JPH1076661A - インクジェットプリント方法および装置 - Google Patents
インクジェットプリント方法および装置Info
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- JPH1076661A JPH1076661A JP9183712A JP18371297A JPH1076661A JP H1076661 A JPH1076661 A JP H1076661A JP 9183712 A JP9183712 A JP 9183712A JP 18371297 A JP18371297 A JP 18371297A JP H1076661 A JPH1076661 A JP H1076661A
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- ink
- flow path
- liquid flow
- liquid
- jet printing
- Prior art date
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- Pending
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-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B41—PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
- B41J—TYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
- B41J2/00—Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed
- B41J2/005—Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by bringing liquid or particles selectively into contact with a printing material
- B41J2/01—Ink jet
- B41J2/135—Nozzles
- B41J2/14—Structure thereof only for on-demand ink jet heads
- B41J2/14016—Structure of bubble jet print heads
- B41J2/14032—Structure of the pressure chamber
- B41J2/14048—Movable member in the chamber
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B41—PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
- B41J—TYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
- B41J3/00—Typewriters or selective printing or marking mechanisms characterised by the purpose for which they are constructed
- B41J3/407—Typewriters or selective printing or marking mechanisms characterised by the purpose for which they are constructed for marking on special material
- B41J3/4078—Printing on textile
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B41—PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
- B41J—TYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
- B41J2202/00—Embodiments of or processes related to ink-jet or thermal heads
- B41J2202/01—Embodiments of or processes related to ink-jet heads
- B41J2202/21—Line printing
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- Engineering & Computer Science (AREA)
- Textile Engineering (AREA)
- Ink Jet (AREA)
- Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)
- Coloring (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 2種類以上の繊維を混紡してなる布帛に対し
てインクジェット捺染を行う場合、インクジェットヘッ
ドの数が多くなり、しかも安定した吐出やプリントを行
うことが困難である。 【解決手段】 吐出口18に連通する第1の液流路14
と、気泡発生領域11を有する第2の液流路16と、気
泡発生領域11内での気泡の発生による圧力に基づいて
吐出口18側の自由端32を第1の液流路14側に変位
させて圧力を第1の液流路14の吐出口18側に導く可
動部材31とを具えた液体吐出ヘッドを用い、プリント
媒体に画像形成するインクジェットプリント方法であっ
て、第1の液流路14に第1のインクを供給するステッ
プと、第2の液流路16に第2のインクを供給するステ
ップと、第2の液流路16に供給された第2のインクを
加熱発泡させ、第1の液流路14に供給された第1のイ
ンクと共に吐出口18から吐出させるステップとを具え
る。
てインクジェット捺染を行う場合、インクジェットヘッ
ドの数が多くなり、しかも安定した吐出やプリントを行
うことが困難である。 【解決手段】 吐出口18に連通する第1の液流路14
と、気泡発生領域11を有する第2の液流路16と、気
泡発生領域11内での気泡の発生による圧力に基づいて
吐出口18側の自由端32を第1の液流路14側に変位
させて圧力を第1の液流路14の吐出口18側に導く可
動部材31とを具えた液体吐出ヘッドを用い、プリント
媒体に画像形成するインクジェットプリント方法であっ
て、第1の液流路14に第1のインクを供給するステッ
プと、第2の液流路16に第2のインクを供給するステ
ップと、第2の液流路16に供給された第2のインクを
加熱発泡させ、第1の液流路14に供給された第1のイ
ンクと共に吐出口18から吐出させるステップとを具え
る。
Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プリント媒体にイ
ンクを吐出して画像形成するためのインクジェットプリ
ント方法および装置に関する。特に、少なくとも2種類
の繊維を混紡してなる布帛に対して好適なものである。
ンクを吐出して画像形成するためのインクジェットプリ
ント方法および装置に関する。特に、少なくとも2種類
の繊維を混紡してなる布帛に対して好適なものである。
【0002】
【従来の技術】従来の捺染装置の代表的なものとして、
ローラ捺染法や、スクリーン捺染法を用いたものが知ら
れている。ローラ捺染法は、ローラに模様を刻み込んで
布地に押し当て、連続した柄を形成するものである。ま
た、スクリーン捺染法は、スクリーン型に版を作り、重
ね合せたい色や、模様に対応した数のスクリーン版を用
いて布帛等に直接印刷するものである。
ローラ捺染法や、スクリーン捺染法を用いたものが知ら
れている。ローラ捺染法は、ローラに模様を刻み込んで
布地に押し当て、連続した柄を形成するものである。ま
た、スクリーン捺染法は、スクリーン型に版を作り、重
ね合せたい色や、模様に対応した数のスクリーン版を用
いて布帛等に直接印刷するものである。
【0003】このようなローラ捺染法や、スクリーン捺
染法を用いた捺染装置は、ローラやスクリーン版を作成
するために多くの工程や日数を要する。また、印刷に要
する各色のインクの調合や、ローラやスクリーン版の位
置合わせ等の作業が必要である。さらに、装置規模も大
きく、使用する色の数に比例してさらに大型化するた
め、比較的大きな設置スペ−スを必要とする。しかも、
ローラまたはスクリーン版の保存スペ−スが必要であ
る。
染法を用いた捺染装置は、ローラやスクリーン版を作成
するために多くの工程や日数を要する。また、印刷に要
する各色のインクの調合や、ローラやスクリーン版の位
置合わせ等の作業が必要である。さらに、装置規模も大
きく、使用する色の数に比例してさらに大型化するた
め、比較的大きな設置スペ−スを必要とする。しかも、
ローラまたはスクリーン版の保存スペ−スが必要であ
る。
【0004】一方、プリンタ、複写機、ファクシミリ等
で用いられるプリント装置、あるいはコンピュータやワ
ードプロセッサ等を含む複合型電子機器やワークステー
ションの出力機器として用いられるプリンタとして、イ
ンクジェット方式のプリント装置が実用化されている。
このようなインクジェット方式のプリント装置を捺染に
利用し、直接布帛上にインクを吐出してプリントを行う
ことが、例えば特公昭62−57750号公報や、特公
昭63−31594号公報において提案されている。
で用いられるプリント装置、あるいはコンピュータやワ
ードプロセッサ等を含む複合型電子機器やワークステー
ションの出力機器として用いられるプリンタとして、イ
ンクジェット方式のプリント装置が実用化されている。
このようなインクジェット方式のプリント装置を捺染に
利用し、直接布帛上にインクを吐出してプリントを行う
ことが、例えば特公昭62−57750号公報や、特公
昭63−31594号公報において提案されている。
【0005】従来、2種類以上の繊維を混紡してなる布
帛に対してインクジェット捺染する方法としては、例え
ば特開平7−117223号公報において提案されたも
のが知られている。この方法では、各繊維に対応した捺
染インクが供給されるインクジェットヘッドをそれぞれ
用意して染色している。例えば、綿・ポリエステルの混
紡布地に対してインクジェット捺染する場合には、綿に
対して染色性を有する直接染料や酸性染料などの水溶性
染料を含む捺染インクが供給されるインクジェットヘッ
ドと、ポリエステルに対して染色性を有する分散染料な
どを含む捺染インクが供給されるインクジェットヘッド
とを用いている。
帛に対してインクジェット捺染する方法としては、例え
ば特開平7−117223号公報において提案されたも
のが知られている。この方法では、各繊維に対応した捺
染インクが供給されるインクジェットヘッドをそれぞれ
用意して染色している。例えば、綿・ポリエステルの混
紡布地に対してインクジェット捺染する場合には、綿に
対して染色性を有する直接染料や酸性染料などの水溶性
染料を含む捺染インクが供給されるインクジェットヘッ
ドと、ポリエステルに対して染色性を有する分散染料な
どを含む捺染インクが供給されるインクジェットヘッド
とを用いている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】混紡布帛に対してイン
クジェット捺染を行う場合、一般のカラープリントに用
いる3原色、すなわちイエロー, マゼンタ, シアンの捺
染インクを用いても3種類のインクジェットヘッドが必
要である。このため、2種類の繊維を混紡した布帛で
は、6種類のインクジェットヘッドが必要になる。さら
に、黒やグリーンあるいはオレンジなどの特色インクを
使用した場合には、イエロー, マゼンタ, シアン, 黒,
グリーン, オレンジの捺染インクに対応した6種類のイ
ンクジェットヘッドの2倍、つまり12種類ものインク
ジェットヘッドが必要となる。しかも、シリアル記録方
式で1往復プリントのインクの重ね順による色ずれを防
止するためには、さらにこの2倍の24種類のインクジ
ェットヘッドが必要となる。
クジェット捺染を行う場合、一般のカラープリントに用
いる3原色、すなわちイエロー, マゼンタ, シアンの捺
染インクを用いても3種類のインクジェットヘッドが必
要である。このため、2種類の繊維を混紡した布帛で
は、6種類のインクジェットヘッドが必要になる。さら
に、黒やグリーンあるいはオレンジなどの特色インクを
使用した場合には、イエロー, マゼンタ, シアン, 黒,
グリーン, オレンジの捺染インクに対応した6種類のイ
ンクジェットヘッドの2倍、つまり12種類ものインク
ジェットヘッドが必要となる。しかも、シリアル記録方
式で1往復プリントのインクの重ね順による色ずれを防
止するためには、さらにこの2倍の24種類のインクジ
ェットヘッドが必要となる。
【0007】2種類以上の繊維を混紡してなる布帛に対
する従来のインクジェット捺染方法では、繊維の種類に
応じて物理的性質の異なる捺染インクを使用する必要が
ある。このため、インクジェットヘッドの種類が非常に
多くなり、インクジェットヘッドの回復系を含む場合に
は、非常に複雑なシステムとなってしまう。
する従来のインクジェット捺染方法では、繊維の種類に
応じて物理的性質の異なる捺染インクを使用する必要が
ある。このため、インクジェットヘッドの種類が非常に
多くなり、インクジェットヘッドの回復系を含む場合に
は、非常に複雑なシステムとなってしまう。
【0008】また、分散染料を含む捺染インクのよう
に、熱に対して不安定な捺染インクを使用した場合、液
流路に臨む発熱体に通電してこれを加熱し、捺染インク
を発泡させることによってインクを吐出する、いわゆる
バブルジェット方式のインクジェットヘッドでは、安定
した吐出やプリントができなかった。なぜならば、発熱
体の表面に異物が堆積したり、発熱体から吐出口に至る
液流路中にインクの熱変成物が滞留したり、あるいは捺
染インクの粘度が増加するからである。
に、熱に対して不安定な捺染インクを使用した場合、液
流路に臨む発熱体に通電してこれを加熱し、捺染インク
を発泡させることによってインクを吐出する、いわゆる
バブルジェット方式のインクジェットヘッドでは、安定
した吐出やプリントができなかった。なぜならば、発熱
体の表面に異物が堆積したり、発熱体から吐出口に至る
液流路中にインクの熱変成物が滞留したり、あるいは捺
染インクの粘度が増加するからである。
【0009】
【発明の目的】本発明の目的は、2種類以上の繊維を混
紡してなる布帛に対してインクジェット捺染を行う場
合、インクジェットヘッドの数を従来のものよりも少な
くすることが可能なインクジェットプリント方法および
装置を提供することにある。
紡してなる布帛に対してインクジェット捺染を行う場
合、インクジェットヘッドの数を従来のものよりも少な
くすることが可能なインクジェットプリント方法および
装置を提供することにある。
【0010】本発明の他の目的は、安定した吐出やプリ
ントを行うことが可能なインクジェットプリント方法お
よび装置を提供することにある。
ントを行うことが可能なインクジェットプリント方法お
よび装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明による第1の形態
は、吐出口に連通した第1の液流路と、液体に熱を加え
ることでこの液体に気泡を発生させる気泡発生領域を有
する第2の液流路と、前記第1の液流路と前記気泡発生
領域との間に配され、前記吐出口側に自由端を有し、前
記気泡発生領域内での気泡の発生による圧力に基づいて
前記自由端を前記第1の液流路側に変位させて前記圧力
を前記第1の液流路の吐出口側に導く可動部材とを具え
た液体吐出ヘッドを用い、インクを吐出して布帛に画像
形成を行うインクジェットプリント方法であって、前記
第1の液流路に第1のインクを供給するステップと、前
記第2の液流路に、第2のインクを供給するステップ
と、第2の液流路に供給された第2のインクを加熱発泡
させ、第1の液流路に供給された第1のインクと共に前
記吐出口から吐出させるステップとを具えたことを特徴
とするインクジェットプリント方法にある。
は、吐出口に連通した第1の液流路と、液体に熱を加え
ることでこの液体に気泡を発生させる気泡発生領域を有
する第2の液流路と、前記第1の液流路と前記気泡発生
領域との間に配され、前記吐出口側に自由端を有し、前
記気泡発生領域内での気泡の発生による圧力に基づいて
前記自由端を前記第1の液流路側に変位させて前記圧力
を前記第1の液流路の吐出口側に導く可動部材とを具え
た液体吐出ヘッドを用い、インクを吐出して布帛に画像
形成を行うインクジェットプリント方法であって、前記
第1の液流路に第1のインクを供給するステップと、前
記第2の液流路に、第2のインクを供給するステップ
と、第2の液流路に供給された第2のインクを加熱発泡
させ、第1の液流路に供給された第1のインクと共に前
記吐出口から吐出させるステップとを具えたことを特徴
とするインクジェットプリント方法にある。
【0012】本発明による第2の形態は、インクを吐出
してプリント媒体に画像を形成するインクジェットプリ
ント装置であって、インクを吐出する吐出口に対応する
第1の液流路と第2の液流路とを有し、前記第1の液流
路に供給される第1のインクと、前記第2の液流路に供
給される第2のインクとを共通の吐出口から吐出可能に
構成される液体吐出ヘッドの取り付け部と、前記液体吐
出ヘッドの吐出口から吐出される前記第1のインクと前
記第2のインクの混合比率を制御する混合比率制御手段
とを具えたことを特徴とするインクジェットプリント装
置にある。
してプリント媒体に画像を形成するインクジェットプリ
ント装置であって、インクを吐出する吐出口に対応する
第1の液流路と第2の液流路とを有し、前記第1の液流
路に供給される第1のインクと、前記第2の液流路に供
給される第2のインクとを共通の吐出口から吐出可能に
構成される液体吐出ヘッドの取り付け部と、前記液体吐
出ヘッドの吐出口から吐出される前記第1のインクと前
記第2のインクの混合比率を制御する混合比率制御手段
とを具えたことを特徴とするインクジェットプリント装
置にある。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の第1の形態によるインク
ジェットプリント方法において、第2のインクは、第1
のインクよりも熱的に安定なものであることが望まし
い。
ジェットプリント方法において、第2のインクは、第1
のインクよりも熱的に安定なものであることが望まし
い。
【0014】プリント媒体は、2種類の材質から構成さ
れ、第1のインクはプリント媒体を構成する材質のう
ち、構成比率の多いほうの材質に対応したインクである
ことが有効である。この場合、2種類の材質の構成比率
を設定するステップと、設定された構成比率に基づいて
吐出口から吐出される第1のインクおよび第2のインク
の割合を制御するステップとをさらに具えるようにして
もよい。
れ、第1のインクはプリント媒体を構成する材質のう
ち、構成比率の多いほうの材質に対応したインクである
ことが有効である。この場合、2種類の材質の構成比率
を設定するステップと、設定された構成比率に基づいて
吐出口から吐出される第1のインクおよび第2のインク
の割合を制御するステップとをさらに具えるようにして
もよい。
【0015】吐出口から吐出される第1のインクおよび
第2のインクの割合を制御するステップをさらに具える
ようにしてもよい。
第2のインクの割合を制御するステップをさらに具える
ようにしてもよい。
【0016】プリント媒体が布帛であり、第1のインク
および第2のインクは、捺染に適合したインクであって
もよい。この場合、布帛は、少なくとも2種類の繊維を
混紡したものであることが有効であり、布帛を構成する
