JPH1074750A - 有機絶縁膜材料およびその製造方法 - Google Patents
有機絶縁膜材料およびその製造方法Info
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- JPH1074750A JPH1074750A JP22989296A JP22989296A JPH1074750A JP H1074750 A JPH1074750 A JP H1074750A JP 22989296 A JP22989296 A JP 22989296A JP 22989296 A JP22989296 A JP 22989296A JP H1074750 A JPH1074750 A JP H1074750A
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Abstract
から成る有機絶縁膜材料でありかつより高い耐熱性を有
する有機絶縁膜材料及びその製造方法を提供すること。 【解決手段】 下記の(7)式で示される構造単位と、
下記の(38)式で示される構造単位とから構成される
架橋型構造を有する有機ポリマである。この有機絶縁膜
材料は反応器に、4,4’,4”−エチリデントリスフ
ェノールと、パーフロロビフェニルと、炭酸カリウムと
を入れ、さらにN,N−ジメチルアセトアミドを加え、
窒素雰囲気下、80℃で2時間攪拌して重合反応させ、
その後、反応溶液を希塩酸に投入して沈殿を生成させ、
得られた沈殿をろ紙を用いてろ別し、洗液が中性になる
まで水で洗浄し、さらにメタノールで洗浄した後、真空
乾燥器内で80℃で24時間乾燥させることにより製造
した。 【化24】
Description
半導体装置製造時に用いる有機絶縁膜材料に関する。
にはそれを構成するトランジスタの微細化によって達成
される。しかし、今後さらに、素子が高密度に集積され
配線間隔が縮小すると、配線を伝搬する信号の遅延や隣
接配線間でのクロストークが顕著になる。そして、これ
らがLSIの高性能化を妨げる重大な要因となることが
予想される。
するための対策の一つとして、配線間を埋める絶縁膜の
誘電率を下げることが検討されている。そして、多くの
有機ポリマがシリコン酸化膜に比べかなり低い誘電率を
有するため、有機ポリマを絶縁膜材料(有機絶縁膜材
料)として用いて絶縁膜(有機絶縁膜)を形成した場
合、配線遅延やクロストークの低減効果が大きいと見ら
れている。
butene(BCBとして呼称される))から成る有機絶縁
膜材料がダウ・ケミカル(株)からCYCLOTENE
(商品名)として販売されている。この材料は、等方性
比誘電率が2.7(1MHz)であり、350℃以上の
ガラス転移温度を有し、良好な埋め込み特性を示す(文
献1:「1995 Dielectrics for VLSI/ULSI Multilevel
Inerconnction Conference(DUMIC 95),1995,pp.269-27
5. 」参照)。
料をLSIプロセスへ適用する場合には、若干の問題が
ある。すなわち、この材料はケイ素原子を含む有機ケイ
素ポリマから成るものであるため、有機絶縁膜の加工方
法であるO2 −RIE(反応性イオンエッチング)を適
用する場合、膜中のケイ素が酸化ケイ素となる。そし
て、これがエッチング残渣となる。またこの材料は35
0℃で熱分解するため、プロセス温度をこれ以下に下げ
ることが必要とされる。このため、配線工程などのよう
に400℃程度の温度を必要とするプロセスには、この
材料を使用できない。
有機ポリマから成る有機絶縁膜材料でありかつより高い
耐熱性を有する有機絶縁膜材料の出現が望まれていた。
有機絶縁膜材料の出現が望まれていた。
発明者は、以下に示す〜の公知事実に基づいて、有
機絶縁膜材料として用いることのできる有機ポリマの設
計を行った。
線状構造を有するポリマに比べて耐熱性が高い。
リマの耐熱性を上げることができる。
リマの比誘電率を下げることができる。
れた、この発明の有機絶縁膜材料によれば、1または複
数のベンゼン環を含むポリフェノール型構造単位であっ
てかつ任意の1または複数のベンゼン環に当該ポリフェ
ノール型構造単位全体として3つ以上の酸素が直接結合
しているポリフェノール型構造単位と、1または複数の
ベンゼン環を含みそれと前記酸素とが直接結合して前記
