JPH1073219A - 熱分解ドラム及び該ドラムを備えた廃棄物処理装置 - Google Patents

熱分解ドラム及び該ドラムを備えた廃棄物処理装置

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JPH1073219A
JPH1073219A JP22854196A JP22854196A JPH1073219A JP H1073219 A JPH1073219 A JP H1073219A JP 22854196 A JP22854196 A JP 22854196A JP 22854196 A JP22854196 A JP 22854196A JP H1073219 A JPH1073219 A JP H1073219A
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JP
Japan
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pyrolysis
drum
waste
gas
discharge device
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JP22854196A
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English (en)
Inventor
Toru Ogasawara
徹 小笠原
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Mitsui Engineering and Shipbuilding Co Ltd
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Mitsui Engineering and Shipbuilding Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 回転部と固定部との間にシール性が良好で外
気が漏れ込まないシール機構を設けた熱分解ドラムを提
供する。 【解決手段】 それぞれのシール機構60は、それぞれ
の固定部及びそれぞれの回転部のうちの少なくともいず
れか一方に、一端側が大気圧へ連通するともに他端側が
運転圧力へ連通する少なくとも一つの櫛歯62a,62
bを形成し、それぞれの櫛歯62a,62bは、大気圧
と運転圧力との間の圧力差を保持し、かつそれぞれの固
定部とそれぞれの回転部との間の軸方向及び半径方向の
熱膨張差を吸収するものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、被熱分解物の熱分
解に係り、特に廃棄物(家庭やオフィス等から出される
都市ごみ等の一般廃棄物、廃プラスチック、カーシュレ
ッダー・ダスト、廃オフィス機器、電子機器、化成品等
の産業廃棄物等、可燃物を含むもの)を間接加熱によっ
て熱分解する熱分解ドラム及び該ドラムを備えた廃棄物
処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より都市ごみ等の一般廃棄物や廃プ
ラスチック等の可燃物を含む産業廃棄物の処理装置の一
つとして、廃棄物を熱分解反応器(熱分解ドラム)に入
れて低酸素雰囲気で加熱して熱分解し、乾留ガスと、主
として不揮発性成分よりなる熱分解残留物とを生成し、
さらにこの熱分解残留物を冷却した後に分離装置に導
き、この分離装置で燃焼性成分と、例えば金属や陶器、
砂利及びコンクリート片等のがれきよりなる不燃焼性成
分とに分離し、燃焼性成分を粉砕しこの粉砕された燃焼
性成分と乾留ガスとを溶融炉に導き、この溶融炉で燃焼
させて生じた燃焼灰を溶融スラグとなし、この溶融スラ
グを排出して冷却固化するようにした廃棄物処理装置が
知られている(例えば、特公平6−56253号公報参
照)。
【0003】そして図6に示すように、従来の熱分解ド
ラム6においては、その投入口4から廃棄物aを供給
し、この廃棄物aをスクリューコンベア5によって回転
する回転ドラム7内に押し込み、約450℃の温度の加
熱空気で伝熱管を介して間接加熱し、熱分解させて熱分
解ガスG1と熱分解残渣d,eとを生成させ、熱分解ガ
スG1は回転ドラム7に隣接する排出装置10の上部か
ら排出され、熱分解残渣d,eは排出装置10の下部か
ら排出される。回転ドラム7は、低酸素雰囲気で大気圧
より低い運転圧力に保持するため、回転ドラム7等の回
転部のフランジ面と排出装置10等の固定部のフランジ
面との間にグリースを介在させ、接触させてシールする
