JPH07333569A - 光変流器 - Google Patents

光変流器

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JPH07333569A
JPH07333569A JP6127507A JP12750794A JPH07333569A JP H07333569 A JPH07333569 A JP H07333569A JP 6127507 A JP6127507 A JP 6127507A JP 12750794 A JP12750794 A JP 12750794A JP H07333569 A JPH07333569 A JP H07333569A
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JP
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sensor
light
optical
sensor unit
current transformer
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Application number
JP6127507A
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English (en)
Inventor
Keiko Niwa
景子 丹羽
Sakae Ikuta
栄 生田
Masao Takahashi
正雄 高橋
Kiyohisa Terai
清寿 寺井
Toru Tamagawa
徹 玉川
Hiroshi Miura
宏 三浦
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 広範囲の電流測定を精度よく行うことのでき
る、高性能の光変流器を提供する。 【構成】 光変流器は、高感度の測定部Aと広ダイナミ
ックレンジの測定部Bを有する。各測定部A,Bにおい
て、光源14から送光用ファイバ18を介してセンサ光
学部11に光を送り、センサ光学部11からの光を受光
用ファイバ19a,19bを介して検出器15a,15
bで電気信号に変換し、信号処理回路16で処理する。
測定部Aのセンサ光学部11は、導体2の周囲にn1回
巻き付けてなるセンサ30と反射端31aを含む高感度
センサユニット31を有する。測定部Bのセンサ光学部
11は、導体2の周囲にn2(n2<n1)回巻き付け
てなるセンサ30と反射端32aを含む広ダイナミック
レンジ用の低感度センサユニット32を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光のファラデー効果を
利用して電流を測定する光変流器に係り、特に、高い精
度が要求される測定に好適な構造を持つ光変流器に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、電力系統用の電流測定装置とし
て、光を利用した電力系統用電流測定装置すなわち光変
流器が開発されている。この光変流器は、被測定電流が
流れる導体に極く近接して鉛ガラスや石英のブロックを
センサとして配置し、このセンサに直線偏光の光を通過
させて、被測定電流によって生ずるファラデー効果の旋
光角を測定するものである。
【0003】図3は、従来の技術によるGIS用の光変
流器の一例を示している。この図3に示すように、接地
電位とされたタンク1の内部には、高電圧電流の流れる
導体2が配置されている。そして、この導体2の周囲に
は、導体2の全周を囲むようにしてブロック状のセンサ
3が配置されている。このセンサ3は、石英あるいは鉛
ガラスなどで形成されており、固定具4によって固定さ
れている。この場合、導体2が高電圧であるため、セン
サ3は絶縁筒5によってタンク1から絶縁して取り付け
られている。また、このタンク1には、光学系収納箱6
が取り付けられており、結合光学系7、送光用ファイバ
8、および2本の受光用ファイバ9a,9bが収納され
ている。このうち、結合光学系7は、レンズ、偏光子な
どから構成されており、ファイバ8,9a,9bをセン
サ3と光学的に結合している。また、送光用ファイバ8
は、図示していない光源からの測定用の光を伝送し、結
合光学系7を介して、センサ3に送るために使用され、
受光用ファイバ9a,9bは、センサ3から出射し、結
