JPH1074296A - 交通流計測方法および装置 - Google Patents

交通流計測方法および装置

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JPH1074296A
JPH1074296A JP24867696A JP24867696A JPH1074296A JP H1074296 A JPH1074296 A JP H1074296A JP 24867696 A JP24867696 A JP 24867696A JP 24867696 A JP24867696 A JP 24867696A JP H1074296 A JPH1074296 A JP H1074296A
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直弘 天本
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明利 塚本
Koji Matsumoto
浩司 松本
Akihiro Fujii
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 障害物や渋滞といった交通流の状況を確実に
検出する。 【解決手段】 路上撮影手段10は、逐次、道路上の映
像を撮影する。交通流検出手段20では、物体検出部2
4が、路上撮影手段10で得た道路画像と背景画像との
濃淡値の差分をとり、この差分画像を2値化して背景に
存在しない物体を検出する。検出画像蓄積部25では、
物体検出部24の物体検出画像を蓄積する。交通流判定
部26では、検出画像蓄積部25で蓄積している物体検
出画像を所定時間分加算し、この加算画像と所定の閾値
とを比較する。例えば、渋滞検出を行う場合は、これに
応じた閾値を用いる。そして、閾値との差が大きい領域
が存在した場合は、物体の移動量が少なく、渋滞してい
ると判定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、道路上の障害物検
出を含む交通流を計測する交通流計測方法および装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来、障害物の検出といった交通流を計
測するシステムとして、例えば、特開平8−77487
号公報に開示されているように、テレビカメラ等により
撮影した道路画像から車両の存在しない背景のみの画像
を用いて車両情報と背景画像とに分離し、車両情報から
車両の特徴点を抽出する。そして、この特徴点を用いて
車両を追跡し、走行状態を求め、車両の走行しない領域
があれば、その領域を障害物検出領域として障害物検出
を行うものがあった。
【0003】また、他の交通流の計測方法として、例え
ば、特開平2−68698号公報に示されているよう
に、任意の一定時間間隔毎に撮影した映像を、階調を有
する多値ディジタル画像に変換し、前後二つの画像の差
分を求め、この差分から得られる差分画像から車両を抽
出し、更に、その正負の極性により移動方向を判定す
る。この差分画像から抽出される車両は、移動車両の移
動部分であり、この移動量と画像の撮影間隔時間から移
動速度を検出し、法定速度と比較して著しく小さいか、
または、移動が無い状態が所定の時間継続したときに、
渋滞しているものと判定する。
【0004】更に、他の交通流の計測方法として、例え
ば、特開平7−284086号公報に示されているよう
に、入力された動画像に対して、フレーム間差分により
画像の変動情報を獲得して蓄積し、過去一定時間内に全
く変動のなかった画像を背景領域に所属すると判断し、
背景領域に所属する画素についてのみ現在の入力画像を
参照して背景画像を更新する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記特
開平8−77487号公報のようなシステムでは、道路
画像内に現れる車両を逐次追跡する必要があり、追跡を
誤った場合、障害物検出領域を確実に検出できず、障害
物が検出できない可能性があった。また、障害物が故障
車両もしくは事故車両のように、車両そのものである場
合、車両の特徴点を用いて車両の追跡を行うため、車両
を障害物として認識できず、検出を誤る可能性があっ
た。
【0006】このような点から、路上障害物(停止物
体)の検出を早期に、かつ、確実に行い、道路管理者に
通知することのできる交通流の計測装置の実現が望まれ
ていた。
【0007】また、特開平2−68698号公報に記さ
れているような方法では、渋滞のため、車両が一定時間
停止したままである場合は、時間差分のため、車両の検
出ができず、一定時間の間、車両が全く通らない場合と
の区別がつかず、従って、渋滞を非渋滞、非渋滞を渋滞
と誤判定する可能性があった。一方、上記特開平7−2
84086号公報に記されているようなシステムでも、
前記の特開平2−68698号のような方法と同様に、
車両が一定時間停止したままである場合は、画像に変動
がなく、停止車両領域を背景領域に所属する領域である
と判断し、停止車両の画像が背景画像に取り込まれると
いう問題があった。
【0008】このような点から、たとえ道路上に停止車
両が存在する場合であっても、その影響を受けず、安定
した背景画像を提供することのできるシステムの実現が
望まれていた。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、前述の課題を
解決するため次の構成を採用する。 〈請求項1の構成〉道路上に存在する物体を背景との濃
淡値の差で表す物体検出画像を任意の周期で順次蓄積
し、任意の時点で、これら蓄積した物体検出画像を加算
した加算画像を求め、この加算画像と、予め決められた
濃淡値の閾値との比較によって交通流の状況を判定する
ことを特徴とする交通流計測方法である。
【0010】〈請求項1の説明〉道路上に存在する物体
とは、走行車両だけでなく、停止車両や障害物といった
あらゆる物体を対象とする。また、物体検出画像とは、
例えば、物体が存在しない領域が黒であり、物体部分が
白であるといった濃淡値の差で示す画像である。
【0011】このような物体検出画像を複数枚加算した
画像では、物体が長時間存在した領域では、物体の存在
しない領域との濃淡値の差が大きくなっている。従っ
て、このような加算画像と、適宜設定した閾値とを比較
することにより、物体の移動状況の判定を行うことがで
きる。例えば、加算画像で閾値よりも大きな値を持つ領