シール機構を備えている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の熱分解ドラムに
あっては、回転ドラム等の回転部のフランジ面と固定部
のフランジ面との間にグリースを介在させて接触させる
シール機構であったため、回転ドラム自体の取り付け精
度やフランジの取り付け精度、フランジ面仕上がりの不
均一等により外部空気が回転ドラム内に漏れ込む恐れが
あった。外部空気が回転ドラム内に漏れ込むと、内部の
低酸素雰囲気に悪影響を与え、ここで発生する熱分解ガ
スの温度と発熱量を低下させ、後流の溶融炉の運転に好
ましくない。さらに、回転ドラム内の温度がほぼ450
℃と高温であるため、フランジ間のグリースが融けて流
れ出しシール効果が低減するあるいはグリースが発煙す
る恐れもあり、水冷機構等が必要であった。
【0005】本発明の課題は、回転部と固定部との間に
シール性が良好で外気の漏れ込まないシール機構を設け
た熱分解ドラム及び該ドラムを備えた廃棄物処理装置を
提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記の課題を達成するた
め、本発明に係る熱分解ドラムは、回転ドラム内に供給
された廃棄物を加熱空気により間接加熱し、熱分解で生
成した乾留ガスと熱分解残渣とを排出装置より排出し、
回転ドラムを含む少なくとも一つの回転部と、排出装置
を含む少なくとも一つの固定部との間にシール機構を設
けた熱分解ドラムにおいて、それぞれのシール機構は、
それぞれの固定部及びそれぞれの回転部のうちの少なく
ともいずれか一方に、大気圧と運転圧力との圧力差を保
持するように少なくとも一つの櫛歯を形成している構成
とする。
【0007】そして供給された廃棄物を伝熱管を介して
加熱空気で間接加熱する回転ドラムと、熱分解で生成し
た乾留ガス及び熱分解残渣を排出する排出装置とを備
え、回転ドラムを含む少なくとも一つの回転部と、排出
装置を含む少なくとも一つの固定部との間にシール機構
を設けた熱分解ドラムにおいて、それぞれのシール機構
は、それぞれの固定部及びそれぞれの回転部のうちの少
なくともいずれか一方に、一端側が大気圧へ連通すると
もに他端側が運転圧力へ連通する少なくとも一つの櫛歯
を形成し、それぞれの櫛歯は、大気圧と運転圧力との間
の圧力差を保持し、かつそれぞれの固定部とそれぞれの
回転部との間の熱膨張差を吸収するものである構成でも
よい。
【0008】またそれぞれのシール機構は、それぞれの
櫛歯のほぼ中間に空気の注入管を連通している構成でも
よい。
【0009】さらにそれぞれのシール機構は、それぞれ
の櫛歯のほぼ中間に酸素濃度が5%以下の低酸素ガスの
注入管を連通している構成でもよい。
【0010】そして廃棄物処理装置においては、前記い
ずれか一つの熱分解ドラムを備え、熱分解ドラムの排出
装置より排出された熱分解残渣を燃焼性成分と不燃焼性
成分とに分離する分離装置と、熱分解ガス及び燃焼性成
分を燃焼させる溶融炉とよりなる構成とする。
【0011】本発明によれば、回転部と固定部との間に
大気圧と運転圧力との圧力差を保持するように櫛歯状の
シール機構を設けたため、回転ドラム内に外気が漏れ込
まず、例え低酸素ガスが回転ドラム内に侵入したとして
も酸素濃度の低いガスが侵入するだけで、回転ドラム内
は低酸素雰囲気に維持される。さらに、低酸素ガスの酸
素濃度が5%以下であるものは、酸素濃度が低いので、
回転ドラム内の低酸素雰囲気が確実に維持される。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図1〜図3
を参照しながら説明する。図1〜図3に示すように、供
給された廃棄物aを伝熱管8を介して加熱空気で間接加
熱する回転ドラム7と、熱分解で生成した乾留ガスG1
と熱分解残渣d,eとを排出する排出装置10とを備
え、回転ドラム7と回転ドラム7とともに回転する乾留
ガス(熱分解ガス)G1及び熱分解残渣d,eの排出管
36並びに加熱空気入口,出口ヘッダ34,33等の回
転部と、加熱空気入口,出口チャンネル35,37及び
排出装置10等の固定部との間にシール機構60を設け
た熱分解ドラム6であって、それぞれのシール機構60
は、それぞれの固定部及びそれぞれの回転部のうちの少
なくともいずれか一方に、一端側が大気圧へ連通すると
もに他端側が運転圧力へ連通する少なくとも一つの櫛歯
62a,62bを形成し、それぞれの櫛歯62a,62
bは、大気圧と運転圧力との間の圧力差を保持し、かつ
それぞれの固定部とそれぞれの回転部との間の軸方向及
び半径方向の熱膨張差を吸収するものである構成とす
る。そしてそれぞれのシール機構60は、それぞれの櫛
