JPH1079117A - 含フッ素化合物、及びこれを用いた磁気記録媒体 - Google Patents
含フッ素化合物、及びこれを用いた磁気記録媒体Info
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- JPH1079117A JPH1079117A JP23385296A JP23385296A JPH1079117A JP H1079117 A JPH1079117 A JP H1079117A JP 23385296 A JP23385296 A JP 23385296A JP 23385296 A JP23385296 A JP 23385296A JP H1079117 A JPH1079117 A JP H1079117A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】吸着状態において潤滑性能の高い含フッ素化合
物、ならびにこれを用いた磁気記録媒体を得る。 【解決手段】直鎖状パーフルオロポリオキシアルキルあ
るいはパーフルオロオキシアルキレン鎖の分子端の片
方、あるいは両方にポリシロキサンオリゴマを有する含
フッ素化合物、及びこれを用いた磁気記録媒体。 【効果】吸着状態においても液体的性質を有し、潤滑性
能の高い含フッ素化合物、ならびにこれを用いた磁気記
録媒体を得ることができる。
物、ならびにこれを用いた磁気記録媒体を得る。 【解決手段】直鎖状パーフルオロポリオキシアルキルあ
るいはパーフルオロオキシアルキレン鎖の分子端の片
方、あるいは両方にポリシロキサンオリゴマを有する含
フッ素化合物、及びこれを用いた磁気記録媒体。 【効果】吸着状態においても液体的性質を有し、潤滑性
能の高い含フッ素化合物、ならびにこれを用いた磁気記
録媒体を得ることができる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、最外層に保護膜を
有する磁気記録媒体に関する。
有する磁気記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、磁気デイスクの記録密度向上に伴
い、磁気ヘッドと磁気デイスク表面の間隔を狭くする傾
向があり、デイスク表面における摺動条件は接触摺動等
苛酷なものとなっている。従来より摺動特性向上のた
め、潤滑剤としてパーフルオロオキシアルキル基または
パーフルオロオキシアルキレン基を含む分子がデイスク
表面に塗布されている。最外層にカーボン保護膜を有す
るスパッタ型磁気デイスクの場合、カーボン保護膜表面
への潤滑剤分子固定を図るため、パーフルオロオキシア
ルキル分子末端またはパーフルオロオキシアルキレン分
子末端に各種官能基を導入した含フッ素潤滑剤が提案さ
れている。
い、磁気ヘッドと磁気デイスク表面の間隔を狭くする傾
向があり、デイスク表面における摺動条件は接触摺動等
苛酷なものとなっている。従来より摺動特性向上のた
め、潤滑剤としてパーフルオロオキシアルキル基または
パーフルオロオキシアルキレン基を含む分子がデイスク
表面に塗布されている。最外層にカーボン保護膜を有す
るスパッタ型磁気デイスクの場合、カーボン保護膜表面
への潤滑剤分子固定を図るため、パーフルオロオキシア
ルキル分子末端またはパーフルオロオキシアルキレン分
子末端に各種官能基を導入した含フッ素潤滑剤が提案さ
れている。
【0003】例えば、特開昭61−42727号公報,同58−2
9147号公報,特開平1−4550 号公報にパーフルオロオキ
シアルキル分子末端に−SO2CH3,−SO2F,−CO
OH,−OHを導入した例、特開昭64−9961号公報にカ
ルボン酸アンモニウム塩をパーフルオロオキシアルキル
基に導入した例の開示がある。
9147号公報,特開平1−4550 号公報にパーフルオロオキ
シアルキル分子末端に−SO2CH3,−SO2F,−CO
OH,−OHを導入した例、特開昭64−9961号公報にカ
ルボン酸アンモニウム塩をパーフルオロオキシアルキル
基に導入した例の開示がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】スパッタ型磁気デイス
クのカーボン保護膜表面に対する、これら潤滑剤分子の
吸着機構は完全に解明されている訳ではないが、パーフ
ルオロオキシアルキル基分子末端に導入された官能基
は、カーボン保護膜上と相互作用して、潤滑剤分子を表
面に固定するものと考えられている。
クのカーボン保護膜表面に対する、これら潤滑剤分子の
吸着機構は完全に解明されている訳ではないが、パーフ
ルオロオキシアルキル基分子末端に導入された官能基
は、カーボン保護膜上と相互作用して、潤滑剤分子を表
面に固定するものと考えられている。
【0005】しかしながら、このような潤滑剤分子は保
護膜に強く固定吸着される為、分子自身の潤滑性能が低
下するという問題点を有する。高い潤滑性能を実現する
には、潤滑剤分子はより液体的でなければならないが、
ジャーナルオブケミカルフィジックス(Journal of Chem
ical Physics)第100巻8444頁乃至8453頁
に、一般に固体表面に吸着された高分子は固体的となる
