JPH107531A - 毛母細胞活性化増強剤 - Google Patents

毛母細胞活性化増強剤

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JPH107531A
JPH107531A JP8134997A JP8134997A JPH107531A JP H107531 A JPH107531 A JP H107531A JP 8134997 A JP8134997 A JP 8134997A JP 8134997 A JP8134997 A JP 8134997A JP H107531 A JPH107531 A JP H107531A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 血行促進剤と、細胞賦活剤とを少なくとも
含む毛母細胞活性化増強組成物Aであって;主たる有効
成分として、単糖類、2糖類及びオリゴ糖類から選ばれ
る1種類以上の成分と、水溶性高分子とを含む毛母細胞
を活性化させる組成物Bと併用して毛母細胞に適用すれ
ば、毛母細胞の活性化をより増強させる組成物A。 【解決手段】 異なるタイプの複数の組成物を組合せる
とともに、これらの異なる組成物AおよびBを時間をお
いて毛母細胞に適用することにより、ヘアーサイクルの
休止期が成長期に転換される作用(休止期打破)に基づ
く毛母細胞活性(発毛ないし育毛)が可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、毛母細胞活性化増
強剤に関する。本発明は、ヒトを始めとする動物(種々
のペット動物、ミンク等)におけるインビボ(in vivo
)、ないしインビトロ(in vitro)での毛母細胞活性
化(毛母細胞の分裂促進)に適用可能である。
【0002】
【従来の技術】インビボにおける毛母細胞活性化(ない
し発毛・育毛)に関しては、従来より数多くの育毛剤、
養毛剤(多くは組成物)が提案されている(例えば、特
公平6−4521〜4524号、特公平6−4526〜
4528号等)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】これらの従来の育毛剤
ないし養毛剤においては、脱毛防止や育毛促進にある程
度の効果を発揮するものも見られるが、その効果の程度
は必ずしも満足できるものではなかった。これは、例え
ば男性型脱毛の原因としては、性ホルモンのアンバラン
ス、血行の不全、毛母細胞活性の低下等の種々の要因が
複雑に絡み合っているためと考えられている。したがっ
て、より効果的な育毛・発毛処方剤が更に望まれている
のが現状である。
【0004】また、従来の育毛・養毛剤においては、ヘ
アーサイクルの休止期を成長期に転換させる作用(休止
期打破)、すなわち発毛効果を証明した例は稀であっ
た。
【0005】本発明の目的は、上記した従来技術の問題
点を解消した毛母細胞活性化増強剤を提供することにあ
る。
【0006】本発明の他の目的は、ヘアーサイクルの休
止期を成長期に転換させる作用(休止期打破)に基づく
発毛を可能とした毛母細胞活性化増強剤を提供すること
にある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は鋭意研究の結
果、トニック剤(液状成分としてアルコールを含む製
剤)として好適な組成を有する組成物Aと、ローション
剤(液状成分として水性溶媒を含む製剤)として好適な
組成を有する他の組成物Bとからなる異なるタイプの複
数の組成物を組合せるとともに、これらの異なる組成物
AおよびBを時間をおいて毛母細胞に適用することが、
即ち、異なる刺激を毛母細胞に繰り返し加えることが、
上記目的の達成に極めて効果的であることを見出した。
【0008】本発明の毛母細胞活性化増強組成物は上記
知見に基づくものであり、より詳しくは、次の構成上の
特徴を有する。