ポリフェノール型構造単位間を橋渡ししているアリール
型構造単位とから構成される架橋型構造を有する有機ポ
リマから成ることを特徴とする。ただし、ベンゼン環は
全部または一部が縮合ベンゼン環である場合も含む。縮
合ベンゼン環とは、ナフタレン環、アントラセン環、ピ
レン環など複数の6員環から構成される縮合環のことで
ある。なお、前記フェノール型構造単位は、有機絶縁膜
材料中に2種類以上のものが存在している場合であって
も良い。同様に、前記アリール型構造単位は、有機絶縁
材料中に2種類以上のものが存在している場合であって
も良い。
れば、各構造単位中にベンゼン環(縮合ベンゼン環の場
合、ベンゼン環および縮合ベンゼン環の両方の場合もあ
る。)を導入してある。また、アリール型構造単位がポ
リフェノール型構造単位間を橋渡しして架橋型構造を形
成している。このため、この発明の有機絶縁膜材料の耐
熱性は高くなる。
造単位として、例えば下記の(1)式で示される4,
4’,4”−メチリデントリスフェノール(ここで示し
た化学名は、酸素に水素が結合しているとき、すなわち
芳香環にヒドロキシル基が直接結合しているときの芳香
族化合物としての名称である。以下の(2)〜(36)
式において同じである。)、下記の(2)式で示される
4,4’−[1−[4−[1−(4−ヒドロキシフェニ
ル)−1−メチルエチル]フェニル]エチリデン]−ビ
スフェノール、下記の(3)式で示される4−[ビス
(4−ヒドロキシフェニル)メチル]−2−メトキシフ
ェノール、下記の(4)式で示される2,6−ビス
[(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)メチル]−
4−メチルフェノール、下記の(5)式で示される4,
4’,4”−エチリデントリス[2−メチルフェノー
ル]、下記の(6)式で示される4,4’−[(2−ヒ
ドロキシフェニル)メチレン]−ビス[2−シクロヘキ
シル−5−メチルフェノール]、下記の(7)式で示さ
れる4,4’,4”−エチリデントリスフェノール、下
記の(8)式で示される4,4’−[(2−ヒドロキシ
フェニル)メチレン]−ビス[2−メチルフェノー
ル]、下記の(9)式で示される4,4’−[(4−ヒ
ドロキシフェニル)メチレン]−ビス[2−メチルフェ
ノール]、下記の(10)式で示される4,4’−
[(2−ヒドロキシフェニル)メチレン]−ビス[3−
メチルフェノール]、下記の(11)式で示される4−
[ビス(4−ヒドロキシフェニル)メチル]−2−エト
キシフェノール、下記の(12)式で示される4,4’
−[(2−ヒドロキシフェニル)メチレン]−ビス
[2,3−ジメチルフェノール]、下記の(13)式で
示される4,4’−[(4−ヒドロキシフェニル)メチ
レン]−ビス[2,6−ジメチルフェノール]、下記の
(14)式で示される4,4’−[(3−ヒドロキシフ
ェニル)メチレン]−ビス[2,6−ジメチルフェノー
ル]、下記の(15)式で示される2,2’−[(2−
ヒドロキシフェニル)メチレン]−ビス[3,5−ジメ
チルフェノール]、下記の(16)式で示される2,
2’−[(4−ヒドロキシフェニル)メチレン]−ビス
[3,5−ジメチルフェノール]、下記の(17)式で
示される4−[ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキ
シフェニル)メチル]−2−メトキシフェノール、下記
の(18)式で示される4,4’−[(2−ヒドロキシ
フェニル)メチレン]−ビス[2,3,5−トリメチル
フェノール]、下記の(19)式で示される4,4’−
[(2−ヒドロキシフェニル)メチレン]−ビス[2,
3,6−トリメチルフェノール]、下記の(20)式で
示される4,4’−[(3−ヒドロキシフェニル)メチ
レン]−ビス[2,3,6−トリメチルフェノール]、
下記の(21)式で示される4,4’−[(4−ヒドロ
キシフェニル)メチレン]−ビス[2,3,6−トリメ
チルフェノール]、下記の(22)式で示される4,
4’−[(4−ヒドロキシフェニル)メチレン]−ビス
[2−シクロヘキシル−5−メチルフェノール]、下記
の(23)式で示される4,4’−[(3−ヒドロキシ
フェニル)メチレン]−ビス[2−シクロヘキシル−5
−メチルフェノール]、下記の(24)式で示される
