JPH107675A - 新規なイソキノリン誘導体又はその塩 - Google Patents

新規なイソキノリン誘導体又はその塩

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JPH107675A
JPH107675A JP16222196A JP16222196A JPH107675A JP H107675 A JPH107675 A JP H107675A JP 16222196 A JP16222196 A JP 16222196A JP 16222196 A JP16222196 A JP 16222196A JP H107675 A JPH107675 A JP H107675A
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JP
Japan
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group
substituted
compound
formula
atom
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Application number
JP16222196A
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English (en)
Inventor
Makoto Naito
良 内藤
Makoto Takeuchi
誠 竹内
Yoshinori Okamoto
芳典 岡本
Masaru Ikeda
賢 池田
Yasuo Isomura
八州男 磯村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yamanouchi Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Yamanouchi Pharmaceutical Co Ltd
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Publication date
Application filed by Yamanouchi Pharmaceutical Co Ltd filed Critical Yamanouchi Pharmaceutical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 M3受容体拮抗作用を有し、泌尿器疾患、呼
吸器疾患又は消化器疾患の予防又は治療に有用なイソキ
ノリン誘導体を提供する。 【解決手段】 下記一般式(I)で示されるイソキノリ
ン誘導体又はその塩。 (但し、式中の記号は以下の意味を示す。 R:水酸基、低級アルコキシ基又は低級アルキル基、 R:アリール基、シクロアルキル基、酸素原子、窒素
原子若しくは硫黄原子からなるヘテロ原子を1〜4個含
有するヘテロアリール基、又は、5〜7員飽和ヘテロ環
基であり、これらの環基は任意の置換基で置換されてい
てもよい、 R:ハロゲン原子、水酸基、低級アルコキシ基、カル
ボキシル基、低級アルコキシカルボニル基など、m:0
又は1〜3の整数、 n:0又は1)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、医薬、特にムスカ
リンM3受容体拮抗作用を有するイソキノリン誘導体又
はその塩に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、ムスカリン受容体に関する研
究が行われており、ムスカリン受容体拮抗作用を有する
化合物は、気管支拡張、胃腸運動抑制、酸分泌抑制、口
渇、散瞳、膀胱収縮抑制、発汗減少及び頻脈等を引き起
こすことが知られている。更に、このムスカリン受容体
には少なくとも3種のサブタイプが存在することが明ら
かである。主にM1受容体は脳等に、M2受容体は心臓等
に、またM3受容体は、平滑筋や腺組織に存在する事が
知られている。
【0003】従来見い出されたムスカリン受容体拮抗作
用を有する化合物の多くは、M1、M2、M3受容体に対
して非選択的に拮抗するので、特定の疾患の治療を目的
とすることは、容易ではなかった。近年、ムスカリン受
容体のサブタイプの研究が進み、M1、M2、M3受容体
に選択的に拮抗する化合物が検討されている(国際公開
公報95/06635、国際公開公報95/21820
及び特開平7−258250号公報)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来化合物
とは化学構造を異にする、優れた選択的ムスカリンM3