域が存在した場合は渋滞であり、このような領域が存在
しない場合は、車両の走行が自然流であるといった判定
を行うことができる。更に、閾値の設定によって、物体
の移動が長時間行われない、即ち、道路上に障害物が存
在するといった判定も行うことができる。つまり、交通
流の状況とは、渋滞や混雑あるいは障害物の検出といっ
た状態を含むものとする。
【0012】このような構成により、障害物の検出や渋
滞等、交通流の状況を的確に判定することができる。
【0013】〈請求項2の構成〉道路上の映像を撮影
し、道路画像を得る路上撮影手段と、路上撮影手段で得
た道路画像から、背景画像の濃淡値の差分を取り、背景
に存在しない物体を検出する物体検出部と、物体検出部
で検出を行った物体検出画像を蓄積する検出画像蓄積部
と、検出画像蓄積部で蓄積した所定時間分の物体検出画
像を加算し、この加算画像と予め決められた濃淡値の閾
値とを比較することにより、交通流を判定する交通流判
定部とを備えたことを特徴とする交通流計測装置であ
る。
【0014】〈請求項2の説明〉物体検出部は、道路画
像から背景画像の濃淡値の差分を取ることにより、背景
に存在しない物体の領域が他の部分との濃淡値の差とな
って現れることから、このような物体の存在を検出す
る。そして、この物体検出画像を所定時間分加算する
と、物体の存在する領域は、背景画像の部分に比べて濃
淡値が異なることになり、その濃淡値は、背景に存在し
ない物体がその場所に存在している時間の長さを表すこ
とになる。交通流判定部は、このような加算画像の濃淡
値に基づき、濃淡値の差が大きいほど、物体の移動速度
が小さいとして、車両の渋滞や障害物の判定を行う。
【0015】このような構成により、道路画像内に現れ
る車両を逐次追跡する必要もなく、確実に障害物の検出
や渋滞検出を行うことができる。また、車両の特徴点に
よって交通流の判定を行うのではないため、障害物が車
両であっても確実にこれを認識することができるという
効果がある。
【0016】〈請求項3の構成〉請求項2記載の交通流
計測装置において、検出画像蓄積部は、蓄積時間が所定
の時間を超えた場合は、最も古い物体検出画像と最新の
物体検出画像とを入れ替えて更新し、交通流判定部は、
物体検出画像の加算画像から最も古い物体検出画像を引
き算し、最新の物体検出画像を加算することにより加算
画像を更新することを特徴とする交通流計測装置であ
る。
【0017】〈請求項3の説明〉請求項3の発明は、請
求項2の発明において、物体検出画像の蓄積と、加算画
像の更新の構成に関するものである。即ち、物体検出画
像の蓄積は、画像の先入れ先出し(=FIFO)によっ
て更新され、また、加算画像の更新も、所定時間分の加
算画像から物体検出画像の先入れ先出しによって更新さ
れる。従って、常に最新の加算画像が得られることか
ら、交通流の判定も、逐次リアルタイムで行うことがで
きる。
【0018】〈請求項4の構成〉請求項2または3に記
載の交通流計測装置において、交通流判定部は、複数の
閾値と比較することにより、車両の渋滞状況を判定する
ことを特徴とする交通流計測装置である。
【0019】〈請求項4の説明〉交通流判定部は、複数
の閾値として、例えば、二つの閾値を用意すれば、渋
滞、混雑、自然流といった3段階の交通流の状況を判定
することができる。従って、更に交通流を細かく分類し
たい場合は、閾値の数を増やすことで対応することがで
きる。これにより、停止物体から自然流まで、きめ細か
い交通流の判定に対処することができる。
【0020】〈請求項5の構成〉請求項2〜4のいずれ
かに記載の交通流計測装置において、交通流判定部は、
同じ地点に所定の時間以上存在する物体を検出した場合
に、警報を発生することを特徴とする交通流計測装置で
ある。
【0021】〈請求項5の説明〉同じ地点に所定の時間
以上存在する物体を検出した場合とは、例えば、渋滞で
ある。このような場合交通流判定部は、渋滞である旨の
情報を警報として出力する。また、その物体が停止物体
であっても、同様に適用することができる。このような
構成であることにより、渋滞発生や障害物検出といった
事態を的確に通知することができる効果がある。
【0022】〈請求項6の構成〉請求項2〜5のいずれ
かに記載の交通流計測装置において、物体検出部で背景
に存在しない物体を検出した場合、その物体部分を、背
景画像でマスク処理した画像を蓄積すると共に、これら
蓄積した画像を加算平均し、これを新たな背景画像とし
て、前記物体検出部に出力する背景画像生成部と、交通
流判定部が警報を出力した場合は、背景画像生成部に対
し、背景画像の更新を停止する背景生成停止信号を送出
する背景生成停止信号発生部とを備えたことを特徴とす
る交通流計測装置である。
【0023】〈請求項6の説明〉請求項6の発明は、背
景画像生成部において、順次入力される道路画像に基づ
き背景画像を更新するようにし、かつ、交通流判定部が
警報を出力、即ち、渋滞や障害物を検出した場合は、背
景生成停止信号発生部によって、背景画像生成部の背景
画像の更新を停止させるようにしたものである。
【0024】このような構成により、背景画像は最新の
入力画像を考慮に入れて更新されるため、安定した最新
の背景画像を常に供給でき、交通量の多い地点において
も安定した背景画像が得られる。更に、渋滞等が検出さ
れた場合は、背景の更新を中断するため、画面内に複数
の車両が一定期間存在する場合においても、これらに影
響されることなく、安定した処理結果を得ることが可能
となる。
【0025】〈請求項7の構成〉請求項2〜6のいずれ
かに記載の交通流計測装置において、道路画像の監視領
域を設定する監視領域設定部と、路上撮影手段で得た道
路画像に対して、監視領域設定部で設定された監視領域
のみを処理対象とする物体検出部とを備えたことを特徴
とする交通流計測装置である。
【0026】〈請求項7の説明〉請求項7の発明は、監
視領域設定部によって、道路画像の監視領域を設定する
ようにしたものである。例えば、監視領域を道路上のみ
とすれば、物体検出部は、この領域内のみの処理を行
う。従って、処理の高速化が図れると共に、監視領域を
容易に指定することができるため、異なる場所に路上撮
影手段を設置する場合でも、その場所に適した監視領域
の設定を容易に行うことができる。
【0027】〈請求項8の構成〉請求項2〜4または6
もしくは7のいずれかに記載の交通流計測装置におい
て、同じ地点に所定の時間以上存在する物体を検出した
