JP3308897B2 - 電流測定方法及び光電流センサ - Google Patents

電流測定方法及び光電流センサ

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JP3308897B2
JP3308897B2 JP12219198A JP12219198A JP3308897B2 JP 3308897 B2 JP3308897 B2 JP 3308897B2 JP 12219198 A JP12219198 A JP 12219198A JP 12219198 A JP12219198 A JP 12219198A JP 3308897 B2 JP3308897 B2 JP 3308897B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、導体に流れる電流
を計測する技術に関し、特に導体に周回させたファラデ
素子におけるファラデ効果を利用して電流を計測する技
術に関する。
【0002】
【従来の技術】ファラデ効果を利用した電流計測につい
ては、例えば特開昭56-55864号、特開昭63- 263469号、
特表平7-502596号、特開平7-191060号などの各公報に開
示の技術が知られている。ファラデ効果を利用して電流
を計測するには、一般に、例えば光ファイバのようなフ
ァラデ効果を生じるファラデ素子が用いられる。すなわ
ち電流が流れる導体の周囲を周回させるように配したフ
ァラデ素子に、一つの光源からの光を二つの光路に分岐
して得た可干渉性の二つの光を互いに逆方向で伝播さ
せ、この伝播中に導体の電流によるファラデ効果で両光
に生じる位相差を再結合後の両光の干渉を利用して測定
することにより導体に流れる電流を計測する。尚、異な
る分野であるジャイロに適用した例としては「光ファイ
バ応用部品(2)−光ファイバジャイロへの応用」(保
立保夫、「光学」1990年7月号、P473〜47
9)がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記のようなファラデ
効果を利用した電流計測では、測定精度を高めるなどの
ために、測定用の光に位相変調を施すのが一般である。
例えば上記特開平7-191060号広報に開示の例に見られる
ように、バイアス位相変調を施すのに加えて、ファラデ
効果による両光の位相差を相殺するためのセロダイン位
相変調も施すことで、測定精度を高めることができる。
しかしこれらの位相変調の実施は必ずしも容易でない。
【0004】すなわち従来ではセロダイン位相変調を振
幅2πで折り返す鋸波で行っており、その変調周波数を
fとすれば、電流による両光の位相差φsと同じ位相差
を発生させるために、f=φs/(2πτ)の周波数で
制御する必要がある。そしてその鋸波の波形が乱れると
上記式の関係が成立しなくなって周波数fから正しい電
流値を求めることができなくなるため、変調周波数fの
10倍以上の応答性を持つ位相変調器が必要となるが、そ
れを得ることは容易でない。
【0005】また例えば一定の振幅と周波数で変調する
バイアス位相変調は、測定用の光が分岐してファラデ素
子を伝播した後に再び結合するまでの伝播時間τの逆数
の1/2倍以上の周波数が必要であり、例えば伝播長を
3mとすれば50MHz以上の周波数にしなければならな
い。このため極めて高い応答性を持つ位相変調器が必要
となるが、同じくこれを得ることも容易でない。
【0006】またファラデ効果を利用した電流計測で
は、一般に、二つに分岐させた光をそれぞれ光ファイバ
でファラデ素子に導き、またファラデ素子から導くよう
にしている。この場合、両光を導光するための2本の光
ファイバで囲われた領域が回転すると、サニャック効果
が生じてファラデ素子における電流によるのと同様な位
相差が両光に発生して測定誤差をもたらす可能性がある
が、この点について従来の技術では配慮がなされていな
い。同様な問題は、2本の光ファイバに温度分布を生じ