4,4’−[(3−メトキシ−4−ヒドロキシフェニ
ル)メチレン]−ビス[2−シクロヘキシル−5−メチ
ルフェノール]、下記の(25)式で示される2,
4’,4”−メチリデントリスフェノール、下記の(2
6)式で示される4,4’,4”−(1−メチル−1−
プロパン−3−イリデン)−トリスフェノール、下記の
(27)式で示される4,4’−[1−[4−[1−
(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチル)−1−メチルエ
チル]フェニル]エチリデン]−ビス[2,6−ジメチ
ルフェノール]、下記の(28)式で示される4,
4’,4”,4''' −(1,2−エチレンジイリデン)
−テトラキス[2−メチルフェノール]、下記の(2
9)式で示される4,4’,4”,4''' −(1,4−
フェニレンジメチリジイン)−テトラキスフェノール、
下記の(30)式で示される4,4’,4”,4''' −
(1,2−エタンジイリデン)−テトラキス[2,6−
ジメチルフェノール]、下記の(31)式で示される
4,4’,4”,4''' −(1,4−フェニレンジメチ
リジイン)−テトラキス(2,6−ジメチルフェノー
ル)、下記の(32)式で示される2,2’−メチレン
−ビス[6−[(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニ
ル)メチル]−4−メチルフェノール]、下記の(3
3)式で示される1,3,5−ベンゼントリオール、下
記の(34)式で示される4−[1−(4−ヒドロキシ
フェニル)−1−メチルエチル]−1,3−ベンゼンジ
オール、下記の(35)式で示される4−[3,5−
(ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)メチル]−1,
2,3−ベンゼンジオール、下記の(36)式で示され
る4,4’−[1,4−フェニレンビス(1−メチルエ
チリデン)]−ビス−1,2,−ベンゼンジオールを挙
げることができる。(1)〜(32)式に示すポリフェ
ノール型構造単位は、3個以上の1価フェノールを有す
る芳香族化合物に相当し、(33)〜(36)式に示す
ポリフェノール型構造単位は、多価フェノールを有する
芳香族化合物に相当する。
として、例えば下記の(37)式で示される1,4−パ
ーフロロフェニレン(ここで示した化学名は、ハロゲン
が脱離した後の有機ポリマ中でのフッ化アリール型構造
単位としての名称である。以下の(38)〜(42)式
において同じである。)、下記の(38)式で示される
4,4−パーフロロビフェニレン、下記の(39)式で
示される1,5−パーフロロナフタニレン、下記の(4
0)式で示される2,6−パーフロロナフタニレン、下
記の(41)式で示される1,6−パーフロロナフタニ
レン、下記の(42)式で示される1−トリフロロメチ
ル−2,4−トリフロロフェニレンを挙げることができ
る。
は、使用目的に応じて任意好適なものとすれば良い。た
だし、この発明の有機絶縁膜材料から成る有機絶縁膜を
形成する場合、塗布法を用いるため、塗布液の調製のし
易さおよび形成される有機絶縁膜の厚さを考慮して、分
子量の上限は2000000とするのが良い。さらに、
有機絶縁膜の耐熱性を考慮して、分子量の下限は100
00とするのが良い。分子量が10000〜20000
00の範囲の場合、塗布液を調製するための溶剤に対す
る有機絶縁膜材料の溶解度が十分大きく、従って1μm
程度の厚さの有機絶縁膜を形成することが可能となる。
さらに分子量が上述の範囲の場合、ガラス転移点が20
0℃〜350℃と高いため、プロセス温度の下限を40
0℃以上に保つことが可能となる。
ル型構造単位を、任意の1または複数のベンゼン環(全
部または一部が縮合ベンゼン環である場合も含む。)に
フッ素が直接結合している構造単位とするのが良い。こ
のようなアリール型構造単位により有機絶縁膜材料を構
成した場合、有機絶縁膜材料中にフッ素が導入されるた
め、有機絶縁膜材料の比誘電率は小さくなる。なお、上
記の(37)〜(42)式に示されるアリール型構造単
位はこのような構造単位に該当する。
法によれば、1または複数のベンゼン環を含む芳香族化
合物であってかつ任意の1または複数のベンゼン環に当
該芳香族化合物全体として3つ以上のヒドロキシル基が
直接結合している芳香族化合物から成る第1のモノマー
