JPH107623A - 炭酸ビス(トリクロロメチル)の製造方法 - Google Patents

炭酸ビス(トリクロロメチル)の製造方法

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JPH107623A
JPH107623A JP8177307A JP17730796A JPH107623A JP H107623 A JPH107623 A JP H107623A JP 8177307 A JP8177307 A JP 8177307A JP 17730796 A JP17730796 A JP 17730796A JP H107623 A JPH107623 A JP H107623A
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JP
Japan
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carbonate
trichloromethyl
bis
reaction
chlorine
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Application number
JP8177307A
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English (en)
Inventor
Seiichi Hayashi
誠一 林
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Nippon Kayaku Co Ltd
Original Assignee
Nippon Kayaku Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ホスゲンの代替品として工業上有用な炭酸ビス
(トリクロロメチル)の効率的な製造方法を提供するこ
と。 【解決手段】塩素の存在下、炭酸ジメチルから光照射し
て炭酸ビス(トリクロロメチル)を製造する方法であっ
て、光照射装置としての光内部照射型光化学反応装置を
用いることを特徴とする炭酸ビス(トリクロロメチル)
の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、炭酸ジメチルの光
塩素化により炭酸ビス(トリクロロメチル)を短時間
で、効率的かつ高収率で製造する方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】炭酸ビス(トリクロロメチル)は、ホス
ゲンの代替に使用しえる工業的に重要な中間体である
が、その取り扱い、運搬、貯蔵、使用ともにホスゲン、
ジホスゲンより安全で便利である。更に炭酸ビス(トリ
クロロメチル)は、揮発性が低く、結晶であるため、容
易に正確な量の秤量ができ、化学量論的に容易に反応が
行えるため、ホスゲンの場合のような過剰量の供給によ
る副反応が抑えられ、生成物の収率が向上する。炭酸ビ
ス(トリクロロメチル)は、前記したように有毒なホス
ゲンガスを使うことなく、ホスゲン等価体(代替品)と
して使うことができ、しかも、1モルの炭酸ビス(トリ
クロロメチル)は、3モルのホスゲンと同等の働きをす
るため、経済的にも有利である。炭酸ビス(トリクロロ
メチル)は、炭酸ジメチルの光塩素化で製造できるが、
例えばGer.Offen.3440141に記載され
ているように、収率97%で得るには高圧水銀ランプ
(150W)2個を用い、反応時間に28時間かける必
要があった。また、Synth.Commun.,23
巻,2879ページ,(1993)には、同じ反応を低
温(5〜15℃)で行うと、塩素がより溶媒に溶け込み
易くなるため、反応は3OOWのランプ1つで、18時
間で完了すると記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、炭酸ビス
(トリクロロメチル)を短時間で収率よく、効率的に製
造する方法を提供することを目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意検討、研究した結果、本発明を完成し
た。すなわち本発明は、塩素の存在下、炭酸ジメチルか
ら光照射して炭酸ビス(トリクロロメチル)を製造する
方法であって、光照射装置として光内部照射型光化学反
応装置を用いることを特徴とする光塩素化による炭酸ビ
ス(トリクロロメチル)の製造方法に関する。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明は、炭酸ジメチルと塩素と
を光照射下にラジカル反応させて、炭酸ビス(トリクロ
ロメチル)を製造するに当たり、光照射を工夫すること
により、低出力の水銀ランプでも、塩素化の反応速度を
高め、有利に炭酸ビス(トリクロロメチル)を製造する
方法を提供するものである。以下に本発明を詳細に説明
する。
【0006】本発明において使用しうる炭酸ジメチル
は、水分、アルコールを含まないものが望ましい。ま
た、部分的に塩素化された炭酸ジメチルも出発原料に用
いられる。
【0007】本発明で使用される反応ガスの塩素は、高
純度ガスのみならず、窒素、アルゴン、ヘリウムなどの
不活性なガスで希釈したものを用いてもよい。
【0008】本発明においては、必要により溶媒を用い
る。用いうる溶媒の具体例としては、ジクロロメタン、
クロロホルム、四塩化炭素、1,1,1ートリクロロエ
タン、1,2ージクロロエタン、テトラヒドロフラン、
ジオキサン、酢酸エチル、ベンゼン、クロロベンゼン、
ジクロロベンゼン等が挙げられる。また、原料の炭酸ジ
メチルや部分的に塩素化された炭酸ジメチルも反応物質
兼溶媒として用いることもできる。また、これら溶媒は
混合して使用してもよい。反応溶媒の使用量は、炭酸ジ
メチルが溶解する量であれば特に限定されないが、炭酸
ジメチル1モルに対して、通常300〜1000mlで
ある。
【0009】本発明においては、反応装置として内部照
射型光化学反応装置、たとえば理工科学産業社製UVL
−100HA,UVL−400HAタイプを用いること
ができる。ここで、内部照射型光化学反応装置とは、ガ
ラス製の円柱型反応容器の中心部に光源をセットでき、
光を反応器の内部から360度均一に照射出来るタイプ
の反応装置をいう。驚くべき事には、光外部照射型に比
べて内部照射型の照射効率は格段に良くなり、反応時間
