JPH10203596A - オイル交換装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 パワステオイルのリザーブタンクのように径
の細いリザーブタンクでも、オイル交換終了後のリザー
ブタンク内の液面調整を安全かつ正確に行えるようにす
る。 【構成】 ノズル兼用の二重の筒体で静電容量式の液面
センサー１９を形成し、リザーブタンク２０の廃オイル
の液面レベルを初期液面レベルとして検出記憶し、新オ
イル注入時には前記初期液面レベルに一致するように注
入制御するオイル交換装置に、オイル交換終了後のリザ
ーブタンク２０内の液面を微調整する微調整手段１２を
設けた。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、主として給油所や整備
工場などに設置され、自動車のパワーステアリングオイ
ルなどの交換を行うオイル交換装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来では、例えばパワーステアリングオ
イル用リザーブタンク内のオイルを交換する方法とし
て、流量計やロードセルなどの計量装置を備えた既存の
エンジンオイル交換機などを流用して交換オイル量がほ
ぼ同量となるように自動交換する方法がとられていた。

【０００３】そして、交換終了後、リザーブタンク内の
オイル量の調整が必要な場合には、既存のオイル交換機
では手動によりポンプを駆動させ抜取りや注入を行って
いた。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、手動に
よる抜取りや注入は本来エンジンオイルなどの容量の大
きいオイルタンクなどのオイル交換を自動ではなく、手
動でかつ能力の大きいポンプで能率良く行うために設け
られた機能であるので、パワーステアリングオイル用リ
ザーブタンクなどのような径の細いリザーブタンクに使
用すると、交換後のオイル量の微調整を行うのは非常に
困難となり、最悪、注入量が行き過ぎてしまい、新オイ
ルを注入する場合にオーバーフローを起こしてしまう危
険性があった。

【０００５】本発明は前記のような問題点を解消できる
オイル交換装置を提供することを目的とするものであ
る。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明は前記目的を達成
するため、適宜一定間隔を有して二重の筒状に形成され
たノズル兼用の静電容量式の液面センサーと、リザーブ
タンク内の廃オイルを抜取り収容しておくための廃オイ
ルタンクと、前記リザーブタンク内に注入する新オイル
を収容しておくための新オイルタンクと、一方を前記液
面センサーに接続し、他方をモーターで駆動されるポン
プ手段及び管路切換手段を介して前記廃オイルタンク及
び新オイルタンクに連接した抜取及び注入管路と、前記
液面センサーからの検出値に基づき、前記ポンプ手段の
発停及び管路切換手段の切換を制御してオイルの交換を
行う制御手段と、オイル交換終了後、前記モータを低速
回転させ前記リザーブタンク内の油量を微調整する微調
整手段とを設けたオイル交換装置を提供することを要旨
とするものである。

【０００７】

【作用】オイル交換終了後、リザーブタンク内の液面が
規定位置に達していなければ、微調整スイッチを操作し
て、微調整スイッチが押されている間だけ、注入管路又
は抜取管路を開くと共に、モーターの回転数を低減して
ポンプ能力を小さくして駆動し、オイル交換後のリザー
ブタンク内のオイル量の微調整を行う。

【実施例】以下、図面を用いて本発明の一実施例を詳細
に説明する。

【０００８】図１は本発明の一実施例であるオイル交換
装置の全体構成図であり、本体１内には抜き取った廃オ
イルを収納する廃オイルタンク２と、注入する新オイル
を収納する新オイルタンク３とがそれぞれ配設されてお
り、それぞれのタンク２、３には抜取り管路４及び注入
管路５が連接されている。

【０００９】本体１上部外面には、操作部６が設けられ
ており、オイル交換をプログラムに沿った自動交換とす
るための自動選択スイッチ７と、抜取及び注入をそれぞ
れ手動とするための抜取選択スイッチ８及び注入選択ス
イッチ９と、自動、抜取、注入の各選択スイッチが選択
された後、各工程を実行及び中止させるためのスタート
スイッチ１０及びストップスイッチ１１と、抜取及び注
入をそれぞれ手動かつ低速で行うための微調整スイッチ
１２とが配設されており、微調整スイッチ１２だけは押
圧している間だけオンするスイッチとなっていて、その
他のスイッチは押圧した後は継続してオンしているスイ
ッチとなっている。

【００１０】また、前記両管路４、５には管路切換手段
たる電磁弁１３、１４、１５、１６及び正転逆転可能な
モーター駆動の可逆ポンプ１７が介装されており、操作
部６からの各スイッチ入力を受ける従来周知のマイクロ
コンピュータからなる制御手段１８に制御され、管路
４、５を切り換えたり、可逆ポンプ１７の回転方向を変
えたりできるようになっている。

【００１１】ところで、通常のオイル交換工程では前記
モーターには常時定格の直流電圧をかけ、可逆ポンプ１
７を１００％の能力で駆動させ、オイル交換を迅速に行
えるようにしてあるが、新オイルの注入最終段階や交換
後のリザーブタンク内のオイル量を微調整するための微
調整手段が作動したときには、制御手段１８では、モー
ターの回転数を低減するように、モーターにかかる電圧
を所定周期でオン・オフ制御し、可逆ポンプ１７を全能
力の数１０％程度で駆動させるようにしてある。

