JP2004005726A - 移動物体の交通流監視システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 移動物体が移動する様子を撮影した連続するフレームの画像から検出手段101が検出した移動物体の像を計数手段102によって計数するとともに、連続するフレームについて同定手段103が同定した移動物体の像に関する情報を速度算出手段104による移動物体の速度算出処理に供する移動物体の交通流監視システムにおいて、速度算出手段104は、同定された各移動物体の移動量から各移動物体のサンプル速度を算出するサンプル速度算出手段125と、画像における各画素の位置と撮影対象における位置との対応関係に基づいて、移動物体の画面上の位置に応じた重みを算出する重み算出手段131と、重み算出手段131で得られた重みに基づいて、各移動物体のサンプル速度を加重平均し、監視区域における平均速度として出力する加重平均手段132とを備える。
【選択図】 図1
Description
例えば、道路上の車両の移動を監視する交通流監視システムでは、道路を移動する移動物体の種類や数量および平均速度など様々な情報を検出し、道路状況の表示や渋滞の予測、またトンネル内での換気装置の制御など、様々な用途に役立てている。
このような点を考慮して、これらの専用のセンサに代えて、インターチェンジの付近やトンネルの出入口付近およびトンネルの内部などのサンプル位置にそれぞれ監視用のカメラを設置し、これらのカメラによって捉えた映像から上述した様々な情報を抽出するシステムが提案されており、その拡張性の高さに大きな期待がかけられている。
図7において、サンプル位置に設置されたビデオカメラ301によって捉えられた映像は、アナログ−デジタル変換処理部(A/D)302を介して差分処理部303に入力され、静止画メモリ304に保持された背景画像との差分が求められる。
この差分処理部303で得られた各画素についての差分の入力に応じて、二値化処理部305は、所定の閾値に基づいて、背景画像との差異がある画素とない画素とを判別し、この判別結果を示す二値化画像を作成して、検出処理部306に送出する構成となっている。
このとき、検出処理部306は、特に、車両の映像が二値化画像に進入している側に近い一部分を新たな車両を検出する検出領域とし、この検出領域に車両を表す画像が現れたときに新しい車両として検出して、計数処理部308に送出する構成となっている。
また、同定処理部307は、各フレームについて検出処理部306で得られた検出結果に基づいて、現フレームにおいて検出された車両とその前のフレームで検出された車両との対応付けを行い、対応付けられた車両の現フレームおよび前フレームにおける位置の組み合わせを同定処理結果として、速度算出部309の処理に供する構成となっている。
この同定処理結果の入力に応じて、速度算出部309は、まず、各車両について、該当する車両の画面上の位置の差とフレーム間の時間とから、各フレームに対応する時刻における該当する車両の道路上での速度を算出する。次に、速度算出部309は、各車両について得られたこれらのフレームに対応する道路上での速度の平均値を求め、この平均値をカメラ301の視野に対応する区間における該当する車両の速度として、センタ310に通知する構成となっている。
このため、速度算出部309において、二値化画像における長さをカメラ301の視野に対応する道路上の区間の長さに変換する必要があるが、この際に、二値画像における1画素に対応する道路上の区間の長さが分かっていれば便利である。
この技法は、道路上の白線などのように既知の大きさおよび間隔を持つマーカを表す画像の大きさおよび間隔に基づいて、画面上の各画素に対応する道路上の区間など実際の長さを求めておき、移動物体の位置の特定や速度の算出に供するものである。
また、センタ310は、道路の各所に設けられた交通流監視システムによって得られた車両の数量および速度に関する情報を収集し、これらの情報に基づいて交通流の解析処理を行うことにより、渋滞などの道路状況の把握や渋滞発生,解消の予測、更には事故の発見などが可能となる。これにより、利用者に正確な情報を提供し、利用者へのサービスの向上が図られている。
この際には、サンプルフレームの抽出間隔や車両の速度を考慮して、新たな車両を検出するための検出領域や車両の同定に用いる進行方向側の範囲の大きさを決定する必要がある。
例えば、検出領域を大きく設定しすぎてしまった場合は、新たにカメラ301の視野に入ってきた車両を漏れなく捉えることができる反面、既に検出された車両を再び新規の車両として認識してしまう可能性もあるため、検出処理に要する計算量が膨大となってしまう。