受容体親和性を有し、かつムスカリンM3受容体拮抗作
用を有する化合物を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、ムスカリ
ンM3受容体拮抗作用を示す新規キヌクリジン誘導体を
創製し、これらが良好なムスカリンM3受容体拮抗作用
を有することを知見して、特許出願を行った(国際出願
番号PCT/JP95/02713)。更に上記キヌク
リジン誘導体を鋭意検討した結果、イソキノリン環の4
位に置換基を有する新規なイソキノリン誘導体を創製
し、これらの化合物が良好なムスカリンM3受容体拮抗
作用を有することを見い出し、本発明を完成した。
【0006】すなわち、本発明化合物は、下記一般式
(I)で示されるイソキノリン誘導体又はその塩であ
る。
【0007】
【化2】 (但し、式中の記号は以下の意味を示す。 R:水酸基、低級アルコキシ基又は低級アルキル基、 R:アリール基、シクロアルキル基、酸素原子、窒素
原子若しくは硫黄原子からなるヘテロ原子を1〜4個含
有するヘテロアリール基、又は、5〜7員飽和ヘテロ環
基であり、これらの環基は任意の置換基で置換されてい
てもよい、 R:ハロゲン原子、水酸基、低級アルコキシ基、カル
ボキシル基、低級アルコキシカルボニル基、低級アシル
基、メルカプト基、低級アルキルチオ基、スルホニル
基、低級アルキルスルホニル基、スルフィニル基、低級
アルキルスルフィニル基、スルホンアミド基、低級アル
カンスルホンアミド基、カルバモイル基、チオカルバモ
イル基、モノ−若しくはジ−低級アルキルカルバモイル
基、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、モノ−若しくはジ
−低級アルキルアミノ基、メチレンジオキシ基、エチレ
ンジオキシ基、又は、ハロゲン原子、水酸基、低級アル
コキシ基、アミノ基、若しくはモノ−若しくはジ−低級
アルキルアミノ基で置換されていてもよい低級アルキル
基、 m:0又は1〜3の整数、 n:0又は1)
【0008】又、本発明は上記一般式(I)で示される
イソキノリン誘導体又はその塩を有効成分とする医薬組
成物、特にムスカリンM3受容体拮抗剤である上記医薬
組成物に関する。
【0009】
【発明の実施の形態】一般式(I)を更に説明すると、
次の通りである。本明細書の一般式の定義において特に
断らない限り、「低級」なる用語は、炭素数1〜6個の
直鎖又は分枝状の炭素鎖を意味する。
【0010】従って、低級アルキル基としては、炭素数
1〜6個の直鎖状又は分枝状のアルキル基を意味する。
具体的には例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、
イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブ
チル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチ
ル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、1−メ
チルブチル基、2−メチルブチル基、1,2−ジメチル
プロピル基、ヘキシル基、イソヘキシル基、1−メチル
ペンチル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチ
ル基、1,1−ジメチルブチル基、1,2−ジメチルブ
チル基、2,2−ジメチルブチル基、1,3−ジメチル
ブチル基、2,3−ジメチルブチル基、3,3−ジメチ
ルブチル基、1−エチルブチル基、2−エチルブチル
基、1,1,2−トリメチルプロピル基、1,2,2−
トリメチルプロピル基、1−エチル−1−メチルプロピ
ル基、1−エチル−2−メチルプロピル基等が挙げられ
る。これらの基のうち、メチル基、エチル基、プロピル
基、イソプロピル基、ブチル基などの炭素数が1乃至4
のアルキル基が好ましく、メチル基及びエチル基がより
好ましく、メチル基が更に好ましい。
【0011】「低級アルコキシ基」としては、メトキシ
基,エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブ
トキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、te
rt−ブトキシ基、ペンチルオキシ(アミルオキシ)
基、イソペンチルオキシ基、tert−ペンチルオキシ
基、ネオペンチルオキシ基、2−メチルブトキシ基、
1,2−ジメチルプロポキシ基、1−エチルプロポキシ
基、ヘキシルオキシ基などが挙げられ、好ましくはメト
キシ基である。
【0012】「アリール基」としては、炭素数6〜14
個のアリール基が好ましく、具体的には、フェニル基、
