JP2000109481A - キヌクリジン誘導体含有医薬 - Google Patents

キヌクリジン誘導体含有医薬

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JP2000109481A
JP2000109481A JP11291267A JP29126799A JP2000109481A JP 2000109481 A JP2000109481 A JP 2000109481A JP 11291267 A JP11291267 A JP 11291267A JP 29126799 A JP29126799 A JP 29126799A JP 2000109481 A JP2000109481 A JP 2000109481A
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tetrahydro
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quinuclidinyl
isoquinolinecarboxylate
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JP11291267A
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English (en)
Inventor
Makoto Takeuchi
誠 竹内
Makoto Naito
良 内藤
Masahiko Hayakawa
昌彦 早川
Yoshinori Okamoto
芳典 岡本
Yasuhiro Yonetoku
康博 米徳
Masaru Ikeda
賢 池田
Yasuo Isomura
八州男 磯村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yamanouchi Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Yamanouchi Pharmaceutical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 ムスカリンM受容体拮抗作用を有し、泌尿
器疾患、呼吸器疾患又は消化器疾患の予防・治療剤とし
て有用な医薬の創製 【解決手段】 下記一般式(I)で示されるキヌクリジ
ン誘導体、その塩又はその四級アンモニウム塩を含有す
る医薬。 (式中、A環:アリール基;シクロアルキル基;シクロ
アルケニル基;ヘテロ原子を1乃至4個含有するヘテロ
アリール基;又は5〜7員飽和ヘテロ環基 X:単結合又はメチレン基 R:ハロゲン原子;水酸基;低級アルコキシ基;カルボ
キシル基;低級アルコキシカルボニル基;低級アシル
基;メルカプト基;低級アルキルチオ基;スルホニル基
など l:0又は1 m:0又は1乃至3の整数。 n:1又は2)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、医薬、特にムスカリン
受容体拮抗作用を有するキヌクリジン誘導体、その塩、
そのN−オキシド又はその四級アンモニウム塩を含有す
る医薬に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ムスカリン受容体につき研究がな
されており、ムスカリン受容体拮抗作用を有する化合物
は、気管支拡張、胃腸運動抑制、酸分泌抑制、口渇、散
瞳、膀胱収縮抑制、発汗減少、及び頻脈等を引き起こす
ことが知られている。このムスカリン受容体には、少な
くとも3種のサブタイプが存在することか知られてい
る。主に、M受容体は脳等に、M受容体は心臓等
に、またM受容体は平滑筋や腺組織に存在する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記ムスカリン受容体
拮抗作用を有する化合物については、従来より知られて
いるものが多数あり、例えば代表的なものとしてアトロ
ピンが挙げられる(メルクインデックス、11板、138
頁)。しかしアトロピンはM、M、M受容体に対
して非選択的に拮抗するので、特定の疾患の治療を目的
とすることは容易ではなかった。近年、ムスカリン受容
体サブタイプの研究が進み、M、M、M 受容体に
選択的に拮抗する化合物が検討されている(英国特許出
願公開第2,249,093号、特開平1−131145号及
び特開平3−133980号公報)。中でもムスカリンM
容体に選択的で、M受容体より起因する心臓に関わる
副作用のない化合物の創製が望まれている。
【0004】特開昭62−252764号公報には下記一般式を
有する化合物が記載されている。 (式中、LはNH又はOであり;X及びYは独立して水
素原子又はC1−6アルキルから選ばれるか又は一緒に
なった結合であり;R及びRは独立して水素原子、
1−6アルキル、…(中略)…であり;R及びR
は独立して水素原子、ハロゲン原子、CF、C1−6
アルキル、…(中略)…、フェニル、フェニルC1−6
アルキル基から選ばれた1又は2個の基により任意にN−
置換されていてもよい又はC6−8ポリメチレンにより
任意にN−ジ置換されていてもよいアミノ、…(中略)
…、から選ばれ; Pは1又は2であり;qは1〜3である) しかしながら、上記特許に記載の化合物は5−HT拮抗
剤として開示されており、ムスカリン受容体拮抗作用に
ついては全く開示されてなく、本発明化合物とは薬理効
果の面において明確に区別できるものである。
【0005】
【課題を解決する為の手段】本発明者らは、上記ムスカ
リンM受容体拮抗作用を有する化合物につき、鋭意検
討した結果、従来化合物とは異なる基本骨格を有する新
規なキヌクリジン誘導体を創製し、これらが優れた選択
的ムスカリンM受容体拮抗作用を有することを知見し
て、本発明を完成した。即ち、本発明化合物は下記一般
式(I)で示されるキヌクリジン誘導体、その塩、その
N−オキシド又はその四級アンモニウム塩、及び、該化
合物又はその塩と製薬学的に許容される担体を含有する
医薬組成物、殊にムスカリンM受容体拮抗剤に関す
る。
【0006】(式中の記号は以下の意味を有する。 A環:アリール基、シクロアルキル基、シクロアルケニ
ル基、酸素原子、窒素原子若しくは硫黄原子からなるヘ
テロ原子を1乃至4個含有するヘテロアリール基、又
は、5〜7員飽和ヘテロ環基であり、これらの環は任意
の置換基で置換されていてもよい X:単結合又はメチレン基 R:ハロゲン原子、水酸基、低級アルコキシ基、カルボ
キシル基、低級アルコキシカルボニル基、低級アシル
基、メルカプト基、低級アルキルチオ基、スルホニル
基、低級アルキルスルホニル基、スルフィニル基、低級
アルキルスルフィニル基、スルホンアミド基、低級アル
カンスルホンアミド基、カルバモイル基、チオカルバモ
イル基、モノ−若しくはジ−低級アルキルカルバモイル
基、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、モノ−若しくはジ
−低級アルキルアミノ基、メチレンジオキシ基、エチレ
ンジオキシ基、又は、ハロゲン原子、水酸基、低級アル
コキシ基、アミノ基、若しくはモノ−若しくはジ−低級
アルキルアミノ基で置換されていてもよい低級アルキル
基 l:0又は1 m:0又は1乃至3の整数 n:1又は2の整数、以下同様)
【0007】本発明化合物(I)において特に好ましい
化合物としては、A環がアリール基、シクロアルキル
基、シクロアルケニル基、酸素原子、窒素原子若しくは
硫黄原子からなるヘテロ原子を1乃至4個含有するヘテ
ロアリール基、又は、5〜7員飽和ヘテロ環基であっ
て、これらの環は、ハロゲン原子、水酸基、低級アルコ
キシ基、カルボキシル基、低級アルコキシカルボニル
基、低級アシル基、メルカプト基、低級アルキルチオ
基、スルホニル基、低級アルキルスルホニル基、スルフ
ィニル基、低級アルキルスルフィニル基、スルホンアミ
ド基、低級アルカンスルホンアミド基、カルバモイル
基、チオカルバモイル基、モノ−若しくはジ−低級アル
キルカルバモイル基、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、
モノ−若しくはジ−低級アルキルアミノ基、メチレンジ
オキシ基、エチレンジオキシ基、又は、ハロゲン原子、
