、実施例1〜実施
例6の化合物半導体ウエハにおいては、酸化層の層厚が
2〜10nmであるため、研磨後の化合物半導体ウエハ
の表面状態およびエピ層−ウエハ界面の電気特性は良好
であり、またエピ層−ウエハ界面の不純物量も、測定限
界値である1×1017以下であり、高品質な化合物半導
体ウエハを得ることができる。
【0059】これに対して、比較例1および比較例3の
化合物半導体ウエハにおいては、研磨後の化合物半導体
ウエハの表面状態は良好であったが、酸化層の層厚が2
nmより薄い(1.3nm)ため、エピ層−ウエハ界面
においてキャリアの蓄積が有ると共に電気特性が不良で
あり、その電気特性を不良にするキャリアであるSi、
Sの不純物量は、ともにSiドープGaAs本来のキャ
リア濃度(2×1017)を上回っている。
【0060】また、比較例2および比較例4の化合物半
導体ウエハにおいては、エピ層−ウエハ界面の電気特性
は良好であり、またエピ層−ウエハ界面の不純物量も、
測定限界値である1×1017以下であったが、酸化層の
層厚が10nmより厚い(11nm)ため、研磨後の化
合物半導体ウエハの表面に多数のスクラッチが観察され
た。
【0061】次に、超純水中の溶存酸素量が、化合物半
導体ウエハ表面の結晶欠陥に及ぼす影響について実験を
行った。
【0062】有機溶剤洗浄を経た7枚の半絶縁性GaA
sウエハを、それぞれ20%ふっ酸水溶液に10分間浸
漬し、その後、溶存酸素量を0.1、0.5、0.7、
1.0、1.3、1.5、2ppmと変化させた超純水
中で、それぞれ3分間洗浄すると共に水から引き上げ、
スピン乾燥法で乾燥させた。
【0063】それぞれの半絶縁性GaAsウエハ表面上
に、MOVPEエピタキシャル成長法で、アンドープA
X Ga1-X As(X=0.5)を500nm成長さ
せ、7枚の化合物半導体ウエハを作製した。
【0064】この時、超純水中の溶存酸素量は、超純水
中にN2 ガスをバブリングし、バブリング時間を変化さ
せることで0.1〜2ppmに調整した。
【0065】それぞれの化合物半導体ウエハにおいて、
ウエハ表面の結晶欠陥数を鏡面検査装置(サーフスキャ
ン6500;テンコール社製)を用いて調べた。超純水
中の溶存酸素量(ppm)と結晶欠陥数(個/cm2
との関係を図2に示す。
【0066】図2に示すように、結晶欠陥数は超純水中
の溶存酸素量が少なくなると共に減少し、溶存酸素量が
1ppm以下で1(個/cm2 )以下と非常に少なくな
る。これは、超純水中の溶存酸素量が1ppm以下のも
のを用いて半絶縁性GaAsウエハの表面を洗浄するこ
とで、半絶縁性GaAsウエハ表面の酸化層をほぼ完全
に溶解除去することができるためである。
【0067】これによって、半絶縁性GaAsウエハ表
面における疎水性を保持することができるため、半絶縁
性GaAsウエハ表面における乾燥ムラが生じなくな
る。この結果として、結晶欠陥の少ない高品質なエピタ
キシャル層を半絶縁性GaAsウエハ表面上に成長させ
ることができるようになる。
【0068】本実施例においては、溶存酸素量を調整す
る方法としてN2 ガスによるバブリングを挙げている
が、特にこれに限定するものではなく、Arなどの不活
性ガスによるバブリングやPd触媒およびH2 ガスと溶
存酸素とを反応させる方法などであってもよいことは言
うまでもない。
【0069】
【発明の効果】以上要するに本発明によれば、次のよう
な優れた効果を発揮する。
【0070】(1) メカノケミカル研磨中に化合物半
導体ウエハ表面に酸化層を形成させるため、その後の工
程において化合物半導体ウエハ表面へ直接不純物が付着
することなく、メカノケミカル研磨直後における化合物
半導体ウエハ表面の清浄性を保持することができる。
【0071】(2) また、上記(1)の通り、ウエハ
表面に直接不純物が付着していないため、その後の工程
において化合物半導体ウエハ表面を直接エッチングする
必要はなく、化合物半導体ウエハの平坦性を維持でき
る。
【0072】(3) 超純水洗浄工程を経ても疎水性が
保持されるため、化合物半導体ウエハ表面における乾燥
ムラのおそれがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の化合物半導体ウエハの表面処理方法に
おける不純物除去機構を示す図である。
【図2】本発明の化合物半導体ウエハの表面処理方法に
おける超純水の溶存酸素量と結晶欠陥との関係を示す図
である。
【符号の説明】
1 半絶縁性GaAsウエハ(化合物半導体ウエハ) 1a ウエハ表面(表面) 2 自然酸化層 2a 酸化層表面 3 不純物

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 単結晶から切り出された化合物半導体ウ
    エハの表面を研磨し、その後、有機溶媒および超純水で
    洗浄し、最後に乾燥する化合物半導体ウエハの表面処理
    方法において、研磨中に化合物半導体ウエハの表面に層
    厚2〜10nmの自然酸化層を形成し、溶存酸素量が1
    ppm以下の超純水を用いて化合物半導体ウエハの表面
    から上記自然酸化層を溶解除去することを特徴とする化
    合物半導体ウエハの表面処理方法。
  2. 【請求項2】 単結晶から切り出された化合物半導体ウ
    エハの表面を研磨し、その後、有機溶媒および超純水で
    洗浄し、最後に乾燥する化合物半導体ウエハの表面処理
    方法において、研磨中に化合物半導体ウエハの表面に層
    厚2〜10nmの自然酸化層を形成し、上記超純水によ
    る洗浄の前に化合物半導体ウエハをエッチングしてその
    表面を疎水性とした後、溶存酸素量が1ppm以下の超
    純水を用いて洗浄して表面が疎水性を有する化合物半導
    体ウエハを得ることを特徴とする化合物半導体ウエハの
    表面処理方法。
  3. 【請求項3】 鏡面研磨および洗浄を施した化合物半導
    体ウエハを、エピタキシャル成長用基板として使用する
    のに先立ち、上記化合物半導体ウエハをエッチング液中
    に浸漬し、その後、溶存酸素量が1ppm以下の超純水
    で後洗浄することを特徴とする化合物半導体ウエハの表
    面処理方法。
  4. 【請求項4】 上記研磨に用いる研磨液が、有効塩素5
    %以上の次亜塩素ナトリウム水溶液と過酸化水素水とを
    混合したものでなる請求項1または請求項2記載の化合
    物半導体ウエハの表面処理方法。
  5. 【請求項5】 上記研磨に用いる研磨液が、0.1%臭
    素−メタノール溶液と過酸化水素水とを混合したもので
    なる請求項1または請求項2記載の化合物半導体ウエハ
    の表面処理方法。
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