JPH10749A - 押出ラミネート用ポリプロピレン系フィルム - Google Patents

押出ラミネート用ポリプロピレン系フィルム

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JPH10749A
JPH10749A JP8177271A JP17727196A JPH10749A JP H10749 A JPH10749 A JP H10749A JP 8177271 A JP8177271 A JP 8177271A JP 17727196 A JP17727196 A JP 17727196A JP H10749 A JPH10749 A JP H10749A
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ethylene
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Junichi Kuroki
潤一 黒木
Kazunori Ochiai
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高温下に保管しても、滑り性が大きく低下す
ることなく、また、基材とのラミネートにおいて、アン
カーコート剤を塗布することなく、低密度ポリエチレン
によるサンドイッチラミネートにおいて、より高いラミ
ネート強度を有し、かつ、安定したヒートシール適性を
示すポリプロピレン系フィルムをシーラントとして用い
たラミネートフィルムを提供する。 【解決手段】 特定の線状低密度ポリエチレン(以下L
−LDPEと記す)を形成材料としたラミネート層3、
特定のL−LDPEとプロピレン−α−オレフィン共重
合体とのブレンド物よりなる中間層2、特定のプロピレ
ン−α−オレフィン共重合体とブロッキング防止剤4、
および脂肪酸アミド系スリップ剤を定量配合したシール
層1、とを多層共押出法により製膜して用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、無延伸ポリプロピ
レン系フィルムに関するものであり、更に詳しくは、ラ
ミネート面にアンカーコート剤を塗布せずに直接低密度
ポリエチレンを押し出して、他のプラスチックフィルム
基材と貼合することができる無延伸ポリプロピレン系フ
ィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】無延伸ポリプロピレン系フィルム(以下
CPPと記す)は透明性、耐熱性、防湿性、機械適性、
光沢等が良好であり、各種基材フィルムと貼合してヒー
トシール層として包装分野で広く利用されている。貼合
の方法としては、ドライラミネート法、および押出ラミ
ネート法が一般的に用いられている手法である。ドライ
ラミネート法が、接着剤を基材に塗布した後、CPPを
貼合するのに対して、押出ラミネート法は基材フィルム
とCPP間に溶融した樹脂(低密度ポリエチレンを使用
するのが一般的である)を押し出し、接着するのが特徴
である。押出ラミネート法は、ドライラミネート法に比
較してコスト的には安価であるが、基材フィルムとCP
P間の接着強度が弱いために、一般にはスナック菓子や
インスタントラーメン等の軽包装に用いられる場合が多
い。
【0003】押出ラミネートに用いられるCPPに要求
される特性としては、第1にアンカーコート剤をラミネ
ート面に塗布することなしに押出樹脂と良好に接着する
ことである。一般的に押出ラミネートにおいては、押出
樹脂として低密度ポリエチレン(以下LDPEと記す)
が使用されるが、LDPEとCPPとは熱接着しないた
め、CPPとしてはあらかじめアンカーコート剤を塗布
して乾燥させたフィルム、あるいはラミネート面にポリ
エチレンと接着する層を設けた多層共押出フィルムが要
求される。
【0004】第2の要求特性としては、ヒートシール適
性が挙げられる。CPPをシーラント層とするラミネー
トフィルムの場合、ピロー包装により内容物を充填・包
装するのが一般的であるが、表面基材が二軸延伸ポリプ
ロピレン(以下OPPと記す)の場合には、基材フィル
ム層とシール層との融点差が小さいため、安定したシー
ル性が得られる適性領域が狭く、CPPの低温シール性
が要求される。
【0005】第3の要求特性としては、滑り安定性が挙
げられる。滑り安定性とは、貼合後の滑り性が良好であ
ることは勿論のこと、夏場の高温下で保管された場合に
