JPH107826A - 表面被覆材及びこれを用いた繊維強化フェノール樹脂成形物 - Google Patents

表面被覆材及びこれを用いた繊維強化フェノール樹脂成形物

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JPH107826A
JPH107826A JP8163504A JP16350496A JPH107826A JP H107826 A JPH107826 A JP H107826A JP 8163504 A JP8163504 A JP 8163504A JP 16350496 A JP16350496 A JP 16350496A JP H107826 A JPH107826 A JP H107826A
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JP
Japan
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fiber
coating material
surface coating
phenol resin
reinforced
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JP8163504A
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English (en)
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Tomoaki Aoki
知明 青木
Yukushi Arakawa
行志 荒川
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Showa Denko Materials Co Ltd
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Hitachi Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 フェノール樹脂を含み、成形型からの離型が
容易な繊維強化フェノール樹脂成形物用表面被覆材を提
供する。 【解決手段】 レゾール型フェノール樹脂、及び、平均
短径が1〜100μmの範囲にありかつ長径と短径との
比が2以下の無機質粒状充填材を含有する表面被覆材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、表面被覆材及びこ
れを用いた繊維強化フェノール樹脂成形物に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、繊維強化フェノール樹脂成形物
が、難燃性、低発煙性、耐熱性等の優れた諸特性を有す
るため、再び注目されている。繊維強化フェノール樹脂
成形物は、レゾール型フェノール樹脂をマトリックス樹
脂としているが、この樹脂は、接着性が高いため、成形
後の成形型からの離型が困難である。この離型性を改善
するために、成形型の表面に離型剤を丁寧に塗布した
り、離型紙又は離型フィルムを貼り付けたりしている。
また、成形物の表面装飾を兼ねて、不飽和ポリエステル
樹脂による表面被覆層を繊維強化フェノール樹脂層の表
面に形成することも提案されている(特開平1−105
735号公報及び特開平7−97459号公報参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、不飽和ポリ
エステル樹脂は燃焼したとき、黒煙を発生するという欠
点がある。そこで、本発明は、難燃性、低発煙性、耐熱
性等の優れた諸特性を有するフェノール樹脂を含みなが
らも成形型からの離型が容易な表面被覆材及びこの表面
被覆材を用いて表面被覆層を形成した繊維強化フェノー
ル樹脂成形物を提供することを目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために、鋭意検討を重ね、レゾール型フェノ
ール樹脂を繊維強化フェノール樹脂層の表面被覆材とし
て用いたときの成形型からの離型性を良好にする手段を
見いだした。すなわち、本発明は、レゾール型フェノー
ル樹脂及び粒状充填材を必須成分として含有したなる表
面被覆材である。粒状充填材としては、無機質材料を用
いるのが好ましい。さらに、平均短径が1〜100μm
の範囲にありかつ長径と短径との比が2以下の粒状充填
材を用いるのが好ましい。
【0005】また、本発明は、繊維強化フェノール樹脂
層の表面に、前記の表面被覆材を用いて表面被覆層を形
成してなる繊維強化フェノール樹脂成形物である。
【0006】レゾール型フェノール樹脂を繊維強化フェ
ノール樹脂層の表面被覆材として用いたときの成形型か
らの離型性を良好にするために、配合する充填材が粒状
であること、すなわち、平均短径が1〜100μmであ
り、かつ、平均長径と平均短径との比(以下長短径比と
する)が2以下であるのが好ましい。平均短径が5〜7
5μmであることがより好ましく、平均短径が10〜5
0μmであることが特に好ましい。長短径比が1.2以
下であることが特に好ましい。平均短径が1μm未満で
あると離型性の改善効果が低くなり、100μmを超え
ると、成形物の表面に凹凸を生じたり表面被覆材の塗布
時に流れ落ちてしまったりする傾向がある。また、長短
径比が2を超えると離型性の改善効果が低くなる傾向が
ある。ここで、短径とは、光学又は電子顕微鏡により観
察される粒子の平面図において、輪郭線に接するように
引かれた2本の平行線間の距離のうち最短のものを意味
し、長径とは、同じく輪郭線に接するように引かれた2
本の平行線のうち前記の短径を決める平行線と直角方向
となる2本の平行線間の距離を意味する。平均短径及び
平均長径は、任意に選ばれる粒子200個について短径
及び長径を測定し、短径の測定値及び長径の測定値それ
ぞれを平均することによって求められる。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明で用いられるレゾール型フ
ェノール樹脂は、フェノール類とアルデヒド類とをアル
カリ性触媒の存在下に反応させて得られるフェノール樹
脂の初期縮合物である。
【0008】レゾール型フェノール樹脂の合成に用いら
れるフェノール類としては、フェノール、クレゾール、
キシレノール、エチルフェノール、プロピルフェノー
ル、ブチルフェノール、フェニルフェノール、ビスフェ
ノールA、ビスフェノールS、レゾルシノール等が挙げ
られる。
【0009】また、レゾール型フェノール樹脂の合成に
用いられるアルデヒド類としては、ホルムアルデヒド、
パラホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、フルフラー
ル、アクロレイン、クロトンアルデヒド等が挙げられ
る。アルデヒド類は、フェノール類1モルに対して0.