ことが開示されている。高分子の一種である潤滑剤分子
も例外ではない。
護膜に強く固定吸着される為、分子自身の潤滑性能が低
下するという問題点を有する。高い潤滑性能を実現する
には、潤滑剤分子はより液体的でなければならないが、
ジャーナルオブケミカルフィジックス(Journal of Chem
ical Physics)第100巻8444頁乃至8453頁
に、一般に固体表面に吸着された高分子は固体的となる
ことが開示されている。高分子の一種である潤滑剤分子
も例外ではない。
【0006】このため、従来型の潤滑剤分子の場合、潤
滑のため表面より遊離した余剰な潤滑剤分子を常に必要
とする。余剰な潤滑剤分子は、保護膜表面に直接吸着し
ていないため、液体的であり、潤滑機能を有する。しか
し、この余剰な潤滑剤はヘッドとデイスク表面の間隔低
減に障害となっているのみならず、ヘッドとデイスクの
粘着等の原因ともなっている。
滑のため表面より遊離した余剰な潤滑剤分子を常に必要
とする。余剰な潤滑剤分子は、保護膜表面に直接吸着し
ていないため、液体的であり、潤滑機能を有する。しか
し、この余剰な潤滑剤はヘッドとデイスク表面の間隔低
減に障害となっているのみならず、ヘッドとデイスクの
粘着等の原因ともなっている。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記問題点は、吸着に関
与する潤滑剤分子末端の熱緩和時間が短いパーフルオロ
オキシアルキル基分子を得ることにより解決される。
東,長倉編「緩和現象の化学」(岩波書店1974年)
に一般的に、物質が液体的であるか固体的であるかは、
分子構造の熱ゆらぎの程度を表わす分子時間相関関数の
緩和時間により決定され、緩和時間が短いほど液体的な
性質が強くなることが開示されている。表面に吸着され
た高分子が固体的となるのは、分子−表面間の相互作用
により分子の熱ゆらぎの程度が減少し、緩和時間が長く
なることによる。従って、保護膜に固定吸着された潤滑
剤分子の液体的性質を増大させ、潤滑機能を向上させる
ためには、熱運動の程度が大きく時間相関関数の緩和時
間が短い分子構造を有する潤滑剤を見い出せばよい。
与する潤滑剤分子末端の熱緩和時間が短いパーフルオロ
オキシアルキル基分子を得ることにより解決される。
東,長倉編「緩和現象の化学」(岩波書店1974年)
に一般的に、物質が液体的であるか固体的であるかは、
分子構造の熱ゆらぎの程度を表わす分子時間相関関数の
緩和時間により決定され、緩和時間が短いほど液体的な
性質が強くなることが開示されている。表面に吸着され
た高分子が固体的となるのは、分子−表面間の相互作用
により分子の熱ゆらぎの程度が減少し、緩和時間が長く
なることによる。従って、保護膜に固定吸着された潤滑
剤分子の液体的性質を増大させ、潤滑機能を向上させる
ためには、熱運動の程度が大きく時間相関関数の緩和時
間が短い分子構造を有する潤滑剤を見い出せばよい。
【0008】一方、ジャーナル オブ ケミカル フィ
ジックス(Journal of Chemical Physics)第92巻,3
827頁乃至3847頁に、固体表面の高分子構造に及
ぼす影響は局所的であり、その影響は分子端より2乃至
3セグメント程度の領域にとどまることが開示されてい
る。したがって、吸着分子の時間相関関数の緩和時間
は、分子端の緩和時間を短くすることにより、減少可能
であると考えられる。一方、鎖状分子の時間相関関数
は、主鎖を構成する結合の回転ポテンシャル障壁により
決定され、障壁が低いほど熱運動が激しく、時間相関関
数の緩和時間が短い。分子力学計算の結果によれば、パ
ーフルオロオキシアルキル基及びパーフルオロオキシア
ルキレン基を構成するCF2−CF2結合、CF2−O 結
合の回転ポテンシャル障壁がそれぞれ10kcal/mol,
5kcal/molであるのに対し、ポリシロキサン主鎖を構
成するSi−O結合は約2kcal/molと低いので、ポリ
シロキサン主鎖の緩和時間はパーフルオロオキシアルキ
ル主鎖のそれよりも短いと考えられる。
ジックス(Journal of Chemical Physics)第92巻,3
827頁乃至3847頁に、固体表面の高分子構造に及
ぼす影響は局所的であり、その影響は分子端より2乃至
3セグメント程度の領域にとどまることが開示されてい
る。したがって、吸着分子の時間相関関数の緩和時間
は、分子端の緩和時間を短くすることにより、減少可能
であると考えられる。一方、鎖状分子の時間相関関数
は、主鎖を構成する結合の回転ポテンシャル障壁により
決定され、障壁が低いほど熱運動が激しく、時間相関関
数の緩和時間が短い。分子力学計算の結果によれば、パ
ーフルオロオキシアルキル基及びパーフルオロオキシア
ルキレン基を構成するCF2−CF2結合、CF2−O 結
合の回転ポテンシャル障壁がそれぞれ10kcal/mol,
5kcal/molであるのに対し、ポリシロキサン主鎖を構
成するSi−O結合は約2kcal/molと低いので、ポリ
シロキサン主鎖の緩和時間はパーフルオロオキシアルキ
ル主鎖のそれよりも短いと考えられる。
【0009】そこで本発明では、パーフルオロオキシア
