JP3568983B2 - 養毛剤 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
この発明は、頭髪化粧品、医薬品部外品、外用医薬品等に用いられる養毛剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、頭皮脱毛の原因としては、毛根、皮脂腺などの器官における男性ホルモンの活性化、毛包への血流量の低下、皮脂の分泌過剰、過酸化物の生成、細菌の繁殖などによる頭皮の異常、遺伝的要素、ストレスなどによる神経症、疾病に伴う脱毛、老化などが考えられる。
【0003】
従来の養毛剤には、上記したような脱毛の原因を排除したり、症状を軽減する種々の薬効剤が配合されており、薬効剤の具体例は以下のとおりである。
【0004】
毛髪の栄養成分としては、メチオニン、セリンなどのアミノ酸、ビタミンE、パントテン酸などのビタミン類が挙げられる。殺菌剤としては、サリチル酸、レゾルシン、ヒノキチオールが挙げられ、ホルモン剤として、エチニルエストラジオール、血管拡張剤として、アセチルコリン誘導体、皮膚機能亢進剤として、セラファランチン、アラントイン、抗炎症剤として、グリチルリチン酸、皮膚刺激剤として、トウガラシチンキ、ノナン酸ベヘニル、薬草抽出物としてニンニク、センブリなどがそれぞれ挙げられる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記した薬効剤を配合した従来の養毛剤は、毛孔内および頭皮上における細菌や真菌などの微生物の増殖抑制効果が充分に発揮できず、また、所期した養毛効果が得られないという問題点がある。
【0006】
この原因の一つとしては、頭皮上に滞留する皮脂などの不要な成分が薬効成分の頭皮への浸透をさまたげているとも考えられる。
【0007】
そこで、この発明の課題は、上記した従来の養毛剤の有する問題点を解決し、養毛剤を、頭皮上の老廃物の除去性、抗菌性、薬効成分の浸透性に優れたものとすることである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、この発明においては、養毛剤に以下の成分(A)、(B)、(C)を含有させ、pH値を4以下に調整したのである。
【0009】
(A)炭素数2〜4のα−オキシ酸
(B)リン脂質
(C)センブリの水またはアルコール抽出成分
または、養毛剤に以下の成分(A):0.1〜50重量%、(B):0.001〜50重量%、(C):0.001〜10重量%を含有させ、pH値を4以下に調整したのである。
【0010】
(A)炭素数2〜4のα−オキシ酸
(B)リン脂質
(C)センブリの水またはアルコール抽出成分
また、前記成分の(A)炭素数2〜4のα−オキシ酸が、グリコール酸または乳酸であり、(B)リン脂質がリゾレシチンまたは水酸化レシチンである手段を採用することができる。
【0011】
以下に、その詳細を述べる。
この発明に用いる成分(A)である炭素数2〜4のα−オキシ酸(hydroxy acid)は、水酸基とカルボキシル基が同一の炭素原子に結合した公知の脂肪族オキシ酸である。このようなα−オキシ酸の炭素数は、2未満ではオキシ酸を構成できず、4を越えると、分子が大きくなりすぎて薬効成分の頭皮への浸透を補助できなくなる。
【0012】
このようなα−オキシ酸の具体例としては、グリコール酸、乳酸、メチル乳酸、グリセリン酸、2,3,4−トリヒドロキシブタン酸(異性体としてエリスロン酸、スレオン酸を含む)、タルトロン酸、リンゴ酸、酒石酸、メソ酒石酸、ぶどう酸(L−酒石酸、D−酒石酸)などが挙げられる。なお、グリコール酸、乳酸は、分子量が小さく、その立体構造もコンパクトな形態をとって皮膚への浸透性に優れるため、特に好ましいものである。
【0013】
上記した成分(A)のα−オキシ酸は、養毛剤の全量中に0.1〜50重量%配合することが好ましい。なぜなら、0.1重量%未満では、他の親油性成分と相乗的に働かず、薬効剤の浸透性、抗菌性といったこの発明の所期した効果が得られにくくなり、50重量%を越えると、乳化させた場合の製品の安定性が低くなるからである。このような傾向からみて、成分(A)の特に好ましい配合割合は、4〜15重量%である。