場合は、警報を発生する交通流判定部と、路上撮影手段
から出力される画像を表示する監視用モニタと、交通流
判定部から警報が出力された場合は、この警報を表示す
る警報表示部とを備えたことを特徴とする交通流計測装
置。
【0028】〈請求項8の説明〉請求項8の発明は、交
通流判定部から警報が出力された場合は、その警報を表
示するようにし、また、路上撮影手段で撮影した画像を
監視用モニタで表示するようにしたものである。これに
より、例えば、道路管理者は、障害物や渋滞が検出され
た地点の画像を即座に確認することができ、例えば、障
害物の撤去といった処理を迅速に行うことができる。ま
た、このような事態が発生した場合は、警報表示が行わ
れるため、警報が発生した時にのみ、監視用モニタを監
視すればよく、従って、道路管理者の負荷を軽減するこ
とができる。
【0029】〈請求項9の構成〉請求項8に記載の交通
流計測装置において、それぞれ異なる地点の道路を撮影
する複数の路上撮影手段と、各々の路上撮影手段に対応
して設けられ、各路上撮影手段で得た道路画像から、そ
の地点の交通流の状況を判定する複数の交通流判定部
と、複数の路上撮影手段で得た画像を受け取り、いずれ
かの画像を選択して出力する映像切替部と、映像切替部
の出力した画像を表示する監視用モニタと、複数の交通
流判定部のいずれかから警報と位置情報とを受け取った
場合は、警報を表示すると共に、その警報がどの地点に
設置された路上撮影手段に基づくものであるかを表示す
る警報表示部とを備えたことを特徴とする交通流計測装
置である。
【0030】〈請求項9の説明〉請求項9の発明は、複
数地点で交通流の検出を行い、かつ、映像切替部で、い
ずれかの地点の画像を選択し、これを監視用モニタで表
示すると共に、警報表示部では、警報と共にどの地点で
の警報であるかを表示するようにしたものである。
【0031】これにより、複数の地点の監視を行うこと
が可能となり、また、警報表示があった場合は、その警
報が発生した地点の画像を選択して監視用モニタで表示
することで、道路管理者は、現場の状況を即座に監視す
ることができる。
【0032】〈請求項10の構成〉請求項9に記載の交
通流計測装置において、警報表示部は、渋滞の位置と長
さを含む渋滞状況を表示することを特徴とする交通流計
測装置である。
【0033】〈請求項10の説明〉警報表示部は、複数
の交通流判定部からの警報に基づき、渋滞の先頭位置や
最後尾の位置および渋滞長といった渋滞状況を表示す
る。例えば、ある区間k〜xの交通流判定部の警報は渋
滞であり、その前後の交通流判定部j、yの警報は混雑
であった場合、渋滞の先頭位置はk、渋滞の最後尾位置
はxであり、渋滞長はk〜xであるとする。尚、渋滞状
況の表示は、例えば、渋滞の先頭位置とその長さといっ
たように、これ以外の表示方法であってもよい。このよ
うな構成であることにより、道路管理者は渋滞状況を容
易かつ確実に把握することができる。
【0034】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を用いて詳細に説明する。 《具体例1》 〈構成〉図1は本発明の交通流計測装置の具体例1を示
す構成図である。図の装置は、路上撮影手段10、交通
流検出手段20、路上監視手段30、警報表示手段40
からなる。路上撮影手段10は、道路画像を撮影するテ
レビカメラ等からなるもので、道路の上部や道路横に設
置されている。交通流検出手段20は、路上撮影手段1
0によって撮影された映像信号を処理し、交通流を計測
する機能を有しており、その詳細については後述する。
路上監視手段30は、道路の管理センタといった道路管
理者の監視可能な場所に設置され、路上撮影手段10で
撮影した道路画像を表示したり、交通流検出手段20に
よって、障害物が検出された場合や渋滞等が検出された
場合に、その警報を道路管理者に知らせる機能を有して
いる。また、警報表示手段40は、障害物検出や渋滞検
出が行われた場合、これを後続車両に知らせるためのも
ので、路上撮影手段10の設置位置に対して車両の進行
方向手前側に設置されている。
【0035】交通流検出手段20は、路上撮影手段10
で得られた映像信号を多値ディジタル画像信号に変換す
るAD変換部21と、このAD変換部21で変換された
多値ディジタル画像を記憶する画像記憶部22と、予
め、車両・障害物の存在しない背景の多値ディジタル画
像を記憶する背景画像記憶部23と、入力画像から背景
に存在しない物体のみ検出した画像と、それ以外の画像
とに分離する物体検出部24と、背景に存在しない物体
のみからなる画像を蓄積する検出画像蓄積部25と、検
出画像蓄積部25に蓄積された画像から障害物や渋滞状
況を検出する交通流判定部26と、この交通流判定部2
6で障害物の検出や渋滞が検出された場合に、警報情報
を出力する警報処理部27からなる。
【0036】また、路上監視手段30は、画像記憶部2
2に記憶された多値ディジタル画像を映像信号に変換す
るDA変換部31と、この映像信号を表示する監視用モ
ニタ32と、警報処理部27で出力された警報情報を受
けて、道路管理者に通知する警報表示部33から構成さ
れている。
【0037】〈動作〉図2は、具体例1における物体検
出部24の動作を示すフローチャートである。先ず、路
上撮影手段10は道路を撮影し、次のような道路画像を
得る。図3は、この道路画像の説明図である。
【0038】路上撮影手段10によって得られた画像信
号は、交通流検出手段20に送られ、AD変換部21に
より、多値ディジタル画像I(t,x,y)に変換され
る。そして、変換された画像は画像記憶部22に記憶さ
れる。
【0039】また、装置の起動時もしくは起動直後、車
両の・障害物の存在しない背景のみの画像b(x,y)
を撮影し、AD変換部21および画像記憶部22を介し
て背景画像記憶部23に記憶しておく。図4は、この背
景画像を示す説明図である。
【0040】物体検出部24では、画像記憶部22に記
憶されている入力画像(ステップS1)と、背景画像記
憶部23に記憶されている背景画像(ステップS2)と
の差分の絶対値をとり(ステップS3)、適当な閾値で
2値化する(ステップS4)。次の式1は、この演算処
理を示している。 1|I(t,x,y)−b(x,y)|≧thl d(x,y)= ・・・式1 0|I(t,x,y)−b(x,y)|<thl 尚、thlは閾値を示す。
【0041】そして、得られた2値画像を検出画像蓄積
部25で蓄積する(ステップS5)。また、ステップS