ルキル基あるいはパーフルオロオキシアルキレン基の分
子末端に緩和時間の短いポリシロキサンオリゴマを導入
し、吸着状態の緩和時間を短くして、吸着状態において
も液体的性質を保つようにした。
ルキル基あるいはパーフルオロオキシアルキレン基の分
子末端に緩和時間の短いポリシロキサンオリゴマを導入
し、吸着状態の緩和時間を短くして、吸着状態において
も液体的性質を保つようにした。
【0010】すなわち、本発明は温度300Kでグラフ
ァイト基板上に吸着した状態での末端間ベクトル時間相
関関数の緩和時間が350ピコ秒以下であることを特徴
とする直鎖状の含フッ素化合物に関する。本発明におい
て、グラファイト基板とはsp2型の炭素原子が2次元
的に配列した原子クラスタであり、炭素原子間距離は
1.4Å 、クラスタの大きさは縦10nm,横10nm
である。
ァイト基板上に吸着した状態での末端間ベクトル時間相
関関数の緩和時間が350ピコ秒以下であることを特徴
とする直鎖状の含フッ素化合物に関する。本発明におい
て、グラファイト基板とはsp2型の炭素原子が2次元
的に配列した原子クラスタであり、炭素原子間距離は
1.4Å 、クラスタの大きさは縦10nm,横10nm
である。
【0011】前記の緩和時間は、分子力場CVFFを用
い、Biosym Technologies Inc.製分子動力学計算プログ
ラムDiscover Version 2.9を用いて算出される緩和時
間であることを特徴とする。また、前記の直鎖状の含フ
ッ素化合物は、その分子末端部がシロキサンオリゴマで
あり、(化1)及び(化2)で表される含フッ素化合物
である。また、本発明は非磁性支持体上に磁性層を有
し、少なくともその最外層に前記の直鎖状の含フッ素化
合物からなる膜を設けたことを特徴とする磁気記録媒
体、及び直鎖状のフッ素化合物からなる膜厚が30nm
以下であることを特徴とする、磁気記録媒体に関する。
い、Biosym Technologies Inc.製分子動力学計算プログ
ラムDiscover Version 2.9を用いて算出される緩和時
間であることを特徴とする。また、前記の直鎖状の含フ
ッ素化合物は、その分子末端部がシロキサンオリゴマで
あり、(化1)及び(化2)で表される含フッ素化合物
である。また、本発明は非磁性支持体上に磁性層を有
し、少なくともその最外層に前記の直鎖状の含フッ素化
合物からなる膜を設けたことを特徴とする磁気記録媒
体、及び直鎖状のフッ素化合物からなる膜厚が30nm
以下であることを特徴とする、磁気記録媒体に関する。
【0012】本発明により、表面に吸着した状態におい
ても時間相関関数の緩和時間が短く潤滑機能を有する含
フッ素化合物、およびそれを用いた磁気記録媒体を得る
ことができる。
ても時間相関関数の緩和時間が短く潤滑機能を有する含
フッ素化合物、およびそれを用いた磁気記録媒体を得る
ことができる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施例により具体
的に説明するが、本発明は以下の実施例に拘束されな
い。
的に説明するが、本発明は以下の実施例に拘束されな
い。
【0014】(実施例1)下記(化3),(化4),
(化5),(化6),(化7),(化8)及び(化1
1)により表される分子がグラファイト上へ吸着した状
態での末端間ベクトル時間相関関数の緩和時間を分子動
力学法により計算した結果を示す。
(化5),(化6),(化7),(化8)及び(化1
1)により表される分子がグラファイト上へ吸着した状
態での末端間ベクトル時間相関関数の緩和時間を分子動
力学法により計算した結果を示す。
【0015】
【化3】 CH3−[Si(CH3)2−O]2−CH2−Rf1 …(化3)
【0016】
【化4】 CH3−[Si(CH3)2−O]5−CH2−Rf1 …(化4)
【0017】
【化5】 [CH3−[Si(CH3)2−O]2−CH2]2−Rf2 …(化5)
【0018】
【化6】 [CH3−[Si(CH3)2−O]5−CH2]2−Rf2 …(化6)
【0019】
【化7】 C6H5−[Si(CH3)2−O]3−CH2−Rf1 …(化7)
【0020】
【化8】 C6H5−[Si(CH3)2−O]3−CH2]2−Rf2 …(化8) ここで、Rf1はそれぞれ下記(化9)により表わされ
る、Du Pont 社製品であるクライトックス型パーフルオ
ロオキシアルキル基で、Rf2は(化10)により表わ
される、Montefluos社製品であるフォンブリン型パーフ
ルオロオキシアルキレン基である。
る、Du Pont 社製品であるクライトックス型パーフルオ
ロオキシアルキル基で、Rf2は(化10)により表わ
される、Montefluos社製品であるフォンブリン型パーフ
ルオロオキシアルキレン基である。
【0021】
【化9】 CF3[CF(CF3)−CF2−O]30− …(化9)
【0022】
【化10】 −[(CF2CF2)15(OCF2)15]− …(化10) ここで(化3),(化4)は(化1)においてnの値がそ
れぞれ2,5の分子、(化5),(化6)は(化2)にお
いてnの値がそれぞれ2,5の分子である。
れぞれ2,5の分子、(化5),(化6)は(化2)にお