水酸基、低級アルコキシ基、アミノ基、若しくはモノ−
若しくはジ−低級アルキルアミノ基で置換されていても
よい低級アルキル基からなる置換基で置換されていても
よい、キヌクリジン誘導体、その短、そのN−オキシド
又はその四級アンモニウム塩;
【0008】Rがハロゲン原子、低級アルキル基、水酸
基、低級アルコキシ基、ニトロ基、シアノ基、アミノ
基、モノ若しくはジ低級アルキルアミノ基であり、A環
がアリール基、シクロアルキル基、シクロアルケニル
基、酸素原子、窒素原子若しくは硫黄原子からなるヘテ
ロ原子を1乃至4個含有する5員若しくは6員の単環ヘ
テロアリール基、又は、5〜7員飽和ヘテロ環基であっ
て、これらの環はハロゲン原子、低級アルキル基、水酸
基、低級アルコキシ基、ニトロ基、シアノ基、アミノ
基、又は、モノ−若しくはジ−低級アルキルアミノ基で
置換されていてもよい、キヌクリジン誘導体、その塩、
そのN−オキシド又はその四級アンモニウム塩;mが0
であり、A環がハロゲン原子、低級アルキル基、水酸基
若しくは低級アルコキシ基で置換されていてもよいアリ
ール基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、又
は、酸素原子、窒素原子若しくは硫黄原子からなるヘテ
ロ原子を1乃至4個含有する5員若しくは6員の単環ヘ
テロアリール基であるキヌクリジン誘導体、その塩、そ
のN−オキシド又はその四級アンモニウム塩;A環がハ
ロゲン原子若しくは低級アルキル基で置換されていても
よいフェニル基、シクロアルキル基、ピリジル基、フリ
ル基、チエニル基であるキヌクリジン誘導体、その塩、
そのN−オキシド又はその四級アンモニウム塩;Xが単
結合であるキヌクリジン誘導体、その塩、そのN−オキ
シド又はその四級アンモニウム塩;nが2であるキヌク
リジン誘導体、その塩、そのN−オキシド又はその四級
アンモニウム塩である。
【0009】また、本発明化合物(I)のキヌクリジン
誘導体、その塩、そのN−オキシド又はその四級アンモ
ニウム塩と製薬学的に許容される担体を含有するムスカ
リンM受容体拮抗剤として、好ましくは、泌尿器疾患
(神経性頻尿、神経因性膀胱、夜尿症、不安定膀胱、膀
胱痙縮及び慢性膀胱炎等)、又は、呼吸器疾患(慢性閉
塞性肺疾患、慢性気管支炎、喘息及び鼻炎等)、の予防
・治療剤である。
【0010】
【発明の実施の形態】以下に本発明化合物(I)につ
き、詳細に説明する。本発明化合物(I)は従来のムス
カリンM受容体拮抗剤と異なり、基本骨格として以下
に示す環の窒素原子上にキヌクリジニルオキシカルボニ
ル基等が結合したテトラヒドロイソキノリン骨格(I
a)又はイソインドリン骨格(Ib)を有する点に構造
上の特徴を有する。 さらに、本発明化合物(I)はテトラヒドロイソキノリ
ン又はイソインドリンのそれぞれ1位にXを介してA
環、即ちアリール基、シクロアルキル基、シクロアルケ
ニル基、酸素原子、窒素原子若しくは硫黄原子からなる
ヘテロ原子を1乃至4個含有するヘテロアリール基、又
は、5〜7員勉和ヘテロ環基から選択される環基を有す
る点に特徴を有する。
【0011】本明細書の一般式の定義において特に断ら
ない限り、「低級」なる用語は、炭素数1乃至6個の直
鎖状又は分枝状の炭素鎖を意味する。従って、「低級ア
ルキル基」としては、炭素数1乃至6個の直鎖状又は分
枝状のアルキル基を意味し、具体的には例えば、メチル
基、エチル拳、プロピル基、イソプロピル基、ブチル
基、イソブチル基、Sec−ブチル基、tert−ブチル基、
ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−
ペンチル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、
1,2−ジメチルプロピル基、ヘキシル基、イソヘキシル
基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、3−
メチルペンチル基、1,1−ジメチルブチル基、1,2−ジ
メチルブチル基、2,2−ジメチルブチル基、1,3−ジメ
チルブチル基、2,3−ジメチルブチル基、3,3−ジメチ
ルブチル基、1−エチルブチル基、2−エチルブチル基、
1,1,2−トリメチルプロピル基、1,2,2−トリメチル
プロピル基、1−エチル−1−メチルプロピル基、1−エ
チル−2−メチルプロピル基等が挙げられる。これらの
基のうち、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロ
ピル基、ブチル基などの炭素数が1乃至4のアルキル基が
好ましく、更にメチル基が好ましい。
【0012】「アリール基」としては、芳香族炭化水素
基を意味するが、炭素数6乃至14個のアリール基が好ま
しい。具体的には、フェニル基、ナフチル基、インデニ
ル基、アントリル基、フェナントリル基であり、更に好
ましくはフェニル基である。「シクロアルキル基」とし
ては、炭素数3乃至8個のものが挙げられ、具体的にはシ
クロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、
シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル
基等が挙げられる。これらのうちシクロプロピル基、シ
クロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基が
好ましく、更にシクロヘキシル基が好ましい。「シクロ
アルケニル基」としては、炭素数3乃至8個のものが挙げ
られ具体的には1−シクロプロペニル基、2−シクロプロ
ペニル基、1−シクロブテニル基、2−シクロブテニル
基、1−シクロペンテニル基、2−シクロペンチニル基、
3−シクロペンチニル基、1−シクロヘキセニル基、2−
シクロヘキセニル基、3−シクロヘキセニル基、1−シク
ロヘプチニル基、2−シクロヘプチニル基、3−シクロヘ
プチニル基、4−シクロヘプチニル基、1−シクロオクテ
ニル基、2−シクロオクテニル基、3−シクロオクテニル
基、4−シクロオクテニル基、2,4−シクロペンタジエ
ニル基、2,5−シクロヘキサジエニル基、2,4−シクロ
ヘプタジエニル基、2,6−シクロヘブタジエニル基が挙
げられる。
【0013】「酸素原子、窒素原子若しくは硫黄原子か
らなるヘテロ原子を1乃至4個含有するヘテロアリール
基」としては、ベンゼン環と縮合していてもよい5員若
しくは6員のヘテロアリール基を意味し、具体的には、
フリル基、チエニル基、ピロリル基、イミダゾリル基、
ピラゾリル基、トリアゾリル基、テトラゾリル基、イソ
チアゾリル基、イソキサゾリル基、ピリジル基、ピラジ
ニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基等で示される
酸素原子、窒素原子若しくは硫黄原子からなるヘテロ原
子を1乃至4個含有する5員若しくは6員の単項ヘテロアリ
ール基、及び、インドリル基、インダゾリル基、インド
リジニル基、キノリル基、キナゾリニル基、キノリジニ
ル基、キノキサリニル基、シンノリニル基、ベンズイミ
ダゾリル基、ベンゾフラニル基、ジヒドロベンゾフラニ
ル基、ベンゾイソキサゾリル基、ベンゾオキサゾリル
基、ベンゾチアゾリル基、ベンゾチエニル基等で示され
るベンゼン環と縮合した5員若しくは6員のヘテロアリー
ル基が挙げられる。これらの基のうち、好ましくは酸素
原子、窒素原子若しくは硫黄原子からなるヘテロ原子を
1乃至4個含有する5員若しくは6員の単項ヘテロアリール
基であり、更に好ましくはフリル基、チエニル基、ピリ
ジル基である。「5〜7員飽和ヘテロ環基」としては、酸
素原子、窒素原子若しくは硫黄原子を1乃至2個含有する
5員、6員若しくは7員の飽和ヘテロ環基を意味し、具体
的には、ピロリジニル基、イミダゾリジニル基、ピペリ
ジニル基、ピペラジニル基、モルホリニル基等が挙げら
れる。
【0014】A環の「アリール基」、「シクロアルキル
基」、「シクロアルケニル基」、「酸素原子、窒素原子
若しくは硫黄原子からなるヘテロ原子を1乃至4個含有す
るヘテロアリール基」、「酸素原子、窒素原子若しくは
硫黄原子からなるヘテロ原子を1乃至4個含有する5員若
しくは6員の単項ヘテロアリール基」、又は、「5〜7員
飽和ヘテロ環基」のそれぞれの環は任意の置換基で置換
されてもよく、置換基の個数は1つに限定されず、複数