る場合にもある。つまり2本の光ファイバの温度が異な
ると、これに起因して電流によるのと同様な位相差が両
光に発生して測定誤差をもたらす可能性があるが、この
点について従来の技術では配慮がなされていない。
【0007】尚、上記公知例の中で、特開昭56-55864号
はサニャク干渉光学系でバイアス変調し且つ電流により
発生する位相差を打ち消すように位相を制御するもので
ある。しかし、かかる公知例には位相差を相殺する具体
的な位相波形は示されていない。
【0008】したがって本発明の目的は、ファラデ効果
を利用した電流計測における上記のような問題点を効果
的に解消することにある。
【0009】
【課題を解決する為の手段】本発明は、電流が流れる導
体を周回するように配したファラデ素子と、測定用の光
を与える光源と、この光源からの光を二つに分岐し、こ
の二つに分岐した各光を、これらが互いに逆方向で伝播
するように前記ファラデ素子に入力させる分岐手段と、
ファラデ素子からのその出力光を再び再結合させる再結
合手段と、この再結合手段で再結合した光の強度を検出
する検出手段と、この検出手段からの信号に基づいて第
1の位相変調信号と階段状の波形である第2の位相変調
信号を発生する変調信号発生手段と、前記第1の位相変
調信号により、前記互いに逆方向伝播で入力される一方
の光及び逆方向伝播で出力される1方の光に位相変調を
施す第1の位相変調手段と、前記第2の位相変調信号に
より、前記互いに逆方向伝播で入力される他方の光及び
逆方向伝播で出力される他方の光に位相変調を施す第2
の位相変調手段と、分岐手段により分岐された2つの光
がそれぞれ伝播する二つの光路の少なくても一方に設け
た、分岐手段から再結合手段までの光の伝播時間を長く
するための光路延長部と、を備えた光電流センサを開示
する。
【0010】
【0011】
【0012】
【0013】このように、光路延長部を設けて光の伝播
時間を長くすることで、上記のように伝播時間の逆数の
1/2倍以上必要となるバイアス位相変調の周波数を小
さくすることがでる。すなわち従来技術にあっては、光
の伝播時間が実質的にファラデ素子における光路長で決
まり、またファラデ素子の光路長も所定の条件で定まる
ことから、自ずと光の伝播時間に限界があり、このため
にバイアス位相変調の周波数を小さくすることができな
かった。これに対し、本発明によると、光路延長部を設
けたことにより、上記のようにバイアス位相変調の周波
数を小さくすることができ、したがってバイアス位相変
調用の位相変調器に必要な応答性も従来に比べ低くて済
む。
【0014】また本発明では、上記のような光電流セン
サについて、分岐手段からからファラデ素子までの二つ
の光路をそれぞれ光ファイバで形成し、且つこの二つの
光路用の光ファイバの間隔を固定化できるようにしてい
る。
【0015】このようにすることで、上記したサニャッ
ク効果による測定誤差を抑えることができる。すなわち
サニャック効果は、二つの光路用の光ファイバつまり2
本の光ファイバで囲まれる面積に比例する。したがって
2本の光ファイバの間隔を最小にして、これを固定化す
ることで、2本の光ファイバで囲まれる面積を小さくす
ることができ、サニャック効果による測定誤差を抑える
ことができる。このような2本の光ファイバの間隔固定
化は、例えば2本の光ファイバを互いにツイストさせる
方法、あるいは2本の光ファイバを同一の被覆で覆う方
法などにより実現できる。
【0016】また本発明では、上記のような光電流セン
サについて、分岐手段から再結合手段までの間における
各光路の温度を均一に保つようにしている。各光路の温
度の均一化を図るには、例えば分岐手段から再結合手段
までの光路要素を一体の匡体で囲い、且つ断熱材で断熱
するようにする方法が可能である。このようにすること
で、2本の光ファイバの温度状態に起因する測定誤差を
抑えることができる。
【0017】また本発明では、上記のような光電流セン
