JPH1073620A - 光変流器 - Google Patents
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- JPH1073620A JPH1073620A JP8229837A JP22983796A JPH1073620A JP H1073620 A JPH1073620 A JP H1073620A JP 8229837 A JP8229837 A JP 8229837A JP 22983796 A JP22983796 A JP 22983796A JP H1073620 A JPH1073620 A JP H1073620A
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Abstract
高性能の光変流器を提供する。 【解決手段】 光変流器は、センサ光学部11、信号処
理部12、および伝送用ファイバ部13から構成され
る。信号処理部12は、測定光を発生する光源14、セ
ンサ光学部11からの光を検出する検出器15a,15
bと、検出器15a,15bで得られた信号を処理する
信号処理回路16を備える。伝送用ファイバ部13は、
送光用ファイバ18と、受光用ファイバ19a,19b
を備える。センサ光学部11は、センサ30と反射端3
2を有するセンシングファイバ部31と、このセンシン
グファイバ部31と信号処理部12とを光学的に結合す
る結合光学系21を備える。光ファイバからなるセンサ
30は、導体2の周囲に巻き付けられ、その両端が近接
する閉ループ状に配置される。
Description
果を利用して電流を測定する光変流器に係り、特に、被
測定電流以外の外部電流の影響を受けにくい高精度な電
流測定または大電流計測に好適な光変流器に関する。
て、光を利用した電力系統用電流測定装置、すなわち、
光変流器が開発されている。この光変流器は、被測定電
流が流れる導体に近接して鉛ガラス等のブロックをセン
サとして配置し、このセンサに直線偏光の光を通過させ
て、被測定電流によって生じるファラデー効果の旋光角
を測定するものである。
装置用の光変流器の一例を示している。この図12に示
すように、接地電位とされたタンク1の内部に、高電圧
電流が流れる導体2が配置されている。この導体2の全
周を囲むようにして、鉛ガラス等で構成されたブロック
状のセンサ3が配置されており、このセンサ3は、固定
具4によって固定されている。この場合、導体2が高電
圧であるため、センサ3の固定具4は、絶縁筒5を介し
てタンク1に対して絶縁を確保した状態で取り付けられ
ている。また、タンク1には、光学系収納箱6が取り付
けられており、この光学系収納箱6内に、結合光学系
7、送光用ファイバ8、および2本の受光用ファイバ9
a,9bが収納されている。
光子7b等から構成されており、この結合光学系7を介
して各ファイバ8,9a,9bがセンサ3に光学的に結
合されている。そして、送光用ファイバ8は、図示しな
い光源から測定用の光を伝送し、結合光学系7を介して
センサ3に送るために使用される。また、受光用ファイ
バ9a,9bは、センサ3から出射して結合光学系7で
2方向の偏光成分に分けられた光をそれぞれ入射し、図
示しない信号処理部に送るために使用される。
器においては、次のような原理によって、導体2を流れ
る電流を測定することができる。まず、図示しない光源
から発した光が、送光用ファイバ8を通って結合光学系
7に導かれる。この光は、結合光学系7でほぼ平行光束
の直線偏光ビーム10aとなって空間を伝播してセンサ
3に入射し、センサ3の内部で反射を繰り返す形で導体
2の周囲を周回した後、センサ3から出射する。この
間、センサ3内を通過する光の偏光面は、導体2を流れ
る電流によって誘起されるファラデー効果により、電流
に応じたある角度だけ回転する。
10bとなって空間を伝播した後、再び結合光学系7に
入射し、ここで、2方向の偏光成分に分けられた後、2
つの受光用ファイバ9a,9bにそれぞれ入射する。な
お、ここで述べている結合光学系7の構成や作用につい
てはすでに公知の事項であるため、説明は省略する。
の電流測定装置としては、小型で簡素な構成で、周囲の
外部電流に影響されることなく、常に高精度な計測性能
を確保することが求められる。また、大電流の計測も要
求される。さらに、広く普及するためには安価であるこ
とも必要である。
の光変流器においては、外部電流の影響を受ける可能性
があり、高精度な計測性能を確保することが難しい。例
えば、図12の光変流器において、センサ3内には完全
な閉ループからの余剰光路分Lが存在しており、この部
分で光が外部電流等による外部磁界の影響を受け、導体
2を流れる被測定電流を精度よく測定できない。また、
センサ3の感度が高いために比較的小電流の計測に適し
ている反面、大電流計測を行うことは難しい。さらに、
ブロック状のセンサ3を使用していることから、小型で
簡素な構成とすることが難しく、コストも高いため、広
く普及することも難しい。
を解決するために提案されたものであり、その第1の目
的は、小型で簡素な構造で、高精度の計測が可能な高性
能の光変流器を提供することである。また、第2の目的
は、小型で簡素な構造で、構成度の計測が可能であると
共に、大電流計測も可能な高性能の光変流器を提供する
ことである。
解決するために、光変流器のセンサを光ファイバにより
構成してこの光ファイバを被測定導体の周囲に閉ループ
状に配置し、さらに、この光ファイバの両端の配置を工
夫したり、光学部品を磁気シールドすることを特徴とし
ている。このような構成を有することにより、センサ周
辺の構造を小型・簡素化できると共に、外部電流等によ
る外部磁界の影響を低減して高精度の計測を行うことが
できるものである。
の発明は、被測定導体付近に配置されたセンサと、測定
用の光を発生して前記センサに送る光源と、前記センサ
からの出射光を検出する検出器と、前記センサと光源お
よび検出器とを光学的に結合する結合光学系と、前記検
出器からの信号を処理する信号処理部とを備え、前記セ
