JPH1076308A - H形鋼の冷却装置 - Google Patents

H形鋼の冷却装置

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JPH1076308A
JPH1076308A JP23324896A JP23324896A JPH1076308A JP H1076308 A JPH1076308 A JP H1076308A JP 23324896 A JP23324896 A JP 23324896A JP 23324896 A JP23324896 A JP 23324896A JP H1076308 A JPH1076308 A JP H1076308A
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cooling
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cooling water
conduit
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Makoto Nakaseko
誠 中世古
Teruo Fujibayashi
晃夫 藤林
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 H形鋼のフランジの上下の冷却能力の調整、
および、どのようなフランジサイズのH形鋼においても
常にフィレット部の冷却を可能とする。 【解決手段】 搬送用ローラ6の上面とほぼ同じ高さの
基部を支点とし、H形鋼1のフランジ2の高さに合わせ
て上下に回動可能な、複数のノズル14を有する導管1
3を設ける。導管13の両端側の2箇所からバッファ2
0a、20b、ホース19、19を通して冷却水を供給
することによって、H形鋼1に対する冷却水供給量の上
下の配分が可能であり、導管13の中央部からバッファ
20c、ホース19を通して冷却水を供給することによ
って、常にH形鋼1のフィレット部の冷却が可能であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、H形鋼の製造ラ
インに設けられる、H形鋼を冷却するための装置に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】H形鋼は、そのフランジの上下で温度差
がつきやすく、そのため、H形鋼の全長方向の上下曲が
りが発生しやすかった。また、H形鋼のフランジとウェ
ブとの継ぎ目であるフィレット部は圧延後も熱がたまり
やすく、冷却床上でフランジの中央部が縮まることによ
る図10に示すような傘折れ変形の原因ともなってい
た。
【0003】また、図7に示すようなH形鋼の上下曲が
りの原因としては、H形鋼のウェブよりも下の部分の囲
まれた部位に熱がたまることによって、H形鋼のフラン
ジ下部の温度が高くなりやすいことから、冷却床で下曲
がりが発生する。従来、上下曲がりの対策として、フラ
ンジ面の内面や外面を冷却する方法としては、特開昭5
2−10447号公報、特開昭52−104451号公
報、特開昭56−30376号公報、特開昭61−27
27号公報等が開示されている(以下、「先行技術1」
という)。これらの先行技術1はいずれも、フランジ下
部の冷却をねらったものである。
【0004】しかしながら、フランジ下部の冷却を行な
っても完全にフランジ上部と下部との温度を同じにする
ことは難しく、結局は上下曲がりの発生を誘発してい
た。そして、近年H形鋼のウェブの薄肉化によって多発
しているウェブ波の発生を防止するために、フランジ全
体の冷却が必須となっているが、この場合はフランジ外
面全体の冷却に加えて、全長曲がりを防ぐためのフラン
ジ上下の冷却水の水量制御が必要となってきている。特
にフランジ全体を冷却する場合は、流下水によりフラン
ジ下部が過冷却されやすい。その技術としては、特開平
5−16909号公報、特公平5−30523号公報が
開示されている(以下、「先行技術2」という)。これ
らの先行技術2はいずれも、フランジ上部と下部との温
度差を考慮して、固定配設されたノズルの流量を高さ方
向で変えることによって、上下の冷却能を制御し、H形
鋼のフランジ温度を均一にしようとするものである。
【0005】しかしながら、H形鋼のフランジサイズが
異なると、下記〜の点が問題となる。 全フランジサイズに合わせたノズルのON、OFF
機構が必要で、設備が複雑になる。
【0006】 フランジサイズが異なる度に使用ノズ
ル本数が異なるので、冷却水送水量が大きく異なり、ひ
いては圧力変動が大きくなるので、冷却水量の制御性が
悪い。
【0007】 フランジ幅の小さいものには、冷却水
量の一部のみしか使用されないので、水の使用効率が悪
い。 ノズルの磨耗に偏りがあり、そのためのメンテナン
ス回数が多い。
【0008】一方、H形鋼のフランジの傘折れの防止を
目的として、フィレット部を冷却する技術が公知であ
る。その一例としては、例えばフランジ全幅冷却用のノ
ズルとフィレット部冷却用のノズルとを組み合わせた特
開昭62−174326号公報が開示されている(以
下、「先行技術3」という)。
