JPH1071393A - 連続通水式電解水生成装置の洗浄・殺菌方法及びこの方法を実施する機構を備えた連続通水式電解水生成装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】連続通水式電解水生成装置の水回路を殺菌性の
ある水で洗浄・殺菌する 【解決手段】給水管路からの水を有隔膜電解槽の一方の
排水管路から給水して電極室を逆流させ、吸着浄水器を
迂回させて上流側又は下流側給水管路から他方の電極室
を通して排水する洗浄水回路を開成し、水道水又は電解
生成した次亜塩素酸水で洗浄する。給水管路から排水管
路へ洗浄給水管路を接続し、該排水管路に開閉弁を設け
る。吸着浄水器の上流側からは水を通し、下流側からの
水は吸着浄水器を迂回する流路選択機構を設ける。給水
支管と吸着浄水器の上流側又は下流側給水管路とを切換
弁を介して洗浄時連絡路で結ぶ。吸着浄水器の下流側に
濾過浄水器を設けてもよい。洗浄水回路の濾過浄水器の
上流側と下流側の間に圧力弁を有する迂回路を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は給水管路に浄水器を
介装し、浄化した水を電解してアルカリイオン水と酸性
水に整水する連続通水式電解水生成装置の洗浄・殺菌方
法及びこの方法を実施する機構を備えた連続通水式電解
水生成装置に関する。

【０００２】

【発明の技術背景】水道水等の水を、必要に応じてミネ
ラル等を添加しながら、電解してアルカリイオン水と酸
性水に整水する連続通水式電解水生成装置は、長時間使
用したのちは電解槽及び管路の洗浄・殺菌が必要にな
る。特に、陰極室や電解隔膜にはカルシウムなどの析出
物が付着するため、定期的あるいは不定期に析出物を除
去する必要がある。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】従来からこの種の電解
水生成装置の洗浄は、電解整水操作を止めた状態で給水
管からの水を電解槽に給水する事によって電解槽及び管
路を洗浄していた。しかしながら、この方法は給水管に
吸着浄水器を介装した電解整水装置にあっては吸着浄水
器の吸着材によって塩素が取り除かれた水で洗浄される
ことになるため、充分な殺菌効果を得ることができなか
った。

【０００４】また、カルシウムなどの析出物を除去する
ための洗浄方法としては、通常の電解整水運転を止めて
電解槽の電極極性を逆転する洗浄専用の逆電洗浄方式、
あるいは、通常のアルカリイオン水生成運転中に電極の
極性を一定時間毎に切換える逆電電解方式がある。しか
しながら、前者の洗浄専用の逆電洗浄方式は水を多く消
費するため不経済であり、後者の逆電電解方式は、極性
が逆転してもアルカリ水が常に同じ蛇口から得られるよ
うにするために流路切換バルブやその連動作動機能が必
要になる。

【０００５】さらに問題なのは、これらの方式は、いず
れも、洗浄されるのは電解槽の陰極室とその排水管路だ
けであり、電解水生成装置の水回路全体を洗浄・殺菌す
ることはできなかったことである。特に、給水管路には
一般に濾過材を使用した濾過浄水器が介装されるが、こ
の濾過浄水器は通常、活性炭などの吸着浄水器の下流に
設置され、塩素が除去された水が通るため、雑菌が繁殖
しやすい。従って、この濾過浄水器の濾過材内までの洗
浄・殺菌が切望されるところであるが、これに応え得る
有効手段がなかった。

【０００６】従って、本発明の第１の目的は、給水管路
に浄水器を介装した連続通水式電解水生成装置の水回路
を殺菌性のある水で洗浄・殺菌する方法を提供すること
にあり、特に、濾過浄水器を介装した電解水生成装置に
あっては濾過材を含めて洗浄・殺菌し、また、吸着浄水
器を介装した電解水生成装置にあっては吸着浄水器を迂
回して洗浄・殺菌する連続通水式電解水生成装置の洗浄
・殺菌方法を提供することにある。

【０００７】本発明の第２の目的は、連続通水式電解水
生成装置の洗浄水回路を殺菌力の強い次亜塩素酸殺菌水
で殺菌・洗浄する方法を提供することにある。

【０００８】本発明の第３の目的は、上記の洗浄・殺菌
方法を実施する機構を備えた連続通水式電解水生成装置
を提供することにある。

【０００９】

【課題を解決するための手段】上記第１の目的を達成す
るために、本願請求項１の発明は、陰極室と陽極室を有
する電解槽の給水管路に、吸着浄水器を介装し、吸着浄
水器の浄化材内を通過させた水を二本の給水支管を介し
て電解槽の陰極室と陽極室に独立に給水するとともに、
給水された水をアルカリ水と酸性水に電解して一対の排
水管路から排出する連続通水式電解水生成装置の洗浄・
殺菌方法において、給水管路から供給される水を電解槽
の一方の排水管路から給水して該一方の電極室及びこれ
に通ずる一方の給水支管を逆流させるとともに、前記吸
着浄水器の吸着材を迂回させて上流側の給水管路及び／
又は他方の給水支管から電解槽の他方の電極室を通して
排水する洗浄水回路を開成し、この洗浄水回路に、前記
給水管路から給水した水を通水することを特徴とする。