【0009】第1には、血行促進剤と、細胞賦活剤とを
少なくとも含む毛母細胞活性化増強組成物Aであって;
主たる有効成分として、単糖類、2糖類及びオリゴ糖類
から選ばれる1種類以上の成分と、水溶性高分子とを含
む毛母細胞を活性化させる組成物Bと併用して毛母細胞
に適用すれば、毛母細胞の活性化をより増強させる組成
物Aに関する。
【0010】第2には、主たる有効成分として、単糖
類、2糖類及びオリゴ糖類から選ばれる1種類以上の成
分と、水溶性高分子とを含む毛母細胞を活性化させる組
成物Bと併用して毛母細胞に適用すべき毛母細胞の活性
化を増強させる組成物であって;血行促進剤と、細胞賦
活剤とを少なくとも含む組成物Aからなることを特徴と
する毛母細胞活性化増強組成物に関する。
【0011】本発明において、「毛母細胞に適用する
(apply )」とは、上記した組成物AないしBを、イン
ビボないしインビトロの毛母細胞に物理的に接触させる
ことをいう。この物理的接触のための手段は特に制限さ
れない。すなわち、直接塗布、散布ないし噴霧;皮膚
(表皮、真皮)、皮下組織等の他の部位を介しての浸透
ないし拡散に基づく物理的接触等の、公知の手段を用い
ることが可能である。
【0012】本発明において、「毛母細胞の活性化(ac
tivation)」とは、毛母細胞の細胞分裂を促進すること
(ないしは該細胞分裂促進に基づく発毛・育毛)をい
う。この活性化は、毛母細胞への組成物AないしBの適
用により毛母細胞に直接的に生ずるものであってもよ
く、また毛母細胞に隣接する毛細血管(例えば、毛乳頭
に分布する毛細血管)の拡張に基づく血行の促進等によ
って間接的に生ずるもの、あるいはこれらの組合せのい
ずれであってもよい。
【0013】以下、本発明を詳細に説明する。以下の記
載においては、成分の量比を表す「%」または「部」
は、特に断らない限り質量基準(すなわち、「質量%」
または「質量部」)とする。
【0014】(毛母細胞活性化増強剤)本発明の毛母細
胞活性化増強剤は、上記したように、トニック剤として
好適な成分を含む組成物Aであって;ローション剤とし
て好適な成分を含む組成物Bと併用して毛母細胞に適用
した場合に、毛母細胞活性化がより増強される組成物か
らなる。
【0015】これらの組成物AおよびBは、交互に毛母
細胞に適用することが、発毛・育毛促進効率の点から好
ましい。毛母細胞に適用すべき順番は、組成物Aおよび
Bのいずれが先でもよい(すなわち、A→B→A→・・
・、またはB→A→B→・・・のいずれでもよい)。
【0016】これらの組成物Aの毛母細胞への適用の時
点と、組成物Bの毛母細胞への適用の時点との間の時間
間隔の長さは、1〜36時間程度(更には、2〜20時
間程度)であることが好ましい。
【0017】(組成物A)ヘアートニック剤として好適
な組成を有する組成物Aは、血行促進剤と、細胞賦活剤
とを少なくとも含む。この組成物Aは、主に育毛促進作
用を有する。すなわち、該組成物Aは、主として、ヘア
ーサイクルが成長期にある毛根の代謝を高め、抜毛を予
防し、育毛を促進させる作用を有する。組成物Aは、皮
膚刺激剤、保湿剤、抗炎症剤などの他の成分を更に含有
していることが好ましい。
【0018】(血行促進剤)血行促進剤は、主に毛母細
胞に栄養を与える機能を有する「毛乳頭」への血行を促
進(ないしは、毛乳頭における毛細血管を拡張)する成
分であり、必要に応じて2種類以上使用してもよい。
【0019】上記血行促進剤は、公知の血行促進剤、例
えば、センブリエキス(ないしスウェルチノーゲン)、
ヒノキチオール、ビタミンE誘導体(本明細書において
は、「ビタミンE」自体を包含する趣旨で用いる)、ニ
ンニクエキス、セファランチン、塩化カルプロニウム、
ミノキシジル、トウキエキス、人参エキス、ゲンチアナ
エキス、アセチルコリン等の化合物ないし組成物から、
1種類以上を適宜選択して使用することが可能である。