個であってもよい。ここで任意の置換基とは、これらの
環に置換可能な基であればいずれでもよいが、好ましく
は、ハロゲン原子、水酸基、低級アルコキシ基、カルボ
キシル基、低級アルコキシカルボニル基、低級アシル
基、メルカプト基、低級アルキルチオ基、スルホニル
基、低級アルキルスルホニル基、スルフィニル基、低級
アルキルスルフィニル基、スルホンアミド基、低級アル
カンスルホンアミド基、カルバモイル基、チオカルバモ
イル基、モノ−若しくはジ−低級アルキルカルバモイル
基、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、モノ−若しくはジ
−低級アルキルアミノ基、メチレンジオキシ基、エチレ
ンジオキシ基、又は、ハロゲン原子、水酸基、低級アル
コキシ基、アミノ基、若しくはモノ−若しくはジ−低級
アルキルアミノ基で置換されていてもよい低級アルキル
基、が挙げられ、好ましくは、ハロゲン原子、低級アル
キル基、水酸基、低級アルコキシ基、ニトロ基、シアノ
基、アミノ基、モノ若しくはジ低級アルキルアミノ基が
挙げられ、更に好ましくはハロゲン原子、低級アルキル
基、水酸基若しくは低級アルコキシ基、殊にハロゲン原
子、低級アルキル基が挙げられる。
【0015】「ハロゲン原子」とは、フッ素原子、塩素
原子、臭素原子、又はヨウ素原子をいう。置換基がハロ
ゲン原子の場合、置換基の数は特に限定されず、2個以
上のハロゲン原子が置換する場合は、このいずれの原子
の組み合わせであってもよい。例えばハロゲン原子置換
の低級アルキル基としてはフルオロメチル基、クロロメ
チル基、ブロモメチル基、ヨードメチル基、1−フルオ
ロエチル基、1−クロロエチル基、1−ブロモエチル基、
2−クロロエチル基、2−ブロモエチル基、ジクロロメチ
ル基、トリフルオロメチル基、トリクロロメチル基、ト
リブロモメチル基、トリヨードメチル基、ジクロロブロ
モメチル基等が挙げられる。これらのうち、トリフルオ
ロメチル基が好ましい。「低級アルコキシ基」として
は、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロ
ポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、Sec−ブトキ
シ基、tert−ブトキシ基、ペンチルオキシ(アミルオキ
シ)基、イソペンチルオキシ基、tert−ペンチルオキシ
基、ネオペンチルオキシ基、2−メチルブトキシ基、1,
2−ジメチルプロポキシ基、1−エチルプロポキシ基、ヘ
キシルオキシ基などが挙げられる。これらの基のうち、
メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等
の炭素数1乃至4のアルキル基を有する低級アルコキシ基
が好ましく、メトキシ基及びエトキシ基が更に好まし
い。
【0016】「低級アルコキシカルボニル基」として
は、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プ
ロポキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基、
ブトキシカルボニル基、イソブトキシカルボニル基、Se
c−ブトキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル
基、ペンチルオキシ(アミルオキシ)カルボニル基、イ
ソペンチルオキシカルボニル基、tert−ペンチルオキシ
カルボニル基、ネオペンチルオキシカルボニル基、2−
メチルブトキシカルボニル基、1,2−ジメチルプロポキ
シカルボニル基、1−エチルプロポキシカルボニル基、
ヘキシルオキシカルボニル基などが挙げられる。「低級
アシル基」としては、ホルミル基、アセチル基、プロピ
オニル基、ブチリル基、バレリル基、ピバロイル基等が
挙げられ、好ましくは、ホルミル基、アセチル基、プロ
ピオニル基等である。「低級アルキルチオ基」として
は、メルカプト基中の水素原子を前記低級アルキル基で
置換された基を意味し、メチルチオ基、エチルチオ基、
プロピルチオ基、イソプロピルチオ基、ブチルチオ基、
ペンチルチオ基、ヘキシルチオ基等が挙げられる。「低
級アルキルスルホニル基」としては、メチルスルホニル
基、エチルスルホニル基、プロピルスルホニル基、イソ
プロピルスルホニル基、ブチルスルホニル基、ペンチル
スルホニル基、ヘキシルスルホニル基等が挙げられる。
「低級アルキルスルフィニル基」としては、メチルスル
フィニル基、エチルスルフィニル基、プロピルスルフィ
ニル基、イソプロピルスルフィニル基、ブチルスルフィ
ニル基、ペンチルスルフィニル基、ヘキシルスルフィニ
ル基等が挙げられる。
【0017】「低級アルカンスルホンアミド基」として
は、メタンスルホンアミド基、エタンスルホンアミド
基、プロパンスルホンアミド基、イソプロパンスルホン
アミド基、ブタンスルホンアミド基、ペンタンスルホン
アミド基、ヘキサンスルホンアミド基等が挙げられる。
「モノ−若しくはジ−低級アルキルカルバモイル基」と
しては、カルバモイル基中の水素原子1乃至2個が前記低
級アルキル基で置換されたカルバモイル基を意味し、メ
チルカルバモイル基、エチルカルバモイル基、プロピル
カルバモイル基、ジメチルカルバモイル基等が挙げられ
る。「モノ−若しくはジ−低級アルキルアミノ基」とし
ては、アミノ基中の水素原子1乃至2個が前記低級アルキ
ル基で置換されたアミノ基を意味し、メチルアミノ基、
エチルアミノ基、プロピルアミノ基、ジメチルアミノ
基、ジエチルアミノ基、ジプロピルアミノ基等が挙げら
れる。「ハロゲン原子、水酸基、低級アルコキシ基、ア
ミノ基、若しくはモノ−若しくはジ−低級アルキルアミ
ノ基で置換されていてもよい低級アルキル基」とは低級
アルキル基の任意の水素原子1乃至複数個が、ハロゲン
原子、水酸基、低級アルコキシ基、アミノ基、モノ−若
しくはジ−低級アルキルアミノ基で置換された基を意味
する。ハロゲン原子置換の低級アルキル基については前
記ハロゲン原子の説明中に記載の通りである。
【0018】本発明化合物(I)はキヌクリジニル基を
有するが、キヌクリジニル基の窒素原子はオキシド化さ
れていてもよい(l=1)し、又は四級アンモニウム塩
を形成していてもよい。四級アンモニウム塩を形成して
いる場合、窒素原子に結合する基として具体的には低級
アルキル基、低級アルケニル基、低級アルキニル基等が
挙げられる。「低級アルケニル基」は炭素数が2乃至6個
の直鎖又は分枝状のアルケニル基であり、具体的にはビ
ニル基、プロペニル基、ブチニル基、メチルプロペニル
基、ジメチルビニル基、ペンテニル基、メチルブテニル
基、ジメチルプロペニル基、エチルプロペニル基、ヘキ
セニル基、ジメチルブテニル基、メチルペンテニル基等
が挙げられる。これらの基のうち、プロベニル基が好ま
しい。「低級アルキニル基」は、炭素数が2乃至6個の直
鎖又は分技状のアルキニル基であり、具体的にはエチニ
ル基、プロピニル基、ブチニル基、メチルプロピニル
基、ペンチニル基、メチルブチニル基、ヘキシニル基等
が挙げられる。これらの基のうち、エチニル基、プロピ
ニル基等の炭素数が2乃至3のアルキニル基が好ましい。
四級アンモニウム塩の陰イオンとしては、ハロゲン原子
のイオン、トリフレート、トシレート、メシレート等が
挙げられ、特に、ハロゲン原子のイオン、即ち、ハロゲ
ン化物イオン(例えば、塩化物イオン、臭化物イオン、
ヨウ化物イオン、三ヨウ化物イオン等)が好ましいが、
これらに限られるものではない。他の陰イオンとして例
えば、硝酸イオン、硫酸イオン、リン酸イオン、炭酸イ
オン等の無機陰イオン、フォルメート(HCOO)、
アセテート(CHCOO)、プロピオネート、オキ
サレート、マロネート等のカルボキシレート、グルタミ
ン酸等のアミノ酸の陰イオン等が更に挙げられる。ハロ
ゲン化物イオンでは、臭化物イオン又はヨウ化物イオン
が好ましい。なお、陰イオンは、通常のイオン交換反応
により、適宜、好ましい陰イオンに変換できるものであ
る。
【0019】本発明化合物(I)は、不斉炭素原子を有
するため、これに基づく光学異性体が存在する。他に本
発明は構造異性体、互変異性体が存在するものもあり、
ジアステレオマー、エナンチオマー等これらの異性体の
分離されたものあるいは混合物を包含する。本発明化合
物(I)には、前記キヌクリジニル基の四級アンモニウ