【００１０】また、上記第１の目的を達成するために、
本願請求項２の発明は、陰極室と陽極室を有する電解槽
の給水管路に、吸着浄水器と濾過浄水器を直列に介装
し、これら両浄水器の通水させた水を二本の給水支管を
介して電解槽の陰極室と陽極室に独立に給水するととも
に、給水された水をアルカリ水と酸性水に電解して一対
の排水管路から排出する連続通水式電解水生成装置の洗
浄・殺菌方法において、給水管路から供給される水を電
解槽の一方の排水管路から給水して該一方の電極室及び
これに通ずる一方の給水支管を逆流させるとともに、前
記濾過浄水器の濾過材内を通過させ、且つ、前記吸着浄
水器の浄化材を迂回させて上流側の給水管路及び／又は
他方の給水支管から電解槽の他方の電極室を通して排水
する洗浄水回路を開成し、この洗浄水回路に、前記給水
管路から給水した水を通水することを特徴とする。

【００１１】上記第２の目的を達成するために、本願請
求項３の発明は、前記洗浄水回路に水を通水する際に、
排水管路側から給水される前記一方の電極室の電極を陽
極にして電解槽を通る水を電解することにより、該陽極
電極室に次亜塩素酸殺菌水を生成し、この次亜塩素酸殺
菌水を前記洗浄水回路に通水することを特徴とする。

【００１２】上記第３の目的を達成するために、本願請
求項４の発明は、陰極室と陽極室を有する電解槽の給水
管路に、吸着浄水器を介装し、該吸着浄水器の浄化材内
を通過させた水を二本の給水支管を介して電解槽の陰極
室と陽極室に独立に給水するとともに、給水された水を
アルカリ水と酸性水に電解して一対の排水管路から排出
する連続通水式電解水生成装置であって、給水管路から
切り換え弁を介して分岐させ、電解槽の一方の排水管路
に接続した洗浄給水管路と；前記一方の排水管路に配設
され、前記洗浄給水管路から供給される水が前記一方の
排水管路からこれに連通する電解槽の電極室に流れるよ
うに規制する開閉弁と；吸着浄水器の上流側から給水さ
れる原水は該吸着浄水器を通し、吸着浄水器下流側から
給水される洗浄水は吸着浄水器上流側の給水管路へ通水
させる流路選択機構と；他方の排水管路に連通する給水
支管と前記吸着浄水器の上流側の給水管路とを切換弁を
介して接続する洗浄時連絡路と；を備え、前記給水管路
の切り換え弁と、前記一方の排水管路の開閉弁と、前記
流路選択機構と、前記洗浄時連絡路の切換弁の流路切り
換えにより、給水管路からの水が、洗浄給水管路を介し
て一方の電極室とその給水支管を逆流し、前記吸着浄水
器の吸着材を迂回して他方の給水支管から電解槽の他方
の電極室を通してその排水管路から排水される洗浄回路
が開成されるようにしたことを特徴とする。

【００１３】また、上記第３の目的を達成するために、
本願請求項５の発明は、陰極室と陽極室を有する電解槽
の給水管路に、吸着浄水器を介装し、該吸着浄水器の浄
化材内を通過させた水を二本の給水支管を介して電解槽
の陰極室と陽極室に独立に給水するとともに、給水され
た水をアルカリ水と酸性水に電解して一対の排水管路か
ら排出する連続通水式電解水生成装置であって、給水管
路から切り換え弁を介して分岐させ、電解槽の一方の排
水管路に接続した洗浄給水管路と；前記一方の排水管路
に配設され、前記洗浄給水管路から供給される水が前記
一方の排水管路からこれに連通する電解槽の電極室に流
れるように規制する開閉弁と；吸着浄水器の上流側から
給水される原水は該吸着浄水器を通し、吸着浄水器の下
流側から給水される洗浄水は吸着浄水器を迂回して浄水
器の上流側給水管路へ通水させる流路選択機構と；いず
れかの給水支管と前記吸着浄水器の下流側の給水管路と
を切換弁を介して接続する洗浄時連絡路と；を備え、前
記給水管路の切換弁と、前記一方の排水管路の開閉弁
と、前記流路選択機構と、前記洗浄時連絡路の切換弁の
流路切り換えにより、給水管路からの水が、洗浄給水管
路を介して一方の電極室とその給水支管を逆流し、前記
吸着浄水器の吸着材を迂回して他方の給水支管から電解
槽の他方の電極室を通してその排水管路から排水される
洗浄水回路が開成されるようにしたことを特徴とする。

