JPH1076918A - オイル交換装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 パワーステアリングオイル用リザーブタンク
などの容器内径の小さいもののオイル交換を正確かつ容
易に行なえるようにする。 【構成】 ノズル兼用の二重の筒体で静電容量式の液面
センサー１２を形成し、リザーブタンク１３内の廃オイ
ルの液面レベルを初期液面レベルとして検出記憶し、新
オイル注入時には前記初期液面レベルに一致するように
注入制御するオイル交換装置。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、主として給油所や整備
工場などに設置され、自動車のパワーステアリングオイ
ルなどに使用されているオイルの交換を行なうオイル交
換装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来では、例えばパワーステアリングオ
イル用リザーブタンク内のオイルを交換する方法とし
て、既存のエンジンオイル交換機などを流用して、ポン
プで抜き取った後、新オイルを目視にて液面位置を確認
しながらポンプで徐々に注入していくか、抜き取ったオ
イルを別途設けたロードセル等の重量計で計量して同量
の新オイルを自動的に注入する方法、または、抜き取り
のみの機能を備えた専用機にて、リザーブタンク内の廃
オイルをポンプで抜き取った後、目視にて液面位置を確
認しながら新オイルをオイルジョッキなどで徐々に注入
していく方法、さらに、比較的小さい能力のポンプとノ
ズルに光センサーを備えた専用機にて、廃オイルを抜き
取った後、新オイル注入時センサー部まで液面が上昇し
てきたら注入を停止する方法などがとられていた。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、既存の
エンジンオイル交換機では、交換するオイル量がかなり
多いため、交換機が備えているポンプ能力が比較的大き
いものである。しかしながらパワーステアリングオイル
用リザーブタンクの容量は小さいものであるため、いく
らロードセルを使用して抜取量と注入量を同量としよう
としても、注入量が行き過ぎてしまい、新オイルを注入
する場合にオーバーフローを起こしてしまう危険性があ
った。

【０００４】また、パワーステアリングオイルはその性
質上エンジンオイルのように頻繁に交換を要するオイル
ではないため、たとえ、ポンプ能力を下げ、ロードセル
を備えたエンジンオイル交換機を改良してパワーステア
リングオイルを交換する装置にしたとしても、そのコス
トは高価となってしまうため、装置の償却を考えると、
わりにあわないものとなってしまう。

【０００５】さらに、抜き取りのみを行なう専用機で
は、注入時には液面を目視にて確認しながらの面倒な作
業となるばかりか、リザーブタンクはタンク側面から液
面が見える樹脂製のものもあるが、鉄製で中が目視でき
ない構造のものもあり、さらに樹脂製のものが液面を確
認できるといっても、タンク周面に汚れが付着していた
り、薄暗い場所では液面を確認するのは非常に困難とな
るため、正確な注入を行なうのはほとんど無理なことで
あり、ときには前述の場合と同様、オーバーフローを起
こしてしまい、周辺機器にオイルがかかってしまうこと
があった。

【０００６】さらにまた、比較的小さい能力のポンプと
ノズルに光センサーを備えた専用機を使用すると、新オ
イル注入時には確かに光センサーまで新オイルの液面が
上昇した時に注入を停止させることはできるが、液面を
検出する光センサーとノズルとの位置関係が常に一定で
あり、ノズルの挿入深さ、つまり光センサーの位置によ
って新オイル注入終了時の液面位置も決まってしまうの
で、ノズルの挿入深さによっては、新オイルの注入液面
を正規の高さにできない場合があり、この場合には廃オ
イル抜き取り前のノズル挿入時に光センサーの挿入位置
を事前に目視にて液面に合わせておく必要が生じてしま
う。

【０００７】本発明は前記の様な問題点を解消できるオ
イル交換装置を提供することを目的とするものである。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明は前記目的を達成
するため、適宜一定間隔を有して二重の筒状に形成され
たノズル兼用の静電容量式の液面センサーと、被オイル
交換体内の廃オイルを抜取り収容しておくための廃オイ
ルタンクと、前記被オイル交換体内に注入する新オイル
を収納しておくための新オイルタンクと、一方を前記液
面センサーに接続し、他方を可逆ポンプ及び管路切換手
段を介して前記廃オイルタンク及び新オイルタンクに連
接した抜取及び注入管路と、前記液面センサーからの信
号に基づき前記可逆ポンプ及び管路切換手段を制御する
制御手段とで構成され、前記液面センサーを前記被オイ
ル交換体に挿入した時に、前記被オイル交換体内入って
いる廃オイルの初期液面レベルを検出し記憶する工程
と、前記可逆ポンプを抜取方向に駆動すると共に前記管
路切換手段を切り換え、前記抜取管路のみが開となるよ
うにし、前記被オイル交換体内の廃オイルを前記廃オイ
ルタンク内に抜き取る工程と、廃オイル抜取中に前記液
面センサーで検出される液面に変化がなくなると、前記
可逆ポンプを注入方向に切換駆動すると共に前記管路切
換手段を切り換え、前記注入管路のみが開となるように
し、前記新オイルタンク内の新オイルを前記被オイル交
換体内に注入する工程と、新オイル注入中に前記液面セ
ンサーで検出される液面レベルが前記初期液面レベルに
近付くにつれ、前記可逆ポンプの回転速度を徐々に減速
し、前記初期液面レベルに達した時、前記可逆ポンプを
停止すると共に前記管路切換手段を切り換え、前記注入
管路を閉とする工程とを有するオイル交換装置を提供す
ることを要旨とするものである。