ム塩以外にも酸と塩を形成することができるものがあ
る。かかる塩としては塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素
酸、硫酸、硝酸、リン酸等の鉱酸や、ギ酸、酢酸、プロ
ピオン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、
マレイン酸、乳酸、リンゴ酸、クエン酸、酒石酸、炭
酸、ピクリン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン
酸、グルタミン酸等の有機酸との酸付加塩を挙げること
ができる。さらに、本発明化合物(I)は水和物、エタ
ノール等の溶媒和物や結晶多形の物質もすべて含有す
る。
【0020】(製造法)本発明化合物(I)は、種々の
製造法を適用して製造することができる。以下にその代
表的な製造法について説明する。 第1製法 (式中、Qは、本反応において有利な脱離基を意味
し、A環、R、X、m及びnは前記の意味を有する。以
下同様。)本反応は、一般式(II)で示される化合物
とその反応対応量の一般式(III)で示されるキヌク
リジノールとを不活性溶媒中室温下乃至加温下攪拌する
ことにより行われる。脱離基Qとしては、例えば、ハ
ロゲン原子、低級アルコキシ基、フェノキシ基、イミダ
ゾリル基等を包含する。不活性溶媒としては、例えばジ
メチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド、
テトラヒドロフラン(THF)、ジオキサン、ジメトキシ
エタン、ジエトキシエタン、ベンゼン、トルエン又はキ
シレン等やこれらの混合溶媒が挙げられる。本反応を促
進させるために、塩基(例えばナトリウム、水素化ナト
リウム、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド
等)を添加するのが好ましい。
【0021】第2製法 (式中、A環、R、X、m、n及びQは前記の意味を
有する。) 本反応は一般式(IV)で示される化合物とその反応対
応量の一般式(V)とを前記不活性溶媒中、室温乃至加
温下攪拌することにより行われる。本反応を促進させる
ために塩基(例えばナトリウム、水素化ナトリウム、ナ
トリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、トリエチ
ルアミン、ピリジン等)を添加するのか好ましい。
【0022】(その他の製造法)本発明化合物中、キヌ
クリジニル基の窒素原子がオキシド化された化合物、又
は四級アンモニウム塩を形成した化合物は、本発明化合
物の三級アミン化合物をN−オキシド化、N−アルキル化
反応させることにより製造できる。N−オキシド化反応
は、常法の酸化反応によって行うことができるが、具体
的には、本発明化合物の三級アミン化合物を、その対応
量あるいは過剰量の酸化剤を、クロロホルム、ジクロロ
メタン又はジクロロエタン等の不活性溶媒、メタノー
ル、エタノール等のアルコール、水、又はその混合溶媒
中、冷却下乃至室温下、場合により加温下攪拌すること
により行うことができる。酸化剤としては、m−クロロ
過安息香酸等の有機過酸、過ヨウ素酸ナトリウム、過酸
化水素等が挙げられる。N−アルキル化反応としては、
常法のN−アルキル化反応によって行うことができる
か、具体的には、本発明化合物の三級アミン化合物を、
その対応量のアルキル化剤とジメチルホルムアミド、ク
ロロホルム、ベンゼン、2−ブタノン、アセトン又はテ
トラヒドロフラン等の不活性溶媒中、水冷下乃至室温
下、又は場合により加温下攪拌することにより行うこと
ができる。アルキル化剤としては、低級アルキルハライ
ド、低級アルキルトリフルオロメタンスルホネート、低
級アルキル p−トルエンスルホネート又は低級アルキ
ルメタンスルホネート等が挙げられる。好ましくは低級
アルキルハライドである。また、本発明化合物を製造す
る際、官能基の保護が必要な場合がある。その場合は、
常法により適当な保護基の導入及び脱保護の操作を加
え、製造することができる。このようにして製造された
本発明化合物は、遊離のまま、あるいは常法による造塩
処理を施し、その塩として単離・精製される。単離・精
製は抽出、濃縮、留去、結晶化、濾過、再結晶、各種ク
ロマトグラフィー等の通常の化学操作を適用して行われ
る。
【0023】
【発明の効果】本発明化合物は、ムスカリンM受容体
に対して親和性及び選択性を有し、M 受容体拮抗薬と
して、M受容体が関与する種々の疾患、特に、神経性
頻尿、神経因性膀胱、夜尿症、不安定膀胱、膀胱痙縮、
慢性膀胱炎等における尿失禁及び頻尿等の泌尿器疾患、
慢性閉塞性肺疾患、慢性気管支炎、喘息及び鼻炎等の呼
吸器疾患、過敏性大腸症候群、痙性大腸炎及び憩室炎等
の消化器疾患の予防又は治療剤として有用である。特
に、本発明化合物は、心臓等に存在するM受容体と比
較して平滑筋や腺組織等に存在するM受容体に対する
選択性が高く、心臓等への副作用の少ないM 受容体拮
抗薬として、特に尿失禁並びに頻尿、慢性閉塞性肺疾
患、慢性気管支炎、喘息及び鼻炎等の予防薬若しくは治
療薬として有用性が高い。本発明化合物のムスカリン受
容体に対する親和性及び拮抗作用は、以下の試験により
確認された。
【0024】ムスカリン受容体親和性試験(in vitr
o) a.膜標本の調製 Wistar系雄性ラット(日本SLC)の心臓および顎下腺を
摘出し、5倍容量の100mM 塩化ナトリウム、10mM塩化マ
グネシウムを含む20mM HEPESバッファー(pH7.5、以下
HEPESバッファーと略)を加えて水冷中でホモジナイズ
した。これをガーゼで濾過した後、50,000×g、4℃で1
0分間超遠心分離を行い、沈殿をHEPESバッファーに懸濁
させ、再び50,000×g、4℃で10分間超遠心分離を行っ
た。この沈殿をHEPESバッファーに懸濁させて−80℃で
保存した。以後用時に融解して試験を行った。 b.ムスカリンM乏受容体結合試験 Doodsらの方法(J.Pharmacol.Exp.Ther.,242,257〜262,
1987)を改良して行った。心臓膜標本、〔H〕−キヌ
クリジニル ベンジレート(quinuclidinyl benzilat
e)および被験化合物を0.5mlのHEPESバッファー中で25
℃、45分間インキュベートした後、ガラスフィルター
(Whatman GF/B)で吸引濾過し、5mlのHEPESバッファ
ーで3回フィルターを洗浄した。フィルターに吸着した
H〕−キヌクリジニル ベンジレートの放射活性を
液体シンチレーションカウンターで測定した。なお受容
体非特異的な結合は、1μMのアトロピンを添加するこ
とによって求めた。本発明化合物のムスカリンM受容
体に対する親和性は、Cheng andPrusoff(Biochem.Phar
macol.,22,3099,1973)に従って、標識リガンドである
H〕−キヌクリジニル ベンジレートの結合を50%
抑制する被験化合物の濃度(IC50)より算出した解
離定数(Ki)で求めた。
【0025】c.ムスカリンM受容体結合試験 膜標本として顎下腺標本、標識リガンドとして〔H〕
−N−メチルスコポラミン(N−methylscopolamine)を
用いた他は、上記bのムスカリンM受容体結合試験と
同様の方法で行った。結果:本発明化合物(I)は、M
受容体に対して10−8乃至10−10MのKi値を
有し、Mに比して、十倍以上高い親和性を有してい
た。
【0026】ムスカリン受容体拮抗試験(in vivo) a.ラット律動的膀胱収縮に対する試験 Wistar系雌性ラット(130〜200g)をウレタン麻酔(1.O
g/kg s.c.)し、輸尿管を腎臓側で結紮した。尿道カ
テーテルを膀胱内に留置して、膀胱内に1.Oml程度の生
理食塩水を注入することによって律動的膀胱収縮を惹起
し、圧トランスデュサーによって膀胱内圧を測定した。
5分間以上の安定した律動収縮を得た後に、外顎静脈よ
り被験化合物を累積的に投与し、5〜10分後における膀
胱内圧を測定した。被験化合物投与前の膀胱収縮に対す
る抑制率を求め、投与前の膀胱収縮を30%抑制する被験
化合物の用量をED30とした。本試験の結果、本発明
化合物は良好なED30値を示した。 b.ラット唾液分泌に対する試験 Wistar系雄性ラット(160〜190g)をウレタン(0.8g/k