3〜3モル使用することが好ましい。
【0010】アルカリ性触媒としては、水酸化リチウ
ム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化マグネ
シウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、水酸化ス
トロンチウム、アンモニア、トリエチルアミン、トリプ
ロピルアミン、ヘキサメチレンテトラミン、水酸化テト
ラメチルアンモニウム等が用いられる。アルカリ性触媒
は、使用されるフェノール類に対して0.005〜0.
5重量%使用することが好ましい。得られたレゾール型
フェノール樹脂は、そのまま使用してもよいが、アルカ
リ性触媒を酸で中和してから使用してもよく、また、脱
水して水を除去してから使用してもよく、メタノール、
エタノール、エチレングリコール、プロピレングリコー
ル、グリセリン等の有機溶剤を加えて使用してもよい。
酸による中和は、硫酸、パラトルエンスルホン酸等の酸
を使用し、pHが4〜9になるように行うことが樹脂の
安定性の観点から好ましい。有機溶剤は、全材料に対し
て10重量%以下で使用されることが好ましい。
【0011】レゾール型フェノール樹脂は、流動性があ
りしかもたれがないという観点からB型回転式粘度計を
用いて25℃で測定したときの粘度が、0.01〜10
Pa・sであるのが好ましく、0.05〜3Pa・sで
あるのがより好ましい。最も好ましくは、0.01〜
1.0Pa・sである。この範囲内で、粒状充填材の分
散が良好となるためである。
【0012】表面被覆材の構成成分である粒状充填材と
しては、ガラスビーズ、ガラスバルーン、溶融アルミ
ナ、溶融シリカ、フライアッシュ、クレー、焼石膏、ケ
イ砂、鉄粉、アルミ粉等の向き充填材が用いられる。こ
のほか、一般にセラミックと称される物質の粉体も使用
できる。さらに、ポリスチレンビーズやフェノール樹脂
の粉体のような有機系充填材も使用できる。有機系充填
材の表面にアルミコート等を施した複合体も使用でき
る。表面被覆材の充填材として不燃性の無機質充填材を
配合すると、難燃性でありかつ着火しても発煙が少ない
ので、鉄道車両、自動車、航空機及び船舶などの内装材
や部品として好適である。また、天井材、壁材などの住
宅部材、ダクトや煙突などの建設資材としても好適であ
る。
【0013】レゾール型フェノール樹脂と粒状充填材と
の配合量は、レゾール型フェノール樹脂と粒状充填材と
の合計量を100重量部とするとき、レゾール型フェノ
ール樹脂10〜95重量部とするのが好ましく、20〜
70重量部とするのがより好ましく、40〜60重量部
とするのが特に好ましい。レゾール型フェノール樹脂の
配合量が10重量部未満であると塗膜を形成できず、9
5重量部を超えると、粒状充填材による離型性の改善効
果が得られない。
【0014】本発明の表面被覆材には、塗布時の流れ落
ちを防止する必要があるときには、揺変剤を、通常、全
表面被覆材の0.1〜2.0重量%の範囲で配合する。
揺変剤としては、非晶質シリカ、ベントナイト、有機ベ
ントナイトなど公知の揺変剤が使用される。
【0015】さらに、必要により、着色するためや紫外
線による劣化防止のため、顔料を全表面被覆材の0.1
〜5重量%の範囲で配合する。顔料としては、カーボン
ブラック、アナターゼやルチルなどの二酸化チタン系顔
料、硫化亜鉛などの中性着色顔料が使用される。
【0016】本発明の表面被覆材には、酸硬化剤を配合
する。酸硬化剤としては、有機スルホン酸、例えば、パ
ラトルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、フェノー
ルスルホン酸など、無機酸、例えば、硫酸、塩酸、リン
酸などから選択され、これらは単独で使用してもよく併
用してもよい。酸硬化剤は、レゾール型フェノール樹脂
に対して0.5〜20重量%使用することが好ましい。
【0017】本発明の表面被覆材は、流動性があり、し
かもたれがなく、膜厚を十分にすることができるという
観点から、粘度を、0.01〜15Pa・sの範囲とす
ることが好ましく、0.05〜10Pa・sの範囲とす