本発明においては、組成物Aを構成する他の成分との相
乗効果の点からは、上記した中でも、センブリエキス、
ヒノキチオール、およびビタミンE誘導体から1種類以
上を選択して用いることが好ましい。
【0020】上記血行促進剤は、組成物A全体の質量を
基準として、0.1〜4%程度(更には、0.25〜
1.0%程度)用いることが好ましい(血行促進剤とし
て、2種以上の成分を用いる場合には、それらの「合計
量」をいう;以下の組成物Aないし組成物Bを構成する
他の成分についても、同様とする)。
【0021】(皮膚刺激剤)皮膚(ないし局所)刺激剤
は、組成物Aが適用された部位を刺激する機能を有する
成分であり、必要に応じて2種類以上使用してもよい。
【0022】上記皮膚刺激剤は、公知の皮膚(局所)刺
激剤、例えば、l(エル)- メントール、トウガラシチン
キ、ハッカ油、カンタリスチンキ、ニコチン酸ベンジ
ル、ショウキョウチンキ、ノニル酸バニルアミド、カン
フル等の化合物ないし組成物から、1種類以上を適宜選
択して使用することが可能である。本発明においては、
組成物Aを構成する他の成分との相乗効果の点からは、
上記した中でも、l -メントール、トウガラシチンキ、
およびハッカ油から1種類以上を選択して用いることが
好ましい。
【0023】上記皮膚刺激剤は、組成物A全体の質量を
基準として、0.01〜4%程度(更には、0.025
〜1.0%程度)用いることが好ましい。
【0024】(細胞賦活剤)細胞賦活剤は、毛母細胞を
賦活する機能を有する成分であり、必要に応じて2種類
以上使用してもよい。。
【0025】上記細胞賦活剤は、公知の細胞賦活剤、例
えば、D - パントテニルアルコール誘導体(本明細書に
おいては、「D - パントテニルアルコール」自体を包含
する趣旨で用いる)、プラセンタエキス、感光素(phot
osensitizing dye)301号、ビオチン、ペンタデカン
酸グリセリド等の化合物ないし組成物から、1種類以上
を適宜選択して使用することが可能である。本発明にお
いては、組成物Aを構成する他の成分との相乗効果の点
からは、上記した中でも、D - パントテニルアルコール
誘導体(例えば、D - パントテニルアルコール、および
/又はD - パントテニルエチルエーテル)、およびプラ
センタエキスから1種類以上を選択して用いることが好
ましい。
【0026】上記細胞賦活剤は、組成物A全体の質量を
基準として、0.05〜5%程度(更には、0.1〜1
%程度)用いることが好ましい。
【0027】(保湿剤)保湿剤は、皮膚、毛髪に水分を
与え、乾燥を防止する目的で用いられる吸収性の高い水
溶性物質であり、必要に応じて2種類以上使用してもよ
い。
【0028】上記保湿剤は、公知の保湿剤、例えば、グ
リセリン、プロピレングリコール、ヒアルロン酸(ヒア
ルロン酸塩を包含する趣旨で用いる)、ピロリドンカル
ボン酸ナトリウム、ミニササニシキエキス等の化合物な
いし組成物から、1種類以上を適宜選択して使用するこ
とが可能である。本発明においては、組成物Aを構成す
る他の成分との相乗効果の点からは、上記した中でも、
グリセリン、プロピレングリコール、およびヒアルロン
酸から1種類以上を選択して用いることが好ましい。
【0029】上記保湿剤は、組成物A全体の質量を基準
として、0.5〜5%程度(更には、1〜3%程度)用
いることが好ましい。
【0030】(抗炎症剤)抗炎症剤(ないし消炎剤)
は、抗炎症作用を有する成分であり、必要に応じて2種
類以上使用してもよい。
【0031】上記抗炎症剤は、公知の抗炎症剤、例え
ば、グリチルリチン酸誘導体(「グリチルリチン酸」自
体を包含する趣旨で用いる)、甘草エキス、カルベノキ
ソロン二ナトリウム、グァイアズレン、塩酸ジフェンヒ
ドラミン、シコンエキス、エイジツエキス等の化合物な
いし組成物から、1種類以上を適宜選択して使用するこ
とが可能である。本発明においては、組成物Aを構成す