とランプの出力から推定される照射効率は、7〜15倍
向上すると考えられる。
【0010】本発明における反応装置に用いられる光源
としては、塩素分子から塩素ラジカルを生成するのに必
要なエネルギー(58kcal/mol)を供給することが出来
る波長500nm以下の光をだすランプ、例えば近紫外
線領域(300〜400nm)で強く発光する高圧水銀
ランプが望ましい。高圧水銀ランプは50W〜1000
Wのランプが使えるが、好ましくは、100〜300W
未満のものが望ましい。高圧水銀ランプの冷却は、パイ
レックスまたは石英製の冷却管を用いた水冷式の冷却装
置が好ましい。本発明においては、特に365nmの光
を強く放射する高圧水銀ランプを用いたとき、著しく反
応が促進され、効率よく生成物が得られる。
【0011】反応温度は、通常0〜100℃、好ましく
は、5〜30℃である。また、反応時間は、通常5〜3
0時間、好ましくは、5〜10時間であり、また反応を
途中で止めてから一日以上経過して再開してもなんら支
障がなく、反応時間の合計が上記の範囲内であればよ
い。
【0012】反応ガスとしての塩素の流入速度は、未反
応の塩素が系外に逃げださない速度、例えば反応器の容
積が100〜1000mlであるとき通常1〜30l/
hr、好ましくは、5〜20l/hrである。このよう
にして得られる反応生成物は特に精製しなくても十分純
度が高く、通常に使用するのに何ら問題はないが、クロ
ロホルムや四塩化炭素等の溶媒から再結晶精製も可能で
あり、また、炭酸ビス(トリクロロメチル)は昇華性が
あるので、昇華精製も可能である。また、炭酸ビス(ト
リクロロメチル)は熱的にも安定な化合物なので、常圧
もしくは減圧下に蒸留して精製することも可能である。
【0013】以下に、実施例に基づいて本発明をさらに
詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定される
ものではない。
【0014】実施例1 ジムロート冷却管、温度計、塩素ガス導入管を備え付け
たガラス製反応容器300mlの内部照射型光化学反応
装置(理工科学産業社製UVL−100HA、水冷式1
00Wの高圧水銀ランプ)をウォーターバスを備えたマ
グネチックスターラーにセットする。容器に炭酸ジメチ
ル54.0g(0.6mol)と四塩化炭素300ml
を計りとり、マグネチックスターラーで充分撹拌してい
るところに、塩素ガスを容器の最低部から導入した。反
応により副生する塩化水素は、20〜30%炭酸ナトリ
ウム水溶液に吸収させた。一定時間ごとに反応をガスク
ロマトグラフィー及び1HNMRで追跡した。塩素導入
7.5時間後、反応の完結を確認してから、減圧下で溶
媒を留去して、炭酸ビス(トリクロロメチル)176.
7g(収率99%)を得た。得られた炭酸ビス(トリク
ロロメチル)の融点は81℃(文献値1)79℃)であっ
た。また、その赤外吸収及び13CNMRを測定した結果
を以下に示す。 測定結果(ピーク位置) IR:1823、1180、933、815cm-1 13 CNMR(CDCl3 ):δ108.11、140.
84ppm
【0015】赤外吸収及び13CNMRの測定結果から生
成物には副生物は混入していないことがわかった。1) H.Eckert、B.Forster、Ange
w.Chem.Int.Ed.Engl.,26巻,8
94頁(1987年)
【0016】実施例2 実施例1において四塩化炭素の代わりにジクロロメタン
を使う他は実施例1と同様に反応させ、炭酸ビス(トリ
クロロメチル)を175.9g(収率99%)得た。
【0017】実施例3 実施例1において四塩化炭素の代わりに1,1,1−ト
リクロロエタンを使う他は実施例1と同様に反応させ、
炭酸ビス(トリクロロメチル)を収率98%で得た。
【0018】実施例4 実施例1と同じ反応装置を使い、炭酸ジメチル300m
lを溶媒兼出発原料として用い、15〜20℃で、塩素
ガスと5〜7時間反応させた。析出した結晶を濾別し、
炭酸ビス(トリクロロメチル)を170g得た。母液
は、部分的に塩素化された炭酸ジメチルなので、新たに
炭酸ジメチルを加えて、再び炭酸ビス(トリクロロメチ
ル)の製造に使用できるし、溶媒を加えて、実施例1〜
3の方法で、炭酸ビス(トリクロロメチル)を製造する
原料として使用する事ができる。
【0019】
【発明の効果】本発明によれば、低出力の水銀ランプで
も、非常に短時間で収率よく反応を完結させることが可
能となり、工業的にホスゲン代替品として好適な炭酸ビ
ス(トリクロロメチル)の効率的な製造法を提供出来る
ようになった。本発明により得られる炭酸ビス(トリク
ロロメチル)は、ホスゲンの代替として例えばアミンか
らイソシアネート、カルボン酸から酸塩化物、アルコー
ルからクロロホルミル化物、アミノ酸からN−カルボキ
シーαーアミノ酸無水物、アルデヒドからイソシアニド
を合成する際の試薬(試剤)として極めて有用である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】塩素の存在下、炭酸ジメチルから光照射し
    て炭酸ビス(トリクロロメチル)を製造する方法であっ
    て、光照射装置として内部照射型光化学反応装置を用い
    ることを特徴とする炭酸ビス(トリクロロメチル)の製
    造方法。
JP8177307A 1996-06-18 1996-06-18 炭酸ビス(トリクロロメチル)の製造方法 Pending JPH107623A (ja)

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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN101225046A (zh) * 2008-01-09 2008-07-23 李安民 半连续法生产二(三氯甲基)碳酸酯的方法
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CN106748794B (zh) * 2017-01-12 2020-04-21 山东德普化工科技有限公司 一种二(三氯甲基)碳酸酯的合成装置与方法
CN113578224A (zh) * 2021-07-28 2021-11-02 重庆天原化工有限公司 一种固体光气的生产系统及工艺

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