サについて、光源として、干渉距離が短い低コヒーレン
スの光源を用いるようにしている。このように、干渉距
離が短い光源を用いることで、各光学要素間における接
合部での戻り光などによる干渉の影響を抑えることがで
き、測定精度を高めることができる。
【0018】また本発明では、上記のような光電流セン
サについて、変調信号発生手段を含む電流検出処理部
と、位相変調手段を含むセンサ部とを設けると共に、前
記電流検出処理部の変調信号発生手段が与える位相変調
信号を前記センサ部の位相変調手段に光信号を介して伝
送するための信号伝送手段を設けるようにしている。こ
のようにすることで、電流検出処理部をセンサ部から電
気的に絶縁することができ、センサ部を介してサージ電
流の影響が電流検出処理部に及ぶのを防止することがで
きる。
【0019】また本発明では、電流が流れる導体を周回
するように配したファラデ素子と、測定用の光を与える
光源と、この光源からの光を二つに分岐し、この二つに
分岐した各光を、これらが互いに逆方向で伝播するよう
に前記ファラデ素子に入力させる分岐手段と、ファラデ
素子からのその出力光を再び結合させる再結合手段と、
この再結合手段で再結合した光の強度を検出する検出手
段と、この検出手段からの信号に基づいて第1の位相変
調信号と階段状の波形である第2の位相変調信号を発生
する変調信号発生手段と、前記第1の位相変調信号によ
り、前記互いに逆方向伝播で入力される一方の光及び逆
方向伝播で出力される一方の光に位相変調を施す第1の
位相変調手段 と、前記第2の位相変調信号により、前
記互いに逆方向伝播で入力される他方の光及び逆方向伝
播で出力される他方の光に位相変調を施す第2の位相変
調手段と、分岐手段により分岐された2つの光がそれぞ
れ伝播する二つの光路の少なくても一方に設けた、分岐
手段から再結合手段までの光の伝播時間を長くするため
の光路延長部と、第1、第2の位相変調手段を駆動する
ための電力相当の光エネルギーを、上記第1、第2の位
相変調手段に送るための電力伝送手段と、を備えた光電
流センサを開示する。
【0020】本発明による光電流センサについては、フ
ァラデ素子として光ファイバを用い、この光ファイバに
円偏光または楕円偏光を伝播させるようにすることが可
能であり、また同じくファラデ素子として光ファイバを
用い、この光ファイバに無偏光を伝播させることも可能
である。円偏光または楕円偏光を伝播させる場合には、
ファラデ素子に入射する光の光路中に光を円偏光または
楕円偏光に変換する偏光交換手段を設け、一方、無偏光
を伝播させる場合には、ファラデ素子に入射する光の光
路中にデポラライザを設ける。デポラライザによる無偏
光を用いることには、ファラデ素子を伝播する際の光の
直交成分間の干渉を抑えることができるという利点があ
り、一方円偏光や楕円偏光を用いることには、より高い
感度を得られるという利点がある。
【0021】
【発明の実施の形態】図1に第1の実施形態による光電
流センサの構成を示す。図に見られるように、電流検出
処理部22に設けてある例えばレーザダイオードなどに
よる光源10から光源駆動回路13の制御の下で出力さ
れた光は、ファイバカップラ9を通過後、伝送用ファイ
バ4を介してセンサ部21に伝送される。センサ部21
では、そこに設けてある偏光子8により光を直線偏光化
する。この直線偏光した光は、光IC5の上に形成され
ているY型導波路7により2つに分岐される。したがっ
てこの場合、Y型導波路7は分岐手段として機能する。
分岐した光の一方(右回り波)は、正弦波または方形波
によるバイアス位相変調を第1の位相変調手段である位
相変調器6aで受け、他方(左回り波)は、階段状のデ
ジタルセロダイン位相変調を第2の位相変調手段である
位相変調器6bで受ける。
【0022】位相変調器6aを出た光は、光路延長部で
あるファイバコイル20を伝播し、それから偏光変換部
3aで直線偏光から円偏光に変換された後、光ファイバ
を用いたファラデ素子であるセンシングファイバ2に例