ンサを通過する光のファラデー効果に基づいて被測定導
体に通電される電流を測定する光変流器において、前記
センサが次のように構成されたことを特徴としている。
すなわち、センサは光ファイバにより構成され、この光
ファイバは、前記被測定導体の周囲に巻き付けられ、そ
の両端が近接する閉ループ状に配置される。
発明によれば、被測定導体の周囲に光ファイバを閉ルー
プ状に配置することにより、外部電流等による外部磁界
の影響を受けにくい構造を有するセンサを実現できるた
め、常に高精度の計測を行うことができる。また、光フ
ァイバを使用することにより、ブロックを使用した場合
に比べてセンサ周辺の構造を小型・簡素化でき、また、
コスト面でも安価にすることができる。
2〜7記載の発明は、光ファイバの両端の配置を工夫し
たものである。請求項2記載の発明は、請求項1記載の
発明において、光ファイバの両端が被測定導体に対して
次のように配置されたことを特徴としている。すなわ
ち、光ファイバの両端は、前記被測定導体に対するその
巻き数をnとして被測定導体に直交する平面上にこの光
ファイバを投影した際に、この光ファイバの両端間の領
域を被測定導体から見込んだ見込み角が2πn(ラジア
ン)の1%以下となるようにして配置される。
発明によれば、光ファイバの両端間の領域(光ファイバ
両端領域)を、被測定導体からの見込み角が2πn(ラ
ジアン)の1%以下となるように配置することにより、
外部磁界の影響を受けやすい光ファイバ両端領域の被測
定導体に対する寸法を十分に縮小することができる。そ
のため、外部電流等による外部磁界の影響を抑制するこ
とができると共に、測定電流をおよそ99%以上検出可
能となり、高精度の計測を実現できる。
記載の発明において、光ファイバの両端が同一の構造物
内に収納されたことを特徴としている。以上のような構
成を有する請求項3記載の発明によれば、光ファイバの
両端を同一の構造物内に収納することにより、センサと
なる光ファイバの両端を容易に固定してその位置関係を
確保できるため、外部電流等による外部磁界の影響を抑
制可能な好適な閉ループ構造を容易に実現できる。
ずれか一つに記載の発明で、特に、前記被測定導体の近
傍における前記光ファイバの外側に外部導体が配置され
る場合において、光ファイバの両端が外部導体に対して
次のように配置されたことを特徴としている。すなわ
ち、光ファイバの両端は、前記被測定導体に対するその
巻き数をnとして外部導体に直交する平面上にこの光フ
ァイバを投影した際に、この光ファイバの両端間の領域
を前記外部導体から見込んだ見込み角が2πn(ラジア
ン)の1%以下となるようにして配置される。
発明によれば、光ファイバの両端間の領域(光ファイバ
両端領域)を、外部導体からの見込み角が2πn(ラジ
アン)の1%以下となるように配置することにより、外
部電流の影響を受けやすい光ファイバ両端領域の外部導
体に対する寸法を十分に縮小することができる。そのた
め、この外部導体に流れる外部電流の影響を抑制するこ
とができ、高精度の計測を実現できる。
ずれか一つに記載の発明で、特に、前記被測定導体がタ
ンク内に収納され、このタンクに前記光ファイバの外側
を流れる複数のシース電流路が形成される場合におい
て、光ファイバの両端が、この両端間の領域が隣接する
2つの前記シース電流路の間に位置するように配置され
たことを特徴としている。
発明によれば、光ファイバの両端間の領域(光ファイバ
両端領域)を、隣接する2つのシース電流路の間に配置
することにより、シース電流路からのこの両端領域の見
込み角を小さくして、外部電流の影響を受けやすい光フ
ァイバ両端領域のシース電流路に対する寸法を十分に縮
小することができる。そのため、このシース電流路に流
れるシース電流の影響を抑制することができ、高精度の
計測を実現できる。
ずれか一つに記載の発明で、特に、同一のタンク内に収
納された複数の導体の各々が前記被測定導体とされ、各
被測定導体の各々に個別の前記光ファイバがそれぞれ設
けられる場合において、光ファイバの各々の両端が、そ
の両端間の領域が前記タンクの壁面に対向するようにし
てこの壁面の近接位置に配置されたことを特徴としてい
る。
発明によれば、各光ファイバの両端間の領域(光ファイ
バ両端領域)を、タンクの壁面に対向して近接配置した
ことにより、外部電流の影響を受けやすい光ファイバ両
端領域の、被測定導体以外の外部導体に対する寸法を十
分に縮小することができる。そのため、被測定導体以外
の外部導体に流れる外部電流の影響を抑制することがで
き、高精度の計測を実現できる。また、タンク壁面の近
傍に結合光学系を配置することになるため、タンク壁面
を貫通する光伝送部分の構造を短縮・簡素化できる。
ずれか一つに記載の発明において、光ファイバの両端
が、前記被測定導体と平行方向においてほぼ重なるよう
に配置されたことを特徴としている。以上のような構成
を有する請求項7記載の発明によれば、光ファイバの両
端を、被測定導体に流れる電流方向において近傍に配置
することにより、被測定導体に流れる電流方向と直交す
る方向成分を有する外部電流による外部磁界の影響を抑
制することができ、高精度の計測を実現できる。
項8〜12記載の発明は、磁気シールド効果を生じる材
料により光学部品を覆うように構成したものである。請
求項8記載の発明は、請求項1〜7のいずれか一つに記
載の発明において、光ファイバと結合光学系を含む光学
部品の一部が、磁気シールド効果を生じる磁気シールド
材料により覆われていることを特徴としている。以上の
ような構成を有する請求項8記載の発明によれば、磁気
シールド材料により光が通過する光学部品の一部を覆う
ことによって、その部分における光学部品内部の磁界を
小さくすることができる。そのため、この光学部品の一
部において不都合なファラデー効果が生じることによる
影響を抑制することができ、高精度の計測を実現でき
る。
明において、結合光学系が、前記磁気シールド材料から
なる構造物内に収納されたことを特徴としている。以上