る他の成分との相乗効果の点からは、上記した中でも、
グリチルリチン酸誘導体(特に、グリチルリチン酸ジカ
リウム)、および甘草エキスから1種類以上を選択して
用いることが好ましい。
【0032】上記抗炎症剤は、組成物A全体の質量を基
準として、0.05〜3%程度(更には、0.1〜2%
程度)用いることが好ましい。
【0033】(組成物A成分の好適な組合せ)本発明に
おいては、特に、以下のような成分の組合せを用いるこ
とが好ましい。
【0034】<血行促進剤> ヒノキチオール +ヒ゛タミンEニコチネート <皮膚刺激剤> ハッカ油 <細胞賦活剤> D-ハ゜ントテニルアルコール <保湿剤> ク゛リセリン +フ゜ロヒ゜レンク゛リコール <抗炎症剤> ク゛リチルリチン 酸シ゛カリウム (他の成分)組成物Bとの組合せの効果をより増強する
点からは、上記成分に加えて組成物Aに、後述するよう
な「単糖類、2糖類及びオリゴ糖類」から選ばれる1種
類以上の成分(例えば、トレハロース)、および/又は
水溶性高分子(例えば、ポリビニルピロリドン)を更に
含有させることがより好ましい。このような態様におい
ては、組成物A全体の質量を基準として、「単糖類、2
糖類及びオリゴ糖類」を0.5〜10%程度(更には、
1.0〜5%程度)、水溶性高分子を0.25〜5%程
度(更には、0.5〜2.5%程度)用いることが好ま
しい。また、組成物Aに、殺菌剤や栄養剤などの成分を
含ませることもできる。
【0035】(組成物B)ローション剤として好適な組
成を有する組成物Bは、主たる有効成分として、「単糖
類、2糖類及びオリゴ糖類」から選ばれる1種類以上の
成分と、水溶性高分子から選ばれる1種類以上の成分と
を含む。この組成物Bは、主に、休止期打破作用を有す
る。すなわち、該組成物Bは、主に、ヘアーサイクルが
休止期にある毛根の代謝を高め、ヘアーサイクルを成長
期に転換させる作用を有する。
【0036】(単糖・2糖類・オリゴ糖)上記「オリゴ
糖」としては、9分子以下の単糖が縮合した多糖化合物
が使用可能である。本発明において、上記「単糖、2糖
類ないしオリゴ糖」としては、公知の単糖、2糖類ない
しオリゴ糖、例えば、ブドウ糖、キシロース、果糖、ガ
ラクトース、マンノース、アラビノース等の単糖類;庶
糖、乳糖、パラチノース、マルトース、セロビオース、
トレハロース等の2糖類;ラフィノース等の3糖類;フ
ルクトオリゴ糖類、イソマルトオリゴ糖類、キシロオリ
ゴ糖類、デキストリン類、シクロデキストリン類(α
−、β−、またはγ−シクロデキストリン、グルコース
単位=6〜9個)等のオリゴ糖類等から、1種類以上を
適宜選択して使用することが可能である。これらの糖類
は、1種類のみを使用してもよく、また2種類以上を混
合して用いてもよい。また、これらの糖類に異性体が存
在する場合には、該異性体の単独あるいは異性体同士の
混合物のいずれも使用可能である。これらの糖類は、公
知の方法(文献記載の方法)によって調製して用いても
よく、また、市販の糖類を(必要に応じて精製した後
に)用いてもよい。
【0037】本発明においては、組成物Bを構成する他
の成分との相乗効果の点からは、上記した中でも、トレ
ハロース、およびシクロデキストリンから1種類以上を
選択して用いることが好ましい。
【0038】上記「単糖、2糖類ないしオリゴ糖」は、
組成物B全体の重量を基準として、0.5〜20%程度
(更には、1.0〜10%程度)用いることが好まし
い。
【0039】(水溶性高分子)上記水溶性高分子として
は、多糖類(10分子以上の単糖が縮合した多糖化合物
をいう)、および/又は合成高分子が好適に用いられ
る。水溶性高分子は、必要に応じて2種類以上使用して
もよい。
【0040】上記多糖類としては、メチルセルロース、
CMC(カルボキシメチルセルロース)誘導体、アルギ
ン酸誘導体、タマリンド種子多糖、キトサン等の天然物