えば右回りで入射する。センシングファイバ2は、測定
対象の電流(直流と交流とがあるが、簡単のため、直流
電流とする。交流の扱いは直流と同様の考え方による
が、それは各サンプル点においてであり、交流電流につ
いては後述の図3で簡単に説明した)が流れる導体1に
少なくとも1回以上周回されており、これを伝播した右
回りの光は、偏光変換部3bで円偏光から直線偏光に再
度変換された後、位相変調器6bでデジタルセロダイン
位相変調を受け、それからY型導波路7に戻る。
【0023】一方、位相変調器6bを出た光は、偏光変
換部3bで直線偏光から円偏光に変換され、それからセ
ンシングファイバ2に入射してこれを上記右回り光とは
逆の左回りで伝播した後、偏光変換部3aで円偏光から
直線偏光に変換され、また位相変調器6aでバイアス位
相変調を受けてからY型導波路7に戻り、上記右回り光
と再び結合する。したがってこの場合、Y型導波路7は
再結合手段として機能する。Y型導波路7で左右各回り
の光が結合すると干渉光が得られる。この干渉光は、再
び偏光子8を通過した後、伝送用ファイバ4及びファイ
バカップラ9を介して検出手段である受光器11に入射
し、その強度が検出される。そして受光器11の出力を
受ける電流検出回路12は、干渉光の強度から導体に流
れる電流を検出し、検出電流信号15として出力する。
【0024】以上のような光電流センサにおける位相変
調について以下でさらに詳しく説明する。位相変調器6
aで実施するバイアス位相変調は、受光器11の出力を
受けて電流検出回路12で生成される位相変調信号14
aにより実施され、振幅がπ以下の正弦波または方形波
の波形を持つ。したがって本実施形態では電流検出回路
12が変調信号発生手段としても機能する。このような
バイアス位相変調を行うと受光器11で検出される干渉
光の強度信号の中にバイアス位相変調の周波数fbの整
数倍の周波数成分が検出される。各周波数成分の強度
は、干渉光を与える左右各回りの光に、センシングファ
イバ2を伝播する際のファラデ効果により、生じる位相
差φsの正弦関数または余弦関数に比例する。したがっ
て干渉光に含まれる特定の周波数成分の強度から位相差
φsを検出することができる。そして位相差φsは、導
体1に流れる電流の量に比例するので、導体1における
電流を計測することができる。このように、単に干渉光
の強度から位相差を検出するのではなく、干渉光に含ま
れる特定の周波数成分の強度から位相差を検出すること
により、高いS/Nでの検出が可能となる。
【0025】一方、位相変調器6bで実施するデジタル
セロダイン位相変調は、電流検出の感度を常に同一にす
るのに機能する。すなわち上述したようにバイアス位相
変調による周波数成分は、位相差φsの正弦関数や余弦
関数に比例する。このため周波数成分の強度から直接的
に検出出力を得るとすると、位相差φsにより感度が異
なるという問題が発生するが、位相変調器6bによる位
相変調で位相差φsを相殺することにより、この問題を
解消することができる。そのために、デジタルセロダイ
ン位相変調は、電流検出回路12で生成される位相変調
信号14bにより実施され、階段状の波形による位相変
調を受ける。その階段状の波形は、図2の(a)に示す
ように、測定用の光がY型導波路7で分岐してセンシン
グファイバ2を伝播した後にY型導波路7で再び結合す
るまでの伝播時間τと等しい持続時間の平坦部を有し、
またその大きさがφpである段差を各平坦部の間に有す
る。そしてこの段差φpを上記の左右各回り光の位相差
φsと一致させるようにする。つまり位相差φsと同じ
か、あるいは位相差φsとの差が常に同じとなるように
段差φpを制御することにより、段差φpで位相差φs
を相殺することができ、バイアス位相変調による周波数
成分の強度が電流に関わりなく一定となり、したがって
電流量に影響されることなく常に同一の感度で電流値を
検出することが可能となる。
【0026】このようにデジタルセロダイン位相変調に
おける波形を階段状とすることは、上述のように、位相
変調器6bの応答性を低いもので済ませることを可能と
する。このことを従来技術における図2の(b) に示す
ような鋸波によるセロダイン位相変調と比較して説明す
ると以下のとおりである。鋸波による変調の周波数fと
すれば、電流による位相差φsと同じ位相差を発生させ
るために、f=φs/(2πτ)の周波数で制御する必
要がある。そしてその鋸波の波形は乱れがなくて直線的
に変化するものでなければ上記式の関係を満足させるこ
とができず、周波数fから正しい電流値を求めることが
できなくる。このため変調周波数fの10倍以上の応答性
を持つ位相変調器が必要となり、また広い測定範囲を実
現するためには周波数fを可変する広帯域の発振器が必
要となる。一方、本発明における階段状の位相変調を実
施するには、伝播時間と同等程度の応答性があれば足
り、したがって位相変調器6bに必要な応答性が低くて
済み、また広い測定範囲を実現するについてもそれほど
広い帯域を必要としない。なお図2は、導体1に流れる
電流が直流の場合の例であるが、交流の場合には、交流
波形に応じて左回り光に対して図3に示すような階段状
位相変調を行う。即ち、交流波形をサンプルし、そのサ
ンプル点Si、Sj毎に、その振幅値に応じて振幅値が大
きい場合にはφpを大きくする如き、階段状の位相変調
を行う。この場合の電流の正負は、階段時の位相変調と
同時に実施されるバイアス変調により判断することがで
きる。
【0027】次に、本実施形態における光路延長部とし
てのファイバコイル20の働きについて説明する。セン
シングファイバ2で生じるファラデ効果における感度
(ベルデ定数) は、センシングファイバ2の材質や伝播
させる光の波長により異なるが、おおむね10-4〜10
-3[deg/AT]程度である(単位は導体への周回数及び電流
当たりに変化する位相差の量を表す)。本実施形態にお
ける電流検出回路12で検出できる最大の位相差φsは
360deg であり、ベルデ定数を10-3[deg/AT]とすれ
ば、導体1にセンシングファイバ2を1回巻いた場合の
最大検出電流値は360000Aとなる。一方、電流検
出回路12には検出限界( 下限値) があり、本実施形態
の光電流センサを設置するには測定すべき導体の電流測
定範囲に合わせてセンシングファイバの巻数を変えるこ
とにより、電流検出感度を測定範囲に合うように調整す
る。例えばGIS(ガス遮断機)等の送変電設備におい
ては大電流化しており、センシングファイバの巻数を1
回程度として、最大測定電流を大きく設定する必要が生
じる。この場合、センシングファイバを導体に周回させ
る径を1mとすれば、左右各回りの光の伝播時間は約1
-8秒となる。そしてバイアス位相変調信号は伝播時間
τの間で少なくとも半周期以上は伝播する必要があるの
で、バイアス位相変調の周波数は50MHz以上必要と
なり、位相変調器に非常に高い応答性が要求されること
になる。またデジタルセロダイン位相変調信号も伝播時
間単位で波形が変化するので、同じく伝播時間が短いほ
ど位相変調器に高い応答性が要求されることになる。こ
のことは逆に言えば、伝播時間τを長くすることで、位
相変調器に必要な応答性を低くできることを意味してい
るが、この伝播時間τを長くすることに機能するのがフ
ァイバコイル20である。例えばバイアス位相変調につ
いては、その周波数fbと伝播時間τの関係をfb=k
/2τ(但し、k=0.05〜1 )とするのが好ましいとさ
れ、またバイアス位相変調用の位相変調器として現在実
現可能な周波数の上限は10MHz程度であるのが実情
である。したがってこのような条件を満足させる伝播時
間τを実現できる長さをファイバコイル20に設定する
ことになる。またこのファイバコイル20にはファラデ
効果を生じ難い光ファイバを用いるようにする。
【0028】本実施形態における偏光変換部3は、図4
に示すような構成とすることができる。この偏光変換部
3は、光IC5から光ファイバを介して伝播して来る直
