JPH107465A - 窒化アルミニウム焼結体の製造方法 - Google Patents

窒化アルミニウム焼結体の製造方法

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JPH107465A
JPH107465A JP8181234A JP18123496A JPH107465A JP H107465 A JPH107465 A JP H107465A JP 8181234 A JP8181234 A JP 8181234A JP 18123496 A JP18123496 A JP 18123496A JP H107465 A JPH107465 A JP H107465A
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JP
Japan
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aln
sintered body
inert gas
firing
binder removal
Prior art date
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Application number
JP8181234A
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English (en)
Inventor
Ichiro Uchiyama
一郎 内山
Akihiro Hamano
明弘 浜野
Koichi Terao
公一 寺尾
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Sumitomo Metal Industries Ltd
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  • Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 焼成炉に通常の耐火物を使用し、不活性ガス
に水素を3vol%を超えて含む雰囲気で焼成処理を施
すと、耐火物中の不純物が蒸発し、AlN焼結体、又は
AlN焼結体表面や内部に形成された配線が変色する。
また、脱バインダ処理を不活性ガス単独雰囲気中で施す
と、バインダの熱分解により生じる炭素が成形体中に残
留し、焼成による緻密化が進行しにくい。 【解決手段】 脱バインダゾーン11及び焼成ゾーン1
2の内壁15に、SiO2 を0.5重量%以下、Fe2
3 を0.5重量%以下、及び不可避的不純物を含んで
なるアルミナ耐火物が用いられた連続焼成炉10を用
い、脱バインダゾーン11では、不活性ガスとCO2
の混合ガス中で脱バインダ処理を施し、焼成ゾーン12
では、不活性ガス単独、又は不活性ガスに3容量%以下
の水素ガスを混入させた雰囲気中で焼成処理を施してA
lN焼結体を製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は窒化アルミニウム焼
結体(以下、AlN焼結体と記す)の製造方法に関し、
より詳細には熱伝導性に優れ、絶縁基板、ヒートシンク
及び半導体用パッケージ等に用いられるAlN焼結体の
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、電子機器の制御速度や信号処理速
度の高速化、電子機器の高性能化及び小型化が進む中
で、半導体素子から発生する熱の放散が重要な技術課題
となってきている。特に、例えばIC、LSI、マイク
ロ波通信又は光通信用のパワートランジスタ、あるいは
レーザダイオード等、発熱量が多い素子が搭載される基
板においては、素子からの発熱により素子自身及びその
周辺の電子部品の温度が上昇するのを防止するため、高
熱伝導性を有する基板の開発が必須の課題となってい
る。
【0003】従来から、半導体素子搭載用基板の材料に
は一般にアルミナ焼結体が多く用いられてきたが、最近
の基板材料においては、上記理由から、さらに良好な放
熱特性を有するものが要求されてきており、新たな高熱
伝導性基板材料の開発が望まれている。