【0014】
次に、この発明に用いる成分(B)であるリン脂質の具体例としては、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルイノシトール、カルオジオリピッド、リゾホスファチド、ホスファチジン酸、プラスマロゲンなどのグリセロリン脂質、またはスフィンゴミエリン、セレブロシド、スルファチド、ガングリシドなどのスフィンゴリン脂質などが挙げられる。
【0015】
このようなリン脂質の由来は、大豆、小麦、トウモロコシ、ピーナッツ、卵、子牛の肝臓、羊肉などの各種動植物由来品、合成品、またはそれらの水素添加物の一種または二種以上を組み合わせて採用したものであってよい。そして、このようなリン脂質の形態は、水、アルコール類、グリコール類、油類、その他の溶媒に溶解またはまたは乳化した状態で分散媒に保持されたものであってよい。
【0016】
上記した成分(B)の養毛剤全量中の配合割合は、0.001〜50重量%とすることが好ましい。なぜなら、0.001重量%未満では、毛孔内や頭皮上の皮脂を効果的に取り込むようなミセルを形成することが困難であり、50重量%を越えると養毛剤の使用感が悪化するので好ましくないからである。このような傾向からみて、特に好ましい配合割合は、0.01〜10重量%である。
【0017】
この発明に用いる成分(C)であるセンブリの水またはアルコール抽出物は、フジウツギ目、リンドウ科のセンブリ(Swertia japonica Makino)の植物体を原料(花期の全草を乾燥したものが好ましい)とし、これを水または有機溶剤として使用可能なアルコールからなる溶媒に浸漬して、含有成分を抽出し、前記溶媒を除去して得られた抽出物である。
【0018】
前記したアルコールからなる溶媒の具体例としては、エタノール、メタノール等の一価アルコール、1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、エチレングリコール等の二価アルコール(グリコール)等が挙げられる。
【0019】
上記のようにして得られた抽出物には、スエルチアマリン、スエルチアノリン、スエルチアノールなどの前記溶媒に溶解する成分が所定の割合で含有されている。抽出物は、各成分の種類およびその割合を調整して用いることもできる。
【0020】
上記した成分(C)の養毛剤全量中の配合割合は、0.001〜10重量%とすることが好ましい。なぜなら、0.001重量%未満では、血行促進など養毛、育毛に関する薬理作用が乏しく、10重量%を越えると養毛剤の使用感が悪化して好ましくないからである。このような傾向からみて、特に好ましい配合割合は、0.01〜5重量%である。
【0021】
この発明における養毛剤のpHは4以下に調整する理由は、pHが4を越えると、フケ菌(Pytyrosprum ovale)等に対する酸自体による固有の抗菌力が発揮できず、また、酸の非解離型分子の濃度が少なくて抗菌力が弱くなるからである。
【0022】
そして、この発明の養毛剤には、この発明の効果を損なわない範囲において、上記必須成分以外の任意成分であって、通常、化粧品、医薬部外品、医薬品に用いられる成分を添加することが可能である。
【0023】
このような任意成分としては、例えば、水、エタノール、油性物質、保湿剤、増粘剤、防腐殺菌剤、乳化剤、酸化防止剤、上記以外の薬効成分、紫外線吸収剤、着色料、乳化安定剤、pH調整剤などが挙げられる。
【0024】
具体的には、油性物質としては、ワセリン、スクワラン、流動パラフィンなどの炭化水素類、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシルなどのエステル油類、セレシンロウ、モクロウ、カルナバロウ、キャンデリラロウ、ミツロウ、ラノリンなどのワックス類、オリーブ油、ヒマシ油、ツバキ油、パーム油、マカデミアナッツ油などの植物性油、スクワレン、ミンク油、タートル油などの動物性油、セタノール、ステアリルアルコール、オクチルドデカノールなどの高級アルコール類、メチルポリシロキサン、ポリメチルシクロシロキサン、メチルフェニルポリシロキサンなどのシリコーン油類などが挙げられる。