【0009】しかしながら、先行技術3の方法は、フラ
ンジサイズが異なると、それに合わせてノズルヘッダー
の高さを移動させることが必要で、その移動機構に多大
な設備投資が必要であった。
【0010】また、全幅ノズルを中心部分で重ね合わせ
ることにより、フィレット部の冷却能力を高める冷却技
術として特公平7−90252号公報が開示されている
(以下、「先行技術4」という)。
【0011】しかしながら、先行技術4の方法もフラン
ジサイズが変更するとノズルヘッダー自体を動かさなけ
ればならず、機構的には複雑であった。また、フランジ
サイズが異なると、使用ノズル本数が変わるので、使用
する冷却水量の増減が激しく、それぞれに水量調整が複
雑であった。
【0012】以上から、現在までにフランジサイズが頻
繁に変更するH形鋼の製造ラインにおいて、フランジ上
下の冷却能力の調整が容易に可能で、更に、簡易的な方
法でフィレット部を選択的に冷却可能なフランジ冷却装
置が求められているが、かかる装置は未だ開発されてい
ない。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】従って、この発明の目
的は、かかる問題を解決するためになされたもので、H
形鋼のフランジサイズ変更時において、H形鋼のフラン
ジ上下の冷却能力の調整が可能であり、また、どのフラ
ンジサイズにおいても常にフィレット部の冷却が可能で
あるH形鋼の冷却装置を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
H形鋼等の製造ラインに設置されるH形鋼の冷却装置に
おいて、H形鋼の搬送用ローラの上面とほぼ同じ高さを
支点として上下に回動可能な、複数のノズルを有する導
管と、前記導管を回動させるための駆動機構と、前記導
管の2箇所以上から冷却水を供給可能な冷却水供給機構
とからなり、前記導管は前記H形鋼のフランジの高さに
対応して回動可能であり、前記導管の2箇所以上から冷
却水を供給することにより前記H形鋼に対する冷却水供
給量の上下の配分が可能であることに特徴を有するもの
である。
【0015】請求項2記載の発明は、請求項1記載の発
明において、前記導管の中心に、前記H形鋼のフィレッ
ト部を冷却するためのノズルが設けられており、前記H
形鋼のフランジ高さが変わっても、常に前記ノズルによ
って前記フィレット部を冷却可能であることに特徴を有
するものである。
【0016】請求項3記載の発明は、請求項1または2
記載の発明において、前記導管に配設された複数のノズ
ルの各部位によって冷却水噴射量に差を設けたことに特
徴を有するものである。
【0017】請求項4記載の発明は、H形鋼等の製造ラ
インに設置されるH形鋼の冷却装置において、H形鋼の
高さ方向に配設されたロッドと、前記ロッドに水平に配
列して取り付けられた、複数のノズルを有する、複数の
導管と、前記ロッドを上下に移動させるための駆動機構
と、前記導管の各々に冷却水を供給可能な冷却水供給機
構とからなり、前記導管は前記ロッドを介して前記フラ
ンジの高さに対応して上下に移動可能であることに特徴
を有するものである。
【0018】請求項5記載の発明は、請求項4記載の発
明において、複数の前記導管のうちの上部側の1本また
は複数本と、下部側の1本または複数本とに冷却水供給
量の配分が可能であることに特徴を有するものである。
【0019】請求項6記載の発明は、請求項4または5
記載の発明において、前記ロッドの中央部に前記H形鋼
のフィレット部冷却用の前記導管が設けられており、前
記H形鋼のフランジ高さが変わっても、常に前記フィレ
ット部を冷却可能であることに特徴を有するものであ
る。
【0020】H形鋼のフランジ上部と下部との冷却能力
を調整する手段としては、圧延材の搬送用ローラの上面
とほぼ同じ高さを支点として、フランジ上端の高さに合
わせて上下動可能な冷却装置であり、少なくても2箇所
以上から冷却水配管である導管に冷却水を供給すること
によって、フランジ被冷却面に対して上下の冷却水量の
配分を行うことにより、フランジ上下部の冷却能力を調
節する。
【0021】また、H形鋼のフィレット部を選択的に冷
却するためには、圧延材の搬送用ローラの上面とほぼ同
じ高さを支点として、前記冷却装置のフランジ上端の高
さに合わせて冷却装置を上下させることにより、フィレ
ット部の高さに対応した冷却装置の中央部に、フィレッ
ト部冷却用ノズルを1個あるいは複数取付け、どのフラ
ンジサイズのH形鋼についてもフィレット部冷却の実施
を可能とする。
【0022】〔作用〕H形鋼のフランジサイズが変更さ
れた際でも、全水量をフランジの冷却へ作用させること
が可能となるので、冷却水の効率がよく、様々なサイズ
のH形鋼のフンジ上下面の温度偏差を容易に解消するこ
とができ、更に、簡易的な方法でH形鋼の上下曲がりを
抑制することができる。
【0023】また、前述の冷却装置にフィレット部用ノ
ズルを取付けることにより、常に様々なサイズのH形鋼
に対してフィレット部用ノズルをH形鋼のフィレット部
の高さに対応させることができるので、フィレット部を
選択的に強冷却が可能となり、H形鋼のフランジの傘折
れを簡易的な方法で容易に抑制することが可能となる。
【0024】