【0004】最近、このような要求を満たし得る高熱伝
導性基板材料の一つとして窒化アルミニウム(AlN)
が注目されている。このAlNはアルミナの約10倍と
いう優れた熱伝導性を有するほか、基板材料に要求され
る諸特性、例えば電気抵抗率、絶縁耐圧、比誘電率、機
械的特性及び熱膨張係数のSiとのマッチング等におい
てもアルミナ焼結体の諸特性と同等以上であるため、ヒ
ートシンクや基板材料として積極的な研究開発が進めら
れている。
【0005】上記AlNを主原料とした基板を製造する
には、まずAlN原料粉末に焼結助剤とバインダ(樹脂
及び溶剤)等を添加、混合してスラリを形成し、このス
ラリを用いてドクターブレード法等によりグリーンシー
トを作製する。次に、該グリーンシートに、必要により
WやMo等の導電性金属粉末を含む導体ペーストを印刷
し、これらのグリーンシートを積層することによりグリ
ーンシート積層体(AlN成形体)を作製する。次に、
このグリーンシート積層体(AlN成形体)中に含まれ
る前記バインダ等の有機物を分解、消失させるために脱
バインダ処理を施し、その後焼成処理を施すことにより
緻密化を促進させ、AlN焼結体からなる基板を製造す
る。
【0006】また、前記スラリをスプレードライヤー等
を用いて乾燥、造粒した後に成形を行い、所定形状の成
形体を作製し、脱バインダ処理、及び焼成処理を施した
後、AlN焼結体表面に配線を形成する方法もある。
【0007】AlN基板表面に形成された配線には、半
導体チップとワイヤボンディング等の方法により電気的
に接続する際のワイヤ接着性等を良好にするために、さ
らにAu等のメッキ処理を施す。ヒートシンクや基板の
製造において、上記工程のうち、配線等の形成工程を必
要としない場合もある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】通常、アルミナ等の酸
化物セラミックスを製造する場合には、脱バインダ処理
や焼成処理を酸化性雰囲気で行うことができる。しか
し、AlNは酸素を構成元素に含まない非酸化物系セラ
ミックスであるので、酸化性雰囲気における加熱によ
り、AlN自身が酸化分解される虞れがある。特に、焼
成処理においては、AlN成形体が1600〜1800
℃という高温で加熱されるため、AlN自身のみなら
ず、AlN焼結体内部又は表面に形成される金属配線も
酸化される虞れがある。そのため、従来、これらの脱バ
インダ処理や焼成処理は、酸素を含まない非酸化性雰囲
気中で行っていたが、使用する炉やこれらの処理を施す
際の雰囲気等に関し、以下のような課題があった。
【0009】まず、使用する炉について説明する。Al
N等の非酸化物系セラミックスの焼成炉として、通常は
高温の非酸化性雰囲気中で使用可能なカーボン炉や金属
炉等が使用されてきた。しかし、カーボン炉を用いてA
lN成形体を焼成する場合、炉の内壁やヒーターに使用
されているカーボン材によりAlN焼結体の内部や表面
に形成された金属配線が炭化され、電気抵抗が増加する
という問題があった。上記問題を解決するため、例えば
特開平2−167863号公報には、BN製の容器内に
AlN成形体を封入して焼成する方法が開示されている
が、BN製の容器を別途用意する必要があり、またBN
製の容器内にAlN成形体を封入するための余分の工程
が必要になるため、製造コストが高くなるという問題が
あった。また、カーボン炉は炉内がカーボン雰囲気のた
め脱バインダ処理が困難であり、脱バインダ処理と焼成
処理とを同一の炉内で行えないことから大量生産に不向
きであるいう問題もあった。
【0010】一方、金属炉は熱膨張や熱収縮が激しく、
大型の炉や連続焼成炉を作製しにくいため、大量生産用
の大型炉には不向きであるいう問題もあった。また、い
ずれの炉も高価でエネルギー効率が悪く、また上記した
ように脱バインダ処理と焼成処理の連続処理が困難であ
るという問題があった。
【0011】そこで、AlN成形体の脱バインダ処理や
焼成処理に、通常のセラミックス耐火物やCaO、Mg
O等を含んだアルミナ耐火物が用いられた焼成炉を使用
することも考えられる。しかし、この場合には、炉壁か
ら蒸発した不純物成分がAlN焼結体上に堆積したり、