6の物体抽出処理では、背景画像に存在しない物体(車
両・障害物等)のみを検出し、次のステップS7では、
物体検出情報を出力する。
【0042】図5は、物体検出画像の説明図である。こ
れは、図3と図4の差分の絶対値をとり、2値化した
{物体:1(白)、背景:0(黒)}結果の物体検出画
像d(t,x,y)を示している。図示のように、道路
上に、物体が存在していることが分かる。
【0043】物体検出部24で得られた物体検出画像
は、検出画像蓄積部25で、ある所定の時間蓄積され
る。図6は、検出画像蓄積の説明図である。即ち、検出
画像蓄積部25は、図6の(a)に示すようにn枚の物
体検出画像f(t,x,y)と、これらを加算して作成
される加算画像g(x,y)=Σt f(t,x,y)
を記憶する。
【0044】そして、時間の経過と共に物体検出画像が
n枚を超えた場合は、図6の(b)に示すように、最も
古い物体検出画像の内容を破棄し、新しい物体検出画像
の内容を加えてn枚の物体検出画像とする。従って、そ
の加算画像の更新では、図6(c)に示すように、加算
画像から最も古い物体検出画像(この場合、t=0)を
引き算し、代わりに、新しい物体検出画像(t=n)の
内容を加算することにより加算画像の内容も更新され
る。以降、同様の手法で検出画像蓄積部25の内容は更
新される。
【0045】従って、この加算画像における濃淡値は、
背景に存在しない物体がその場所に存在している時間の
長さを表している。即ち、値0の画素は背景画像に対し
て変化のない(車両が通過しない)ことを表しており、
値nもしくはそれに近い値を持つ画素は背景画像に存在
しない物体が停滞している(停止車両、落下物等の障害
物が存在する)ことを表している。例えば、大きな値を
持つ画素が車線に沿って連続して存在する場合は、道路
における車両の占有率が高く、しかも移動速度が遅い、
即ち、渋滞している状況を表している。
【0046】図7に物体検出画像の加算画像の一例を示
す。例えば、図7(a)のように、車線に沿ってnもし
くはそれに近い値を持つ(値の大きい)画素が帯状に存
在する場合は、渋滞が発生しており、(b)のように、
中間値の画素が帯状に存在する場合は、車両が比較的高
速で走行しているものの、道路における車両の占有率が
高く、混雑している状況を表している。また、(c)の
ように、0に近い値を持つ画素が存在する場合は、車両
がスムーズに流れており、占有率も低い状況を示してい
る。
【0047】交通流判定部26では、検出画像蓄積部2
5で得られる加算画像を用いて交通流の状況(渋滞・混
雑・自然流)を判定する。先にも述べたように、物体検
出画像の加算画像において、ある地点における画素の濃
淡値は、その地点に物体が存在した時間の長さを表して
おり、ある所定の時間以上同じ地点に存在する物体を検
出した場合は、その加算画像に対して適当な値で閾値処
理を施すことにより容易に検出が可能である。例えば、
5フレーム/秒のサンプリングレートで5秒間観測した
結果得られた加算画像(濃淡値:0〜25)から同じ地
点に4秒以上停滞した物体を検出するには、濃淡値が2
0以上の値を持つ画素の集合(領域)を検出すればよ
い。
【0048】従って、車両の走行スピード等から適当な
閾値を複数設定し、その加算画像を多値化することによ
り、交通流の状況の分類が可能となる。例えば、閾値を
二つ設定することで、加算画像の分類を3種類とするこ
とができる。また、更に細かく分類したい場合は閾値の
数を増やすことにより対応することができる。また、こ
れによって道路上に存在する障害物の検出も行うことが
できるが、これについては後述する。
【0049】このようにして、交通流判定部26で渋
滞、混雑等が検出された場合は、警報処理部27におい
て警報情報を発生し、警報表示手段40では、この警報
情報を受けると、警報情報を表示し、後続車両に対して
この先が渋滞している旨を通知する。また、この警報情
報は路上監視手段30にも送られ、警報表示部33が警
報情報を受けると、道路管理者に対して路上に障害物が
存在する旨をアラーム等で知らせる。更に、画像記憶部
22に記憶されている入力画像も路上監視手段30に送
られ、DA変換部31を介して画像信号に変換され、監
視用モニタ32に表示する。これにより、道路管理者
は、渋滞が検知された地点の画像を即座に確認すること
が可能となり、渋滞の原因(例えば、自然渋滞、事故に
よる渋滞なのか)も確認することができる。事故による
渋滞のような場合には、事態に対して迅速に対処するこ
とが可能となる。また、警報が発生した時のみ、監視用
モニタ32を監視すればよいため、道路管理者の負荷が
軽減される。尚、路上撮影手段10で撮影された道路画
像を路上監視手段30の監視用モニタ32に直接入力す
ることにより、DA変換部31を省略することも可能で
ある。
【0050】次に、交通流判定部26による交通流の判
定として障害物の検出を行う場合を説明する。図8は、
入力画像の一例の説明図である。図9は、この場合の物
体検出画像の説明図である。例えば、路上撮影手段10
による入力画像として図8のような画像が撮影されたと
する。このような入力画像により、物体検出部24は、
上述した処理により図9に示すような物体検出画像を得
る。そして、このような画像を検出画像蓄積部25に蓄
積し、加算画像を得る。
【0051】図10は、物体検出画像における入力画像
群の一例である。図11は、物体検出画像の加算画像の
説明図である。例えば、図10に示すように、左車線に
障害物が存在し、時刻t=0〜kの間に右車線を車両が
通過し、また、時刻t=l〜(n−1)にかけて左車線
に車両が現れ、障害物を避けて右車線に車線変更し、通
過していく過程が観測できた場合の物体検出画像は、図
11のようになる。ここで、上述したように、背景画像
に対して変化のない領域は、値0(黒)、全ての入力画
像で観測された障害物は値n(白)となる。また、車両
の通過した領域は値が0ではないものの、障害物の存在
する領域の値に比較すれば、非常に小さな値しか持たな
い。
【0052】交通流判定部26では、検出画像蓄積部2
5で得られる加算画像を用いて障害物を検出する。先に
も述べたように、物体検出画像の加算画像において、あ
る地点における画素の濃淡値は、その地点に物体が存在
した時間の長さを表しており、ある所定の時間以上同じ
地点に存在する物体を検出した場合は、その加算画像に
対して適当な値で閾値処理を施すことにより容易に検出
が可能である。