【実施例】次に、この発明の実施例を図面を参照しなが
ら説明する。図11は本発明冷却装置を設置するH形鋼
の製造ラインの一例を示す平面図である。ここで、製造
ラインに設置される主な機器は、上流側から、加熱炉
a、粗圧延機b、第1中間圧延機c、第2中間圧延機
d、仕上圧延機eからなる。本発明の冷却装置は、主に
最終の中間圧延機dと仕上圧延機eとの間f、または、
仕上圧延機eの下流gに設置されるものであるが、その
他の場所に設置しても差し支えない。また、中間圧延機
c、dで往復圧延を行う際のフランジ冷却装置として、
その圧延機の前後(例:h)に本発明の冷却装置を設置
してもよい。
【0025】〔実施例1〕図1はこの発明の実施例1の
第1の実施態様を模式的に示す斜視図である。図1にお
いて、1は搬送ライン上のH形鋼で、多数の搬送用ロー
ラ6からなる搬送ライン5を搬送される。10は本発明
冷却装置で、同じ構成のものが第2圧延機dと仕上圧延
機eの搬送ラインの間の両側に、60mにわたり設けら
れている。冷却装置10において、11は搬送ライン5
の両側に設けられた、左右ズレ防止搬送用の板状のガイ
ドで、その長手方向には搬送ライン5の一方側が狭く一
方側が広い、導管13の冷却範囲に対応するために扇形
に形成された、複数の開口部12が設けられている。1
3は各開口部12内または開口部12の外側(搬送ライ
ン5)に設置された導管である。導管13の基部は搬送
用ローラ6の上面とほぼ同じ高さ位置に設けた軸受15
により回動可能に軸着されている。
【0026】冷却装置10の導管13は1m間隔に、片
側60本配置し、両側で合計120本配置されている。
17はガイド11に設けられたワイヤガイドで、駆動源
16の出力軸受けに設けたプーリに巻かれたケーブル1
8は、ワイヤガイド17を介して各導管13の上端側と
つながれている。これにより、駆動源16によるケーブ
ル18の巻き取り、巻き戻しにより、導管13はフラン
ジ3の上端の高さに合わせて軸受15を支点として上下
に回動できるようになっている。尚、導管13の上下に
高さを変える手段はこの限りでない。14は、導管13
の搬送ライン5側に、先端を搬送ライン5側に向けて、
等間隔に配設された複数の楕円吹きのスプレーノズルで
ある。スプレーノズル14は、導管13の1本当たりに
つき、中心(仕切板21が挿入されている)を境として
上下に3本ずつ配設されている。なお、ノズルの配設方
法およびノズルのタイプはこの限りでない。2系列ある
冷却水バッファー20(20aおよび20b)と導管1
3の両端側とは、2本のフレキシブルホース19、19
によって連通されており、各導管13の両端側から冷却
水が供給される。フランジ3の上下の冷却能力の調整
は、バッファー20の送水量を調整することにより行な
われる。尚、図6に示すように導管13の中心部側にフ
レキシブルホース19、19を連通し、この中心部側か
ら送水しても差し支えない。
【0027】それぞれの導管13に送水される上下流量
調整は、冷却前のフランジ上下温度差によって決める。
以下はその調整方法の一例である。 ΔQ=ΔT×f(Fth、FB、Q、Vc)・・・(1) ただし、 ΔQ :求める水量調整量〔l/min〕 ΔT :フランジ上下の平均温度差〔℃〕 Fth:フランジ厚み〔mm〕 FB :フランジサイズ〔mm〕 Q :基準冷却水量〔l/min〕 Vc :冷却装置通過速度〔m/s〕 フランジ平均温度が高い方の冷却水量はQ+ΔQ〔l/
min〕に調整する。
【0028】フランジ平均温度が低い方の冷却水量はQ
−ΔQ〔l/min〕に調整する。尚、ここの関数f
(Fth、FB、Q、Vc)は、別途実機測温実験によ
って予め求められている。
【0029】次に、本実施例冷却装置によって、H形鋼
の冷却を実施した。図1に示す冷却装置に、まず、ウェ
ブ高さ500mm、フランジ幅150mm、ウェブ厚み
6mm、フランジ厚み12mmのH形鋼1を約2.0
〔m/s〕の速度で通過させた。冷却前のH形鋼1のフ
ランジ3の平均温度は上部が約884〔℃〕、下部が約
908〔℃〕で、フランジ下部の方が約24〔℃〕高か
った。このときの基準冷却水量は上下とも15000
〔l/min〕であった。温度差およびフランジ厚み、
ウェブ厚み、基準冷却水量から、フランジ上下の温度差
を解消するための冷却水調整量は前記式(1)より約1
500〔l/min〕となったので、冷却水の流量は、
フランジ上部を13500〔l/min〕、フランジ下
部を16500〔l/min〕とした。この冷却条件で
冷却した結果、冷却復熱後のH形鋼1のフランジ上部の
平均温度は約694〔℃〕、フランジ下部の平均温度は
約692〔℃〕とほぼ上下部の温度が等しくなり、H形
鋼1の上下曲がりは全く発生しなかった。
【0030】次に、本冷却装置にウェブ高さ700m
m、フランジ幅300mm、ウェブ圧み14mm、フラ
ンジ厚み22mmのH形鋼1を約2.0〔m/s〕の速
度で通過させた。冷却前のH形鋼1のフランジの平均温
度は上部が約941〔℃〕、下部が約928〔℃〕で、
フランジ上部の方が約13〔℃〕高かった。このときの
基準冷却水量は上下とも18000〔l/min〕であ
った。温度差およびフランジ厚み、ウェブ厚み、基準冷
却水量から、フランジ上下の温度差を解消するための冷