繊維の混紡率を設定するステップと、設定された混紡率
に基づいて吐出口から吐出される第1のインクおよび第
2のインクの割合を制御するステップをさらに具えるよ
うにしてもよい。
および第2のインクは、捺染に適合したインクであって
もよい。この場合、布帛は、少なくとも2種類の繊維を
混紡したものであることが有効であり、布帛を構成する
繊維の混紡率を設定するステップと、設定された混紡率
に基づいて吐出口から吐出される第1のインクおよび第
2のインクの割合を制御するステップをさらに具えるよ
うにしてもよい。
【0017】布帛が少なくとも2種類の繊維を混紡した
ものの場合、第1のインクは、布帛を構成する繊維のう
ちの混紡率の多い方の繊維に対応したものであることが
好ましい。この布帛は、例えば、綿とポリエステルとを
混紡したものであってもよい。この場合、第1のインク
は、分散染料を含み、第2のインクは、水溶性染料を含
むものであることが有効である。
ものの場合、第1のインクは、布帛を構成する繊維のう
ちの混紡率の多い方の繊維に対応したものであることが
好ましい。この布帛は、例えば、綿とポリエステルとを
混紡したものであってもよい。この場合、第1のインク
は、分散染料を含み、第2のインクは、水溶性染料を含
むものであることが有効である。
【0018】さらに、可動部材の変位に伴って、発生し
た気泡の一部が第1の液流路に延在するようにしてもよ
い。また、気泡は、可動部材の変位中にこの可動部材に
接触した状態があるものであってもよい。
た気泡の一部が第1の液流路に延在するようにしてもよ
い。また、気泡は、可動部材の変位中にこの可動部材に
接触した状態があるものであってもよい。
【0019】第2のインクを加熱して気泡を発生させる
ための発熱体が可動部材に面して設けられ、気泡発生領
域は、この発熱体と可動部材との間にあってもよい。こ
の場合、発熱体の面積中心より、第1のインクの流れの
下流側に自由端が位置するものであってもよい。気泡
は、発熱体が発生した熱が第2のインクに伝えること
で、この第2のインクに膜沸騰現象を生じさせ、この膜
沸騰現象によって発生した気泡であってもよい。発熱体
上には、発熱体より上流側の実質的に平坦、あるいはな
だらかな内壁に沿って第2のインクが供給されることが
望ましい。発熱体の有効発泡領域の総てが可動部材に面
しているものであってもよい。発熱体の全面が可動部材
に面しているものであってもよい。さらに、可動部材の
支点は、発熱体の直上に位置していないことが望まし
い。可動部材の自由端は、発熱体よりも吐出口側に配さ
れていることが有効である。
ための発熱体が可動部材に面して設けられ、気泡発生領
域は、この発熱体と可動部材との間にあってもよい。こ
の場合、発熱体の面積中心より、第1のインクの流れの
下流側に自由端が位置するものであってもよい。気泡
は、発熱体が発生した熱が第2のインクに伝えること
で、この第2のインクに膜沸騰現象を生じさせ、この膜
沸騰現象によって発生した気泡であってもよい。発熱体
上には、発熱体より上流側の実質的に平坦、あるいはな
だらかな内壁に沿って第2のインクが供給されることが
望ましい。発熱体の有効発泡領域の総てが可動部材に面
しているものであってもよい。発熱体の全面が可動部材
に面しているものであってもよい。さらに、可動部材の
支点は、発熱体の直上に位置していないことが望まし
い。可動部材の自由端は、発熱体よりも吐出口側に配さ
れていることが有効である。
【0020】本発明の第2の形態によるインクジェット
プリント装置において、プリント媒体は、2種類の材質
から構成されるものであってもよい。この場合、2種類
の材質の構成比率を設定する設定手段をさらに具え、混
合比率制御手段は、設定手段により設定された構成比率
に基づいて吐出口から吐出される第1のインクおよび第
2のインクと比率を制御するものであることが有効であ
る。
プリント装置において、プリント媒体は、2種類の材質
から構成されるものであってもよい。この場合、2種類
の材質の構成比率を設定する設定手段をさらに具え、混
合比率制御手段は、設定手段により設定された構成比率
に基づいて吐出口から吐出される第1のインクおよび第
2のインクと比率を制御するものであることが有効であ
る。
【0021】プリント媒体が布帛であり、第1のインク
および第2のインクは捺染に適合したインクであっても
よい。この場合、布帛は、少なくとも2種類の繊維を混
紡したものであってもよく、布帛を構成する繊維の混紡
率を設定する設定手段をさらに具え、混合比率制御手段
は、設定手段により設定された混紡比率に基づいて吐出
口から吐出される第1のインクおよび第2のインクの比
率を制御するものであることが望ましい。この場合、設
定手段は、布帛を構成する繊維の材質も設定可能である
ことが望ましい。
および第2のインクは捺染に適合したインクであっても
よい。この場合、布帛は、少なくとも2種類の繊維を混
紡したものであってもよく、布帛を構成する繊維の混紡
率を設定する設定手段をさらに具え、混合比率制御手段
は、設定手段により設定された混紡比率に基づいて吐出
口から吐出される第1のインクおよび第2のインクの比
率を制御するものであることが望ましい。この場合、設
定手段は、布帛を構成する繊維の材質も設定可能である
ことが望ましい。
【0022】混合比率制御手段は、液体吐出ヘッドの駆
動条件を変更して吐出されるインクの混合比率を制御す
るものであってもよい。
動条件を変更して吐出されるインクの混合比率を制御す
るものであってもよい。
【0023】液体吐出ヘッドは、吐出口に連通した第1
の液流路と、液体に熱を加えることでこの液体に気泡を
発生させる気泡発生領域を有する第2の液流路と、第1
の液流路と気泡発生領域との間に配され、吐出口側に自
由端を有し、気泡発生領域内での気泡の発生による圧力
に基づいて自由端を第1の液流路側に変位させて圧力を
第1の液流路の吐出口側に導く可動部材とを有するもの
であってもよい。
の液流路と、液体に熱を加えることでこの液体に気泡を
発生させる気泡発生領域を有する第2の液流路と、第1
の液流路と気泡発生領域との間に配され、吐出口側に自
由端を有し、気泡発生領域内での気泡の発生による圧力
に基づいて自由端を第1の液流路側に変位させて圧力を
第1の液流路の吐出口側に導く可動部材とを有するもの
であってもよい。
【0024】
【実施例】図1は、本発明を実施するに際して使用され
る液体吐出ヘッドの一例の流路方向の断面模式図を示し
ている。図2はこの液体吐出ヘッドの部分破断斜視図を
示している。
る液体吐出ヘッドの一例の流路方向の断面模式図を示し
ている。図2はこの液体吐出ヘッドの部分破断斜視図を
示している。
【0025】本実施例の液体吐出ヘッドは、第2捺染イ
ンクに気泡を発生させるための熱エネルギーを与える発
熱体2が設けられた素子基板1上に、第2捺染インク用
の第2液流路16がある。この第2液流路16の上に、
吐出口18に直接連通する第1捺染インク用の第1液流
路14が配されている。
ンクに気泡を発生させるための熱エネルギーを与える発
熱体2が設けられた素子基板1上に、第2捺染インク用
の第2液流路16がある。この第2液流路16の上に、
吐出口18に直接連通する第1捺染インク用の第1液流
路14が配されている。
【0026】第1液流路14の上流側は、複数の第1液
流路14に第1捺染インクを供給するための第1共通液
室15に連通している。第2液流路16の上流側は、複
数の第2液流路16に第2捺染インクを供給するための
第2共通液室17に連通している。
流路14に第1捺染インクを供給するための第1共通液
室15に連通している。第2液流路16の上流側は、複
数の第2液流路16に第2捺染インクを供給するための
第2共通液室17に連通している。
【0027】第1, 第2の液流路14, 16の間には、
金属などの弾性を有する材料で構成された分離壁30が
配されている。分離壁30は、第1液流路14と第2液
流路16とを仕切っている。
金属などの弾性を有する材料で構成された分離壁30が
配されている。分離壁30は、第1液流路14と第2液
流路16とを仕切っている。
【0028】発熱体2の面方向上方への投影空間(図1
中のAの領域とBの気泡発生領域11とに対応し、以
下、吐出圧発生領域と呼称する)に位置する部分の分離
壁30は、片持ち梁形状の可動部材31となっている。
この可動部材31は、スリット35によって吐出口18
側(捺染インクの流れの下流側)が自由端となってお
り、共通液室15, 17側に支点33が位置している。
可動部材31は、気泡発生領域11(B)に面して配さ
れている。このため、可動部材31は、第2捺染インク
の発泡によって第1液流路14側の吐出口18側に向け
て開口するように動作する(図中、矢印方向)。図2に
おいても、発熱体2としての発熱抵抗部(電気熱変換
体)と、この発熱抵抗部に電気信号を印加するための配
線電極5とが配された素子基板1上に、第2液流路16
を構成する空間を介して分離壁30が配置されているの
が理解されよう。
中のAの領域とBの気泡発生領域11とに対応し、以
下、吐出圧発生領域と呼称する)に位置する部分の分離
壁30は、片持ち梁形状の可動部材31となっている。
この可動部材31は、スリット35によって吐出口18
側(捺染インクの流れの下流側)が自由端となってお
り、共通液室15, 17側に支点33が位置している。
可動部材31は、気泡発生領域11(B)に面して配さ
れている。このため、可動部材31は、第2捺染インク
の発泡によって第1液流路14側の吐出口18側に向け
て開口するように動作する(図中、矢印方向)。図2に
おいても、発熱体2としての発熱抵抗部(電気熱変換
体)と、この発熱抵抗部に電気信号を印加するための配
線電極5とが配された素子基板1上に、第2液流路16
を構成する空間を介して分離壁30が配置されているの
が理解されよう。
【0029】可動部材31は、捺染インクの吐出動作に
よって共通液室15から可動部材31を経て吐出口18
側へ流れる大きな流れの上流側に支点(支点部分;固定
端)33を持つ。そして、この支点33に対して下流側
に自由端(自由端部分)32を持つように、発熱体2に
面した位置に発熱体2を覆うような状態で発熱体2から
15μm程度の距離を隔てて配されている。この発熱体
2と可動部材31との間が気泡発生領域となる。このよ
うな構成のため、前述した発泡の際に、気泡の圧力伝搬
方向や成長方向を吐出口18側に導くなどの機能や効果
を効率よく実現できる。さらに、この位置関係は吐出に
対する機能や効果のみならず、捺染インクの供給の際に
も液流路14, 16を流れるそれぞれの捺染インクに対
する流れ抵抗を小さくでき、高速にリフィルできるとい
う効果を達成している。
よって共通液室15から可動部材31を経て吐出口18
側へ流れる大きな流れの上流側に支点(支点部分;固定
端)33を持つ。そして、この支点33に対して下流側
に自由端(自由端部分)32を持つように、発熱体2に
面した位置に発熱体2を覆うような状態で発熱体2から
15μm程度の距離を隔てて配されている。この発熱体
2と可動部材31との間が気泡発生領域となる。このよ
うな構成のため、前述した発泡の際に、気泡の圧力伝搬
方向や成長方向を吐出口18側に導くなどの機能や効果
を効率よく実現できる。さらに、この位置関係は吐出に
対する機能や効果のみならず、捺染インクの供給の際に
も液流路14, 16を流れるそれぞれの捺染インクに対
する流れ抵抗を小さくでき、高速にリフィルできるとい
う効果を達成している。
【0030】補足すれば、本実施例の図1においては、
前述のように可動部材31の自由端32が、発熱体2を
上流側領域と下流側領域とに二分する面積中心3(発熱
体2の面積中心(中央)を通り、液流路の長さ方向に直
交する線)より下流側の位置に対向するように、発熱体
2に対して延在している。これによって、発熱体2の面
積中心位置3より下流側で発生する捺染インクの吐出に
大きく寄与する圧力、または気泡を可動部材31が受
け、この圧力および気泡を吐出口18側に導くことがで
き、吐出効率や吐出力を根本的に向上させることができ
る。
前述のように可動部材31の自由端32が、発熱体2を
上流側領域と下流側領域とに二分する面積中心3(発熱
体2の面積中心(中央)を通り、液流路の長さ方向に直
交する線)より下流側の位置に対向するように、発熱体
2に対して延在している。これによって、発熱体2の面
積中心位置3より下流側で発生する捺染インクの吐出に
大きく寄与する圧力、または気泡を可動部材31が受
け、この圧力および気泡を吐出口18側に導くことがで
き、吐出効率や吐出力を根本的に向上させることができ
る。
【0031】なお、発熱体2および可動部材31の種類
や形状ならびに配置は、これに限ることなく、後述する
ように気泡の成長や圧力の伝搬を制御し得る形状および
配置であればよい。
や形状ならびに配置は、これに限ることなく、後述する
ように気泡の成長や圧力の伝搬を制御し得る形状および
配置であればよい。
【0032】本実施例の第2液流路16は、発熱体2の
上流に発熱体2と実質的に平坦につながる(発熱体2表
面が大きく落ち込んでいない)内壁を持つ供給路12を
有している。このような場合、気泡発生領域11および
発熱体2の表面への第2捺染インクの供給は、可動部材
31の気泡発生領域11に近い側の面に沿って、VD2の
ように行われる。このため、発熱体2の表面上に第2捺
染インクが淀むことが抑制され、第2捺染インク中に溶
存していた気体の析出や、消泡できずに残った、いわゆ
る残留気泡が除去され易く、また、第2捺染インクへの
蓄熱が高くなりすぎることもない。従って、より安定し
た気泡の発生を高速に繰り返し行うことができる。
上流に発熱体2と実質的に平坦につながる(発熱体2表
面が大きく落ち込んでいない)内壁を持つ供給路12を
有している。このような場合、気泡発生領域11および
発熱体2の表面への第2捺染インクの供給は、可動部材
31の気泡発生領域11に近い側の面に沿って、VD2の
ように行われる。このため、発熱体2の表面上に第2捺
染インクが淀むことが抑制され、第2捺染インク中に溶
存していた気体の析出や、消泡できずに残った、いわゆ
る残留気泡が除去され易く、また、第2捺染インクへの
蓄熱が高くなりすぎることもない。従って、より安定し
た気泡の発生を高速に繰り返し行うことができる。
【0033】なお、本実施例では実質的に平坦な内壁を
持つ供給路12を持つもので説明したが、これに限ら
ず、発熱体2表面となだらかに繋がり、なだらかな内壁
を有する供給路であればよく、発熱体2上に捺染インク
の淀みや、捺染インクの供給に大きな乱流を生じない形
状であればよい。
持つ供給路12を持つもので説明したが、これに限ら
ず、発熱体2表面となだらかに繋がり、なだらかな内壁
を有する供給路であればよく、発熱体2上に捺染インク
の淀みや、捺染インクの供給に大きな乱流を生じない形
状であればよい。
【0034】次に、図3を用いて本実施例の液体吐出ヘ
ッドの動作を説明する。
ッドの動作を説明する。
【0035】ヘッドを駆動させるにあたっては、第1液
流路14に供給される第1捺染インクおよび第2の液流
路16に供給される第2捺染インクとして、異なる性質
のものを用いて動作させた。
流路14に供給される第1捺染インクおよび第2の液流
路16に供給される第2捺染インクとして、異なる性質
のものを用いて動作させた。
【0036】発熱体2が発生した熱が、第2液流路の気
泡発生領域内の第2捺染インクに作用することで、米国
特許第4, 723, 129号明細書に記載されているよ
うな膜沸騰現象に基づく気泡40を第2捺染インクに発
生させる。
泡発生領域内の第2捺染インクに作用することで、米国
特許第4, 723, 129号明細書に記載されているよ
うな膜沸騰現象に基づく気泡40を第2捺染インクに発
生させる。
【0037】本実施例においては、気泡発生領域の上流
側を除く、三方からの発泡圧の逃げがないため、この気
泡発生に伴う圧力が吐出圧発生部に配された可動部材3
1側に集中して伝搬し、気泡の成長を伴って可動部材3
1が図3(a) の状態から図3(b) のように第1液流路1
4側に変位する。この可動部材31の動作によって第1
液流路14と第2液流路16とが大きく連通し、気泡の
発生に基づく圧力が第1液流路14の吐出口18側の方
向(A方向)に主に伝わる。この圧力の伝搬と、前述の
ような可動部材31の機械的変位によって捺染インクが
吐出口18から吐出される。
側を除く、三方からの発泡圧の逃げがないため、この気
泡発生に伴う圧力が吐出圧発生部に配された可動部材3
1側に集中して伝搬し、気泡の成長を伴って可動部材3
1が図3(a) の状態から図3(b) のように第1液流路1
4側に変位する。この可動部材31の動作によって第1
液流路14と第2液流路16とが大きく連通し、気泡の
発生に基づく圧力が第1液流路14の吐出口18側の方
向(A方向)に主に伝わる。この圧力の伝搬と、前述の
ような可動部材31の機械的変位によって捺染インクが
吐出口18から吐出される。
【0038】次に、気泡が収縮するに伴って可動部材3
1が図3(a) の位置まで戻ると共に、第1液流路14で
は吐出された第1捺染インクの量に見合う量の第1捺染
インクが上流側から供給される。この第1捺染インクの
供給は、可動部材31が閉じる方向であるため、第1捺
染インクのリフィルを可動部材31で妨げることがな
い。
1が図3(a) の位置まで戻ると共に、第1液流路14で
は吐出された第1捺染インクの量に見合う量の第1捺染
インクが上流側から供給される。この第1捺染インクの
供給は、可動部材31が閉じる方向であるため、第1捺
染インクのリフィルを可動部材31で妨げることがな
い。
【0039】本実施例の構成によると、第2捺染インク
の発泡で生じた圧力によって第1捺染インクを吐出する
ことができる。このため、従来、熱を加えても発泡が十
分に行われにくく、吐出力が不十分であった高粘度の捺
染インクであっても、この捺染インクを第1の液流路に
供給し、発泡が良好に行われる捺染インクや低沸点の捺
染インクを第2の液流路に供給することで、良好に吐出
させることができる。
の発泡で生じた圧力によって第1捺染インクを吐出する
ことができる。このため、従来、熱を加えても発泡が十
分に行われにくく、吐出力が不十分であった高粘度の捺
染インクであっても、この捺染インクを第1の液流路に
供給し、発泡が良好に行われる捺染インクや低沸点の捺
染インクを第2の液流路に供給することで、良好に吐出
させることができる。
【0040】また、第2捺染インクとして、熱を受けて
も発熱体2の表面に焦げなどの堆積物を生じないものを
選択することで、発泡を安定化し、良好な吐出を行うこ
とができる。
も発熱体2の表面に焦げなどの堆積物を生じないものを
選択することで、発泡を安定化し、良好な吐出を行うこ
とができる。
【0041】さらに、加熱に弱い捺染インクの場合にお
いても、この捺染インクを第1の液流路14に第1捺染
インクとして供給し、第2の液流路16で熱的に変質し
にくく良好に発泡を生じる第2捺染インクを供給すれ
ば、加熱に弱い捺染インクに熱的な害を与えることな
く、しかも上述のように高吐出効率、高吐出力で吐出す
ることができる。
いても、この捺染インクを第1の液流路14に第1捺染
インクとして供給し、第2の液流路16で熱的に変質し
にくく良好に発泡を生じる第2捺染インクを供給すれ
ば、加熱に弱い捺染インクに熱的な害を与えることな
く、しかも上述のように高吐出効率、高吐出力で吐出す
ることができる。
【0042】<他の実施例>以上、本発明の液体吐出ヘ
ッドや捺染インク吐出方法の要部の実施例について説明
を行ったが、以下にこれらの実施例に好ましく適用でき
る実施例について図面を用いて説明する。
ッドや捺染インク吐出方法の要部の実施例について説明
を行ったが、以下にこれらの実施例に好ましく適用でき
る実施例について図面を用いて説明する。
【0043】<液流路の天井形状>図4は、本発明の液
体吐出ヘッドの流路方向断面図であるが、第1液流路1
4(若しくは図1における液流路14)を構成するため