前記成分がAlNや焼結助剤と反応して変色や反りが発
生するという課題があった。さらに、前記不純物成分の
蒸発に起因して、配線材料が変色したり、配線の電気抵
抗率が大きくなるという課題もあった。
【0012】次に、脱バインダ処理や焼成処理の雰囲気
について説明する。まず、不活性ガス雰囲気で脱バイン
ダ処理を施す場合、AlN成形体中の前記バインダを熱
分解させ、揮発させる必要があるため、高温かつ長時間
の熱処理が必要になる。また、バインダの熱分解により
生成した低沸点成分は揮発し易いが、高沸点成分は揮発
しにくく、その一部から炭素が生成する場合があり、こ
の炭素がAlN成形体中に残留したり、脱バインダ炉の
炉壁に付着するという課題があった。AlN成形体中に
炭素が残留すると、緻密化が進行しにくくなる。このよ
うな炭素の残留を防止するために、不活性ガスや還元性
ガスに水蒸気を添加する方法もあるが、AlNは水蒸気
との反応性に富むため、AlNが酸化分解され、そのた
めに緻密化が進行しにくいという課題もあった。
【0013】また、焼成処理においては、不活性ガス中
に含まれる微量の酸素等により焼成炉のヒータに使用さ
れているMo、W等や、成形体表面や内部に形成された
導体ペースト中の金属が酸化されるのを防止するため
に、前記不活性ガスに10〜50vol%の水素を添加
した還元性雰囲気中で行う。しかし、上記還元性雰囲気
においては、例えば通常のアルミナ耐火物が内壁に使用
された焼成炉を用いると、前記アルミナ耐火物中に含ま
れるSiO2 、Fe23 、CaO、MgO等の不純物
成分がより蒸発し易くなり、AlN又はその内部の焼結
助剤と反応してCaAl47 、CaAl1219、Al
5312、MgAl24 、(Al,Si)53
12、Si−Al−O−N等のアルミニウム複合酸化物を
形成し、AlN焼結体表面を変色させたり、あるいはA
lN焼結体に反りを発生させるという課題があった。
【0014】また、前記アルミナ耐火物中にFe23
が所定量以上存在すると、配線表面にFe76 等の化
合物が生成し、そのために配線の変色が生じ、その電気
抵抗率が大きくなるという課題もあった。
【0015】本発明は上記課題に鑑みなされたものであ
り、脱バインダ処理及び焼成処理を連続的に行うことに
より、AlN焼結体自身に変色や反りを生じさせず、ま
た前記AlN焼結体内部又は表面に形成された金属配線
に酸化や変色を生じさせず、緻密性及び熱伝導性に優れ
たAlN焼結体を大量かつ安価に製造することが可能な
AlN焼結体の製造方法を提供することを目的としてい
る。
【0016】
【課題を解決するための手段及びその効果】上記目的を
達成するために本発明に係るAlN焼結体の製造方法
(1)は、AlN成形体に脱バインダ処理及び焼成処理
を施してAlN焼結体を製造する方法であって、脱バイ
ンダゾーン及び焼成ゾーンの内壁材の主要部に、SiO
2 を0.5重量%以下、Fe23 を0.5重量%以
下、及びその他の不可避的不純物を含んでなるアルミナ
耐火物が用いられた焼成炉を用い、脱バインダゾーンに
おいては、不活性ガスに炭酸ガスが混入された雰囲気中
で脱バインダ処理を施し、焼成ゾーンにおいては、不活
性ガス雰囲気中又は該不活性ガスに水素ガスが混入され
た雰囲気中、焼成処理を施すことを特徴としている。
【0017】上記AlN焼結体の製造方法(1)によれ
ば、脱バインダゾーン及び焼成ゾーンの内壁材の主要部
にSiO2 等の不純物成分の含有量が少ないアルミナ耐
火物が配設された、連続焼成が可能な焼成炉を用いてい
るので、前記不純物成分の蒸発が殆どなく、該不純物成
分の蒸発に起因するAlN焼結体の変色や反りを生じさ
せず、緻密性及び熱伝導性に優れたAlN焼結体を大量
かつ安価に製造することができる。
【0018】また本発明に係るAlN焼結体の製造方法
(2)は、上記AlN焼結体の製造方法(1)におい
て、AlN成形体の表面又は内部に配線形成用の導体ペ
ースト層が形成されていることを特徴としている。
【0019】上記AlN焼結体の製造方法(2)によれ
ば、上記AlN焼結体の製造方法(1)における効果に
加え、AlN焼結体内部又は表面に金属配線が形成され
ていてもこの金属配線に酸化や変色を生じさせないとい