g i.p.)により麻酔した。被験化合物(対照群は溶媒)
を投与し、15分後に0.8μmmol/kgのオキソトレ
モリンを投与した。薬物投与はいずれも大腿静脈より行
った。オキソトレモリン投与直後より5分間に分泌する
唾液を回収し、その重量を測定した。対照群の分泌唾液
量に対する抑制率を求め、対照群の分泌唾液量を50%抑
制する被験化合物の用量をID50値とした。本試験の
結果、比較化合物として試験したアトロピンのID50
値は、前記ラット律動的膀胱収縮に対する試験のED
30値と比較して、同程度の値であるのに対し、本発明
化合物のID50値は前記ED30値と比較して、5倍
以上であり、相対的に唾液分泌に対する作用が弱いこと
が示された。
【0027】c.ラット徐脈に対する試験 本試験法はDoodsらの方法(J.Pharmacol.Exp.Ther.,24
2,257-262,1987)に従って行った。Wistar系雄性ラット
(250〜350g)をペントバルビタールナトリウム(50mg
/kg i.p.)により麻酔し、頚部切開後、左右迷走神経
を切断した。気管にカニューレを挿入して気道を確保し
た後、眼窩よりステンレス棒を挿入して脊髄を破壊し
た。人工呼吸下(10cc/kgで毎分50回)直腸温を37.5
℃に保ち、総頚動脈より心拍数を監視した。大腿静脈に
留置針を固定し、これより薬物投与を行った。脊髄破壊
後、平衡状態にするため15分間静置した後、アテノロー
ル(10mg/kg)を投与した。再度15分間の平衡後に被検
化合物を投与し、その15分後にオキソトレモリンを累積
投与して心拍数の低下を測定した。対照群の用量反応曲
線を10倍右方移動させる被検化合物の用量をDR10
した。 結果:本発明化合物(I)の徐脈に対する作用は十分に
低く、数mg/kgの投与では観察されなかった。上記ムス
カリン受容体親和性試験(in vitro)の結果、本発明
化合物(I)はM受容体に選択的かつ高い親和性を有
していた。更にムスカリン受容体拮抗試験(in vivo)
においても良好なムスカリンM拮抗作用を示し、他方
ムスカリンM受容体に関与する徐脈に対する作用は低
く、従って本発明化合物(I)はムスカリンM受容体
に選択的に拮抗するものであることが示された。更に、
従来の抗コリン剤の有していた口渇等の副作用も低いも
のであった。
【0028】本発明化合物又はその塩の一種又はこ種以
上を含有する医薬組成物は、通常の製薬学的に許容され
る担体を用いて調製される。本発明における医薬組成物
の投与は経口投与、又は注射剤、坐剤、経皮剤、吸入剤
若しくは膀胱内注入等による非経口投与のいずれの形態
であってもよい。投与量は症状、投与対象の年令、性別
等を考慮して個々の場合に応じて適宜決定されるが、通
常経口投与の場合成人投与量は1日当たり0.01mg/kg乃
至100mg/kg程度であり、これを一回で、あるいは2〜4
回に分けて投与する。また、症状によって静脈投与され
る場合は、通常成人1回当たり、0.001mg/kg乃至10mg
/kgの範囲で1日に1回乃至複数回投与される。製剤用の
担体としては、固体又は液体状の非毒性医薬用物質が挙
げられる。本発明による経口投与のための固体組成物と
しては、錠剤、丸剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤等が用
いられる。このような固体組成物においては、ひとつ又
はそれ以上の活性物質が、少なくともひとつの不活性な
希釈剤、例えば乳糖、マンニトール、ブドウ糖、ヒドロ
キシプロピルセルロース、微結晶セルロース、デンプ
ン、ポリビニルビロリドン、寒天、ペクチン、メタケイ
酸マグネシウム、アルミン酸マグネシウム等と混合され
る。組成物は、常法に従って、不活性な希釈剤以外の添
加剤、例えばステアリン酸マグネシウムのような潤滑剤
や繊維素グリコール酸カルシウムのような崩壊剤、ラク
トースのような安定化剤、グルタミン酸又はアスパラギ
ン酸のような溶解補助剤を含有していてもよい。錠剤又
は丸剤は必要によりショ糖、ゼラチン、ヒドロキシプロ
ピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース
フタレートなどの糖衣又は胃溶性若しくは腸溶性物質の
フィルムで被膜してもよい。
【0029】経口投与のための液体組成物は、薬剤的に
許容される乳濁剤、溶液剤、懸濁剤、シロップ剤、エリ
キシル剤等を含み、一般的に用いられる不活性な希釈
剤、例えば精製水、エタノールを含む。この組成物は不
活性な希釈剤以外に湿潤剤、懸濁剤のような補助剤、甘
味剤、風味剤、芳香剤、防腐剤を含有していてもよい。
本発明による非経口投与のための注射剤としては、無菌
の水性又は非水性の溶液剤、懸濁剤、乳濁剤を包含す
る。水性の溶液剤、懸濁剤としては、例えば注射剤用蒸
留水及び生理食塩水が含まれる。非水溶性の溶液剤、懸
濁剤としては、例えばエチレングリコール、プロピレン
グリコール、ポリエチレングリコール、カカオバター、
オリーブ油、ゴマ油のような植物油、エタノールのよう
なアルコール類、アラビアゴム、ポリソルベート80(商
品名)等がある。このような組成物は、さらに等張化
剤、防腐剤、湿潤剤、乳化剤、分散剤、安定化剤(例え
ば、ラクトース)、溶解補助剤(例えば、グルタミン
酸、アスパラギン酸)のような添加剤を含んでもよい。
これらは例えばバクテリア保管フィルターを通す濾過、
殺菌剤の配合又は照射によって無菌化される。これらは
また無菌の固体組成物を製造し、使用前に無菌水又は無
菌の注射用溶媒に溶解して使用することもできる。
【0030】以下、実施例に基づき本発明を更に詳細に
説明する。本発明化合物は下記実施例に記載の化合物に
限定されるものではなく、また前記一般式(I)に示さ
れる化合物、その塩、その水和物、その溶媒和物、その
幾何並びに光学異性体、結晶多形の全てを包含するもの
である。なお、本発明化合物の原料化合物には新規化合
物が含まれており、これらの化合物の製造例を参考例と
して記載する。
【0031】参考例1 1−フェニル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン
6.28g、トリエチルアミン3.34gのジクロロメタン溶液
130mlに水冷下クロロギ酸エチル3.1mlを滴下し、室温
にて一晩攪拌した。反応液を水、1規定塩酸、水飴和食
塩水で順に洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、
溶媒を減圧下留去することにより、エチル1−フェニル
−1,2,3,4−テトラヒドロ−2−イソキノリンカルボ
キシレート10.58gを淡黄色油状物として得た。 赤外線吸収スペクトル νmax(neat)cm−1:170
0,1430,1296,1230,1122. 核磁気共鳴スペクトル(CDCl,TMS内部標準) δ:1.29(3H,t,J=7.3Hz),2.75−3.45(3H,
m),3.90−4.40(1H,m),4.21(2H,q,J=7.3H
z),6.38(1H,S),6.95−7.45(9H,m) 参考例1と同様にして以下の参考例2乃至14の化合物
を得た。
【0032】参考例2 メチル 1−フェニル−2−イソインドリンカルボキシレ
ート 原料化合物:1−フェニルイソインドリン、クロロギ酸
メチル 赤外線吸収スペクトル νmax(KBr)cm−1:170
8,1460,1376,1100 核磁気共鳴スペクトル(CDCl,TMS内部標準) δ:3.60,3.72(3H,S×2),4.89,4.96(2H,S
×2),5.94,6.03(1H,S×2),6.95−7.10(1
H,m),7.15−7.35(8H,m) 参考例3 エチル 1−(4−ピリジル)−1,2,3,4−テトラヒド
ロ−2−イソキノリンカルボキシレート 原料化合物:1−(4−ピリジル)−1,2,3,4−テトラ
ヒドロイソキノリン 性状 淡黄色油状物 質量分析値(m/z,EI):282(M) 核磁気共鳴スペクトル(CDCl,TMS内部標準) δ:1.29(3H,t,J=7.1Hz),2.60−3.45(3H,
m),3.85−4.20(1H,m),4.22(2H,q,J=7.1H
z),6.31(1H,S),7.14(2H,dd,J=4.4,1.5H
z),7.17−7.26(4H,m),8.51(2H,dd,J=4.