却水調整量は式(1)より約2000〔l/min〕と
なったので、冷却水の流量は、フランジ上部を1600
0〔l/min〕、フランジ下部を20000〔l/m
in〕とした。この冷却条件で冷却した結果、冷却復熱
後のH形鋼1のフランジ3の平均温度は上部が696
〔℃〕、下部が約694〔℃〕とほぼ等しくなり、常温
後のH形鋼1の上下曲がりは全く発生しなかった。
【0031】また、フランジ幅150mmから300m
mへの変更も円滑に行われた。尚、常に全ノズルを使用
するため、ノズルの磨耗に偏りがなく、点検間隔を6箇
月に1回にすることができ、平均的に2年に1回のノズ
ルの交換で対応することができた。
【0032】〔実施例2〕図2はこの発明の実施例2の
実施態様を模式的に示す斜視図である。H形鋼製造ライ
ンの仕上圧延機の後方のラインに沿って、全長60mに
わたり本冷却装置が設置されており、1m間隔に該冷却
装置の導管13が取り付けられている。導管13は1m
間隔に片側60本配置し、両側で合計120本配置され
ている。H形鋼1の左右ズレ防止搬送用ガイド11には
導管13の冷却範囲に対応するために扇形の開口部12
が設けられている。導管13は2本(13aおよび13
b)からなり、第1の導管13aおよび第2の導管13
bの各々には、3本づつ楕円吹きスプレーノズル14が
配設されている。スプレーノズル14は、導管13の搬
送ライン5側に、先端を搬送ライン5側に向けて、等間
隔に配設されている。
【0033】導管13aの一端側(ジョイント22の反
対側)はワイヤー18を介して駆動源16とつなげられ
ており、導管13bの一端側(ジョイント22の反対
側)は搬送用ローラ6の上面とほぼ同じ高さ位置に設け
られており、フランジ3の高さに合わせて導管13a、
13bが上下できるようになっている。そのとき、導管
13のジョイント22のある折れ曲がり部の高さ位置
は、フランジ3の中心部(ウェブ2の位置)と同じ高さ
になるようになっている。尚、導管13の高さを上下に
変える方法はこの限りでない。
【0034】2つに分かれた導管13aと13bとはジ
ョイント22によって接続され、上下対称に折れ曲がる
ようになっており、2系列ある冷却水バッファー20
(20a、20b)と導管13a、13bとの間はフレ
キシブルホース19、19によって連通され、冷却水は
ジョイント22の接続部から導管13aおよび13bの
各々に送水されるようになっている。フランジ3の上下
の冷却能力の調整は、バッファー20の送水量を調整す
ることにより行なわれる。
【0035】尚、ノズルの個数、ノズルの配設方法およ
びノズルのタイプはこの限りでない。次に、本実施例冷
却装置によって、H形鋼の冷却を実施した。
【0036】図2に示す冷却装置に、まず、ウェブ高さ
500mm、フランジ幅150mm、ウェブ厚み6m
m、フランジ厚み12mmのH形鋼1を約2.0〔m/
s〕の速度で通過させた。冷却前のH形鋼1のフランジ
の平均温度は、上部が約834〔℃〕、下部が約863
〔℃〕で、フランジ下部のほうが約29〔℃〕高かっ
た。このときの基準冷却水量は上下とも15000〔l
/min〕であった。温度差およびフランジ厚み、ウェ
ブ厚み、基準冷却水量から、フランジ上下の温度差を解
消するための冷却水調整量は式(1)より約2000
〔l/min〕となったので、フランジ上部を1300
0〔l/min〕、フランジ下部を17000〔l/m
in〕とした。この冷却条件で冷却した結果、冷却復熱
後のH形鋼1のフランジの平均温度は上部が約663
〔℃〕、下部が約662〔℃〕とほぼ上下部の温度が等
しくなり、常温後のH形鋼1の上下曲がりは全く発生し
なかった。
【0037】次に、本冷却装置にウェブ高さ400m
m、フランジ幅400mm、ウェブ厚み15mm、フラ
ンジ厚み15mmのH形鋼1を約2.0〔m/s〕の速
度で通過させた。冷却前のH形鋼1のフランジ3の平均
温度は上部が約934〔℃〕、下部が約920〔℃〕
で、フランジ上部の方が約14〔℃〕高かった。このと
きの基準冷却水量は上下とも22000〔l/min〕
であった。温度差およびフランジ厚み、ウェブ厚み、基
準冷却水量から、フランジ上下の温度差を解消するため
の冷却水調整量は、式(1)より約3000〔l/mi
n〕となったので、フランジ上部を25000〔l/m
in〕、フランジ下部を19000〔l/min〕とし
た。この冷却条件で冷却した結果、冷却復熱後のH形鋼
1のフランジの平均温度は上部が約803〔℃〕、下部
が約800〔℃〕とほぼ等しくなり、常温後のH形鋼1
の上下曲がりは全く発生しなかった。
【0038】また、フランジ幅150mmから400m
mへの変更も円滑に行なわれた。 〔実施例3〕図3はこの発明の実施例3の実施態様を模
式的に示す斜視図である。H形鋼製造ラインの仕上圧延
機の後方のラインに沿って、全長60mにわたり本冷却
装置が設置されており、1m間隔に該冷却装置の導管1
3が取り付けられている。導管13の基部は搬送用ロー
ラ6の上面とほぼ同じ高さ位置に設けた軸受15により
回動可能に軸着されている。楕円吹きスプレーノズル1
4は、導管13一本当たりにつき、中心部を境として上
下に3本ずつ配設され、更に、導管13の中心部には、