う効果を得ることができる。
【0020】また本発明に係るAlN焼結体の製造方法
(3)は、上記AlN焼結体の製造方法(1)又は
(2)において、不活性ガスとして、アルゴン(Ar)
又は窒素を用いることを特徴としている。
【0021】上記AlN焼結体の製造方法(3)によれ
ば、上記AlN焼結体の製造方法(1)又は(2)にお
ける効果に加え、不活性ガスとAlNや配線との反応を
抑制して、AlN焼結体の特性をより向上させることが
できる。
【0022】また本発明に係るAlN焼結体の製造方法
(4)は、上記AlN焼結体の製造方法(1)〜(3)
のいずれかにおいて、脱バインダ処理における不活性ガ
ス中の炭酸ガスの濃度が10容量%以上であることを特
徴としている。
【0023】上記AlN焼結体の製造方法(4)によれ
ば、上記AlN焼結体の製造方法(1)〜(3)のいず
れかにおける効果に加え、残留炭素と炭酸ガスとの反応
により脱バインダ後のAlN成形体中の炭素残留量を極
めて少なくし、AlN焼結体の緻密化をより進行させる
ことができる。
【0024】また本発明に係るAlN焼結体の製造方法
(5)は、上記AlN焼結体の製造方法(1)〜(4)
のいずれかにおいて、AlN成形体に脱バインダ処理及
び焼成処理を施すための焼成炉中に装備されたヒータが
W、Mo、又はこれらの合金よりなることを特徴として
いる。
【0025】上記AlN焼結体の製造方法(5)によれ
ば、上記AlN焼結体の製造方法(1)〜(4)のいず
れかにおける効果に加え、W、Mo、又はこれらの合金
よりなるヒータが雰囲気ガスに対する耐久性に優れるた
め、より安価にAlN焼結体を製造することができる。
【0026】また本発明に係るAlN焼結体の製造方法
(6)は、上記AlN焼結体の製造方法(1)〜(5)
のいずれかにおいて、AlN成形体に脱バインダ処理及
び焼成処理を施すための焼成炉中に装備されたヒータが
SiC製であることを特徴としている。
【0027】上記AlN焼結体の製造方法(6)によれ
ば、上記AlN焼結体の製造方法(1)〜(5)のいず
れかにおける効果に加え、安価で耐久性に優れたSiC
ヒータを用いていることにより、より一層安価にAlN
焼結体を製造することができる。
【0028】
【発明の実施の形態】AlN成形体は、公知の方法によ
り作製することができる。すなわち、AlN粉末に焼結
助剤として、Y23 、CaCO3 等を添加した後、バ
インダとして樹脂と溶剤とを添加してスラリを形成した
後、該スラリを用いてドクタブレード法等によりグリー
ンシートを作製する。このグリーンシート上に必要に応
じてW粉末等を含有する導体ペーストを印刷し、積層し
てグリーンシート積層体(AlN成形体)を作製する。
【0029】上記方法により得られたAlN成形体に脱
バインダ処理及び焼成処理を施すが、この際、以下の構
成の連続焼成炉を用いる。
【0030】図1は、実施の形態に係るAlN焼結体の
製造方法に用いられる連続焼成炉を模式的に示した断面
図である。
【0031】この連続焼成炉10には脱バインダゾーン
11と焼成ゾーン12とが連続的に配置されており、脱
バインダゾーン11には雰囲気ガスを導入するガス導入
管11aと雰囲気ガスを排出するガス排出管11bとが
接続され、焼成ゾーン12には雰囲気ガスを導入するガ
ス導入管12aと雰囲気ガスを排出するガス排出管12
bとが接続されている。脱バインダゾーン11と焼成ゾ
ーン12との間には雰囲気遮断装置13bが設置されて
おり、それぞれの雰囲気が混ざり合わないようになって
いる。また、AlN成形体16が脱バインダゾーン11
に搬入される入口にも雰囲気遮断装置13aが設置され
ており、AlN焼結体19が焼成ゾーン12から搬出さ
れる出口にも雰囲気遮断装置13cが設置されている。
【0032】雰囲気遮断装置13a、13b、13c
は、例えばMo等の高融点金属や高純度のアルミナ耐火
物等を材料にして形成されたシャッターや、窒素等の不
活性ガスを上部から導入し、該不活性ガスをガス排出管
12bから排出させることにより機能するガスカーテン
等により構成される。
【0033】そして炉壁14のうち特に高温となる内壁
15をSiO2 を0.5重量%以下、Fe23 を0.