合光学系7で2方向の偏光成分に分けられた光をそれぞ
れ入射し、図示していない信号処理部に送るために使用
されている。
【0004】以上のような構成を有する図3の光変流器
において、導体2を流れる電流を測定する場合には、次
のような動作が行われる。まず、図示していない光源を
発した光は、送光用ファイバ8を通って結合光学系7に
導かれ、この結合光学系7でほぼ平行光束の直線偏光ビ
ーム10aとなって空間を伝播してセンサ3に入射し、
内部で反射を繰り返す形で導体2の周囲を周回した後、
センサ3を出射する。この間センサ3内を通過する光
は、導体2を流れる電流によって誘起されるファラデー
効果により偏光面がある角度だけ回転する。この出射光
は、直線偏光ビーム10bとなって空間に伝播して再び
結合光学系7に入射してここで2方向の偏光成分に分け
られた後、2つの受光用ファイバ9a,9bにそれぞれ
入射する。なお、ここで述べている結合光学系7の構成
や作用についてはすでに公知の事項であるので、説明は
省略する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、GIS用の
光変流器には、高精度の定常電流を測定する機能に加え
て、事故時の大電流を測定する機能が求められる。しか
しながら、以上のような従来の光変流器では、高精度と
広ダイナミックレンジを同時に得ることが難しく、定常
電流の測定と事故時の大電流測定の両方に精度よく対応
することが困難であるという欠点がある。
【0006】本発明は、以上のような従来技術の問題点
を解決するために提案されたものであり、その目的は、
広範囲の電流測定を精度よく行うことのできる、高性能
の光変流器を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の光変流器は、フ
ァラデー効果を有するセンサ、測定用の光を発生してセ
ンサに送る光源、センサからの光を検出する検出器、光
源および検出器とセンサとを光学的に結合する結合光学
系を備え、前記センサを被測定電流によって形成される
磁界内に配置し、このセンサを通過する光のファラデー
効果を利用して測定する光変流器において、センサ、光
源、または結合光学系を次のように構成したことを特徴
としている。まず、請求項1記載の光変流器は、センサ
を次のように構成したことを特徴としている。すなわ
ち、センサは、異なる感度を有する光ファイバから構成
された複数のセンサユニットである。
【0008】請求項2および3記載の光変流器は、請求
項1記載の光変流器において、複数のセンサユニットの
各々が次のように構成されたことを特徴としている。す
なわち、請求項2記載の光変流器において、複数のセン
サユニットの各々は、互いに巻回数の異なる光ファイバ
からそれぞれ構成される。また、請求項3記載の光変流
器において、複数のセンサユニットの各々は、互いに異
なるヴェルデ定数を有する光ファイバからそれぞれ構成
される。
【0009】請求項4および5記載の光変流器は、請求
項1記載の光変流器において、光源または結合光学系が
次のように構成されたことを特徴としている。すなわ
ち、請求項4記載の光変流器において、光源は、複数の
センサユニットに個別に測定光を送る複数の光源であ
り、この複数の光源は、互いに波長の異なる測定光を発
生するように構成される。また、請求項5記載の光変流
器において、結合光学系は、複数のセンサユニットに対
して個別に設けられた複数の同一の光学系である。
【0010】請求項6および7記載の光変流器は、請求
項1記載の光変流器において、複数のセンサユニットが
次のように構成されたことを特徴としている。すなわ
ち、請求項6記載の光変流器において、複数のセンサユ
ニットは、広ダイナミックレンジ用のサニャック干渉型
のセンサユニットを有する。請求項7記載の光変流器に
おいて、複数のセンサユニットは、高感度用の位相変調
子を含むサニャック干渉型のセンサユニットと、広ダイ
ナミックレンジ用の位相変調子を含まないサニャック干
渉型のセンサユニットを有する。
【0011】
【作用】以上のような構成を有する本発明の光変流器の
作用は次の通りである。すなわち、請求項1記載の発明
によれば、感度の異なる複数のセンサユニットを用いる
ことによって、定常電流測定用の高感度のセンサユニッ
トと、大電流測定用の比較的低感度の広ダイナミックレ
ンジのセンサユニットとを並行して設けることができ
る。したがって、高感度のセンサユニットによって、高