も滑り性が低下しにくいことが必要である。フィルムの
滑り性が不十分な場合には、製袋・充填工程での加工速
度を著しく低下させるため好ましくない。また、袋の開
口不良等の問題が発生することがあり、そのために作業
性を大幅に低下させる場合がある。当然、季節的な滑り
性の変動は少なくすることが重要である。従来から、C
PPに滑り性を付与する方法としては、シリカ、タルク
等の無機化合物よりなるブロッキング防止剤を添加する
方法が知られている。しかしながら、これらのブロッキ
ング防止剤は耐ブロッキング性の面ではある程度の効果
を発揮するが、近年の高度な要求を満足できるものでは
ない。すなわち、耐ブロッキング性を高めるためにブロ
ッキング防止剤の添加量を高めると透明性が悪化する。
また、ブロッキング防止剤単独ではフィルムの滑り性が
不足しており、高速化した最近の包装機にはほとんど対
応できないという問題点もある。したがって、CPPに
ついては、脂肪酸アミド系スリップ剤とブロッキング防
止剤とを併用して、脂肪酸アミド系スリップ剤をフィル
ム表面にブリードアウトさせるといった方法で滑り性を
改良している場合が多い。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ラミネート面にアンカ
ーコート剤を塗布することが不要で、低密度ポリエチレ
ンを用いた押出ラミネート法で高いラミネート強度およ
び安定したヒートシール適性が得られるとともに、高温
下に保管しても滑り性が大きく低下することのない押出
ラミネート用ポリプロピレン系フィルムを提供する。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的に鑑み、鋭意研
究の結果、本発明者らは特定の線状低密度ポリエチレン
(以下L−LDPEと記す)を形成材料としたラミネー
ト層、特定のL−LDPEとプロピレン−α−オレフィ
ン共重合体とのブレンド物よりなる中間層、特定のプロ
ピレン−α−オレフィン共重合体とブロッキング防止
剤、および脂肪酸アミド系スリップ剤を定量配合したシ
ール層、とを多層共押出法によりフィルムとして用いる
ことにより上記の欠点が解決されることを見出し、本発
明に想到した。すなわち、本発明の無延伸ポリプロピレ
ン系フィルムは、下記(1)〜(4)の発明を包含する
ものである。 (1)少なくともラミネート層/中間層/シール層の構
成よりなる多層押出フィルムであり、ラミネート層は、
下記(a)成分を96重量%以上含有する形成材料により
構成され、また、中間層は、下記(b)成分と(c)成
分のブレンド物を96重量%以上含有する形成材料により
構成され、さらに、シール層は、下記(c)成分を96重
量%以上含有する形成材料により構成されることを特徴
とする押出ラミネート用ポリプロピレン系フィルム。 (a)成分:エチレンと4−メチルペンテン−1との共
重合により得られ、エチレンから誘導されるポリマー単
位が80重量%以上であり、かつ密度が0.925 g/cm3 未満
の線状低密度ポリエチレン。 (b)成分:ブテン−1、ヘキセン−1、4−メチルペ
ンテン−1、オクテン−1から選択される1種または2
種以上のモノマーとエチレンとの共重合体により得ら
れ、エチレンから誘導サレルポリマー単位が80重量%以
上であり、かつ密度が0.925g/cm3未満の線状低密度ポリ
エチレン。 (c)成分:エチレンおよび/またはブテン−1とプロ
ピレンとの共重合体であり、DSC法による融解ピーク
温度が 150℃以下であるプロピレン−α−オレフィン共
重合体。 (2)中間層が1層以上の構成であって、中間層におけ
る前記(b)成分と(c)成分の重量比が(5〜50) :(9
5 〜50) の範囲内であることを特徴とする上記(1)記
載の押出ラミネート用ポリプロピレン系フィルム。 (3)ブロッキング防止剤としてシリコーン樹脂、ポリ
スチレン樹脂、ポリメタクリル酸メチル樹脂から選択さ
れる、平均粒径 0.5ミクロン〜 8ミクロンであり、さら
に次式で表される真球度fが0.80以上のブロッキング防
止剤0.01〜1 重量%が、前記シール層の形成材料中に分
散していることを特徴とする上記(1)または(2)記
載の押出ラミネート用ポリプロピレン系フィルム。 f={A/(π/4)}0.5 /Dmax (Aは微粒子粉末の断面積mm2 、Dmax は同断面の最長
径mm) (4)エルカ酸アミドとベヘニン酸アミドの混合比率