フィレット部用ノズル25が配設されている。導管13
の上端側、導管13の下端側(基部)および導管13の
中心部には、それぞれ、バッファ20a、20b、20
cからのフレキシブルホース19、19、19が連通さ
れている。そして、導管13の中心部(フィレット部用
ノズル25の取り付け部分)の両側には、ノズル14用
の冷却水が流れ込まないように、2枚の仕切り板21、
21が挿入されている。冷却水は3系列ある冷却水バッ
ファー20(20a、20b、20c)から各フレキシ
ブルホース19を通って導管13の両端側、および、中
心部から供給され、フランジ3の上下の冷却能力の調整
およびフィレット部4の冷却能力の調整は、バッファー
20の冷却水量を調整することにより行なわれる。尚、
ノズルの個数、ノズルの配設方法およびノズルのタイプ
はこの限りでない。
【0039】次に、本実施例冷却装置によって、H形鋼
の冷却を実施した。本冷却装置にまずウェブ高さ500
mm、フランジ幅150mm、ウェブ厚み6mm、フラ
ンジ厚み12mmのH形鋼1を約2.0〔m/s〕の速
度で通過させた。冷却前のH形鋼1のフランジ3の平均
温度は、上部が約834〔℃〕、下部が平均温度が約8
59〔℃〕で、フランジ下部のほうが約25〔℃〕高か
った。このときの基準冷却水量は上下とも15000
〔l/min〕で、フィレット部4は1500〔l/m
in〕であった。通常、このサイズのH形鋼1はフィレ
ット部冷却を行わないと約4mmのフランジの傘折れが
発生する。温度差およびフランジ厚み、ウェブ厚み、基
準冷却水量から、フランジ上下の温度差を解消するため
の冷却水調整量は、式(1)より約1500〔l/mi
n〕となったので、フランジ上部を13500〔l/m
in〕、フランジ下部を16500〔l/min〕とし
た。この冷却条件で冷却した結果、冷却復熱後のH形鋼
1のフランジ上部の平均温度は約659〔℃〕、フラン
ジ下部の平均温度は約660〔℃〕とほぼ上下部の温度
が等しくなり、常温後のH形鋼1の上下曲がりおよびフ
ランジの傘折れは全く発生しなかった。
【0040】次にウェブ高さ900mm、フランジ幅3
00mm、ウェブ厚み16mm、フランジ厚み25mm
のH形鋼1を約2.0〔m/s〕の速度で通過させた。
冷却前のH形鋼1のフランジの平均温度は、上部が約8
83〔℃〕、下部が約892〔℃〕で、フランジ下部の
方が約9〔℃〕高かった。このときの基準冷却水量は上
下とも18000〔l/min〕で、フィレット部4は
2500〔l/min〕であった。通常、このサイズの
H形鋼1はフィレット部冷却を行わないと約7mmのフ
ランジ3の傘折れが発生する。温度差およびフランジ厚
み、ウェブ厚み、基準冷却水量から、フランジ上下の温
度差を解消するための冷却水調整量は、式(1)より約
1000〔l/min〕となったので、フランジ上部を
17000〔l/min〕、フランジ下部を19000
〔l/min〕とした。この冷却条件で冷却した結果、
冷却復熱後のH形鋼1のフランジ上部の平均温度は約6
70〔℃〕、フランジ下部の平均温度は約671〔℃〕
とほぼ上下部の温度が等しくなり、常温後のH形鋼1の
上下曲がりおよびフランジの傘折れは全く発生しなかっ
た。
【0041】また、フランジ幅150mmから300m
mへの変更も円滑に行われた。 〔実施例4〕実施例4は図3に示す実施例3の冷却装置
のフランジ3の冷却用のノズル14を変更したものであ
る。一般にH形鋼1はフランジ2とウェブ2との接合部
である中央部の温度が高く、フィレット部4以外も図8
に示すようにフランジ3の端部より温度が高い。従っ
て、本実施例では導管13に取り付けられているノズル
14について、両端部から中心部に向かって水量が高く
なるノズル配列を行った。本実施例では両端ノズル14
を3〔kgf/cm2 G〕で40〔l/min〕噴射可
能なノズル、次のノズルは3〔kgf/cm2 G〕で5
5〔l/min〕噴射可能なノズル、中央よりのノズル
は3〔kgf/cm2 G〕で65〔l/min〕噴射可
能なノズルをそれぞれ配設した。
【0042】次に、本実施例冷却装置によって、H形鋼
の冷却を実施した。本冷却装置にまずウェブ高さ500
mm、フランジ幅150mm、ウェブ厚み6mm、フラ
ンジ厚み12mmのH形鋼1を約2.0〔l/min〕
の速度で通過させた。冷却前のH形鋼1のフランジ3の
平均温度は上部が約836〔℃〕、下部が約860
〔℃〕で、フランジ下部の方が約24〔℃〕高かった。
また、フィレット部の温度は約902〔℃〕でフランジ
平均温度よりも約54〔℃〕高かった。このときの基準
冷却水量はフランジ上下とも15000〔l/min〕
で、フィレット部4は1500〔l/min〕であっ
た。通常、このサイズのH形鋼1はフィレット部冷却を
行わないと約4mmのフランジの傘折れが発生する。温
度差およびフランジ厚み、ウェブ厚み、基準冷却水量か
ら、フランジ上下の温度差を解消するための冷却水調整
量は、式(1)より約1500〔l/min〕となった
ので、フランジ上部を13500〔l/min〕、フラ
ンジ下部を16500〔l/min〕とした。この冷却
条件で冷却した結果、冷却復熱後のH形鋼1のフランジ
上部の平均温度は約651〔℃〕、フランジ下部の平均