の溝が設けられた溝付き部材50が分離壁30上に設け
られている。本実施例においては、可動部材31の自由
端位置近傍の流路天井の高さが高くなっており、可動部
材31の動作角度θをより大きく取れるようにしてい
る。この可動部材31の動作範囲は、液流路の構造、可
動部材31の耐久性や発泡力などを考慮して決定すれば
よいが、吐出口18の軸方向の角度を含む角度まで動作
することが望ましいと考えられる。
体吐出ヘッドの流路方向断面図であるが、第1液流路1
4(若しくは図1における液流路14)を構成するため
の溝が設けられた溝付き部材50が分離壁30上に設け
られている。本実施例においては、可動部材31の自由
端位置近傍の流路天井の高さが高くなっており、可動部
材31の動作角度θをより大きく取れるようにしてい
る。この可動部材31の動作範囲は、液流路の構造、可
動部材31の耐久性や発泡力などを考慮して決定すれば
よいが、吐出口18の軸方向の角度を含む角度まで動作
することが望ましいと考えられる。
【0044】また、この図で示されるように吐出口18
の直径より可動部材31の自由端の変位高さを高くする
ことで、より十分な吐出力の伝達が成される。また、こ
の図で示されるように、可動部材31の自由端32位置
の液流路天井の高さより可動部材31の支点33位置の
液流路天井の高さの方が低くなっているため、可動部材
31の変位よる上流側への圧力波の逃げがさらに有効に
防止できる。
の直径より可動部材31の自由端の変位高さを高くする
ことで、より十分な吐出力の伝達が成される。また、こ
の図で示されるように、可動部材31の自由端32位置
の液流路天井の高さより可動部材31の支点33位置の
液流路天井の高さの方が低くなっているため、可動部材
31の変位よる上流側への圧力波の逃げがさらに有効に
防止できる。
【0045】<第2液流路と可動部材との配置関係>図
5は、上述の可動部材31と第2の液流路16との配置
関係を説明するための図であり、同図(a) は分離壁30
および可動部材31近傍を上方から見た図であり、同図
(b) は、分離壁30を外した第2液流路16を上方から
見た図である。そして、同図(c) は、可動部材31と第
2液流路16との配置関係を、これらの各要素を重ねる
ことで模式的に示した図である。なお、いずれの図も図
面下方が吐出口18を配した前面側である。
5は、上述の可動部材31と第2の液流路16との配置
関係を説明するための図であり、同図(a) は分離壁30
および可動部材31近傍を上方から見た図であり、同図
(b) は、分離壁30を外した第2液流路16を上方から
見た図である。そして、同図(c) は、可動部材31と第
2液流路16との配置関係を、これらの各要素を重ねる
ことで模式的に示した図である。なお、いずれの図も図
面下方が吐出口18を配した前面側である。
【0046】本実施例の第2の液流路16は、発熱体2
の上流側(ここでの上流側とは、第2共通液室側から発
熱体2位置、可動部材31、第1流路を経て吐出口18
に向かう大きな流れの中の上流側のことである)に狭窄
部19を持っており、発泡時の圧力が第2液流路16の
上流側に容易に逃げることを抑制するような室(発泡
室)構造となっている。
の上流側(ここでの上流側とは、第2共通液室側から発
熱体2位置、可動部材31、第1流路を経て吐出口18
に向かう大きな流れの中の上流側のことである)に狭窄
部19を持っており、発泡時の圧力が第2液流路16の
上流側に容易に逃げることを抑制するような室(発泡
室)構造となっている。
【0047】従来のヘッドのように、発泡する流路と捺
染インクを吐出するための流路とが同じで、発熱体2よ
り液室側に発生した圧力が共通液室側に逃げないように
狭窄部19を設けるヘッドの場合には、捺染インクのリ
フィルを充分考慮して、狭窄部19における流路断面積
があまり小さくならない構成を採る必要があった。
染インクを吐出するための流路とが同じで、発熱体2よ
り液室側に発生した圧力が共通液室側に逃げないように
狭窄部19を設けるヘッドの場合には、捺染インクのリ
フィルを充分考慮して、狭窄部19における流路断面積
があまり小さくならない構成を採る必要があった。
【0048】しかし、本実施例の場合、吐出される捺染
インクの多くを第1液流路14内の第1捺染インクとす
ることができ、発熱体2が設けられた第2液流路16内
の第2捺染インクはあまり消費されないようにできるた
め、第2液流路16の気泡発生領域11への第2捺染イ
ンクの充填量は少なくてよい。
インクの多くを第1液流路14内の第1捺染インクとす
ることができ、発熱体2が設けられた第2液流路16内
の第2捺染インクはあまり消費されないようにできるた
め、第2液流路16の気泡発生領域11への第2捺染イ
ンクの充填量は少なくてよい。
【0049】従って、上述の狭窄部19における間隔を
数μm〜十数μmと非常に狭くできるため、第2液流路
で発生した発泡時の圧力をあまり周囲に逃がすことをさ
らに抑制でき、集中して可動部材31側に向けることが
できる。そしてこの圧力を可動部材31を介して吐出力
として利用することができるため、より高い吐出効率、
吐出力を達成することができる。ただ、第1液流路16
の形状は、上述の構造に限られるものではなく、気泡発
生に伴う圧力が効果的に可動部材31側に伝えられる形
状であれば良い。
数μm〜十数μmと非常に狭くできるため、第2液流路
で発生した発泡時の圧力をあまり周囲に逃がすことをさ
らに抑制でき、集中して可動部材31側に向けることが
できる。そしてこの圧力を可動部材31を介して吐出力
として利用することができるため、より高い吐出効率、
吐出力を達成することができる。ただ、第1液流路16
の形状は、上述の構造に限られるものではなく、気泡発
生に伴う圧力が効果的に可動部材31側に伝えられる形
状であれば良い。
【0050】なお、図5(c) で示されるように、可動部
材31の側方は、第2液流路を構成する壁の一部を覆っ
ており、このことで、可動部材31の第2液流路への落
ち込みが防止できる。これによって、前述した第1捺染
インクと第2捺染インクとの分離性をさらに高めること
ができる。また、気泡のスリットからの逃げの抑制がで
きるため、さらに吐出圧や吐出効率を高めることができ
る。しかも、前述の消泡時の圧力による上流側からのリ
フィルの効果を高めることができる。
材31の側方は、第2液流路を構成する壁の一部を覆っ
ており、このことで、可動部材31の第2液流路への落
ち込みが防止できる。これによって、前述した第1捺染
インクと第2捺染インクとの分離性をさらに高めること
ができる。また、気泡のスリットからの逃げの抑制がで
きるため、さらに吐出圧や吐出効率を高めることができ
る。しかも、前述の消泡時の圧力による上流側からのリ
フィルの効果を高めることができる。
【0051】なお、図3(b) や図4においては、可動部
材31の第1の液流路14側への変位に伴って第2の液
流路16の気泡発生領域で発生した気泡の一部が第1の
液流路14側に延在しているが、この様に気泡が延在す
るような第2流路の高さにすることで、気泡が延在しな
い場合に比べ、さらに吐出力を向上させることができ
る。このように、気泡が第1の液流路14に延在するよ
うにするためには、第2の液流路16の高さを最大気泡
の高さより低くすることが望ましく、この高さを数μm
〜30μmとすることが望ましい。なお、本実施例にお
いてはこの高さを15μmとした。
材31の第1の液流路14側への変位に伴って第2の液
流路16の気泡発生領域で発生した気泡の一部が第1の
液流路14側に延在しているが、この様に気泡が延在す
るような第2流路の高さにすることで、気泡が延在しな
い場合に比べ、さらに吐出力を向上させることができ
る。このように、気泡が第1の液流路14に延在するよ
うにするためには、第2の液流路16の高さを最大気泡
の高さより低くすることが望ましく、この高さを数μm
〜30μmとすることが望ましい。なお、本実施例にお
いてはこの高さを15μmとした。
【0052】<可動部材および分離壁>図6は、可動部
材31の他の形状を示すもので、35は、分離壁に設け
られたスリットであり、このスリット35によって、可
動部材31が形成されている。同図(a) は長方形の形状
であり、同図(b) は支点側が細くなっている形状で可動
部材31の動作が容易な形状であり、同図(c) は支点側
が広くなっており、可動部材31の耐久性が向上する形
状である。動作の容易性および耐久性が良好な形状とし
て、図5(a) で示したように、支点側の幅が円弧状に狭
くなっている形態が望ましいが、可動部材31の形状
は、第2の液流路側に入り込むことがなく、容易に動作
可能な形状で、耐久性に優れた形状であればよい。
材31の他の形状を示すもので、35は、分離壁に設け
られたスリットであり、このスリット35によって、可
動部材31が形成されている。同図(a) は長方形の形状
であり、同図(b) は支点側が細くなっている形状で可動
部材31の動作が容易な形状であり、同図(c) は支点側
が広くなっており、可動部材31の耐久性が向上する形
状である。動作の容易性および耐久性が良好な形状とし
て、図5(a) で示したように、支点側の幅が円弧状に狭
くなっている形態が望ましいが、可動部材31の形状
は、第2の液流路側に入り込むことがなく、容易に動作
可能な形状で、耐久性に優れた形状であればよい。
【0053】先の実施例においては、板状の可動部材3
1をおよびこの可動部材31を有する分離壁5は、厚さ
5μmのニッケルで構成したが、これに限られることな
く、可動部材31および分離壁を構成する材質として
は、捺染インクに対して耐溶剤性があり、可動部材31
として良好に動作するための弾性を有し、微細なスリッ
トが形成できるものであればよい。
1をおよびこの可動部材31を有する分離壁5は、厚さ
5μmのニッケルで構成したが、これに限られることな
く、可動部材31および分離壁を構成する材質として
は、捺染インクに対して耐溶剤性があり、可動部材31
として良好に動作するための弾性を有し、微細なスリッ
トが形成できるものであればよい。
【0054】可動部材31の材料としては、耐久性の高
い、銀、ニッケル、金、鉄、チタン、アルミニウム、白
金、タンタル、ステンレス鋼、りん青銅などの金属、お
よびその合金、または、アクリロニトリル、ブタジエ
ン、スチレンなどのニトリル基を有する樹脂、ポリアミ
ドなどのアミド基を有する樹脂、ポリカーボネイトなど
のカルボキシル基を有する樹脂、ポリアセタールなどの
アルデヒド基を持つ樹脂、ポリサルフォンなどのスルホ
ン基を持つ樹脂、そのほか液晶ポリマーなどの樹脂およ
びその化合物、耐インク性の高い、金、タングステン、
タンタル、ニッケル、ステンレス鋼、チタンなどの金
属、これらの合金および耐インク性に関してはこれらを
表面にコーティングしたもの若しくは、ポリアミドなど
のアミド基を有する樹脂、ポリアセタールなどのアルデ
ヒド基を持つ樹脂、ポリエーテルエーテルケトンなどの
ケトン基を有する樹脂、ポリイミドなどのイミド基を有
する樹脂、フェノール樹脂などの水酸基を有する樹脂、
ポリエチレンなどのエチル基を有する樹脂、ポリプロピ
レンなどのアルキル基を持つ樹脂、エポキシ樹脂などの
エポキシ基を持つ樹脂、メラミン樹脂などのアミノ基を
持つ樹脂、キシレン樹脂などのメチロール基を持つ樹脂
およびその化合物、さらに二酸化珪素などのセラミック
スおよびその化合物が望ましい。
い、銀、ニッケル、金、鉄、チタン、アルミニウム、白
金、タンタル、ステンレス鋼、りん青銅などの金属、お
よびその合金、または、アクリロニトリル、ブタジエ
ン、スチレンなどのニトリル基を有する樹脂、ポリアミ
ドなどのアミド基を有する樹脂、ポリカーボネイトなど
のカルボキシル基を有する樹脂、ポリアセタールなどの
アルデヒド基を持つ樹脂、ポリサルフォンなどのスルホ
ン基を持つ樹脂、そのほか液晶ポリマーなどの樹脂およ
びその化合物、耐インク性の高い、金、タングステン、
タンタル、ニッケル、ステンレス鋼、チタンなどの金
属、これらの合金および耐インク性に関してはこれらを
表面にコーティングしたもの若しくは、ポリアミドなど
のアミド基を有する樹脂、ポリアセタールなどのアルデ
ヒド基を持つ樹脂、ポリエーテルエーテルケトンなどの
ケトン基を有する樹脂、ポリイミドなどのイミド基を有
する樹脂、フェノール樹脂などの水酸基を有する樹脂、
ポリエチレンなどのエチル基を有する樹脂、ポリプロピ
レンなどのアルキル基を持つ樹脂、エポキシ樹脂などの
エポキシ基を持つ樹脂、メラミン樹脂などのアミノ基を
持つ樹脂、キシレン樹脂などのメチロール基を持つ樹脂
およびその化合物、さらに二酸化珪素などのセラミック
スおよびその化合物が望ましい。
【0055】分離壁の材質としては、ポリエチレン、ポ
リプロピレン、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレー
ト、メラミン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポ
リブタジエン、ポリウレタン、ポリエーテルエーテルケ
トン、ポリエーテルサルフォン、ポリアリレート、ポリ
イミド、ポリサルフォン、液晶ポリマー(LCP)など
の近年のエンジニアリングプラスチックに代表される耐
熱性、耐溶剤性、成型性の良好な樹脂、およびその化合
物、もしくは、二酸化ケイ素、窒化ケイ素、ニッケル、
金、ステンレス鋼などの金属、合金およびその化合物、
もしくは表面にチタンや金をコーティングしたものが望
ましい。
リプロピレン、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレー
ト、メラミン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポ
リブタジエン、ポリウレタン、ポリエーテルエーテルケ
トン、ポリエーテルサルフォン、ポリアリレート、ポリ
イミド、ポリサルフォン、液晶ポリマー(LCP)など
の近年のエンジニアリングプラスチックに代表される耐
熱性、耐溶剤性、成型性の良好な樹脂、およびその化合
物、もしくは、二酸化ケイ素、窒化ケイ素、ニッケル、
金、ステンレス鋼などの金属、合金およびその化合物、
もしくは表面にチタンや金をコーティングしたものが望
ましい。
【0056】また、分離壁の厚さは、分離壁としての強
度を達成でき、可動部材31として良好に動作するとい
う観点から、その材質と形状などを考慮して決定すれば
よいが、0. 5μm〜10μm程度が望ましい。
度を達成でき、可動部材31として良好に動作するとい
う観点から、その材質と形状などを考慮して決定すれば
よいが、0. 5μm〜10μm程度が望ましい。
【0057】なお、可動部材31を形成するためのスリ
ット35の幅は、本実施例では2μmとしている。
ット35の幅は、本実施例では2μmとしている。
【0058】本発明における可動部材31としては、μ
mオーダーの厚さ(tμm)を対象としており、センチ
メートルオーダーの厚さの可動部材は意図していない。
μmオーダーの厚さの可動部材31にとって、μmオー
ダーのスリット幅(Wμm)を対象とする場合、製造の
ばらつきをある程度考慮することが望ましい。
mオーダーの厚さ(tμm)を対象としており、センチ
メートルオーダーの厚さの可動部材は意図していない。
μmオーダーの厚さの可動部材31にとって、μmオー
ダーのスリット幅(Wμm)を対象とする場合、製造の
ばらつきをある程度考慮することが望ましい。
【0059】スリットを形成する可動部材31の自由端
あるいは/且つ側端に対向する部材の厚みが可動部材3
1の厚みと同等の場合(図3, 図4など)、スリット幅
と厚みの関係を製造のばらつきを考慮して以下のような
範囲にすることで、第2捺染インクと第1捺染インクと
の混液を安定的に抑制することができる。このことは、
限られた条件ではあるが、設計上の観点として、3cP
以下の粘度の第2捺染インクに対して高粘度インク(5
cP, 10cPなど)を用いる場合、W/t≦1を満足
するようにすることで、2液の混合を長期に亙って抑制
することが可能な構成となった。
あるいは/且つ側端に対向する部材の厚みが可動部材3
1の厚みと同等の場合(図3, 図4など)、スリット幅
と厚みの関係を製造のばらつきを考慮して以下のような
範囲にすることで、第2捺染インクと第1捺染インクと
の混液を安定的に抑制することができる。このことは、
限られた条件ではあるが、設計上の観点として、3cP
以下の粘度の第2捺染インクに対して高粘度インク(5
cP, 10cPなど)を用いる場合、W/t≦1を満足
するようにすることで、2液の混合を長期に亙って抑制
することが可能な構成となった。
【0060】上述のように、第2捺染インクと第1捺染
インクとに機能分離させた場合、可動部材31がこれら
の実質的な仕切部材となる。この可動部材31が気泡の
生成に伴って移動する際に、第1捺染インクに対して第
2捺染インクがわずかに混入することが見られる。画像
を形成する第1捺染インクは、インクジェットプリント
の場合、色材濃度を3%〜5%程度有するものが一般的
であることを考慮すると、この第2捺染インクが第1捺
染インク滴に対して20%以下の範囲で含まれても、大
きな濃度変化をもたらさない。従って、このような混液
としては、第1捺染インク滴に対して20%以下となる
ような第2捺染インクと第1捺染インクとの混合を本発
明に含むものとする。
インクとに機能分離させた場合、可動部材31がこれら
の実質的な仕切部材となる。この可動部材31が気泡の
生成に伴って移動する際に、第1捺染インクに対して第
2捺染インクがわずかに混入することが見られる。画像
を形成する第1捺染インクは、インクジェットプリント
の場合、色材濃度を3%〜5%程度有するものが一般的
であることを考慮すると、この第2捺染インクが第1捺
染インク滴に対して20%以下の範囲で含まれても、大
きな濃度変化をもたらさない。従って、このような混液
としては、第1捺染インク滴に対して20%以下となる
ような第2捺染インクと第1捺染インクとの混合を本発
明に含むものとする。
【0061】なお、上記構成例の実施では、粘性を変化
させても上限で15%の第2捺染インクの混合であり、
5cP以下の第2捺染インクでは、この混合比率は、駆
動周波数にもよるが、10%程度を上限とする。
させても上限で15%の第2捺染インクの混合であり、
5cP以下の第2捺染インクでは、この混合比率は、駆
動周波数にもよるが、10%程度を上限とする。
【0062】次に、このヘッドにおける発熱体2と可動
部材31との配置関係について、図を用いて説明する。
ただし、可動部材31および発熱体2の形状および寸
法, 数は、以下に限定されるものではない。発熱体2お
よび可動部材31の最適な配置によって、発熱体2によ
る発泡時の圧力を吐出圧として有効に利用することが可
能となる。
部材31との配置関係について、図を用いて説明する。
ただし、可動部材31および発熱体2の形状および寸
法, 数は、以下に限定されるものではない。発熱体2お
よび可動部材31の最適な配置によって、発熱体2によ
る発泡時の圧力を吐出圧として有効に利用することが可
能となる。
【0063】熱などのエネルギーをインクに与えること
で、このインクに急峻な体積変化(気泡の発生)を伴う
状態変化を生じさせ、この状態変化に基づく作用力によ
って吐出口18からインクを吐出し、これをプリント媒
体上に付着させて画像形成を行うインクジェットプリン
ト方法、いわゆるバブルジェットプリント方法の従来技
術においては、図7に示すように、発熱体の面積とイン
ク吐出量とは、発熱体により生成される気泡の体積が関
与することから、ほぼ比例関係にあるが、インク吐出に
寄与しない非発泡有効領域sが存在していることがわか
る。また、発熱体2上の焦げの様子から、この非発泡有
効領域sが発熱体2の周囲に存在していることがわか
る。これらの結果から、発熱体の周囲の約4μmの幅の
領域は、発泡に関与していないと考えられる。
で、このインクに急峻な体積変化(気泡の発生)を伴う
