JP2003227851A - 光電流センサ - Google Patents

光電流センサ

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JP2003227851A
JP2003227851A JP2002026030A JP2002026030A JP2003227851A JP 2003227851 A JP2003227851 A JP 2003227851A JP 2002026030 A JP2002026030 A JP 2002026030A JP 2002026030 A JP2002026030 A JP 2002026030A JP 2003227851 A JP2003227851 A JP 2003227851A
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Japan
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optical fiber
phase difference
detector
fiber sensor
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JP2002026030A
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Kinichi Sasaki
欣一 佐々木
Masao Takahashi
正雄 高橋
Kiyohisa Terai
清寿 寺井
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 振動などの外部影響により光ファイバセンサ
部における光軸方向の回転角速度が生じても、サニャッ
ク位相差によるジャイロ誤差の発生を抑えることによ
り、高精度で高信頼性の光電流センサを提供する。 【解決手段】 センシングファイバ2の両端に偏波面保
存ファイバからなる送光ファイバ30a,30bが接続
されている。このうち、送光ファイバ30bには偏光変
換部3bに接続された部分に逆回り部30cが設けられ
ている。逆回り部30cはセンシングファイバ2の所定
周回方向と逆回りに同じ回数だけ通電導体1のまわりに
周回配置されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、被測定導体に流れ
る電流を計測する光電流センサに係り、特に、振動など
の外的影響の大きい場所にも設置可能な光電流センサに
関する。
【0002】
【従来の技術】近年、光ファイバを用いた計測技術の発
展は目覚ましく、例えば、光ファイバにおけるファラデ
位相差を利用した光電流センサとして、特開平11−3
16247号公報に記載されたものが知られている。こ
の光電流センサについて、図8を参照して具体的に説明
する。
【0003】図8にみられるように、光電流センサは測
定対象である通電導体1に流れる電流を計測するもの
で、光ファイバセンサ部21及び信号処理部22を備え
ている。信号処理部22にはレーザダイオードなどから
なる光源10、その制御を行う光源駆動回路13、検出
器である受光器11、受光器11に電気的に接続された
電流検出回路12が配置されている。また、光源10及
び受光器11はファイバカップラ9により光学的に接続
されており、ファイバカップラ9には伝送用ファイバ4
が接続されている。
【0004】伝送用ファイバ4には偏光子8、Y型導波
路7、位相変調器6a,6bが順次接続されている。こ
れらの部材は光IC5上に取り付けられている。位相変
調器6aは正弦波または方形波によるバイアス位相変調
を行い、位相変調器6bは階段状のデジタルセロダイン
位相変調を行うようになっている。また、後述する偏光
変換部3a(光ファイバセンサ部21側)と位相変調器
6aとの間には、電流検出回路12での検出感度を上げ
るために遅延ファイバコイル20が設けられている。
【0005】光ファイバセンサ部21はセンシングファ
イバ2及び偏光変換部3a,3bからなる。センシング
ファイバ2は光ファイバを用いたファラデ素子から構成
されており、導体1のまわりに少なくとも1回以上周回
配置されている。また、偏光変換部3a,3bは直線偏
光を円偏光に、あるいは円偏光を直線偏光に変換するも
のである。
【0006】以上の構成を有する光電流センサにおい
て、光源駆動回路13の制御の下で光源10から出力さ
れた光は、ファイバカップラ9を通過後、伝送用ファイ
バ4を介して偏光子8に伝送され、ここで直線偏光化さ
れる。この直線偏光化した光は、Y型導波路7により2