と、1または複数のベンゼン環を含む芳香族ハロゲン化
合物であってかつ任意の1または複数のベンゼン環に当
該芳香族ハロゲン化合物全体として2つ以上のハロゲン
が直接結合している芳香族ハロゲン化合物から成る第2
のモノマーとを、塩基性触媒の存在下で重合させること
を特徴とする。ただし、ベンゼン環は全部または一部が
縮合ベンゼン環である場合も含む。
場合、塩基性触媒の作用により反応溶液中でフェノキシ
ドイオンとして存在している第1のモノマーが、第2の
モノマー中のハロゲンと置換する。このような置換反応
が第1のモノマー中の3箇所以上の位置で起こり、それ
ぞれの位置で第2のモノマーと結合することから、架橋
型構造のポリマーが形成される。
て、例えば炭酸カリウム、炭酸ナトリウムまたは有機塩
基が挙げられる。
れぞれ説明する。しかしながら、以下の説明中で挙げる
使用材料およびその量、処理温度、処理時間、膜厚など
の数値的条件、並びに処理方法はこれら発明の範囲内の
一例に過ぎないことを理解されたい。
れるポリフェノール型構造単位と、下記の(38)式で
示されるアリール型構造単位とから構成される架橋型構
造を有する有機ポリマである。
で製造した。先ず、攪拌機、冷却管、温度計を装着した
反応器に、第1のモノマーとしての4,4’,4”−エ
チリデントリスフェノール30.6g(0.1mol)
と、第2のモノマーとしてのパーフロロビフェニル5
0.1g(0.15mol)と、塩基性触媒としての炭
酸カリウム45.5g(0.33mol)とを入れ、さ
らに溶媒としてのN,N−ジメチルアセトアミドを40
0ml加えて、第1及び第2のモノマー並びに塩基性触
媒を溶解させた。そしてこの反応器内を十分窒素置換し
た後、反応溶液を速やかに80℃に加熱し、窒素雰囲気
下で2時間攪拌して重合反応させた。その後、反応溶液
を室温まで冷却した後、反応溶液を希塩酸に投入して沈
殿を生成させた。このようにして得られた沈殿をろ紙を
用いてろ別した後、洗液が中性になるまでこの沈殿を水
で洗浄した。水で洗浄したこの沈殿を最後にメタノール
で洗浄し、風乾後、真空乾燥器内で80℃で24時間乾
燥させることにより、有機絶縁膜材料として、52gの
ポリマを得た。
均分子量は425000であった。ただし、重量平均分
子量はゲルパーミエーションクロマトグラフィにより測
定した(以下に示す各実施例においても、本実施例と同
様の方法で重量平均分子量を測定した。)。
0℃であった。ただし、ガラス転移温度は示差走査熱量
分析により求めた(以下に示す各実施例においても、本
実施例と同様の方法でガラス転移温度を求めた。)。
62℃であった。ただし、1%重量減少温度は熱重量示
差熱分析により求めた(以下に示す各実施例において
も、本実施例と同様の方法で1%重量減少温度を求め
た。)。
あった。ただし、このポリマの比誘電率は以下に示す方
法で求めた(以下に示す各実施例においても、本実施例
と同様の方法で比誘電率を求めた。)。すなわち、先
ず、このポリマ5.0gを酢酸2−メトキシエチル50
mlに溶解し、0.2μmメンブレンフィルタでろ過し
て塗布液を調製した。その後、この塗布液をシリコン基
板(抵抗率10μΩcm以下)上にスピンコートし、ホ
ットプレート上で200℃で30分間、次いで窒素雰囲
気下で360℃で1時間ベーキングを行い、厚さ0.5
0μmのこのポリマからなる膜を形成した。その後、こ
の膜の上に適当なサイズの孔(例えば、直径0.14m
m〜8.0mmの複数のサイズ)を有するステンシルマ
スクを介して、真空蒸着法によりアルミニウムを堆積さ
せた。そして、シリコン基板上に得られた金属/絶縁膜
/半導体の構造を用いて高周波(1MHz)で電気容量
測定を行い、比誘電率を求めた。
料の熱分解開始温度(1%重量減少温度)が462℃で
あり、耐熱性において従来材料よりも100℃以上も向
上している。従って配線間の接続孔を金属で埋め込むよ
うな400℃程度の温度を必要とするプロセスにも十分
に耐え得るので、LSI用の有機絶縁膜材料として使用
できる。また、比誘電率も2.55と従来材料の2.7
よりも小さく、この材料を用いて絶縁膜(有機絶縁膜)
を形成した場合、より一層の信号伝搬遅延の低減効果が
期待できる。従って誘電率の低い有機絶縁膜を用いた高
速LSIの開発が容易になる。
ンコートし、360℃で1時間ベーキングを行うことに