状態変化を生じさせ、この状態変化に基づく作用力によ
って吐出口18からインクを吐出し、これをプリント媒
体上に付着させて画像形成を行うインクジェットプリン
ト方法、いわゆるバブルジェットプリント方法の従来技
術においては、図7に示すように、発熱体の面積とイン
ク吐出量とは、発熱体により生成される気泡の体積が関
与することから、ほぼ比例関係にあるが、インク吐出に
寄与しない非発泡有効領域sが存在していることがわか
る。また、発熱体2上の焦げの様子から、この非発泡有
効領域sが発熱体2の周囲に存在していることがわか
る。これらの結果から、発熱体の周囲の約4μmの幅の
領域は、発泡に関与していないと考えられる。
【0064】従って、発泡圧を有効利用するためには、
発熱体2の周囲から約4μm以上内側の発泡有効領域の
直上が可動部材31の可動領域で覆われるように、可動
部材31を配置するのが効果的であると言える。本実施
例においては、発泡有効領域を発熱体の周囲から約4μ
m以上内側としたが、発熱体の種類や形成方法によって
は、これに限定されるものではない。
発熱体2の周囲から約4μm以上内側の発泡有効領域の
直上が可動部材31の可動領域で覆われるように、可動
部材31を配置するのが効果的であると言える。本実施
例においては、発泡有効領域を発熱体の周囲から約4μ
m以上内側としたが、発熱体の種類や形成方法によって
は、これに限定されるものではない。
【0065】図8に、58×150μmの発熱体2に可
動領域の総面積が異なる可動部材301(図8(a) 参
照)、可動部材302(図8(b) 参照)を配置したとき
の上部から見た模式図を示す。
動領域の総面積が異なる可動部材301(図8(a) 参
照)、可動部材302(図8(b) 参照)を配置したとき
の上部から見た模式図を示す。
【0066】可動部材301の寸法は、53×145μ
mで、発熱体2の面積よりも小さいが、発熱体2の発泡
有効領域と同じ程度の寸法であり、この発泡有効領域を
覆うように配置されている。一方、可動部材302の寸
法は、53×220μmで発熱体2の面積よりも大きく
(幅寸法を同じにした場合、支点〜可動先端間の寸法が
発熱体2の長さよりも長い)、可動部材301と同じよ
うに発泡有効領域を覆うように配置されている。耐久
性、吐出効率の両面からみても、発泡有効領域の真上を
覆うように可動部材を設け、この可動部材の面積が発熱
体2の面積よりも大きい方が優れていることがわかる。
mで、発熱体2の面積よりも小さいが、発熱体2の発泡
有効領域と同じ程度の寸法であり、この発泡有効領域を
覆うように配置されている。一方、可動部材302の寸
法は、53×220μmで発熱体2の面積よりも大きく
(幅寸法を同じにした場合、支点〜可動先端間の寸法が
発熱体2の長さよりも長い)、可動部材301と同じよ
うに発泡有効領域を覆うように配置されている。耐久
性、吐出効率の両面からみても、発泡有効領域の真上を
覆うように可動部材を設け、この可動部材の面積が発熱
体2の面積よりも大きい方が優れていることがわかる。
【0067】図9に発熱体2のエッジから可動部材の支
点までの距離と、可動部材の変位量との関係を示す。ま
た、図10に、発熱体2と可動部材31との位置関係を
側面方向から見た断面構成図を示す。発熱体2は、40
×105μmのものを用いた。発熱体2のエッジから可
動部材31の支点33までの距離lが大きい程、変位量
が大きいことがわかる。従って、要求される捺染インク
の吐出量や第1捺染インクの流路構造および発熱体2の
形状などによって、最適変位量を求め、可動部材31の
支点33の位置を決めることが望ましい。
点までの距離と、可動部材の変位量との関係を示す。ま
た、図10に、発熱体2と可動部材31との位置関係を
側面方向から見た断面構成図を示す。発熱体2は、40
×105μmのものを用いた。発熱体2のエッジから可
動部材31の支点33までの距離lが大きい程、変位量
が大きいことがわかる。従って、要求される捺染インク
の吐出量や第1捺染インクの流路構造および発熱体2の
形状などによって、最適変位量を求め、可動部材31の
支点33の位置を決めることが望ましい。
【0068】また、可動部材31の支点33が発熱体2
の発泡有効領域直上に位置する場合は、可動部材31の
変位による応力に加え、発泡圧力が支点33に直接加わ
るため、可動部材31の耐久性が低下してしまう。本発
明者の実験によると、発泡有効領域の真上に支点33を
設けたものでは、1×106 パルス程度で、可動部材3
1に損傷が生じており、耐久性が低下してしまうことが
分かっている。従って、可動部材31の支点は、発熱体
2の発泡有効領域直上外に配置することで、耐久性がそ
れ程高くない形状や材質の可動部材31であっても実用
可能性が高くなる。ただし、前記発泡有効領域直上に支
点がある場合でも形状や材質を選択すれば、良好に用い
ることができる。かかる構成において、高吐出効率およ
び耐久性に優れた液体吐出ヘッドが得られる。
の発泡有効領域直上に位置する場合は、可動部材31の
変位による応力に加え、発泡圧力が支点33に直接加わ
るため、可動部材31の耐久性が低下してしまう。本発
明者の実験によると、発泡有効領域の真上に支点33を
設けたものでは、1×106 パルス程度で、可動部材3
1に損傷が生じており、耐久性が低下してしまうことが
分かっている。従って、可動部材31の支点は、発熱体
2の発泡有効領域直上外に配置することで、耐久性がそ
れ程高くない形状や材質の可動部材31であっても実用
可能性が高くなる。ただし、前記発泡有効領域直上に支
点がある場合でも形状や材質を選択すれば、良好に用い
ることができる。かかる構成において、高吐出効率およ
び耐久性に優れた液体吐出ヘッドが得られる。
【0069】<素子基板>以下に、捺染インクに熱を与
えるための発熱体2が設けられた素子基板1の構成につ
いて説明する。
えるための発熱体2が設けられた素子基板1の構成につ
いて説明する。
【0070】図11は、本発明の液体吐出ヘッドの縦断
面図を示したもので、図11(a) は後述する保護膜があ
るヘッド、同図(b) は保護膜がないものである。
面図を示したもので、図11(a) は後述する保護膜があ
るヘッド、同図(b) は保護膜がないものである。
【0071】素子基板1上に第2液流路16, 分離壁3
0, 第1液流路14, 第1液流路14を構成する溝を設
けた溝付き部材50が配されている。
0, 第1液流路14, 第1液流路14を構成する溝を設
けた溝付き部材50が配されている。
【0072】素子基板1には、シリコンなどの基体10
7に絶縁および蓄熱を目的としたシリコン酸化膜または
窒化シリコン膜106を成膜し、その上に発熱体2を構
成するハフニウムボライド(HfB2 )、窒化タンタル
(TaN)、タンタルアルミニウム(TaAl)などの
電気抵抗層105(0. 01〜0. 2μm厚)と、アル
ミニウムなどの配線電極104(0. 2〜1. 0μm
厚)とが図2のようにパターニングされている。この2
つの配線電極104から抵抗層105に電圧を印加し、
電気抵抗層105に電流を流し発熱させる。配線電極1
04間の電気抵抗層105上には、酸化シリコンや窒化
シリコンなどの保護層103を0. 1〜2. 0μm厚で
形成し、さらにその上にタンタルなどの耐キャビテーシ
ョン層102(0. 1〜0. 6μm厚)が成膜されてお
り、捺染インクから抵抗層105を保護している。
7に絶縁および蓄熱を目的としたシリコン酸化膜または
窒化シリコン膜106を成膜し、その上に発熱体2を構
成するハフニウムボライド(HfB2 )、窒化タンタル
(TaN)、タンタルアルミニウム(TaAl)などの
電気抵抗層105(0. 01〜0. 2μm厚)と、アル
ミニウムなどの配線電極104(0. 2〜1. 0μm
厚)とが図2のようにパターニングされている。この2
つの配線電極104から抵抗層105に電圧を印加し、
電気抵抗層105に電流を流し発熱させる。配線電極1
04間の電気抵抗層105上には、酸化シリコンや窒化
シリコンなどの保護層103を0. 1〜2. 0μm厚で
形成し、さらにその上にタンタルなどの耐キャビテーシ
ョン層102(0. 1〜0. 6μm厚)が成膜されてお
り、捺染インクから抵抗層105を保護している。
【0073】特に、気泡の発生、消泡の際に発生する圧
力や衝撃波は非常に強く、堅くてもろい酸化膜の耐久性
を著しく低下させるため、金属材料のタンタル(Ta)
などが耐キャビテーション層102として用いられる。
力や衝撃波は非常に強く、堅くてもろい酸化膜の耐久性
を著しく低下させるため、金属材料のタンタル(Ta)
などが耐キャビテーション層102として用いられる。
【0074】また、捺染インク、液流路構成、抵抗材料
の組み合わせにより、上述の保護層103を必要としな
い構成でもよく、その例を図11(b) に示す。このよう
な保護層を必要としない抵抗層の材料としては、イリジ
ウム−タンタル−アルミニウム合金などが挙げられる。
の組み合わせにより、上述の保護層103を必要としな
い構成でもよく、その例を図11(b) に示す。このよう
な保護層を必要としない抵抗層の材料としては、イリジ
ウム−タンタル−アルミニウム合金などが挙げられる。
【0075】このように、前述の各実施例における発熱
体2の構成としては、前述の電極間の抵抗層(発熱部)
だけでもよく、また抵抗層を保護する保護層を含むもの
でもよい。
体2の構成としては、前述の電極間の抵抗層(発熱部)
だけでもよく、また抵抗層を保護する保護層を含むもの
でもよい。
【0076】本実施例においては、発熱体2として電気
信号に応じて発熱する抵抗層で構成された発熱部を有す
るものを用いたが、これに限られることなく、第1捺染
インクを吐出させるのに十分な気泡を第2捺染インクに
生じさせるものであればよい。例えば、発熱部としてレ
ーザなどの光を受けることで発熱するような光熱変換体
や、高周波を受けることで発熱するような発熱部を有す
る発熱体2でもよい。
信号に応じて発熱する抵抗層で構成された発熱部を有す
るものを用いたが、これに限られることなく、第1捺染
インクを吐出させるのに十分な気泡を第2捺染インクに
生じさせるものであればよい。例えば、発熱部としてレ
ーザなどの光を受けることで発熱するような光熱変換体
や、高周波を受けることで発熱するような発熱部を有す
る発熱体2でもよい。
【0077】なお、前述の素子基板1には、前述の発熱
部を構成する抵抗層105とこの抵抗層105に電気信
号を供給するための配線電極104で構成される電気熱
変換体(素子)の他に、この電気熱変換素子を選択的に
駆動するためのトランジスタ、ダイオード、ラッチ、シ
フトレジスタなどの機能素子が一体的に半導体製造工程
によって作り込まれていてもよい。
部を構成する抵抗層105とこの抵抗層105に電気信
号を供給するための配線電極104で構成される電気熱
変換体(素子)の他に、この電気熱変換素子を選択的に
駆動するためのトランジスタ、ダイオード、ラッチ、シ
フトレジスタなどの機能素子が一体的に半導体製造工程
によって作り込まれていてもよい。
【0078】また、前述のような素子基板1に設けられ
ている電気熱変換体の発熱部を駆動し、捺染インクを吐
出するためには、前述の抵抗層105に配線電極104
を介して図12で示されるような矩形パルスを印加し、
配線電極間の抵抗層105を急峻に発熱させる。前述の
各実施例のヘッドにおいては、それぞれ電圧24V、パ
ルス幅7μsec 、電流150mAの電気信号を6kHz で加
えることで発熱体2を駆動させ、前述のような動作によ
って、吐出口18から捺染インクを吐出させた。しかし
ながら、駆動信号の条件は、これに限られることなく、
第2捺染インクを適正に発泡させることができる駆動信
号であればよい。
ている電気熱変換体の発熱部を駆動し、捺染インクを吐
出するためには、前述の抵抗層105に配線電極104
を介して図12で示されるような矩形パルスを印加し、
配線電極間の抵抗層105を急峻に発熱させる。前述の
各実施例のヘッドにおいては、それぞれ電圧24V、パ
ルス幅7μsec 、電流150mAの電気信号を6kHz で加
えることで発熱体2を駆動させ、前述のような動作によ
って、吐出口18から捺染インクを吐出させた。しかし
ながら、駆動信号の条件は、これに限られることなく、
第2捺染インクを適正に発泡させることができる駆動信
号であればよい。
【0079】<2流路構成のヘッド構造>以下に、第
1、第2の共通液室に異なる捺染インクを良好に分離し
て導入でき部品点数の削減を図れ、コストダウンを可能
とする液体吐出ヘッドの構造例について説明する。
1、第2の共通液室に異なる捺染インクを良好に分離し
て導入でき部品点数の削減を図れ、コストダウンを可能
とする液体吐出ヘッドの構造例について説明する。
【0080】図13は、このような液体吐出ヘッドの構
造を示す模式図であり、先の実施例と同じ構成要素につ
いては同じ符号を用いており、詳しい説明はここでは省
略する。
造を示す模式図であり、先の実施例と同じ構成要素につ
いては同じ符号を用いており、詳しい説明はここでは省
略する。
【0081】本実施例においては、溝付き部材50は、
吐出口18を有するオリフィスプレート51と、複数の
第1液流路14を構成する複数の溝と、複数の液流路1
4に共通して連通し、各第1の液流路14に第1捺染イ
ンクを供給するための第1の共通液室15を構成する凹
部とから概略構成されている。
吐出口18を有するオリフィスプレート51と、複数の
第1液流路14を構成する複数の溝と、複数の液流路1
4に共通して連通し、各第1の液流路14に第1捺染イ
ンクを供給するための第1の共通液室15を構成する凹
部とから概略構成されている。
【0082】この溝付部材50の下側部分に分離壁30
を接合することにより複数の第1液流路14を形成する
ことができる。このような溝付部材50は、その上部か
ら第1共通液室15内に到達する第1捺染インク供給路
20を有している。また、溝付部材50は、その上部か
ら分離壁30を突き抜けて第2共通液室17内に到達す
る第2の捺染インク供給路21を有している。
を接合することにより複数の第1液流路14を形成する
ことができる。このような溝付部材50は、その上部か
ら第1共通液室15内に到達する第1捺染インク供給路
20を有している。また、溝付部材50は、その上部か
ら分離壁30を突き抜けて第2共通液室17内に到達す
る第2の捺染インク供給路21を有している。
【0083】第1捺染インクは、図13の矢印Cで示す
ように、第1捺染インク供給路20を経て、第1の共通
液室15、次いで第1の液流路14に供給され、第2捺
染インクは、図13の矢印Dで示すように、第2捺染イ
ンク供給路21を経て、第2共通液室17、次いで第2
液流路16に供給されるようになっている。
ように、第1捺染インク供給路20を経て、第1の共通
液室15、次いで第1の液流路14に供給され、第2捺
染インクは、図13の矢印Dで示すように、第2捺染イ
ンク供給路21を経て、第2共通液室17、次いで第2
液流路16に供給されるようになっている。
【0084】本実施例では、第2捺染インク供給路21
は、第1捺染インク供給路20と平行して配されている
が、これに限ることはなく、第1共通液室15の外側に
配された分離壁30を貫通して、第2共通液室17に連
通するように形成されればどのように配されてもよい。
は、第1捺染インク供給路20と平行して配されている
が、これに限ることはなく、第1共通液室15の外側に
配された分離壁30を貫通して、第2共通液室17に連
通するように形成されればどのように配されてもよい。
【0085】また、第2捺染インク供給路21の太さ
(直径)に関しては、第2捺染インクの供給量を考慮し
て決められる。第2捺染インク供給路21の形状は丸形
状である必要はなく、矩形状などでもよい。
(直径)に関しては、第2捺染インクの供給量を考慮し
て決められる。第2捺染インク供給路21の形状は丸形
状である必要はなく、矩形状などでもよい。
【0086】また、第2共通液室17は、溝付部材50
を分離壁30で仕切ることによって形成することができ
る。形成の方法としては、図14で示す本実施例の分解
斜視図のように、素子基板1上にドライフィルムで共通
液室枠71と第2液路壁72とを形成し、分離壁を固定
した溝付部材50と分離壁30との結合体と素子基板1
とを貼り合わせることにより第2共通液室17や第2液
流路16を形成してもよい。
を分離壁30で仕切ることによって形成することができ
る。形成の方法としては、図14で示す本実施例の分解
斜視図のように、素子基板1上にドライフィルムで共通
液室枠71と第2液路壁72とを形成し、分離壁を固定
した溝付部材50と分離壁30との結合体と素子基板1
とを貼り合わせることにより第2共通液室17や第2液
流路16を形成してもよい。
【0087】本実施形態例では、アルミニウムなどの金
属で形成された支持体70上に、前述のように、発泡液
に対して膜沸騰による気泡を発生させるための熱を発生
する発熱体としての電気熱変換素子が複数設けられた素
子基板1が配されている。
属で形成された支持体70上に、前述のように、発泡液
に対して膜沸騰による気泡を発生させるための熱を発生
する発熱体としての電気熱変換素子が複数設けられた素
子基板1が配されている。
【0088】この素子基板1上には、第2液路壁72に
より形成された液流路16を構成する複数の溝と、複数
の発泡液流路に連通し、それぞれの発泡液路に発泡液を
供給するための第2共通液室(共通発泡液室)17を構
成する凹部と、前述した可動壁31が設けられた分離壁
30とが配されている。
より形成された液流路16を構成する複数の溝と、複数
の発泡液流路に連通し、それぞれの発泡液路に発泡液を
供給するための第2共通液室(共通発泡液室)17を構
成する凹部と、前述した可動壁31が設けられた分離壁
30とが配されている。
【0089】符号50は、溝付部材である。この溝付部
材は、分離壁30と接合されることで第1液流路14を
構成する溝と、第1液流路14に連通し、それぞれの第
1液流路14に第1捺染インクを供給するための第1共
通液室15を構成するための凹部と、第1共通液室15
に第1捺染インクを供給するための第1捺染インク供給
路20と、第2共通液室17に第2捺染インクを供給す
るための第2捺染インク供給路21とを有している。第
2捺染インク供給路21は、第1共通液室15の外側に
配された分離壁30を貫通して第2共通液室17に連通
する連通路に繋がっており、この連通路によって第1捺
染インクと混合することなく、第2捺染インクを第2の
共通液室17に供給することができる。
材は、分離壁30と接合されることで第1液流路14を
構成する溝と、第1液流路14に連通し、それぞれの第
1液流路14に第1捺染インクを供給するための第1共
通液室15を構成するための凹部と、第1共通液室15
に第1捺染インクを供給するための第1捺染インク供給
路20と、第2共通液室17に第2捺染インクを供給す
るための第2捺染インク供給路21とを有している。第
2捺染インク供給路21は、第1共通液室15の外側に
配された分離壁30を貫通して第2共通液室17に連通
する連通路に繋がっており、この連通路によって第1捺
染インクと混合することなく、第2捺染インクを第2の
共通液室17に供給することができる。
【0090】なお、素子基板1、分離壁30、溝付天板
50の配置関係は、素子基板1の発熱体に対応して可動
部材31が配置されており、この可動部材31に対応し
て第1液流路14が配されている。また、本実施例で
は、第2の供給路を1つ溝付部材に配した例を示した
が、供給量に応じて複数設けてもよい。さらに第1捺染
インク供給路20と第2捺染インク供給路21の流路断
面積は、供給量に比例して決めればよい。
50の配置関係は、素子基板1の発熱体に対応して可動
部材31が配置されており、この可動部材31に対応し
て第1液流路14が配されている。また、本実施例で
は、第2の供給路を1つ溝付部材に配した例を示した
が、供給量に応じて複数設けてもよい。さらに第1捺染
インク供給路20と第2捺染インク供給路21の流路断