のような構成を有する請求項9記載の発明によれば、結
合光学系を磁気シールド材料からなる構造物内に収納し
たことにより、結合光学系の内部の磁界を小さくするこ
とができる。そのため、この結合光学系の一部において
不都合なファラデー効果が生じることによる影響を抑制
することができ、高精度の計測を実現できる。
9記載の発明において、光ファイバの両端が、前記磁気
シールド材料からなる構造物内に収納されたことを特徴
としている。以上のような構成を有する請求項10記載
の発明によれば、センサとなる光ファイバの両端を磁気
シールド材料からなる構造物内に収納することにより、
磁気シールド材料の磁気シールド効果から、外部電流等
による外部磁界の影響を十分に抑制可能な好適な閉ルー
プ構造を容易に実現でき、高精度の計測を実現できる。
のいずれか一つに記載の発明において、光ファイバが、
前記磁気シールド材料で覆われたことを特徴としてい
る。以上のような構成を有する請求項11記載の発明に
よれば、センサとなる光ファイバを磁気シールド材料で
覆うことにより、光ファイバ内の磁界を小さくすること
ができ、見かけ上の感度を下げることができるため、大
電流計測を実現できる。以下には、この点について、数
式を参照して説明する。
定数をV、光ファイバに沿った微小長さをdL、磁束密
度をBとすると、被測定電流Iに対するファラデー旋光
角θは、次の式(1)で表現される。
と終点をそれぞれ示している。完全閉ループとなってい
る場合には、LsとLfは一致して、ファイバの巻き数
分の周回積分となる。
L3の領域の磁束密度Bを0とすると、式(1)の時と
同じ被測定電流Iに対するファラデー旋光角θsは、次
の式(2)で表現される。
L3からL3の領域の磁束密度Bを0とした場合には、
ファラデー旋光角θsを小さくして、見かけ上のセンサ
の感度を下げることができる。この場合、磁気シールド
により必ずしも磁束密度Bを0にする必要はなく、|B
s|<|B|を満足すれば、同様な効果が得られる。ま
た、複数の領域を磁気シールドすることも可能である。
の発明で、特に、被測定導体の近傍に外部磁界が存在す
る場合において、光ファイバの長さ方向に、複数の前記
磁気シールド材料が間隔を空けて分散配置され、磁気シ
ールド材料によって覆われたシールド部分と磁気シール
ド材料によって覆われていない非シールド部分との割合
が前記外部磁界から見て一定となるように構成されたこ
とを特徴としている。
の発明によれば、センサとなる光ファイバの複数部分を
磁気シールド材料で覆い、磁気シールド材料で覆ったシ
ールド部分と非シールド部分との割合を外部磁界から見
て一定とすることにより、外部磁界の影響を抑制するこ
とができると共に、光ファイバの感度を下げることがで
きるため、大電流計測を実現でき、かつ、高精度の計測
を実現できる。
の複数の実施の形態について、図1〜図11を参照して
具体的に説明する。
態として、請求項2、9、10記載の各発明を適用した
光変流器の一形態を示す構成図である。この図1に示す
ように、本実施の形態の光変流器においては、光ファイ
バからなるセンサ30が使用されており、このセンサ3
0を構成する光ファイバは、被測定導体である導体2の
周囲に巻き付けられている。
うに、本実施の形態の光変流器は、大別して、センサ光
学部11、信号処理部12、および伝送用ファイバ部1
3から構成されている。信号処理部12は、測定光を発
生する光源14、センサ光学部11からの2つの光を検
出してその強度に応じた電気信号に変換する検出器15
a,15b、検出器15a,15bで得られた信号を演
算処理する信号処理回路16、および処理結果を出力す
る出力端子17を備えている。このうち、光源14は、
レーザダイオードまたはスーパールミネセントダイオー
ドによって構成されている。また、信号処理部12は、
センサ光学部11から十分に(少なくとも10m以上)
離れた位置に配置されている。
内の光源14からセンサ光学部11に光を送る送光用フ
ァイバ18と、センサ光学部11から信号処理部12内
の2つの検出器15a,15bに光を送る2本の受光用
ファイバ19a,19bとを備えている。
ンシングファイバ部31とを備えている。そして、結合
光学系21は、4つのレンズ22a〜22d、偏光子2
3、2つのビームスプリッタ24a,24b、および2
つの検光子25a,25bから構成されている。
は、送光用ファイバ18からの光を平行ビームに変換す
るか、または平行ビームを集光して各受光用ファイバ1
9a,19bまたはセンシングファイバ部31に入射す
るために使用される。偏光子23は、光を水平方向に関
して45度方向の直線偏光に変換するために使用され、
2つのビームスプリッタ24a,24bは、光をその入
射方向に応じて透過光と反射光とに分割するために使用
される。2つの検光子25a,25bは、各々水平方向
および垂直方向の直線偏光の光を透過させることによ
り、直交するx、y方向の各偏光成分を抽出するために
使用される。
イバ18からの光を、第1のレンズ22a、偏光子2
3、第1のビームスプリッタ24a、および第2のレン
ズ22bを介してセンシングファイバ部31の一端に送
るようになっている。また、結合光学系21は、センシ
ングファイバ部31からの反射方向の光を、第2のレン
ズ22bを介して第1のビームスプリッタ24aで反射
した後、第2のビームスプリッタ24bによって2方向
の光に分割するようになっている。そして、結合光学系
21は、この一方の分割光を、第1の検光子25aおよ
び第3のレンズ22cを介して一方の受光用ファイバ1
9aに送り、他方の分割光を、第2の検光子25bおよ
び第4のレンズ22dを介して受光用ファイバ19bに
送るものである。
光学系21に接続された光ファイバからなるセンサ30
と、その終端部に設けられた反射端32を備えている。
このうち、センサ30は、被測定電流が流れる導体2の
周囲に1以上のほぼ整数倍の巻き数nで巻き付けられて
いる。また、反射端32は、センサ30内を伝播してき
た光を反射して再びセンサ30内に戻し、反対方向に伝