いてnの値がそれぞれ2,5の分子である。
【0023】(化11)はクライトックス型のパーフル
オロオキシアルキル分子である。
オロオキシアルキル分子である。
【0024】
【化11】 F−[CF(CF3)−CF2−O]29−CF(CF3)−CH2OH…(化11) (数1)に、末端間ベクトル時間相関関数Φの定義を、
図1に末端間ベクトルuの定義を示す。
図1に末端間ベクトルuの定義を示す。
【0025】
【数1】
【0026】(数1)において、u(t)は分子動力学
法により算出される時刻tにおける末端間ベクトル、u
(t)・u(0)は末端間ベクトルu(t)とu(0)
の内積、<>は統計平均を意味する。十分な統計平均を
行った場合、時間相関関数は(数2)のように、指数関
数の形をとることが知られており、緩和時間はτで与え
られる。
法により算出される時刻tにおける末端間ベクトル、u
(t)・u(0)は末端間ベクトルu(t)とu(0)
の内積、<>は統計平均を意味する。十分な統計平均を
行った場合、時間相関関数は(数2)のように、指数関
数の形をとることが知られており、緩和時間はτで与え
られる。
【0027】
【数2】 Φ=exp(−t/τ) …(数2) 分子動力学計算は、Biosym Technologies Inc.製分子動
力学計算プログラムDiscover 2.8,分子力場CVFF
を用いて行った。グラファイト表面は各辺が10nmの
正方形状クラスタによりモデル化し、クラスタ上に吸着
した分子の運動を算出した。動力学計算は速度スケーリ
ング法を用い、温度300Kにおいて行った。動力学計
算の時間ステップは1fsとした。末端間ベクトル時間
相関関数(数1)の統計平均計算は、熱平衡状態におい
て時間原点の設定が任意であることを利用した時間平均
により行い、平均操作数を1万とした。緩和時間は、
(数1)の時間相関関数を指数関数(数2)により最小
二乗近似して求めた。
力学計算プログラムDiscover 2.8,分子力場CVFF
を用いて行った。グラファイト表面は各辺が10nmの
正方形状クラスタによりモデル化し、クラスタ上に吸着
した分子の運動を算出した。動力学計算は速度スケーリ
ング法を用い、温度300Kにおいて行った。動力学計
算の時間ステップは1fsとした。末端間ベクトル時間
相関関数(数1)の統計平均計算は、熱平衡状態におい
て時間原点の設定が任意であることを利用した時間平均
により行い、平均操作数を1万とした。緩和時間は、
(数1)の時間相関関数を指数関数(数2)により最小
二乗近似して求めた。
【0028】表1に計算結果を示す。(化3)乃至(化
8)により表される、本発明の含フッ素分子は分子末端
部にフレキシブルなシロキサンオリゴマを有するため、
緩和時間が(化11)のクライトックス型パーフルオロ
オキシアルキル分子のそれ(960ピコ秒)と比較して
短く、吸着状態でより液体的な性質を示すことが確認で
きた。
8)により表される、本発明の含フッ素分子は分子末端
部にフレキシブルなシロキサンオリゴマを有するため、
緩和時間が(化11)のクライトックス型パーフルオロ
オキシアルキル分子のそれ(960ピコ秒)と比較して
短く、吸着状態でより液体的な性質を示すことが確認で
きた。
【0029】
【表1】
【0030】(実施例2)本実施例では(化12)の合
成について記載する。(化12)の化合物は、(化1)
においてnが5の化合物である。
成について記載する。(化12)の化合物は、(化1)
においてnが5の化合物である。
【0031】
【化12】 Rf−CH2−[O−Si(CH3)2]5−CH3 …(化12) ここで、Rfはパーフルオロオキシアルキル基である。
【0032】(化12)の化合物は(化13)の1−ペ
ンタジメチルシロキサノールとダイキン工業社製DEMNUM
のSA(分子量約4000)を反応させて得られる。
ンタジメチルシロキサノールとダイキン工業社製DEMNUM
のSA(分子量約4000)を反応させて得られる。
【0033】
【化13】 CH3−[Si(CH3)2−O]5−H …(化13) 最初に1−ペンタジメチルシロキサノール(化13)の
合成方法について示す。1−ペンタジメチルシロキサノ
ールは、マクロモキュルス(Macromolecules)第20
巻,2345頁乃至2355頁に記載されている方法に
より合成した。
合成方法について示す。1−ペンタジメチルシロキサノ
ールは、マクロモキュルス(Macromolecules)第20
巻,2345頁乃至2355頁に記載されている方法に
より合成した。
【0034】次に(化12)の化合物の合成法について
記述する。SA(10重量部)を3M社製フッ素系溶剤
FC−70(100重量部)に溶解した後、溶液にトリ
ブチルアミン(Aldrich社製)を加え常温で撹拌する。こ
れに上記反応で得た1−ペンタジメチルシロキサノール
(1重量部)を加え、常温で2時間、引き続きオイルバ
スを用いて170℃で10時間撹拌する。撹拌後常温に
て24時間放置すると2層に分離する。上層(トリブチ
ルアミン層)を除去後、下層(FC−70層)をG2フィ
ルターでろ過し、ろ過液中のFC−70をエバポレータ
で揮発させ、さらに真空ポンプで完全に揮発させること