歯62a,62bのほぼ中間に、空気又は酸素濃度が5
%以下の低酸素ガスの注入管61を連通しているものと
する。
【0013】櫛歯62aを例にして構造を説明すると、
櫛歯62aは固定部35の外周側に、櫛歯62bは回転
部34の内周側に、半径方向(図面の上下方向)へ突設
された円環部材35a,34aに交互して同心状に溶接
等で固着される。櫛歯62a,62bは鋼製であって所
定厚さで所定長さの円筒形状を有し、一端側(図示上端
側)の大気圧と他端側(図示下端側)の運転圧力とに連
通し圧力差に応じて櫛歯数が決定される。圧力差が大き
くなると櫛歯数を多くする、つまりシール機構内の圧力
損失は櫛歯数に比例するので予め実験等で求めた損失係
数を用いその圧力損失が圧力差以上になるようにする。
基本構造として圧力差が低い場合は、櫛歯を固定部又は
回転部のいずれか一方に設けてもよい。
【0014】そして各櫛歯62a,62bの軸方向の端
面と、円環部材34a,35aとの間の隙間aを回転部
と固定部との間の軸方向(図面の左右方向)の熱膨張差
以上の寸法にすることにより、運転中に櫛歯62a,6
2bと円環部材34a,35aとが当接することがなく
なり、回転部は熱膨張した状態で回転自在となる。また
同様に半径方向の熱膨張差を考慮して固定部側の各櫛歯
62aと回転部側の各櫛歯62bとの半径方向の各隙間
bを確保する必要がある。隙間a,bは狭いほど、また
櫛歯62a,62bの数が多いほど圧力損失が大きくな
るため、大気圧と運転圧力との間に大きな圧力差を保持
できるが、軸方向及び半径方向の熱膨張差を十分考慮す
る必要がある。また回転ドラム7は、外周に周設した支
持環31bを介してローラ31に回転自在に支持される
が、例えば廃棄物aの流入側の支持環31bをアンカー
ポイントとし、例えば支持環31bにローラ31を回転
自在に挿入可能な凹部を設けることにより、アンカーポ
イントの両側へ熱膨張するようにすると、熱膨張量が明
らかに算定される。
【0015】そして各櫛歯62a,62bのほぼ中間に
注入管61より空気等を注入することにより、大気圧側
と運転圧力側とに空気等が流出して外気の流入と、運転
圧力側からの高温ガスの流出とが防止される。回転ドラ
ム内の運転圧力は、通常、約−30mmAqの負圧であ
るが、加熱空気の入口圧力は約+300mmAqであ
り、それぞれのシール機構における圧力差が異なるので
留意する必要がある。図2に示す構造では回転部の径を
大きくしているが、固定部の径を大きくしてもよく、図
3に示す加熱空気出口チャンネル(固定部)37と加熱
空気出口ヘッダ(回転部)33との間のシール機構60
の構造も同様である。
【0016】また低酸素ガスの酸素濃度が5%を超える
と、回転ドラム内の廃棄物a側に漏れ込んだ場合、内部
の酸素濃度を1%以上に高める恐れが大きくなり熱分解
ガスG1の発熱量を小さくする。実用的には低酸素ガス
の酸素濃度は、3〜5%とし、さらに、これ以下になれ
ばなお好ましい。低酸素ガスの種類としては、窒素ガ
ス、炭酸ガス等の不活性ガスを使用する。なお注入管
は、図示しないが固定されている空気供給手段と接続す
る関係上、固定部側に配管する必要がある。
【0017】図4及び図5はシール機構の他の構造を示
し、シール機構70は半径方向の櫛歯72a,72bを
備え、そのほぼ中間に空気等の注入管71を連通してい
る。大気圧と運転圧力との間の圧力差、及び回転部と固
定部との熱膨張差に対する対応は図2及び図3に示す実
施の形態と同様である。しかし図2及び図3に示す実施
の形態ではシール機構60を軸方向から櫛歯62a,6
2bを互いに挿通して組立て可能であるが、図4及び図
5に示す構造ではシール機構70を半径方向から組立て
ねばならず、例えば分割フランジ73等が必要となり、
いずれのシール機構を採用するかは熱分解ドラム全体の
構造より決定されるべきものである。また圧力差にもよ
るが、図4及び図5に示すシール機構70で、各櫛歯7
2bの高さを隙間b以下の高さにすることにより、軸方
向からの組立てが可能となる。
【0018】ここで図1に示す熱分解ドラムを詳細に説
明する。すなわち熱分解ドラム6の中空円筒状の回転ド
ラム7は、モータ等の駆動源31aに連結して回転され
る複数のローラ31に搭載されて回転し、一方の端面に
スクリューフィーダ5を内管33bに挿着した加熱空気
出口ヘッダ33がシール機構60を介して摺動自在に接
続され、スクリューフィーダ5の一方の端面に廃棄物a
の投入口4が接続可能になっている。そして熱交換部6
aとして、回転ドラム7の他方の端面に加熱空気入口ヘ
ッダ34がシール機構60を介して摺動可能に接続さ
れ、加熱空気出口ヘッダ33の管板33aと、加熱空気