播させるようになっている。このように、センサ30の
終端部に反射端32を設けることにより、センサ30の
始端部は、入射端と出射端を兼ねた出入端となってい
る。
サ30は、導体2の周辺に設けられた図示していない取
り付け部に緩やかに固定されており、外力の影響を受け
にくい構造となっている。また、センサ30を構成する
光ファイバとしては、典型的には信頼性の高い石英ファ
イバが使用されるが、他の種類の光ファイバを使用する
ことも可能である。
成を有する本実施の形態の光変流器における電流測定の
原理は次の通りである。まず、信号処理部12の光源1
4から発した光が、送光用ファイバ18を通ってセンサ
光学部11の結合光学系21に送られる。この結合光学
系21において、送光用ファイバ18からの光は、第1
のレンズ22aによって平行ビームに変換され偏光子2
3によって直線偏光に変換された後、第1のビームスプ
リッタ24aを透過して第2のレンズ22bによって集
光され、センシングファイバ部31に送られ、センサ3
0の出入端に入射する。
結合光学系21からセンサ30に入射した光は、センサ
30内を伝播してその反射端32で反射された後、再び
センサ30内に戻され、反対方向に伝播して、センサ3
0の出入端から出射する。この場合、センサ30内を往
復する形で通過する光の偏光面は、導体2を流れる被測
定電流によって誘起されるファラデー効果により回転す
る。
出射光は、結合光学系21に入射し、その第2のレンズ
22bによって平行ビームに変換された後、第1のビー
ムスプリッタ24aで反射され、第2のビームスプリッ
タ24bで2方向の光に分割される。
25aによってx方向の偏光成分が抽出された後、第3
のレンズ22cおよび受光用ファイバ19aを介して、
信号処理部12の一方の検出器15aに送られる。ま
た、他方の分割光は、第負の検光子25bによってy方
向の偏光成分が抽出された後、第4のレンズ22dおよ
び受光用ファイバ19bを介して、他方の検出器15b
に送られる。
の偏光成分の光が、各検出器15a,15bに送られた
後、これらの検出器15a,15bで各偏光成分を表す
各電気信号が得られる。これらの各電気信号は、信号処
理回路16に送られて演算処理される。そして、信号処
理回路16で得られた処理結果すなわち測定結果は、出
力端子17によって出力される。
は、本実施の形態のセンサ光学部11において、特に、
センサ30と結合光学系21の関係を示す構成図であ
る。この図2に示すように、光ファイバからなるセンサ
30は、被測定電流が流れる導体2の周囲に1以上のほ
ぼ整数倍の巻き数nで巻き付けられており、その反射端
32と出入端33が近接する閉ループ状に配置されてい
る。より具体的には、このセンサ30は、導体2に直交
する平面上にこのセンサ30を投影した場合に、このセ
ンサ30の出入端33の実質的な端面位置Aと反射端3
2の実質的な端面位置Cとの間の領域(光ファイバ両端
領域)を導体2から見込んだ見込み角Ωが2πn(ラジ
アン)の1%以下となるように構成されている。
3の構成を示す詳細断面図である。この図3に示すよう
に、センサ30の出入端33は、フェルール34によっ
て固定されている。このフェルール34の端面は、この
端面における反射光が入射光路と同一光路に沿ってセン
サ30内に戻ることを防止するために、8度の角度を持
って斜めに研磨されている。なお、図中35aは、結合
光学系21とフェルール34との間の光路を示してい
る。
ンサ30の出入端33は、フェルール34と共に、ニッ
ケル、鉄、フェライト等の磁性体からなる構造物36内
に収納されており、この構造物36内においてセンサ3
0がさらされる磁界は、磁気シールド効果により小さく
なっている。その結果、センサ30の出入端33の実質
的な端面位置は、構造物36におけるセンサ収納口(図
中右側の端面位置)Aの近傍となっている。また、本実
施の形態においては、結合光学系21も、ニッケル、
鉄、フェライト等の磁性体からなる構造物(インバー)
で構成されており、この結合光学系21の内部の磁界も
磁気シールド効果により小さくなっている。
2の構成を示す詳細断面図である。この図4に示すよう
に、センサ30の反射端32は、出入端33と同様に、
フェルール37によって固定されている。このフェルー
ル37の端面は、反射光量を安定させるために球面研磨
されており、このフェルール37の端面と接触するよう
にして、光を反射するための反射鏡38が配置されてい
る。この場合、反射鏡38としては、典型的には、単体
のミラーが使用されるが、コーティングにより反射膜を
形成したものを使用することも可能である。なお、図中
35bは、フェルール37内の光路を示している。
ンサ30の反射端32は、フェルール37および反射鏡
38と共に、ニッケル、鉄、フェライト等の磁性体から
なる構造物39内に収納されており、この構造物36内
においてセンサ30がさらされる磁界は、磁気シールド
効果により小さくなっている。その結果、センサ30の
反射端32の実質的な端面位置は、構造物39における
センサ収納口(図中右側の端面位置)Cの近傍となって
いる。
を有する本実施の形態によれば、ブロックを使用したセ
ンサではなく、光ファイバからなるセンサ30を使用
し、このセンサ30を、導体2の周囲に閉ループ状に配
置しているため、アンペールの法則にしたがって、外部
電流等による外部磁界の影響を受けにくい構造となり、
常に高精度の計測を行うことができる。また、光ファイ
バを使用することにより、ブロックを使用した場合に比
べて、センサ周辺の構造を小型・簡素化でき、また、コ
スト面でも安価にすることができる。以下には、このよ
うな作用・効果について詳細に説明する。
本実施の形態においては、光ファイバからなるセンサ3
0を導体2の周囲に巻き数nで巻き付けており、導体2
に直交する平面上にこのセンサ30を投影した場合に、
このセンサ30の出入端33の端面位置Aと反射端32
の端面位置Cとの間の領域(光ファイバ両端領域)を導
体2から見込んだ見込み角Ωが2πn(ラジアン)の1