面積は、供給量に比例して決めればよい。
【0091】このような流路断面積の最適化により溝付
部材50などを構成する部品をより小型化することも可
能である。
部材50などを構成する部品をより小型化することも可
能である。
【0092】以上説明したように、本実施例によれば、
第2液流路16に第2捺染インクを供給する第2の供給
路21と、第1液流路14に第1捺染インクを供給する
第1の供給路20とが同一の溝付部材としての溝付天板
50からなることにより、部品点数が削減でき、工程の
短縮化とコストダウンが可能となる。
第2液流路16に第2捺染インクを供給する第2の供給
路21と、第1液流路14に第1捺染インクを供給する
第1の供給路20とが同一の溝付部材としての溝付天板
50からなることにより、部品点数が削減でき、工程の
短縮化とコストダウンが可能となる。
【0093】また第2液流路16に連通した第2の共通
液室17への第2捺染インクの供給は、第1捺染インク
と第2捺染インクとを分離する分離壁30を突き抜ける
方向で第2液流路16によって行なわれる構造であるた
め、分離壁30と溝付部材50と発熱体形成基板1との
貼り合わせ工程が1度で済み、作りやすさが向上すると
共に、貼り合わせ精度が向上し、良好に吐出することが
できる。
液室17への第2捺染インクの供給は、第1捺染インク
と第2捺染インクとを分離する分離壁30を突き抜ける
方向で第2液流路16によって行なわれる構造であるた
め、分離壁30と溝付部材50と発熱体形成基板1との
貼り合わせ工程が1度で済み、作りやすさが向上すると
共に、貼り合わせ精度が向上し、良好に吐出することが
できる。
【0094】また、第2捺染インクは、分離壁30を突
き抜けて第2共通液室17へ供給されるため、第2液流
路16に第2捺染インクの供給が確実となり、供給量が
十分確保できるため、安定した吐出が可能となる。
き抜けて第2共通液室17へ供給されるため、第2液流
路16に第2捺染インクの供給が確実となり、供給量が
十分確保できるため、安定した吐出が可能となる。
【0095】<第1捺染インク、第2捺染インク>以下
の表1に、布帛を構成する代表的な繊維と染料との間の
染色特性を例示する。表1中の○印は高い染色性を示
し、△印は染色可能であることをそれぞれ示している。
例えば、ポリエステルの場合には、分散染料を使用する
ことが特に望ましく、アクリルの場合にはカチオン染料
を特に使用することが望ましい。
の表1に、布帛を構成する代表的な繊維と染料との間の
染色特性を例示する。表1中の○印は高い染色性を示
し、△印は染色可能であることをそれぞれ示している。
例えば、ポリエステルの場合には、分散染料を使用する
ことが特に望ましく、アクリルの場合にはカチオン染料
を特に使用することが望ましい。
【0096】
【表1】
【0097】ただし、上の表で非水溶性染料(1) のバッ
ト染料または硫化染料は、還元処理を行うことで水溶性
にすることができ、非水溶性染料(2) の分散染料および
顔料は、分散剤をその周囲に付着させることで水中に分
散させることができる。これらのうち、非水溶性染料
(2) は、他の染料と比較すると熱安定性に劣る。
ト染料または硫化染料は、還元処理を行うことで水溶性
にすることができ、非水溶性染料(2) の分散染料および
顔料は、分散剤をその周囲に付着させることで水中に分
散させることができる。これらのうち、非水溶性染料
(2) は、他の染料と比較すると熱安定性に劣る。
【0098】以上の関係から、例えば、綿・ポリエステ
ルやナイロン・ポリエステルなどの混紡布地に対して捺
染を行う場合には、熱安定性に劣る分散染料を第1捺染
インクに混ぜて使用し、水溶性染料を第2捺染インクに
混ぜて使用することが望ましい。
ルやナイロン・ポリエステルなどの混紡布地に対して捺
染を行う場合には、熱安定性に劣る分散染料を第1捺染
インクに混ぜて使用し、水溶性染料を第2捺染インクに
混ぜて使用することが望ましい。
【0099】より詳細に説明すると、綿とポリエステル
の混紡布地に対するインクジェット捺染方法を採用する
場合、熱に不安定なポリエステル用の捺染インクは、直
接加熱されることのない第1液流路に供給し、熱に対し
てタフな水溶性染料を含む綿用の捺染インクは、第2液
流路に供給することによって、いわゆるバブルジェット
方式のヘッドでも安定した吐出による画像形成が可能と
なる。
の混紡布地に対するインクジェット捺染方法を採用する
場合、熱に不安定なポリエステル用の捺染インクは、直
接加熱されることのない第1液流路に供給し、熱に対し
てタフな水溶性染料を含む綿用の捺染インクは、第2液
流路に供給することによって、いわゆるバブルジェット
方式のヘッドでも安定した吐出による画像形成が可能と
なる。
【0100】もともと、ポリエステル繊維は、ポリマー
として疎水基を多く持つもので、直接染料や酸性染料な
どの水に良く溶ける水溶性染料では、染まりにくいた
め、分散染料などの加熱(スチーミング)などの後処理
でポリマーへの浸透するタイプの染料でなければ、きれ
いに捺染することができない。
として疎水基を多く持つもので、直接染料や酸性染料な
どの水に良く溶ける水溶性染料では、染まりにくいた
め、分散染料などの加熱(スチーミング)などの後処理
でポリマーへの浸透するタイプの染料でなければ、きれ
いに捺染することができない。
【0101】加熱(スチーミング)などにより、繊維へ
浸透する分散染料が分散媒体である水が発泡するほどに
加熱されて安定であることは、当然のことながらむずか
しく、上記構成が必要となる。
浸透する分散染料が分散媒体である水が発泡するほどに
加熱されて安定であることは、当然のことながらむずか
しく、上記構成が必要となる。
【0102】それにひきかえ、綿や絹などの吸湿性が良
いと言われる繊維は、親水性基を多く持つため、水溶性
の直接染料や酸性染料で充分きれいに捺染染色できる。
水溶性の染料は、染色の前後で化学的処理により染色の
定着処理を行うので、分散染料に比べて熱的には安定し
ている。
いと言われる繊維は、親水性基を多く持つため、水溶性
の直接染料や酸性染料で充分きれいに捺染染色できる。
水溶性の染料は、染色の前後で化学的処理により染色の
定着処理を行うので、分散染料に比べて熱的には安定し
ている。
【0103】分散染料も、水溶性染料も水を媒体として
分散または溶解したものを使うのが一般的であり、混合
することも可能である。しかし、混合インクを用いた場
合は、発熱体に分散染料が直に接触するため、好ましく
ない。
分散または溶解したものを使うのが一般的であり、混合
することも可能である。しかし、混合インクを用いた場
合は、発熱体に分散染料が直に接触するため、好ましく
ない。
【0104】上記構成によれば、吐出口から吐出される
時は、水溶性染料と分散染料とが混合状態で吐出、飛翔
してプリント対象物である混紡布帛に付着するので、2
種類のインクジェットヘッドを用いることなく、ポリエ
ステル用と綿用の2種類の染料を1回のイベントでプリ
ントすることができる。
時は、水溶性染料と分散染料とが混合状態で吐出、飛翔
してプリント対象物である混紡布帛に付着するので、2
種類のインクジェットヘッドを用いることなく、ポリエ
ステル用と綿用の2種類の染料を1回のイベントでプリ
ントすることができる。
【0105】なお、このような構成では、ポリエステル
と綿への染着色が同じ色になる染料を使うことが好まし
い。異なる色を用いてプリントを行う場合には、デザイ
ンや画像処理に配慮が必要である。
と綿への染着色が同じ色になる染料を使うことが好まし
い。異なる色を用いてプリントを行う場合には、デザイ
ンや画像処理に配慮が必要である。
【0106】対象となる布帛を構成する混紡繊維の混紡
比は、例えば綿とポリエステルを例に挙げると、その代
表的な比率として以下の2通りがある。
比は、例えば綿とポリエステルを例に挙げると、その代
表的な比率として以下の2通りがある。
【0107】
【表2】
【0108】上記した混紡比の各々に対応させるよう
に、第1捺染インクおよび第2捺染インクの混合比率を
変化させることが必要である。
に、第1捺染インクおよび第2捺染インクの混合比率を
変化させることが必要である。
【0109】第1捺染インクおよび第2捺染インクをあ
る混合比率で吐出させるには、前述の狭窄部19の開口
面積を調整すること、可動部材の変位量を可動部材の材
質や形状で調整すること等のような構造的に行う手段
と、発熱体に印加するパルス幅や駆動周波数を変化させ
る、制御的に行う手段などがある。後者のように、印加
信号を制御する方式は、ヘッドの交換を必要とせず、駆
動条件の変更のみで吐出混合比率を変化させることがで
きる。
る混合比率で吐出させるには、前述の狭窄部19の開口
面積を調整すること、可動部材の変位量を可動部材の材
質や形状で調整すること等のような構造的に行う手段
と、発熱体に印加するパルス幅や駆動周波数を変化させ
る、制御的に行う手段などがある。後者のように、印加
信号を制御する方式は、ヘッドの交換を必要とせず、駆
動条件の変更のみで吐出混合比率を変化させることがで
きる。
【0110】具体的には、綿とポリエステルの混紡にお
いて綿の比率が高い場合、つまり第2捺染インクの吐出
混合比率を高めたい場合には、駆動信号のパルス幅を長
く設定し、駆動周波数を高くすることで実現することが
できる。
いて綿の比率が高い場合、つまり第2捺染インクの吐出
混合比率を高めたい場合には、駆動信号のパルス幅を長
く設定し、駆動周波数を高くすることで実現することが
できる。
【0111】布帛を構成する混紡繊維の混合比率に応じ
た吐出混合比率の制御について、図25以降を参照して
具体的に説明する。
た吐出混合比率の制御について、図25以降を参照して
具体的に説明する。
【0112】図25は、本発明の吐出混合比率の制御を
実現するプリント装置の主要な構成を表すブロック図で
ある。302はCPUであり、不図示の制御プログラム
に基づいてプリント装置の制御を行ってプリント動作を
制御する。ヘッド200はヘッドドライバ307を介し
て駆動され、画像を形成する。図25において311は
布帛を構成する混紡繊維の種類を設定する材質設定手段
であり、布帛が2種の繊維を混紡したものである場合、
2つの繊維A、繊維Bについて設定が可能に構成されて
いる。また、310は布帛を構成する混紡繊維の構成比
率を設定する混紡比設定手段であり、材質設定手段31
1によって設定される混紡繊維がそれぞれどの程度の割
合で構成されているかを設定する。材質設定手段311
と混紡比設定手段310とで設定される混紡の条件はC
PU302により処理され、布帛の混紡比に応じて適切
な比率でインクを混合して吐出するための駆動条件が吐
出混合比率制御手段312によって設定される。ヘッド
ドライバ307は設定された駆動条件に基づいてヘッド
200を駆動する。このような構成により、布帛を構成
する混紡繊維に対応したインクを、布帛の混紡比に応じ
て適切な比率で混合して吐出することができる。
実現するプリント装置の主要な構成を表すブロック図で
ある。302はCPUであり、不図示の制御プログラム
に基づいてプリント装置の制御を行ってプリント動作を
制御する。ヘッド200はヘッドドライバ307を介し
て駆動され、画像を形成する。図25において311は
布帛を構成する混紡繊維の種類を設定する材質設定手段
であり、布帛が2種の繊維を混紡したものである場合、
2つの繊維A、繊維Bについて設定が可能に構成されて
いる。また、310は布帛を構成する混紡繊維の構成比
率を設定する混紡比設定手段であり、材質設定手段31
1によって設定される混紡繊維がそれぞれどの程度の割
合で構成されているかを設定する。材質設定手段311
と混紡比設定手段310とで設定される混紡の条件はC
PU302により処理され、布帛の混紡比に応じて適切
な比率でインクを混合して吐出するための駆動条件が吐
出混合比率制御手段312によって設定される。ヘッド
ドライバ307は設定された駆動条件に基づいてヘッド
200を駆動する。このような構成により、布帛を構成
する混紡繊維に対応したインクを、布帛の混紡比に応じ
て適切な比率で混合して吐出することができる。
【0113】次に、吐出混合比率の制御の一例として、
ヘッド200の駆動条件を設定する処理を図26に示す
フローチャートにより説明する。ステップS101にて
ヘッド200の駆動条件を設定する処理が開始される
と、ステップS102にて混紡に関する条件の設定を行
う。このステップS102で行われる処理は、図25に
示している材質設定手段311と混紡比設定手段310
で設定される混紡の条件に基づく信号をCPUに入力す
る処理や、使用者に対して混紡の条件を指示させるよう
促して設定を行わせる処理などが含まれる。続くステッ
プS103では、ステップS102で設定された混紡の
条件に基づいてヘッド200を駆動する条件を設定し、
処理を終了する(ステップS104)。ステップS10
3で行われる処理として、例えば、混紡の条件に対応さ
せた駆動条件をテーブルとしてROMなどの記憶手段に
予め格納しておき、ステップS102で設定された混紡
に対応する駆動条件を読み取ってRAMなどの記憶手段
に記憶させておく処理がある。
ヘッド200の駆動条件を設定する処理を図26に示す
フローチャートにより説明する。ステップS101にて
ヘッド200の駆動条件を設定する処理が開始される
と、ステップS102にて混紡に関する条件の設定を行
う。このステップS102で行われる処理は、図25に
示している材質設定手段311と混紡比設定手段310
で設定される混紡の条件に基づく信号をCPUに入力す
る処理や、使用者に対して混紡の条件を指示させるよう
促して設定を行わせる処理などが含まれる。続くステッ
プS103では、ステップS102で設定された混紡の
条件に基づいてヘッド200を駆動する条件を設定し、
処理を終了する(ステップS104)。ステップS10
3で行われる処理として、例えば、混紡の条件に対応さ
せた駆動条件をテーブルとしてROMなどの記憶手段に
予め格納しておき、ステップS102で設定された混紡
に対応する駆動条件を読み取ってRAMなどの記憶手段
に記憶させておく処理がある。
【0114】図26のフローで示した構成では、布帛を
構成する混紡繊維の条件が設定された後に、画像のプリ
ント動作に先立って駆動条件の設定を行う処理を示すも
のである。本発明はこの構成に限らず、図25に示した
ようにCPU302から出力される画像データに基づい
て吐出混合比率制御手段312によって駆動条件を設定
し、設定された駆動条件に基づいてヘッド200を駆動
する構成であってもよい。
構成する混紡繊維の条件が設定された後に、画像のプリ
ント動作に先立って駆動条件の設定を行う処理を示すも
のである。本発明はこの構成に限らず、図25に示した
ようにCPU302から出力される画像データに基づい
て吐出混合比率制御手段312によって駆動条件を設定
し、設定された駆動条件に基づいてヘッド200を駆動
する構成であってもよい。
【0115】図27は、図26に示すフローチャートの
変形例であり、図26のフローチャートとの差違は、ス
テップS203およびびステップS206の処理であ
り、同様の処理については説明を省略する。
変形例であり、図26のフローチャートとの差違は、ス
テップS203およびびステップS206の処理であ
り、同様の処理については説明を省略する。
【0116】ステップS202で混紡に関する条件の設
定が行われた後、続くステップS203において、混紡
の条件が適正か否かの判定が行われる。ここでは、現在
のプリント装置で使用している捺染インクの種類と、布
帛を構成する混紡繊維に適した捺染インクの種類との適
合を判断したり、設定された混紡を構成する材質の比率
が適正か否かの判断が行われる。ステップS203にて
適正であると判断された場合、ステップS104にて駆
動条件の設定が行われる。ステップS104の処理は、
図26に示したステップS103の処理と同じであり、
説明を省略する。また、ステップS203にて条件が適
正でないと判断された場合、ステップS206に処理を
進め、設定された条件が適正でない旨の報知や、再度混
紡の条件の設定を行うように使用者に促すための讐告処
理が実行される。
定が行われた後、続くステップS203において、混紡
の条件が適正か否かの判定が行われる。ここでは、現在
のプリント装置で使用している捺染インクの種類と、布
帛を構成する混紡繊維に適した捺染インクの種類との適
合を判断したり、設定された混紡を構成する材質の比率
が適正か否かの判断が行われる。ステップS203にて
適正であると判断された場合、ステップS104にて駆
動条件の設定が行われる。ステップS104の処理は、
図26に示したステップS103の処理と同じであり、
説明を省略する。また、ステップS203にて条件が適
正でないと判断された場合、ステップS206に処理を
進め、設定された条件が適正でない旨の報知や、再度混
紡の条件の設定を行うように使用者に促すための讐告処
理が実行される。
【0117】図25〜図27にて説明したように、あら
かじめ布帛を構成する繊維A, Bの材質や、それに応じ
た第1捺染インクおよび第2捺染インクの情報、ならび
に布帛の混紡比を指定しておき、それをCPU302に
て処理し、最適なヘッド200の駆動条件を設定して順
次送られてくる画像信号に基づいてヘッド200を駆動
して捺染を行う。
かじめ布帛を構成する繊維A, Bの材質や、それに応じ
た第1捺染インクおよび第2捺染インクの情報、ならび
に布帛の混紡比を指定しておき、それをCPU302に
て処理し、最適なヘッド200の駆動条件を設定して順
次送られてくる画像信号に基づいてヘッド200を駆動
して捺染を行う。
【0118】このような構成により、複雑な装置を必要
とすることなく、布帛を構成する混紡繊維に対応したイ
ンクを、布帛の混紡比に応じて適切な比率で混合して吐
出することができ、安定した良好な画像を捺染すること
ができる。
とすることなく、布帛を構成する混紡繊維に対応したイ
ンクを、布帛の混紡比に応じて適切な比率で混合して吐
出することができ、安定した良好な画像を捺染すること
ができる。
【0119】また、本発明のように第2捺染インクを第
1捺染インクと共に吐出させる形態では、温度上昇した
第2捺染インクを排出することができるため、第2捺染
インクの温度上昇を抑え、発泡状態を安定化させること
により、吐出安定性を高めることができる。
1捺染インクと共に吐出させる形態では、温度上昇した
第2捺染インクを排出することができるため、第2捺染
インクの温度上昇を抑え、発泡状態を安定化させること
により、吐出安定性を高めることができる。
【0120】<液体吐出ヘッドの製造>次に、本発明の
液体吐出ヘッドの製造工程について説明する。
液体吐出ヘッドの製造工程について説明する。
【0121】図2で示したような液体吐出ヘッドの場合
には、素子基板1上に可動部材31を設けるための土台
34をドライフィルムなどをパターニングすることで形
成し、この土台34に可動部材31を接着、もしくは溶
着固定した。その後、各液流路10を構成する複数の溝
と、吐出口18と、共通液室15を構成する凹部とを有
する溝付部材を、溝と可動部材31とが対応するような
状態で素子基板1に接合することで形成した。
には、素子基板1上に可動部材31を設けるための土台
34をドライフィルムなどをパターニングすることで形
成し、この土台34に可動部材31を接着、もしくは溶
着固定した。その後、各液流路10を構成する複数の溝
と、吐出口18と、共通液室15を構成する凹部とを有
する溝付部材を、溝と可動部材31とが対応するような
状態で素子基板1に接合することで形成した。
【0122】次に、図1や図14で示されるような2流
路構成の液体吐出ヘッドの製造工程について説明する。
路構成の液体吐出ヘッドの製造工程について説明する。
【0123】大まかには、素子基板1上に第2液流路1
6の壁を形成し、その上に分離壁30を取り付け、さら
にその上に第1液流路14を構成する溝などが設けられ