入口ヘッダ34の管板34aとに両端を固定された複数
の伝熱管8が回転ドラム7の内周に配設されている。伝
熱管8は、耐熱、耐食材料で形成されている。加熱空気
入口ヘッダ34の他端にシール機構60を介して、加熱
空気入口チャンネル35が接続され、排出管36の他端
にシール機構60を介して排出装置10が連結される。
排出装置10の上部に乾留ガスG1の出口10aと、下
部に熱分解残留物e及び分離した燃焼性成分d等を排出
する排出口10bとが設けられている。そして加熱空気
入口ヘッダ34の管板34aに穿設された排出穴34b
より、排出管36が加熱空気入口チャンネル35を挿通
され、排出管36を通して回転ドラム7内の乾留ガスG
1及び熱分解残留物e等がガイド41に案内されながら
排出装置10に排出されるようになっている。
【0019】本実施の形態によれば、回転部と固定部と
の間に圧力差を保持するシール機構を設けたため、回転
ドラム内に直接外気が漏れ込まず、例え低酸素ガスが回
転ドラム内に侵入したとしても酸素濃度の低いガスが侵
入するだけで、回転ドラム内は低酸素雰囲気に維持され
る。さらに、低酸素ガスの酸素濃度が5%以下であるも
のは、酸素濃度が低いので、回転ドラム内の低酸素雰囲
気が確実に維持され、グリースの供給機構や冷却機構が
不要になる。
【0020】次に本発明の他の実施の形態として廃棄物
処理装置を図1及び図6を参照しながら説明する。前記
いずれか一つの熱分解ドラム6を備え、受入れヤードA
に配置された例えば二軸剪断式の破砕機1に、都市ごみ
等の廃棄物aが第1のコンベア2により供給され、ここ
で例えば150mm以下に粉砕される。この粉砕された
廃棄物aは第2のコンベア3により投入口4よりスクリ
ューフィーダ5を経て熱分解ドラム6の熱交換部6aに
供給される。この熱交換部6aは回転する回転ドラム7
の内周壁に沿って複数の伝熱管8を配置して形成され、
シール機構60によりその内部の圧力が大気圧以下の雰
囲気に保持される。溶融炉9の後流側に配置された熱交
換器(図示せず)により加熱された加熱空気がラインL
1より伝熱管8内に供給され、この加熱空気により廃棄
物aは通常450℃程度に間接加熱される。そのため、
この熱交換部6a内に供給された廃棄物aは熱分解さ
れ、乾留ガスG1と、主として不揮発性の熱分解残留物
d,eとが生成される。
【0021】熱交換部6a内で生成した乾留ガスG1
と、熱分解残留物d,eは排出装置10で分離され、乾
留ガスG1はラインL3を経て溶融炉9のバーナ11に
供給され、一方、熱分解残留物d,eは冷却装置12で
発火防止のため80℃程度にまで冷却され、その後、例
えば篩、磁選式、うず電流式、遠心式又は風力選別式等
の公知の分離装置13に供給され、ここで細粒灰分を含
む燃焼性成分dと、不燃焼性成分である金属成分e1及
び非金属成分e2とに分離される。
【0022】そして燃焼性成分dは粉砕機14により例
えば1mm以下に微粉砕され、ラインL4を経て溶融炉
9のバーナ11に供給され、ラインL3より供給された
乾留ガスG1と、送風機15によりラインL5より供給
された燃焼用空気Fとが、1300℃程度の高温域で燃
焼され、このとき発生した燃焼灰は溶融スラグとなって
溶融炉9の内壁に沿って流下し、排出口16より水槽1
7内に流下し、冷却固化される。この固化したスラグは
舗装材等建材として利用される。
【0023】一方、不燃焼性成分である金属成分e1は
コンテナ18に入り回収されて再利用され、非金属性成
分e2は埋め立てに供せられるか、又は粉砕機19によ
り粉砕されラインL6を経て溶融炉9内に供給され、ス
ラグとして回収再利用される。溶融炉9で発生した高温
排ガスG2は図示しない熱交換器を経てラインL7より
廃熱ボイラ21で熱回収され、集塵機22a,22bで
除塵され、低温のクリーンな排ガスG3となって煙突2
3へ大気へ放出される。このクリーンな排ガスG3の一
部はラインL8を経て冷却装置12へ供給される。廃熱
ボイラ21で発生した蒸気は蒸気タービンを回転しかつ
直結した発電機24を回転する。
【0024】本他の実施の形態によれば、まず廃棄物が
熱交換部に供給されると、廃棄物はシール機構により維
持された低酸素雰囲気で、通常は450℃程度まで加熱
空気により間接的に加熱昇温され、熱分解により乾留ガ
スと主として不揮発性成分よりなる熱分解残留物が生成
される。そして、この乾留ガスと熱分解残留物とは、排
出装置で分離され、乾留ガスは燃焼器である溶融炉へ供
給され、一方、熱分解残留物は冷却されかつ分離装置で
燃焼性成分及び細粒の灰分と、鉄又はアルミニウム等の
金属よりなる粗粒不燃焼性成分とに分離され、その内の
燃焼性成分及び細粒の灰分は溶融炉へ供給され燃焼され