%以下となるように構成している。そのため、外部磁界
の影響を受けやすい光ファイバ両端領域の導体2に対す
る寸法を十分に縮小することができ、外部電流等による
外部磁界の影響を抑制することができると共に、測定電
流をおよそ99%以上測定可能であるため、高精度の計
測を実現できる。なお、この場合、1%という値は、計
測用光変流器における定格電流値の許容誤差である。
端領域の見込み角Ωが2πn(ラジアン)の1%以下と
なるように構成するためには、例えば、センサ30の巻
き数nが4である場合には、導体2からの光ファイバ両
端領域の見込み角Ωは、0.25ラジアン(14.3
度)以下にすればよい。また、センサ30の巻き数nが
1である場合には、導体2からの光ファイバ両端領域の
見込み角Ωは、0.0625ラジアン(3.6度)以下
にすればよい。
バからなるセンサ30の入射端と出射端を一致させて出
入端33とし、他端を反射端32として構成することに
より、同一の光路で光を往復させているため、センサ3
0の感度を約2倍にすることができる。また、光ファイ
バからなるセンサ30を巻き付けているため、出入端3
3と反射端32との位置を構造上容易に近付けてセンサ
30の閉ループ化を容易にすることができ、外部電流等
による外部磁界の影響を抑制することができる。
効果]本実施の形態においては、光ファイバからなるセ
ンサ30の出入端33と反射端32をフェルール34,
37によりそれぞれ固定することにより、光ファイバか
らなるセンサ30の端部を、この部分での複屈折を大き
くすることなく固定できる。この場合、局部的に複屈折
が大きくなると、外部磁界の影響が不均一となり、誤差
を生じやすくなるが、本実施の形態においては、センサ
30全体に亘って複屈折条件を均一化できるため、外部
電流等による外部磁界の影響を抑制することができる。
したがって、導体2を流れる被測定電流を高精度に測定
できる。
バからなるセンサ30の反射端32をフェルール37に
より固定することにより、反射端32の位置固定が容易
となり、それによって、センサ30の閉ループ化を容易
にすることができ、外部電流等による外部磁界の影響を
抑制することができる。この場合、反射端32を固定し
たフェルール37に接触するようにして反射材料となる
反射鏡38を設けることにより、光の往復を容易にする
ことができると共に、センサ30の領域にある光の距離
を特定することができるため、この点からもセンサ30
の閉ループ化を容易にすることができる。
7と反射鏡38を同一の構造物39に収納することによ
り、光の反射位置を固定して反射強度を安定に保つこと
ができ、光変流器の精度を高く維持することができる。
そして、フェルール37の使用と併せて、センサ30の
反射端32の構成を常に一定に保つことができ、センサ
30の反射端32の位置を特定しやすくなる。したがっ
て、この点からも、センサ30の閉ループ化を容易にす
ることができる。
30の出入端33と反射端32を、ニッケル、鉄、フェ
ライト等の磁性体からなる構造物36,39内にそれぞ
れ収納しているため、これらの構造物36,39の磁気
シールド効果により、センサ30の閉ループ化を容易に
することができ、外部電流等による外部磁界の影響を抑
制することができる。
いては、光ファイバからなるセンサ30の両端の端面位
置は、各構造物36,39におけるセンサ収納口A,C
の近傍となっている。ここで近傍と表現しているのは、
磁性体により周囲の磁界分布が変化するからである。そ
して、本実施の形態においては、便宜上、各構造物3
6,39におけるセンサ収納口A,Cの位置を、センサ
30の実質的な両端としており、これらの位置A,Cの
間を光ファイバ両端領域として、前述したような見込み
角を定義している。
て、請求項2、9記載の各発明を適用した光変流器の一
形態について説明する。本実施の形態の光変流器におい
て、基本的な構成は前記第1の実施の形態と同様である
ため、以下には、図3および図4を参照して、第1の実
施の形態と異なる特徴についてのみ説明する。
て、フェルール34に固定されたセンサ30の出入端3
3は、フェルール34と共に構造物36内に収納されて
いるが、本実施の形態においては、この構造物36は、
磁性体ではなく非磁性体で構成されている。これに対し
て、結合光学系21は、ニッケル、鉄、フェライト等の
磁性体から構成されており、この結合光学系21の内部
の磁界は磁気シールド効果により小さくなっている。そ
の結果、センサ30を構成する光ファイバの出入端33
は、フェルール34の先端部分Bまで磁界にさらされて
いる。また、図4に示すように、本実施の形態におい
て、フェルール37に固定されたセンサ30の反射端3
2は、フェルール37および反射鏡38と共に構造物3
9内に収納されているが、本実施の形態においては、こ
の構造物39は、磁性体ではなく非磁性体で構成されて
いる。その結果、センサ30を構成する光ファイバの反
射端32は、フェルール37の先端部分Dまで磁界にさ
らされている。なお、他の部分については、前記第1の
実施の形態と全く同様に構成されている。
を有する本実施の形態においては、センサ30の実質的
な両端は、BとDとなり、これらの位置B,Dの間を光
ファイバ両端領域として、前記第1の実施の形態と同様
に見込み角を定義し、閉ループ化を図ることができる。
したがって、本実施の形態においても、前記第1の実施
の形態と同様に、外部電流等による外部磁界の影響を抑
制できるため、高精度の計測を実現できる。
態として、請求項2、3、7、9、10記載の各発明を
適用した光変流器の一形態を示す図であり、(a)は構
成図、(b)は(a)において、光ファイバの重なり部
分をX方向から見た図である。本実施の形態の光変流器
において、基本的な構成は前記第1の実施の形態と同様
であるため、以下には、図5の(a)と(b)を参照し
て、第1の実施の形態と異なる特徴についてのみ説明す
る。
において、導体2の周囲に巻き付けられたセンサ30の
出入端33と反射端32は、ニッケル、鉄、フェライト
等の磁性体からなる同一の構造物40内に収納されてお