4,1.5Hz)
【0033】参考例4 エチル 1,2,3,4−テトラヒドロ−1−(2−チエニ
ル)−2−イソキノリンカルボキシレート 原料化合物:1,2,3,4−テトラヒドロ−1−(2−チエ
ニル)イソキノリン 性状 淡黄色油状物 質量分析値(m/z,EI):287(M) 核磁気共鳴スペクトル(CDCl,TMS内部標準) δ:1.32(3H,t,J=7.3Hz),2.65−3.60(3H,
m),4.00−4.30(1H,m),4.23(2H,q,J=7.3H
z),6.53(1H,S),6.70−6.95(2H,m),7.15
−7.30(5H,m) 参考例5 エチル 1,2,3,4−テトラヒドロ−1−(3−チエニ
ル)−2−イソキノリンカルボキシレート 原料化合物:1,2,3,4−テトラヒドロ−1−(3−チエ
ニル)イソキノリン 性状 橙色油状物 質量分析値(m/z,FAB):288(M+1) 核磁気共鳴スペクトル(CDCl,TMS内部標準) δ:1.2−1.3(3H,m),2.7−2.8(1H,m),2.9
−3.0(1H,m),3.1−3.3(1H,m),3.9−4.2
(3H,m),6.2−6.4(1H,m),6.83(1H,S),
6.95−7.26(6H,m)
【0034】参考例6 エチル 1−(2−フリル)−1,2,3,4−テトラヒド
ロ−2−イソキノリンカルボキシレート 原料化合物:1−(2−フリル)−1,2,3,4−テトラヒ
ドロイソキノリン 質量分析値(m/z,EI):271(M) 核磁気共鳴スペクトル(CDCl,TMS内部標準) δ:1.30(3H,t,J=6.5Hz),2・75−2.85(1H,
m),2.90−3.10(1H,m),3・20−3.50(1H,
m),4.05−4.35(4H,m),6.00(1H,S),6.20
−6.45(2H,m),7.15−7.25(4H,m),7.33(1
H,S) 参考例7 (1R)−エチル 1−フェニル−1,2,3,4−テトラ
ヒドロ−2−イソキノリンカルボキシレート 原料化合物:(1R)−1−フェニル−1,2,3,4−テ
トラヒドロイソキノリン 比旋光度〔α〕 25 199.2(c=1.03,CHCl) 質量分析値(m/z,FAB):282(M+1)
【0035】参考例8 (1S)−エチル 1−フェニル−1,2,3,4−テトラヒ
ドロ−2−イソキノリンカルボキシレート 原料化合物:(1S)−1−フェニル−1,2,3,4−テト
ラヒドロイソキノリン 比旋光度〔α〕 25 −200.9(c=1.09,CHC
) 質量分析値(m/z,EI):281(M) 参考例9 エチル 1−(4−クロロフェニル)−1,2,3,4−テト
ラヒドロ−2−イソキノリンカルボキシレート 原料化合物:1−(4−クロロフェニル)−1,2,3,4−
テトラヒドロイソキノリン 性状 淡黄色油状物 質量分析値(m/z,EI):315(M) 核磁気共鳴スペクトル(CDCl,TMS内部標準) δ:1.29(3H,t,J=7.OHz),2.70−3.52(3H,
m),4.00−4.30(1H,m),4.20(2H,q.J=7.OH
z),6.35(1H,S),7.05−7.35(8H,m)
【0036】参考例10 エチル 1−(4−フルオロフェニル)−1,2,3,4−テ
トラヒドロ−2−イソキノリンカルボキシレート 原料化合物:1−(4−フルオロフェニル)−1,2,3,4
−テトラヒドロイソキノリン 性状 淡黄色油状物 質量分析値(m/z,FAB):300(M+1) 核磁気共鳴スペクトル(CDCl,TMS内部標準) δ:1.30(3H,t,J=8.9Hz),2.75(1ノH,dd,J
=12.5,3.4Hz),2.9−3.1(1H,m),3.1−3.3
(1H,m),4.0−4.3(3H,m),6.2−6.4(1H,
m),6.93−7.03(3H,m),7.16−7.24(5H,m) 参考例11 エチル 1,2,3,4−テトラヒドロ−1−(4−トリル)
−2−イソキノリンカルボキシレート 原料化合物:1,2,3,4−テトラヒドロ−1−(4−トリ
ル)イソキノリン 質量分析億(m/z,EI):295(M) 核磁気共鳴スペクトル(CDCl,TMS内部標準) δ:1.20−1.35(3H,m),2.30(3H,S),2.70−
2.80(1H,m),2.90−3.10(1H,m),3.23(1H,
t,J=10.OHz),3.95−4.30(3H,m),6.29,6.
41(1H,brs×2),7.00−7.25(8H,m)
【0037】参考例12 エチル 1−ベンジル−1,2,3,4−テトラヒドロ−2−
イソキノリンカルボキシレート 原料化合物:1−ベンジル−1,2,3,4−テトラヒドロ
イソキノリン 性状 淡黄色油状物 質量分析値(m/z,FAB):296(M+1) 核磁気共鳴スペクトル(CDCl,TMS内部標準) δ:1.02,1.23(3H,t×2,J=7.1Hz),2.63−
3.20(4H,m),3.30−3.50(1H,m),3.75−4.2
5(3H,m),5.27,5.38(1H,t×2,J=6.8Hz),
6.85−7.28(9H,m) 参考例13 エチル 1−シクロヘキシル−1,2,3,4−テトラヒド
ロ−2−イソキノリンカルボキシレート 原料化合物:1−シクロヘキシル−1,2,3,4−テトラ
ヒドロイソキノリン 性状 黄色油状物 質量分析値(m/z,FAB):288(M+1) 核磁気共鳴スペクトル(CDCl,TMS内部標準) δ:0.70−2.00(11H,m),1.26(3H,t,J=7.3H
z),2.89(2H,t,J=7.1Hz),3.25−4.20(2H,
m),4.14(2H,q,J=7.1Hz),4.65−4.95(1H,
m),7.00−7.30(4H,m)
【0038】参考例14 エチル 1−(3−フリル)−1,2,3,4−テトラヒドロ
−2−イソキノリンカルボキシレート 原料化合物:1−(3−フリル)−1,2,3,4−テトラヒ
ドロイソキノリン 性状 黄色油状物 質量分析値(m/z,EI):271(M) 核磁気共鳴スペクトル(CDCl,TMS内部標準) δ:1.31(3H,t,J=7.OHz),2.55〜3.40(3H,
m),3.90〜4.30(1H,m),4.22(2H,q,J=7.OH
z),6.20−6.45(2H,m),6.95−7.40(6H,m) 以下、表1乃至2に参考例1乃至14で得た化合物の化
学構造式を示す。
【0039】
【表1】
【0040】
【表2】
【0041】実施例1 エチル 1−フェニル−1,2,3,4−テトラヒドロイソ
キノリン−2−カルボキシレート0.70g、3−キヌクリジ
ノール0.41gのトルエン溶液30mlに水素化ナトリウム(6
0%)0.03gを加え、140℃にて生成するエタノールを除
きながら2日間攪拌した。反応液を室温まで冷却し、飽
和食塩水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を無水
硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下溶媒を留去した。得ら
れた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロ
ロホルム/メタノール=10/1→クロロホルム/メタノ
ール/28%アンモニア水=10/1/0.1)で精製するこ
とにより3−キヌクリジニル 1−フェニル−1,2,3,4
−テトラヒドロ−2−イソキノリンカルボキシレート0.1
1gを黄色油状物として得た。これをエタノール10mlに溶
解し、シュウ酸27mgを加え、溶媒を減圧下留去した。得
られた固体をイソプロパノール−イソプロピルエーテル
より再結晶することにより3−キヌクリジニル 1−フェ
ニル−1,2,3,4−テトラヒドロ−2−イソキノリンカ
ルボキシレート・シュウ酸塩0.08gを無色結晶として得
た。 融点:122−124℃(i−PrOH−i−PRO) 元素分析値(C2528・0.75HOとして) C(%) H(%) N(%) 理論値 64.43 6.38 6.01 実験値 64.25 6.15 5.88 実施例1と同様にして実施例2を得た。 実施例2 3−キヌクリニジル 1−フェニル−2−イソインドリン
カルボキシレート・塩酸塩 原料化合物:メチル 1−フェニル−2−イソインドリン
カルボキシレート 融点:164−165℃(EtOH−EtO) 元素分析値(C2225Cl・1.75HOとして) C(%) H(%) N(%) Cl(%) 理論値 63.45 6.90 6.73 8.51 実験値 63.54 6.59 6.76 8.12
【0042】実施例3 エチル 1−(4−ピリジル)−1,2,3,4−テトラヒド
ロ−2−イソキノリンカルボキシレート720mg、3−キヌ