ないしその誘導体等から、1種類以上を選択して使用す
ることが好ましい。一方、上記合成高分子としてはポリ
ビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等の合成高分
子ないしその誘導体等から、1種類以上を選択して使用
することが好ましい。
【0041】本発明においては、組成物Bを構成する他
の成分との相乗効果の点からは、上記した水溶性高分子
の中でも、アルギン酸誘導体、CMC誘導体、タマリン
ド種子多糖(タマリンドガム)、キトサン、ポリビニル
アルコール、およびポリビニルピロリドンから1種類以
上を選択して用いることが好ましい。
【0042】上記「多糖類ないし水溶性高分子」は、組
成物B全体の重量を基準として、0.1〜10%程度
(更には、0.5〜5%程度)用いることが好ましい。
【0043】(組成物B成分の好適な組合せ)本発明に
おいては、特に、以下のような成分の組合せを用いるこ
とが好ましい。
【0044】 <単糖・2糖類・オリゴ糖> <多糖類・水溶性高分子> トレハロース タマリンドガム トレハロース キトサン トレハロース CMC−Na トレハロース アルギン酸ナトリウム トレハロース ポリビニルアルコール トレハロース ポリビニルピロリドン トレハロース ポリビニルアルコール アルギン酸プロピレングリコールエステル (他の成分)上述したように、組成物Bは、単糖類、2
糖類ないしオリゴ糖類から選ばれる1種類以上の成分
と、多糖類ないし水溶性高分子から選ばれる1種類以上
の成分とを少なくとも含むが、必要に応じて、他の成分
を更に含有していてもよい。前記した組成物Aとの組合
せの効果をより増強する点からは、上記成分に加えて組
成物Bに、血行促進剤(例えば、センブリエキス)を更
に含有させることが好ましい。このような態様において
は、組成物B全体の重量を基準として、血行促進剤を
0.1〜3%程度(更には、0.25〜2%程度)用い
ることが好ましい。
【0045】(剤形)上記した組成物AないしBは、水
溶液、水性懸濁液、乳液、クリーム、ゲル、エアゾール
等の任意の剤形で使用することが可能であるが、組成物
Aはトニック剤で使用することが好ましい。一方、組成
物Bはローション剤の剤形で使用することが好ましい。
本発明において、「トニック剤」とは、50(重量)%
以上のアルコールを含む溶媒中に、各成分を溶解または
微細均等に分散させてなる外用液状製剤をいう。該アル
コールの含有量は、全溶媒の重量を基準として、60%
以上(更には65%以上)であることが好ましい。この
ようなトニック剤の外観は、通常は澄明である。
【0046】上記トニック剤を構成するアルコールとし
ては、公知のアルコール性水酸基を有する液状成分を単
独あるいは2種以上の混合物の状態で特に制限なく使用
することが可能であるが、安全性ないし揮発性の点から
は、全アルコールの重量を基準として、エタノール(C
2 H5 OH)を40%以上(更には60%以上)含むこ
とが好ましい。
【0047】一方、上記「ローション剤」とは、水性溶
媒中に各成分を溶解または微細均等に分散させてなる外
用液状製剤をいう。このようなローション剤の外観は、
溶液状(「コロイド溶液」を包含する趣旨で用いる)、
乳液状、懸濁液状等のいずれであってもよい。
【0048】上記ローション剤を構成する「水性溶媒」
中の水の含有量は、全水性溶媒の重量を基準として、9
0%以上(更には95%以上)であることが好ましい。
【0049】本発明においては、上記した剤形を保持す
るために、必要に応じて、他の公知の成分を加えてもよ
い。
【0050】また、必要に応じて、公知の添加剤、例え
ば、抗酸化剤、防腐剤、着色剤、安定化剤、溶解補助
剤、粘度調整剤、清涼化剤、香料等を加えてもよい。
【0051】以下、実施例により本発明を更に具体的に
説明するが、本発明はこれらによって限定されるもので
はない。
【0052】