り、この構造物40内の磁界は磁気シールド効果により
小さくなっている。また、図5の(b)に示すように、
本実施の形態では、導体2と平行する方向において、セ
ンサ30の両端が近傍に配置されている。すなわち、セ
ンサ30における結合光学系21近傍部分と反射端32
近傍部分とが、重なり部分の中心間距離ΔLzが極めて
小さくなるようにして重ねて配置されている。この場合
のセンサ30の重なりの程度は、センサ30の光ファイ
バ両端領域を導体2から見込んだ見込み角Ωが2πn
(ラジアン)の1%以下となるように設定されている。
なお、他の部分については、前記第1の実施の形態と同
様に構成されている。
を有する本実施の形態によれば、光ファイバからなるセ
ンサ30の両端を同一の構造物40中に収納することに
より、センサ30の両端を容易に固定してその位置関係
を確保できる。その上、この構造物40を磁性体から構
成することにより、磁気シールド効果によって、閉ルー
プよりも冗長な部分の磁界を小さくすることができる。
その結果、センサ30の閉ループ化を容易にすることが
できる。さらに、光ファイバの両端を、被測定導体に流
れる電流方向において近傍に配置することにより、特
に、被測定導体に流れる電流方向と直交する方向成分を
有する外部電流の影響を抑制することができる。したが
って、高精度の計測を実現できる。
サ30の両端を同一の構造物40を使用せずに個別の構
造物に収納し、光ファイバ両端領域のほぼ全体を磁気シ
ールド材料で覆う構成も可能であり、この場合にも、本
実施の形態と同様の作用・効果が得られるものである。
態として、請求項2、4、9、10記載の各発明を適用
した光変流器の一形態を示す構成図である。本実施の形
態は、特に、被測定導体である導体2の近傍に外部導体
が配置される場合におけるセンサ30の光ファイバ両端
領域の配置に特徴を有するものである。本実施の形態の
光変流器において、基本的な構成は前記第1の実施の形
態と同様であるため、以下には、図6を参照して、第1
の実施の形態と異なる特徴についてのみ説明する。
て、光ファイバからなるセンサ30は、導体2の周囲に
1以上のほぼ整数倍の巻き数nで巻き付けられており、
このセンサ30の外側に、外部導体41a,41bが配
置されている。この場合、センサ30は、各外部導体4
1a,41bからセンサ30の光ファイバ両端領域を見
込んだ見込み角Φa,Φbが、2πn(ラジアン)の1
%以下となるように構成されている。なお、他の部分に
ついては、前記第1の実施の形態と全く同様に構成され
ている。
を有する本実施の形態においては、外部導体41a,4
1bを流れる外部電流の影響を受けやすい光ファイバ両
端領域の外部導体41a,41bに対する寸法を十分に
縮小することができ、外部電流の影響を抑制することが
できるため、高精度の計測を実現できる。
導体41aは、被測定導体である導体2とこの外部導体
41aを結ぶ直線上に光ファイバ両端領域が存在する位
置に配置されており、他方の外部導体41bは、導体2
とこの外部導体41bを結ぶ直線上に光ファイバ両端領
域が存在しない位置に配置されている。この場合、外部
導体41bの配置の方が、光ファイバ両端領域の寸法の
許容度が大きくとれるため、導体2に対して外部導体の
配置を選択できる場合には、外部導体41aの配置より
も外部導体41bの配置の方が望ましい。
施の形態として、請求項2、5、9、10記載の各発明
を適用した光変流器の一形態を示す図であり、図7は外
観斜視図、図8は断面図である。本実施の形態は、特
に、被測定導体である導体2を収納したタンク1に、セ
ンサ30の外側を流れる複数のシース電流路が形成され
る場合におけるセンサ30の光ファイバ両端領域の配置
に特徴を有するものである。本実施の形態の光変流器に
おいて、基本的な構成は前記第1の実施の形態と同様で
あるため、以下には、図7、図8を参照して、第1の実
施の形態と異なる特徴についてのみ説明する。
て、光ファイバからなるセンサ30は、その反射端32
および結合光学系21と共に、センサ取り付け部42の
中に取り付けられており、導体2の周囲に1以上のほぼ
整数倍の巻き数nで巻き付けられている。このセンサ取
り付け部42は、中継フランジの役割を兼ねてタンク1
の継ぎ目となる位置に配置されている。この場合、タン
ク1上を流れるシース電流は、センサ取り付け部42の
外周の4か所に等間隔で配置されたシャントバー43a
〜43dをそれぞれ伝わって流れるように構成されてい
る。すなわち、これらのシャントバー43a〜43dに
よって、センサ30の外側を流れる複数のシース電流路
が形成されており、導体2とセンサ30の間には電流路
が存在しないように構成されている。そして、本実施の
形態においては、センサ30の光ファイバ両端領域は、
隣接する2つのシャントバー43b,43cの間に配置
されている。なお、他の部分については、前記第1の実
施の形態と全く同様に構成されている。
を有する本実施の形態においては、センサ30の光ファ
イバ両端領域を隣接する2つのシャントバー43b,4
3cの間に配置することにより、これらのシャントバー
43b,43cによって形成される各シース電流路から
のこの光ファイバ両端領域の見込み角を小さくすること
ができる。その結果、外部電流の影響を受けやすい光フ
ァイバ両端領域のシース電流路に対する寸法を十分に縮
小することができ、シース電流の影響を抑制することが
できるため、高精度の計測を実現できる。
態として、請求項2、6、9、10記載の各発明を適用
した光変流器の一形態を示す構成図である。本実施の形
態は、特に、同一のタンク1内に収納された複数の導体
2a〜2cの各々に対して個別のセンサ30a〜30c
を設ける場合における各センサ30a〜30cの光ファ
イバ両端領域の配置に特徴を有するものである。本実施
の形態の光変流器において、基本的な構成は前記第1の
実施の形態と同様であるため、以下には、図9を参照し
て、第1の実施の形態と異なる特徴についてのみ説明す
る。
て、同一のタンク1内に収納された複数の導体2a〜2