【0025】
保湿剤としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコールもしくはそれ以上のポリアルキレングリコール、及びグリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン、もしくはそれ以上のポリグリセリン、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、ポリオキシプロピレン脂肪酸エステル、グルコース、マルトース、マルチトール、ショ糖、フラクトース、キシリトール、ソルビトール、シュークロース、ラフィノース、トレハロース、マルトトリオース、スレイトール、エリスリトール、ソルビタン、デンプンの加水分解によってえられる各種転化糖、水アメ、シロップ、異性化糖、ジャム類、ハチミツなどが挙げられる。
【0026】
増粘剤としては、カルボキシビニルポリマー、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カラギーナン、グァーガム、キサンタンガム、ゼラチンなどの水溶性高分子、塩化ナトリウム、塩化カリウムなどの電解質などが挙げられる。
【0027】
防腐殺菌剤としては、尿素、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、ブチルパラベン、安息香酸ナトリウム、サリチル酸、サリチル酸ナトリウム、トリクロサンなどが挙げられる。
【0028】
乳化剤としては、N−アシル−L−グルタミン酸ジェタノールアミン、N−アシル−グルタミン酸トリエタノールアミン、N−アシル−L−グルタミン酸ナトリウム、アルカンスルホン酸ナトリウム、アルキル硫酸ナトリウム、アルキル硫酸トリエタノールアミン、オレイル硫酸トリエタノールアミン、オレイル硫酸ナトリウム、オレイン酸アミドスルホコハク酸二ナトリウム、オレイン酸カリウム、オレイルザルコシン、カリ石鹸、カルボキシル化ポリオキシエチレントリデシルエーテル、カルボキシル化ポリオキシエチレントリデシルエーテルナトリウム塩、N−硬化牛脂脂肪酸アシル−L−グルタミン酸ナトリウム、硬化ヤシ油脂肪酸グリセリル硫酸ナトリウム、ステアリン酸トリエタノールアミン、ステアロイル−L−グルタミン酸二ナトリウム、ステアロイルメチルタウリンナトリウム、スルホコハク酸ジオクチルナトリウム、スルホコハク酸ポリオキシエチレンラウロイルエタノールアミド二ナトリウム、スルホコハク酸ラウリル二ナトリウム、セチル硫酸ナトリウム、セトステアリル硫酸ナトリウム、テトラデセンスルホン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸アンモニウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ジエタノールアミン、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸トリエタノールアミン、ポリオキシエチレンアルキルスルホコハク酸二ナトリウム、ポリオキシエチレンスルホコハク酸ラウリル二ナトリウム、ポリオキシエチレンミリスチルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸アンモニウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸トリエタノールアミン、ミリスチル硫酸ナトリウム、ミリストイル−β−アラントインナトリウム、ヤシ油アルキル硫酸マグネシウム・トリエタノールアミン、N−ヤシ油脂肪酸アシル−L−グルタミン酸トリエタノールアミン、N−ヤシ油脂肪酸アシル−L−グルタミン酸ナトリウム、ヤシ油脂肪酸エチルエステルスルホン酸ナトリウム、ヤシ油脂肪酸カリウム、ヤシ油脂肪酸サルコシン、ヤシ油脂肪酸サルコシントリエタノールアミン、ヤシ油脂肪酸サルコシンナトリウム、ヤシ油脂肪酸トリエタノールアミン、ヤシ油脂肪酸メチルアラニンナトリウム、ヤシ油脂肪酸メチルタウリンカリウム、ラウリルスルホ酢酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウリル硫酸カリウム、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、ラウリン酸カリウム、ラウリン酸ミリスチン酸トリエタノールアミン、ラウロイル−L−グルタミン酸ナトリウム、ラウロイルサルコシン、ラウロイルサルコシントリエタノールアミン、ラウロイルサルコシンナトリウム、ラウロイルメチルタウリンナトリウムなどの陰イオン界面活性剤、エチル硫酸ラノリン脂肪酸アミノプロピルエチルジメチルアンモニウム、塩化アルキルトリメチルアンモニウム、塩化−γ−グルコンアミドプロピルジメチルヒドロキシエチルアンモニウム、塩化ジココイルジメチルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、塩化ジ(ポリオキシエチレン)オレイルメチルアンモニウム、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム、塩化セチルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルジメチルベンジルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ステアロイルコラミノホルメチルピリジウム、塩化ポリオキシプロピレンメチルジエチルアンモニウム、臭化ラウリルトリメチルアンモニウム、臭化セチルセチルトリメチルアンモニウム、臭化ステアリルトリメチルアンモニウム、ステアリルトリメチルアンモニウムサッカリンなどの陽イオン界面活性剤、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ウンデシヒルドロキシエチルイミダゾリニウムベタインナトリウム、ウンデシル−N−ヒドロキシエチル−N−カルボキシメチルイミダゾリニウムベタイン、ステアリルジヒドロキシエチルベタイン、ステアリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ヤシ油アルキル−N−カルボキシエチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタインナトリウム、ヤシ油アルキル−N−カルボキシエトキシエチル−N−カルボキシエチルイミダゾリニウムジナトリウムヒドロキシド、ヤシ油アルキルベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン、β−ラウリルアミノプロピオン酸ナトリウム、ラウリル−N−カルボキシメトキシエチル−N−カルボキシメチルイミダゾリニウムドデカノイルサルコシン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ラウリン酸アミドプロピルベタインなどの両性界面活性剤、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、ラウリン酸ジエタノールアミド、ラウリン酸ミリスチン酸ジエタノールアミド、ミリスチン酸ジエタノールアミド、オレイン酸ジエタノールアミド、パーム核油脂肪酸ジエタノールアミド、アルキルグリコシドなどの非イオン界面活性剤などを挙げることができる。
【0029】
上記した成分からなるこの発明の養毛剤は、常法に従い、精製水、エタノール等と共に攪拌し、均一化することにより製造することができる。このようにして得られる養毛剤の剤型は、例えばクリーム、軟膏、乳液、ローション、ゲル、ムースなどであってよく、またパップ、スプレーなどの手法を採用することもできる。
【0030】
【作用】
この発明に係る養毛剤は、親油性のリン脂質と親水性のα−オキシ酸が配合されているので、このような成分が毛孔内および頭皮上の皮脂などの老廃物を取り込んでミセルを形成し、清浄化する作用がある。すなわち、前記老廃物や老化して頭皮に残存している毛髪や未熟なケラチンなどが除去されて相乗的に薬効成分の頭皮への浸透を高めることができる。
【0031】
そして、炭素数2〜4のα−オキシ酸は、これを添加することによって、育毛効果が向上することから、センブリの水またはアルコール抽出成分の頭皮への物理的または生理的な浸透性を向上させているものと考えられる。