より作製した厚さ0.50μmのこのポリマからなる膜
を測定試料としてIR測定(IR測定には測定装置とし
てBiolad社製のFTS60(型番)を用いた。)
を行った(以下に示す各実施例においても、本実施例と
同様の方法でIR測定を行った。)。このポリマのIR
チャート中には、1649cm-1および1603cm-1
にベンゼン環のC−C結合の伸縮振動によるピークが観
察された。このベンゼン環のC−C結合の伸縮振動によ
るピークは第1および第2のモノマーの両方のモノマー
に由来するピークである。また、1500cm-1にC−
F結合の伸縮振動によるピークが観察された。このC−
F結合の伸縮振動によるピークは第2のモノマーに由来
するピークである。また、1212cm-1および117
4cm-1にC−O結合の伸縮振動によるピークが観察さ
れた。このC−O結合の伸縮振動によるピークは第1の
モノマーと第2のモノマーとが結合して形成されるエー
テル結合に由来するピークである。なお、その他のピー
クは、他のピークと重なっていたり、またピーク自身が
小さかったりするために、観察できなかった。
ロロホルム約5mlに溶解して得た溶液を測定試料とし
て13CのNMR測定(NMR測定には測定装置としてJ
EOL社製のJNM−GSX500(型番)を用い
た。)を行った(以下に示す各実施例においても、本実
施例と同様の方法でNMR測定用の試料を作製し
た。)。このポリマーのNMRチャート中には、32p
pmにシングレットのピークが観察された。このピーク
は第1のモノマーのメチル基の炭素に由来するピークで
ある。また、52ppmにシングレットのピークが観察
された。このピークは第1のモノマーの4級炭素に由来
するピークである。また、115ppmにシングレット
のピークが観察された。このピークは第1のモノマーの
ベンゼン環の炭素のうちメタ位の炭素(すなわち4級炭
素にも酸素にも結合していない炭素のうち4級炭素に結
合している炭素に近い方の炭素)に由来するピークであ
る。また、130ppmにシングレットのピークが観察
された。このピークは第1のモノマーのベンゼン環の炭
素のうちオルト位の炭素(すなわち4級炭素にも酸素に
も結合していない炭素のうち酸素に結合している炭素に
近い方の炭素)に由来するピークである。また、155
ppmにシングレットのピークが観察された。このピー
クは酸素に結合しているベンゼン環の炭素に由来するピ
ーク、すなわち第1のモノマーと第2のモノマーとが結
合して形成されるエーテル結合に由来するピークであ
る。また、135〜150ppmにマルチプレットのピ
ークが観測された。このピークは、第2のモノマーのベ
ンゼン環の炭素のうちフッ素に結合している炭素に由来
するピークである。
チャート中にも、第1のモノマーに由来のピーク、第2
のモノマーに由来のピーク、さらに第1のモノマーと第
2のモノマーとが結合して形成されるエーテル結合に由
来のピークが観察された。このことから、上述の方法で
製造したポリマは、上記の(7)式で示されるポリフェ
ノール型構造単位と、上記の(38)式で示されるアリ
ール型構造単位とから構成される有機ポリマであると考
えられる。また、反応条件を考慮すると、この有機ポリ
マは架橋型構造を有していると考えられる。
膜材料と同じく、上記の(7)式で示されるポリフェノ
ール型構造単位と、上記の(38)式で示されるアリー
ル型構造単位とから構成される架橋型構造を有する有機
ポリマである。ただし、製造時の原料の仕込み組成を変
えて、第1実施例の有機絶縁膜材料に比べて分子量を低
くしてある。
込み組成を変えた点を除いて、第1実施例の場合と同じ
方法を用いて製造した。すなわち、第2のモノマーとし
てパーフロロビフェニルを52.6g(0.1575m
ol)用いることにより、有機絶縁膜材料として、47
gのポリマを得た。
均分子量は64000であった。また、このポリマのガ
ラス転移温度は240℃であった。また、このポリマの
1%重量減少温度は450℃であった。また、このポリ
マの比誘電率は2.57であった。
料の熱分解開始温度(1%重量減少温度)が450℃で
あり、耐熱性において従来材料よりも100℃程度向上
している。従って配線間の接続孔を金属で埋め込むよう
な400℃程度の温度を必要とするプロセスにも十分に
耐え得るので、LSI用の有機絶縁膜材料として使用で