つに分岐される。従ってこの場合、Y型導波路7は分岐
手段として機能する。分岐した光の一方(右回り波)は
位相変調器6aでバイアス位相変調を受け、他方(左回
り波)は位相変調器6bでデジタルセロダイン位相変調
を受ける。
【0007】位相変調器6aを出た光は、遅延ファイバ
コイル20に伝搬され、それから偏光変換部3aで直線
偏光から円偏光に変換された後、センシングファイバ2
に例えば右回りで入射される。一方、位相変調器6bを
出た光は、偏光変換部3bで直線偏光から円偏光に変換
され、それからセンシングファイバ2に入射してこれを
上記右回り光とは逆の左回りで入射される。このように
してセンシングファイバ2に入射された2つの円偏光は
通電導体1を流れる電流の作る磁界によってファラデ位
相差を生じる。
【0008】センシングファイバ2を伝搬した2つの円
偏光のうち、右回りの光は偏光変換部3bで円偏光から
直線偏光に再度変換された後、位相変調器6bでデジタ
ルセロダイン位相変調を受け、それからY型導波路7に
戻る。一方、センシングファイバ2を伝搬した左回りの
光は、偏光変換部3aで円偏光から直線偏光に変換さ
れ、また位相変調器6bでバイアス位相変調を受けてか
らY型導波路7に戻り、上記右回り光と再び結合する。
従ってこの場合、Y型導波路7は再結合手段として機能
する。
【0009】Y型導波路7で左右各周りの光が結合する
と、干渉光が得られる。この干渉光は再び偏光子8を通
過した後、伝送用ファイバ4及びファイバカップラ9を
介して受光器11に入射され、受光器11にて干渉光の
強度が電気信号に変換される。そして、受光器11から
出力された電気信号は電流検出回路12に送られ、電流
検出回路12にて導体1に流れる電流が検出され、検出
電流信号15として出力される。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
従来技術には以下に述べるような問題点があった。先
ず、センシングファイバ2が振動などの外部影響を受け
て光軸方向に回転角速度を生じると、ファイバジャイロ
の基本原理で知られているように、センシングファイバ
2を通過する右回りの円偏光と左回りの円偏光との間に
サニャック位相差が生じる。
【0011】また、遅延ファイバコイル20において
も、振動などの外部影響によって光軸方向に回転角速度
が生じると、同じくサニャック位相差が生じることにな
る。このように光ファイバを伝搬する2つの光の間にサ
ニャック位相差が生じた場合、ジャイロ誤差(サニャッ
ク位相誤差)が発生する。ここで、図7のグラフを用い
てジャイロ誤差がある場合の振動による誤差電流の変化
について説明する。すなわち、ジャイロ誤差が発生する
と(図7のグラフではサニャック位相誤差あり)、振動
の増大に伴って誤差電流が大幅に上昇した。
【0012】さらに、遅延ファイバコイル20では振動
などの外部影響を受けると、その応力により遅延ファイ
バコイル20内の複屈折が変化する(光の位相が外部応
力によって位相変調を受ける)ことがある。これにより
位相誤差が生じ、誤差電流の増大を招く結果となった。
【0013】そこで従来では、高精度な光電流センサを
提供する場合、光ファイバの光軸方向の回転角速度が生
じることのないよう、振動などの外部影響を受けない場
所にしか光電流センサを設置することができなかった。
しかし実際には、設置部位の振動が大きい変電所の遮断
器や電車などにこそ、高精度の光電流センサを設置する
ことが切望されていた。
【0014】本発明は、上述したような従来技術の問題
点を解決するために提案されたものであり、その目的
は、振動などの外部影響により光ファイバにおける光軸
方向の回転角速度が生じても、サニャック位相差による
ジャイロ誤差の発生を抑えることにより、高精度で高信
頼性の光電流センサを提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の目的を
達成するために、通電導体の外周に両端に偏光変換部を
設けて周回配置された光ファイバセンサ部と、この光フ
ァイバセンサ部に光を送出する光源と、前記光ファイバ
センサ部に互いに逆方向から送光された一対の偏光が前
記通電導体に流れる電流の作る磁界によって位相差を生
じたとき、この生じた位相差を検出する検出器と、前記
光源と前記検出器を偏光学的に接続する偏光学的回路部
と、前記光ファイバセンサ部と前記偏光学的回路部を光
学的に接続する光導波路と、前記検出器に電気的に接続
され前記検出器で検出された前記位相差の値に基づき前
記通電導体に流れる電流を計測する演算回路部を備えて