線偏光を平行光にするためのレンズ17a、このレンズ
17aを通過した直線偏光の光軸に対してその光軸が4
5deg 傾くように配した1/4波長板19、及びこの1
/4波長板19を通過して円偏光化した光をセンシング
ファイバ2に効率的に入射させるための集光用のレンズ
17bからなる。
【0029】本実施形態では上述のように円偏光をセン
シングファイバ2に伝播させるが、伝播中に円偏光が崩
れたり、逆方向の円偏光に変換されると、位相差φsの
検出に誤差を生じる可能性がある。このためセンシング
ファイバ2には、円偏光を保存する性質のある円複屈折
性の光ファイバを用いることが望ましい。
【0030】また本実施形態では測定用の光を光ファイ
バで伝播させるようにしているが、これら光ファイバに
おける光の結合損失を小さくするために、レーザ光のよ
うな空間的なコヒーレンスの高い光を測定用に用いるこ
とが好ましい。その一方で、各光学要素における接合部
での戻り光による干渉の影響を抑えるために、時間的コ
ヒーレンスの低い光をが望ましい。したがって光源10
にはこのような要求を満足させる光を与える光源を用い
ることが望ましい。
【0031】また本実施形態については、左右各回り光
の光路に温度差があると、これに起因して左右各回り光
に位相差を生じ、これが計測誤差の要因となる可能性が
ある。そこで分岐から再結合までの光の伝播路を含むセ
ンサ部21を単一の匡体中に設け、この匡体の外部を断
熱材で覆うことにより、左右各回り光の光路に温度差を
生じることのないようにするのが好ましい。
【0032】図5に第2の実施形態による光電流センサ
におけるファイバ分岐結合部16の構成を示す。本実施
形態では、第1の実施形態における光IC5が果してい
た光の分岐と再結合の機能をこのファイバ分岐結合部1
6に負わせている。すなわち図1におけると同様なファ
イバカップラ9からの光は偏光子8に入射してそこで直
線偏光に変換され、それからファイバカップラ9aに入
射する。ファイバカップラ9aでは光が分岐される。分
岐光の一方は、第1の実施形態と同様なバイアス位相変
調を施すための位相変調器6cに入射する。この位相変
調器6cは、PZT等の圧電素子に光ファイバを周回さ
せた構造であり、一定の振幅と周波数で駆動される圧電
素子の伸縮を利用してファイバ長を変えることにより、
バイアス位相変調を行う。分岐光の他方は、位相変調器
6dに入射し、階段状の波形を持つデジタルセロダイン
位相変調を受ける。その位相変調器6dは、LiNbO
3の基盤上に形成した導波路の屈折率をポッケルス効果
で変えることにより位相変調を行うものである。
【0033】図6に示すのは、第3の実施形態におるセ
ンサ部21と電流検出処理部22の接続に関する構成で
ある。本実施形態では、測定用の光を電流検出処理部2
2からセンサ部21に伝送する伝送用ファイバ4の他
に、図1における位相変調信号14a、14bを電流検
出処理部22からセンサ部21に光信号を介して伝送す
るための信号伝送手段である信号伝送用ファイバ23
と、図1における位相変調器6a、6bを駆動するため
の電力を光エネルギーに変換して電流検出処理部22か
らセンサ部21に供給するための電力伝送手段である電
力伝送用ファイバ24を設けている。この結果、電流検
出処理部22がセンサ部21から電気的に絶縁され、サ
ージ電流の影響が電流検出処理部22に及ぶのを防止す
ることができる。したがってサージ電流により電流検出
処理部22の電子回路が破損されるような現象を防止で
き、検出の安定性をより高めることができる。
【0034】図7に第4の実施形態による光電流センサ
の構成を示す。本実施形態は、基本的には第1の実施形
態で同じで、光IC5から偏光変換部3a、3bに光を
伝送する伝送用ファイバ4a、4bが長くなる点で異な
っている。このように光IC5を経た後の光を伝送する
伝送用ファイバ4a、4bが長くなる場合には、この両
伝送用ファイバ4a、4bに振動などにより回転運動を