【００１４】上記の連続通水式電解水生成装置は、いず
れの場合も、吸着浄水器の流路選択機構の下流側給水管
路に濾過浄水器を介装してもよい。

【００１５】ところで、濾過浄水器を使用する上記の連
続通水式電解水生成装置においては、濾過材の目詰りな
どにより、洗浄時に洗浄水回路の濾過浄水器上流側の水
圧が上昇するとこれに連通する電極室の水圧も上がり電
解隔膜を破損してしまうおそれがある。これを防止する
ため、本願請求項７の発明は、連続通水式電解水生成装
置において、上記洗浄水回路の濾過浄水器の上流側と下
流側の間に濾過浄水器の濾過材を通さない迂回路を設
け、この迂回路に、濾過浄水器の洗浄水給水圧が所定値
を超えると洗浄給水の一部を濾過浄水器の洗浄水回路の
濾過材下流側に逃がす圧力吸収手段を設けたことをさら
に特徴とする。また、この迂回路には開閉弁を設け、通
常の電解水生成運転時は迂回路の開閉弁を閉じ、給水の
全量が確実に濾過浄水器の濾過材を通るようにするのが
一層好ましい。

【００１６】

【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を説明する。連続通水式電解水生成装置１は、
対向配置した一対の電極２、３（図の実施例では陰極２
と陽極３）間を電解用隔膜４で一対の電極室５、６（陰
極室５と陽極室６）に仕切った有隔膜の電解槽７を有
し、電解槽７の給水管路８に活性炭などの吸着材を内蔵
した吸着浄水器９が介装されており、給水管路８から給
水される水道水などの原水が吸着浄水器９の給水口１０
から導入され、内部吸着材を通って排水口１１から排出
されるようになっている。なお、ここで定義する吸着浄
水器９とは吸着機能のみを有するものに限らず、吸着機
能と濾過機能の両機能を備えたもの、加熱により再生あ
るいは殺菌する形式のもの、その他吸着作用により水中
の塩素を除去する機能を備えたものをすべて包含する。

【００１７】吸着通水器９の排水口１１に接続した下流
側の給水管路８’は途中で二本の給水支管８ａ、８ｂに
分岐され、一方の給水支管８ａは電解槽７の一方の電極
室５に通ずる給水口に、また、他方の給水支管８ｂは他
方の電極室６に通ずる給水口に各々独立に接続されてい
る。電解槽７の電極室５、６の出口側にはそれぞれ排水
管路１２、１３が接続されている。

【００１８】かくして、通常の電解水生成時は、図１ａ
に示すように給水管路８から給水される水道水などの原
水は吸着浄水器９で塩素などが除去されて二股の給水支
管８ａ、８ｂから電解槽７の電極室５、６に導入され、
直流電圧の印加によってアルカリイオン水と酸性水に電
解される。そして、電解槽７の陰極室（図では電極室
５）に生成されたアルカリイオン水は一方の排水管路１
２が排出され、陽極室（図では電極室６）に生成された
酸性水は他方の排水管路１３から排出されるようになっ
ている。

【００１９】尚、図の実施例ではアルカリイオン水の排
水管路１２に銀を電解して水中に殺菌用の銀イオンを溶
出する銀電解装置１４を介装してあり、電解したアルカ
リイオン水を銀イオンで殺菌して排出するようにしてあ
る。また、吸着浄水器９の下流側から切換弁１５を介し
て浄水排出管１６が接続されており、切換弁１５の操作
で電解しない浄水が浄水排出管路１６から取水できるよ
うにしてある。図中、１７は減圧弁、１８は水の流れを
検出して電解制御信号などの信号を発信するフロースイ
ッチ、１９、２０は開閉弁である。

【００２０】この種の電解水生成装置１は長期間使用し
ていると水回路が汚れてくる。特に、水道水の塩素が吸
着浄水器９によって除去されてしまうため吸着浄水器９
の下流側水回路は雑菌が繁殖し易い状態にあり、殺菌性
のある水で洗浄する必要がある。