クリジノール973mgのトルエン懸濁液50mlに水素化ナト
リウム(60%)102mgを室温にて加え、生じるエタノー
ルをトルエンと共に留去しながら5時間40分加熱還流し
た。反応液を室温まで冷却し、水20mlを加えた後、クロ
ロホルムで抽出した。有機層を水、飽和食塩水で洗浄
し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後減圧下濃縮した。得ら
れた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロ
ロホルム/メタノール/28%アンモニア水=100/2/
1)で精製することにより3−キヌクリジニル 1−(4−
ピリジル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−2−イソキノ
リンカルボキシレート827mgを黄色油状物として得た。
これを酢酸エチル5mlに溶解し、4規定塩化水素−酢酸エ
チル溶液2mlを加え、減圧下溶媒を留去した。残渣にエ
タノール、エーテルを加えることにより粗結晶を得、こ
れをエタノール−エーテルより再結晶を行うことにより
3−キヌクリジニル 1−(4−ピリジル)−1,2,3,4
−テトラヒドロ−2−イソキノリンカルボキシレート・
2塩酸塩402mgを淡黄色結晶として得た。 融点:167−169℃(EtOH−EtO) 元素分析値(C2227Cl・2.2HOとして) C(%) H(%) N(%) Cl(%) 理論値 55.51 6.65 8.83 14.90 実験値 55.46 6.98 8.64 14.84 実施例3と同様にして以下の実施例4乃至6の化合物を
得た。
【0043】実施例4 3−キヌクリジニル 1,2,3,4−テトラヒドロ−1−
(2−チエニル)−2−イソキノリンカルボキシレート・
シュウ酸塩 原料化合物:エチル 1,2,3,4−テトラヒドロ−1−
(2−チエニル)−2−イソキノリンカルボキシレート 元素分析値(C2326S・1.3HOとして) C(%) H(%) N(%) S(%) 理論値 57.32 5.98 5.81 6.65 実験値 57.62 6.00 5.84 6.27 質量分析値(m/z,FAB):369(M+1) 実施例5 (1RS,3’R)−3′−キヌクリジニル 1,2,3,
4−テトラヒドロ−1−(3−チエニル)−2−イソキノリ
ンカルボキシレート 原料化合物:エチル 1,2,3,4−テトラヒドロ−1−
(3−チエニル)−2−イソキノリンカルボキシレート、
(3R)−3−キヌクリジノール 性状:褐色油状物 元素分析値(C2124S・0.3HOとして) C(%) H(%) N(%) S(%) 理論値 67.46 6.63 7.49 8.58 実験値 67.35 6.76 7.21 8.46 質量分析値(m/z,FAB):369(M+1) 実施例6 3−キヌクリジニル 1−(2−フリル)−1,2,3,4−
テトラヒドロ−2−イソキノリンカルボキシレート 原料化合物:エチル 1−(2−フリル)−1,2,3,4−
テトラヒドロ−2−イソキノリンカルボキシレート 性状:淡黄色油状物 元素分析値(C2124・0.5HOとして) C(%) H(%) N(%) 理論値 69.79 6.97 7.75 実験億 70.03 7.05 7.44 質量分析値(m/z,FAB):353(M+1)
【0044】実施例7 (1R)−1−フェニル−1,2,3,4−テトラヒドロイ
ソキノリン2.09gのピリジン溶液30mlに室温下3−キヌク
リジニル クロロホルメート・塩酸塩2.26gを加え80℃
にて4時間攪拌し、3−キヌクリジニルクロロホルメート
・塩酸塩を0.12g加え80℃で4時間攪拌した。更に3−キ
ヌクリジニルクロロホルメート塩酸塩1.01gを加え80℃
で25時間攪拌した。溶液を減圧下漫縮し、残渣に水を加
え、酢酸エチルで2回洗浄し、得られた水層を飽和炭酸
水素ナトリウム水溶液でpH9とした後、酢酸エチルで抽
出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を
減圧下留去し(1R,3′RS)−3′ −キヌクリジニル
1−フェニル−1,2,3,4−テトラヒドロ−2−イソキノ
リンカルボキシレート3.02gを黄色油状物として得た。 質量分析値(m/z,FAB):363(M+1) 核凝気共鳴スペクトル(DMSO−d,TMS内部標
準) δ:1.20−2.00(5H,m),2.40−2.95(6H,m),
3.00−3.60(3H,m),3.80−3.95(1H,m),4.5
5−4.70(1H,m) 6.25(1H,brs),7.05−7.35
(10H,m),
【0045】実施例8 (1R)−エチル 1−フェニル−1,2,3,4−テトラヒ
ドロ−2−イソキノリンカルボキシレート12.Og、(3R)
−3−キヌクリジノール16.27gのトルエン懸濁液120mlに
水素化ナトリウム(60%)1.69gを室温にて加え、生じ
るエタノールをトルエンと共に留去しながら3時間加熱
した。反応液を室温まで冷却し、飽和食塩水50mlを加え
た後酢酸エチルで抽出した。有機層を水で洗浄した後20
%塩酸で抽出した。得られた水層に1規定水酸化ナトリ
ウム水溶液を加えpH9〜10にした後、酢酸エチルで抽出
した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウ
ムで乾燥後、減圧下濃縮した。残渣をエタノール140ml
に溶解し、4規定塩化水素−酢酸エチル溶液10mlを加
え、減圧下溶媒を留去した。残渣にアセトニトリル、エ
ーテルを加えることにより粗結晶を得、これをアセトニ
トリル−エーテルより再結晶を行うことにより(1R,
3′R)−3′−キヌクリジニル 1−フェニル−1,2,
3,4−テトラヒドロ−2−イソキノリンカルボキシレー
ト・塩酸塩10.1gを無色結晶として得た。 融点 212−214℃(CHCN−EtO) 元素分析値(C2327Clとして) C(%) H(%) N(%) Cl(%) 理論値 69.25 6.82 7.02 8.89 実験値 69.24 6.89 7.03 8.97 比旋光度〔α〕 25=98.1(c=1.00・EtOH)
【0046】実施例8と同様にして以下の実施例9乃至
16の化合物を得た。 実施例9 (1S,3′S)−3′−キヌクリジニル 1−フェニル−
1,2,3,4−テトラヒドロ−2−イソキノリンカルボキ
シレート・塩酸塩 原料化合物:(1S)−エチル 1−フェニル−1,2,3,
4−テトラヒドロ−2−イソキノリンカルボキシレート,
(3S)−3−キヌクリジノール 融点 211−212℃(EtOH−EtO) 元素分析値(C2327Cl・0.25HOとして) C(%) H(%) N(%) Cl(%) 理論値 68.48 6.87 6.94 8.79 実験値 68.32 6.75 6.94 8.94 比旋光度〔α〕 25=−97.4(c=0.50,EtOH) 実施例10 (1S,3′R)−3′−キヌクリジニル 1−フェニル−
1,2,3,4−テトラヒドロ−2−イソキノリンカルボキ
シレート・塩酸塩 原料化合物:(1S)−エチル 1−フェニル−1,2,3,
4−テトラヒドロ−2−イソキノリンカルボキシレート,
(3R)−3−キヌクリジノール 融点195−196℃(EtOH−EtO) 元素分析値(C2327Cl・0.25HOとして) C(%) H(%) N(%) Cl(%) 理論値 68.48 6.87 6.94 8.79 実験値 68.73 6.88 6.95 8.70 比旋光度〔α〕 25=−151.2(c=0.50,EtOH)
【0047】実施例11 (1R,3′S)−3′−キヌクリジニル 1−フェニル−
1,2,3,4−テトラヒドロ−2−イソキノリンカルボキ
シレート・塩酸塩 原料化合物:(1R)−エチル 1−フェニル−1,2,3,
4−テトラヒドロ−2−イソキノリンカルボキシレート,
(3S)−3−キヌクリジノール 融点194−195℃(EtCN−EtO) 比旋光度〔α〕 25=163.2(c=0.50,EtOH) 実施例12 3−キヌクリジニル 1−(4−クロロフェニル)−1,
2,3,4−テトラヒドロ−2−イソキノリンカルボキシレ
ート・フマル酸塩 原料化合物:エチル 1−(4−クロロフェニル)−1,
2,3,4−テトラヒドロ−2−イソキノリンカルボキシレ
ート 融点164−166℃(EtOH−EtO) 元素分析値(C2729Cl・0.5HOとして) C(%) H(%) N(%) Cl(%) 理論値 62.13 5.79 5.37 6.79 実験値 62.19 5.68 5.23 6.49
【0048】実施例13 (1RS,3′R)−3′−キヌクリジニル 1−(4−フルオ
ロフェニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−2−イソキ