た溝付き部材50を取り付ける。もしくは、第2液流路
16の壁を形成した後、この壁の上に分離壁30を取り
付けた溝付き部材50を接合することでヘッドの製造を
行った。
6の壁を形成し、その上に分離壁30を取り付け、さら
にその上に第1液流路14を構成する溝などが設けられ
た溝付き部材50を取り付ける。もしくは、第2液流路
16の壁を形成した後、この壁の上に分離壁30を取り
付けた溝付き部材50を接合することでヘッドの製造を
行った。
【0124】さらに第2液流路の作製方法について詳し
く説明する。
く説明する。
【0125】図15(a) 〜(e) は、本発明の液体吐出ヘ
ッドの製造方法の第1の実施例を説明するための概略断
面図である。
ッドの製造方法の第1の実施例を説明するための概略断
面図である。
【0126】本実施例においては、図15(a) に示すよ
うに、素子基板(シリコンウェハ)1上に半導体製造工
程で用いるのと同様の製造装置を用いてハフニウムボラ
イドや窒化タンタルなどからなる発熱体2を有する電気
熱変換用素子を形成した後、次工程における感光性樹脂
との密着性の向上を目的として、素子基板1の表面に洗
浄を施した。さらに、密着性を向上させるには、素子基
板1の表面に紫外線−オゾンなどによる表面改質を行っ
た後、例えばシランカップリング剤(日本ユニカ製:A
189)をエチルアルコールで1重量%に希釈した液を
上記改質表面上にスピンコートすることで達成される。
うに、素子基板(シリコンウェハ)1上に半導体製造工
程で用いるのと同様の製造装置を用いてハフニウムボラ
イドや窒化タンタルなどからなる発熱体2を有する電気
熱変換用素子を形成した後、次工程における感光性樹脂
との密着性の向上を目的として、素子基板1の表面に洗
浄を施した。さらに、密着性を向上させるには、素子基
板1の表面に紫外線−オゾンなどによる表面改質を行っ
た後、例えばシランカップリング剤(日本ユニカ製:A
189)をエチルアルコールで1重量%に希釈した液を
上記改質表面上にスピンコートすることで達成される。
【0127】次に、表面洗浄を行い、密着性を向上した
基板1上に、図15(b) に示すように、紫外線感光性樹
脂フィルム(東京応化製:ドライフィルム オーディル
SY-318)DFをラミネートした。
基板1上に、図15(b) に示すように、紫外線感光性樹
脂フィルム(東京応化製:ドライフィルム オーディル
SY-318)DFをラミネートした。
【0128】次に、図15(c) に示すように、ドライフ
ィルムDF上にフォトマスクPMを配し、このフォトマ
スクPMを介してドライフィルムDFのうち、第2の流
路壁として残す部分に紫外線を照射した。この露光工程
は、キヤノン(株)製:MPA-600 を用いて行い、約60
0mJ/cm2 の露光量で行った。
ィルムDF上にフォトマスクPMを配し、このフォトマ
スクPMを介してドライフィルムDFのうち、第2の流
路壁として残す部分に紫外線を照射した。この露光工程
は、キヤノン(株)製:MPA-600 を用いて行い、約60
0mJ/cm2 の露光量で行った。
【0129】次に、図15(d) に示すように、ドライフ
ィルムDFを、キシレンとブチルセルソルブアセテート
との混合液からなる現像液(東京応化製:BMRC−3)で
現像し、未露光部分を溶解させ、露光して硬化した部分
を第2液流路16の壁部分として形成した。さらに、素
子基板1表面に残った残渣を酸素プラズマアッシング装
置(アルカンテック社製:MAS-800 )で約90秒間処理
して取り除き、引き続き、150℃で2時間、さらに紫
外線照射100mJ/cm2 を行って露光部分を完全に硬化
させた。
ィルムDFを、キシレンとブチルセルソルブアセテート
との混合液からなる現像液(東京応化製:BMRC−3)で
現像し、未露光部分を溶解させ、露光して硬化した部分
を第2液流路16の壁部分として形成した。さらに、素
子基板1表面に残った残渣を酸素プラズマアッシング装
置(アルカンテック社製:MAS-800 )で約90秒間処理
して取り除き、引き続き、150℃で2時間、さらに紫
外線照射100mJ/cm2 を行って露光部分を完全に硬化
させた。
【0130】以上の方法により、上記シリコン基板から
分割、作製される複数のヒータボード(素子基板1)に
対し、一様に第2の液流路を精度よく形成することがで
きる。シリコン基板を、厚さ0. 05mmのダイヤモンド
ブレードを取り付けたダイシングマシン(東京精密製:
AWD-4000)で各々のヒータボード1に切断、分離した。
分離されたヒータボード1を接着剤(東レ製:SE4400)
でアルミニウムベースプレート70上に固定した(図1
8参照)。次いで、予めアルミニウムベースプレート7
0上に接合しておいたプリント配線基板71と、ヒータ
ボード1とを直径0. 05mmの図示しないアルミニウ
ムワイヤで接続した。
分割、作製される複数のヒータボード(素子基板1)に
対し、一様に第2の液流路を精度よく形成することがで
きる。シリコン基板を、厚さ0. 05mmのダイヤモンド
ブレードを取り付けたダイシングマシン(東京精密製:
AWD-4000)で各々のヒータボード1に切断、分離した。
分離されたヒータボード1を接着剤(東レ製:SE4400)
でアルミニウムベースプレート70上に固定した(図1
8参照)。次いで、予めアルミニウムベースプレート7
0上に接合しておいたプリント配線基板71と、ヒータ
ボード1とを直径0. 05mmの図示しないアルミニウ
ムワイヤで接続した。
【0131】次に、このようにして得られたヒータボー
ド1に、図15(e) に示すように、上述の方法で溝付部
材50と分離壁30との接合体を位置決め接合した。す
なわち、分離壁30を有する溝付部材とヒータボード1
とを位置決めし、押さえばね78により係合、固定した
後、インク・第2捺染インク用供給部材80をアルミニ
ウムベースプレート70上に接合固定し、アルミニウム
ワイヤ間、溝付部材50とヒータボード1とインク・第
2捺染インク用供給部材80との隙間をそれぞれシリコ
ーンシーラント(東芝シリコーン製:TSE399)で封止し
て完成させた。
ド1に、図15(e) に示すように、上述の方法で溝付部
材50と分離壁30との接合体を位置決め接合した。す
なわち、分離壁30を有する溝付部材とヒータボード1
とを位置決めし、押さえばね78により係合、固定した
後、インク・第2捺染インク用供給部材80をアルミニ
ウムベースプレート70上に接合固定し、アルミニウム
ワイヤ間、溝付部材50とヒータボード1とインク・第
2捺染インク用供給部材80との隙間をそれぞれシリコ
ーンシーラント(東芝シリコーン製:TSE399)で封止し
て完成させた。
【0132】以上の製法で、第2の液流路を形成するこ
とにより、各ヒータボード1のヒータに対して位置ズレ
のない精度の良い流路を得ることができる。特に、溝付
部材50と分離壁30とをあらかじめ先の工程で接合し
ておくことで、第1液流路14と可動部材31の位置精
度を高めることができる。
とにより、各ヒータボード1のヒータに対して位置ズレ
のない精度の良い流路を得ることができる。特に、溝付
部材50と分離壁30とをあらかじめ先の工程で接合し
ておくことで、第1液流路14と可動部材31の位置精
度を高めることができる。
【0133】そして、これらの高精度製造技術によっ
て、吐出安定化が図られ、印字品位が向上する。また、
ウェハ上に一括で形成することが可能なため、多量に低
コストで製造することが可能である。
て、吐出安定化が図られ、印字品位が向上する。また、
ウェハ上に一括で形成することが可能なため、多量に低
コストで製造することが可能である。
【0134】なお、本実施例では、第2の液流路を形成
するために紫外線硬化型のドライフィルムを用いたが、
紫外域、特に248nm付近に吸収帯域をもつ樹脂を用
い、ラミネート後、硬化させ、エキシマレーザで第2の
液流路となる部分の樹脂を直接除去することによっても
得ることが可能である。
するために紫外線硬化型のドライフィルムを用いたが、
紫外域、特に248nm付近に吸収帯域をもつ樹脂を用
い、ラミネート後、硬化させ、エキシマレーザで第2の
液流路となる部分の樹脂を直接除去することによっても
得ることが可能である。
【0135】図16(a) 〜(d) は、本発明の液体吐出ヘ
ッドの製造方法の第2の実施例を説明するための概略断
面図である。
ッドの製造方法の第2の実施例を説明するための概略断
面図である。
【0136】本実施例においては、図16(a) に示すよ
うに、SUS基板100上に厚さ15μmのレジスト1
01を第2の液流路の形状でパターニングした。
うに、SUS基板100上に厚さ15μmのレジスト1
01を第2の液流路の形状でパターニングした。
【0137】次に、図16(b) に示すように、SUS基
板100に対して電気メッキを行ってSUS基板100
上にニッケル層102を同じく15μm成長させた。メ
ッキ液としては、スルフォミン酸ニッケルに応力減少剤
(ワールドメタル社製:ゼロオール)とほう酸、ピット
防止剤(ワールドメタル社製:NP-APS)、塩化ニッケル
を使用した。電着時の電界のかけ方としては、アノード
側に電極を付け、カソード側に既にパターニングしたS
US基板100を取り付け、メッキ液の温度を50℃と
し、電流密度を5A/cm2 とした。
板100に対して電気メッキを行ってSUS基板100
上にニッケル層102を同じく15μm成長させた。メ
ッキ液としては、スルフォミン酸ニッケルに応力減少剤
(ワールドメタル社製:ゼロオール)とほう酸、ピット
防止剤(ワールドメタル社製:NP-APS)、塩化ニッケル
を使用した。電着時の電界のかけ方としては、アノード
側に電極を付け、カソード側に既にパターニングしたS
US基板100を取り付け、メッキ液の温度を50℃と
し、電流密度を5A/cm2 とした。
【0138】次に、図16(c) に示すように、上記のよ
うなメッキを終了したSUS基板100に超音波振動を
与え、所望の第2の液流路が形成されたニッケル層10
2の部分をSUS基板100から剥離した。
うなメッキを終了したSUS基板100に超音波振動を
与え、所望の第2の液流路が形成されたニッケル層10
2の部分をSUS基板100から剥離した。
【0139】一方、電気熱変換用素子を配設したヒータ
ボードを、半導体と同様の製造装置を用いてシリコンウ
ェハに形成した。このウェハを先の実施例と同様に、ダ
イシングマシンで各々のヒータボードに分離した。この
ヒータボード1を、予めプリント配線基板が接合された
アルミニウムベースプレート70に接合し、プリント配
線基板と図示しないアルミニウムワイヤとを接続するこ
とで電気的配線を形成した。このような状態のヒータボ
ード1上に、図16(d) に示すように、先の工程で得た
第2液流路が形成されたニッケル層102を位置決め固
定した。この固定に際しては、後工程で第1の実施例と
同様に分離壁を固定した天板と押さえばねによって係合
・密着されるため、天板接合時に位置ずれが発生しない
程度に固定されていれば十分である。
ボードを、半導体と同様の製造装置を用いてシリコンウ
ェハに形成した。このウェハを先の実施例と同様に、ダ
イシングマシンで各々のヒータボードに分離した。この
ヒータボード1を、予めプリント配線基板が接合された
アルミニウムベースプレート70に接合し、プリント配
線基板と図示しないアルミニウムワイヤとを接続するこ
とで電気的配線を形成した。このような状態のヒータボ
ード1上に、図16(d) に示すように、先の工程で得た
第2液流路が形成されたニッケル層102を位置決め固
定した。この固定に際しては、後工程で第1の実施例と
同様に分離壁を固定した天板と押さえばねによって係合
・密着されるため、天板接合時に位置ずれが発生しない
程度に固定されていれば十分である。
【0140】本実施例では、上記位置決め固定に紫外線
硬化型接着剤(グレースジャパン製:アミコンUV-300)
を塗布し、紫外線照射装置を用い、露光量を100mJ/
cm2として約3秒間で固定を完了した。
硬化型接着剤(グレースジャパン製:アミコンUV-300)
を塗布し、紫外線照射装置を用い、露光量を100mJ/
cm2として約3秒間で固定を完了した。
【0141】本実施例の製法によれば、発熱体2に対し
て位置ずれのない精度の高い第2の液流路を形成するこ
とができることに加え、ニッケルで流路壁を形成してい
るため、アルカリ性の捺染インクに強く、信頼性の高い
ヘッドを提供することが可能となる。
て位置ずれのない精度の高い第2の液流路を形成するこ
とができることに加え、ニッケルで流路壁を形成してい
るため、アルカリ性の捺染インクに強く、信頼性の高い
ヘッドを提供することが可能となる。
【0142】図17(a) 〜(d) は、本発明の液体吐出ヘ
ッドの製造方法の第3の実施例を説明するための概略断
面図である。
ッドの製造方法の第3の実施例を説明するための概略断
面図である。
【0143】本実施例においては、図17(a) に示すよ
うに、アライメント穴あるいはマーク100aを有する
厚さ15μmのSUS基板100の両面にレジスト10
30を塗布した。ここで、レジストとしては、東京応化
製のPMERP-AR900 を使用した。
うに、アライメント穴あるいはマーク100aを有する
厚さ15μmのSUS基板100の両面にレジスト10
30を塗布した。ここで、レジストとしては、東京応化
製のPMERP-AR900 を使用した。
【0144】この後、図17(b) に示すように、SUS
基板100のアライメント穴100aに合わせて、露光
装置(キヤノン(株)製:MPA-600 )を用いて露光し、
第2の液流路を形成すべき部分のレジスト1030を除
去した。露光は800mJ/cm2 の露光量で行った。
基板100のアライメント穴100aに合わせて、露光
装置(キヤノン(株)製:MPA-600 )を用いて露光し、
第2の液流路を形成すべき部分のレジスト1030を除
去した。露光は800mJ/cm2 の露光量で行った。
【0145】次に、図17(c) に示すように、両面のレ
ジスト1030がパターニングされたSUS基板100
を、エッチング液(塩化第2鉄または塩化第2銅の水溶
液)に浸漬し、レジスト1030から露出している部分
をエッチングした後、レジストを剥離した。
ジスト1030がパターニングされたSUS基板100
を、エッチング液(塩化第2鉄または塩化第2銅の水溶
液)に浸漬し、レジスト1030から露出している部分
をエッチングした後、レジストを剥離した。
【0146】次に、図17(d) に示すように、先の製造
方法の実施例と同様に、ヒータボード1上に、エッチン
グされたSUS基板100を位置決め固定して第2の液
流路16を有する液体吐出ヘッドを組み立てた。
方法の実施例と同様に、ヒータボード1上に、エッチン
グされたSUS基板100を位置決め固定して第2の液
流路16を有する液体吐出ヘッドを組み立てた。
【0147】本実施例の製法によれば、ヒータに対し位
置ずれのない精度の高い第2液流路16を形成すること
ができることに加え、ステンレス鋼で流路を形成してい
るため、酸やアルカリ性の捺染インクに強く信頼性の高
い液体吐出ヘッドを提供することができる。
置ずれのない精度の高い第2液流路16を形成すること
ができることに加え、ステンレス鋼で流路を形成してい
るため、酸やアルカリ性の捺染インクに強く信頼性の高
い液体吐出ヘッドを提供することができる。
【0148】以上説明したように、本実施例の製造方法
によれば、素子基板100の上に予め第2液流路の壁を
配設することによって、電気熱変換体と第2液流路とが
高精度に位置決めすることが可能となる。また、切断、
分離前の基板上の多数の素子基板に対して第2の液流路
を同時に形成することができるので、多量に、かつ、低
コストの液体吐出ヘッドを提供することができる。
によれば、素子基板100の上に予め第2液流路の壁を
配設することによって、電気熱変換体と第2液流路とが
高精度に位置決めすることが可能となる。また、切断、
分離前の基板上の多数の素子基板に対して第2の液流路
を同時に形成することができるので、多量に、かつ、低
コストの液体吐出ヘッドを提供することができる。
【0149】また、本実施例の製造方法の液体吐出ヘッ
ドの製造方法を実施することによって得られた液体吐出
ヘッドは、発熱体2と第2液流路とを高精度に位置決め
されているので、電気熱変換体の発熱による発泡の圧力
を効率よく受けることができ、吐出効率に優れたものと
なる。
ドの製造方法を実施することによって得られた液体吐出
ヘッドは、発熱体2と第2液流路とを高精度に位置決め
されているので、電気熱変換体の発熱による発泡の圧力
を効率よく受けることができ、吐出効率に優れたものと
なる。
【0150】また、捺染装置は、一般に産業用として用
いられるが、インクジェット方式を採用したインクジェ
ット捺染装置においては、その構成上、小型化も可能で
あり、比較的小さな布帛に対しても画像の形成が行える
ようなインクジェット捺染装置は、アパレル産業におい
ても充分利便性が高く、また、一層の小型化が達成され
ればパーソナルユースでの捺染も行えるため、装置の小
型化の要望も高い。装置の小型化を達成するため、イン
クの供給系のコンパクト化は重要な技術であり、その実
現のためインクジェット方式を採用したプリンタで用い
られる技術の応用も重要な技術である。
いられるが、インクジェット方式を採用したインクジェ
ット捺染装置においては、その構成上、小型化も可能で
あり、比較的小さな布帛に対しても画像の形成が行える
ようなインクジェット捺染装置は、アパレル産業におい
ても充分利便性が高く、また、一層の小型化が達成され
ればパーソナルユースでの捺染も行えるため、装置の小
型化の要望も高い。装置の小型化を達成するため、イン
クの供給系のコンパクト化は重要な技術であり、その実
現のためインクジェット方式を採用したプリンタで用い
られる技術の応用も重要な技術である。
【0151】以下に、パーソナルユースとして用いられ
る液体吐出装置の具体例として、液体を収容する液体容
器と液体を吐出する液体吐出ヘッドとを一体化した液体
吐出ヘッドカートリッジの構成および液体吐出装置の構
成を説明する。
る液体吐出装置の具体例として、液体を収容する液体容
器と液体を吐出する液体吐出ヘッドとを一体化した液体
吐出ヘッドカートリッジの構成および液体吐出装置の構
成を説明する。
【0152】<液体吐出ヘッドカートリッジ>図18
は、前述した液体吐出ヘッドを含む液体吐出ヘッドカー
トリッジの模式的分解斜視図であり、液体吐出ヘッドカ
ートリッジは、主に液体吐出ヘッド部200と液体容器
80とから概略構成されている。
は、前述した液体吐出ヘッドを含む液体吐出ヘッドカー
トリッジの模式的分解斜視図であり、液体吐出ヘッドカ
ートリッジは、主に液体吐出ヘッド部200と液体容器
80とから概略構成されている。
【0153】液体吐出ヘッド部200は、素子基板1、
分離壁30、溝付部材50、押さえばね78、液体供給
部材90、支持体70などからなっている。素子基板1
には、前述のように第2捺染インクに熱を与えるための
発熱抵抗体が、複数個、列状に設けられており、また、
この発熱抵抗体を選択的に駆動するための機能素子が複
数設けられている。この素子基板1と可動部材を有する
前述の分離壁30との間に第2液流路が形成され、第2
捺染インクが流通する。この分離壁30と溝付天板50
との接合によって、吐出される捺染インクの図示しない
吐出流路が形成される。
分離壁30、溝付部材50、押さえばね78、液体供給
部材90、支持体70などからなっている。素子基板1
には、前述のように第2捺染インクに熱を与えるための
発熱抵抗体が、複数個、列状に設けられており、また、
この発熱抵抗体を選択的に駆動するための機能素子が複
数設けられている。この素子基板1と可動部材を有する
前述の分離壁30との間に第2液流路が形成され、第2
捺染インクが流通する。この分離壁30と溝付天板50
との接合によって、吐出される捺染インクの図示しない
吐出流路が形成される。
【0154】押さえばね78は、溝付部材50に素子基