(エルカ酸アミドの重量/ベヘニン酸アミドの重量)が
0.2〜 5である脂肪酸アミド系スリップ剤が少なくとも
前記シール層の形成材料中に0.01〜 0.2重量%含有され
ていることを特徴とする上記(1)〜(3)記載の押出
ラミネート用ポリプロピレン系フィルム。
【0008】
【発明の実施の形態】図1は本発明による押出ラミネー
ト用ポリプロピレン系フィルムの中間層が1層の場合の
構成を示す断面図、図2は前記中間層が2層の場合の構
成を示す断面図である。本発明の押出ラミネート用ポリ
プロピレン系フィルムSFにおけるラミネート層3とし
ては、エチレンと4−メチルペンテン−1との接触共重
合により得られ、エチレンから誘導されるポリマー単位
が80重量%以上であり、かつ密度0.925g/cm3未満のL−
LDPEを96重量%以上含有する形成材料が好適に使
用できる。当然ではあるが、形成材料中には他の副成分
(例えば酸化防止剤、ブロッキング防止剤、スリップ剤
等)を含有することも可能である。ラミネート層3の形
成材料の主成分であるL−LDPEについては、エチレ
ンとの共重合に用いるモノマーは、4−メチルペンテン
−が好ましく、モノマーとしてブテン−1やヘキセン−
1は中間層2との接着強度が劣り、好ましくない。ま
た、密度については、0.925g/cm3未満が好ましく、0.92
5g/cm3以上のものについては中間層2との接着強度が劣
るため好ましくない。ラミネート層3の厚みとしては、
1μm以上であれば押出ラミネート層の低密度ポリエチ
レンと良好な接着性が得られる。
【0009】ラミネート層3の内側に形成される中間層
2としては、ブテン−1、ヘキセン−1、4−メチルペ
ンテン−1、オクテン−1から選択される1種または2
種以上のモノマーとエチレンとの共重合により得られ、
エチレンから誘導されるポリマー単位が80重量%以上で
あり、かつ密度0.925g/cm3未満のL−LDPEと、DS
C法による融解ピーク温度が150 ℃以下のエチレン含量
2〜 8重量%のプロピレン- エチレンランダム共重合体
および/またはエチレン含量 0.5〜 5重量%かつブテン
-1含量 3〜25重量%のプロピレン−エチレン−ブテン−
1ランダム共重合体からなるプロピレン−α−オレフィ
ン共重合体とのブレンド物を96重量%以上含有する形成
材料が好適に使用できる。当然ではあるが、形成材料中
には他の副成分(例えば酸化防止剤、スリップ剤等)を
含有することも可能である。該中間層形成材料の構成と
しては、L−LDPE:プロピレン−α−オレフィン共
重合体の重量比で(5〜5O) :(95 〜50) の範囲が好まし
く、この範囲でラミネート層およびシール層と安定した
層間接着強度を得ることができる。
【0010】また、中間層が図2に示すように2層以上
の多層構成(5、6)である場合、ラミネート層側5か
らシール層側6に向かって、ブレンド物中のL−LDP
E濃度が漸減する構成が望ましく、全ての中間層でL−
LDPE:プロピレン−α−オレフィン共重合体の重量
比が(5〜50) : (95〜50) の範囲とするのが好ましい。
中間層において、ラミネート層側からシール層側に向か
って、L−LDPE濃度が漸減する構成とするのは、中
間層とラミネート層および中間層とシール層の層間接着
強度をより安定化させるためである。中間層2およびシ
ール層1ともに、形成材料として用いるプロピレン共重
合体は、DSC法による融解ピーク温度が 150℃以下の
エチレン含量 3〜 8重量%のプロピレン−エチレン共重
合体および/またはエチレン含量 0.5〜 5重量%、かつ
ブテン−1含量3 〜25重量%のプロピレン−エチレン−
ブテン−1共重合体からなるプロピレン−α−オレフィ
ン共重合体樹脂が好ましい。ここで、シール層1形成材
料の融解ピーク温度が 150℃を超える場合には、低温シ
ール性が不良となり、ピロー包装適性が不足する。ま
た、中間層1形成材料の融解ピーク温度が150 ℃を超え
る場合には、ヒートシール時にシール層1のみが融解し
中間層1が融解しない領域があるためヒートシール強度
が不安定となり、ピロー包装適性が不足する。上記理由
により、中間層2およびシール層1ともに、DSC法に
よる融解ピーク温度が 150℃以下のプロピレン共重合体
を用いる構成が望ましい。
【0011】シール層1の形成材料中に添加されるブロ
ッキング防止剤4としては、シリコーン樹脂、ポリスチ
レン樹脂、ポリメタクリル酸メチル樹脂から選択される