成る光電流センサにおいて、次のような技術的な構成を
有している。
【0016】請求項1に記載の発明は、前記光導波路は
前記光ファイバセンサ部の所定周回方向と逆回りに同回
数だけ前記通電導体に周回配置された逆回り部を有する
ことを特徴としている。上記の構成を有する請求項1に
記載の発明において、振動などの外部影響により光ファ
イバcが光ファイバ光軸方向に回転角速度を受けて光フ
ァイバにサニャック位相差が生じるとき、光導波路も光
軸方向に回転角速度を受けてサニャック位相差が発生す
る。その際、光導波路の逆回り部は光ファイバの周回方
向と逆回りに同じ回数だけ周回配置しているので、逆方
向に角速度が生じることになり、逆回り部には前記光フ
ァイバセンサ部に生じたサニャック位相差を打ち消すよ
うなサニャック位相差が発生する。すなわち、請求項1
の発明によれば、振動などの外部影響を受けても、光フ
ァイバでのサニャック位相差と光導波路でのサニャック
位相差を互いに相殺することができる。したがって、振
動などの外部影響を受ける場所に光電流センサを設置し
てもジャイロ誤差が生じることがなく、優れた検出感度
を発揮することができる。
【0017】請求項2に記載の発明は、前記光ファイバ
センサ部と前記検出器との間に光遅延部として1つの光
ファイバコイルを配置し、この光ファイバコイルは巻き
方向が途中で逆向きになり順・逆方向とも同じ回数だけ
巻かれたコイルであることを特徴としている。上記構成
を有する請求項2に記載の発明では、光遅延部である光
ファイバコイルの巻き方向が途中で逆向きになり、順・
逆方向とも同じ回数だけ巻かれているので、振動などの
外的影響を受けて光遅延部である光ファイバコイルに回
転角速度を生じても、順方向に巻かれた部分と逆方向に
巻かれた部分では角速度が逆方向になり、そこで発生し
たサニャック位相差は互いを相殺するものとなる。した
がって、上記請求項1の発明と同様、振動などの外部影
響を受ける場所に光電流センサを設置してもジャイロ誤
差が生じることがなく、優れた検出感度を発揮すること
ができる。
【0018】請求項3に記載の発明は、前記センサ部と
前記検出器との間に光遅延部として2つの光ファイバコ
イルを配置し、前記両ファイバコイルはコイル断面積が
同じであり、且つ巻き方向が逆向きで同じ回数だけ巻か
れたコイルであることを特徴としている。上記の構成を
有する請求項3に記載の発明では、光遅延部である2つ
の光ファイバコイルはコイル断面積及び巻き回数が同じ
で巻き方向だけが逆向きので、振動などの外的影響を受
けて光遅延部である光ファイバコイルに回転角速度を生
じた場合、一方の光ファイバコイルにおける角速度と、
他方の光ファイバコイルにおける角速度とは逆方向にな
る。このため、それぞれの光ファイバコイルで生じたサ
ニャック位相差は互いに相殺される。したがって、上記
請求項1、2の発明と同じく、振動などの外部影響を受
ける場所に光電流センサを設置してもジャイロ誤差の発
生を抑え、検出感度の向上を図ることができる。
【0019】請求項4に記載の発明は、請求項2または
3に記載の光電流センサにおいて、前記光ファイバコイ
ルに防振手段を取り付けたことを特徴としている。上記
構成を有する請求項4に記載の発明においては、光遅延
部である光ファイバコイルに防振手段を取り付けたの
で、振動などの応力により光ファイバコイル内の複屈折
の変化を低減することができる。このため、光ファイバ
コイルにおける位相誤差を抑制可能となり、結果として
検出電流値の誤差を小さくして計測精度を高めることが
できる。
【0020】請求項5に記載の発明は、請求項1〜4の
いずれか一項に記載の光電流センサにおいて、前記光フ
ァイバセンサ部は前記光ファイバセンサ部の両端から逆
方向に入射伝搬する2つの円偏光が前記位相差を受ける
ように構成されたループ型であることを特徴としてい
る。請求項6に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか
一項に記載の光電流センサにおいて、前記光ファイバセ
ンサ部は前記光ファイバの一端にミラーを設け、前記光
ファイバの他端から入射伝搬する2つの円偏光が前記ミ
ラーで反射伝搬する間に前記位相差を受けるように構成
された反射型であることを特徴としている。上記構成を
有する請求項5または6に記載の発明によれば、請求項
1〜4のいずれか一項に記載の発明をループ型または反
射型の光電流センサに適用することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明を適用した光電流セ
ンサの実施の形態(以下、実施形態と呼ぶ)の一例につ