温度は約651〔℃〕とほぼ上下部の温度が等しく、フ
ィレット部の温度は650〔℃〕で、放射温度径で測定
したフランジ幅方向の温度分布は図4のようになり、フ
ランジ全体で温度分布が一定となる冷却が行なえ、常温
後のH形鋼1の上下曲がりおよびフランジの傘折れは全
く発生しなかった。
【0043】次に、ウェブ高さ900mm、フランジ幅
300mm、ウェブ厚み16mm、フランジ厚み25m
mのH形鋼を約2.0〔m/s〕の速度で通過させた。
冷却前のH形鋼1のフランジ3の平均温度は、上部が約
884〔℃〕、下部が約894〔℃〕で、フランジ下部
のほうが約10〔℃〕高かった。また、フィレット部の
温度は約933〔℃〕でフランジ平均温度より約44
〔℃〕高かった。このときの基準冷却水量はフランジ上
下とも18000〔l/min〕で、フィレット部4は
2500〔l/min〕であった。通常、このサイズの
H形鋼1はフィレット部冷却を行わないと約7mmのフ
ランジの傘折れが発生する。温度差およびフランジ厚
み、ウェブ厚み、基準冷却水量から、フランジ上下の温
度差を解消するための冷却水調整量は、式(1)より約
1000〔l/min〕となったので、フランジ上部を
17000〔l/min〕、フランジ下部を19000
〔l/min〕とした。この冷却条件で冷却した結果、
冷却復熱後のH形鋼1のフランジ上部の平均温度は約6
65〔℃〕、フランジ下部の平均温度は約667〔℃〕
とほぼ上下部の温度が等しく、フィレット部の温度は6
69〔℃〕で、放射温度径で測定したフランジ幅方向の
温度分布は図5のようになり、フランジ全体で温度分布
が一定となる冷却が行なえ、常温後のH形鋼1の上下曲
がりおよびフランジの傘折れは全く発生しなかった。
【0044】また、フランジ幅150mmから300m
mへの変更も円滑に行われた。 〔実施例5〕図9は本発明の実施例5の実施態様を模式
的に示す斜視図である。H形鋼製造ラインの仕上圧延機
の後方のラインに沿って、全長60mにわたり本実施例
冷却装置10が設置されている。また、冷却装置10は
2m間隔に配設されている。導管13は、上方から3本
設けられたフランジ上部用の第1の導管13a、下方か
ら3本設けられたフランジ下部用の第2の導管13b、
そして、中央に1本設けられたフィレット部用の第3の
導管13cからなっており、各導管13は、鉛直方向に
設けられたロッド24に互いに平行に配設されている。
そして、それぞれの導管13の長さは1.2mの長さを
有している。ロッド24はローラ6の上面の高さを支点
とし、ワイヤー18を介して駆動源16とつながってお
り、フランジ3の高さに合わせて駆動源16の駆動によ
り上下方向に移動可能となっている。これにより、ロッ
ド24に配設された各導管13は、ロッド24の移動に
よって高さ方向に移動できるようになっており、フラン
ジ3の高さに合わせてその高さを変えることができる。
尚、導管の長さおよび、導管の高さを変える方法はこの
限りでない。
【0045】各冷却装置10は2m間隔に片側30組配
置し両側で60組配置されている。尚、H形鋼1の左右
ズレ防止搬送用ガイド11には導管13の冷却範囲に対
応するために任意の形状の開口部12が設けられてい
る。第1、第2の導管13a、13bには、7本づつ円
形吹きスプレーノズル14が配設され、第3の導管13
cにはフィレット部用ノズル25が7本配設されてい
る。尚、ノズルの個数、ノズルの配設方法およびノズル
のタイプはこの限りでない。冷却水は3系列ある冷却水
バッファー20a、20b、20cと導管13a、13
b、13cとの間をフレキシブルホース19、19、1
9によって連通され、各導管13に冷却水が送水され、
上下の冷却能力の調整およびフィレット部4の冷却能力
の調整は、バッファー20の送水量を調整することによ
り行なわれる。
【0046】次に、本実施例冷却装置によって、H形鋼
の冷却を実施した。本冷却装置にまずウェブ高さ500
mm、フランジ幅150mm、ウェブ厚み6mm、フラ
ンジ厚み12mmのH形鋼1を約2.0〔m/s〕の速
度で通過させた。冷却前のH形鋼1のフランジ3の平均
温度は、上部が約832〔℃〕、下部が平均温度が約8
63〔℃〕で、フランジ下部のほうが約31〔℃〕高か
った。また、フィレット部の温度は約889〔℃〕でフ
ランジ平均温度より約42〔℃〕高かった。このときの
基準冷却水量はフランジ上下とも15000〔l/mi
n〕で、フィレット部4は1500〔l/min〕であ
った。通常、このサイズのH形鋼1はフィレット部冷却
を行わないと約4mmのフランジの傘折れが発生する。
温度差およびフランジ厚み、ウェブ厚み、基準冷却水量
から、フランジ上下の温度差を解消するための冷却水調
整量は、式(1)より約2000〔l/min〕となっ
たので、フランジ上部を13000〔l/min〕、フ
ランジ下部を17000〔l/min〕とした。この冷
却条件で冷却した結果、冷却復熱後のH形鋼1のフラン
ジ上部の平均温度は約650〔℃〕、フランジ下部の平
均温度は約651〔℃〕とほぼ上下部の温度が等しくな
り、フィレット部の温度は653〔℃〕でほぼフランジ
平均温度とも等しくなり、常温後のH形鋼1の上下曲が
りおよびフランジの傘折れは全く発生しなかった。