平均粒径 0.5ミクロン〜 8ミクロンの真球状微粒子が好
ましい。ここで、ブロッキング防止剤4の形状として
は、下記式(a)で表される真球度fの値が0.80以上の
もの、好ましくは0.85以上のものが好ましい。なお、前
述の中間層形成材料中にはこれらブロッキング防止剤を
添加する必要はない。これは、中間層にこれらブロッキ
ング防止剤を添加してもコスト高となり、また透明性も
低下するためである。 f={A/(π/4)}0.5 /Dmax (a) {Aは重合体粉末の断面積mm2 、Dmax は同断面積の最
長径mm} シール層1の形成材料に、ブロッキング防止剤4として
前記有機系微粒子を用いることで、下記の効果が期待で
きる。 粒子表面が疎水性のため、シール層の形成材料中での
分散性が高く、フィッシュアイ(フィルム中に生ずる微
細なかたまり)の発生が少ない。 屈折率がポリプロピレンに近いため、透明性を阻害し
にくい。 無機系のブロッキング防止剤よりも柔らかい素材であ
るため、フィルム表面にコスレ傷が付きにくく、加工に
よる透明性低下が少ない。これら、ブロッキング防止剤
としては、例えば東芝シリコーン社「トスパール」(シ
リコーン樹脂真球体)、トーレ・シリコーン社「トレフ
ィル」(シリコーン樹脂真球体)、綜研化学社「ファイ
ンパウダー」(ポリスチレン樹脂真球体、ポリメタクリ
ル酸メチル樹脂真球体)、積水化成品工業社「テクポリ
マー」(ポリスチレン樹脂真球体、ポリメタクリル酸メ
チル樹脂真球体)等が挙げられ、これらの中から粒径お
よび樹脂系を選択して用いることができる。
【0012】また、シール層1の形成材料中への添加割
合は、前述のプロピレン−α−オレフィン共重合体 100
重量部に対してこれらブロッキング防止剤4を0.01〜 1
重量部、好ましくは0.03〜 0.5重量部である。ブロッキ
ング防止剤4の配合量が0.01重量部より少ないと後述の
脂肪酸アミド系スリップ剤単独での滑り安定性しか得ら
れず好ましくない。また、配合量が1重量部を超える
と、透明性が低下するばかりでなくコスト高となり好ま
しくない。当然、これら有機系のブロッキング防止剤の
他に、従来公知の無機系ブロッキング防止剤、例えばシ
リカ、タルク、ゼオライト、珪藻土等の併用も可能であ
る。
【0013】シール層1に前述のブロッキング防止剤4
を添加しただけでは、滑り性の付与が十分でないため、
本発明ではシール層1の形成材料中に脂肪酸アミド系の
スリップ性付与剤、さらに詳しくは炭素数22のエルカ
酸アミドとベヘニン酸アミドの混合物を用いることがで
きる。ここで、高温下での保管により滑り性が大きく低
下する原因としては、以下のように考えられる。脂肪酸
アミド系スリップ剤は、極性の強いアミド基と長鎖のア
ルキル基を有し、フィルム表面にブリードアウトした際
に水素結合により会合して結晶化することで滑り性を発
現するものである。しかしながら、高温下で保管された
場合には、脂肪酸アミドの結晶構造が破壊されて滑り性
が低下してしまう。不飽和脂肪酸アミドであるエルカ酸
アミドは、ベヘニン酸アミドに比較するとブリードアウ
トの速度が速く、即効性の高いスリップ剤であるが、結
晶性が低いことより、高温保管中の滑り性低下が著しい
という欠点を有する。飽和脂肪酸アミドであるベヘニン
酸アミドは、エルカ酸アミドに比較してブリードアウト
の速度が遅く遅効性であるが、結晶性が高いことより、
高温保管時の滑り性の低下が少ないという特徴を有す
る。
【0014】本発明では、上述のようにエルカ酸アミド
とベヘニン酸アミドの混合物をスリップ剤として用いる
ことで、安定したブリード速度および高温保管時の滑り
性低下を防止する。また、その混合比率(エルカ酸アミ
ドの重量/ベヘニン酸アミドの重量)は 0.2〜 5の範囲
内が好ましい。混合比率が 0.2以下である場合には、ベ
ヘニン酸アミド主体となり初期の滑り性が不足する場合
があり好ましくない。また、混合比率が 5を超えると、
エルカ酸アミド主体となり、高温保管時の滑り性低下が
大きくなり、好ましくない。好ましい比率としては、
0.5〜 2の範囲である。また、これら脂肪酸アミド系ス
リップ剤の好ましい添加濃度としては、シール層を形成
するプロピレン−α−オレフィン共重合体樹脂100 重量
部に対して、0.01〜 0.2重量部である。脂肪酸アミド系
スリップ剤の添加割合が0.01重量部以下の場合には、目
的とする滑り性が得られない場合があり、また 0.2重量
部を超えてもブリードアウトしたスリップ剤による透明