いて、図面を参照して具体的に説明する。なお、図8に
示した従来例と同一の部材に関しては同一の符号を付し
て説明は省略する。また、下記の第1〜第4の実施形態
は請求項5に記載の発明を包含しており、ループ型の光
電流センサ、すなわちセンシングファイバ2の両端から
逆方向に2つの円偏光を入射伝搬し、これら円偏光がフ
ァラデ位相差を受ける構成の光電流センサに適用してい
る。
【0022】(1)第1の実施形態…図1参照 [構成]第1の実施形態は請求項1に記載の発明に対応
しており、図1は第1の実施形態の要部の構成図を示し
ている。第1の実施形態の基本的な構成は図8の従来例
と同じであり、センシングファイバ2における通電導体
1まわりの構成に特徴がある。第1の実施形態では、光
ファイバセンサ部21の偏光変換部3a,3bと位相変
調器6a,6bとを光学的に接続する光導波路として、
センシングファイバ2の両端に偏波面保存ファイバから
なる送光ファイバ30a,30bが接続されている。こ
のうち、送光ファイバ30bには偏光変換部3bに接続
された部分に逆回り部30cが設けられている。逆回り
部30cはセンシングファイバ2の所定周回方向と逆回
りに同じ回数だけ通電導体1のまわりに周回配置されて
いる。
【0023】[作用効果]以上の構成を有する第1の実
施形態では、センシングファイバ2の両端から送光ファ
イバ30a,30bを通って2つの直線偏光がセンシン
グファイバ2に導かれる。センシングファイバ2に入射
する途中、2つの直線偏光は偏光変換部3a,3bで円
偏光に変換され、センシングファイバ2ではそれぞれ円
偏光で伝搬する。センシングファイバ2を通過する2つ
の円偏光は、導体1に流れる電流の作る磁界によってそ
れぞれファラデ位相差を受ける。そして、2つの円偏光
は再び偏光変換部3b,3aを通過し、直線偏光に変換
された後、送光ファイバ30b,30aを通って、位相
変調器6b,6aに導かれる。ここから電流検出回路1
2までの信号経路は図8の従来例と同様である。すなわ
ち、Y型導波路7を通過して受光器11に入射され、そ
の強度が電気信号に変換される。そして、受光器11か
ら出力された電気信号は電流検出回路12に送られ、電
流検出回路12にて導体1に流れる電流を検出され、検
出電流信号15として出力される。
【0024】このような第1の実施形態では、振動など
の外部影響によりセンシングファイバ2の光軸方向に回
転角速度が発生すると、ファイバジャイロの基本原理に
基づいてセンシングファイバ2にサニャック位相差が生
じる。また、光導波路である送光ファイバ30a,30
bにも同様に光軸方向に回転角速度が発生し、サニャッ
ク位相差が発生する。その際、送光ファイバ30bは逆
回り部30cにてセンシングファイバ2の周回方向と逆
回りに同じ回数だけ周回しているので、センシングファ
イバ2側に発生した角速度と、送光ファイバ30b側に
発生した角速度は逆方向になる。つまり、逆回り部30
cにはセンシングファイバ2に生じたサニャック位相差
を打ち消すようなサニャック位相差が発生することにな
る。
【0025】したがって、センシングファイバ2でのサ
ニャック位相差と逆回り部30cでのサニャック位相差
とは互いに相殺され、ジャイロ誤差(サニャック位相誤
差)を大幅に低減することができる。従来技術にて述べ
たようにジャイロ誤差がある(図7のグラフではサニャ
ック位相誤差あり)場合には振動の増大に伴って誤差電
流が大きくなっていたが、第1の実施の形態によりジャ
イロ誤差を無くす(図7のグラフではサニャック位相誤
差ない)ことができれば、振動が増大しても誤差電流は
低いレベルに止まることができる。このため、振動など
の外部影響を受けても、優れた検出感度を確保すること
ができ、計測精度及び信頼性を高めることができる。こ
のような光電流センサは、高精度の光電流センサが求め
られている場所、具体的には変電所の遮断器や電車など
への設置に極めて好適である。
【0026】(2)第2の実施形態…図2及び図3参照 [構成]続いて、請求項2に対応した第2の実施形態に
ついて図2及び図3を参照して具体的に説明する。第2
の実施形態は遅延ファイバコイル20の巻き付け構成に
特徴がある。図2に示すように、遅延ファイバコイル2
0は1つの光ファイバコイルからなり、巻き方向が途中
で逆向きになり順・逆方向とも同じ回数だけボビン36
に巻かれている。
【0027】また、第2の実施形態は図8に示したよう
な信号処理部22ではなく、図3に示すような信号処理
部34を採用している。信号処理部34には偏光子8に
はファイバカップラ31を介して伝送用ファイバ4a,
4bが接続され、伝送用ファイバ4b側には変調周波数