また、従来の交通流監視システムにおいては、上述したように、車両の同定処理の際に、車両の速さや進行方向が大きく変化しないことを前提として、単純に進行方向前方の所定の領域に捉えられている車両の中から、前フレームにおける車両の位置に最も近い位置にあるものを選択して同定している。
例えば、車両aの後ろに連続して車両bが走行している際に、隣の車線を走行していた車両cが、車両aと車両bとの間に割り込んできた場合などには、前のサンプルフレームと現在のサンプルフレームとの間に発生した車両bと車両cとの急激な速度変化のために、現フレームにおいては、車両cが車両bと誤って同定される場合が考えられる。そして、このような誤認が発生すると、以降の速度算出処理を正確に行うことができなくなってしまう。
一方、図8(b) に実線で示した曲線から分かるように、カメラ301から遠い部分に対応する二値化画像の上側部分においては、下側の部分に比べて曲線の傾きが大きくなっており、1画素に対応する道路上の距離が大きくなっている。すなわち、二値化画像の各位置における解像度は、図8(b) に示すように、画面上での位置が下側から上側に近づくにつれて、下に凸の曲線を描いて単調に減少することが分かる。
しかしながら、従来の方法においては、このように精度の異なる位置検出結果を同等に扱っており、このために、全体としての車両速度の測定精度が低下してしまっていた。
例えば、連続する複数のサンプルフレームに渡って静止している物体を抽出すれば、落下物など車両の走行を妨げる物体の有無に関する情報を得ることができ、また、車両の速度にかかわらず、それぞれの車両について車間距離など様々な情報を得ることができる。
本発明は、画像情報の特徴を利用して、より精密に移動物体の数量や速度を算出することを可能とする交通流監視システムを提供することを目的とする。
本発明にかかわる移動物体の交通流監視システムは、移動物体が移動する様子を所定のサンプル間隔ごとに撮影して得られる連続する複数フレームの画像の入力に応じて、検出手段101が移動物体に対応する像を検出し、各フレームの検出結果を計数手段102による移動物体の数量の計数処理に供するとともに、各フレームとその前のフレームの検出結果に含まれる移動物体の像を同定手段103によって同定し、この同定結果を速度算出手段104による移動物体の速度算出処理に供する移動物体の交通流監視システムにおいて、速度算出手段104に、サンプル速度算出手段125と、重み算出手段131と、加重平均手段132とを備えて構成される。
速度算出手段104に備えられるサンプル速度算出手段125は、同定された移動物体それぞれの連続する2つのフレーム間での画面における移動量に基づいて、各フレームに対応する時刻における該当する移動物体のサンプル速度を算出する。速度算出手段104に備えられる重み算出手段131は、各フレームの画像における各画素の位置と撮影対象における位置との対応関係に基づいて、各フレームにおける移動物体の画面上の位置に応じた重みを算出する。速度算出手段104に備えられる加重平均手段132は、重み算出手段131で得られた重みに基づいて、移動物体のそれぞれに対応するサンプル速度の加重平均を求め、監視区域における平均速度として出力する。
請求項1の発明では、移動物体が移動する様子を所定のサンプル間隔ごとに撮影して得られる連続する複数フレームの画像の入力に応じて、検出手段101が移動物体に対応する像を検出し、各フレームの検出結果に基づいて、計数手段102により、移動物体の数量が計数される。また、各フレームとその前のフレームの検出結果に含まれる移動物体の像を同定手段103によって同定し、この同定結果に基づいて、速度算出手段104により、撮影範囲に対応する区間における平均速度を求める。このとき、重み算出部131は、画面上において移動物体が占める位置に応じて、その移動物体についてサンプル速度算出手段125によって求められたサンプル速度に期待できる精度に対応する重みを算出する。そして、この重みを用いて、加重平均手段132は、各移動物体に対応するサンプル速度を加重平均することにより、画面における位置による解像度の違いを考慮して、監視区域における移動物体の平均速度を精密に算出することができる。
(第1の実施形態)
図2に、本発明にかかわる交通流監視システムの実施例構成図を示す。
図2において、交通流監視システムは、図7に示した交通流監視システムと同様に、カメラ301で捉えられた映像の入力に応じて、アナログ−デジタル変換処理部(A/D)302,差分処理部303および二値化処理部305が動作し、得られた二値化画像を検出処理部210および同定処理部220による処理に供する構成となっている。また、この検出処理部210および同定処理部220による処理結果は、計数処理部308および速度算出部230の処理に供されている。