性の低下および押出ラミネート時に加工機のロール上に
スリップ剤が蓄積して、フィルムを汚染する可能性が高
くなるため好ましくない。また、スリップ剤の添加はシ
ール層に限るものではなく、必要に応じて中間層2・ラ
ミネート層3への添加も可能である。
【0015】これらの脂肪酸アミド系スリップ剤と、前
述の有機系真球状微粒子よりなるブロッキング防止剤と
を併用することによる相乗効果は大きなものがあり、本
発明の押出ラミネート用ポリプロピレン系フィルムがよ
り安定した品質となった。前記のような効果が得られた
のは、通常のブロッキング防止剤の表面が親水性である
のに対して、有機系真球状微粒子の表面が疎水性である
点が大きく関与していると推定される。すなわち、フィ
ルム表面のブロッキング防止剤表面が疎水性である場合
には、高温保存によって脂肪酸アミドの分子運動が激し
くなっても、結晶構造の破壊が起こりにくいと考えられ
る。
【0016】
【実施例】図3は本発明の評価のために作製したラミネ
ートフィルムの構成を示す断面図である。第1表及び第
2表に示す樹脂構成にて、3種3層の共押出フィルムを
作成し、供試品Tとした(第1表、第2表とも、表中の
単位は全て重量部)。作製した供試品Tを後述のように
基材層BFとラミネートして、各種項目についての評価
を行った。 (以下余白) PP-A:エチレン含量 2%、ブテンー1 含量 7.5%のプロピレン・エチレ ン・ブテンー1ランダム共重合体(融解ピーク温度 138℃、 230℃ におけるMFR 6g/10min ) PP-B:エチレン含量 5%のプロピレン・エチレンランダム共重合体(融解 ピーク温度 138℃、 230℃におけるMFR 5g/10min ) PP-C:エチレン含量 2%のプロピレン・エチレンランダム共重合体(融解 ピーク温度 152℃、 230℃におけるMFR 5g/10min ) LL-A:密度 0.915のエチレン・4−メチルペンテン一1共重合体(190℃に おけるMFR 2.5g/10min ) LL-B:密度 0.915g/cm3 のエチレン・ヘキセン−1共重合体( 19O℃にお けるMFR 2.5g/10min ) AB-A:平均粒径 5μのシリコーン樹脂真球状粒子 AB-B:平均粒径 5μの無定形シリカ SL-A:エルカ酸アミド SL-B:ベヘニン酸アミド 得られた前記の3種3層フィルムをタンデム型押出ラミ
ネーターを用いて図3に示すような構成のラミネートフ
ィルムとした。すなわち、下記の供試品TFが、前記実
施例1および比較例1〜7である。 構成:OPP 20μ/LDPE 15μ/VM-PET 12μ/LDPE 15μ/ 供
試品20μ 上記供試品20μの部分が、実施例1および比較例1〜7
のフィルム部分であり、前記各フィルムのラミネート層
と積層基材層BF(OPP20μ/LDPE 15μ/VM-PET12μ) の
PET面とを押出ラミネート用ポリエチレン10(LDPE15
μ)を用いてサンドイッチラミネートした。なお、DS
Cによる融解ピーク温度測定はセイコー電子工業社製D
SCを用い、サンプル量 5mgを採り、 200℃で 3分間保
持した後、30℃まで10℃/分の降温速度で結晶化させ、
さらに10℃/分の昇温速度で融解させた時の融解ピーク
温度である。
【0017】各種測定および評価は、次の方法により測
定した。 (1)ヒートシール強度 実施例1、比較例1〜4の各フィルム(3種3層)を基
材と前記の構成にてラミネート後、 130℃〜 170℃の温
度域において、1Kg/cm2 の圧力で1秒間ヒートシール
し、15mm幅の引張応力をテンシロン型引張測定により測
定した。 (2)滑り性 実施例1、比較例5〜7の各フィルム(3種3層)を基
材と前記の構成にてラミネート直後、23℃で1週間保存
後、37℃で1週間保存後、ASTM−D1894の静摩
擦係数測定法に準拠して測定した。
【0018】上記(1)ラミネートフィルムのヒートシ
ール強度を、前記ヒートシール強度測定方法に従い測定
した結果を第3表に、(2)滑り性試験の結果を第4表
に示す。 (以下余白) (結果)第3表および第4表より明らかな通り、本発明
フィルムは、良好な低温ヒートシール性を示した。ま
た、高温に暴露された条件においても、優れた滑り性を
持続することができる。
【0019】
【発明の効果】本発明の押出ラミネート用ポリプロピレ
ン系フィルムをシーラントフィルムとして用いることに