きる。また、比誘電率も2.57と従来材料の2.7よ
りも小さく、この材料を用いて絶縁膜(有機絶縁膜)を
形成した場合、より一層の信号伝搬遅延の低減効果が期
待できる。従って誘電率の低い有機絶縁膜を用いた高速
LSIの開発が容易になる。
MRチャート中には、第1実施例の場合と同様なピーク
が観察された。従って、上述の方法で製造したポリマ
は、上記の(7)式で示されるポリフェノール型構造単
位と、上記の(38)式で示されるアリール型構造単位
とから構成される有機ポリマであると考えられる。ま
た、反応条件を考慮すると、この有機ポリマは架橋型構
造を有していると考えられる。
膜材料と同じく、上記の(7)式で示されるポリフェノ
ール型構造単位と、上記の(38)式で示されるアリー
ル型構造単位とから構成される架橋型構造を有する有機
ポリマである。ただし、製造時の反応時間を変えて、第
1実施例の有機絶縁膜材料に比べて分子量を高くしてあ
る。
を変えた点を除いて、第1実施例の場合と同じ方法を用
いて製造した。すなわち、反応時間を4時間とすること
により、有機絶縁膜材料として、47gのポリマを得
た。
均分子量は1486000であった。また、このポリマ
のガラス転移温度は310℃であった。また、このポリ
マの1%重量減少温度は465℃であった。また、この
ポリマの比誘電率は2.54であった。
料の熱分解開始温度(1%重量減少温度)が465℃で
あり、耐熱性において従来材料よりも100℃以上も向
上している。従って配線間の接続孔を金属で埋め込むよ
うな400℃程度の温度を必要とするプロセスにも十分
に耐え得るので、LSI用の有機絶縁膜材料として使用
できる。また、比誘電率も2.54と従来材料の2.7
よりも小さく、この材料を用いて絶縁膜(有機絶縁膜)
を形成した場合、より一層の信号伝搬遅延の低減効果が
期待できる。従って誘電率の低い有機絶縁膜を用いた高
速LSIの開発が容易になる。
第1実施例の場合と同様なピークが観察された。従っ
て、上述の方法で製造したポリマは、上記の(7)式で
示されるポリフェノール型構造単位と、上記の(38)
式で示されるアリール型構造単位とから構成される有機
ポリマであると考えられる。また、反応条件を考慮する
と、この有機ポリマは架橋型構造を有していると考えら
れる。
れるポリフェノール型構造単位と、下記の(39)式で
示されるアリール型構造単位とから構成される架橋型構
造を有する有機ポリマである。
ノマーとして1,5−ジブロモ−2,3,4,6,7,
8−ヘキサフロロナフタレンを用いた点を除いて、第1
実施例の場合と同じ方法を用いて製造した。すなわち、
第2のモノマーとしての1,5−ジブロモ−2,3,
4,6,7,8−ヘキサフロロナフタレン59.1g
(0.15mol)を用いることにより、有機絶縁膜材
料として、42gのポリマを得た。
均分子量は127000であった。また、このポリマの
ガラス転移温度は295℃であった。また、このポリマ
の1%重量減少温度は460℃であった。また、このポ
リマの比誘電率は2.65であった。
料の熱分解開始温度(1%重量減少温度)が460℃で
あり、耐熱性において従来材料よりも100℃以上も向
上している。従って配線間の接続孔を金属で埋め込むよ
うな400℃程度の温度を必要とするプロセスにも十分
に耐え得るので、LSI用の有機絶縁膜材料として使用
できる。また、比誘電率も2.65と従来材料の2.7
よりも小さく、この材料を用いて絶縁膜(有機絶縁膜)
を形成した場合、より一層の信号伝搬遅延の低減効果が
期待できる。従って誘電率の低い有機絶縁膜を用いた高
速LSIの開発が容易になる。
1650cm-1および1605cm-1にベンゼン環のC
−C結合の伸縮振動によるピークが観察された。このベ
ンゼン環のC−C結合の伸縮振動によるピークは第1お
よび第2のモノマーの両方のモノマーに由来するピーク
である。また、1502cm-1、1452cm-1および
1409cm-1にC−F結合の伸縮振動によるピークが
観察された。このC−F結合の伸縮振動によるピークは
第2のモノマーに由来するピークである。また、121
8cm-1および1170cm-1にC−O結合の伸縮振動
によるピークが観察された。このC−O結合の伸縮振動
によるピークは第1のモノマーと第2のモノマーとが結
合して形成されるエーテル結合に由来するピークであ