により(化12)により表わされる目的の化合物(10
重量部)を得た。図2にそのIRスペクトルを示す。
記述する。SA(10重量部)を3M社製フッ素系溶剤
FC−70(100重量部)に溶解した後、溶液にトリ
ブチルアミン(Aldrich社製)を加え常温で撹拌する。こ
れに上記反応で得た1−ペンタジメチルシロキサノール
(1重量部)を加え、常温で2時間、引き続きオイルバ
スを用いて170℃で10時間撹拌する。撹拌後常温に
て24時間放置すると2層に分離する。上層(トリブチ
ルアミン層)を除去後、下層(FC−70層)をG2フィ
ルターでろ過し、ろ過液中のFC−70をエバポレータ
で揮発させ、さらに真空ポンプで完全に揮発させること
により(化12)により表わされる目的の化合物(10
重量部)を得た。図2にそのIRスペクトルを示す。
【0035】(実施例3)本実施例では、(化14)の
合成について記載する。(化14)の化合物は(化1)
においてnが2の化合物である。
合成について記載する。(化14)の化合物は(化1)
においてnが2の化合物である。
【0036】
【化14】 Rf−CH2−[O−Si(CH3)2]2−CH3 …(化14) ここで、Rfはパーフルオロオキシアルキル基である。
【0037】(化14)の化合物は(化15)の1−ジ
ジメチルシロキサノールとダイキン工業社製DEMNUM S
A(分子量約4000)と反応させて得ることができ
る。
ジメチルシロキサノールとダイキン工業社製DEMNUM S
A(分子量約4000)と反応させて得ることができ
る。
【0038】
【化15】 CH3−[Si(CH3)2−O]2−H …(化15) 1−ジジメチルシロキサノールは、実施例2と同様、マ
クロモキュルス(Macromolecules) 第20巻,2345
頁乃至2355頁に記載されている方法により合成し
た。
クロモキュルス(Macromolecules) 第20巻,2345
頁乃至2355頁に記載されている方法により合成し
た。
【0039】(化14)の化合物は、1−ジメチルジシ
ロキサノール(0.5 重量部)を用いる以外は、実施例
1に記載の(化12)合成法と同様の方法で得られた。
得られた(化14)の化合物は10重量部であった。
ロキサノール(0.5 重量部)を用いる以外は、実施例
1に記載の(化12)合成法と同様の方法で得られた。
得られた(化14)の化合物は10重量部であった。
【0040】(化14)の化合物のIRスペクトルは、
(化12)のスペクトル(図2)とほぼ同様であった。
(化12)のスペクトル(図2)とほぼ同様であった。
【0041】(実施例4)本実施例では、(化16)の
化合物の合成について記載する。(化16)の化合物は
(化1)においてnが5、mが2の化合物である。
化合物の合成について記載する。(化16)の化合物は
(化1)においてnが5、mが2の化合物である。
【0042】
【化16】 [CH3−[Si(CH3)2−O]5−CH2]2−Rf2 …(化16) ここで、Rf2はパーフルオロオキシアルキレン基であ
る。
る。
【0043】(化16)の化合物は、(化13)の1−
ペンタジメチルシロキサノールとMontefluos社製Fombli
n Z−DOL(分子量約2000)と反応させることに
より得られる。1−ペンタジメチルシロキサノールは、
実施例2記載の方法により合成した。
ペンタジメチルシロキサノールとMontefluos社製Fombli
n Z−DOL(分子量約2000)と反応させることに
より得られる。1−ペンタジメチルシロキサノールは、
実施例2記載の方法により合成した。
【0044】(化16)の化合物合成法について記述す
る。Z−DOL(5重量部)を3M社製フッ素系溶剤F
C−75(100重量部)に溶解した後、溶液にトリブ
チルアミン(Aldrich社製)を加え常温で撹拌する。これ
に上記反応で得た1−ペンタジメチルシロキサノール
(2重量部)を加え、常温で2時間、引き続きウオータ
ーバスを用いて100℃で24時間撹拌する。撹拌後常
温にて24時間放置すると2層に分離する。上層(トリ
ブチルアミン層)を除去後、下層(FC−75層)をG2
フィルターでろ過し、ろ過液中のFC−75をエバポレ
ータで揮発させ、さらに真空ポンプで完全に揮発させる
ことにより(化16)により表わされる目的の化合物
(5重量部)を得た。図3にそのIRスペクトルを示
す。
る。Z−DOL(5重量部)を3M社製フッ素系溶剤F
C−75(100重量部)に溶解した後、溶液にトリブ
チルアミン(Aldrich社製)を加え常温で撹拌する。これ
に上記反応で得た1−ペンタジメチルシロキサノール
(2重量部)を加え、常温で2時間、引き続きウオータ
ーバスを用いて100℃で24時間撹拌する。撹拌後常
温にて24時間放置すると2層に分離する。上層(トリ
ブチルアミン層)を除去後、下層(FC−75層)をG2
フィルターでろ過し、ろ過液中のFC−75をエバポレ
ータで揮発させ、さらに真空ポンプで完全に揮発させる
ことにより(化16)により表わされる目的の化合物
(5重量部)を得た。図3にそのIRスペクトルを示
す。
【0045】(実施例5)本実施例では、(化17)の