fmの位相変調を行う位相変調子35が配置されてい
る。
【0028】[作用効果]図3にみられるように、信号
処理部34において光源10から光源駆動回路13の制
御の下で出力された光はファイバカップラ9を通過後、
偏光子8を通過して直線偏光となる。この直線偏光はフ
ァイバカップラ31を通過後、2つの直線偏光に分岐さ
れる。従ってこの場合、ファイバカップラ31は分岐手
段として機能する。分岐した光の一方(右回り波)は位
相変調子35で変調周波数fmの位相変調を受ける。
【0029】位相変調子35を出た光は、遅延ファイバ
コイル20、伝送用ファイバ30bを通過し、それから
偏光変換部3bで直線偏光から円偏光に変換された後、
センシングファイバ2に例えば右回りで入射伝搬され
る。この右回りの光は、偏光変換部3aで円偏光から直
線偏光に再度変換された後、伝送用ファイバ4aを通っ
て、ファイバカップラ31に戻る。
【0030】一方、ファイバカップラ31で分岐したも
う一方の光(左回り波)は、偏光変換部3aで直線偏光
から円偏光に変換され、それからセンシングファイバ2
に入射される。この光は上記右回り光とは逆の左回りで
伝搬された後、偏光変換部3aで円偏光から直線偏光に
変換され、伝送用ファイバ4b、遅延ファイバコイル2
0を通過した後、位相変調子35で変調周波数fmの位
相変調を受けてからファイバカップラ31戻り、上記右
回り光と再び結合する。従ってこの場合、ファイバカッ
プラ31は再結合手段として機能する。
【0031】結合した光は、再び偏光子8を通過した
後、その光の干渉成分がファイバカップラ9を介して受
光器11に入射され、その強度が電気信号に変換され
る。そして受光器11から出力された電気信号は電流検
出回路12に送られ、その電気信号を変調周波数fmで
同期検波することにより導体1に流れる電流を検出し、
検出電流信号15として出力される。
【0032】ところで、振動などの外的影響により、遅
延ファイバコイル20の光軸方向に回転角速度が生じる
と、遅延ファイバコイル20の両端から入射する光の間
にサニャック位相差が生じる。このとき、第2の実施形
態では図2に示した如く、光ファイバコイルの巻き方向
が途中で逆向きになり、順・逆方向とも同じ回数だけ巻
かれている。したがって、遅延ファイバコイル20の光
軸方向に生じる回転角速度成分は全体として相殺され
る。よって、ジャイロ誤差(サニャック位相誤差)及び
誤差電流を抑制することができ、結果として高精度・高
信頼性の電流センサを提供することができる。したがっ
て、上記第1の実施形態と同じく、振動などの外部影響
を受ける場所へ適用する場合、非常に有効である。
【0033】(3)第3の実施形態…図4参照 [構成]次に、本発明の第3の実施形態を図4に示す。
第3の実施形態は請求項3の発明に対応しており、光遅
延部として2つの遅延ファイバコイル20a,20bを
設けたことを特徴としている。この時、両ファイバコイ
ル20a,20bは、コイル断面積が同じであり巻き方
向が逆向きで同じ回数だけ巻かれたコイルである。
【0034】[作用効果]以上の構成を有する第3の実
施形態の作用効果は次の通りである。すなわち、振動な
どの外的影響によって遅延ファイバコイル20a,20
bのそれぞれの光軸方向に回転角速度が生じると、遅延
ファイバコイル20a,20bのそれぞれの両端から入
射する光の間にサニャック位相差が生じる。しかし、遅
延ファイバコイル20a,20bは、コイル断面積及び
巻き回数が同じであり巻き方向だけが逆向きのコイルな
ので、それぞれの遅延ファイバコイル20a,20bで
生じたサニャック位相差は互いに相殺される。
【0035】これにより、ジャイロ誤差(サニャック位
相誤差)及び誤差電流を抑制し、計測精度及び信頼性の
向上を図ることができる。したがって、上記第1及び第
2の実施形態と同じく、振動などの外部影響を受ける場
所へ適用した場合に非常に有効である。なお、図4で
は、遅延ファイバコイル20a,20bをファイバカッ
プラ31分岐後の両端に配置しているが、どちらか片側
に2つとも配置しても同様な効果を得ることができる。
【0036】(4)第4の実施形態…図5参照 [構成]本発明に係る第4の実施形態は請求項4に対応
しており、遅延ファイバコイル20の取り付け構成に特
徴がある。図5に示すように、遅延ファイバコイル20
はボビン36に直接巻かれるのではなく、ゴムやゲルの
ような弾性体37を介して緩やかに巻かれている。ま
た、ボビン36をケースなどの基盤37に固定する場合
も、ゴムやゲルのような弾性体38を介してボルト39
で締結されている。上記弾性体37,38が請求項に記