る。この場合、溶融炉内は約1300℃程度の高温に保
持されているため、細粒の灰分より生じた燃焼灰は溶融
し溶融スラグとなって溶融炉の内壁に沿って流下する。
不燃焼性成分は鉄等の金属成分と陶器等の非金属成分と
に分離され、金属成分は再利用に供され、非金属成分は
埋め立てに、または必要に応じて溶融スラグに混合され
舗装材等として再利用される。
【0025】
【発明の効果】本発明によれば、回転部と固定部との間
に櫛歯と空気等の注入管とよりなるシール機構を設けた
ため、シール性が向上して回転ドラム内の低酸素雰囲気
が保持されるとともに、回転部と固定部との間の熱膨張
差が吸収される効果がある。そして廃棄物処理装置の処
理効率の向上が図られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示す熱分解ドラムの縦断
面図である。
【図2】図1の一方のシール機構を示す断面図である。
【図3】図1の他方のシール機構を示す断面図である。
【図4】図2の他の構造を示す断面図である。
【図5】図3の他の構造を示す断面図である。
【図6】本発明の他の実施の形態を示す廃棄物処理装置
の系統図である。
【符号の説明】
1 破砕機 2 第1のコンベア 3 第2のコンベア 4 投入口 5 スクリューフィーダ 6 熱分解ドラム 6a 熱交換部 7 回転ドラム 8 伝熱管 9 溶融炉 10 排出装置 11 バーナ 12 冷却装置 13 分離装置 14 粉砕機 15 送風機 16 排出口 17 水槽 18 コンテナ 19 粉砕機 21 廃熱ボイラ 22a,22b 集塵機 23 煙突 24 発電機 60,70 シール機構 61,71 注入管 62,72 櫛歯
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 F23G 5/16 ZAB F23G 5/16 ZABE

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転ドラム内に供給された廃棄物を加熱
    空気により間接加熱し、熱分解で生成した乾留ガスと熱
    分解残渣とを排出装置より排出し、前記回転ドラムを含
    む少なくとも一つの回転部と、前記排出装置を含む少な
    くとも一つの固定部との間にシール機構を設けた熱分解
    ドラムにおいて、それぞれのシール機構は、それぞれの
    固定部及びそれぞれの回転部のうちの少なくともいずれ
    か一方に、大気圧と運転圧力との圧力差を保持するよう
    に軸方向に延在する櫛歯を少なくとも一つ形成している
    ことを特徴とする熱分解ドラム。
  2. 【請求項2】 供給された廃棄物を伝熱管を介して加熱
    空気で間接加熱する回転ドラムと、熱分解で生成した乾
    留ガス及び熱分解残渣を排出する排出装置とを備え、前
    記回転ドラムを含む少なくとも一つの回転部と、前記排
    出装置を含む少なくとも一つの固定部との間にシール機
    構を設けた熱分解ドラムにおいて、それぞれのシール機
    構は、それぞれの固定部及びそれぞれの回転部のうちの
    少なくともいずれか一方に、一端側が大気圧へ連通する
    ともに他端側が運転圧力へ連通する少なくとも一つの櫛
    歯を形成し、それぞれの櫛歯は、前記大気圧と前記運転
    圧力との間の圧力差を保持し、かつそれぞれの固定部と
    それぞれの回転部との間の熱膨張差を吸収するものであ
    ることを特徴とする熱分解ドラム。
  3. 【請求項3】 それぞれのシール機構は、それぞれの櫛
    歯のほぼ中間に空気の注入管を連通していることを特徴
    とする請求項1又は2記載の熱分解ドラム。
  4. 【請求項4】 それぞれのシール機構は、それぞれの櫛
    歯のほぼ中間に酸素濃度が5%以下の低酸素ガスの注入
    管を連通していることを特徴とする請求項1又は2記載
    の熱分解ドラム。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか1項記載の熱分
    解ドラムを備え、該熱分解ドラムの排出装置より排出さ
    れた熱分解残渣を燃焼性成分と不燃焼性成分とに分離す
    る分離装置と、熱分解ガス及び前記燃焼性成分を燃焼さ
    せる溶融炉とを備えたことを特徴とする廃棄物処理装
    置。
JP22854196A 1996-08-29 1996-08-29 熱分解ドラム及び該ドラムを備えた廃棄物処理装置 Withdrawn JPH1073219A (ja)

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