より、高温における保管がなされても、滑り性の低下が
すくなく、また、低温ヒートシール性を有するので、高
速包装機械への適性があり、またアンカーコート剤を塗
布することなく低密度ポリエチレン等による押出ラミネ
ートによって、より高いラミネート強度を示す包装材料
を提供できることになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による押出ラミネート用ポリプロピレン
系フィルムの中間層が1層の場合の構成を示す断面図。
【図2】中間層が2層の場合の構成を示す断面図。
【図3】本発明の評価のために作製したラミネートフィ
ルムの構成を示す断面図。
【符号の説明】
1 シール層 2 中間層 3 ラミネート層 4 真球度fが0.8 以上のブロッキング防止剤 5 中間層a 6 中間層b 7 OPP フィルム 8 LDPE( ラミネート樹脂) 9 アルミ蒸着PET フィルム 10 LDPE( ラミネート樹脂) SF 本発明にによる押出ラミネート用ポリプロピレン
系フィルム BF 積層された基材層 TF 供試品
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08K 5/20 KEW C08K 5/20 KEW 7/16 KFT 7/16 KFT C08L 23/14 LCF C08L 23/14 LCF // B29K 23:00 B29L 7:00 9:00

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくともラミネート層/中間層/シー
    ル層の構成よりなる多層押出フィルムであり、 ラミネート層は、下記(a)成分を96重量%以上含有す
    る形成材料により構成され、 また、中間層は、下記(b)成分と(c)成分のブレン
    ド物を96重量%以上含有する形成材料により構成され、 さらに、シール層は、下記(c)成分を96重量%以上含
    有する形成材料により構成されることを特徴とする押出
    ラミネート用ポリプロピレン系フィルム。 (a)成分:エチレンと4−メチルペンテン−1との共
    重合により得られ、エチレンから誘導されるポリマー単
    位が80重量%以上であり、かつ密度が0.925g/cm3未満の
    線状低密度ポリエチレン。 (b)成分:ブテン−1、ヘキセン−1、4−メチルペ
    ンテン−1、オクテン−1から選択される1種または2
    種以上のモノマーとエチレンとの共重合体により得ら
    れ、エチレンから誘導されるポリマー単位が80重量%以
    上であり、かつ密度が 0.925g/cm3 未満の線状低密度ポ
    リエチレン。 (c)成分:エチレンおよび/またはブテン−1とプロ
    ピレンとの共重合体であり、DSC法による融解ピーク
    温度が 150℃以下であるプロピレン−α−オレフィン共
    重合体。
  2. 【請求項2】 中間層が1層以上の構成であって、中間
    層における前記(b)成分と(c)成分の重量比が (5
    〜50) :(95 〜50) の範囲内であることを特徴とする特
    許請求の範囲第1項記載の押出ラミネート用ポリプロピ
    レン系フィルム
  3. 【請求項3】 ブロッキング防止剤としてシリコーン樹
    脂、ポリスチレン樹脂、ポリメタクリル酸メチル樹脂か
    ら選択される、平均粒径 0.5ミクロン〜 8ミクロンであ
    り、さらに次式で表される真球度fが 0.80 以上の真球
    状微粒子が0.01〜 1重量%が、前記シール層の形成材料
    中に分散していることを特徴とする特許請求の範囲第1
    項または第2項記載の押出ラミネート用ポリプロピレン
    系フィルム。 f={A/(π/4)}0.5 /Dmax (Aは微粒子粉末の断面積mm2 、Dmax は同断面の最長
    径mm)
  4. 【請求項4】 エルカ酸アミドとベヘニン酸アミドの混
    合比率(エルカ酸アミドの重量/ベヘニン酸アミドの重
    量)が 0.2〜 5である脂肪酸アミド系スリップ剤が少な
    くとも前記シール層の形成材料中に0.01〜 0.2重量%含
    有されていることを特徴とする特許請求の範囲第1項〜
    第3項記載の押出ラミネート用ポリプロピレン系フィル
    ム。
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