載するところの防振手段となっている。
【0037】[作用効果]上記の構成を有する第4の実
施形態では、遅延ファイバコイル20に防振手段である
弾性体37,38を取り付けたので、振動などの応力が
加わっても光ファイバコイル内の複屈折の変化を低減す
ることができる。このため、光の位相が外部応力によっ
て位相変調を受けることがなく、光ファイバコイルにお
ける位相誤差を抑制することができる。したがって、検
出電流値の誤差を小さくすることができ、高精度な光電
流センサを提供することができる。
【0038】(5)他の実施形態 なお、本発明は以上の実施形態に限定されるものではな
い。上述した実施形態はいずれもループ型の光電流セン
サに適用しているが、請求項6に記載の発明に対応して
反射型の光電流センサに適用しても良い。例えば、図6
に示す実施形態は図3に示した第2の実施形態を反射型
に変えたものであり、センシングファイバ2の一端にミ
ラー40を設け、偏光変換部3に接続されたセンシング
ファイバ2の端部から入射伝搬する2つの円偏光がミラ
ー40で反射伝搬する間に前記ファラデ位相差を受ける
ように構成されている。このような実施形態によれば、
伝送用ファイバ30及び偏光変換部3は1つで済むた
め、構成の簡略化を進めることが容易である。また、第
1の実施形態や第3の実施形態を反射型としても構わな
い。
【0039】さらに、構成部材の材質や配置数なども適
宜変更可能である。具体的には、遅延ファイバコイル2
0の防振手段としては、ゴムやゲルのような弾性体3
7,38を介してボビン36や基盤37に取り付けるの
ではなく、ボビン36や基盤37それ自体をゴムやゲル
のような弾性体から構成しても良い。
【0040】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
振動などの外部影響により光ファイバセンサ部における
光軸方向の回転角速度が生じても、サニャック位相差に
よるジャイロ誤差の発生を抑えることにより、高精度で
高信頼性の光電流センサを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る光電流センサの第1の実施の形態
の要部構成図。
【図2】本発明に係る光電流センサの第2の実施の形態
の要部構成図。
【図3】本発明に係る光電流センサの第2の実施の形態
を示す構成図。
【図4】本発明に係る光電流センサの第3の実施の形態
を示す構成図。
【図5】本発明に係る光電流センサの第4の実施の形態
の要部構成図。
【図6】本発明に係る光電流センサの他の実施の形態を
示す構成図。
【図7】振動によるサニャック位相誤差の影響を示すグ
ラフ。
【図8】従来の光電流センサの構成図。
【符号の説明】
1…通電導体 2…センシングファイバ 3,3a,3b…偏光変換部 4,4a,4b…伝送用ファイバ 5…光IC 6a,6b…位相変調器 7…Y型導波路 8…偏光子 9,31…ファイバカップラ 10…光源 11…受光器 12…電流検出回路 13…光源駆動回路 15…検出電流信号 20…遅延ファイバコイル 21…光ファイバセンサ部 22,34…信号処理部 30a,30b…送光ファイバ 30c…逆回り部 35…位相変調子 36…ボビン 37,38…弾性体 39…ボルト 40…ミラー
フロントページの続き (72)発明者 寺井 清寿 神奈川県川崎市川崎区浮島町2番1号 株 式会社東芝浜川崎工場内 Fターム(参考) 2G025 AA12 AB09 AB10 AC06

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 通電導体の外周に両端に偏光変換部を設
    けて周回配置された光ファイバセンサ部と、この光ファ
    イバセンサ部に光を送出する光源と、前記光ファイバセ
    ンサ部に互いに逆方向から送光された一対の偏光が前記
    通電導体に流れる電流の作る磁界によって位相差を生じ
    たとき、この生じた位相差を検出する検出器と、前記光
    源と前記検出器を偏光学的に接続する偏光学的回路部
    と、前記光ファイバセンサ部と前記偏光学的回路部を光
    学的に接続する光導波路と、前記検出器に電気的に接続
    され前記検出器で検出された前記位相差の値に基づき前
    記通電導体に流れる電流を計測する演算回路部を備えて
    成る光電流センサにおいて、 前記光導波路は前記光ファイバセンサ部の所定周回方向
    と逆回りに同回数だけ前記通電導体に周回配置された逆
    回り部を有することを特徴とする光電流センサ。
  2. 【請求項2】 通電導体の外周に両端に偏光変換部を設