生じると、サニャック効果により左右各回り光に位相差
が発生し、これが誤差要因となる。その大きさは伝送用
ファイバ4a、4bで囲われる面積に比例する。そこ
で、それぞれ1本の光ファイバで形成される伝送用ファ
イバ4a、4bを互いに絡み合わせてツイストさせるこ
とにより、伝送用ファイバ4a、4b同士の間隔を小さ
くすると共にこの間隔を固定化し、伝送用ファイバ4
a、4bで囲われる面積を小さくしている。このように
伝送用ファイバ4a、4b同士の間隔を小さくしてそれ
を固定化する方法としては、ツイストによる方法の他
に、例えば伝送用ファイバ4a、4bを同一の被覆で覆
う方法が可能である。
【0035】図8に第5の実施形態による光電流センサ
の構成を示す。本実施形態も基本的には第1の実施形態
で同じで、図1における偏光変換部4の代わりにデポラ
ライザ25を用いている点で異なる。すなわち偏光子8
で直線偏光化された光をデポラライザ25で無偏光化
し、これをセンシングファイバ2に伝播させている。こ
のようにセンシングファイバ2を伝播する光を無偏光と
することにより、センシングファイバ2を伝播する際の
光の直交成分間の干渉を抑えることができる。すなわち
直交成分間の干渉による検出誤差を低減させることがで
きる。また無偏光を用いることは、円偏光を伝播させる
ことで円複屈折性の光ファイバを使用するのが好ましい
条件となる場合と異なり、通信用などに広く用いられて
いる石英製の光ファイバでも十分であり、したがって低
価格化が可能となる。
【0036】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
ファラデ効果による両光の位相差を相殺して電流検出感
度が常に一定にするための位相変調に階段状の波形とな
るデジタルセロダイン位相変調を用いるので、最大位相
差が例えば360deg までの測定範囲を可能とし、しか
も比較的に応答性が低くて済む実用性の高い位相変調器
を用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態による光電流センサの
構成図である。
【図2】図1の光電流センサにおけるデジタルセロダイ
ン位相変調の波形図である。
【図3】電流が交流である場合の図2相当の波形図であ
る。
【図4】図1の光電流センサにおける偏光変換部の構成
図である。
【図5】本発明の第2の実施形態による光電流センサに
おけるファイバ分岐結合部の構成図である。
【図6】本発明の第3の実施形態による光電流センサの
部分構成図である。
【図7】本発明の第4の実施形態による光電流センサの
構成図である。
【図8】本発明の第5の実施形態による光電流センサの
構成図である。
【符号の説明】
1 導体 2 センシングファイバ(ファラデ素子) 3 偏光変換部 4 伝送用ファイバ 5 光IC 6 位相変調器(第1の位相変調手段) 7 Y型導波路(分岐手段、再結合手段) 8 偏光子 10 光源 11 受光器(検出手段) 12 電流検出回路(変調信号発生手段) 20 ファイバコイル 21 センサ部 22 電流検出処理部 23 信号伝送用ファイバ 24 電力伝送用ファイバ 25 デポラライザ
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平9−236437(JP,A) 特開 平8−35843(JP,A) 特開 昭63−263469(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01R 15/24 G01R 33/032 G01C 19/64 - 19/72

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電流が流れる導体を周回するように配し
    たファラデ素子と、測定用の光を与える光源と、この光
    源からの光を二つに分岐し、この二つに分岐した各光
    を、これらが互いに逆方向で伝播するように前記ファラ