ノリンカルボキシレート 原料化合物:エチル 1−(4−フルオロフェニル)−
1,2,3,4−テトラヒドロ−2−イソキノリンカルボキ
シレート,(3R)−3−キヌクリジノール 性状 無色油状物 元素分析値(C2325F・0.1HOとして) C(%) H(%) N(%) F(%) 理論値 72.27 6.64 7.33 4.97 実験値 72.05 6.63 7.15 4.99 質量分析値(m/z,FAB):381(M+1) 実施例14 3−キヌクリジニル 1,2,3,4−テトラヒドロ−1−
(4−トリル)−2−イソキノリンカルボキシレート 原料化合物:エチル 1,2,3,4−テトラヒドロ−1−
(4−トリル)−2−イソキノリンカルボキシレート 性状 無色油状物 元素分析値(C2428・0.8HOとして) C(%) H(%) N(%) 理論値 73.74 7.63 7.17 実験億 73.96 7.50 6.95 質量分析値(m/z,FAB):377(M+1)
【0049】実施例15 3−キヌクリジニル 1−ペンジル−1,2,3,4−テトラ
ヒドロ−2−イソキノリンカルボキシレート 原料化合物:エチル 1−ペンジル−1,2,3,4−テト
ラヒドロ−2−イソキノリンカルボキシレート 性状 淡黄色油状物 元素分析値(C2428・0.5HOとして) C(%) H(%) N(%) 理論億 74.78 7.58 7.26 実験値 74.95 7.83 7.18 質量分析値(m/z,FAB):377(M+1) 実施例16 3−キヌクリジニル 1−シクロヘキシル−1,2,3,4−
テトラヒドロ−2−イソキノリンカルボキシレート 原料化合物:エチル 1−シクロヘキシル−1,2,3,4
−テトラヒドロ−2−イソキノリンカルボキシレート 性状 淡黄色アモルファス 元素分析値(C2332・0.3HOとして) C(%) H(%) N(%) 理論値 73.88 8.79 7.49 実験値 73.76 8.75 7.37 質量分析値(m/z,FAB):369(M+1)
【0050】実施例17 (1R,3′R)−3′−キヌクリジニル 1−フェニル−
1,2,3,4−テトラヒドロ−2−イソキノリンカルボキ
シレート1.20gをジクロロメタン12mlに溶解し、水冷
下、炭酸水素ナトリウム0.33g、m−クロロ過安息香酸
(80%)0.79gを加え、室温で1時間攪拌した。反応液に
水を加え、ジクロロメタンで抽出し、有機層をチオ硫酸
ナトリウム水溶液で洗浄した後、無水硫酸マグネシウム
で乾燥した。溶媒を減圧下留去した後、残渣をシリカゲ
ルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノー
ル=20/1)で精製することにより、(1′R,3R)−3−
〔〔(1′−フェニル−1′,2′,3′,4′−テトラヒ
ドロ−2′−イソキノリル)カルボニル〕オキシ〕キヌ
クリジン 1−オキシド 0.43gを得た。 性状 白色アモルファス 質量分析値(m/z,FAB):379(M+1) 核磁気共鳴スペクトル(CDCl,TMS内部標準) δ:1.85−2.15(3H,m),2.15−2.35(2H.m),
2.75−2.90(1H,m),2.90−2.95(1H,m),3.2
0−3.50(6H,m),3.70−3.80(1H,m),3.85−
4.10(1H,m),5.14(1H,brs),6.14,6.43(1
H,brs×2),7.05−7.40(9H,m)
【0051】実施例18 (1R,3′R)−3′−キヌクリジニル 1−フェニル−
1,2,3,4−テトラヒドロ−2−イソキノリンカルボキ
シレート1.04gの2−ブタノン8ml溶液に、ヨウ化メチル
0・18mlを加え55℃にて40分攪拌した。空冷後、析出し
た結晶を濾取し2−ブタノンついでジエチルエーテルで
洗浄することにより(1′R,3R)−1−メチル−3−
〔〔(1′−フェニル−1′,2′,3′,4′−テトラヒ
ドロ−2′−イソキノリル)カルボニル〕オキシ〕キヌ
クリジニウム ヨージド 0.93gを無色結晶として得
た。 融点 202−203℃(2−ブタノン) 実施例8と同様にして以下の実施例19の化合物を得
た。 実施例19 (1RS,3′R)−3′−キヌクリジニル 1−(3−フリ
ル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−2−イソキノリンカ
ルボキシレート 原料化合物:エチル 1−(3−フリル)−1,2,3,4−
テトラヒドロ−2−イソキノリンカルボキシレート 油状:黄色油状物 元素分析値(C2124・0.3HOとして) C(%) H(%) N(%) 理論値 70.49 6.93 7.83 実験値 70.35 6.83 7.63 質量分析値(m/z,EI):352(M) 以下表3乃至5に実施例1乃至19で得た化合物の化学
構造式を示す。
【0052】
【表3】
【0053】
【表4】
【0054】
【表5】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 13/00 A61P 13/00 43/00 111 43/00 111 (72)発明者 岡本 芳典 茨城県つくば市二の宮二丁目5番9−207 (72)発明者 米徳 康博 茨城県つくば市二の宮二丁目5番9−423 (72)発明者 池田 賢 千葉県我孫子市つくし野1丁目2番25− 106 (72)発明者 磯村 八州男 茨城県北相馬群守谷町薬師台3丁目4番8 号

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記一般式(I)で示されるキヌクリジン
    誘導体、その塩又はその四級アンモニウム塩を含有する
    医薬。 (式中の記号は以下の意味を有する。 A環:アリール基;シクロアルキル基;シクロアルケニ
    ル基;酸素原子、窒素原子若しくは硫黄原子からなるヘ
    テロ原子を1乃至4個含有するヘテロアリール基;又は
    5〜7員飽和ヘテロ環基;であり、これらの環は任意の
    置換基で置換されていてもよい X:単結合又はメチレン基 R:ハロゲン原子;水酸基;低級アルコキシ基;カルボ
    キシル基;低級アルコキシカルボニル基;低級アシル
    基;メルカプト基;低級アルキルチオ基;スルホニル
    基;低級アルキルスルホニル基;スルフィニル基;低級
    アルキルスルフィニル基;スルホンアミド基;低級アル
    カンスルホンアミド基;カルバモイル基;チオカルバモ
    イル基;モノ−若しくはジ−低級アルキルカルバモイル
    基;ニトロ基;シアノ基;アミノ基;モノ−若しくはジ
    −低級アルキルアミノ基;メチレンジオキシ基;エチレ
    ンジオキシ基;又は、ハロゲン原子、水酸基、低級アル
    コキシ基、アミノ基、若しくはモノ−若しくはジ−低級
    アルキルアミノ基で置換されていてもよい低級アルキル
    基; l:0又は1 m:0又は1乃至3の整数。 n:1又は2)
  2. 【請求項2】3−キヌクリジニル 1−フェニル−1,2,
    3,4−テトラヒドロ−2−イソキノリンカルボキシレー
    ト、3−キヌクリジニル 1,2,3,4−テトラヒドロ−1
    −(3−チエニル)−2−イソキノリンカルボキシレー
    ト、3−キヌクリジニル 1−(4−クロロフェニル)−
    1,2,3,4−テトラヒドロ−2−イソキノリンカルボキ
    シレート、及び、3−キヌクリジニル 1−(4−フルオ
    ロフェニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−2−イソキ
    ノリンカルボキシレートからなる群から選択される請求
    項1記載のキヌクリジン誘導体、その塩又はその四級ア
    ンモニウム塩を含有する医薬。
  3. 【請求項3】ムスカリンM受容体拮抗剤である請求項
    1又は2記載の医薬。
  4. 【請求項4】ムスカリンM受容体拮抗剤が神経性額
    尿、神経因性膀胱、夜尿症、不安定膀胱、膀胱痙縮及び
    慢性膀胱炎における尿失禁及び頻尿の予防・治療剤であ
    る請求項3記載の医薬。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006090759A1 (ja) * 2005-02-25 2006-08-31 Astellas Pharma Inc. ソリフェナシン含有医薬
JP2020524687A (ja) * 2017-06-22 2020-08-20 ファイザー・インク ジヒドロ−ピロロ−ピリジン誘導体

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