トリル基、キシリル基、ビフェニル基、ナフチル基、イ
ンデニル基、アントリル基、フェナントリル基であり、
更に好ましくはフェニル基又はナフチル基であり、特に
好ましくはフェニル基である。「シクロアルキル基」と
しては、炭素数が3〜8個のものが好適であり、具体的
にはシクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチ
ル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基又はシクロ
オクチル基等である。
【0013】「酸素原子、硫黄原子若しくは窒素原子を
1〜4個包含するヘテロアリール基」として具体的に
は、フリル基、チエニル基、ピロリル基、イミダゾリル
基、チアゾリル基、ピラゾリル基、イソチアゾリル基、
イソキサゾリル基、ピリジル基、ピリミジル基、ピリダ
ジニル基、ピラジル基、トリアゾリル基、テトラゾリル
基等が挙げられる。これらの基のうち、フリル基、チエ
ニル基、ピロリル基、イミダゾリル基、チアゾリル基、
イソチアゾリル基、ピリジル基、ピリミジニル基、ピラ
ジニル基等が好ましく、特に好ましくは、フリル基、チ
エニル基、ピリジル基である。「5〜7員飽和ヘテロ環
基」は具体的にはピロリジニル基、イミダゾリジニル
基、ピラゾリジニル基、ピペリジル基、ピペラジニル
基、モルホリニル基等が挙げられる。
【0014】「ハロゲン原子」とは、フッ素原子、塩素
原子、臭素原子、又はヨウ素原子を意味する。「低級ア
ルコキシカルボニル基」としては、メトキシカルボニル
基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、
イソプロポキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基、
イソブトキシカルボニル基、sec−ブトキシカルボニ
ル基、tert−ブトキシカルボニル基、ペンチルオキ
シ(アミルオキシ)カルボニル基、イソペンチルオキシ
カルボニル基、tert−ペンチルオキシカルボニル
基、ネオペンチルオキシカルボニル基、2−メチルブト
キシカルボニル基、1,2−ジメチルプロポキシカルボ
ニル基、1−エチルプロポキシカルボニル基、ヘキシル
オキシカルボニル基等が挙げられる。
【0015】「低級アシル基」としては、ホルミル基、
アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、バレリル
基、ピバロイル基等が挙げられる。「低級アルキルチオ
基」としては、メルカプト基中の水素原子を上記低級ア
ルキル基で置換された基を意味し、メチルチオ基、エチ
ルチオ基、プロピルチオ基、イソプロピルチオ基、ブチ
ルチオ基、ペンチルチオ基、ヘキシルチオ基等が挙げら
れる。
【0016】「低級アルキルスルホニル基」としては、
メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、プロピルス
ルホニル基、イソプロピルスルホニル基、ブチルスルホ
ニル基、ペンチルスルホニル基、ヘキシルスルホニル基
等が挙げられる。「低級アルキルスルフィニル基」とし
ては、メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、
プロピルスルフィニル基、イソプロピルスルフィニル
基、ブチルスルフィニル基、ペンチルスルフィニル基、
ヘキシルスルフィニル基等が挙げられる。「低級アルカ
ンスルフォンアミド基」としては、メタンスルフォンア
ミド基、エタンスルフォンアミド基、プロパンスルフォ
ンアミド基、イソプロパンスルフォンアミド基、ブタン
スルフォンアミド基、ペンタンスルフォンアミド基、ヘ
キサンスルフォンアミド基等が挙げられる。
【0017】「モノ−若しくはジ−低級アルキルカルバ
モイル基」としては、カルバモイル基中の水素原子1〜
2個が上記低級アルキル基で置換されたカルバモイル基
を意味し、メチルカルバモイル基、エチルカルバモイル
基、プロピルカルバモイル基、ジメチルカルバモイル基
等が挙げられる。「モノ−若しくはジ−低級アルキルア
ミノ基」としては、アミノ基中の水素原子1〜2個が上
記「低級アルキル基」で置換されたアミノ基を意味し、
メチルアミノ基、エチルアミノ基、プロピルアミノ基、
ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジプロピルアミ
ノ基等が挙げられる。
【0018】Rの「これらの環基は任意の置換基で置
換されていてもよい」の任意の置換基として具体的に
は,ハロゲン原子、水酸基、低級アルコキシ基、カルボ
キシル基、低級アルコキシカルボニル基、低級アシル
基、メルカプト基、低級アルキルチオ基、スルホニル