【０００９】

【作用】オイル交換前に被オイル交換体内の廃オイルの
初期液面レベルをノズルを兼ねた筒状の静電容量式液面
センサーにて検出し確認しておき、新オイル注入時に前
記液面センサーにより検出される液面レベルが初期液面
レベルに近付くにつれ、ポンプの回転速度を徐々に減速
していき、初期液面レベルに達した時に注入を終了する
ようにしているので、リザーブタンクの種類、容量、形
状などにかかわらず、正確に正規の液面レベルまで新オ
イルを注入できる。

【００１０】また、ノズルを兼ねた液面センサーの外筒
周面軸方向に略全長にわたり長孔を穿設してあるので、
長孔から液面センサーをなす二重の筒内にオイルが容易
に出入りでき、粘性の高いオイルの液面変化に十分追従
できる。

【実施例】以下、図面を用いて本発明の一実施例を詳細
に説明する。

【００１１】図１は本発明の一実施例であるオイル交換
装置の全体構成図であると共に、ここでは、パワーステ
アリングオイルを交換する時の説明図となっている。

【００１２】本体１内には抜き取った廃オイルを収納す
る廃オイルタンク２と、注入する新オイルを収納する新
オイルタンク３とがそれぞれ配設されており、それぞれ
のタンク２、３には抜取管路４及び注入管路５が連接さ
れている。

【００１３】また、前記両管路４、５には管路切換手段
たる電磁弁６、７、８、９及び正転逆転可能な可逆ポン
プ１０が介装されており、抜取及び注入時に従来周知の
マイクロコンピュータからなる制御手段１１に制御さ
れ、管路４、５を切り換えたり、可逆ポンプ１０の回転
方向を変えたりできるようになっている。

【００１４】さらに、本体外の両管路４、５は、柔軟性
のある可撓性ホースとなっており、その先端は、適宜一
定間隔を有して二重の筒状に形成されたノズル兼用の静
電容量式の液面センサー１２に接続されていて、オイル
交換時には図示したようにパワーステアリングオイル用
リザーブタンク１３内に挿入される。ところで、液面セ
ンサー１２外筒周面軸方向には略全長にわたり長孔が穿
設されており、粘性のあるオイルでも容易にセンサー内
にオイルが出入りできるようになっている。

【００１５】図２は液面センサー１２の要部断面図で、
ノズル部を兼ねる部分は金属性の内筒１４であり、この
内筒１４根本部には前記の可撓性ホースの先端が接続さ
れており、オイルの抜取・注入がこの内筒１４で行なえ
るようになっている。

【００１６】また、その外周に適宜一定間隔を有してや
はり金属製の外筒１５がそれぞれ絶縁性のガイド１６、
１７に固定されており、これら内筒１４と外筒１５とで
所謂コンデンサーを形成していて、オイルが外筒１５に
穿設された前記長孔から内筒１４との間に速やかに入り
込み、液面レベルの変化に追従して前記コンデンサーに
よる静電容量がやはり速やかに変化しうるものとなって
いる。

【００１７】さらに、内筒１４及び外筒１５の先端部は
絶縁性の円筒形支持具１８にて支持されており、内筒１
４と外筒１５が金属製のリザーブタンクに触れてショー
トしないようにしているものであると同時に、支持具１
８には底面と底部周面に複数の孔が設けられていて、こ
の孔がオイル通路となるようにしてある。

【００１８】ガイド１７の内部には、内筒１４と外筒１
５に配線した充放電を繰返し行なうための発振回路１９
が設けられており（液面レベルの変化に伴い変化する内
筒と外筒の静電容量変化を充放電の時間間隔の変化とし
てとらえ、その変化をパルス信号の変化として出力する
回路である。）、さらに制御手段１１からは発振回路１
９に電源線２０が、逆に発振回路１９からは充放電の繰
返しをパルス数に変換して制御手段１１に送るための信
号線２１が配線されている。