【0047】次にウェブ高さ900mm、フランジ幅3
00mm、ウェブ厚み16mm、フランジ厚み25mm
のH形鋼1を約2.0〔m/s〕の速度で通過させた。
冷却前のH形鋼1のフランジ3の平均温度は、上部が約
882〔℃〕、下部が約892〔℃〕で、フランジ下部
のほうが約10〔℃〕高かった。また、フィレット部の
温度は約932〔℃〕でフランジ平均温度より約45
〔℃〕高かった。このときの基準冷却水量は上下とも1
8000〔l/min〕で、フィレット部4は2500
〔l/min〕であった。通常、このサイズのH形鋼1
はフィレット部冷却を行わないと約7mmのフランジ3
の傘折れが発生する。温度差およびフランジ厚み、ウェ
ブ厚み、基準冷却水量から、フランジ上下の温度差を解
消するための冷却水調整量は、式(1)より約1000
〔l/min〕となったので、フランジ上部を1700
0〔l/min〕、フランジ下部を19000〔l/m
in〕とした。この冷却条件で冷却した結果、冷却復熱
後のH形鋼1のフランジ上部の平均温度は約663
〔℃〕、フランジ下部の平均温度は約664〔℃〕とほ
ぼ上下部の温度が等しく、フィレット部の温度は約66
0〔℃〕でほぼフランジ平均温度とも等しくなり、常温
後のH形鋼1の上下曲がりおよびフランジの傘折れは全
く発生しなかった。
【0048】また、フランジ幅150mmから300m
mへの変更も円滑に行われた。 〔比較例〕従来の冷却装置は、150mm、200m
m、250mm、300mmの各フランジサイズに対応
する様、フランジ高さ方向の5段になっており、フラン
ジサイズが異なる毎に各段のノズルをON、OFFす
る。5段のノズルを1組として、形鋼製造ラインに50
0mm間隔に60mの長さにわたって、片側120組、
両側で240組の冷却装置が配置されている。
【0049】この冷却装置にウェブ高さ500mm、フ
ランジ幅150mm、ウェブ厚み6mm、フランジ厚み
12mmのH形鋼1を約2.0〔m/s〕の速度で通過
させた。フランジ幅150mmのときは下から1段目お
よび2段目のノズルを使用して冷却する。
【0050】冷却前のH形鋼のフランジの平均温度は上
部が約844〔℃〕、下部が約868〔℃〕で、フラン
ジ下部の方が約24〔℃〕高かった。このときの基準冷
却水量は、ノズル1段当たり15000〔l/min〕
であった。温度差およびフランジ厚み、ウェブ厚み、基
準冷却水量から、フランジ上下の温度差を解消するため
の冷却水調整量は、式(1)より約1500〔l/mi
n〕となったので、フランジ上部を13500〔l/m
in〕、フランジ下部を16500〔l/min〕とし
た。しかし、このときのノズルにかかる圧力が約5.2
〔kgf/cm 2 G〕になり、流量コントロールが安定
せず、冷却中に±約2300〔l/min〕の冷却水量
が変動した。この冷却条件で冷却した結果、冷却復熱後
のH形鋼1のフランジ上部の平均温度は約640
〔℃〕、フランジ下部の平均温度は約658〔℃〕と温
度差が生じ、10m当たり約23mmの上下曲がりが発
生した。
【0051】前述の様に、フランジサイズが異なると、
特にフランジサイズが小さい場合、使用ノズル本数が減
るので、圧力変動が大きく流量制御が行ないにくくな
る。そのため、各ノズル毎、あるいは、ある本数毎に流
量調整弁が必要であり、また、その流量調整弁およびそ
れを制御するプロセスコンピュータ等の設備が必要とな
り、それらの設備費がかなり消費された。
【0052】また、従来の冷却装置のノズルは常時使用
するノズルと、フランジ幅によって、ON、OFF制御
することにより常時使用しないノズルとに分かれるの
で、ノズルの磨耗に偏りがあった。特に常時使用するノ
ズルは磨耗が激しく、2箇月に1回の点検が必要で、約
8箇月に1回磨耗したノズルを取り替える必要があっ
た。
【0053】この5段のノズルの冷却装置でフィレット
部を選択的に強冷却を行うには中央部のノズルの流量を
多くすることによって対応がとれるが、フランジサイズ
150mmと250mmについては、フィレット部に対
応する位置にノズルがないので強冷却を行うことができ
なかった。
【0054】尚、別途フィレット部冷却装置を設置する
にあたってもフィレット部用ノズルをH形鋼のフィレッ
ト部の高さに合わせて、直接上下に駆動する装置が必要
であった。
【0055】
【発明の効果】以上説明したように、この発明の冷却装
置を用いれば以下に示すような工業上有用な効果がもた
らされる。 (1)本発明冷却装置を上下動することにより、さまざ
まなサイズのH形鋼の冷却が可能となり、サイズ変更時
も円滑に冷却幅を変更することが可能である。 (2)本発明冷却装置を使用して上下の冷却水量制御を
行うことにより、各H形鋼のフランジサイズに対してフ
ランジ均一冷却を容易に行うことが可能となり、ひいて
は常温後のH形鋼の上下曲がりが皆無となる。 (3)本発明冷却装置を用いることにより、H形鋼のフ
ィレット部冷却を常に最適な位置で容易に行うことが可
能であり、ひいてはフランジの傘折れが皆無となる。ま
た、フィレット部冷却の為に駆動する装置が不要となっ
た。 (4)本発明冷却装置を用いると配設した全てのノズル
を使用することができるので、ノズルの点検間隔を2箇