精度の定常電流測定を行うと同時に、比較的低感度の広
ダイナミックレンジのセンサユニットによって、大電流
の測定を行うことができる。また、センサとしてセンサ
ユニットを用いることにより、結合光学系を含む光学系
全体を一体化して小型化することができるため、設置環
境における熱分布の影響を受け難くなり、その分だけ精
度を向上することができる。
【0012】請求項2記載の発明によれば、巻回数を変
えることによって、センサユニットの光路長を変化させ
ることができるため、センサユニットの感度を容易に調
整することができる。また、請求項3の発明によれば、
ヴェルデ定数に基づいて材質を適宜選択することによっ
て、センサユニットの感度を容易に調整することができ
る。さらに、請求項4記載の発明によれば、複数の光源
から発生させる測定光の波長を適宜選択することによっ
て、センサユニットの感度を容易に調整することができ
る。したがって、請求項2〜4記載の発明によれば、定
常電流測定用の高感度のセンサユニットと、大電流測定
用の比較的低感度の広ダイナミックレンジのセンサユニ
ットとを容易に構成することができる。
【0013】請求項5記載の発明によれば、複数のセン
サユニットに対して複数の同一の光学系を結合光学系と
してそれぞれ結合することによって、結合光学系および
この結合光学系に結合される検出器の構成を規格化する
ことができ、さらに、検出器からの信号の処理が簡略に
なる。したがって、光変流器全体の構成を簡略化するこ
とができる。
【0014】請求項6記載の発明によれば、広ダイナミ
ックレンジ用のサニャック干渉型のセンサユニットを用
いることによって、オールファイバ化が容易になり、安
定した広ダイナミックレンジ用のセンサユニットが得ら
れる。また、請求項7記載の発明によれば、高感度用の
サニャック干渉型のセンサユニットの感度の焦点を被測
定電流の小電流部分に合わせ、広ダイナミックレンジ用
のサニャック干渉型のセンサユニットの感度の焦点を被
測定電流の大電流部分に合わせることにより、高精度用
と広ダイナミックレンジ用の安定したセンサユニットが
得られる。この場合、広ダイナミックレンジ用のサニャ
ック干渉型のセンサユニットについては、位相変調子を
含まない分だけ部品点数が減るため安定性を向上でき
る。
【0015】
【実施例】
[1]第1実施例…図1 [1−1]実施例の構成 図1は、本発明による光変流器の第1実施例を示す図で
ある。この図1に示す光変流器は、高感度の測定部Aと
広ダイナミックレンジの測定部Bとを備えている。以下
にはまず、高感度の測定部Aの構成について説明する。
高感度の測定部Aは、大きく分けて、センサ光学部1
1、信号処理部12、および伝送用ファイバ部13から
構成されている。このうち、信号処理部12は、測定光
を発生する光源14、センサ光学部11からの2つの光
を検出し、その強度に応じた電気信号に変換する検出器
15a,15b、検出器15a,15bで得られた信号
を演算処理する信号処理回路16、および処理結果を出
力する出力端子17を備えている。この場合、光源14
は、レーザダイオードまたはスーパールミネセントダイ
オードによって構成されている。また、この信号処理部
12は、センサ光学部11から十分に(少なくとも10
m以上)離れた位置に配置されている。一方、伝送用フ
ァイバ部13は、信号処理部12内の光源14からセン
サ光学部11に光を送る送光用ファイバ18とセンサ光
学部11から信号処理部12内の2つの検出器15a,
15bに光を送る2本の受光用ファイバ19a,19b
を備えている。
【0016】そして、高感度の測定部Aのセンサ光学部
11は、結合光学系21と高感度センサユニット31を
備えている。結合光学系21は、4つのレンズ22a〜
22d、偏光子23、2つのビームスプリッタ24a,
24b、および2つの検光子25a,25bから構成さ
れている。このうち、4つのレンズ22a〜22dは、
送光用ファイバ18からの光を平行ビームに変換するか
または平行ビームを集光して各受光用ファイバ19a,
19bまたは高感度センサユニット31に入射するため
に使用されている。偏光子23は、光を直線偏光に変換
するために使用され、2つのビームスプリッタ24a,
24bは、光をその入射方向に応じて選択的に透過・反
射させるかまたは透過光と反射光に分割するために使用
されている。2つの検光子25a,25bは、直交する
x,y方向の各偏光成分を抽出するために使用されてい