基、低級アルキルスルホニル基、スルフィニル基、低級
アルキルスルフィニル基、スルホンアミド基、低級アル
カンスルホンアミド基、カルバモイル基、チオカルバモ
イル基、モノ−若しくはジ−低級アルキルカルバモイル
基、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、モノ−若しくはジ
−低級アルキルアミノ基、メチレンジオキシ基、エチレ
ンジオキシ基、又は、ハロゲン原子、水酸基、低級アル
コキシ基、アミノ基、若しくはモノ−若しくはジ−低級
アルキルアミノ基で置換されていてもよい低級アルキル
基が挙げられ、好ましくはハロゲン原子,水酸基,低級
アルコキシ基、低級アルキル基である。
【0019】本発明化合物(I)は、不斉炭素原子を有
するため、これに基づく光学異性体が存在する。更に本
発明化合物は幾何異性体または互変異性体が存在する場
合がある。本発明は、これらの異性体の分離されたもの
あるいは混合物を包含する。
【0020】本発明化合物(I)には、酸と塩を形成す
ることができるものがある。かかる塩としては塩酸、臭
化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸等との鉱
酸や、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、マロン
酸、コハク酸、フマール酸、マレイン酸、乳酸、リンゴ
酸、クエン酸、酒石酸、炭酸、ピクリン酸、メタンスル
ホン酸、エタンスルホン酸、グルタミン酸等の有機酸と
の酸付加塩を挙げることができる。さらに、本発明化合
物(I)は水和物、エタノール等の溶媒和物や結晶多形
の物質として単離される。
【0021】(製造法)本発明化合物(I)は、種々の
製造法を適用して製造することができる。以下にその代
表的な製造法について説明する。
【0022】
【化3】
【0023】(式中、R、R、R、m及びnは前
記の通りである。Qは本反応に有利な脱離基を示す。) 本製造法は、一般式(II)で示されるイソキノリン化
合物と一般式(III)で示されるキヌクリジン化合物
より本発明化合物(I)を得る方法である。
【0024】反応は、不活性溶媒中、冷却下乃至室温
下、室温乃至加温下、場合によっては加熱下乃至加熱還
流下に行われる。Qの脱離基として例えば、ハロゲン原
子、低級アルコキシ基、フェノキシ基、イミダゾリル基
等が挙げられる。不活性溶媒としては、例えばジメチル
ホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド、テト
ラクロロエタン、ジクロロメタン、ジクロロエタン、ク
ロロホルム、四塩化炭素、テトラヒドロフラン(TH
F)、ジオキサン、ジエトキシエタン、酢酸エチル、ベ
ンゼン、トルエン、アセトニトリル、ジメチルスルホキ
シド等やこれらの混合溶媒が挙げられる。本反応を促進
させるために塩基(例えばピリジン、トリエチルアミン
等)を添加することが好ましく、又、これらを溶媒とし
て用いることもできる。
【0025】又、本発明化合物は不斉炭素原子を少なく
とも2個有し、それに基づく光学異性体が4個以上存在
する。以下に本発明化合物における光学異性体の分割方
法を説明する。本発明化合物中の各ジアステレオマー
は、ジアステレオ混合物を各種クロマトグラフィー(例
えばシリカゲルカラムクロマトグラフィー、高速液体ク
ロマトグラフィー等)に付すことにより分離することが
できる。ジアステレオマーを分離する方法に使用される
シリカゲルとしては、カラムクロマトグラフィーで一般
に使用されるものであれば特に制限はない。溶離液とし
ても特に制限はなく、例えばクロロホルム及びメタノー
ルの混液等を適宜用いることが好ましい。又、溶離液の
混合割合に関しても特に制限はない。必要によりアンモ
ニア、トリエチルアミン等の塩基を加えることが好まし
い場合がある。又、本発明化合物中の各ジアステレオマ
ー及びエナンチオマーは、光学異性体分離用カラムを用
いた高速液体クロマトグラフィーに付すことにより分離
することもできる。光学異性体分離用カラムの固定相と
しては、セルロース、アミロースのエステル、カルバメ
ート誘導体等を用いることができる。溶離液としては、
固定相に応じ、適当な溶媒を適宜用いることができる。
【0026】更に上記の製法とは別の方法として、各ジ
アステレオマーの混合物を特定の酸付加塩に導き、これ
を分別再結晶することによりジアステレオマーの酸付加
塩を製造することができる。これらの酸付加塩は結晶性
であり、かつ、溶媒に対する溶解度が各ジアステレオマ
ーで相違しているので、分別結晶により各ジアステレオ
マーを製造する方法に利用できる。又、各ジアステレオ
マーは適当な光学分割された原料を用いることにより製