【0032】
また、pHを所定範囲としたことにより、毛孔内および頭皮上のフケ菌などの微生物の増殖が抑制される。
【0033】
【実施例】
〔実施例1〜3、比較例1〜4〕
表1に記載した配合割合(重量%)で、(A)成分の炭素数2〜4のα−オキシ酸としてグリコール酸または乳酸、(B)成分のリン脂質としてリゾレシチン(協和醗酵社製:リゾレシチン協和、25%グリセリン溶液)または水酸化レシチン(日光ケミカルズ社製:レシノールSH50、50%グリセリン溶液)、(C)成分のセンブリ抽出物(丸善製薬社製:センブリ抽出液)、精製水およびpH調整剤(クエン酸)を攪拌溶解した後、エタノールを添加し、攪拌均一化した。
【0034】
得られた実施例1、比較例1〜4について、以下のマウス発毛試験、抗菌力試験を行ない、この結果を表1に併記した。また、実施例2、3については抗菌力試験を行ない、この結果を表1に併記した。
【0035】
(マウス発毛試験)
換毛周期の休止期にあるC3H系雄性マウスの脊部被毛を電気バリカン及び除毛クリームを用いて除毛し、24時間後に除毛部に炎症のないものを選び実験に供した。
【0036】
除毛したマウスを各10匹づつ4群に分け、第一群には実施例1の養毛ローションを塗布し、第二群には炭素数2〜4のα−ヒドロキシ酸を含有しないほかは実施例1と同様に調整した比較例2を、第三群にはリン脂質を含有しないほかは実施例1と同様に調整した比較例1を、第四群にはセンブリ抽出物を含有しないほかは実施例1と同様に調整した比較例4を、第五群にはpH値を4以上にする以外は実施例1と同様に調整した比較例3をマウスの脊部右側の皮膚に1日1回1匹あたり100μlそれぞれ塗布した。各試料の発毛効果はマウスの脊部の発毛部分の面積を測定して50%発毛率に達するに要した平均日数で示した。
【0037】
なお、促進日数をは、50重量%エタノールを塗布した場合と比べて、休止期毛から成長期毛への変換が付日促進されたかを示すものである。
【0038】
(坑菌力試験)
10倍希釈したローション状養毛材100mlに、生理食塩水を用い10〜10のフケ菌(Pityrosprum ovale) を含むように段階希釈して調整した。これに菌懸濁液1mlを添加後、37℃で48時間振盪培養し、生菌存在の有無は、比濁法及び検鏡により決定し、生菌数の測定は段階希釈後、培地を用いて平板混釈法により決定した。
【0039】
【表1】
Figure 0003568983
【0040】
表1の結果から明らかなように、必須成分の(A)、(B)、(C)のいずれかを含有しないか、またはpH値が4を越える比較例1〜4は、抗菌効果が劣り、発毛平均日数が実施例1の2倍またはそれ以上要することがわかる。これに対して、全ての条件を満足する実施例1は、発毛効果、抗菌効果ともに優れたものであり、実施例2、3についても抗菌効果が優れていることがわかる。
【0041】
〔実施例4、及び比較例5〜8〕
実施例1において、水酸化カリウムに代えてアンモニア(28%水溶液)を用い、すなわち、表2に記載した原料および配合割合(重量%)としたこと以外は、実施例1と全く同様にしてローション状養毛剤を得た。
【0042】
得られた実施例4、比較例5〜8について、以下の終毛転換率試験、官能評価試験を行ない、この結果を表2に併記した。
【0043】
(終毛転換率試験)
35歳から64歳までの男性型脱毛症の被験者17人の各々の頭部うぶ毛部位3か所において、1日2回約10ml塗布してもらい、塗布前後における、うぶ毛から終毛への転換率を比較した。終毛とはうぶ毛以外も毛、すなわち長さ14mm以上をあらわし、うぶ毛から終毛への転換は養毛効果を意味する。塗布直前及び3か月塗布終了直後に、前記の頭部うぶ毛部位を接写写真撮影して転換率を測定した。終毛への転換率は3か所の平均をパーセントで示した。
【0044】
(官能評価試験)
1)フケの出具合
前記の被験者17人に対して、3か月塗布終了直後に問診した。なお、評価は+2(フケが出なくなった)、+1(フケが出にくくなった)、0(変化なし)、−1(フケがよく出るようになった)、−2(フケがよく出るとともにカユミなど異常な症状も現れるようになった)の5段階で行ない、その平均で次のとおり判定した。