る。なお、その他のピークは、他のピークと重なってい
たり、またピーク自身が小さかったりするために、観察
できなかった。
ノマーに由来のピーク、第2のモノマーに由来のピー
ク、さらに第1のモノマーと第2のモノマーとが結合し
て形成されるエーテル結合に由来のピークが観察され
た。このことから、上述の方法で製造したポリマは、上
記の(7)式で示されるポリフェノール型構造単位と、
上記の(39)式で示されるアリール型構造単位とから
構成される有機ポリマであると考えられる。また、反応
条件を考慮すると、この有機ポリマは架橋型構造を有し
ていると考えられる。
されるポリフェノール型構造単位と、下記の(38)式
で示されるフッ化アリール型構造単位とから構成される
架橋型構造を有する有機ポリマである。
ノマーとして4,4’,4”,4''' −(1,4−フェ
ニレンジメチリジイン)−テトラキスフェノールを用い
た点を除いて、第1実施例の場合と同じ方法を用いて製
造した。すなわち、第1のモノマーとしての4,4’,
4”,4''' −(1,4−フェニレンジメチリジイン)
−テトラキスフェノール47.4g(0.10mol)
と、第2のモノマーとしてのパーフロロビフェニル6
6.8g(0.20mol)とを塩基性触媒としての炭
酸カリウム60.7g(0.44mol)の存在下で重
合させることにより、有機絶縁膜材料として、49gの
ポリマを得た。
均分子量は1560000であった。また、このポリマ
のガラス転移温度は305℃であった。また、このポリ
マの1%重量減少温度は440℃であった。また、この
ポリマの比誘電率は2.55であった。
料の熱分解開始温度(1%重量減少温度)が440℃で
あり、耐熱性において従来材料よりも向上している。従
って配線間の接続孔を金属で埋め込むような400℃程
度の温度を必要とするプロセスにも十分に耐え得るの
で、LSI用の有機絶縁膜材料として使用できる。ま
た、比誘電率も2.55と従来材料の2.7よりも小さ
く、この材料を用いて絶縁膜(有機絶縁膜)を形成した
場合、より一層の信号伝搬遅延の低減効果が期待でき
る。従って誘電率の低い有機絶縁膜を用いた高速LSI
の開発が容易になる。
測定およびNMR測定を行っていないが、第1〜第4実
施例で示したポリマが、第1のモノマーと第2のモノマ
ーとがエーテル結合により結合されているポリマである
ことを考慮すると、この実施例で示したポリマも、上記
の(29)式で示されるポリフェノール型構造単位と、
上記の(38)式で示されるアリール型構造単位とから
実質的に構成される有機ポリマであると考えられる。ま
た、反応条件を考慮すると、この有機ポリマは架橋型構
造を有していると考えられる。
るために、その成膜方法として、回転塗布法、浸漬法、
吹き付け法、プレス法などを用いることができる。
て、Cu、Al、Wなどの配線金属や、酸化膜などが設
けられている基板などを用いることができる。
発明の有機絶縁膜材料は、ポリフェノール型構造単位と
アリール型構造単位とから構成される有機ポリマであ
る。すなわち、この発明の有機絶縁膜材料の各構造単位
中にはベンゼン環(縮合ベンゼン環の場合、ベンゼン環
および縮合ベンゼン環の両方の場合もある。)が導入さ
れている。また、この発明の有機絶縁膜材料は、架橋型
構造を有している。このため、この発明の有機絶縁膜材
料は、高い耐熱性を有している。
たは複数のベンゼン環(全部または一部が縮合ベンゼン
環の場合も含む。)にフッ素が直接結合している構造単
位とした場合には、有機絶縁膜材料中にフッ素が導入さ
れるため、有機絶縁膜材料の比誘電率は小さくなる。
たは複数のベンゼン環(全部または一部が縮合ベンゼン
環である場合も含む。)を含む芳香族化合物であってか
つ任意の1または複数のベンゼン環に当該芳香族化合物
全体として3つ以上のヒドロキシル基が直接結合してい
る芳香族化合物から成る第1のモノマーと、1または複
数のベンゼン環を含む芳香族ハロゲン化合物であってか
つ任意の1または複数のベンゼン環(全部または一部が
縮合ベンゼン環である場合も含む。)に当該芳香族ハロ
ゲン化合物全体として2つ以上のハロゲンが直接結合し
ている芳香族ハロゲン化合物から成る第2のモノマーと
を、塩基性触媒の存在下で重合させることにより容易に
製造することができる。
Claims (5)
- 【請求項1】 1または複数のベンゼン環を含むポリフ