造することもできる。
【0027】このようにして製造された本発明化合物
は、遊離のまま、あるいは常法による造塩処理を施し、
その塩として単離・精製される。単離・精製は抽出、濃
縮、留去、結晶化、濾過、再結晶、各種クロマトグラフ
ィー等の通常の化学操作を適用して行われる。
【0028】
【発明の効果】本発明化合物は、ムスカリンM3受容体
親和性を有し、M3受容体拮抗薬としてM3受容体が関与
する種々の疾患、特に神経性頻尿、神経因性膀胱、夜尿
症、不安定膀胱、膀胱痙縮、慢性膀胱炎等における尿失
禁及び頻尿等の泌尿器疾患、慢性閉塞性肺疾患、慢性気
管支炎、喘息及び鼻炎等の呼吸器疾患、過敏性大腸症候
群、痙性大腸炎及び憩室炎等の消化器疾患の予防又は治
療剤として有用である。
【0029】特に、本発明化合物は、心臓等に存在する
2受容体と比較して平滑筋や腺組織等に存在するM3
容体に対する選択性が高く、心臓等への副作用の少ない
3受容体拮抗薬として、特に尿失禁並びに頻尿、慢性
閉塞性肺疾患、慢性気管支炎、喘息及び鼻炎等の予防若
しくは治療剤として有用性が高い。
【0030】本発明化合物のムスカリンM3受容体に対
する親和性及び拮抗作用は、以下の試験により確認され
た。
【0031】ムスカリン受容体親和性試験(in vi
tro) a.膜標本の調製 ウイスター系雄性ラット(日本SLC)の大脳皮質、心
臓および顎下腺を摘出し、5倍容量の100mM 塩化
ナトリウム、10mM 塩化マグネシウムを含む20m
M HEPESバッファー(pH7.5、以下HEPE
Sバッファーと略)を加えて氷冷中でホモジナイズし
た。これをガーゼで濾過した後、50,000×g,4
℃で10分間超遠心分離を行い、沈殿をHEPESバッ
ファーに懸濁させ、再び50,000×g,4℃で10
分間超遠心分離を行った。この沈澱をHEPESバッフ
ァーに懸濁させて−80℃で保存した。以後用時に融解
して試験を行った。
【0032】b.ムスカリンM2受容体結合試験 Doodsらの方法(J. Pharmacol. Exp. Ther., 242, 257,
1987.)を改良して行った。心臓膜標本、[3H]−キ
ヌクリジニル ベンジレート(quinuclidinyl benzilat
e)および被検化合物を0.5mlのHEPESバッフ
ァー中で25℃、45分間インキュベートした後、5m
lのHEPESバッファーを加えてガラスフィルター
(Whatman GF/B)で吸引濾過し、5mlの
HEPESバッファーで3回フィルターを洗浄した。フ
ィルターに吸着した[3H]−キヌクリジニル ベンジ
レートの放射活性 を液体シンチレーションカウンター
で測定した。なお受容体非特異的な結合は、1μMのア
トロピンを添加することによって求めた。本発明化合物
のムスカリンM2受容体に対する親和性は、 Cheng andP
rusoff(Biochem. Pharmacol., 22, 3099, 1973)に従
って、標識リガンドである[3H]−キヌクリジニル
ベンジレートの結合を50%抑制する被検化合物の濃度
(IC50)より算出した解離定数(Ki)で求めた。
【0033】c.ムスカリンM3受容体結合試験 膜標本として顎下腺膜標本、標識リガンドとして
3H]−N−メチルスコポラミン(N-methylscopolami
ne)を用いた他は、上記bのムスカリンM2受容体結合
試験と同様の方法で行った。上記ムスカリン受容体結合
試験の結果、本発明化合物は良好なムスカリンM3受容
体結合を示し、M2受容体に比してM3受容体に選択的に
結合した。
【0034】ムスカリン受容体拮抗試験(in viv
) ・ラット律動的膀胱収縮に対する試験 ウィスター系雌性ラット(130〜200g)をウレタ
ン麻酔(1.0g/kg s.c.)し、輸尿管を腎臓側で結紮し
た。尿道カテーテルを膀胱内に留置して、膀胱内に0.
5〜1mlの生理食塩水を注入することによって律動的
膀胱収縮を惹起し、圧トランスデューサーによって膀胱
内圧を測定した。5分間以上の安定した律動的収縮を得
た後に、外頸静脈より被験化合物を累積的に投与し、5
〜10分後における膀胱内圧を測定した。被験化合物投
与前の膀胱収縮に対する抑制率を求め、投与前の膀胱収
縮を30%抑制する被験化合物の用量をED30とした。
上記ムスカリン受容体拮抗試験の結果、本発明化合物は
ラット律動的膀胱収縮に対し、良好なED30値を示し
た。
【0035】本発明化合物又はその塩の1種又は2種以
上を有効成分として含有する製剤は通常製剤化に用いら
れる担体や賦形剤、その他の添加剤を用いて調製され
る。製剤用の担体や賦形剤としては、固体又は液体いず
れでも良く、例えば乳糖、ステアリン酸マグネシウム、
スターチ、タルク、ゼラチン、寒天、ペクチン、アラビ