【００１９】次に実施例の使用法及び動作について説明
する。

【００２０】まず、作業者が、車両のエンジンをアイド
リングしたままの状態で、ノズル兼用の液面センサー１
２をパワーステアリングオイル用リザーブタンク１３内
に挿入し、スタートスイッチ（図示せず）を押すと、そ
の時のリザーブタンク１３内の廃オイルの液面レベルに
対応したパルス信号が、液面センサー１２内の発振回路
１９から信号線２１を通じて制御手段１１に送られてく
るので（装置の電源が投入されている時は常時液面セン
サー１２には電源線２０を通じて電圧がかけられてい
て、発振回路１９からパルス信号が送られてきている
が、スタートスイッチが押されるまでは、制御手段１１
ではその信号を無視するようになっている。）、制御手
段１１ではそのパルス数を初期液面レベルとして記憶す
ると共に、制御手段１１は電磁弁６、７を開いて可逆ポ
ンプ１０を抜取方向に回転駆動させる。

【００２１】すると、リザーブタンク１３内の廃オイル
が内筒１４及び抜取管路４を通って廃オイルタンク２内
に抜き取られてきて抜取工程の開始となる。

【００２２】この時、車両のエンジンは前述したように
アイドリング状態であるので、リザーブタンク１３には
パワーステアリングの油圧系統から送り出されてくる廃
オイルが入ってきているので、油圧系統を循環していた
廃オイルもこの抜取工程で抜き取られるのである。

【００２３】やがて、リザーブタンク１３内の廃オイル
が少なくなり、液面が液面センサー１２先端の支持具１
８周面に開けられた丸孔より下がると（ここで支持具１
８に開けられた孔が底面だけであると、油圧系統内のほ
とんどのオイルが吸われてしまうことになり、油圧系統
になんらかの悪影響が出てしまうので、液面が下がりき
らない位置である支持具１８周面に孔を開けてあ
る。）、内筒１４からは空気が吸われることとなり、発
振回路１９から制御手段１１に送られてくるパルス数が
変化しなくなる。

【００２４】制御手段１１では、このパルス数が所定以
上変化しなくなった時点から内蔵のタイマーにて計時を
開始して、所定時間が経過すると、抜取終了と判断し
て、電磁弁６、７を閉じ、代わりに電磁弁８、９を開く
と共に、可逆ポンプ１０を注入方向に反転駆動させる。

【００２５】すると、新オイルタンク３内の新オイルが
注入管路５及び内筒１４を通って、リザーブタンク１３
内に注入され注入工程の開始となる。

【００２６】注入工程が開始されると、リザーブタンク
１３内の液面は次第に上昇してくるが、リザーブタンク
１３の内径がかなり細いものなので、液面上昇速度はか
なり速いものとなり、可逆ポンプ１０の回転速度を段階
的に落していかないと、オーバーフローしてしまう危険
性がある。

【００２７】よって、本実施例では、液面センサー１２
をリザーブタンク１３に挿入する前のパルス数（制御手
段に予め登録されている。）と、挿入時記憶した初期液
面レベルに対応するパルス数のと差を１００％とし、注
入途中その差が６０％になった時を第１液面レベルと
し、ポンプ回転速度を初期注入回転速度の５０％にまで
落し、差が８０％になった時を第２液面レベルとし、以
降１００％に到達するまではポンプ回転速度を初期注入
回転速度の３０％として段階的に液面上昇速度を抑えな
がら注入していくようになっている。

【００２８】そして、やがて液面が初めに記憶していた
初期液面レベルに達すると、その信号を受けた制御手段
１１は、電磁弁８、９を閉じると共に可逆ポンプ１０を
停止させ、注入工程終了となり、初めに入っていた廃オ
イルの液面レベルと同じ液面レベルまで新オイルを注入
できるのである。

【００２９】尚、本実施例では、抜取と注入を自動的に
継続して行なう自動コースの説明を行なったが、液面セ
ンサーからのパルス数を無視して行なう手動による抜取
及び注入の単独コースを併設できるのはいうまでもな
い。

【００３０】また、廃オイルと新オイルとのオイル交換
中の混ざりを厳密に防止するため、高価にはなるが、抜
取管路と注入管路を別々に配管しそれぞれに専用のポン
プを設けた構造としてもよい。