【実施例】以下の実施例においては、下記の成分として
は市販品を用いた。
【0053】ヒノキチオール:(株)関東化学製 ビタミンEニコチネート:(株)和光純薬製 ハッカ油:(株)日興製薬製 グリチルリチン酸ジカリウム:(株)山陽国策パルプ製 D-パントテニルアルコール:(株)和光純薬製 塩酸ピリドキシン(ビタミンB6 ):(株)和光純薬製 メチルパラベン(保存剤):(株)東京化成製 タマリンドガム:(株)大日本製薬製のグリロイド3S
(商標) α,α−トレハロース(TRH):シグマ(Sigma )社
製 ヒドロキシプロピルセルロース(HPC):日局(L)
タイプ、(株)日本曹達製、Lot. No.HE-341 センブリエキス:センブリ抽出リキッド、(株)丸善製
薬製 キトサン:(株)焼津水産化学工業製のキトサンPSH
(商標) アルギン酸ナトリウム:(株)和光純薬製 カルボキシメチルセルロースナトリウム塩(CMC−N
a):(株)第一工業製薬製 ポリビニルアルコール(PVA):(株)クラレ製のポ
バール117 ポリビニルピロリドン(PVP):(株)和光純薬工業
製のポリビニルピロリドン(K−90) アルギン酸プロピレングリコールエステル(PGA):
(株)紀文フードケミカル製、LFM 実施例 以下の表1および2に示した各成分を混合し、組成物A
をトニック剤の剤形で調製し(T−1〜4、T−F、お
よびT−M)、組成物Bをローション剤の剤形で調製し
た(L−1〜8)。
【0054】
【表1】
【0055】
【表2】 上記した組成物AおよびBを用い、ヘヤーサイクルの休
止期にあるC3Hマウスの刈毛背部を用いた発毛試験に
より、毛母細胞活性化効果(発毛効果)を評価した。具
体的には、以下のようにして行った。
【0056】発毛効果試験(マウス) 各試験区(組成物AとBとの組合せ)あたり、各10頭
のC3H/NeHマウス(雄、8週齢)の背部の皮膚を
電気バリカン(松下電工社製、商品名:ナショナルスキ
カルビーカットER552HP、セラミック刃)で刈り
込んで除毛(大きさ:2.5cm×5.5cm程度)
し、該背部の皮膚が休止期であること(皮膚がピンク
色)を確認した。この実験系では、除毛した皮膚は、薬
剤未塗布、水及びアルコール塗布では、約14週間発毛
がまったく見られない。
【0057】上記のようにして除毛したマウス背部皮膚
の左側半分に、上記表1に示したトニック剤(T)およ
び表2に示したローション剤(L)の各組成物を、下記
表3に示した組合せで指先を用いて時間をおいて交互に
塗布した。
【0058】上記した各組成物の塗布は、上記除毛の翌
日から開始した。各組成物の塗布量は、1回の塗布にお
いて1頭あたり、0.1mlを使用した。該塗布は、上
記表3に「試験番号1〜5」については、朝塗布(午前
10時)、「試験番号6〜12」については夕塗布(午
後4時)をそれぞれ行い、いずれも塗布の回数は1日あ
たり1回とした。一方、「試験番号13〜30」につい
ては、朝塗布および夕塗布の双方を行い、塗布の回数
は、TまたはL組成物について、それぞれ1日あたり1
回とした。
【0059】該塗布開始後、42日目(塗布回数42
回、または84回)に、発毛部分の面積を測定、発毛面
積率(発毛部分の面積/塗布した全面積)を計算し、上
記した各組成物塗布の効果を判定した。得られた結果を
下記の表3に示す。
【0060】上記発毛部分の面積は、以下のような方法
で測定した。
【0061】<発毛部分の面積測定法>横12.5m
m、縦27.5mmの1.0mmきざみの枠を利用し
て、発毛部分の面積を測定した。
【0062】
【表3】
【0063】上記表3に示したように、組成物A(トニ
ック剤)および組成物B(ローション剤)を時間をおい
て、インビボの毛母細胞(マウス背部)に適用すること
による。上記実験はへアーサイクルの休止期にあるマウ
スを使用して行ったものであるため、上記で認められた
発毛効果は、へアーサイクルの休止期が成長期に転換さ