板1方向への付勢力を作用させる部材であり、この付勢
力により素子基板1、分離壁30、溝付部材50と、後
述する支持体70とを良好に一体化させている。
板1方向への付勢力を作用させる部材であり、この付勢
力により素子基板1、分離壁30、溝付部材50と、後
述する支持体70とを良好に一体化させている。
【0155】支持体70は、素子基板1などを支持する
ためのものであり、この支持体70上にはさらに素子基
板1に接続し電気信号を供給するための回路基板71
や、装置側と接続することで装置側と電気信号のやりと
りを行うためのコンタクトパッド72が配置されてい
る。
ためのものであり、この支持体70上にはさらに素子基
板1に接続し電気信号を供給するための回路基板71
や、装置側と接続することで装置側と電気信号のやりと
りを行うためのコンタクトパッド72が配置されてい
る。
【0156】液体容器90は、液体吐出ヘッドに供給さ
れる第1捺染インクと気泡を発生させるための第2捺染
インクとを内部に区分収容している。液体容器90の外
側には、液体吐出ヘッドと液体容器との接続を行う接続
部材を配置するための位置決め部94と接続部を固定す
るための固定軸95が設けられている。第1捺染インク
の供給は、液体容器90の第1捺染インク供給路92か
ら接続部材の供給路84を介して液体供給部材80の第
1捺染インク供給路81に供給され、各部材の第1捺染
インク供給路83, 71, 21を介して第1の共通液室
に供給される。第2捺染インクも同様に、液体容器の供
給路93から接続部材の供給路を介して液体供給部材8
0の第2捺染インク供給路82に供給され、各部材の第
2捺染インク供給路84, 71, 22を介して第2液室
に供給される。
れる第1捺染インクと気泡を発生させるための第2捺染
インクとを内部に区分収容している。液体容器90の外
側には、液体吐出ヘッドと液体容器との接続を行う接続
部材を配置するための位置決め部94と接続部を固定す
るための固定軸95が設けられている。第1捺染インク
の供給は、液体容器90の第1捺染インク供給路92か
ら接続部材の供給路84を介して液体供給部材80の第
1捺染インク供給路81に供給され、各部材の第1捺染
インク供給路83, 71, 21を介して第1の共通液室
に供給される。第2捺染インクも同様に、液体容器の供
給路93から接続部材の供給路を介して液体供給部材8
0の第2捺染インク供給路82に供給され、各部材の第
2捺染インク供給路84, 71, 22を介して第2液室
に供給される。
【0157】なお、この液体容器90には、各捺染イン
クの消費後に捺染インクを再充填して使用してもよい。
このためには液体容器90に液体注入口を設けておくこ
とが望ましい。又、液体吐出ヘッドと液体容器とは一体
であってもよく、分離可能としてもよい。
クの消費後に捺染インクを再充填して使用してもよい。
このためには液体容器90に液体注入口を設けておくこ
とが望ましい。又、液体吐出ヘッドと液体容器とは一体
であってもよく、分離可能としてもよい。
【0158】<液体吐出装置>図19は、前述の液体吐
出ヘッドを搭載したプリント装置の概略構成を示してい
る。捺染インクを用いた本実施例のプリント装置のキャ
リッジHCは、リードスクリュー85に沿って往復移動
可能であり、インクを収容する液体タンク部90と液体
吐出ヘッド部200とが着脱可能なヘッドカートリッジ
を搭載しており、布帛搬送手段で搬送される混紡布地な
どの布帛150の幅方向に往復移動する。
出ヘッドを搭載したプリント装置の概略構成を示してい
る。捺染インクを用いた本実施例のプリント装置のキャ
リッジHCは、リードスクリュー85に沿って往復移動
可能であり、インクを収容する液体タンク部90と液体
吐出ヘッド部200とが着脱可能なヘッドカートリッジ
を搭載しており、布帛搬送手段で搬送される混紡布地な
どの布帛150の幅方向に往復移動する。
【0159】図示しない駆動信号供給手段からキャリッ
ジHC上の液体吐出手段に駆動信号が供給されると、こ
の信号に応じて液体吐出ヘッドから混紡布地に対して捺
染インクが吐出される。図19において、符号86は、
液体吐出ヘッドの前面をキャップするキャップ部材であ
り、87はこのキャップ部材86内の吸引する吸引手段
である。液体吐出ヘッドは、これらの手段により吸引回
復処理を受けることで、目詰まりなどの防止がなされ
る。
ジHC上の液体吐出手段に駆動信号が供給されると、こ
の信号に応じて液体吐出ヘッドから混紡布地に対して捺
染インクが吐出される。図19において、符号86は、
液体吐出ヘッドの前面をキャップするキャップ部材であ
り、87はこのキャップ部材86内の吸引する吸引手段
である。液体吐出ヘッドは、これらの手段により吸引回
復処理を受けることで、目詰まりなどの防止がなされ
る。
【0160】また、本実施例のプリント装置において
は、布帛搬送手段とキャリッジを駆動するための駆動源
としてのモータ111、駆動源からの動力をキャリッジ
に伝えるためのギア112, 113、キャリッジ軸11
5などを有している。このプリント装置により、各種の
混紡布地に対して捺染インクを吐出することで良好な画
像のプリント物を得ることができた。
は、布帛搬送手段とキャリッジを駆動するための駆動源
としてのモータ111、駆動源からの動力をキャリッジ
に伝えるためのギア112, 113、キャリッジ軸11
5などを有している。このプリント装置により、各種の
混紡布地に対して捺染インクを吐出することで良好な画
像のプリント物を得ることができた。
【0161】図20は、本発明の捺染インク吐出方法を
実現し得るインク吐出のための装置全体のブロック図で
ある。
実現し得るインク吐出のための装置全体のブロック図で
ある。
【0162】プリント装置は、ホストコンピュータ30
0より画像情報を制御信号として受ける。画像情報は、
プリント装置内部の入力インタフェース301に一時保
存されると同時に、プリント装置内で処理可能なデータ
に変換され、ヘッド駆動信号供給手段を兼ねるCPU3
02に入力される。CPU302は、ROM303に保
存されている制御プログラムに基づき、前記CPU30
2に入力されたデータをRAM304などの周辺ユニッ
トを用いて処理し、印字するデータ(画像データ)に変
換する。
0より画像情報を制御信号として受ける。画像情報は、
プリント装置内部の入力インタフェース301に一時保
存されると同時に、プリント装置内で処理可能なデータ
に変換され、ヘッド駆動信号供給手段を兼ねるCPU3
02に入力される。CPU302は、ROM303に保
存されている制御プログラムに基づき、前記CPU30
2に入力されたデータをRAM304などの周辺ユニッ
トを用いて処理し、印字するデータ(画像データ)に変
換する。
【0163】また、CPU302は前記画像データをプ
リント用紙上の適当な位置にプリントするために、画像
データに同期して布帛およびプリントヘッドを移動する
駆動用モータを駆動するための駆動データを作る。画像
データおよびモータ駆動データは、各々ヘッドドライバ
307およびモータドライバ305を介し、ヘッド20
0および駆動モータ306に伝達され、それぞれ制御さ
れたタイミングで駆動され画像を形成する。
リント用紙上の適当な位置にプリントするために、画像
データに同期して布帛およびプリントヘッドを移動する
駆動用モータを駆動するための駆動データを作る。画像
データおよびモータ駆動データは、各々ヘッドドライバ
307およびモータドライバ305を介し、ヘッド20
0および駆動モータ306に伝達され、それぞれ制御さ
れたタイミングで駆動され画像を形成する。
【0164】上述した図20においては、図25を用い
て説明した本発明の主要な構成のうち、布帛の条件を設
定する手段や、複数の捺染インクを混合して吐出するた
めの制御手段については図示されていない。この図20
においては、混紡の条件の設定は、プリント装置に接続
されるホストコンピュータ300により入出力インタフ
ェース301を介して行われ、また、設定された混紡の
条件に基づいて例えばROM303に格納される駆動条
件設定テーブルを参照することで混紡に対応した駆動条
件の設定を行うことができる。
て説明した本発明の主要な構成のうち、布帛の条件を設
定する手段や、複数の捺染インクを混合して吐出するた
めの制御手段については図示されていない。この図20
においては、混紡の条件の設定は、プリント装置に接続
されるホストコンピュータ300により入出力インタフ
ェース301を介して行われ、また、設定された混紡の
条件に基づいて例えばROM303に格納される駆動条
件設定テーブルを参照することで混紡に対応した駆動条
件の設定を行うことができる。
【0165】次に、図25に示した本発明の主要な構成
を有する装置全体のブロック図の一例を図28に示す。
図20の構成と一致する構成については同じ符号を付し
ている。図28においては、布帛を構成する混紡繊維の
構成比、および布帛を構成する混紡繊維の種類を設定す
るための設定手段315が設けられている。この設定手
段315は、図25に示した構成のうち、材質設定手段
311と混紡比設定手段310とに相当する。図28の
構成においては、CPU302は、設定手段315によ
り設定される混紡の条件に基づいてROM303に格納
される配動条件設定テーブルを参照し、ヘッド200を
駆動するための駆動条件の設定を行う。設定された駆動
条件については、RAM304に格納する構成を採用し
てもよい。また、布帛を構成する混紡繊維の条件を、図
20に示した構成と同様にホストコンピュータ300に
よって設定可能としてもよく、その場合、ホストコンピ
ュータ300で設定される条件、または設定手段315
で設定される条件の何れかを選択して駆動条件の設定を
行ったり、何れかで設定される条件を優先的に用いて駆
動条件の設定を行えばよい。
を有する装置全体のブロック図の一例を図28に示す。
図20の構成と一致する構成については同じ符号を付し
ている。図28においては、布帛を構成する混紡繊維の
構成比、および布帛を構成する混紡繊維の種類を設定す
るための設定手段315が設けられている。この設定手
段315は、図25に示した構成のうち、材質設定手段
311と混紡比設定手段310とに相当する。図28の
構成においては、CPU302は、設定手段315によ
り設定される混紡の条件に基づいてROM303に格納
される配動条件設定テーブルを参照し、ヘッド200を
駆動するための駆動条件の設定を行う。設定された駆動
条件については、RAM304に格納する構成を採用し
てもよい。また、布帛を構成する混紡繊維の条件を、図
20に示した構成と同様にホストコンピュータ300に
よって設定可能としてもよく、その場合、ホストコンピ
ュータ300で設定される条件、または設定手段315
で設定される条件の何れかを選択して駆動条件の設定を
行ったり、何れかで設定される条件を優先的に用いて駆
動条件の設定を行えばよい。
【0166】<プリントシステム>次に、本発明による
吐出ヘッドをプリントヘッドとして用い、混紡布地に対
してプリントを行う、インクジェットプリントシステム
の一例を説明する。
吐出ヘッドをプリントヘッドとして用い、混紡布地に対
してプリントを行う、インクジェットプリントシステム
の一例を説明する。
【0167】図21は、前述した本発明の液体吐出ヘッ
ド201を用いたインクジェットプリントシステムの構
成を説明するための模式図である。本実施例における液
体吐出ヘッド201a〜201dは、混紡布地150の
プリント可能幅に対応した長さに360dpi の間隔で吐
出口を複数配したフルライン型、つまり混紡布地のプリ
ント領域の全幅(図中、Y方向)に亙って吐出口が配列
するものであり、イエロー(Y), マゼンタ(M), シ
アン(C), ブラック(Bk)の4色に対応した4つの
ヘッド201a〜201dをホルダ202によりX方向
に所定の間隔を持って互いに平行に固定支持されてい
る。
ド201を用いたインクジェットプリントシステムの構
成を説明するための模式図である。本実施例における液
体吐出ヘッド201a〜201dは、混紡布地150の
プリント可能幅に対応した長さに360dpi の間隔で吐
出口を複数配したフルライン型、つまり混紡布地のプリ
ント領域の全幅(図中、Y方向)に亙って吐出口が配列
するものであり、イエロー(Y), マゼンタ(M), シ
アン(C), ブラック(Bk)の4色に対応した4つの
ヘッド201a〜201dをホルダ202によりX方向
に所定の間隔を持って互いに平行に固定支持されてい
る。
【0168】これらのヘッド201a〜201dに対し
てそれぞれ駆動信号供給手段を構成するヘッドドライバ
307から信号が供給され、この信号に基づいて各ヘッ
ド201a〜201dの駆動がなされる。
てそれぞれ駆動信号供給手段を構成するヘッドドライバ
307から信号が供給され、この信号に基づいて各ヘッ
ド201a〜201dの駆動がなされる。
【0169】各ヘッド201a〜201dには、第1捺
染インクとしてY, M, C, Bkの4色の捺染インクが
それぞれ204a〜204dのインク容器から供給され
ている。なお、符号204eは、第2捺染インクが蓄え
られた第2捺染インク容器であり、この容器204eか
ら各ヘッド201a〜201dに第2捺染インクが供給
される構成になっている。
染インクとしてY, M, C, Bkの4色の捺染インクが
それぞれ204a〜204dのインク容器から供給され
ている。なお、符号204eは、第2捺染インクが蓄え
られた第2捺染インク容器であり、この容器204eか
ら各ヘッド201a〜201dに第2捺染インクが供給
される構成になっている。
【0170】また、各ヘッド201a〜201dの下方
には、内部にスポンジなどのインク吸収部材が配された
ヘッドキャップ203a〜203dが設けられており、
非プリント時に各ヘッド201a〜201dの吐出口を
覆うことで、ヘッド201a〜201dの保守をなすこ
とができる。
には、内部にスポンジなどのインク吸収部材が配された
ヘッドキャップ203a〜203dが設けられており、
非プリント時に各ヘッド201a〜201dの吐出口を
覆うことで、ヘッド201a〜201dの保守をなすこ
とができる。
【0171】符号206は、先の各実施例で説明したよ
うな各種、混紡布地を搬送するための搬送手段を構成す
る搬送ベルトである。搬送ベルト206は、各種ローラ
により所定の経路に引き回されており、モータドライバ
305に接続された駆動用ローラにより駆動される。
うな各種、混紡布地を搬送するための搬送手段を構成す
る搬送ベルトである。搬送ベルト206は、各種ローラ
により所定の経路に引き回されており、モータドライバ
305に接続された駆動用ローラにより駆動される。
【0172】本実施例のインクジェットプリントシステ
ムにおいては、プリントを行う前後に混紡布地に対して
各種の処理を行う前処理装置251および後処理装置2
52をそれぞれ混紡布地搬送経路の上流と下流に設けて
いる。
ムにおいては、プリントを行う前後に混紡布地に対して
各種の処理を行う前処理装置251および後処理装置2
52をそれぞれ混紡布地搬送経路の上流と下流に設けて
いる。
【0173】前処理と後処理は、プリントを行う混紡布
地の種類や捺染インクの種類に応じて、その処理内容が
異なるが、前処理として、紫外線とオゾンの照射を行
い、その表面を活性化することで捺染インクの付着性の
向上を図ることができる。また、静電気を生じやすい混
紡布地においては、静電気によってその表面にゴミが付
着しやすく、このゴミによって良好なプリントが妨げら
れる場合がある。このため、前処理としてイオナイザ装
置を用い、混紡布地の静電気を除去することで、混紡布
地からごみの除去を行うとよい。さらに、布帛の滲み防
止、先着率の向上などの観点から、布帛にアルカリ性物
質、水溶性物質、合成高分子、水溶性金属塩、尿素およ
びチオ尿素から選択される物質を付与する処理を前処理
として行えばよい。前処理としては、これらに限らず、
混紡布地の温度をプリントに適切な温度にする処理など
であってもよい。
地の種類や捺染インクの種類に応じて、その処理内容が
異なるが、前処理として、紫外線とオゾンの照射を行
い、その表面を活性化することで捺染インクの付着性の
向上を図ることができる。また、静電気を生じやすい混
紡布地においては、静電気によってその表面にゴミが付
着しやすく、このゴミによって良好なプリントが妨げら
れる場合がある。このため、前処理としてイオナイザ装
置を用い、混紡布地の静電気を除去することで、混紡布
地からごみの除去を行うとよい。さらに、布帛の滲み防
止、先着率の向上などの観点から、布帛にアルカリ性物
質、水溶性物質、合成高分子、水溶性金属塩、尿素およ
びチオ尿素から選択される物質を付与する処理を前処理
として行えばよい。前処理としては、これらに限らず、
混紡布地の温度をプリントに適切な温度にする処理など
であってもよい。
【0174】一方、後処理は、捺染インクが付与された
混紡布地に対して熱処理、紫外線照射などによる捺染イ
ンクの定着を促進する定着処理や、前処理で付与し未反
応で残った処理剤を洗浄する処理などを行うものであ
る。
混紡布地に対して熱処理、紫外線照射などによる捺染イ
ンクの定着を促進する定着処理や、前処理で付与し未反
応で残った処理剤を洗浄する処理などを行うものであ
る。
【0175】図22は、本発明のインクジェットプリン
ト方法を捺染システムとして構成したものの概略構成を
示す模式的側断面図である。
ト方法を捺染システムとして構成したものの概略構成を
示す模式的側断面図である。
【0176】ここで、150はプリント媒体である混紡
布帛であり、図示しないモータによって駆動される巻出
しローラ310の回転に応じて巻き出され、中間ローラ
320, 330を介して搬送手段205に至る。搬送手
段205は、プリント部207に対抗する部位に設けら
れ、この搬送手段205により実質的に水平方向に搬送
された後、送りローラ140および中間ローラ550,
530, 540を介して巻取りローラ560によって巻
き取られる。
布帛であり、図示しないモータによって駆動される巻出
しローラ310の回転に応じて巻き出され、中間ローラ
320, 330を介して搬送手段205に至る。搬送手
段205は、プリント部207に対抗する部位に設けら
れ、この搬送手段205により実質的に水平方向に搬送
された後、送りローラ140および中間ローラ550,
530, 540を介して巻取りローラ560によって巻
き取られる。
【0177】図23は、本システムの全体概略斜視図で
ある。ここで、枠体1050の内部には、混紡布帛15
0の搬送方向に直交した主走査方向に一対の平行なガイ
ドレール1020が配されている。このガイドレール1
020上には、リニアボールベアリング1011を介し
てキャリッジHCがあり、キャリッジHCが主走査方向
に往復移動できるような構成となっている。なお、キャ
リッジHCは、枠体1050の一側壁に固定された図示
しない駆動モータによって、図示しない駆動ベルトを介
して駆動される。また、キャリッジHCの内部下面に
は、混紡布帛150に対して画像形成を行うための図示
しない液体吐出ヘッドユニットが取り付けられている。
ある。ここで、枠体1050の内部には、混紡布帛15
0の搬送方向に直交した主走査方向に一対の平行なガイ
ドレール1020が配されている。このガイドレール1
020上には、リニアボールベアリング1011を介し
てキャリッジHCがあり、キャリッジHCが主走査方向
に往復移動できるような構成となっている。なお、キャ
リッジHCは、枠体1050の一側壁に固定された図示
しない駆動モータによって、図示しない駆動ベルトを介
して駆動される。また、キャリッジHCの内部下面に
は、混紡布帛150に対して画像形成を行うための図示
しない液体吐出ヘッドユニットが取り付けられている。
【0178】液体吐出ヘッドユニットには、所定方向に
多数の吐出口を配列した液体吐出ヘッド201を、上記
所定方向とは異なる方向に複数保持したものを1組と
し、かつ本例では、この液体吐出ヘッド201の組を搬