【００１２】本体１外の両管路４、５は、柔軟性のある
可撓性ホースとなっており、その先端は、適宜一定間隔
を有して二重の筒状に形成されたノズル兼用の静電容量
式の液面センサー１９に接続されていて、オイル交換時
には図示したようにパワーステアリングオイル用リザー
ブタンク２０内に挿入されるものであるが、液面センサ
ー１９外筒周面軸方向には略全長にわたり長孔が穿設さ
れており、粘性のあるオイルでも容易にセンサー内にオ
イルが出入りできるようになっている。

【００１３】図２は液面センサー１９の要部断面図で、
ノズル部を兼ねる部分は金属製の内筒２１であり、この
内筒２１根本部には前記可撓性ホースの先端が接続され
ており、オイルの抜取・注入がこの内筒２１で行えるよ
うになっている。

【００１４】また、その外周に適宜一定間隔を有してや
はり金属製の外筒２２がそれぞれ絶縁性のガイド２３、
２４に固定されており、これら内筒２１と外筒２２とで
所謂コンデンサーを形成していて、オイルが外筒２２に
穿設された前記長孔から内筒２１との間に速やかに入り
込み、液面レベルの変化に追従して前記コンデンサーに
よる静電容量がやはり速やかに変化しうるものとなって
いる。

【００１５】さらに、内筒２１及び外筒２２の先端部は
絶縁性の円筒形支持具２５にて支持されており、内筒２
１と外筒２２が金属製のリザーブタンクに触れてショー
トしないようにしているものであると同時に、支持具２
５には底面と底部周面に複数の孔が設けられていて、こ
の孔がオイル通路となるようにしてある。

【００１６】ガイド２４の内部には、内筒２１と外筒２
２に配線した充放電を繰り返し行うための発振回路２６
が設けられており（液面レベルの変化に伴い変化する内
筒２１と外筒２２の静電容量変化を充放電の時間間隔の
変化としてとらえ、その変化をパルス信号の変化として
出力する回路である。）、さらに制御手段１８からは発
振回路２６に電源線２７が、逆に発振回路２６からは充
放電の繰り返しをパルス数に変換して制御手段１８に送
るための信号線２８が配線されている。

【００１７】次に実施例の使用法及び動作について説明
する。

【００１８】まず、作業者が、車両のエンジンをアイド
リングしたままの状態で、ノズル兼用の液面センサー１
９をパワーステアリングオイル用リザーブタンク２０内
に挿入し、自動選択スイッチ７を押した後、スタートス
イッチ１０を押すと、その時のリザーブタンク２０内の
廃オイルの液面レベルに対応したパルス信号が、液面セ
ンサー１９内の発振回路２６から信号線２８を通じて制
御手段１８に送られてくるので（装置の電源が投入され
ている時は常時液面センサー１９には電源線２７を通じ
て電圧がかけられていて、発振回路２６からパルス信号
が送られてきているが、スタートスイッチ１０が押され
るまでは、制御手段１８ではその信号を無視するように
なっている。）、制御手段１８ではそのパルス数を初期
液面レベルとして記憶すると共に、制御手段１８は電磁
弁１３、１４を開いて可逆ポンプ１７を抜取方向に回転
駆動させる。

【００１９】すると、リザーブタンク２０内の廃オイル
が内筒２１及び抜取管路４を通って廃オイルタンク２内
に抜き取られてきて抜取工程の開始となる。

【００２０】この時、車両のエンジンは前述したように
アイドリング状態であるので、リザーブタンク２０には
パワーステアリングの油圧系統から送り出されてくる廃
オイルが入ってきているので、油圧系統を循環していた
廃オイルもこの抜取工程で抜き取られるのである。

【００２１】やがて、リザーブタンク２０内の廃オイル
が少なくなり、液面が液面センサー１９先端の支持具２
５周面に開けられた丸孔より下がると（ここで支持具２
５に開けられた孔が底面だけであると、油圧系統内のほ
とんどのオイルが吸われてしまうことになり、油圧系統
になんらかの悪影響が出てしまうので、液面が下がりき
らない位置である支持具２５周面に孔を開けてあ
る。）、内筒２１からは空気が吸われることとなり、発
振回路２６から制御手段１８に送られてくるパルス数が
変化しなくなる。

【００２２】制御手段１８では、このパルス数が所定以
上変化しなくなった時点から内蔵のタイマーにて計時を
開始して、所定時間が経過すると、抜取終了と判断し
て、電磁弁１３、１４を閉じ、代わりに電磁弁１５、１
６を開くと共に、可逆ポンプ１７を注入方向に反転駆動
させる。

【００２３】すると、新オイルタンク３内の新オイルが
注入管路５及び内筒２１を通って、リザーブタンク２０
内に注入され注入工程の開始となる。

【００２４】注入工程が開始されると、リザーブタンク
２０内の液面は次第に上昇してくるが、リザーブタンク
２０の内径がかなり細いものなので、液面上昇速度はか
なり速いものとなり、可逆ポンプ１７の回転速度を段階
的に落していかないと、オーバーフローしてしまう危険
性がある。