ェノール型構造単位であってかつ任意の1または複数の
ベンゼン環に当該ポリフェノール型構造単位全体として
3つ以上の酸素が直接結合しているポリフェノール型構
造単位と、 1または複数のベンゼン環を含みそれと前記酸素とが直
接結合して前記ポリフェノール型構造単位間を橋渡しし
ているアリール型構造単位とから構成される架橋型構造
を有する有機ポリマから成ることを特徴とする有機絶縁
膜材料(ただし、ベンゼン環は全部または一部が縮合ベ
ンゼン環である場合も含む。)。 - 【請求項2】 請求項1に記載の有機絶縁膜材料におい
て、前記ポリフェノール型構造単位を、下記の(1)〜
(36)式で示されるものから選ばれた1種類または2
種類以上のものとしたことを特徴とする有機絶縁膜材
料。 【化1】 【化2】 【化3】 【化4】 【化5】 【化6】 【化7】 【化8】 【化9】 - 【請求項3】 請求項1に記載の有機絶縁膜材料におい
て、前記アリール構造単位を、下記の(37)〜(4
2)式で示されるものから選ばれた1種類または2種類
以上のものとしたことを特徴とする有機絶縁膜材料。 【化10】 - 【請求項4】 請求項1に記載の有機絶縁膜材料におい
て、前記アリール型構造単位を、任意の1または複数の
ベンゼン環にフッ素が直接結合している構造単位とした
ことを特徴とする有機絶縁膜材料。 - 【請求項5】 請求項1に記載の有機絶縁膜材料を製造
するに当たり、1または複数のベンゼン環を含む芳香族
化合物であってかつ任意の1または複数のベンゼン環に
当該芳香族化合物全体として3つ以上のヒドロキシル基
が直接結合している芳香族化合物から成る第1のモノマ
ーと、 1または複数のベンゼン環を含む芳香族ハロゲン化合物
であってかつ任意の1または複数のベンゼン環に当該芳
香族ハロゲン化合物全体として2つ以上のハロゲンが直
接結合している芳香族ハロゲン化合物から成る第2のモ
ノマーとを、塩基性触媒の存在下で重合させることを特
徴とする有機絶縁膜材料の製造方法(ただし、ベンゼン
環は全部または一部が縮合ベンゼン環である場合も含
む。)。
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---|---|---|---|
JP22989296A JP3195247B2 (ja) | 1996-08-30 | 1996-08-30 | 有機絶縁膜材料およびその製造方法 |
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JP22989296A Expired - Lifetime JP3195247B2 (ja) | 1996-08-30 | 1996-08-30 | 有機絶縁膜材料およびその製造方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2006137327A1 (ja) * | 2005-06-24 | 2006-12-28 | Asahi Glass Company, Limited | 架橋性含フッ素芳香族プレポリマー及びその用途 |
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JP2009026810A (ja) * | 2007-07-17 | 2009-02-05 | Asahi Glass Co Ltd | パターン形成方法 |
WO2009154254A1 (ja) | 2008-06-19 | 2009-12-23 | 旭硝子株式会社 | 硬化性組成物およびそれを用いた硬化膜 |
-
1996
- 1996-08-30 JP JP22989296A patent/JP3195247B2/ja not_active Expired - Lifetime
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US8519080B2 (en) | 2006-06-02 | 2013-08-27 | Asahi Glass Company, Limited | Crosslinkable prepolymer, its production process and its uses |
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