5重量%以下、及びその他の不可避的不純物を含んでな
るアルミナ耐火物により構成している。
【0034】通常のアルミナ耐火物に含まれる不純物成
分としては、SiO2 、Fe23、CaO、MgO、
Na2 O等が挙げられる。AlNの焼結温度域付近での
Al23 の蒸気圧が10-15 Pa程度であるのに対
し、上記不純物成分の蒸気圧は103 〜10-5Paとか
なり高い。
【0035】「従来の技術」の項で説明したように、上
記不純物成分は蒸発した後、AlN焼結体表面に堆積し
たり、AlN又はその内部の焼結助剤と反応してアルミ
ニウム複合酸化物を形成し、AlN焼結体表面を変色さ
せたり、あるいは焼結体に反りを発生させる。また、F
23 が存在すると配線表面にFe76 等の化合物
が生成し、そのために配線の変色や電気抵抗の増加が生
ずる。本実施の形態において使用するアルミナ耐火物は
不純物の含有量が少ないので、上記した種々の不都合を
生じさせない。
【0036】また、連続焼成炉10の底部には、台板搬
送用レール18が敷設され、この台板搬送用レール18
上に配置された台板17にAlN成形体16が載置され
るようになっている。
【0037】このように構成された連続焼成炉10によ
りAlN成形体16に脱バインダ処理及び焼成処理を施
すには、まずガス導入管11aからは炭酸ガスを含有す
る不活性ガスを、ガス導入管12bからは不活性ガス単
独、又は水素ガスを含有する不活性ガスをそれぞれ導入
し、ガス排出管11b、12bからそれぞれの雰囲気ガ
スを排出し、脱バインダゾーン11、焼成ゾーン12を
それぞれの用途に適した雰囲気及び温度にする。その
後、台板搬送用レール18上に配置された台板17にA
lN成形体16を載置し、図中矢印A方向に移動させ
る。まず、AlN成形体16は入口の雰囲気遮断装置1
3aを通過し、脱バインダゾーン11に入り、脱バイン
ダ処理が施される。次に、上記脱バインダ処理が施され
たAlN成形体16は、脱バインダゾーン11と焼成ゾ
ーン12とを分ける雰囲気遮断装置13bを通過し、焼
成ゾーン12に入って焼成処理が施される。焼成処理が
施されたAlN焼結体19は、出口に設けられた雰囲気
遮断装置13cを通過し、搬出される。
【0038】脱バインダゾーン11及び焼成ゾーン12
中には、常に図中矢印A方向とほぼ逆方向に雰囲気ガス
が流れており、脱バインダゾーン11においてAlN成
形体16から揮発したガスが焼成ゾーン12に流入する
ことはない。
【0039】AlN成形体16又はAlN焼結体19と
台板17との搬送に、例えばプッシャー方式やウォーキ
ングビーム方式等を利用することにより、連続した搬送
が可能となる。
【0040】ヒータとしては、例えばW、Mo、又はこ
れらの合金が使用可能である。これらの材料から構成さ
れたヒータは、非酸化性雰囲気において1700℃程度
まで使用可能であり、AlNや配線金属に影響を与えな
い。また、1300℃程度までの低温度領域(脱バイン
ダ処理の温度領域)では、やはりAlNや配線金属に影
響を与えないSiC等をヒータ材料として使用すること
ができる。
【0041】上記構成の連続焼成炉10を用い、上記し
たように炭酸ガスを含有する不活性ガス雰囲気中でAl
N成形体16に脱バインダ処理を施すが、不活性ガスと
しては、AlNと反応しにくいArや窒素が好ましく、
不活性ガス中の炭酸ガスの濃度は10vol%以上が好
ましい。炭酸ガスの濃度が10vol%未満であると、
AlN成形体中の炭素の含有量を0.1%以下にするこ
とが難しくなる傾向が生じ、その後の焼成で緻密な焼結
体を製造するのが難しくなる。
【0042】脱バインダ処理の温度は900〜1000
℃が好ましい。前記脱バインダ処理の温度が900℃未
満であると、残留炭素の量が増加してAlN焼結体の緻
密化が進行しにくくなると同時に、反りや変形が生じ易
くなり、他方、前記脱バインダ処理の温度が1000℃