    けて周回配置された光ファイバセンサ部と、この光ファ
    イバセンサ部に光を送出する光源と、前記光ファイバセ
    ンサ部に互いに逆方向から送光された一対の偏光が前記
    通電導体に流れる電流の作る磁界によって位相差を生じ
    たとき、この生じた位相差を検出する検出器と、前記光
    源と前記検出器を偏光学的に接続する偏光学的回路部
    と、前記光ファイバセンサ部と前記偏光学的回路部を光
    学的に接続する光導波路と、前記検出器に電気的に接続
    され前記検出器で検出された前記位相差の値に基づき前
    記通電導体に流れる電流を計測する演算回路部を備えて
    成る光電流センサにおいて、 前記光ファイバセンサ部と前記検出器との間に光遅延部
    として1つの光ファイバコイルを配置し、 この光ファイバコイルは巻き方向が途中で逆向きになり
    順・逆方向とも同じ回数だけ巻かれたコイルであること
    を特徴とする光電流センサ。
  3. 【請求項3】 通電導体の外周に両端に偏光変換部を設
    けて周回配置された光ファイバセンサ部と、この光ファ
    イバセンサ部に光を送出する光源と、前記光ファイバセ
    ンサ部に互いに逆方向から送光された一対の偏光が前記
    通電導体に流れる電流の作る磁界によって位相差を生じ
    たとき、この生じた位相差を検出する検出器と、前記光
    源と前記検出器を偏光学的に接続する偏光学的回路部
    と、前記光ファイバセンサ部と前記偏光学的回路部を光
    学的に接続する光導波路と、前記検出器に電気的に接続
    され前記検出器で検出された前記位相差の値に基づき前
    記通電導体に流れる電流を計測する演算回路部を備えて
    成る光電流センサにおいて、 前記光ファイバセンサ部と前記検出器との間に光遅延部
    として2つの光ファイバコイルを配置し、 前記両ファイバコイルはコイル断面積が同じであり、且
    つ巻き方向が逆向きで同じ回数だけ巻かれたコイルであ
    ることを特徴とする光電流センサ。
  4. 【請求項4】 前記光ファイバコイルに防振手段を取り
    付けたこと特徴とする請求項2または3に記載の光電流
    センサ。
  5. 【請求項5】 前記光ファイバセンサ部は前記光ファイ
    バセンサ部の両端から逆方向に入射伝搬する2つの円偏
    光が前記位相差を受けるように構成されたループ型であ
    ることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載
    の光電流センサ。
  6. 【請求項6】 前記光ファイバセンサ部は前記光ファイ
    バセンサ部の一端にミラーを設け、前記光ファイバセン
    サ部の他端から入射伝搬する2つの円偏光が前記ミラー
    で反射伝搬する間に前記位相差を受けるように構成され
    た反射型であることを特徴とする請求項1〜4のいずれ
    か一項に記載の光電流センサ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012173261A (ja) * 2011-02-24 2012-09-10 Hitachi Cable Ltd 光学的成分測定装置
AU2009217236B2 (en) * 2008-02-22 2013-06-13 Smart Digital Optics Pty Limited Sensing coil and sensing unit for Sagnac optical fibre current sensor

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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AU2009217236B2 (en) * 2008-02-22 2013-06-13 Smart Digital Optics Pty Limited Sensing coil and sensing unit for Sagnac optical fibre current sensor
US8542366B2 (en) 2008-02-22 2013-09-24 Smart Digital Optics Pty Limited Sensing coil and sensing unit for sagnac optical fibre current sensor
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