【0053】このようにして、加算画像から障害物が検
出された場合は、警報処理部27において、警報情報を
発生し、警報表示手段40では、この警報情報を受ける
と、警報情報を表示し、後続車両に対して障害物が存在
する旨を通知する。また、この警報情報は路上監視手段
30にも送られ、警報表示部33が警報情報を受ける
と、道路管理者に対して路上に障害物が存在する旨をア
ラーム等で知らせる。更に、画像記憶部22に記憶され
ている入力画像も路上監視手段30に送られ、DA変換
部31を介して画像信号に変換され、監視用モニタ32
に表示することにより、道路管理者は、障害物が検知さ
れた地点の画像を即座に確認することが可能となり、例
えば、障害物の撤去といった処理を迅速に行うことがで
きる。また、警報が発生した時のみ、監視用モニタ32
を監視すればよいため、道路管理者の負荷が軽減され
る。
【0054】尚、上記具体例1では、警報表示手段40
を路上撮影手段10に対して車両進行方向手前側に設置
するようにしたが、警報表示手段40を路上撮影手段1
0の前方側にも設置するよう構成してもよい。これによ
り、対向車に対しても警報表示を行うことができる。
【0055】〈効果〉以上のように、上記具体例1で
は、先ず、予め撮影しておいた背景画像と入力画像との
差分をとり、2値化することにより背景に存在しない物
体のみを検出する。この物体検出画像を所定の時間蓄積
し、加算画像を作成し、適当な値で閾値処理することに
より監視領域の交通流の状況や障害物(停止物体)のみ
を早期に、しかも確実に検出することができる。また、
車両を1台1台識別し追跡する必要がなく、簡単な処理
で実現が可能である。更に、障害物を発見した際は、後
続の車両並びに道路管理者に早期に知らせることが可能
であり、道路管理者は現場の状況を即座に確認できるた
め、迅速な対応が可能である。
【0056】《具体例2》具体例2は、具体例1に加え
て、背景画像を生成するようにした点を特徴とするもの
である。
【0057】〈構成〉図12は、具体例2の構成図であ
る。図の装置は、路上撮影手段10と、交通流検出手段
20aと、路上監視手段30と、警報表示手段40とか
らなり、交通流検出手段20a以外の構成は、具体例1
と同様であるため、ここでの説明は省略する。
【0058】交通流検出手段20aは、AD変換部2
1、画像記憶部22、背景画像生成部23a、画像蓄積
部23b、物体検出部24a、検出画像蓄積部25、交
通流判定部26、警報処理部27、背景生成停止信号発
生部28からなる。ここで、AD変換部21、画像記憶
部22、検出画像蓄積部25、交通流判定部26および
警報処理部27は、具体例1と同様である。
【0059】背景画像生成部23aは、画像記憶部22
に記憶された多値ディジタル画像に基づき、車両・障害
物の存在しない背景の多値ディジタル画像を生成する機
能を有し、画像蓄積部23bは、この背景画像生成部2
3aで生成された背景画像を所定の時間蓄積する機能を
有している。物体検出部24aは、入力画像から背景に
存在しない物体のみ検出した画像とそれ以外の画像に分
離し、また、検出した物体の外接矩形の左上および右下
の座標値を物体検出情報として出力する機能を有してい
る。検出画像蓄積部25は、物体検出部24aで検出し
た画像を蓄積するものである。背景生成停止信号発生部
28は、警報処理部27から警報が出力された場合に、
背景画像生成部23aに対して背景の生成を停止させる
信号を発生するものである。
【0060】〈動作〉路上撮影手段10によって得られ
た画像信号は、交通流検出手段20aに送られ、AD変
換部21により多値ディジタル画像I(t,x,y)に
変換される。そして、変換された画像は画像記憶部22
に記憶される。
【0061】画像記憶部22に記憶された多値ディジタ
ル画像は、順次、背景画像生成部23aと物体検出部2
4aに送られる。物体検出部24aでは、入力画像と背
景画像生成部23aで生成された基準となる背景画像と
の比較により、背景に存在しない物体の検出を行い、こ
れを検出画像蓄積部25に蓄積する。また、背景画像生
成部23aでは、画像記憶部22の入力画像と、検出画
像蓄積部25に蓄積されている物体の情報から最新の背
景画像を作成する。
【0062】図13は、背景画像生成部23aの動作を
説明するフローチャートである。先ず、装置の立ち上げ
時、または立ち上げ後に移動物体の存在しない画像を初
期背景画像として記憶する。従って、画像記憶部22か
ら入力される入力画像(ステップS1)が初期画像か否
かをステップS2で判定する。このステップS2におい
て、初期画像であれば画像蓄積部23bに送り、蓄積す
る。もし、初期画像でなければ、物体検出部24aから
出力される物体検出情報(ステップS3)を用いて、入
力画像に対してマスク処理を行う(ステップS4)。
【0063】図14は、マスク処理の処理内容の説明図
である。入力画像I(t,x,y)から物体検出部24
aにより、物体Aを囲む破線領域が検出され、物体検出
情報(ステップS3)として出力された場合、その時の
背景画像b(x,y)における同じ領域(図14(b)
の破線領域)を入力画像の破線領域にコピーする。この
マスク処理を施した画像(以下、マスク画像という)m
(t,x,y)は、画像蓄積部23bに蓄積され、加算
平均処理(ステップS5)において、画像蓄積部23b
に登録されているn枚の画像(登録されている画像がn
枚未満の場合は、登録されている全画像)を加算平均
(図中の式2に示す)した画像を最新の背景画像として
出力する。
【0064】以降、同様の動作により背景画像が生成さ
れる。これにより、常に最新の入力画像を考慮に入れた
背景画像を供給することが可能となる。
【0065】尚、走行車両台数が少なく、背景のみの画
像が比較的頻繁に撮影可能な地点に設置された場合は、
物体検出部24aにおいて物体が存在しない旨の物体検
出情報が送られてきた時点の画像を背景画像として記憶
し、以降、同様の情報が送られてくるまで、その画像を
背景画像として使用する。次に、再度物体が存在しない
旨の物体検出情報が送られてきた場合は、その時点の画
像を新規に背景画像とし、古い背景画像と入れ替える。
以降、同様の処理で背景画像を更新することにより、画
像を蓄積する必要がなくなり、画像蓄積部23bを省略
しても同様の効果を得ることができる。
【0066】図15は、画像蓄積部23bの構成および
動作の説明図である。画像蓄積部23bは、所定のn枚
の画像を蓄積することのできるフレームメモリから構成