合成について記載する。(化17)の化合物は(化2)
においてnが2、mが2の化合物である。
合成について記載する。(化17)の化合物は(化2)
においてnが2、mが2の化合物である。
【0046】
【化17】 CH3−[Si(CH3)2−O]2−CH2−Rf−CH2 −[O−Si(CH3)2]2−CH3 …(化17) ここで、Rfはパーフルオロオキシアルキレン基であ
る。
る。
【0047】(化17)の化合物は、1−ジジメチルシ
ロキサノールとMontefluos社製Fomblin Z−DOL
(分子量約2000)と反応させることにより得られ
る。1−ジジメチルシロキサノールは、実施例3記載の
方法により合成した。
ロキサノールとMontefluos社製Fomblin Z−DOL
(分子量約2000)と反応させることにより得られ
る。1−ジジメチルシロキサノールは、実施例3記載の
方法により合成した。
【0048】(化17)の化合物は、1−ペンタジメチ
ルシロキサノールの代わりに、1−ジメチルシロキサノ
ール(1重量部)を用いる以外は、実施例1に記載した
(化12)の合成法と同様の方法で得られた。得られた
(化17)の化合物は5重量部であった。
ルシロキサノールの代わりに、1−ジメチルシロキサノ
ール(1重量部)を用いる以外は、実施例1に記載した
(化12)の合成法と同様の方法で得られた。得られた
(化17)の化合物は5重量部であった。
【0049】(化17)の化合物のIRスペクトルは、
(化12)のスペクトル(図3)とほぼ同様であった。
(化12)のスペクトル(図3)とほぼ同様であった。
【0050】(実施例6)本実施例では、(化18)の
合成について記載する。
合成について記載する。
【0051】
【化18】 Rf−CH2−[O−Si(CH3)2]3−C6H5 …(化18) ここで、Rfはパーフルオロオキシアルキル基である。
【0052】(化18)は、(化19)により表わされる
化合物Aをダイキン工業社製DEMNUMSA(分子量約400
0)と反応させることにより得られる。
化合物Aをダイキン工業社製DEMNUMSA(分子量約400
0)と反応させることにより得られる。
【0053】
【化19】 C6H5−[Si(CH3)2−O]3−H …(化19) (化19)の化合物は、ツァイトシュリフト フュア
アンオルガニッシェウント アルゲマイネ へミー(Ze
itschrift fuer Anorganische und Allgemeine Chemie)
第494巻,166乃至178頁記載の方法により合成
した。
アンオルガニッシェウント アルゲマイネ へミー(Ze
itschrift fuer Anorganische und Allgemeine Chemie)
第494巻,166乃至178頁記載の方法により合成
した。
【0054】(化19)の化合物の合成法について記載
する。SA(10重量部)を3M社製フッ素系溶剤FC
−70(100重量部)に溶解した後、溶液にトリブチ
ルアミン(Aldrich社製)を加え常温で撹拌する。これに
上記反応で得た化合物(1重量部)を加え、常温で2時
間、引き続きオイルバスを用いて170℃で10時間撹
拌する。撹拌後常温にて24時間放置すると2層に分離
する。上層(トリブチルアミン層)を除去後、下層(F
C−70層)をG2フィルターでろ過し、ろ過液中のF
C−70をエバポレータで揮発させ、さらに真空ポンプ
で完全に揮発させることにより(化18)により表わさ
れる目的の化合物(10重量部)を得た。図4はそのI
Rスペクトルである。
する。SA(10重量部)を3M社製フッ素系溶剤FC
−70(100重量部)に溶解した後、溶液にトリブチ
ルアミン(Aldrich社製)を加え常温で撹拌する。これに
上記反応で得た化合物(1重量部)を加え、常温で2時
間、引き続きオイルバスを用いて170℃で10時間撹
拌する。撹拌後常温にて24時間放置すると2層に分離
する。上層(トリブチルアミン層)を除去後、下層(F
C−70層)をG2フィルターでろ過し、ろ過液中のF
C−70をエバポレータで揮発させ、さらに真空ポンプ
で完全に揮発させることにより(化18)により表わさ
れる目的の化合物(10重量部)を得た。図4はそのI
Rスペクトルである。
【0055】(実施例7)本実施例では、含フッ素化合
物(化20)の合成について記載する。
物(化20)の合成について記載する。
【0056】
【化20】 [C6H5−[[Si(CH3)2−O]3−CH2]2−Rf2 …(化20) ここで、Rfはパーフルオロオキシアルキレン基であ
る。
る。
【0057】(化20)の化合物は、(化19)により
表わされる化合物とMontefluos社製Fomblin Z−DO
L(分子量約2000)と反応させることにより得られ
る。
表わされる化合物とMontefluos社製Fomblin Z−DO
L(分子量約2000)と反応させることにより得られ
る。
【0058】(化19)は実施例6記載の方法により合
成した。(化20)の化合物合成は、1−ペンタジメチ
ルシロキサノールの代わりに(化19)(2重量部)を
用いる以外は実施例4に記載した(化16)の化合物合