を超えると、不活性ガス中の炭酸ガスにより、AlNが
酸化され易くなり、やはり緻密化が進行しにくくなる。
【0043】脱バインダ処理の後、上記したように水素
ガスを含有する不活性ガス中で焼成処理を施すが、不活
性ガス中の水素含有量は3vol%以下が好ましい。水
素ガスの含有量が3vol%を超えると、アルミナ耐火
物中のSiO2 等の不純物成分が蒸発し易くなるため、
焼結体表面が変色する等の不都合が生じる。また、焼成
温度は1550〜1700℃が好ましく、1550〜1
650℃がより好ましい。焼成温度が1550℃未満で
あると、緻密化が進行しにくくなり、他方焼成温度が1
700℃を超えると、耐火物の寿命が短くなったり、台
板17と台板搬送用レール18との焼き付けが起こった
りする。
【0044】
【実施例及び比較例】以下、本発明に係るAlN焼結体
の製造方法の実施例を図面に基づいて説明する。なお、
比較例として、従来の方法によりAlN焼結体の製造を
行った場合についても説明する。
【0045】上記実施の形態において説明した連続焼成
炉10(図1)を用い、AlN焼結体の製造を行った。
製造条件は以下の通りである。比較例の場合、アルミナ
耐火物中の不純物成分が実施例の場合よりも多いか、又
は焼成雰囲気中の水素の量が多い他は、実施例の場合と
同様の条件で製造した。
【0046】(1)スラリの調製 AlN原料粉末 平均粒径:2.9μm、酸素含有量:0.85重量% 焼結助剤(AlN原料粉末100重量部に対する量) 酸化イットリウム(Y23 ):1.5重量部 炭酸カルシウム(CaCO3 ):3重量部 バインダ用樹脂(AlN原料粉末100重量部に対する
量) ポリビニールブチラール(PVB):12重量部 溶剤(AlN原料粉末100重量部に対する量) トルエン:60重量部 (2)グリーンシートの作製、積層、及び導体ペースト
の印刷 グリーンシートの作製方法:ドクターブレード法 グリーンシート積層体(AlN成形体)の寸法 縦:30mm、横:30mm、厚さ:5mm 導体ペーストの印刷 W粉末を含有する導体ペーストをAlN成形体上に印刷 (3)脱バインダ処理 雰囲気:下記の表1に示す 温度:900℃ 時間:2時間 (4)焼成処理 雰囲気:下記の表1に示す 温度:1650℃ 時間:4時間 (5)AlN連続焼成炉10の内壁15に用いられたア
ルミナ耐火物の組成 化学成分を下記の表1に示す。 (6)AlN焼結体19の外観観察、及び特性の測定 下記の方法により、外観を観察し、焼成密度及び反りを
測定した。その結果を下記の表1に示す。 (i) 外観観察 目視により変色が生じているか否かを判断。
【0047】(ii) 焼成密度 アルキメデス法により測定。 (iii)反り 製造されたAlN焼結体の対角線上に定規を置き、へこ
み面の場合は前記AlN焼結体と定規との最大隙間寸法
を、ふくれ面の場合は両端隙間寸法を等しくした場合の
隙間寸法を測定し、対角線長さとの比率を求め、前記比
率が0.01以上のものを反りが発生していると判断。
【0048】
【表1】
【0049】上記表1から明らかなように、炉壁14の
主要部(内壁15)に、SiO2 を0.5重量%以下、
Fe23 を0.5重量%以下、及びその他の不可避的
成分を含んでなるアルミナ耐火物が用いられている連続
焼成炉10を用い、AlN成形体16に、窒素ガス中に
炭酸ガス(CO2 )を含む雰囲気で脱バインダ処理を施
し、次に、窒素ガス単独、又は窒素ガスに水素ガスを3
vol%以下含む雰囲気中で焼成処理を施すことにより
得られたAlN焼結体19(実施例1〜7)は、緻密化
され、密度も十分大きくなっており、AlN焼結体19
やW配線の表面に変色がなく、反りの発生もなかった。
【0050】他方、比較例1の場合のAlN焼結体は、
内壁15の耐火物中のSiO2 含有量が0.5重量%を
超えており、AlN表面に変色が生じたが、Fe23
含有量が0.5重量%以内であり、金属配線の変色は観