月に1回から6箇月に1回に延ばすことができ、且つ、
磨耗したノズルの取替え間隔が約8箇月から約2年に延
ばすことができ、ひいてはノズルの点検と交換にかかる
作業員および作業日数が減少する。 (5)従来、サイズ毎にあるいはある本数毎にノズルを
ON、OFFおよび流量制御弁による流量制御を行って
いたが、必要最低限のON、OFFおよび流量制御弁に
よって制御可能となるので、それらの機器が大幅に削減
でき、ひいては、そのための制御系が簡略化できること
により、設備費が大幅に削減できる。 (6)フランジの中心部に向かって、噴射量が多くなる
様にノズル選定およびノズル配設を行うことにより、フ
ランジサイズが変更しても冷却装置の中心部に位置する
フランジ高温部に対応して、選択冷却が可能となり、フ
ランジ全体を均一な温度に冷却することが可能であり、
形状不良が皆無となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例1の第1の実施態様を模式的
に示す斜視図である。
【図2】この発明の実施例2の実施態様を模式的に示す
斜視図である。
【図3】この発明の実施例3の実施態様を模式的に示す
斜視図である。
【図4】この発明の実施例4によりH形鋼(ウェブ高さ
500mm、フランジ幅150mm)を冷却した場合の
放射温度計で測定したフランジ幅方向温度分布を示すグ
ラフである。
【図5】この発明の実施例4によりH形鋼(ウェブ高さ
900mm、フランジ幅300mm)を冷却した場合の
放射温度計で測定したフランジ幅方向温度分布を示すグ
ラフである。
【図6】この発明の実施例1のもう1つの実施態様を模
式的に示す斜視図である。
【図7】H形鋼の上下曲がりを説明する図である。
【図8】冷却前のH型鋼の一般的な温度分布を示すグラ
フである。
【図9】この発明の実施例5の実施態様を模式的に示す
斜視図である。
【図10】H形鋼のフランジの傘折れを説明する正面図
である。
【図11】H形鋼の製造ラインの一例を示す平面図であ
る。
【符号の説明】
1 H形鋼 2 ウェブ 3 フランジ 4 フィレット部 5 搬送ライン 6 搬送用ローラ 7 H形鋼の上下曲がり 8 フィレット部の傘折れ 10 冷却装置 11 ガイド 12 開口部 13 導管 13a 第1の導管 13b 第2の導管 13c 第3の導管 14 ノズル 15 軸受 16 駆動源 17 ケーブル受け 18 ケーブル 19 フレキシブルホース 20、20a、20b、20c 冷却水バッファー 21 仕切板 22 ジョイント 24 ロッド 25 フィレット部用ノズル a 加熱炉 b 粗圧延機 c 第1中間圧延機 d 第2中間圧延機 e 仕上圧延機 f 最終の中間圧延機と仕上圧延機との間の本発明冷却
装置設置位置 g 仕上圧延機の下流の本発明冷却装置設置位置 h 中間圧延機の前後の本発明冷却装置設置位置

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 H形鋼等の製造ラインに設置されるH形
    鋼の冷却装置において、H形鋼の搬送用ローラの上面と
    ほぼ同じ高さを支点として上下に回動可能な、複数のノ
    ズルを有する導管と、前記導管を回動させるための駆動
    機構と、前記導管の2箇所以上から冷却水を供給可能な
    冷却水供給機構とからなり、前記導管は前記H形鋼のフ
    ランジの高さに対応して回動可能であり、前記導管の2
    箇所以上から冷却水を供給することにより前記H形鋼に
    対する冷却水供給量の上下の配分が可能であることを特
    徴とするH形鋼の冷却装置。
  2. 【請求項2】 前記導管の中心に、前記H形鋼のフィレ
    ット部を冷却するためのノズルが設けられており、前記
    H形鋼のフランジ高さが変わっても、常に前記ノズルに
    よって前記フィレット部を冷却可能である請求項1記載
    の装置。
  3. 【請求項3】 前記導管に配設された複数のノズルの各
    部位によって冷却水噴射量に差を設けた請求項1または
    2記載の装置。
  4. 【請求項4】 H形鋼等の製造ラインに設置されるH形
    鋼の冷却装置において、H形鋼の高さ方向に配設された
    ロッドと、前記ロッドに水平に配列して取り付けられ
    た、複数のノズルを有する、複数の導管と、前記ロッド
    を上下に移動させるための駆動機構と、前記導管の各々
    に冷却水を供給可能な冷却水供給機構とからなり、前記
    導管は前記ロッドを介して前記フランジの高さに対応し
    て上下に移動可能であることを特徴とするH形鋼の冷却
    装置。
  5. 【請求項5】 複数の前記導管のうちの上部側の1本ま
    たは複数本と、下部側の1本または複数本とに冷却水供
    給量の配分が可能である請求項4記載の装置。
  6. 【請求項6】 前記ロッドの中央部に前記H形鋼のフィ
    レット部冷却用の前記導管が設けられており、前記H形
    鋼のフランジ高さが変わっても、常に前記フィレット部
    を冷却可能である請求項4または5記載の装置。
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