成と同様であり、目的物である(化20)の5重量部を
得た。図5はそのIRスペクトルである。
成した。(化20)の化合物合成は、1−ペンタジメチ
ルシロキサノールの代わりに(化19)(2重量部)を
用いる以外は実施例4に記載した(化16)の化合物合
成と同様であり、目的物である(化20)の5重量部を
得た。図5はそのIRスペクトルである。
【0059】(実施例8)5.25 インチのAl合金デ
イスク表面のNi−P層の上にCo層を設け、その上に
Ni−Co系の磁性層を50nmの厚さにスパッタ蒸着
し、さらにカーボンからなる保護層を50nmの厚さに
製膜したデイスクを用意する。(化12),(化14),
(化16),(化17),(化18)、および(化20)
により表わされる本発明の含フッ素化合物をそれぞれ3
M社製フッ素系溶剤FC−72溶液に溶解し0.1wt
% 溶液を作製する。デイスクを溶液に1分間浸漬し、
その後引き上げ速度1mm/sで引き上げ、室温に2時間
放置して溶剤を揮発させ、本発明の含フッ素化合物の膜
を表面に形成したデイスクを作成した。潤滑膜厚は6.9
nm である。
イスク表面のNi−P層の上にCo層を設け、その上に
Ni−Co系の磁性層を50nmの厚さにスパッタ蒸着
し、さらにカーボンからなる保護層を50nmの厚さに
製膜したデイスクを用意する。(化12),(化14),
(化16),(化17),(化18)、および(化20)
により表わされる本発明の含フッ素化合物をそれぞれ3
M社製フッ素系溶剤FC−72溶液に溶解し0.1wt
% 溶液を作製する。デイスクを溶液に1分間浸漬し、
その後引き上げ速度1mm/sで引き上げ、室温に2時間
放置して溶剤を揮発させ、本発明の含フッ素化合物の膜
を表面に形成したデイスクを作成した。潤滑膜厚は6.9
nm である。
【0060】このデイスクの摺動特性をCSS(コンタ
クトスタートストップ)試験法により評価した。測定は
小野田セメント(株)製試験機を用い、条件を回転数36
00rpm ,1サイクル30秒,最終サイクル数1000
サイクル,ヘッド荷重10gとして行い、最終サイクル
のステイクション時の摩擦力を評価した。比較のため、
(化21)ならびにMontefluos社製潤滑剤AM2001につい
ても評価を行った。
クトスタートストップ)試験法により評価した。測定は
小野田セメント(株)製試験機を用い、条件を回転数36
00rpm ,1サイクル30秒,最終サイクル数1000
サイクル,ヘッド荷重10gとして行い、最終サイクル
のステイクション時の摩擦力を評価した。比較のため、
(化21)ならびにMontefluos社製潤滑剤AM2001につい
ても評価を行った。
【0061】
【化21】 CF3(CF2)16COO−NH4 + …(化21) さらに、これらの表面改質剤の吸着能力を熱飛散特性で
評価し、加熱による膜厚減少率を測定した。加熱温度は
100℃とし、100時間後の膜厚を測定し膜厚減少率
を評価した。
評価し、加熱による膜厚減少率を測定した。加熱温度は
100℃とし、100時間後の膜厚を測定し膜厚減少率
を評価した。
【0062】その結果を表2に示す。
【0063】この結果より、本発明の含フッ素化合物の
膜を表面に有するデイスク表面の摺動特性は非常に高い
ことが判明した。また、本発明の含フッ素化合物は熱飛
散性が低く、優れた吸着性を有し、潤滑性を向上させる
表面改質剤としても作用することがわかった。
膜を表面に有するデイスク表面の摺動特性は非常に高い
ことが判明した。また、本発明の含フッ素化合物は熱飛
散性が低く、優れた吸着性を有し、潤滑性を向上させる
表面改質剤としても作用することがわかった。
【0064】
【表2】
【0065】(実施例9)5.25 インチのAl合金デ
イスク表面にNi−P層を、その上にCo層を設け、こ
の上にNi−Co系の磁性層を50nmの厚さにスパッ
タ蒸着し、さらに50nmのカーボン膜を形成した磁性
層つきデイスクを用意する。次に、(化12)の化合物
を3M社製フッ素系溶剤FC−72溶液に0.15,0.
20,0.25,0.3wt%濃度で溶解した溶液を準備
し、この溶液に上記デイスクを浸潤してデイスク表面に
化合物を塗布した。浸潤条件は、浸潤時間1分,引き上
げ速度1mm/sec とした。デイスク表面上の分子膜厚を
赤外分光法(高感度反射法)により求めた。赤外分光測
定はパーキンエルマー製1720X型フーリエ変換赤外
分光装置により行った。その結果、分子膜厚は各濃度に
おいて7.1,9.8,14.5,33.3nmであった。各
膜厚でのデイスク表面の摺動特性をCSS(コンタクト
スタートストップ)法により評価した。CSS測定条件
は実施例8と同じである。結果を表3に示す。その結果
32.5nm の膜厚では、初期接線力が30gと大き
く、CSS特性を評価できなかった。従って、磁気記録
媒体としては30nm以下の分子膜厚で優れたCSS特
性を示した。
イスク表面にNi−P層を、その上にCo層を設け、こ
の上にNi−Co系の磁性層を50nmの厚さにスパッ
タ蒸着し、さらに50nmのカーボン膜を形成した磁性
層つきデイスクを用意する。次に、(化12)の化合物
を3M社製フッ素系溶剤FC−72溶液に0.15,0.
