JPH1078060A - ディスクブレーキ - Google Patents

ディスクブレーキ

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JPH1078060A
JPH1078060A JP8250980A JP25098096A JPH1078060A JP H1078060 A JPH1078060 A JP H1078060A JP 8250980 A JP8250980 A JP 8250980A JP 25098096 A JP25098096 A JP 25098096A JP H1078060 A JPH1078060 A JP H1078060A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
caliper
pad
moment
center
piston
Prior art date
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Pending
Application number
JP8250980A
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English (en)
Inventor
Youichi Kumemura
洋一 久米村
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Tokico Ltd
Original Assignee
Tokico Ltd
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Publication date
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Publication of JPH1078060A publication Critical patent/JPH1078060A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 キャリパの爪部の肉厚を変化させることな
く、キャリパのモーメントの影響によるパッドの偏摩耗
を防止する。 【解決手段】 車両の非回転部に固定したキャリア11
にピン14を用いて摺動可能にキャリパ12を支持した
キャリパ浮動型のディスクブレーキにおいて、アウタパ
ッド16を押圧するキャリパ12の爪部19を、キャリ
パ12のシリンダ部17に内装したピストン21の中心
よりディスクロータDのリーディング側Ld へ所定距離
Sだけオフセットし、制動時にキャリパ12に発生する
モーメントを、前記オフセットによりアウタパッド16
にかかるモーメントにて打ち消して、アウタパッド16
の面圧をリーディング側Ld 、トレーリング側Tr で一
定にする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、車両の制動に用い
られるディスクブレーキに関する。
【0002】
【従来の技術】ディスクブレーキとしては、車両の非回
転部に固定したキャリアにディスクロータの軸方向へ摺
動可能にキャリパを支持させ、前記キャリパのシリンダ
部に内装したピストンとディスクロータを跨いで設けた
キャリパの爪部とで、前記キャリアに支持された一対の
パッドを押圧してディスクロータの両面に摩擦接触させ
るキャリパ浮動型のものがある。
【0003】このようなディスクブレーキにおいて、キ
ャリアとキャリパとの摺動部には多少のクリアランスが
存在し、このクリアランスにより、図5に示すように、
制動時にキャリパにモーメントMが働く。この結果、イ
ンナ側パッド1はディスクロータDの回転方向Xの入口
側(リーディング側)Ld が、アウタ側パッド2はディ
スクロータDの回転方向Xの出口側(トレーリング側)
Tr が、それぞれ反対側よりも強くディスクロータDに
押付けられ、各パッド1、2の裏金1a,2aに接合さ
れたライニング材1b,2bは、ディスクロータDに強
く押付けられた側がより多く摩耗する(偏摩耗を起こ
す)ようになる。なお、キャリパに働くモーメントMを
無視すれば、摩擦力により各パッド1、2には、それぞ
れのリーディング側Ld を接近させる方向のモーメント
がかかり、何れもリーディング側Ld の摩耗がトレーリ
ング側Tr よりも多く摩耗するが、実際にはキャリパに
働くモーメントMの影響が強く、図示のような偏摩耗を
起こす。
【0004】そこで従来、例えば、特開平3−1942
25号公報に記載のものでは、キャリパの爪部の肉厚
を、リーディング側Ld でトレーリング側Tr よりも大
きくして、リーディング側Ld の爪部の剛性を上げ、キ
ャリパのモーメントMによる面圧の差を爪部の開き量に
よる面圧の差で相殺して、アウタ側パッドの偏摩耗を防
止するように対策している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記公
報に記載の偏摩耗対策によれば、面圧を平均化するため
の強度計算がかなり面倒な上、設計仕様が複雑となり、
製造性が著しく悪化するという問題がある。また、もと
もと強度や振動防止を考慮してかなり厚肉になっている
キャリパの爪部をさらに厚肉にすることは、車両への取
付スペースとの関係で大きな問題があり、実質その対策
は断念せざるを得ない状況にある。
【0006】本発明は、上記した従来の問題点に鑑みて
なされたもので、その課題とするところは、キャリパの
爪部の肉厚を変化させることなく、キャリパに働くモー
メントに起因するパッドの偏摩耗を防止することにあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明は、上記したキャリパ浮動型のディスクブレ
ーキにおいて、キャリパの爪部の中心を、キャリパに内
装したピストン中心よりディスクロータリーディング側
へ所定距離だけオフセットさせるようにしたことを特徴
とする。
【0008】このように構成したディスクブレーキにお
いては、アウタ側パッドにキャリパに働くモーメントと
は方向を逆にするモーメントがかかり、したがって、こ