る。
【0017】この場合、この結合光学系21は、送光用
ファイバ18からの光を、第1のレンズ22a、偏光子
23、第1のビームスプリッタ24a、および第2のレ
ンズ22bを介して高感度センサユニット31の一端に
送るようになっている。また、この高感度センサユニッ
ト31からの反対方向の光を、第2のレンズ22bを介
して第1のビームスプリッタ24aで反射した後、第2
のビームスプリッタ24bに送って2方向の光に分割す
るようになっている。そして、一方の分割光を第1の検
光子25aおよび第3のレンズ22cを介して一方の受
光用ファイバ18aに送るとともに、他方の分割光を第
2の検光子25bおよび第4のレンズ22dを介して他
方の受光用ファイバ18bに送るようになっている。
【0018】一方、高感度センサユニット31は、光フ
ァイバによって構成されており、被測定電流が流れる導
体2の周囲にn1回巻き付けてなるセンサ30と、この
センサ30から引き出された伝送部30aとを備えてい
る。なお、センサ30の巻回数n1は、高感度センサユ
ニット31に要求される精度に応じて適宜選択される。
また、この高感度センサユニット31のセンサ30の終
端部は、反射端31aとされており、高感度センサユニ
ット31内を伝播してきた光を反射して再び高感度セン
サユニット31内に戻し、反対方向に伝播させるように
なっている。
【0019】次に、広ダイナミックレンジの測定部Bの
構成について説明する。この広ダイナミックレンジの測
定部Bは、前述した高感度の測定部Aと同様に、センサ
光学部11、信号処理部12、および伝送用ファイバ部
13から構成されており、基本的な構成は、センサ光学
部11の低感度センサユニット32を除いて高感度の測
定部Aと全く同様である。すなわち、広ダイナミックレ
ンジの測定部Bのセンサ光学部11において使用されて
いる低感度センサユニット32は、光ファイバによって
構成されており、導体2の周囲にn2回巻き付けてなる
センサ30と、このセンサ30から引き出された伝送部
30aとを備えている。なお、センサ30の巻回数n2
は、低感度センサユニット32に要求されるダイナミッ
クレンジに応じて適宜選択される数であり、高感度セン
サユニット31の巻回数n1より小さい数とされる。ま
た、この低感度センサユニット32のセンサ30の終端
部は、反射端32aとされている。なお、他の部分につ
いては、前述した高感度の測定部Aと全く同様に構成さ
れている。
【0020】[1−2]実施例の作用と効果 以上のような構成を有する本実施例の作用は次の通りで
ある。なお、本実施例において、高感度の測定部Aと広
ダイナミックレンジの測定部Bとは、センサユニットの
巻回数を除けば、基本的に同じ構成を有するため、以下
には、両測定部A,Bの動作を一括的に説明する。ま
ず、信号処理部12の光源14から発した光は、送光用
ファイバ18を通って、センサ光学部11の結合光学系
21に送られる。この送光用ファイバ18からの光は、
第1のレンズ22aによって平行ビームに変換され、偏
光子23によって直線偏光に変換された後、第1のビー
ムスプリッタ24aを透過して第2のレンズ22bによ
って集光され、各センサユニット31,32の一端に入
射する。
【0021】次に、各センサユニット31,32に入射
した光は、各センサユニット31,32内を伝播して各
反射端31a,32aで反射した後、再び各センサユニ
ット31,32内に戻され、反対方向に伝播して結合光
学系21側の入射端から出射する。この場合、各センサ
ユニット31,32内を往復する形で通過する光は、導
体2を流れる被測定電流によって誘起されるファラデー
効果により偏光面が回転する。
【0022】そして、各センサユニット31,32から
の出射光は、結合光学系21の第2のレンズ22bで平
行ビームに変換された後、第1のビームスプリッタ24
aで反射し、第2のビームスプリッタ24bで2方向の
光に分割される。そして、一方の分割光は、第1の検光
子25aによってx方向の偏光成分を抽出された後、、
第3のレンズ22cおよび受光用ファイバ19aを介し
て、信号処理部12の一方の検出器15aに送られる。
また、他方の分割光は、第2の検光子25bによってy
方向の偏光成分を抽出された後、第4のレンズ22dお
よび受光用ファイバ19bを介して、他方の検出器15
bに送られる。
【0023】さらに、このようにして、各検出器15