この検出処理部210において、検出領域設定部211は、利用者からの指示に応じて適切な検出領域を設定し、また、投影処理部212は後述する投影処理を行って、それぞれ車両検出部213の処理に供する構成となっている。
ここで、検出領域設定部211で用いるサンプリング間隔tと最高速度vとは、利用者の主観によらない客観的なパラメータであるから、利用者の知識や経験に頼る必要はないから、利用者の負担を軽減するとともに、交通流監視システムに割り当てられた処理能力を有効に活用して、車両などの移動物体を精密に検出することが可能となり、交通流監視システムによる監視精度の向上を図ることができる。
ここで、このようにして得られた各ラインの計数結果は、上述した各車線に対応する領域の二値化画像を副走査線方向に投影結果を示しており、この投影結果から、元の二値化画像で表された車両の形状を推定することが可能である。
したがって、車両検出部213は、各車線に対応する領域についての投影結果の入力に応じて、例えば、所定の長さ以上に渡って閾値Th1 以上の計数結果が分布している範囲をそれぞれ車両の投影結果として検出すればよい。
また、このとき、車両検出部213は、上述した検出領域で示される範囲から車両の投影結果を検出した場合に、その数を新しくカメラ301の視野に進入してきた車両の数として計数処理部308に送出し、これに応じて、計数処理部308は、従来と同様にして、一定時間にカメラ301の視野を通過した車両の数を計数すればよい。
図2に示した同定処理部220において、車両テーブル221は例えば、上述した各車線に対応する領域毎に、前のサンプルフレームの画像から検出された車両のそれぞれに対応する車両情報として、各車両の特徴を表す情報を保持する構成となっている。
このとき、照合処理部222は、検出処理部210の検出結果として得られる車両の位置に最も近く、かつ、車両の長さが等しいことを条件として、照合処理を行い、照合結果を速度算出部230に送出すればよい。
例えば、まず、検出結果で示される車両の位置よりも後ろ側にあり、かつ、距離が所定の閾値Th2 以下であるものを車両テーブル221から候補車両(図4(a) において符号イ,ロで示す)として抽出し、候補車両が複数ある場合に、検出結果と候補車両の車両の長さを照合することにより、ただ一つの候補車両(図4(a) においては符号イで示す)を選択すればよい。
例えば、図4(a) に符号ハで示した車両が、次のサンプルフレームまでのあいだに、図4(b) に示すように、隣接する車線を走行していた2台の車両(図4において符号イ,ロで示した)の間に割り込んだ場合には、この符号ハで示した車両は、図4に示した左側の車線に対応する車両情報としては車両テーブル221に保持されていない。この場合に、隣接する車線に対応する車両テーブル221を検索することにより、符号ハに対応する車両情報を得ることができ、この車両情報で示された車両と図4(b) の符号ハの車両とを同定することができる。
これにより、隣接する車線からの割込などに伴う、走行順序や急激な速度変化にも柔軟に対応し、車両の同定を正確に行うことが可能となり、速度算出の精度の向上に寄与することができる。
このとき、書換え処理部223は、上述した検出領域から検出された新しい車両については、カメラ301の視野に新たに進入してきた車両に関する車両情報として、車両検出部213から得られた検出結果をそのまま新規の車両情報として車両テーブル221に追加すればよい。
このようにして、照合処理部222による照合結果に応じて、書換え処理部223が車両テーブル221の書換えを行うことにより、現サンプルフレームにおいてカメラ301の視野に捉えられた車両のみに関する情報を車両テーブル221に保持し、次のサンプルフレームの処理に供することができる。
図2に示した速度算出部230において、サンプル速度算出部231は、従来と同様に、各車両についての同定結果に基づいて、現サンプルフレームにおける位置でのサンプル速度を算出し、速度保持部232を介して区間速度算出部234に送出する構成となっている。
これに応じて、速度保持部232は、各サンプルフレームについて算出されたサンプル速度を車両ごとに分類して、各サンプルフレームにおける車両の位置とともに保持すればよい。
図2において、区間速度算出部234は、速度保持部232に保持された各車両に対応するサンプル速度のそれぞれに、重み算出部233で得られた重みを付けて加重平均を求める構成となっている。