されており、初期画像m(0,x,y)から順次蓄積さ
れる。所定のn枚を超えた場合は、最も古い時間に記憶
されたマスク画像を消去し、新しいマスク画像と入れ替
える。図13の場合は、m(n,x,y)が入力される
と、m(0,x,y)の画像が消去され、m(n,x,
y)が新しく記憶される。以降、同様の動作により、画
像蓄積部23bの内容は順次更新される。
【0067】次に、物体検出部24aの動作は、図2で
説明した具体例1とほぼ同じである。ただ、ステップS
2における背景画像が背景画像生成部23aで生成され
た最新の背景画像である点と、ステップS7の物体検出
情報として、ステップS6で検出した物体の外接矩形の
左上および右下の座標値を物体検出情報として出力する
点が異なっている。
【0068】その後、物体検出部24aで得られた物体
検出画像は、検出画像蓄積部25で、所定の時間蓄積さ
れる。この動作は具体例1と同様である。そして、交通
流判定部26は、具体例1と同様に、渋滞や混雑あるい
は障害物検出といった交通流の検出を行う。また、警報
処理部27からの警報出力や、これによる路上監視手段
30および警報表示手段40の動作も具体例1と同様で
ある。
【0069】一方、背景生成停止信号発生部28では、
警報処理部27から警報を受けると、背景画像生成部2
3aに対して背景生成停止信号を発生する。これにより
背景画像生成部23aは、背景の更新を中断し、現在の
背景をホールドする。これは、渋滞や事故等による停止
車両の存在などにより、車両が長時間に亘って画面内に
存在する場合、背景の更新を継続して行うと、背景以外
の物体が背景画像に取り込まれる恐れがあるからであ
る。背景の更新を中断することにより、この影響を回避
することができる。尚、警報処理部27が警報情報を発
生しなくなった時点で背景生成停止信号の発生を停止
し、背景画像の生成が再開される。
【0070】〈効果〉以上のように、具体例2によれ
ば、背景画像は最新の入力画像を考慮に入れて更新され
るため、安定した最新の背景画像を常に供給でき、交通
量の多い地点においても安定した背景画像が得られる。
更に、渋滞等が検出された場合は、背景の更新を中断す
るため、画面内に複数の車両が一定期間存在する場合に
おいても、これらに影響されることなく、安定した処理
結果を得ることが可能となる。
【0071】《具体例3》具体例3は、上記具体例2の
交通流計測装置に対し、監視領域を指定するようにした
ものである。
【0072】〈構成〉図16は、具体例3の構成図であ
る。図の装置は、路上撮影手段50、交通流検出手段2
0a、路上監視手段30および警報表示手段40からな
る。本具体例において、交通流検出手段20a、路上監
視手段30および警報表示手段40は、上記具体例2と
同様であるため、ここでの説明は省略する。
【0073】路上撮影手段50は、テレビカメラ等から
なる路上撮影部51と、タッチパネル、ライトペン、マ
ウスといった入力手段を持つモニタから構成され、路上
撮影部51によって撮影された映像から監視領域を設定
し、処理領域を限定することを可能とする監視領域設定
部52と、設定された監視領域の情報を記憶する監視領
域情報記憶部53からなる。
【0074】〈動作〉路上撮影手段50は、先ず、路上
撮影部51で道路画像を撮影する。監視領域設定部52
は、路上撮影部51で撮影された映像をモニタしながら
監視すべき領域(道路領域)を、上記の入力手段を用い
て指定する。例えば、タッチパネルの場合、監視領域の
左端、右端を指でなぞることで容易に監視領域の指定が
可能である。監視領域設定部52で指定された監視領域
情報は、例えば図3や図8のような入力画像に対して以
下のようなマスク画像(監視領域:1(白)、非監視領
域:0(黒))として監視領域情報記憶部53に記憶さ
れる。図17は、この監視領域情報の一例を示す図であ
る。
【0075】交通流検出手段20aでは、多値ディジタ
ル画像に変換された入力画像に対して監視領域情報記憶
部53に記憶された監視領域情報を参照してマスク処理
を行い、監視領域のみの画像を画像記憶部22に記憶す
る。そして、これ以降の背景画像生成部23a〜背景生
成停止信号発生部28の動作は、具体例2と同様であ
る。また、路上監視手段30および警報表示手段40の
動作についても具体例1、2と同様である。
【0076】尚、本具体例では、路上撮影手段50の監
視領域情報記憶部53は、交通流検出手段20a内に設
けてもよい。また、タッチパネル等の入力手段は、路上
監視手段30の監視用モニタ32に設置し、監視領域情
報を路上撮影手段50もしくは交通流検出手段20aに
設けた監視領域情報記憶部53に記憶するよう構成して
も同様の効果が得られる。更に、上記具体例3では、具
体例2の構成に対して監視領域設定部52や監視領域情
報記憶部53を付加するようにしたが、具体例1の構成
に対して付加するよう構成してもよい。
【0077】〈効果〉以上のように、具体例3によれ
ば、監視領域を指定するようにしたため、処理範囲を限
定することが可能となり、本来不要である道路外の画像
の処理を行う必要がなくなり、高速な処理を実現するこ
とができる。また、監視領域を容易に指定することがで
き、異なる場所に設置する場合も、その場所に応じた監
視領域の指定を容易に行うことができる。
【0078】《具体例4》具体例4は、上記具体例1〜
3で示した交通流計測装置を、複数地点に設置するよう
にしたものである。
【0079】〈構成〉図18は、具体例4の構成図であ
る。図の装置は、複数地点に所定の間隔で設置された道
路映像を撮影するテレビカメラ等の路上撮影手段100
(100a〜100n)と、これらの路上撮影手段10
0によって撮影された映像信号を処理し、交通流を計測
する交通流検出手段200(200a〜200n)と、
各交通流検出手段200によって渋滞や障害物等が検出
された場合、警報を道路管理者に知らせる路上監視手段
300と、後続車両に知らせるための警報表示手段40
0(400a〜400n)からなる。
【0080】それぞれの路上撮影手段100、交通流検
出手段200および警報表示手段400は、具体例1〜
3のいずれかの路上撮影手段10、交通流検出手段20
(または20a)および警報表示手段40の構成と同様
である。また、本具体例では、路上撮影手段100a−
交通流検出手段200a−警報表示手段400aといっ
たように、それぞれの手段が対応するよう構成されてい
る。
【0081】路上監視手段300は、各路上撮影手段1