a,15bに送られたx方向とy方向の偏光成分の光
は、これらの検出器15a,15bにおいてその強度に
応じた電気信号に変換される。これらの検出器15a,
15bで得られた各偏光成分の信号は、信号処理回路1
6に送られて演算処理され、得られた処理結果すなわち
測定結果は出力端子17によって出力される。
【0024】ところで、本実施例において、高感度の測
定部Aの高感度センサユニット31または広ダイナミッ
クレンジの測定部Bの低感度センサユニット32内にお
けるファラデー旋光角は、導体2を流れる被測定電流と
センサユニット31,32の巻回数n1,n2に応じて
決定される。すなわち、本実施例のように、センサとし
て被測定電流の流れる導体2の周囲に一定の巻回数nで
巻回した閉ループセンサユニットを用いた場合、このセ
ンサユニット内における被測定電流Iによるファラデー
旋光角φは、次の式(1)によって表される。ただし、
この式(1)において、Vはヴェルデ定数である。
【数1】φ=nVI … (1)
【0025】また、ヴェルデ定数Vは、次の式(2)に
よって表される。
【数2】 ただし、この式(2)において、Cは定数、dは密度、
Neは平均の分子あたりの活性電子数、Mは平均分子
量、βは電子の準弾性結合定数、μは相対透磁率、nは
屈折率、λ0 は光電子の固有振動数に対応する波長、λ
は真空中における光の入射波長である。そして、これら
の式(1)、(2)から、光変流器の感度は、ファイバ
巻回数、センサ素材、および入射光源の波長に依存し、
また間接的に温度などに依存することが分かる。
【0026】したがって、本実施例においては、センサ
として巻回数の異なるセンサユニットを用いることによ
って、電流に対する感度を変えることができ、高感度セ
ンサユニット31を含む高感度の測定部Aによって高精
度の定常電流測定を行うと同時に、低感度センサユニッ
ト32を含む広ダイナミックレンジの測定部Bによって
大電流の測定を行うことができる。すなわち、本実施例
によれば、定常電流と大電流の測定を同時に高精度で行
うことのできる、高性能の光変流器を提供することがで
きる。
【0027】[2]第2実施例 [2−1]実施例の構成…図2 図2は、本発明による光変流器の第2実施例を示す図で
ある。この図2に示す光変流器は、高感度の測定部Aと
広ダイナミックレンジの測定部Bとを備えている。以下
にはまず、高感度の測定部Aの構成について説明する。
高感度の測定部Aにおいて、光源14から検出器15に
至るまでの光学系の光路は、光ファイバ40によって一
体的に構成されている。
【0028】すなわち、光源14と検出器15にそれぞ
れ接続された2本の光ファイバ40は、第1のファイバ
カプラ40aによって結合されて1本の光ファイバ40
とされている。そして、この1本の光ファイバ40の他
端は、第2のファイバカプラ40bによって高感度セン
サユニット31と結合されている。この高感度センサユ
ニット31は、光ファイバによって構成されており、導
体2の周囲にn1回巻き付けてなるセンサ30と、この
センサ30から引き出された第1と第2の伝送部30
a,30bとを備えている。なお、センサ30の巻回数
n1は、高感度センサユニット31に要求される精度に
応じて適宜選択される。また、この高感度センサユニッ
ト31は、第1と第2の伝送部30a,30bの終端部
を共に第2のファイバカプラ40bに結合することによ
って、導体2の周囲を光が2方向に周回するサニャック
干渉型のセンサユニットとして構成されている。
【0029】また、高感度センサユニット31は、1つ
の位相変調子41と第1と第2のλ/4波長板42a,
42bを備えている。このうち、位相変調子41は、L
iNbO3 から構成され、ポッケルス効果を利用して光
の屈折率を変えることにより位相を変調する機能を有す
る素子であり、高感度センサユニット31の第1の伝送
部30aに配置されている。また、第1と第2のλ/4
波長板42a,42bは、その周囲に光ファイバを巻き
付けることによって、一方向の光を他方に対してλ/4
だけ位相をずらす機能を有する素子である。そして、第
1のλ/4波長板42aは、高感度センサユニット31
の第1の伝送部30aにおける位相変調子41よりもセ
ンサ30側に配置され、第2のλ/4波長板42bは、
高感度センサユニット31の第2の伝送部30bに配置
されている。
【0030】なお、第1と第2のファイバカプラ40
a,40bの間には、ファイバ巻線型偏光子43が設け