れる作用(休止期打破)に起因する毛母細胞活性化に基
づくものと考えられる。
【0064】ヒト実用試験 男性型脱毛症の被検者7名の頭皮(主に、脱毛部分)
に、朝(午前7時)に上記表1の「T−4」を、夜(午
後9時)に上記表1の「L−2」を、それぞれ0.5〜
1.0ml塗布した。該塗布は、上記「朝および夜」を
1セットとして週に5ないし6回(セット)行った。該
塗布の期間は、5〜9ケ月とした。
【0065】評価項目は、(1)フケ防止効果、(2)
抜毛防止効果、(3)増毛感、および(4)発毛効果の
4項目とした。これらの4項目については、いずれも同
じ観察者が目視により判定した。判断基準は以下の通り
とした。
【0066】 ◎・・・・・・・・著効あり ○・・・・・・・・効果あり −・・・・・・・・目立った変化なし 上記により得られた評価結果を、下記表4に示す。
【0067】
【表4】
【0068】上記表4に示したように、組成物A(トニ
ック剤)および組成物B(ローション剤)を時間をおい
て、インビボの毛母細胞(ヒト頭部)に適用することに
より、顕著な発毛効果ないし抜毛防止効果が認められ
た。
【0069】
【発明の効果】上述したように本発明によれば、血行促
進剤と、細胞賦活剤とを少なくとも含む毛母細胞活性化
増強組成物Aであって;主たる有効成分として、単糖
類、2糖類及びオリゴ糖類から選ばれる1種類以上の成
分と、水溶性高分子とを含む毛母細胞を活性化させる組
成物Bと併用して毛母細胞に適用すれば、毛母細胞の活
性化をより増強させる組成物Aが提供される。
【0070】更に、本発明によれば、主たる有効成分と
して、単糖類、2糖類及びオリゴ糖類から選ばれる1種
類以上の成分と、水溶性高分子とを含む毛母細胞を活性
化させる組成物Bと併用して毛母細胞に適用すべき毛母
細胞の活性化を増強させる組成物であって;血行促進剤
と、細胞賦活剤とを少なくとも含む組成物Aからなる毛
母細胞活性化増強組成物が提供される。
【0071】本発明によれば、上記したように異なるタ
イプの複数の組成物を組合せるとともに、これらの異な
る組成物AおよびBを時間をおいて毛母細胞に適用する
ことにより、ヘアーサイクルの休止期が成長期に転換さ
れる作用(休止期打破)に基づく毛母細胞活性化(発毛
ないし育毛)が可能となる。
【0072】本発明の毛母細胞活性化増強剤ないし毛母
細胞活性化増強組成物は、インビトロないしインビボの
いずれにおいても使用可能である。インビボにおいて
は、ヒトを始めとする動物(例えば、ミンク等の毛皮用
動物の発毛・育毛、ペット動物の脱毛予防等)の毛母細
胞活性化に使用可能である。
フロントページの続き (72)発明者 木村 文彦 東京都新宿区百人町3丁目26番1号 呉羽 化学社宅301 (72)発明者 千葉 忠彦 埼玉県与野市下落合6丁目2番6号WAD A10A203号室

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 血行促進剤と、細胞賦活剤とを少なくと
    も含む毛母細胞活性化増強組成物Aであって;主たる有
    効成分として、単糖類、2糖類及びオリゴ糖類から選ば
    れる1種類以上の成分と、水溶性高分子とを含む毛母細
    胞を活性化させる組成物Bと併用して毛母細胞に適用す
    れば、毛母細胞の活性化をより増強させる組成物A。
  2. 【請求項2】 主たる有効成分として、単糖類、2糖類
    及びオリゴ糖類から選ばれる1種類以上の成分と、水溶
    性高分子とを含む毛母細胞を活性化させる組成物Bと併
    用して毛母細胞に適用すべき毛母細胞の活性化を増強さ
    せる組成物であって;血行促進剤と、細胞賦活剤とを少
    なくとも含む組成物Aからなることを特徴とする毛母細
    胞活性化増強組成物。
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