察されなかった。比較例2の場合のAlN焼結体は、内
壁15の耐火物中のSiO2 含有量が0.5重量%以内
であり、AlN焼結体表面に変色は観察されなかった
が、Fe23 含有量が0.5重量%を超えており、金
属配線の変色が観察された。比較例3の場合のAlN焼
結体は、内壁15のSiO2 含有量及びFe23 含有
量が共に0.5重量%を超えているためにAlN焼結体
表面の変色と金属配線の変色が観察され、また反りが観
察された。比較例4は、炭酸ガスを含まない窒素雰囲気
中でバインダ処理を施したものであり、脱バインダ後の
AlN成形体中に炭素が0.27wt%残留し、緻密化
が進行しなかった。比較例5は、水素を5vol%含有
する窒素雰囲気中で焼成処理を施したものであり、内壁
15のアルミナ耐火物からの不純物成分が蒸発し、Al
N焼結体に変色が発生した。比較例6の場合のAlN焼
結体は、水素を10vol%含有する窒素雰囲気で焼成
処理を施したので、内壁15のアルミナ耐火物からの不
純物成分の蒸発がさらに激しくなり、AlN焼結体表面
の変色と金属配線の変色が観察された。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るAlN焼結体の製造
方法に使用される連続焼成炉を模式的に示した断面図で
ある。
【符号の説明】
10 連続焼成炉 11 脱バインダゾーン 12 焼成ゾーン 16 AlN成形体 19 AlN焼結体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // H01L 23/15 H01L 23/14 C

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 窒化アルミニウム成形体に脱バインダ処
    理及び焼成処理を施して窒化アルミニウム焼結体を製造
    する方法であって、 脱バインダゾーン及び焼成ゾーンの内壁材の主要部に、
    SiO2 を0.5重量%以下、Fe23 を0.5重量
    %以下、及びその他の不可避的不純物を含んでなるアル
    ミナ耐火物が用いられた焼成炉を用い、脱バインダゾー
    ンにおいては、不活性ガスに炭酸ガスを混入させた雰囲
    気中で脱バインダ処理を施し、焼成ゾーンにおいては、
    不活性ガス雰囲気中、又は該不活性ガスに3容量%以下
    の水素ガスを混入させた雰囲気中で焼成処理を施すこと
    を特徴とする窒化アルミニウム焼結体の製造方法。
  2. 【請求項2】 窒化アルミニウム成形体の表面又は内部
    に配線形成用の導体ペースト層が形成されていることを
    特徴とする請求項1記載の窒化アルミニウム焼結体の製
    造方法。
  3. 【請求項3】 不活性ガスとして、アルゴン(Ar)又
    は窒素を用いることを特徴とする請求項1又は請求項2
    記載の窒化アルミニウム焼結体の製造方法。
  4. 【請求項4】 脱バインダ処理における不活性ガス中の
    炭酸ガスの濃度が10容量%以上であることを特徴とす
    る請求項1〜3のいずれかの項に記載の窒化アルミニウ
    ム焼結体の製造方法。
  5. 【請求項5】 AlN成形体に脱バインダ処理及び焼成
    処理を施すための焼成炉中に装備されたヒータがW、M
    o、又はこれらの合金よりなることを特徴とする請求項
    1〜4のいずれかの項に記載の窒化アルミニウム焼結体
    の製造方法。
  6. 【請求項6】 AlN成形体に脱バインダ処理及び焼成
    処理を施すための焼成炉中に装備されたヒータがSiC
    製であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかの項
    に記載の窒化アルミニウム焼結体の製造方法。
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