られている。また、図中44は、検出器15からの信号
を処理する信号処理回路である。この信号処理回路44
は、位相変調子41を駆動制御する機能を併せて備えて
いる。
【0031】次に、広ダイナミックレンジの測定部Bの
構成について説明する。この広ダイナミックレンジの測
定部Bにおいて、光源14から検出器15に至るまでの
光学系の光路は、前述した高感度の測定部Aと同様に、
光ファイバ40によって一体的に構成されている。すな
わち、光源14と検出器15にそれぞれ接続された2本
の光ファイバ40は、第1のファイバカプラ40aによ
って結合されて1本の光ファイバ40とされており、こ
の1本の光ファイバ40の他端は、第2のファイバカプ
ラ40bによって低感度センサユニット32と結合され
ている。また、第1と第2のファイバカプラ40a,4
0bの間には、ファイバ巻線型偏光子43が設けられて
いる。
【0032】そして、低感度センサユニット32は、光
ファイバによって構成されており、導体2の周囲にn2
回巻き付けてなるセンサ30と、このセンサ30から引
き出された第1と第2の伝送部30a,30bとを備え
ている。なお、センサ30の巻回数n2は、低感度セン
サユニット32に要求されるダイナミックレンジに応じ
て適宜選択される数であり、高感度センサユニット31
の巻回数n1より小さい数とされる。また、この低感度
センサユニット32は、第1と第2の伝送部30a,3
0bの終端部を共に第2のファイバカプラ40bに結合
することによって、導体2の周囲を光が2方向に周回す
るサニャック干渉型のセンサユニットとして構成されて
いる。なお、この低感度センサユニット32は、高感度
センサユニット31と異なり、位相変調子41やλ/4
波長板42a,42bを全く備えていない。
【0033】[2−2]実施例の作用と効果 以上のような構成を有する本実施例の作用は次の通りで
ある。まず、高感度の測定部Aにおいて、光源14から
発した光は、接続された光ファイバ40に導かれ、第1
のファイバカプラ40aを透過し、ファイバ巻線型偏光
子43を透過して直線偏光となる。この直線偏光は第2
のファイバカプラ40bで2分割される。そして、一方
の分割光は、高感度センサユニット31の第1の伝送部
30aに導かれてこの伝送部30a内を伝播し、位相変
調子41によって位相変調を受け、第1のλ/4波長板
42aで円偏光となった後、被測定電流の流れる導体2
の周囲に配置された巻回数n1回のセンサ30を通って
ファラデー旋光を受ける。この光は、第2の伝送部30
b内を伝播して第2のλ/4波長板42bで再び直線偏
光に変換された後、第2のファイバカプラ40bへ入射
する。
【0034】また、第2のファイバカプラ40bで分岐
した他方の分割光は、高感度センサユニット31の第2
の伝送部30bに導かれてこの第2の伝送部30b内を
伝播し、第2のλ/4波長板42bによって円偏光とな
った後、巻回数n1回のセンサ30を通ってファラデー
旋光を受ける。この光は、第1の伝送部30a内を伝播
して第1のλ/4波長板42aで再び直線偏光に変換さ
れ、位相変調子41によって位相変調を受けた後、第2
のファイバカプラ40bへ入射し、前述した逆回りの分
割光と再結合する。
【0035】このようにして第2のファイバカプラ40
bで再結合した光は、ファイバ巻線型偏光子43を通っ
て、第1のファイバカプラ40aで分岐し、検出器15
で検出され、電気信号に変換される。検出器15からの
電気信号は、信号処理回路44によって信号処理され
る。
【0036】一方、広ダイナミックレンジの測定部Bに
おいて、光源14から発した光は、接続された光ファイ
バ40に導かれ、第1のファイバカプラ40aを透過
し、ファイバ巻線型偏光子43を透過して直線偏光とな
る。この直線偏光は第2のファイバカプラ40bで2分
割される。そして、一方の分割光は、低感度センサユニ
ット32の第1の伝送部30aに導かれてこの伝送部3
0a内を伝播し、被測定電流の流れる導体2の周囲に配
置された巻回数n2回のセンサ30を通ってファラデー
旋光を受けた後、第2の伝送部30b内を伝播して第2
のファイバカプラ40bへ入射する。また、第2のファ
イバカプラ40bで分岐した他方の分割光は、低感度セ
ンサユニット32の第2の伝送部30bに導かれてこの
第2の伝送部30b内を伝播し、巻回数n2回のセンサ
30を通ってファラデー旋光を受けた後、第1の伝送部