cの各々には、センサ30a〜30c、結合光学系21
a〜21c、および反射端32a〜32cからなる個別
の光変流器44a〜44cが設けられている。各光変流
器44a〜44cはまた、タンク1の外側に送光用ファ
イバおよび受光用ファイバを導くための貫通コネクタ4
5a〜45c,46a〜46c,47a〜47cを備え
ている。なお、これらの貫通コネクタを設ける変わり
に、送光用ファイバおよび受光用ファイバを直接貫通さ
せ、密封することも可能である。そして、各光変流器4
4a〜44cの各センサ30a〜30cの各光ファイバ
両端領域48a〜48cは、それぞれ、タンク1の壁面
に対向するようにしてこの壁面の近接位置に配置されて
いる。なお、他の部分については、前記第1の実施の形
態と全く同様に構成されている。
を有する本実施の形態においては、同一のタンク1内の
複数の導体2a〜2cに対して、個別の光変流器44a
〜44cを設けることにより、各導体2a〜2cの電流
量を高精度に個別に測定できる。また、貫通コネクタ4
5a〜45c,46a〜46c,47a〜47cによ
り、タンク1の貫通による出力低下を抑制して送光用フ
ァイバおよび受光用ファイバを良好に接続することがで
きるため、高精度の計測を実現できる。
30a〜30cの光ファイバ両端領域48a〜48c
を、それぞれ、タンク1の壁面に対向するようにしてこ
の壁面の近接位置に配置することにより、被測定導体以
外の外部導体からの各光ファイバ両端領域48a〜48
cの見込み角を小さくすることができる。その結果、外
部電流の影響を受けやすい光ファイバ両端領域48a〜
48cの外部導体に対する寸法を十分に縮小することが
でき、外部電流の影響を抑制することができるため、高
精度の計測を実現できる。また、タンク1の壁面の近傍
に結合光学系21a〜21cを配置することにより、貫
通コネクタ45a〜45c,46a〜46c,47a〜
47cを通じてタンク1外部との間での光の受け渡しを
容易に行うことができ、結合光学系21a〜21cから
外部の信号検出部に至る光伝送部分の構造を短縮・簡素
化できるため、光変流器全体の構成を簡素化できる。
の実施の形態として、請求項2、9、10、12記載の
各発明を適用した光変流器の一形態を示す図であり、図
10は構成図、図11の(a)と(b)は、図10のA
−A´断面の異なる例をそれぞれ示す断面図である。本
実施の形態は、特に、被測定導体である導体2の近傍に
外部導体が配置される場合におけるセンサ30の磁気シ
ールド構造に特徴を有するものである。本実施の形態の
光変流器において、基本的な構成は前記第1の実施の形
態と同様であるため、以下には、図10、図11を参照
して、第1の実施の形態と異なる特徴についてのみ説明
する。
て、光ファイバからなるセンサ30は、導体2の周囲に
1周だけ巻き付けられており、このセンサ30の外側
に、外部導体41cが配置されている。この場合、セン
サ30の長さ方向は、ニッケル、鉄、フェライト等の磁
性体からなる複数の構造物49が互いに間隔を空けて分
散配置され、センサ30の各部を覆っている。その結
果、センサ30において、構造物49による被覆部分の
磁界は、磁気シールド効果により小さくなっている。よ
り詳細には、このセンサ30は、複数の構造物49によ
るシールド部分と、構造物49のない非シールド部分と
の割合が、外部導体41cからセンサ30を見た場合に
一定(図では1対1)となるように構成されている。
の(a)に示すように、センサ30の外周面の全体を覆
うように構成される。また、構造物49は、図11の
(b)に示すように、その周方向における一部に絶縁物
50を挿入する構成とすることも可能であり、この場合
には、磁界が強い場合に生じる渦電流損失を抑制するこ
とができる。さらに、図11の(a)と(b)に示す構
造物49の断面は、いずれもその外周面の形状が矩形で
あるが、これに限定されるものではなく、外周面の形状
を円形等の他の形状とすることも可能である。なお、他
の部分については、前記第1の実施の形態と同様に構成
されている。
を有する本実施の形態においては、センサ30で感じる
磁界の光路に沿って積分値を、構造物49によって磁気
シールドされたシールド部分の割合だけ低下できるた
め、ファラデー旋光角を必要な値以下(通常、最大値を
45°とするが、電子回路の演算精度上は、30°以下
とすることが望ましい)に抑制することができる。その
結果、大電流計測においても高精度な計測を実現でき
る。
の構造物49によるシールド部分と、構造物49のない
非シールド部分との割合が、外部導体41cからセンサ
30を見た場合に一定となるように構成されている。こ
の構成により、外部導体41cの影響を受けやすい領域
Sと、残る領域Tで感じる光路に沿った磁界の積分値の
絶対値が等しく、符号が逆になるため、外部導体41c
の影響を抑制することができ、高精度な計測を実現でき
る。
としては、センサ30の磁気シールド構造を適宜変更す
ることが考えられる。例えば、磁性体からなる構造物4
9を用いる代わりに、センサ30の複数部分を、磁性体
でコーティングしても同様な効果が得られる。また、セ
ンサ30全体を磁性体からなるメッシュで覆っても同様
な効果が得られる。さらに、外部導体が存在しない場合
には、センサ30の一部を磁性体で覆うことにより、セ
ンサ30自体の感度を容易に低減することができる。例
えば、図10において、センサ30の右半分のみを磁性
体で覆うことにより、センサ30の感度は約半分にな
る。一方、外部磁界の影響を抑制する方法として、セン
サ30の外側の領域に、導体方向に適当な長さを有する
磁性体の構造物、コーティング、もしくはメッシュを配
置する方法も有効である。そしてまた、以上のような複
数種類の磁気シールド構造を適宜組み合わせて用いる方
法も有効である。
る磁気シールド材料としては、ニッケル、鉄、フェライ
ト等の他、それらの合金を使用することも可能であり、
さらに、測定する周波数によっては、磁性体でなく良導
電体(アルミニウム、銅等)を用いて磁気シールド効果