00で撮影された映像信号を交通流検出手段200を介
し、スイッチの切り替えにより監視したい地点の映像を
選択するための映像切替部301と、各交通流検出手段
200から送られた多値ディジタル画像のうち、選択さ
れた画像を映像信号に変換するDA変換部302と、こ
のDA変換部302で変換された映像を監視する監視用
モニタ303と、各交通流検出手段200において、渋
滞や障害物が検出された場合に出力される警報情報を受
け取り、道路管理者に渋滞の発生や障害物の検出等の状
況を知らせると共に、検出された地点を知らせる警報表
示部304から構成される。
【0082】〈動作〉複数の異なる地点に設置された路
上撮影手段100は、それぞれ図3や図8のような道路
画像を撮影し、交通流検出手段200で路上の交通状況
を計測する。尚、これら交通流検出手段200は、具体
例1〜3で示した交通流検出手段20(または20a)
と同様の動作で交通状況の判定を行う。
【0083】そして、いずれかの交通流検出手段200
で、渋滞や障害物等が検出された場合は、その交通流検
出手段200に対応した警報表示手段400と路上監視
手段300に対し、警報情報と、どの交通流検出手段2
00で検出されたかを示す位置情報とを送る。この警報
情報と位置情報とを受け取った警報表示手段400は、
後続車両に対して、この先渋滞あるいは障害物が存在す
る旨を知らせる。
【0084】一方、路上撮影手段100で撮影されたそ
れぞれの道路映像は、各々の交通流検出手段200を介
して路上監視手段300の映像切替部301に送られ
る。映像切替部301では、通常、道路管理者によっ
て、所望する道路映像が表示されるようスイッチが切り
替えられており、指定された交通流検出手段200から
の映像のみをDA変換部302に送る。DA変換部30
2では、多値ディジタル画像をアナログの映像信号に変
換し、監視用モニタ303は、これを表示する。
【0085】また、いずれかの交通流検出手段200か
ら警報情報および位置情報を受け取った場合は、警報表
示部304でアラーム等を発生し、かつ、どの交通流検
出手段200からの警報であるかを表示する。これによ
り、道路管理者は、映像切替部301を切り替えて、渋
滞や障害物の検出された地点の映像を選択し、これを監
視用モニタ303に表示する。従って、現場の状況を即
座に監視することができ、例えば、渋滞原因(自然渋
滞、落下物、停止車両等)の解明や障害物の撤去等の処
理を迅速に行うことが可能となる。
【0086】また、複数の路上撮影手段100を所定の
間隔で設置するようにしているため、これら設置区間を
連続的に監視することが可能であり、従って、渋滞の先
頭および最後尾の位置を容易に検出でき、その結果、渋
滞長等の情報も即座に得ることができる。
【0087】図19は、渋滞の先頭、最後尾の判定の一
例を示す図である。図示例は、ある区間に連続して設置
された交通流計測装置J〜Yにおいて、交通流計測装置
K〜Xは渋滞を検知し、交通流計測装置Kの直前の交通
流計測装置Jおよび交通流計測装置Xの直後の交通流計
測装置Yでは混雑はしているが、渋滞ではないと判定さ
れているような場合である。このような場合、警報表示
部304は、各交通流検出手段200から警報情報に基
づき、渋滞の先頭は交通流計測装置Kの設置されている
地点であり、最後尾は交通流計測装置Xの設置された地
点であると表示し、かつ、その渋滞長等の情報を表示す
る。これにより、道路管理者は、渋滞状況を容易かつ確
実に把握することができる。
【0088】尚、上記具体例4において、交通流検出手
段200からの警報情報と位置情報を、映像切替部30
1に入力するようにし、これらの情報が入力された場
合、映像切替部301は、自動的にその交通流検出手段
200を選択するよう構成してもよい。あるいは、警報
表示部304と映像切替部301とをオンラインで接続
し、警報表示部304の位置情報によって、映像切替部
301がその交通流検出手段200からの映像信号を選
択するよう構成してもよい。更に、上記各具体例と同様
に、各路上撮影手段100で撮影された道路画像を路上
監視手段300の監視用モニタ303に直接入力するこ
とにより、DA変換部301を省略することも可能であ
る。
【0089】また、上記具体例4において、それぞれの
交通流検出手段200に対して、必ずしも警報表示手段
400を一つずつ対応させる必要はなく、どの交通流検
出手段200からの警報であるかが分かれば、警報表示
手段400の数は任意の値であってもよい。
【0090】〈効果〉以上のように、具体例4によれ
ば、異なる地点に設置された路上撮影手段100で得ら
れた映像を、各々の路上撮影手段100に対応した交通
流検出手段200で解析し、渋滞等を検出した交通流検
出手段200は、警報情報と位置情報とを警報表示手段
400に表示させるようにしたため、後続の車両に渋滞
等の発生とその位置等を通知することができる。また、
警報情報と位置情報とは路上監視手段300にも入力さ
れるため、道路管理者は、送られてきた位置情報に基づ
き、その地点の映像を選択したり、あるいは、位置情報
から自動的にその地点の映像を監視用モニタ303に表
示するようにすることにより、渋滞等が検出された現場
の状況を即座に確認することができ、迅速な対応が可能
となる。また、警報表示部304は、渋滞の位置等の表
示を行うため、道路管理者がその状況を的確に把握する
ことができると共に、例えば、得られた渋滞等の情報を
通信手段を用いて近隣を走行する車両に通知するように
すれば、スムーズな交通制御が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の交通流計測装置の具体例1の構成図で
ある。
【図2】本発明の交通流計測装置の具体例1における物
体検出部の動作を説明するフローチャートである。
【図3】本発明の交通流計測装置の具体例1の道路画像
の説明図である。
【図4】本発明の交通流計測装置における背景画像の説
明図である。
【図5】本発明の交通流計測装置の具体例1における物
体検出画像の説明図である。
【図6】本発明の交通流計測装置における検出画像蓄積
の説明図である。
【図7】本発明の交通流計測装置の具体例1における物
体検出画像の加算画像の一例を示す説明図である。
【図8】本発明の交通流計測装置の具体例1における障
害物検出の入力画像の一例の説明図である。
【図9】本発明の交通流計測装置の具体例1における障
害物検出時の物体検出画像の説明図である。