30a内を伝播して第2のファイバカプラ40bへ入射
し、前述した逆回りの分割光と再結合する。このように
して第2のファイバカプラ40bで再結合した光は、フ
ァイバ巻線型偏光子43を通って、第1のファイバカプ
ラ40aで分岐し、検出器15で検出され、電気信号に
変換される。
【0037】以上のように、本実施例のセンサユニット
は、いわゆるサニャック干渉型のセンサユニットであ
り、導体2の回りを互いに逆方向に周回する2方向の光
のファラデー効果による位相差を干渉光の光強度によっ
て検出するものである。このようなサニャック干渉型の
センサユニットにおいては、ファイバの固有複屈折率や
局所的な温度変化などによるファイバの複屈折や伸びの
効果などの相反現象は逆方向の2つの光の間で互いに相
殺される。したがって、電流によるファラデー効果であ
る非相反現象のみを取り出すことが可能であり、高精度
で耐環境性の強いセンサを得ることができる。
【0038】なお、このようなサニャック干渉型のセン
サユニットにおいて、ファラデー旋光角φによる光強度
Pは、次の式(3)によって表される。ただし、この式
(3)において、P0 は検出光量であり、φは前述した
式(1)によって求められる。
【数3】 P = P0 /2(1+cos2φ)… (3)
【0039】また、このセンサユニットに角周波数ωm
の位相変調をかけ、検出出力を同期検波したときの、出
力の基本波成分P(ωm )は、次の式(4)によって表
される。ただし、この式(4)において、J1 は1次の
ベッセル関数であり、kは位相変調度である。
【数4】
【0040】この式(4)から、高感度センサユニット
としては、電流に対してsin曲線の出力を利用するこ
とによって、高い精度が必要とされる小電流領域の精度
を確保できることが分かる。また、広ダイナミックレン
ジ用の低感度センサユニットとしては、位相変調を行わ
ず、さらにcos曲線の90度近辺を対象となる大電流
領域に合わせることによって、大電流を高精度に測定す
ることが可能となる。さらに、広ダイナミックレンジ用
の低感度センサユニットには、位相変調子を用いていな
いため、部品点数を減らすことができ、それによって安
定性を向上できる。
【0041】したがって、本実施例においては、前述し
た第1実施例と同様に、センサとして巻回数の異なるセ
ンサユニットを用いることによって、電流に対する感度
を変えることができるため、定常電流と大電流の測定を
同時に高精度で行うことのできる、高性能の光変流器を
提供することができる。特に、本実施例においては、サ
ニャック干渉型のセンサユニットを用いてオールファイ
バ化したことにより、光学素子間の光軸ずれなどの問題
を生じることもなく、より構成が簡略で安定した感度を
有する高性能の光変流器を提供することができる。
【0042】[3]他の実施例 なお、本発明は、前記各実施例に限定されるものではな
く、例えば、前記各実施例においては、センサユニット
を構成する光ファイバの巻回数を変えることによって感
度の異なったセンサを得ているが、前述した式(2)よ
り、異なったセンサ素材を用いること、または、異なっ
た波長の光を用いることによって異なった感度を得るこ
とも可能であり、これらの変形例によって前記各実施例
と同様の作用効果が得られることは言うまでもない。
【0043】また、高精度用の高感度センサユニットと
広ダイナミックレンジ用の低感度センサユニットとの感
度の差は、定常電流領域と事故時の大電流領域に基づき
適宜設定可能であるが、例えば、低感度センサユニット
において偏光角が1度変化するのに対して高感度センサ
ユニットノ偏光角が180度回転するように調整するこ
となどが考えられる。また、センサユニットの具体的な
感度は被測定電流に基づき適宜設定可能であるが、例え
ば、センサユニットにおけるファラデー回転角が90度
以上となるように設定することが考えられる。このよう
に設定した場合には、オフセットの補正ができるため、
誤差を除去して、より精度の高い測定を行うことができ
る。
【0044】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
感度の異なる複数のセンサユニットを用いることによっ
て、広範囲の電流測定を精度よく行うことのできる、高
性能の光変流器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による光変流器の第1実施例を示す模式
的構成図。