ることがより好ましく、0.1〜7Pa・sの範囲に調
整されることが特に好ましい。そして、成形型表面に厚
さが、好ましくは10〜2000g/m2 、さらに好ま
しくは100〜800g/m2 となるように塗布され、
半硬化状態又はB−ステージ状態になるように硬化させ
る。このために、硬化条件は、温度が室温〜60℃が好
ましく、時間は5分〜20時間とするのが好ましく特に
10分〜2時間とするのが好ましい。表面被覆材を成形
型表面に塗布するとき、サーフェイスマットや不織布な
どを用いて表面被覆材層を補強するようにしてもよい。
【0018】成形型表面に塗布した表面被覆材の硬化
後、その上に、繊維強化フェノール樹脂層を形成する。
繊維強化フェノール樹脂層を形成する方法としては、ハ
ンドレイアップ法、スプレーアップ法、マッチドダイ
法、真空バック法、レジントランスファー法など公知の
成形方法が使用される。
【0019】繊維強化フェノール樹脂層の形成において
用いられる繊維強化材しては、ガラス繊維、炭素繊維、
ウィスカのような無機繊維やアラミド繊維のような有機
繊維が挙げられ、これらは、チョップドストランドマッ
ト、クロス、ロービング、コンティニュアスマット、サ
ーフェイスマットなど公知の形態で使用される。繊維強
化フェノール樹脂層の形成において用いられるフェノー
ル樹脂は、表面被覆材で用いたものと同様にして合成さ
れたレゾール型フェノール樹脂である。このレゾール型
フェノール樹脂に、表面被覆材で用いたものと同様の酸
硬化剤、及び、必要により、焼石膏、クレー、硫酸バリ
ウムその他の充填材を配合して用いる。レゾール型フェ
ノール樹脂に必要な成分を混合て液状又はペースト状と
し、通常、繊維強化材が全材料の総重量に対して5〜6
0%となるように含浸し、硬化させ、得られた繊維強化
フェノール樹脂成形物を成形型から離型する。レゾール
型フェノール樹脂の硬化は、室温〜200℃で5〜20
時間かけて行われる。
【0020】この硬化工程により、表面被覆材層も完全
硬化すると共に、表面被覆材層と繊維強化フェノール樹
脂層と表面被覆材層とが一体化する。
【0021】
【実施例】
実施例1 表面被覆材の調製 レゾール型フェノール樹脂(日立化成工業株式会社製、
商品名VP−801を使用した)100部(重量部、以
下同じ)、ガラスビーズ(長短径比1、平均短径30μ
m、東芝バロティーニ株式会社製、GB−731(商品
名)を使用した)100部及び硬化剤(パラトルエンス
ルホン酸の50重量%水溶液)3部を混合した。
【0022】繊維強化層用フェノール樹脂組成物の調製 レゾール型フェノール樹脂(前記表面被覆材と同じ)1
00部、焼石膏(吉野石膏株式会社製、商品名ハイスト
ンNを使用した)50部及び硬化剤(パラトルエンスル
フォン酸の50重量%水溶液)3部を混合した。
【0023】繊維強化フェノール樹脂成形物の作製 成形型の表面に、前記表面被覆材を、塗布量が500g
/m2 となるようにハケを用いて塗布し、40℃で30
分間かけて硬化させた。続いて、チョップドストランド
ガラスマット(日東紡績株式会社製、商品名MC−45
0Nを使用した)を300mm四方に切断し、その3枚
を硬化させた前記硬化させた表面被覆材の上に置き、前
記繊維強化層用フェノール樹脂組成物をガラス含有量が
25重量%となるように含浸し、80℃で3時間かけて
硬化させ、繊維強化フェノール樹脂成形物を作製した。
繊維強化フェノール樹脂層の厚さは3mmであった。な
お、この成形において、成形型として、不飽和ポリエス
テル樹脂組成物(日立化成工業株式会社製、ポリセット
−663KB(商品名)を使用した)を用いて表面層を
形成した繊維強化プラスチック型を用いた。
【0024】実施例2 表面被覆材の塗布量が50g/m2 となるようにしたほ
かは、実施例1と同様にして繊維強化フェノール樹脂成
形物を作製した。
【0025】実施例3 成形型の表面にサーフェイスマット(日東紡績株式会社
製、MF−30W(商品名)を使用した)を1枚置いた
ほか実施例1と同様にして繊維強化フェノール樹脂成形
物を作製した。
【0026】実施例4 実施例1において、繊維強化層用フェノール樹脂組成物