【００３１】

【発明の効果】以上のように本発明は、パワーステアリ
ングオイルなどのように管路漏れがない限りほとんどオ
イル量が変化しないオイルを交換する場合には、新オイ
ルの注入の際に目視による確認も不要であり、作業者の
手をほとんど煩わすことなく、短時間且つ正確にオイル
交換を行なえる。また、新オイルの注入時にはポンプの
回転速度を段階的に落していく制御を行なっているので
オーバーフローの心配がない。また、ノズルと液面セン
サーとを兼用した構造としているので、従来のロードセ
ル等の重量計を用いるものに比較し安価に製作できる。
また、液面センサーの外筒周面軸方向に略全長にわたる
長孔を穿設してあるので、液面センサー内筒と外筒との
間にオイル等の粘性の高いものでも入り込みやすい構造
となっており、液面の変化の追従性が非常に高く、特に
パワーステアリングオイル用リザーブタンクなどのよう
な内径の小さいタンクのオイルも交換可能である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例であるオイル交換装置の全体
構成図である。

【図２】同装置の液面センサーの要部断面図である。

【符号の説明】

２ 廃オイルタンク ３ 新オイルタンク ４ 抜取管路 ５ 注入管路 ６、７、８、９ 切換手段 １０ 可逆ポンプ １１ 制御手段 １２ 液面センサー １４ 内筒 １５ 外筒

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 適宜一定間隔を有して二重の筒状に形成
   されたノズル兼用の静電容量式の液面センサーと、 被オイル交換体内の廃オイルを抜取り収容しておくため
   の廃オイルタンクと、 前記被オイル交換体内に注入する新オイルを収納してお
   くための新オイルタンクと、 一方を前記液面センサーに接続し、他方を可逆ポンプ及
   び管路切換手段を介して前記廃オイルタンク及び新オイ
   ルタンクに連接した抜取及び注入管路と、 前記液面センサーからの信号に基づき前記可逆ポンプ及
   び管路切換手段を制御する制御手段とで構成され、 前記液面センサーを前記被オイル交換体に挿入した時
   に、前記被オイル交換体内入っている廃オイルの初期液
   面レベルを検出し記憶する工程と、 前記可逆ポンプを抜取方向に駆動すると共に前記管路切
   換手段を切り換え、前記抜取管路のみが開となるように
   し、前記被オイル交換体内の廃オイルを前記廃オイルタ
   ンク内に抜き取る工程と、 廃オイル抜取中に前記液面センサーで検出される液面に
   変化がなくなると、前記可逆ポンプを注入方向に切換駆
   動すると共に前記管路切換手段を切り換え、前記注入管
   路のみが開となるようにし、前記新オイルタンク内の新
   オイルを前記被オイル交換体内に前記記憶工程で記憶し
   た初期液面レベルに基づくレベルまで注入する工程とを
   有することを特徴とするオイル交換装置。
2. 【請求項２】 適宜一定間隔を有して二重の筒状に形成
   されたノズル兼用の静電容量式の液面センサーと、 被オイル交換体内の廃オイルを抜取り収容しておくため
   の廃オイルタンクと、 前記被オイル交換体内に注入する新オイルを収納してお
   くための新オイルタンクと、 一方を前記液面センサーに接続し、他方を可逆ポンプ及
   び管路切換手段を介して前記廃オイルタンク及び新オイ
   ルタンクに連接した抜取及び注入管路と、 前記液面センサーからの信号に基づき前記可逆ポンプ及
   び管路切換手段を制御する制御手段とで構成され、 前記液面センサーを前記被オイル交換体に挿入した時
   に、前記被オイル交換体内入っている廃オイルの初期液
   面レベルを検出し記憶する工程と、 前記可逆ポンプを抜取方向に駆動すると共に前記管路切
   換手段を切り換え、前記抜取管路のみが開となるように
   し、前記被オイル交換体内の廃オイルを前記廃オイルタ
   ンク内に抜き取る工程と、 廃オイル抜取中に前記液面センサーで検出される液面に
   変化がなくなると、前記可逆ポンプを注入方向に切換駆
   動すると共に前記管路切換手段を切り換え、前記注入管
   路のみが開となるようにし、前記新オイルタンク内の新
   オイルを前記被オイル交換体内に注入する工程と新オイ
   ル注入中に前記液面センサーで検出される液面レベルが
   前記初期液面レベルに近付くにつれ、前記可逆ポンプの
   回転速度を徐々に減速し、前記初期液面レベルに達した
   時、前記可逆ポンプを停止すると共に前記管路切換手段
   を切り換え、前記注入管路を閉とする工程とを有するこ
   とを特徴とするオイル交換装置。
3. 【請求項３】 前記液面センサーの外筒周面軸方向に、
   略全長にわたる長孔を穿設した特許請求の範囲第１項ま
   たは第２項記載のオイル交換装置。