【００２５】よって、本実施例では、液面センサー１９
をリザーブタンク２０に挿入する前のパルス数（制御手
段１８に予め登録されている。）と、挿入時記憶した初
期液面レベルに対応するパルス数との差を１００％と
し、注入途中その差が６０％になった時を第１液面レベ
ルとし、ポンプ能力を全能力の５０％にまで落し、差が
８０％になった時を第２液面レベルとし、以降１００％
に到達するまではポンプ能力を全能力の３０％として段
階的に液面上昇速度を抑えながら注入していくようにな
っている。

【００２６】そして、やがて液面が初めに記憶していた
初期液面レベルに達すると、その信号を受けた制御手段
１８は、電磁弁１５、１６を閉じると共に可逆ポンプ１
７を停止させ、注入工程終了となり、初めに入っていた
廃オイルの液面レベルと同じ液面レベルまで新オイルを
注入できるのである。

【００２７】しかしながら、注入終了後の液面が本装置
の誤差により、若干くるっていたり、交換開始前の液面
が元々規定量ではなかった場合には、液面の修正が必要
となってくる。

【００２８】そこで、このような場合には、作業者は液
面を確認して、多ければ抜取選択スイッチ８を、少なけ
れば注入選択スイッチ９を押す。

【００２９】先ず多かった場合を例にとって説明する
と、抜取選択スイッチ８を押した後、作業者はリザーブ
タンク２０内の液面を見ながら、微調整スイッチ１２を
押す。

【００３０】すると、その信号を受けた制御手段１８は
その信号が入力されている間だけ電磁弁１３、１４を開
き、可逆ポンプ１７を抜取方向に最大能力の５０％の能
力で回転駆動させるので、作業者は微調整スイッチ１２
を押したり離したりして液面位置の僅かずつの変化を見
ながら微調整が行える。

【００３１】少なかった場合には、注入選択スイッチ９
を押した後、微調整スイッチが押されている間だけ電磁
弁１５、１６が開き、可逆ポンプ１７が注入方向に全能
力の５０％の能力で回転駆動するので、多かった場合と
同様にリザーブタンク２０内の液面の微調整が行える。

【００３２】ところで、ここでは可逆ポンプ１７を使用
すると共に、抜取管路４と注入管路５を一部共通として
いるが、廃オイルと新オイルとのオイル交換中の混ざり
を厳密に防止するため、高価にはなるが、抜取管路と注
入管路を別々に配管しそれぞれに専用のポンプを設けた
構造としてもよい。

【００３３】

【発明の効果】以上のように本発明は、パワーステアリ
ングオイルなどのように管路漏れがない限りほとんどオ
イル量が変化しないオイルを交換する場合には、作業者
の手をほとんど煩わすことなく、短時間且つ正確にオイ
ル交換を行なえる。また、新オイルの注入時にはポンプ
の回転速度を段階的に落していく制御を行なっているの
でオーバーフローの心配がない。また、ノズルと液面セ
ンサーとを兼用した構造としているので、従来のロード
セル等の重量計を用いるものに比較し安価に製作でき
る。また、液面センサーの外筒周面軸方向に略全長にわ
たる長孔を穿設してあるので、液面センサー内筒と外筒
との間にオイル等の粘性の高いものでも入り込みやすい
構造となっており、液面の変化の追従性が非常に高く、
特にパワーステアリングオイル用リザーブタンクなどの
ような内径の小さいタンクのオイルも交換可能である。
また、交換終了後にリザーブタンク内の液面を調整する
場合には、微調整が可能であり、パワステオイルのリザ
ーブタンクのような径の細いものにでも、安全かつ正確
に対応できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例であるオイル交換装置の全体
構成図である。

【図２】同装置の液面センサーの要部断面図である。

【符号の説明】

２ 廃オイルタンク ３ 新オイルタンク ４ 抜取管路 ５ 注入管路 １２ 微調整スイッチ １３、１４、１５、１６ 切換手段 １７ 可逆ポンプ １８ 制御手段 １９ 液面センサー ２１ 内筒 ２２ 外筒

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 適宜一定間隔を有して二重の筒状に形成
   されたノズル兼用の静電容量式の液面センサーと、 リザーブタンク内の廃オイルを抜取り収容しておくため
   の廃オイルタンクと、前記リザーブタンク内に注入する
   新オイルを収容しておくための新オイルタンクと、 一方を前記液面センサーに接続し、他方をモーターで駆
   動されるポンプ手段及び管路切換手段を介して前記廃オ
   イルタンク及び新オイルタンクに連接した抜取及び注入
   管路と、 前記液面センサーからの検出値に基づき、前記ポンプ手
   段の発停及び管路切換手段の切換を制御してオイルの交
   換を行う制御手段と、 オイル交換終了後、前記モータを低速回転させ前記リザ
   ーブタンク内の油量を微調整する微調整手段とを設けた
   ことを特徴とするオイル交換装置。