の調製に用いた焼石膏を25部に変更し、クレー(土屋
カオリン工業株式会社製、NNカオリンクレー(平均短
径4μm、長短径比1.9)を使用した)25部を加え
たほかは実施例1と同様にして繊維強化フェノール樹脂
成形物を作製した。
【0027】実施例5 実施例1において、表面被覆材の調製に用いたガラスビ
ーズを溶融アルミナ(平均短径8μm、長短径比1.
2、昭和電工株式会社製、FA−4(商品名)を使用し
た)100部に変更したほかは実施例1と同様にして繊
維強化フェノール樹脂成形物を作製した。
【0028】実施例6 実施例1において、表面被覆材の調製に用いたガラスビ
ーズを実施例4で用いたものと同じクレー100部に変
更したほかは実施例1と同様にして繊維強化フェノール
樹脂成形物を作製した。
【0029】実施例7 実施例1において、表面被覆材の調製に用いたガラスビ
ーズを焼石膏(平均短径15μm、長短径比1.9、吉
野石膏株式会社製、ハイストンN(商品名)を使用し
た)100部に変更したほかは実施例1と同様にして繊
維強化フェノール樹脂成形物を作製した。
【0030】実施例8 実施例1において、表面被覆材の調製に用いたガラスビ
ーズをポリスチレンビーズ(平均短径50μm、長短径
比1、総研化学株式会社製、SGP−150C(商品
名)を使用した)100部に変更したほかは実施例1と
同様にして繊維強化フェノール樹脂成形物を作製した。
【0031】比較例1 実施例1において、表面被覆材の調製に用いたガラスビ
ーズを繊維状チタン酸カリウム系ウィスカ(長短径比6
0、平均短径0.2μm、大塚化学株式会社製、ティス
モ−D(商品名)を使用したした)100部に変更した
ほかは実施例1と同様にして繊維強化フェノール樹脂成
形物を作製した。
【0032】比較例2 実施例1において、表面被覆材の調製に用いたガラスビ
ーズを配合せず、そのほかは実施例1と同様にして繊維
強化フェノール樹脂成形物を作製した。
【0033】比較例3 チョップドストランドガラスマット(日東紡績株式会社
製、商品名MC−450Nを使用した)を300mm四
方に切断し、その3枚を直接成形型上に置き、以下実施
例1と同様にして繊維強化フェノール樹脂成形物を作製
した。
【0034】作製した繊維強化フェノール樹脂成形物に
ついて、成形型からの離型性及び離外観(離型後の表面
被覆材面の外観)を評価した。その結果を表1に示す。
表1における記号の意味は以下の通りである。 離型性 ◎:非常に離型しやすく、成形品、成形型に損傷がな
い。 ○:離型しやすく、成形品、成形型に損傷がない。 △:離型できるが、成形品の材料がわずかに成形型表面
に残ることがある。 ×:離型時に成形品又は成形型が破損するか一部破損す
る。 外観 ◎:ひけなし。 ○:ひけほとんどなし。 △:ひけが少ない。 ×:ひけが多い。
【0035】
【表1】 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 実施例 比較例 1 2 3 4 5 6 7 8 1 2 3 ─────────────────────────────────── 離型性 ◎ ○ ◎ ◎ ○ △〜○ △〜○ ◎ ×〜△ × × 外観 ◎ △ ◎ ◎ ○ △〜○ △〜○ ◎ △ × × ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ なお、比較例1及び2において、繊維強化フェノール樹
脂成形物を離型する際に成形型の一部が破損した。ま
た、比較例3においては、離型する際に成形型が破損し
て、繊維強化フェノール樹脂成形物が得られなかった。
【0036】次に、離型した繊維強化フェノール樹脂成
形物を、B5サイズに切り出し、運輸省が制定した、鉄
道車両用材料燃焼試験の不燃性規格に定める燃焼試験を
行った。その結果を表2に示す。
【0037】また、鉄道車両用材料燃焼試験の不燃性の
規格は、次の通りとなっている。 着火:なし 着炎:なし 煙:僅少 残炎:なし 残じ
ん:なし 炭化:変色が100mm以下であること(こ
こで、単に変色というときは、褐色から濃褐色のような