を得ることも可能である。
前記各実施の形態に限定されるものではなく、本発明の
範囲内で他にも多種多様な変形例を実施可能である。
気シールド材料として、磁性体からなる構造物を使用し
たが、この構造物としては、単体の磁性体に限らず、非
磁性体からなる構造物に磁性体をコーティングしたもの
を使用することも可能であり、同様に優れた磁気シール
ド効果を得ることができる。また、磁気シールド材料と
しては、ニッケル、鉄、フェライト等の他、それらの合
金を使用することも可能であり、さらに、磁性体以外の
材料を使用することも可能である。
端を有し、入射端と出射端が一致するセンサについて説
明したが、本発明は、反射端を持たず、入射端と出射端
が異なるセンサについても同様に適用可能であり、同様
に優れた効果が得られるものである。また、サニャック
形等の干渉形光変流器についても、光路の分岐点を光フ
ァイバの両端と考えて本発明を適用することにより、同
様に優れた効果が得られるものである。すなわち、本発
明は、センサの両端の配置やこのセンサを含む光学部品
を磁気シールドする点に特徴を有するものであるため、
それ以外の細部の構成については、自由に選択可能であ
る。
は、光変流器のセンサを光ファイバにより構成してこの
光ファイバを被測定導体の周囲に閉ループ状に配置し、
この光ファイバの両端の配置を工夫したり、光学部品を
磁気シールドすることにより、小型で簡素な構造で、高
精度の計測が可能な高性能の光変流器を提供することが
できる。また、センサを磁気シールドすることにより、
センサの見かけ上の感度を下げることができるため、大
電流計測についても高精度の計測が可能な高性能の光変
流器を提供することができる。
を示す構成図。
係を示す構成図。
面図。
面図。
を示す図であり、(a)は構成図、(b)は、(a)に
おける光ファイバの重なり部分をX方向から見た図。
を示す構成図。
を示す外観斜視図。
を示す構成図。
器を示す構成図。
異なる例をそれぞれ示す断面図。
流器の一例を示す構成図。
通コネクタ 48a〜48c:光ファイバ両端領域 50:絶縁物
Claims (12)
- 【請求項1】 被測定導体付近に配置されたセンサと、
測定用の光を発生して前記センサに送る光源と、前記セ
ンサからの出射光を検出する検出器と、前記センサと光
源および検出器とを光学的に結合する結合光学系と、前
記検出器からの信号を処理する信号処理部とを備え、前
記センサを通過する光のファラデー効果に基づいて被測
定導体に通電される電流を測定する光変流器において、 前記センサは光ファイバにより構成され、この光ファイ
バは、前記被測定導体の周囲に巻き付けられ、その両端
が近接する閉ループ状に配置されたことを特徴とする光
変流器。 - 【請求項2】 前記光ファイバの両端は、前記被測定導
体に対するその巻き数をnとして被測定導体に直交する
平面上にこの光ファイバを投影した際に、この光ファイ
バの両端間の領域を被測定導体から見込んだ見込み角が
2πn(ラジアン)の1%以下となるようにして配置さ
れたことを特徴とする請求項1記載の光変流器。 - 【請求項3】 前記光ファイバの両端は、同一の構造物
内に収納されたことを特徴とする請求項1または請求項
2記載の光変流器。 - 【請求項4】 前記被測定導体の近傍における前記光フ
ァイバの外側に外部導体が配置される場合において、 前記光ファイバの両端は、前記被測定導体に対するその
巻き数をnとして外部導体に直交する平面上にこの光フ
ァイバを投影した際に、この光ファイバの両端間の領域
を前記外部導体から見込んだ見込み角が2πn(ラジア
ン)の1%以下となるようにして配置されたことを特徴
とする請求項1から請求項3までのいずれか一つに記載
の光変流器。 - 【請求項5】 前記被測定導体がタンク内に収納され、
このタンクに前記光ファイバの外側を流れる複数のシー
ス電流路が形成される場合において、 前記光ファイバの両端は、この両端間の領域が隣接する
2つの前記シース電流路の間に位置するように配置され
たことを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれ
か一つに記載の光変流器。 - 【請求項6】 同一のタンク内に収納された複数の導体
の各々が前記被測定導体とされ、各被測定導体の各々に
個別の前記光ファイバがそれぞれ設けられる場合におい
て、 前記光ファイバの各々の両端は、その両端間の領域が前
記タンクの壁面に対向するようにしてこの壁面の近接位
置に配置されたことを特徴とする請求項1から請求項5
までのいずれか一つに記載の光変流器。 - 【請求項7】 前記光ファイバの両端は、前記被測定導
体と平行方向においてほぼ重なるように配置されたこと
を特徴とする請求項1から請求項6までのいずれか一つ
に記載の光変流器。 - 【請求項8】 前記光ファイバと前記結合光学系を含む
光学部品の一部は、磁気シールド効果を生じる磁気シー
ルド材料により覆われていることを特徴とする請求項1
から請求項7までのいずれか一つに記載の光変流器。 - 【請求項9】 前記結合光学系は、前記磁気シールド材
料からなる構造物内に収納されたことを特徴とする請求
項8記載の光変流器。 - 【請求項10】 前記光ファイバの両端は、前記磁気シ
ールド材料からなる構造物内に収納されたことを特徴と
する請求項8または請求項9記載の光変流器。 - 【請求項11】 前記光ファイバは、前記磁気シールド
材料で覆われたことを特徴とする請求項8から請求項1
0までのいずれか一つに記載の光変流器。 - 【請求項12】 前記被測定導体の近傍に外部磁界が存
在する場合において、 前記光ファイバの長さ方向に、複数の前記磁気シールド
材料が間隔を空けて分散配置され、磁気シールド材料に
よって覆われたシールド部分と磁気シールド材料によっ
て覆われていない非シールド部分との割合が前記外部磁
界から見て一定となるように構成されたことを特徴とす
る請求項11記載の光変流器。
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