送方向に2段保持している。各組の液体吐出ヘッド20
1は、それぞれ色が異なる捺染インクに対応して複数個
を一組として設けられ、これによってカラープリントを
可能としている。
多数の吐出口を配列した液体吐出ヘッド201を、上記
所定方向とは異なる方向に複数保持したものを1組と
し、かつ本例では、この液体吐出ヘッド201の組を搬
送方向に2段保持している。各組の液体吐出ヘッド20
1は、それぞれ色が異なる捺染インクに対応して複数個
を一組として設けられ、これによってカラープリントを
可能としている。
【0179】液体吐出ヘッド201には、必要に応じて
複数のインク貯蔵タンク204からインク供給経路であ
る各中継チューブ類1040を介して種々の捺染インク
が供給されるように構成されている。インク供給経路の
詳細については後述するが、これらのインク供給経路は
キャリッジHCと同様に移動するので、移動のしやすさ
および破損防止のために図示しないケーブルベア内に配
置している。
複数のインク貯蔵タンク204からインク供給経路であ
る各中継チューブ類1040を介して種々の捺染インク
が供給されるように構成されている。インク供給経路の
詳細については後述するが、これらのインク供給経路は
キャリッジHCと同様に移動するので、移動のしやすさ
および破損防止のために図示しないケーブルベア内に配
置している。
【0180】また、液体吐出ヘッドユニットのホームポ
ジションの下部には、ヘッドキャップ203が設けられ
ている。ヘッドキャップ203は、非プリント時に各プ
リントヘッド201の吐出口面に当接されるものであ
り、非プリント時に各プリントヘッド201がヘッドキ
ャップ203と対抗する位置であるホームポジション位
置へ移動し、キャッピングを行う。液体吐出ヘッド20
1を空気中に長時間放置すると液流路内の捺染インクが
蒸発して増粘し、吐出が不安定になる。これを防ぐため
に、非プリント中は液流路を外気と遮断して密閉する。
ヘッドキャップ203の内部には、捺染インクで湿潤状
態に保たれた吸液材があり、ヘッドキャップ203の内
部を高湿潤度に維持して捺染インクの増粘を最小限に抑
えている。
ジションの下部には、ヘッドキャップ203が設けられ
ている。ヘッドキャップ203は、非プリント時に各プ
リントヘッド201の吐出口面に当接されるものであ
り、非プリント時に各プリントヘッド201がヘッドキ
ャップ203と対抗する位置であるホームポジション位
置へ移動し、キャッピングを行う。液体吐出ヘッド20
1を空気中に長時間放置すると液流路内の捺染インクが
蒸発して増粘し、吐出が不安定になる。これを防ぐため
に、非プリント中は液流路を外気と遮断して密閉する。
ヘッドキャップ203の内部には、捺染インクで湿潤状
態に保たれた吸液材があり、ヘッドキャップ203の内
部を高湿潤度に維持して捺染インクの増粘を最小限に抑
えている。
【0181】<ヘッドキット>以下に、液体吐出ヘッド
を有するヘッドキットを説明する。このヘッドキット
は、特に、インクジェット捺染装置をパーソナルユース
に採用した場合に有効であり、インクの残量が低下した
場合に使用者がインクの充填を容易にでき、かつプリン
トの再開を迅速に行うことができる点で有効である。
を有するヘッドキットを説明する。このヘッドキット
は、特に、インクジェット捺染装置をパーソナルユース
に採用した場合に有効であり、インクの残量が低下した
場合に使用者がインクの充填を容易にでき、かつプリン
トの再開を迅速に行うことができる点で有効である。
【0182】図24は、このようなヘッドキット500
を示した模式図であり、このヘッドキット500は、捺
染インクを吐出するインク吐出部511を有する本発明
のヘッド510と、このヘッド510と不可分もしくは
分離可能な本発明の液体容器であるインク容器520
と、このインク容器520に捺染インクを充填するため
の捺染インクを保持したインク充填手段とを、キット容
器501内に納めたものである。
を示した模式図であり、このヘッドキット500は、捺
染インクを吐出するインク吐出部511を有する本発明
のヘッド510と、このヘッド510と不可分もしくは
分離可能な本発明の液体容器であるインク容器520
と、このインク容器520に捺染インクを充填するため
の捺染インクを保持したインク充填手段とを、キット容
器501内に納めたものである。
【0183】捺染インクを消費し終わった場合には、イ
ンク容器520の大気連通口521やヘッド510との
接続部や、もしくはインク容器520の壁に開けた穴な
どに、インク充填手段の挿入部(注射針など)531の
一部を挿入し、この挿入部531を介してインク充填手
段内の捺染インクをインク容器520内に充填すればよ
い。
ンク容器520の大気連通口521やヘッド510との
接続部や、もしくはインク容器520の壁に開けた穴な
どに、インク充填手段の挿入部(注射針など)531の
一部を挿入し、この挿入部531を介してインク充填手
段内の捺染インクをインク容器520内に充填すればよ
い。
【0184】このように、本発明の液体吐出ヘッド51
0と、インク容器520やインク充填手段などを一つの
キット容器501内に納めてキットにすることで、捺染
インクが消費されてしまっても前述のようにすぐに、ま
た容易に捺染インクをインク容器520内に充填するこ
とができ、プリントの開始を迅速に行うことができる。
0と、インク容器520やインク充填手段などを一つの
キット容器501内に納めてキットにすることで、捺染
インクが消費されてしまっても前述のようにすぐに、ま
た容易に捺染インクをインク容器520内に充填するこ
とができ、プリントの開始を迅速に行うことができる。
【0185】なお、本実施例のヘッドキット500で
は、インク充填手段が含まれるもので説明を行ったが、
ヘッドキットとしては、インク充填手段を持たず、捺染
インクが充填された分離可能タイプのインク容器520
とヘッド510とがキット容器501内に納められてい
る形態のものであってもよい。
は、インク充填手段が含まれるもので説明を行ったが、
ヘッドキットとしては、インク充填手段を持たず、捺染
インクが充填された分離可能タイプのインク容器520
とヘッド510とがキット容器501内に納められてい
る形態のものであってもよい。
【0186】また、この図24では、インク容器520
に対して捺染インクを充填するインク充填手段のみを示
しているが、インク容器520の他に第2捺染インクを
第2捺染インク容器に充填するための第2捺染インク充
填手段をキット容器501内に納めた形態のものであっ
てもよい。
に対して捺染インクを充填するインク充填手段のみを示
しているが、インク容器520の他に第2捺染インクを
第2捺染インク容器に充填するための第2捺染インク充
填手段をキット容器501内に納めた形態のものであっ
てもよい。
【0187】
【発明の効果】本発明のインクジェットプリント方法お
よび装置によると、布帛、特に混紡布地、例えばポリエ
ステルなどの熱に不安定な分散染料など、水性インクに
よりプリント捺染する必要のある繊維と、綿などの水溶
性染料など、水性インクにより捺染する繊維とに対して
常に安定に、しかも混紡比にさして気を使うこともな
く、画像を捺染することができる。さらに、従来、混紡
に対しては複数のヘッドを用いてしか捺染できなかった
ものも、一種類のインクジェットヘッドで捺染可能とし
たことにより、非常にシンプルな捺染システムを構成す
ることが可能となった。
よび装置によると、布帛、特に混紡布地、例えばポリエ
ステルなどの熱に不安定な分散染料など、水性インクに
よりプリント捺染する必要のある繊維と、綿などの水溶
性染料など、水性インクにより捺染する繊維とに対して
常に安定に、しかも混紡比にさして気を使うこともな
く、画像を捺染することができる。さらに、従来、混紡
に対しては複数のヘッドを用いてしか捺染できなかった
ものも、一種類のインクジェットヘッドで捺染可能とし
たことにより、非常にシンプルな捺染システムを構成す
ることが可能となった。
【図1】本発明を実施し得る液体吐出ヘッドの一例を表
す断面図である。
す断面図である。
【図2】図1に示した液体吐出ヘッドの部分破断斜視図
である。
である。
【図3】可動部材の動作を説明するための概念図であ
る。
る。
【図4】可動部材と第1液流路の構造を説明するため概
念図である。
念図である。
【図5】可動部材と液流路の構造を説明するための概念
図である。
図である。
【図6】可動部材の他の形状を説明するための概念図で
ある。
ある。
【図7】発熱体面積とインク吐出量の関係を示すグラフ
である。
である。
【図8】可動部材と発熱体との配置関係を示す概念図で
ある。
ある。
【図9】発熱体のエッジと支点までの距離と可動部材の
変位量の関係を示すグラフである。
変位量の関係を示すグラフである。
【図10】発熱体と可動部材との配置関係を説明するた
めの模式図である。
めの模式図である。
【図11】本発明を実施し得る液体吐出ヘッドの他の一
例を表す縦断面図である。
例を表す縦断面図である。
【図12】駆動パルスの形状を示す模式図である。
【図13】本発明を実施し得る液体吐出ヘッドの供給路
を説明するための断面図である。
を説明するための断面図である。
【図14】本発明を実施し得る液体吐出ヘッドの概略構
造を表す分解斜視図である。
造を表す分解斜視図である。
【図15】本発明を実施し得る液体吐出ヘッドの製造方
法を説明するための工程図である。
法を説明するための工程図である。
【図16】本発明を実施し得る液体吐出ヘッドの製造方
法を説明するための工程図である。
法を説明するための工程図である。
【図17】本発明を実施し得る液体吐出ヘッドの製造方
法を説明するための工程図である。
法を説明するための工程図である。
【図18】液体吐出ヘッドカートリッジの分解斜視図で
ある。
ある。
【図19】液体吐出装置の概略構成図である。
【図20】装置全体のブロック図である。
【図21】プリントシステムを示す概念図である。
【図22】プリントシステムの他の例を示す概念図であ
る。
る。
【図23】図22に示したプリントシステムの外観を表
す斜視図である。
す斜視図である。
【図24】ヘッドキットの模式図である。
【図25】本発明の吐出混合比率の制御を実現するプリ
ント装置の主要な構成を表すブロック図である。
ント装置の主要な構成を表すブロック図である。
【図26】ヘッドの駆動条件を設定する処理の一例を示
すフローチャートである。
すフローチャートである。
【図27】ヘッドの駆動条件を設定する処理の別な例を
示すフローチャートである。
示すフローチャートである。
【図28】装置全体のブロック図である。
1 素子基板 2 発熱体 3 面積中心 10 液流路 11 気泡発生領域 12 供給路 13 共通液室 14 第1液流路 15 第1共通液室 16 第2液流路 17 第2共通液室 18 吐出口 19 狭窄部 20 第1供給路 21 第2供給路 22 第1液流路壁 23 第2液流路壁 24 凸部 30 分離壁 31 可動部材 32 自由端 33 支点 34 支持部材 35 スリット 36 気泡発生領域前壁 37 気泡発生領域側壁 40 気泡 45 液滴 50 溝付き部材 51 オリフィスプレート 70 支持体 78 ばね 80 供給部材 150 混紡布帛 200 ヘッド 201 液体吐出ヘッド 300 ホストコンピュータ 301 入出力インタフェース 302 CPU 303 ROM 304 RAM 307 ヘッドドライバ 310 混紡比設定手段 311 材質設定手段 312 吐出混合比率制御手段 315 設定手段
Claims (30)
- 【請求項1】 インクを吐出してプリント媒体に画像形
成を行うインクジェットプリント方法であって、 吐出口に連通した第1の液流路と、液体に熱を加えるこ
とでこの液体に気泡を発生させる気泡発生領域を有する
第2の液流路と、前記第1の液流路と前記気泡発生領域
との間に配され、前記吐出口側に自由端を有し、前記気
泡発生領域内での気泡の発生による圧力に基づいて前記
自由端を前記第1の液流路側に変位させて前記圧力を前
記第1の液流路の吐出口側に導く可動部材とを具えた液
体吐出ヘッドを用い、 前記第1の液流路に第1のインクを供給するステップ
と、 前記第2の液流路に、第2のインクを供給するステップ
と、 第2の液流路に供給された第2のインクを加熱発泡さ
せ、第1の液流路に供給された第1のインクと共に前記
吐出口から吐出させるステップとを具えたことを特徴と
するインクジェットプリント方法。 - 【請求項2】 前記第2のインクは、前記第1のインク
よりも熱的に安定なものであることを特徴とする請求項
1に記載のインクジェットプリント方法。 - 【請求項3】 前記プリント媒体は、2種類の材質から
構成され、前記第1のインクは前記プリント媒体を構成
する材質のうち、構成比率の多いほうの材質に対応した
インクであることを特徴とする請求項1に記載のインク
ジェットプリント方法。 - 【請求項4】 前記2種類の材質の構成比率を設定する
ステップと、 設定された構成比率に基づいて前記吐出口から吐出され
る前記第1のインクおよび前記第2のインクの割合を制
御するステップとをさらに具えたことを特徴とする請求
項3に記載のインクジェットプリント方法。 - 【請求項5】 前記吐出口から吐出される前記第1のイ
ンクおよび前記第2のインクの割合を制御するステップ
をさらに具えたことを特徴とする請求項1に記載のイン
クジェットプリント方法。 - 【請求項6】 前記プリント媒体は布帛であり、前記第
1のインクおよび前記第2のインクは、捺染に適合した
インクであることを特徴とする請求項1に記載のインク
ジェットプリント方法。 - 【請求項7】 前記布帛は、少なくとも2種類の繊維を
混紡したものであることを特徴とする請求項6に記載の
インクジェットプリント方法。 - 【請求項8】 前記布帛を構成する繊維の混紡率を設定
するステップと、 設定された混紡率に基づいて前記吐出口から吐出される
前記第1のインクおよび前記第2のインクの割合を制御
するステップをさらに具えたことを特徴とする請求項7
に記載のインクジェットプリント方法。 - 【請求項9】 前記布帛は、少なくとも2種類の繊維を
混紡したものであり、前記第1のインクは、前記布帛を
構成する繊維のうちの混紡率の多い方の繊維に対応した
ものであることを特徴とする請求項6に記載のインクジ
ェットプリント方法。 - 【請求項10】 前記布帛は、綿とポリエステルとを混
紡したものであることを特徴とする請求項7に記載のイ
ンクジェットプリント方法。 - 【請求項11】 前記第1のインクは、分散染料を含
み、前記第2のインクは、水溶性染料を含むものである
ことを特徴とする請求項10に記載のインクジェットプ
リント方法。 - 【請求項12】 前記可動部材の変位に伴って、発生し
た気泡の一部が前記第1の液流路に延在することを特徴
とする請求項1に記載のインクジェットプリント方法。 - 【請求項13】 前記気泡は、前記可動部材の変位中に
この可動部材に接触した状態があることを特徴とする請
求項1に記載のインクジェットプリント方法。 - 【請求項14】 前記第2のインクを加熱して気泡を発
生させるための発熱体が前記可動部材に面して設けられ
ており、前記気泡発生領域は、この発熱体と前記可動部
材との間にあることを特徴とする請求項1に記載のイン
クジェットプリント方法。 - 【請求項15】 前記発熱体の面積中心より、前記第1
のインクの流れの下流側に前記自由端が位置することを
特徴とする請求項14に記載のインクジェットプリント
方法。 - 【請求項16】 前記気泡は、前記発熱体が発生した熱
が前記第2のインクに伝えることで、この第2のインク
に膜沸騰現象を生じさせ、この膜沸騰現象によって発生
した気泡であることを特徴とする請求項14に記載のイ
ンクジェットプリント方法。 - 【請求項17】 前記発熱体上には、発熱体より上流側
の実質的に平坦、もしくはなだらかな内壁に沿って前記
第2のインクが供給されることを特徴とする請求項14
に記載のインクジェットプリント方法。 - 【請求項18】 前記発熱体の有効発泡領域の総てが前
記可動部材に面していることを特徴とする請求項14に
記載のインクジェットプリント方法。 - 【請求項19】 前記発熱体の全面が前記可動部材に面
していることを特徴とする請求項14に記載のインクジ
ェットプリント方法。 - 【請求項20】 前記可動部材の支点は、前記発熱体の
直上に位置していないことを特徴とする請求項14に記
載のインクジェットプリント方法。 - 【請求項21】 前記可動部材の前記自由端は、前記発
熱体よりも前記吐出口側に配されていることを特徴とす
る請求項14に記載のインクジェットプリント方法。 - 【請求項22】 インクを吐出してプリント媒体に画像
を形成するインクジェットプリント装置であって、 インクを吐出する吐出口に対応する第1の液流路と第2
の液流路とを有し、前記第1の液流路に供給される第1
のインクと、前記第2の液流路に供給される第2のイン
クとを共通の吐出口から吐出可能に構成される液体吐出
ヘッドの取り付け部と、 前記液体吐出ヘッドの吐出口から吐出される前記第1の
インクと前記第2のインクの混合比率を制御する混合比
率制御手段とを具えたことを特徴とするインクジェット
プリント装置。 - 【請求項23】 前記プリント媒体は、2種類の材質か
ら構成されることを特徴とする請求項22に記載のイン
クジェットプリント装置。 - 【請求項24】 前記2種類の材質の構成比率を設定す
る設定手段をさらに具え、 前記混合比率制御手段は、前記設定手段により設定され
た構成比率に基づいて前記吐出口から吐出される前記第
1のインクおよび前記第2のインクと比率を制御するも
のであることを特徴とする請求項23に記載のインクジ
ェットプリント装置。 - 【請求項25】 プリント媒体は布帛であり、前記第1
のインクおよび前記第2のインクは捺染に適合したイン
クであることを特徴とする請求項22に記載のインクジ
ェットプリント装置。 - 【請求項26】 前記布帛は、少なくとも2種類の繊維
を混紡したものであことを特徴とする請求項25に記載
のインクジェットプリント装置。 - 【請求項27】 前記布帛を構成する繊維の混紡率を設
定する設定手段をさらに具え、 前記混合比率制御手段は、前記設定手段により設定され
た混紡比率に基づいて前記吐出口から吐出される前記第
1のインクおよび前記第2のインクの比率を制御するも
のであることを特徴とする請求項26に記載のインクジ
ェットプリント装置。 - 【請求項28】 前記設定手段は、前記布帛を構成する
繊維の材質も設定可能であることを特徴とする請求項2
7に記載のインクジェットプリント装置。 - 【請求項29】 前記混合比率制御手段は、前記液体吐
出ヘッドの駆動条件を変更して吐出されるインクの混合
比率を制御するものであることを特徴とする請求項22
に記載のインクジェットプリント装置。 - 【請求項30】 前記液体吐出ヘッドは、吐出口に連通
した第1の液流路と、液体に熱を加えることでこの液体
に気泡を発生させる気泡発生領域を有する第2の液流路
と、前記第1の液流路と前記気泡発生領域との間に配さ
れ、前記吐出口側に自由端を有し、前記気泡発生領域内
での気泡の発生による圧力に基づいて前記自由端を前記
第1の液流路側に変位させて前記圧力を前記第1の液流
路の吐出口側に導く可動部材とを有することを特徴とす
る請求項22に記載のインクジェットプリント装置。
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- 1997-07-11 DE DE69734264T patent/DE69734264T2/de not_active Expired - Fee Related
- 1997-07-11 US US08/893,490 patent/US6302519B1/en not_active Expired - Fee Related
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