変色をいい、黒色化していないことをいう) 変形:表
面変形が100mm以下であること なお、表2において、合否とは不燃性合否の意味であ
る。また、表2中「変色75mm」とは、変色した範囲
の最大径が75mmであること、「黒色化110mm」
とは、炭化して黒色化した範囲の最大径が110mmで
あることを意味する。
【0038】
【表2】 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 実施例 1 2 3 4 5 ───────────────────────────────── 着火 なし なし なし なし なし 着炎 なし なし なし なし なし 煙 僅少 僅少 僅少 僅少 僅少 残炎 なし なし なし なし なし 残じん なし なし なし なし なし 炭化 変色75mm 変色90mm 変色60mm 変色85mm 変色55mm 変形 なし なし なし なし なし 合否 合格 合格 合格 合格 合格 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 実施例 比較例 6 7 8 1 2 ───────────────────────────────── 着火 なし なし あり なし なし 着炎 なし なし あり なし なし 煙 僅少 僅少 多い 僅少 僅少 残炎 なし なし なし なし なし 残じん なし なし なし なし なし 炭化 変色95mm 変色90mm 黒色化110mm 変色110mm 黒色化60mm 変形 なし なし なし なし なし 合否 合格 合格 不合格 不合格 不合格 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【0039】表1に示した結果から、レゾール型フェノ
ール樹脂及び粒状の充填材を配合した表面被覆材を用い
た、繊維強化フェノール樹脂成形物は、離型性に優れる
ことがわかる。また、表2に示した結果から、表面被覆
材に配合する充填材として無機質の材料を選択すること
により、不燃性の繊維強化フェノール樹脂成形物を得る
ことができることがわかる。
【0040】
【発明の効果】本発明によれば、難燃性、低発煙性、耐
熱性等の優れた諸特性を有するフェノール樹脂を、繊維
強化フェノール樹脂成形物の表面被覆材として用いるこ
とが可能となった。
【0041】離型した繊維強化フェノール樹脂成形物
は、表面が美麗であり、クラックやピンホールが少な
い。このため、塗装などによって装飾を加えるときに、
パテ埋めなど表面の補修もほとんど不要である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08K 3/00 C08L 61/06 LMS C08L 61/06 LMS B29C 67/14 N

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レゾール型フェノール樹脂及び粒状充填
    材を必須成分として含有したなる表面被覆材。
  2. 【請求項2】 粒状充填材が無機質材料である請求項1
    に記載の表面被覆材。
  3. 【請求項3】 粒状充填材の平均短径が1〜100μm
    の範囲にありかつ長径と短径との比が2以下である請求
    項1又は2に記載の表面被覆材。
  4. 【請求項4】 繊維強化フェノール樹脂層の表面に、請
    求項1ないし3のいずれかに記載の表面被覆材を用いて
    表面被覆層を形成してなる繊維強化フェノール樹脂成形
    物。
JP8163504A 1996-06-24 1996-06-24 表面被覆材及びこれを用いた繊維強化フェノール樹脂成形物 Pending JPH107826A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005272515A (ja) * 2004-03-23 2005-10-06 Dainippon Ink & Chem Inc ポリスチレン樹脂用塗料組成物

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