【図2】本発明による光変流器の第2実施例を示す模式
的構成図。
【図3】従来の光変流器の一例を示す模式的構成図。
【符号の説明】
1…タンク 2…導体 3…センサ 4…固定具 5…絶縁筒 6…光学系収納箱 7…結合光学系 8…送光用ファイバ 9a,9b…受光用ファイバ 10a,10b…直線偏光ビーム 11…センサ光学部 12…信号処理部 13…伝送用ファイバ部 14…光源 15,15a,15b…検出器 16…信号処理回路 17…出力端子 18…送光用ファイバ 19a,19b…受光用ファイバ 21…結合光学系 22a〜22d…レンズ 23…偏光子 24a,24b…ビームスプリッタ 25a,25b…検光子 30…センサ 30a,30b…伝送部 31…高感度センサユニット 31a,32a…反射端 32…低感度センサユニット 40…光ファイバ 40a,40b…ファイバカプラ 41…位相変調子 42a,42b…λ/4波長板 43…ファイバ巻線型偏光子 44…信号処理回路 A…高感度の測定部 B…広ダイナミックレンジの測定部
フロントページの続き (72)発明者 寺井 清寿 神奈川県川崎市川崎区浮島町2番1号 株 式会社東芝浜川崎工場内 (72)発明者 玉川 徹 神奈川県川崎市川崎区浮島町2番1号 株 式会社東芝浜川崎工場内 (72)発明者 三浦 宏 神奈川県川崎市川崎区浮島町2番1号 株 式会社東芝浜川崎工場内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被測定通電導体外周囲に巻回配置される
    光ファイバからなるセンサ部、測定用の光を発生してセ
    ンサ部に送る光源、センサ部からの光を検出する検出
    器、光源および検出器とセンサ部とを光学的に結合する
    結合光学系を備え、センサ部を通過する光のファラデー
    効果を利用して被測定通電導体の通電電流を測定する光
    変流器において、 前記センサ部は、異なる測定感度を有する複数のセンサ
    ユニットからなることを特徴とする光変流器。
  2. 【請求項2】 前記複数のセンサユニットの各々は、互
    いに巻回数の異なる光ファイバからそれぞれ構成された
    ことを特徴とする請求項1記載の光変流器。
  3. 【請求項3】 前記複数のセンサユニットの各々は、互
    いに異なるヴェルデ定数を有する光ファイバからそれぞ
    れ構成されたことを特徴とする請求項1記載の光変流
    器。
  4. 【請求項4】 前記光源は、前記複数のセンサユニット
    に個別に測定光を送る複数の光源であり、この複数の光
    源は、互いに波長の異なる測定光を発生するように構成
    されたことを特徴とする請求項1記載の光変流器。
  5. 【請求項5】 前記結合光学系は、前記複数のセンサユ
    ニットに対して個別に設けられた複数の同一の光学系で
    あることを特徴とする請求項1記載の光変流器。
  6. 【請求項6】 前記複数のセンサユニットは、広ダイナ
    ミックレンジ用のサニャック干渉型のセンサユニットを
    有することを特徴とする請求項1記載の光変流器。
  7. 【請求項7】 前記複数のセンサユニットは、高感度用
    の位相変調子を含むサニャック干渉型のセンサユニット
    と、広ダイナミックレンジ用の位相変調子を含まないサ
    ニャック干渉型のセンサユニットを有することを特徴と
    する請求項1記載の光変流器。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103048520A (zh) * 2012-12-21 2013-04-17 成都天奥电子股份有限公司 原子电流传感器
WO2022023445A1 (de) * 2020-07-31 2022-02-03 Siemens Energy Global GmbH & Co. KG Magnetooptischer stromwandler und verfahren zum erfassen einer stromstärke

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CN103048520A (zh) * 2012-12-21 2013-04-17 成都天奥电子股份有限公司 原子电流传感器
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