アゴム、オリーブ油、ゴマ油、カカオバター、エチレン
グリコール等やその他常用のものが挙げられる。
【0036】投与は錠剤、丸剤、カプセル剤、顆粒剤、
散剤、液剤等による経口投与、あるいは静脈注射、筋肉
注射等の注射剤、坐剤、経皮等による非経口投与のいず
れの形態であってもよい。投与量は症状、投与対象の年
令、性別等を考慮して個々の場合に応じて適宜決定され
る。
【0037】
【実施例】以上、本発明化合物及びその製造法について
説明したが、以下実施例により更に詳細に説明する。
【0038】(実施例1)
【化4】 (±)−トランス−1−フェニル−1,2,3,4−テ
トラヒドロ−4−イソキノリノール 0.28gのピリ
ジン5ml溶液をアルゴン雰囲気下、−35℃に冷却
し、(3R)−3−キヌクリジニル クロロホルメート
・塩酸塩 0.28gを加えた後、反応温度を室温まで
徐々に上昇させながら、2.5時間攪拌した。反応液に
酢酸エチル50mlを加え、炭酸水素ナトリウム水溶液
30mlで洗浄した。得られた有機層を無水硫酸マグネ
シウムで乾燥した後、溶媒を減圧下留去した。残渣をシ
リカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液:クロロホ
ルム/メタノール/28%アンモニア水=30/1/
0.1→10/1/0.1)にて精製することにより、
トランス−[(1S,3’R,4S)及び(1R,3’
R,4R)]−3’−キヌクリジニル 4−ヒドロキシ
−1−フェニル−1,2,3,4−テトラヒドロ−2−
イソキノリンカルボキシレート0.50gをジアステレ
オ混合物として得た。これを高速液体クロマトグラフィ
ー(CHIRALPAK AD 直径2cm×25cm
(ダイセル化学社製),溶出液:ヘキサン/2−プロパ
ノール/ジエチルアミン=60/40/0.1)にてジ
アステレオマーを分離し、先に溶出するピークを減圧下
濃縮することにより、トランス−[(1S,3’R,4
S)又は(1R,3’R,4R)]−3’−キヌクリジ
ニル4−ヒドロキシ−1−フェニル−1,2,3,4−
テトラヒドロ−2−イソキノリンカルボキシレート
0.15gを無色固体として得た。
【0039】 比施光度[α]25 D=−168(c=0.520,CH
Cl) 核磁気共鳴スペクトル(DMSO−d6,TMS内部標
準,90℃) δ:1.20−1.30(1H,m),1.40−1.
50(1H,m),1.55−1.75(2H,m),
1.85−1.95(1H,m),2.55−2.80
(5H,m),3.08(1H,ddd,J=14.
6,8.5,1.8Hz),3.50(1H,dd,J
=12.8,3.7Hz),3.88(1H,dd,J
=12.8,4.6Hz),4.55−4.70(2
H,m),5.16(1H,d,J=6.1Hz),
6.25(1H,s),7.10−7.35(8H,
m),7.44(1H,d,J=7.3Hz)
【0040】又、後に溶出するピークを減圧下濃縮する
ことにより、トランス−[(1S,3’R,4S)又は
(1R,3’R,4R)]−3’−キヌクリジニル 4
−ヒドロキシ−1−フェニル−1,2,3,4−テトラ
ヒドロ−2−イソキノリンカルボキシレート 0.15
gを無色アモルファスとして得た。 比施光度[α]25 D= 179(c=0.503,CH
Cl3) 核磁気共鳴スペクトル(DMSO−d6,TMS内部標
準,90℃) δ:1.25−1.40(1H,m),1.45−1.
55(1H,m),1.55−1.65(1H,m),
1.70−1.80(1H,m),1.90−1.95
(1H,m),2.20−2.75(5H,m),2.
90−3.10(1H,m),3.49(1H,dd,
J=13.4,3.7Hz),3.87(1H,dd,
J=13.4,4.9Hz),4.55−4.70(2
H,m),5.18(1H,d,J=6.1Hz),
6.25(1H,s),7.05−7.35(8H,
m),7.44(1H,d,J=7.3Hz)
【0041】実施例1と同様にして、以下の実施例2の
化合物を得た。 (実施例2)
【化5】 a)シス−[(1S,3’R,4R)又は(1R,3’
R,4S)]−3’−キヌクリジニル 4−ヒドロキシ
−1−フェニル−1,2,3,4−テトラヒドロ−2−
イソキノリンカルボキシレート (高速液体クロマトグラフィーで先に溶出する異性体) 原料化合物:(±)−シス−1−フェニル−1,2,
3,4−テトラヒドロ−4−イソキノリノール
【0042】性状 無色アモルファス 比施光度[α]25 D=−196(c=0.510,CH
Cl) 核磁気共鳴スペクトル(DMSO−d6,TMS内部標
準,90℃) δ:1.25−1.35(1H,m),1.45−1.