20,0.25,0.3wt%濃度で溶解した溶液を準備
し、この溶液に上記デイスクを浸潤してデイスク表面に
化合物を塗布した。浸潤条件は、浸潤時間1分,引き上
げ速度1mm/sec とした。デイスク表面上の分子膜厚を
赤外分光法(高感度反射法)により求めた。赤外分光測
定はパーキンエルマー製1720X型フーリエ変換赤外
分光装置により行った。その結果、分子膜厚は各濃度に
おいて7.1,9.8,14.5,33.3nmであった。各
膜厚でのデイスク表面の摺動特性をCSS(コンタクト
スタートストップ)法により評価した。CSS測定条件
は実施例8と同じである。結果を表3に示す。その結果
32.5nm の膜厚では、初期接線力が30gと大き
く、CSS特性を評価できなかった。従って、磁気記録
媒体としては30nm以下の分子膜厚で優れたCSS特
性を示した。
【0066】
【表3】
【0067】
【発明の効果】吸着状態においても潤滑性が高く表面改
質能を有する含フッ素化合物、ならびにこれを用いた磁
気記録媒体を提供することが可能となった。
質能を有する含フッ素化合物、ならびにこれを用いた磁
気記録媒体を提供することが可能となった。
【図1】末端間ベクトルの定義図である。
【図2】(化12)の化合物のIRスペクトルである。
【図3】(化16)の化合物のIRスペクトルである。
【図4】(化18)の化合物のIRスペクトルである。
【図5】(化20)の化合物のIRスペクトルである。
1…分子主鎖、2…主鎖を構成する原子団。
Claims (7)
- 【請求項1】温度300Kでグラファイト基板上に吸着
した状態での末端間ベクトル時間相関関数の緩和時間
が、350ピコ秒以下であることを特徴とする直鎖状の
含フッ素化合物。 - 【請求項2】請求項1記載の緩和時間は、分子力場CV
FFを用いBiosym Tchnologies Inc.製分子動力学計算
プログラムDiscover Version 2.9を用いて算出される
緩和時間であることを特徴とする直鎖状の含フッ素化合
物。 - 【請求項3】請求項1記載の直鎖状の含フッ素化合物
は、その分子末端部がシロキサンオリゴマであることを
特徴とする直鎖状の含フッ素化合物。 - 【請求項4】請求項1記載の直鎖状の含フッ素化合物
は、下記(化1)で表される含フッ素化合物。 【化1】 [CH3−[Si(CH3)2−O]n−CH2]m−Rf …(化1) 式中、nは2乃至5、mは1乃至2の整数であり、Rf
は平均分子量800以上のパーフルオロオキシアルキル
基またはパーフルオロオキシアルキレン基である。 - 【請求項5】請求項1記載の直鎖状の含フッ素化合物
は、下記(化2)で表わされる含フッ素化合物。 【化2】 [C6H5−[Si(CH3)2−O]3−CH2]m−Rf …(化2) 式中、mは1乃至2の整数であり、Rfは平均分子量8
00以上のパーフルオロオキシアルキル基あるいはパー
フルオロオキシアルキレン基である。 - 【請求項6】非磁性支持体上に磁性層を有し、少なくと
もその最外層に請求項4,5,6,7記載の直鎖状の含
フッ素化合物からなる膜を設けたことを特徴とする磁気
記録媒体。 - 【請求項7】直鎖状の含フッ素化合物からなる膜厚が3
0nm以下であることを特徴とする請求項6記載の磁気
記録媒体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23385296A JPH1079117A (ja) | 1996-09-04 | 1996-09-04 | 含フッ素化合物、及びこれを用いた磁気記録媒体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23385296A JPH1079117A (ja) | 1996-09-04 | 1996-09-04 | 含フッ素化合物、及びこれを用いた磁気記録媒体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1079117A true JPH1079117A (ja) | 1998-03-24 |
Family
ID=16961591
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP23385296A Pending JPH1079117A (ja) | 1996-09-04 | 1996-09-04 | 含フッ素化合物、及びこれを用いた磁気記録媒体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1079117A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2022028307A (ja) * | 2020-08-03 | 2022-02-16 | 信越化学工業株式会社 | 両末端シラノール変性パーフルオロポリエーテル化合物およびその製造方法 |
-
1996
- 1996-09-04 JP JP23385296A patent/JPH1079117A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2022028307A (ja) * | 2020-08-03 | 2022-02-16 | 信越化学工業株式会社 | 両末端シラノール変性パーフルオロポリエーテル化合物およびその製造方法 |
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