このとき、重み算出部233は、上述した速度保持部232から該当する車両の各サンプルフレームにおける位置を読み出して、これらの位置に基づいて、解像度テーブル244を参照し、各位置における解像度の値に基づいて適切な重みを算出して、区間速度算出部234に送出すればよい。
この場合は、解像度の高い画面の下側の画像を用いて算出されたサンプル速度には大きな重みが付けられ、逆に、解像度の低い領域の画像を用いて得られたサンプル速度に付加される重みは小さくなっている。
これにより、各車両について、より精密な平均速度をセンタ310に通知することができ、これらの情報をセンタ310において解析することにより、利用者に的確な情報を提供し、サービス性の向上を図ることができる。
(第2の実施形態)
図5に、本発明にかかわる交通流監視システムの第2の実施例構成図を示す。
図5において、同定処理部220は、図2に示した同定処理部220に、位置予想部224を付加した構成となっており、この位置予想部224が、現サンプルフレームについての車両の同定処理に先立って、上述した速度算出部230から受け取った各車両のサンプル速度に基づいて各車両の二値化画像における位置を予想し、この予想結果を車両テーブル221を介して、照合処理部222の処理に供する構成となっている。
このように、位置予想部224が速度保持部232および対応テーブル242に基づいて動作することにより、前のサンプルフレームにおける車両の位置に基づいて、現サンプルフレームにおける車両の画面上の位置を求め、照合処理に供することができる。
このように、位置予想部224によって得られた予想位置の入力に応じて、車両テーブル221および照合処理部222が動作することにより、前のサンプルフレームにおける位置での車両の速度に関する情報を現サンプルフレームにおける同定処理に利用することができる。
したがって、この場合は、照合処理部222は、候補車両を検出する際に、予想位置から上述した閾値Th2 よりも大幅に小さい所定の閾値Th3 を用いて、候補車両を絞り込むことができる。
更に、各車両について複数の特徴を抽出すれば、個々の車両の同定精度を一層向上することが可能である。
(第3の実施形態)
図6に、本発明にかかわる交通流監視システムの第3の実施例構成図を示す。
また、この場合は、同定処理部220の照合処理部222は、前のサンプルフレームにおける位置に基づいて、車両テーブル221から候補車両の検索を行ったのちに、車両の長さと幅とを照合し、両方の特徴が一致する車両の組み合わせを同一の車両とすればよい。
102 計数手段
103 同定手段
104 速度算出手段
125 サンプル速度算出手段
131 重み算出手段
132 加重平均手段
210,306 検出処理部
211 領域設定部
212 投影処理部
213 車両検出部
214 距離算出部
215 対応付け部
220,307 同定処理部
221 車両テーブル
222 照合処理部
223 書換え処理部
224 位置予想部
230,309 速度算出部
231 サンプル速度算出部
232 速度保持部
233 重み算出部
234 区間速度算出部
240 解像度算出部
241 テーブル作成部
242 対応テーブル
243 算出処理部
244 解像度テーブル
301 カメラ
302 アナログ−デジタル変換処理部(A/D)
303 差分処理部
304 静止画メモリ
305 二値化処理部
308 計数処理部
310 センタ
Claims (1)
- 移動物体が移動する様子を所定のサンプル間隔ごとに撮影して得られる連続する複数フレームの画像の入力に応じて、検出手段が前記移動物体に対応する像を検出し、各フレームの検出結果を計数手段による前記移動物体の数量の計数処理に供するとともに、各フレームとその前のフレームの検出結果に含まれる移動物体の像を同定手段によって同定し、この同定結果を速度算出手段による移動物体の速度算出処理に供する移動物体の交通流監視システムにおいて、
速度算出手段は、
同定された移動物体それぞれの連続する2つのフレーム間での画面における移動量に基づいて、各フレームに対応する時刻における該当する移動物体のサンプル速度を算出するサンプル速度算出手段と、
前記各フレームの画像における各画素の位置と撮影対象における位置との対応関係に基づいて、前記各フレームにおける前記移動物体の画面上の位置に応じた重みを算出する重み算出手段と、
前記重み算出手段で得られた重みに基づいて、前記移動物体のそれぞれに対応するサンプル速度の加重平均を求め、監視区域における平均速度として出力する加重平均手段とを備えた構成である
ことを特徴とする移動物体の交通流監視システム。
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