50(1H,m),1.55−1.70(2H,m),
1.90−2.00(1H,m),2.25−2.80
(4H,m),2.90−3.15(2H,m),4.
18(1H,dd,J=12.8,5.5Hz),4.
60−4.70(2H,m),5.49(1H,d,J
=5.5Hz),6.22(1H,s),6.96(1
H,d,J=7.9Hz),7.15−7.35(7
H,m),7.62(1H,d,J=7.3Hz)
【0043】b)シスー[(1S,3’R,4R)又は
(1R,3’R,4S)]−3’−キヌクリジニル 4
−ヒドロキシ−1−フェニル−1,2,3,4−テトラ
ヒドロ−2−イソキノリンカルボキシレート (高速液体クロマトグラフィーで後に溶出する異性体) 原料化合物:(±)−シス−1−フェニル−1,2,
3,4−テトラヒドロ−4−イソキノリノール
【0044】性状 無色アモルファス 比施光度[α]25 D= 197(c=0.500,CH
Cl3) 核磁気共鳴スペクトル(DMSO−d6,TMS内部標
準,90℃) δ:1.30−1.40(1H,m),1.45−1.
55(1H,m),1.55−1.65(1H,m),
1.70−1.80(1H,m),1.85−1.95
(1H,m),2.50−2.80(4H,m),2.
90−3.05(2H,m),3.07(1H,dd,
J=14.6,7.9Hz),4.16(1H,dd,
J=13.4,6.1Hz),4.60−4.70(2
H,m),5.48(1H,d,J=6.1Hz),
6.21(1H,s),6.98(1H,d,J=7.
3Hz),7.15−7.35(7H,m),7.63
(1H,d,J=7.9Hz)
【0045】又、表1〜表4に示す化合物は前記製造方
法及び実施例に記載の方法とほぼ同様にして、又はそれ
らに当業者に自明の若干の変法を適用して、容易に製造
することができ、上記化合物は本発明にすべて含まれ
る。更に、表3〜表4で示す化合物は光学異性等を区別
せず表示しているが、光学分割された化合物についても
同様にして本発明に含まれる。
【0046】
【表1】
【0047】
【表2】
【0048】
【表3】
【0049】
【表4】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 池田 賢 千葉県我孫子市つくし野1−2−25 コー ポ天子山106 (72)発明者 磯村 八州男 茨城県北相馬郡守谷町薬師台3−4−8

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(I)で示されるイソキノリ
    ン誘導体又はその塩。 【化1】 (但し、式中の記号は以下の意味を示す。 R:水酸基、低級アルコキシ基又は低級アルキル基、 R:アリール基、シクロアルキル基、酸素原子、窒素
    原子若しくは硫黄原子からなるヘテロ原子を1〜4個含
    有するヘテロアリール基、又は、5〜7員飽和ヘテロ環
    基であり、これらの環基は任意の置換基で置換されてい
    てもよい、 R:ハロゲン原子、水酸基、低級アルコキシ基、カル
    ボキシル基、低級アルコキシカルボニル基、低級アシル
    基、メルカプト基、低級アルキルチオ基、スルホニル
    基、低級アルキルスルホニル基、スルフィニル基、低級
    アルキルスルフィニル基、スルホンアミド基、低級アル
    カンスルホンアミド基、カルバモイル基、チオカルバモ
    イル基、モノ−若しくはジ−低級アルキルカルバモイル
    基、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、モノ−若しくはジ
    −低級アルキルアミノ基、メチレンジオキシ基、エチレ
    ンジオキシ基、又は、ハロゲン原子、水酸基、低級アル
    コキシ基、アミノ基、若しくはモノ−若しくはジ−低級
    アルキルアミノ基で置換されていてもよい低級アルキル
    基、 m:0又は1〜3の整数、 n:0又は1)
  2. 【請求項2】 請求項1記載のイソキノリン誘導体又は
    その塩を有効成分とする医薬組成物。
  3. 【請求項3】 ムスカリンM3受容体拮抗剤である請求項
    2記載の医薬組成物。
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WO2006095671A1 (ja) * 2005-03-08 2006-09-14 Astellas Pharma Inc. キヌクリジン誘導体の新規な塩
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