    デ素子に入力させる分岐手段と、ファラデ素子からのそ
    の出力光を再び再結合させる再結合手段と、この再結合
    手段で再結合した光の強度を検出する検出手段と、この
    検出手段からの信号に基づいて第1の位相変調信号と階
    段状の波形である第2の位相変調信号を発生する変調信
    号発生手段と、前記第1の位相変調信号により、前記互
    いに逆方向伝播で入力される一方の光及び逆方向伝播で
    出力される1方の光に位相変調を施す第1の位相変調手
    段と、前記第2の位相変調信号により、前記互いに逆方
    向伝播で入力される他方の光及び逆方向伝播で出力され
    る他方の光に位相変調を施す第2の位相変調手段と、分
    岐手段により分岐された2つの光がそれぞれ伝播する二
    つの光路の少なくても一方に設けた、分岐手段から再結
    合手段までの光の伝播時間を長くするための光路延長部
    と、を備えた光電流センサ。
  2. 【請求項2】 分岐手段からファラデ素子までの二つの
    光路をそれぞれ光ファイバで形成し、且つこの二つの光
    路用の光ファイバの間隔を固定化できるようにした請求
    項1に記載の光電流センサ。
  3. 【請求項3】 分岐手段から再結合手段までの間におけ
    る各光路の温度を均一に保つようにした請求項1又は2
    のいずれか1項に記載の光電流センサ。
  4. 【請求項4】 光源として、干渉距離が短い低コヒーレ
    ンスの光源を用いた請求項1〜3の何れか1項に記載の
    光電流センサ。
  5. 【請求項5】 変調信号発生手段を含む電流検出処理部
    と、位相変調手段を含むセンサ部とを有すると共に、前
    記電流検出処理部の変調信号発生手段が与える位相変調
    信号を前記センサ部の位相変調手段に光信号を介して伝
    送するための信号伝送手段を有している請求項1〜4の
    何れか1項に記載の光電流センサ。
  6. 【請求項6】 電流が流れる導体を周回するように配し
    たファラデ素子と、測定用の光を与える光源と、この光
    源からの光を二つに分岐し、この二つに分岐した各光
    を、これらが互いに逆方向で伝播するように前記ファラ
    デ素子に入力させる分岐手段と、ファラデ素子からのそ
    の出力光を再び結合させる再結合手段と、この再結合手
    段で再結合した光の強度を検出する検出手段と、この検
    出手段からの信号に基づいて第1の位相変調信号と階段
    状の波形である第2の位相変調信号を発生する変調信号
    発生手段と、前記第1の位相変調信号により、前記互い
    に逆方向伝播で入力される一方の光及び逆方向伝播で出
    力される一方の光に位相変調を施す第1の位相変調手段
    と、前記第2の位相変調信号により、前記互いに逆方
    向伝播で入力される他方の光及び逆方向伝播で出力され
    る他方の光に位相変調を施す第2の位相変調手段と、分
    岐手段により分岐された2つの光がそれぞれ伝播する二
    つの光路の少なくても一方に設けた、分岐手段から再結
    合手段までの光の伝播時間を長くするための光路延長部
    と、第1、第2の位相変調手段を駆動するための電力相
    当の光エネルギーを、上記第1、第2の位相変調手段に
    送るための電力伝送手段と、を備えた光電流センサ。
  7. 【請求項7】 ファラデ素子として光ファイバを用い、
    この光ファイバに円偏光または楕円偏光を伝播させるよ
    うにした請求項1〜6の何れか1項に記載の光電流セン
    サ。
  8. 【請求項8】 ファラデ素子として光ファイバを用い、
    この光ファイバに無偏光を伝播させるようにした請求項
    1〜7の何れか1項に記載の光電流センサ。
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