【図10】本発明の交通流計測装置の具体例1における
障害物検出時の物体検出画像の入力画像群の一例を示す
図である。
【図11】図10の入力画像群から得られる物体検出画
像の加算画像の説明図である。
【図12】本発明の交通流計測装置の具体例2の構成図
である。
【図13】本発明の交通流計測装置の具体例2における
背景画像生成部の動作を説明するフローチャートであ
る。
【図14】本発明の交通流計測装置の具体例2における
マスク処理の処理内容の説明図である。
【図15】本発明の交通流計測装置の具体例2における
画像蓄積部の構成および動作の説明図である。
【図16】本発明の交通流計測装置の具体例3の構成図
である。
【図17】本発明の交通流計測装置の具体例3における
監視領域情報の一例を示す図である。
【図18】本発明の交通流計測装置の具体例4の構成図
である。
【図19】本発明の交通流計測装置の具体例4における
渋滞の先頭、最後尾の判定の一例を示す図である。
【符号の説明】
10、100(100a〜100n) 路上撮影手段 20、20a、200(200a〜200n) 交通流
検出手段 23 背景画像記憶部 23a 背景画像生成部 23b 画像蓄積部 24、24a 物体検出部 25、25a 検出画像蓄積部 26 交通流判定部 27 警報処理部 28 背景生成停止信号発生部 30、300 路上監視手段 33、304 警報表示部 40、400(400a〜400n) 警報表示手段
フロントページの続き (72)発明者 藤井 明宏 東京都港区虎ノ門1丁目7番12号 沖電気 工業株式会社内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 道路上に存在する物体を背景との濃淡値
    の差で表す物体検出画像を任意の周期で順次蓄積し、 任意の時点で、これら蓄積した物体検出画像を加算した
    加算画像を求め、この加算画像と、予め決められた濃淡
    値の閾値との比較によって交通流の状況を判定すること
    を特徴とする交通流計測方法。
  2. 【請求項2】 道路上の映像を撮影し、道路画像を得る
    路上撮影手段と、 前記路上撮影手段で得た道路画像から、背景画像の濃淡
    値の差分を取り、背景に存在しない物体を検出する物体
    検出部と、 前記物体検出部で検出を行った物体検出画像を蓄積する
    検出画像蓄積部と、 前記検出画像蓄積部で蓄積した所定時間分の物体検出画
    像を加算し、この加算画像と予め決められた濃淡値の閾
    値とを比較することにより、交通流を判定する交通流判
    定部とを備えたことを特徴とする交通流計測装置。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の交通流計測装置におい
    て、 検出画像蓄積部は、蓄積時間が所定の時間を超えた場合
    は、最も古い物体検出画像と最新の物体検出画像とを入
    れ替えて更新し、 交通流判定部は、物体検出画像の加算画像から最も古い
    物体検出画像を引き算し、最新の物体検出画像を加算す
    ることにより加算画像を更新することを特徴とする交通
    流計測装置。
  4. 【請求項4】 請求項2または3に記載の交通流計測装
    置において、 交通流判定部は、複数の閾値と比較することにより、車
    両の渋滞状況を判定することを特徴とする交通流計測装
    置。
  5. 【請求項5】 請求項2〜4のいずれかに記載の交通流
    計測装置において、 交通流判定部は、同じ地点に所定の時間以上存在する物
    体を検出した場合に、警報を発生することを特徴とする
    交通流計測装置。
  6. 【請求項6】 請求項2〜5のいずれかに記載の交通流
    計測装置において、 物体検出部で背景に存在しない物体を検出した場合、当
    該物体部分を、背景画像でマスク処理した画像を蓄積す
    ると共に、これら蓄積した画像を加算平均し、これを新
    たな背景画像として、前記物体検出部に出力する背景画
    像生成部と、 交通流判定部が警報を出力した場合は、前記背景画像生
    成部に対し、背景画像の更新を停止する背景生成停止信
    号を送出する背景生成停止信号発生部とを備えたことを
    特徴とする交通流計測装置。
  7. 【請求項7】 請求項2〜6のいずれかに記載の交通流
    計測装置において、 道路画像の監視領域を設定する監視領域設定部と、 路上撮影手段で得た道路画像に対して、前記監視領域設
    定部で設定された監視領域のみを処理対象とする物体検
    出部とを備えたことを特徴とする交通流計測装置。
  8. 【請求項8】 請求項2〜4または6もしくは7のいず
    れかに記載の交通流計測装置において、 同じ地点に所定の時間以上存在する物体を検出した場合
    は、警報を発生する交通流判定部と、 路上撮影手段から出力される映像を表示する監視用モニ
    タと、 前記交通流判定部から警報が出力された場合は、当該警
    報を表示する警報表示部とを備えたことを特徴とする交
    通流計測装置。
  9. 【請求項9】 請求項8に記載の交通流計測装置におい
    て、 それぞれ異なる地点の道路を撮影する複数の路上撮影手
    段と、 前記各々の路上撮影手段に対応して設けられ、各路上撮
    影手段で得た道路画像から、その地点の交通流の状況を
    判定する複数の交通流判定部と、 前記複数の路上撮影手段で得た道路画像を受け取り、い
    ずれかの画像を選択して出力する映像切替部と、 前記映像切替部の出力した画像を表示する監視用モニタ
    と、 前記複数の交通流判定部のいずれかから警報と位置情報
    とを受け取った場合は、警報を表示すると共に、その警
    報がどの地点に設置された路上撮影手段に基づくもので
    あるかを表示する警報表示部とを備えたことを特徴とす
    る交通流計測装置。
  10. 【請求項10】 請求項9に記載の交通流計測装置にお
    いて、 警報表示部は、渋滞の位置と長さを含む渋滞状況を表示
    することを特徴とする交通流計測装置。
JP24867696A 1996-08-30 1996-08-30 交通流計測方法および装置 Expired - Fee Related JP3394662B2 (ja)

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