のアウタ側パッドにかかるモーメントがキャリパにかか
るモーメントを相殺するようにそのオフセット量を設定
すれば、アウタ側パッドの面圧はリーディング側および
トレーリング側で一定となる。
【0009】本発明は、摩擦力によりパッドにかかるモ
ーメントを考慮すると、上記ピストンの中心を、パッド
の中心に対してディスクロータトレーリング側へオフセ
ットさせるようにするのが望ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を添付
図面に基いて説明する。
【0011】図1は、本発明の第1の実施の形態として
のディスクブレーキを示したもので、その上側は正面図
を、その下側は平面図をそれぞれ表している。同図にお
いて、11は車両の非回転部に固定されるキャリア、1
2はキャリア11の左右一対の支持部13に支持ピン1
4を用いて摺動可能に支持されたキャリパである。キャ
リア11の支持部13は、車両内側(インナ側)からデ
ィスクロータDを跨いで車両外側(アウタ側)へ延ばさ
れ、これにはディスクロータDの両側に配置した一対の
パッド15、16が摺動可能に吊下支持されている。各
パッド15、16は、図2に示すように、裏金15a、
16aとこの裏金の表面に接合されたライニング材15
b、16bとからなり、そのライニング材15b、16
bをディスクロータDに対向させている。
【0012】一方、キャリパ12は、シリンダ部17
と、このシリンダ部17からディスクロータDを跨いで
延ばしたディスクパス部18と、このディスクパス部1
8からディスクロータDの半径内方向へ延ばした一対の
爪部19と、前記シリンダ部17からその左右方向へ延
ばした一対のアーム部20とを備え、そのアーム部20
に上記ピン14を挿通させることによりキャリア11に
両持ちで支持されている。
【0013】キャリパ12のシリンダ部17にはピスト
ン21が納められており、シリンダ部17内に液圧を供
給すると、このピストン21が伸長してインナ側パッド
15をディスクロータDの片面に押圧し、一方、その反
動でキャリパ12がピストン21と相対移動し、アウタ
側パッド16がキャリパ12の爪部19に押されてディ
スクロータDの他面に押圧され、これにより制動力が発
生するようになる。
【0014】しかして、キャリパ12の爪部19は、そ
の中心(一対の爪部間の中心)C1がパッド15、16
の中心C0 に対してリーディング側Ld へ所定距離Sだ
けオフセットされている。本第1の実施の形態におい
て、キャリパ12のシリンダ部17に納めたピストン2
1の中心はパッド15、16の中心C0 と一致してお
り、したがってキャリパ12の爪部19はピストン21
の中心に対しても同距離Sだけリーディング側Ld へオ
フセットされることになる。
【0015】上記のように構成したディスクブレーキに
おいては、図2に示すように、いまピストン21にかか
る液圧をP、ピストン21の受圧面積をA、パッド1
5、16の摩擦係数をμとすると、制動時に発生する摩
擦力Fは次式(1) のようになる。 F=2μ・P・A (1) 一方、制動時には、支持ピン14の周りのクリアランス
の存在によりキャリパ12にモーメントMが発生する
が、このモーメントMは、キャリア11によるキャリパ
12の支持点からディスクロータDの肉厚中心までの距
離をLとすると、次式(2) のようになる。 M=F・L (2)
【0016】そして、このキャリパ12に発生するモー
メントMにより、アウタ側パット16のトレーリング側
Tr がリーディング側Ld よりも強くディスクロータD
に押圧され、従来一般には、この面圧の差によりパッド
15、16が、前出図5に示したように偏摩耗を起こし
ていた。しかし、本実施の形態では、キャリパ12の爪
部19をピストン21の中心から所定距離Sだけリーデ
ィング側Ld へオフセットしているため、アウタ側パッ
ド16には、液圧により次式(3) で与えられるモーメン
トMc がかかる。 Mc =S・P・A (3)
【0017】このアウタ側パッド16にかかるモーメン
トMc は、キャリパ12にかかるモーメントMとは逆方
向となっており、したがって、上記した偏摩耗を防止す
るには、このモーメントMc をキャリパ12にかかるモ
ーメントMを打ち消す大きさ、すなわちMc =Mとすれ
ばよいことになり、(1),(2),(3) 式より爪部19のオフ
セット量Sは、下記(4) 式によって与えられる。 S=2μ・L (4)
【0018】このように簡単な計算式で爪部19のオフ
セット量Sが求まり、このオフセット量Sをキャリパ1
2に反映させるだけで、アウタ側パッド16の面圧はリ
ーディング側Ld およびトレーリング側Tr で一定とな
り、パッド15、16の偏摩耗が防止される。しかも、
このように面圧分布が一定になることで、異音、いわゆ
る鳴きの発生も防止される。
【0019】図3は、本発明の第2の実施の形態を示し
たものである。なお、ディスクブレーキの基本構造は第
1の実施の形態と同じであるので、ここでは、前出図1
に示した部分と同じ部分には同一符号を付し、その説明
を省略することとする。本第2の実施の形態の特徴とす
るところは、ピストン21をパッド15、16の中心C
0 に対して所定距離Sp だけトレーリング側Tr へオフ
セットさせた上で、このオフセットしたピストン21の
中心に対して爪部19をリーディング側Ld へ上記した
と同じ距離Sだけオフセットさせた点にある。このよう
にピストン21をトレーリング側Tr へオフセットさせ
たのは、摩擦力によりパッド15、16にかかるモーメ
ントを相殺するためである。
【0020】すなわち、図4に示すように、いまパッド
15、16とディスクロータDとの摩擦接触面からパッ
ド重心までの距離をLp とすると、摩擦力によりパッド
15、16にかかるモーメントMp は、次式(5) のよう
になる。 Mp =f・Lp =μ・P・A・Lp (5) 一方、ピストン21をパッド15、16の中心C0 に対
して所定距離Sp だけトレーリング側Tr へオフセット
させているので、インナ側パッド15には、液圧により
次式(6) で与えられるモーメントMc ′がかかるように
なる。 Mc ′=Sp ・P・A (6)