【0045】
◎ +2〜+1
○ +1〜0
△ 0〜1
× −1〜−2
2)塗布後の頭皮の状態
前記の被験者17人に対して、3か月塗布終了直後に問診した。なお、評価は+2(非常にさっぱりしている)、+1(ややさっぱりしている)、0(変化なし)、−1(ややあとのこり感がある)、−2(あとのこり感がある)の5段階で行ない、その平均で次のとおり判定した。
【0046】
◎ +2〜+1
○ +1〜0
△ 0〜1
× −1〜−2
【0047】
【表2】
Figure 0003568983
【0048】
表2の結果からも明らかなように、必須成分の(A)、(B)、(C)のいずれかを含有しないか、またはpH値が4を越える比較例5〜8は、終毛転換率が劣り、フケが出やすく、使用感も良くない。これに対して、全ての条件を満足する実施例4は、終毛転換率、フケの発生抑制、使用感共に優れていた。
【0049】
Figure 0003568983
まず、A相を80℃で溶解し、これに同温度で加温溶解したB相を加え、ホモジナイザーで充分混合した後、37℃まで冷却してクリーム状組成物を得た。
【0050】
得られたクリーム状組成物についても実施例4を同様の試験を行ったところ、極めて良好な評価結果を得た。
【0051】
Figure 0003568983
第12改正日本薬局方親水軟膏の製法に準じて、A相を加熱溶解して75℃の混合物を調整し、これに75℃で加温溶解したB相の溶液を加えて、攪拌しながら冷却して親水軟膏を得た。
【0052】
得られた親水軟膏状養毛剤についても実施例4と同様の試験を行なったところ、極めて良好な評価結果を得た。
【0053】
Figure 0003568983
まず、A相を80℃で加温溶解し、これに同温度で加温溶解した、B相を加えて、ホモジナイザーで充分混合した後40℃まで冷却し、乳液状養毛剤を得た。
【0054】
得られた乳液状養毛剤についても実施例4と同様の試験を行なったところ、極めて良好な評価結果を得た。
【0055】
Figure 0003568983
精製水に、他の原料を順次添加し、攪拌溶解均一化させ、ゲル状養毛剤を得た。
【0056】
得られたゲル状養毛剤についても実施例4と同様の試験を行ったところ、極めて良好な評価結果を得た。
【0057】
Figure 0003568983
精製水に、他の原料を順次添加し、攪拌溶解均一化させた原液90部とLPG10部をエアゾール缶に充填し、ムース状養毛剤を得た。
【0058】
得られたムース状養毛剤についても実施例4と同様の試験を行なったところ、極めて良好な評価結果をえた。
【0059】
以上、この発明についての実施例(処方例)を記載したが、さらに他の公知物質で処方中の一部を置換すること、濃度比率を変えること、処方工程を入れ換えたり、省略してもよいのは勿論である。
【0060】
【効果】
この発明は、以上説明したように、炭素数2〜4のα−オキシ酸、リン脂質、センブリの水またはアルコール抽出成分からなる所定の成分を配合し、pHを所定範囲として養毛剤を組成したので、このものが、頭皮上の未熟なケラチンなどの老廃物や老化した毛髪の除去性に優れ、細菌、真菌などの微生物の増殖を抑制する抗菌性に優れ、しかも薬効成分の浸透性に優れたものとなり、結果的に養毛、育毛の効果が顕著に得られる利点がある。

Claims (3)

  1. 以下の成分(A)、(B)、(C)を含有し、pH値を4以下に調整してなる養毛剤。
    (A)炭素数2〜4のα−オキシ酸
    (B)リゾレシチンまたは水酸化レシチン
    (C)センブリの水またはアルコール抽出物
  2. 以下の成分(A):0.1〜50重量%、(B):0.001〜50重量%、(C):0.001〜10重量%を含有し、pH値を4以下に調整してなる養毛剤。
    (A)炭素数2〜4のα−オキシ酸
    (B)リゾレシチンまたは水酸化レシチン
    (C)センブリの水またはアルコール抽出物
  3. 前記成分の(A)炭素数2〜4のα−オキシ酸が、グリコール酸または乳酸である請求項1または2に記載の養毛剤。
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