【0021】したがって、摩擦力によりパッド15、1
6にかかるモーメントMp を打ち消すには、液圧により
インナ側パッド15にかかるモーメントMc ′を前記M
p と同じ、すなわちMc ′=Mp とすればよいことにな
り、(5),(6) 式よりピストン21のオフセット量Sp
は、下記(7) 式のようになる。 Sp =μ・Lp (7)
【0022】この場合、キャリパ12の爪部19は、ピ
ストン21の中心からリーディング側Ld へ上記(4) で
求めた距離Sだけオフセットされているので、第1の実
施の形態と同様にキャリパ12に発生するモーメントM
に起因するパッド15、16の偏摩耗も抑制されてお
り、したがって、本第2の実施の形態では、摩擦力によ
りパッド15、16にかかるモーメントも解消してより
確実にパッドの偏摩耗を防止できることになる。
【0023】なお、この第2の実施の形態において、パ
ッド中心からの爪部19のオフセット量S′(図4)
は、下記(8) 式のようになり、設計仕様としては、この
オフセット量S′を用いればよいことになる。 S′=S−Sp =2μ・L−μ・Lp =μ(2L−Lp ) (8)
【0024】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明に
係るディスクブレーキによれば、ピストン中心に対して
キャリパの爪部を所定距離だけリーディング側へオフセ
ットさせるという簡単な手法で、パッドの偏摩耗を防止
するようにしたので、爪部の肉厚に変化をつけるなどの
面倒な手続が不要になり、製造性の向上に寄与するばか
りか、設置スペースの削減に寄与するものとなる。ま
た、併せてピストン中心をトレーリング側へオフセット
させた場合は、摩擦力によりパッドにかかるモーメント
も相殺して、より確実にパッドの偏摩耗を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態としてのディスクブ
レーキの全体的な構造を示したもので、上側は正面図、
下側は平面図である。
【図2】第1の実施の形態におけるオフセット量の算出
基準を説明するための説明図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態としてのディスクブ
レーキの全体的な構造を示したもので、上側は正面図、
下側は平面図である。
【図4】第1の実施の形態におけるオフセット量の算出
基準を説明するための説明図である。
【図5】キャリパ浮動型ディスクブレーキにおけるパッ
ドの偏摩耗の状態を示す模式図である。
【符号の説明】
11 キャリア 12 キャリパ 14 ピン 15 インナ側パッド 16 アウタ側パッド 17 シリンダ部 18 ディスクロータパス部 19 爪部 20 アーム部 21 ピストン D ディスクロータ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両の非回転部に固定したキャリアにデ
    ィスクロータの軸方向へ摺動可能にキャリパを支持さ
    せ、前記キャリパのシリンダ部に内装したピストンとデ
    ィスクロータを跨いで設けたキャリパの爪部とで、前記
    キャリアに支持された一対のパッドを押圧してディスク
    ロータの両面に摺接させるキャリパ浮動型のディスクブ
    レーキにおいて、前記爪部の中心を、前記ピストン中心
    よりディスクロータリーディング側へ所定距離だけオフ
    セットさせたことを特徴とするディスクブレーキ。
  2. 【請求項2】 ピストンの中心を、パッドの中心に対し
    てディスクロータトレーリング側へオフセットさせたこ
    とを特徴とする請求項1に記載のディスクブレーキ。
JP8250980A 1996-09-02 1996-09-02 ディスクブレーキ Pending JPH1078060A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8250980A JPH1078060A (ja) 1996-09-02 1996-09-02 ディスクブレーキ

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JP8250980A JPH1078060A (ja) 1996-09-02 1996-09-02 ディスクブレーキ

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Family

ID=17215893

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JP8250980A Pending JPH1078060A (ja) 1996-09-02 1996-09-02 ディスクブレーキ

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JP (1) JPH1078060A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6189659B1 (en) * 1997-10-08 2001-02-20 Tokico Ltd. Disk brake
JP2013204657A (ja) * 2012-03-28 2013-10-07 Honda Motor Co Ltd ディスクブレーキ装置

Cited By (2)

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US6189659B1 (en) * 1997-10-08 2001-02-20 Tokico Ltd. Disk brake
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Effective date: 20050727

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Effective date: 20050729

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Effective date: 20051116