【００２１】そこで、本発明は、給水管路から供給され
る水道水などの水を吸着浄水器９を通さずに、電解槽７
の一方の排水管路から電解槽の一方の電極室及びこれに
連通する一方の給水支管を逆流させるとともに、吸着浄
水器９の下流側給水管路から吸着浄水器９を迂回させて
上流側の給水管及び／又は他方の給水支管から電解槽７
の他方の電極室及び他方の排水管路を通して排水する洗
浄水回路を開成し、この洗浄水回路に塩素を保有する水
道水を通水して水回路を洗浄するようにしたものであ
る。

【００２２】このため、図１ａ及び図１ｂの連続通水式
電解水生成装置１は、給水管路８から切換弁２１を介し
て洗浄給水管路２２を分岐させ、好ましくは、絞り弁２
３、逆止弁２４を介して電解槽７の一方の排水管路１３
に接続するとともに、洗浄給水管路２２を接続した排水
管路１３の接続部下流側に開閉弁２５を介装し、これに
より、切換弁２１を排水管路１３側に開いたときに水道
水などの塩素を含む水が吸着浄水器９を通らずに洗浄給
水管路２２から一方の排水管路１３を通して電解槽７の
電極室６及びその給水支管８ｂへ逆流するようにしてあ
る。

【００２３】また、他方の排水管路１２、すなわち、洗
浄給水管２２を接続した排水管路１３とは逆の排水管路
１２に連通する給水支管８ａと、前記吸着浄水器９の上
流側給水管路８と、の間を洗浄時連絡路２６で接続する
とともに、この洗浄時連絡路２６と給水支管８ａの接続
部に切換弁２７を設け、切換弁２７を洗浄時連絡路２６
側に開くことにより、前記一方の電極室６を逆流した洗
浄水が給水支管８ｂから吸着浄水器９の下流側給水管路
８’を通って上流側給水管路８へ流れ、洗浄時連絡路２
６及び給水支管８ａから電解槽７の他方の電極室５を通
水するようになっている。

【００２４】ところで、吸着浄水器９は上流側給水管路
８側から給水される電解水生成用の原水は吸着材を通し
て塩素を取り除く必要があるが、下流側の給水管路８’
側から給水される洗浄水は塩素を保持したまま洗浄水回
路を流れるようにする必要がある。従って、本発明の連
続通水式電解水生成装置１の水回路には、吸着浄水器９
の上流側から給水される原水は該吸着浄水器９を通し、
下流側から給水される洗浄水は吸着浄水器９を迂回する
流路選択機構を有している。そして、図１ａ及び図１ｂ
の実施例は吸着浄水器９を迂回するバイパス管路２８と
逆止弁２９、２９で流路選択機構を構成している。この
場合、図１ｃに示すように逆止弁２９、２９に代えて三
方弁２９’を用いてもよい。

【００２５】かくして、図１ｂ、図１ｃのように、洗浄
時は、切換弁２１を排水管路１３側に開くとともに開閉
弁２５を閉じ、切換弁２７を給水管路８側に開き、且
つ、給水管路８、８’間の水が吸着浄水器９を迂回する
ようにバイパス管路２８の流路選択機構２９、２９を操
作すると、給水管路８→洗浄給水管路２２→排水管路１
３→電解室６→給水支管８ｂ→給水管路８’→バイパス
管路２８→給水管路８→給水支管８ａ→電極室５→排水
管路１２に至る洗浄水回路が開閉され、この回路に原水
が通水されることにより洗浄水回路全体が塩素の除去さ
れていない水で洗浄される。尚、この場合、排水管路１
２の開閉弁１９を開いておけばアルカリ水蛇口までが洗
浄され、他方、開閉弁１９を閉じ、排水管路１２、１３
の連絡通路３０に設けた開閉弁３１を開くと洗浄排水は
排水口へ流れる。

【００２６】図１ａ、図１ｂの実施例では洗浄給水管路
２２を排水管路１３に接続しているが、排水管路１２に
接続して洗浄することもできる。その場合は洗浄時連絡
路２６及び切換弁２７は前記と逆の給水支管８ｂに接続
する必要がある。

【００２７】図１ａ、図１ｂのように、洗浄時連絡路２
６を吸着浄水器９の上流側給水管路８に接続した場合
は、洗浄時に吸着浄水器９の上流側給水管路８も洗浄す
ることができる。

【００２８】図２ａ、図２ｂは本発明の他の実施例を示
すもので、図１ａ、図１ｂと同じ参照記号は同じ部材を
示している。この実施例は洗浄時連絡路２６をいずれか
の給水支管８ａまたは８ｂから切換弁２７を介して吸着
浄水器９の下流側給水管路８’に接続するとともに、洗
浄時連絡路２６と合流する前の吸着浄水器９の下流側給
水管路８’に前記流路選択機構としての逆止弁３２を設
けてある。このように、洗浄時連絡路２６を吸着浄水器
９の下流側給水管路８’に接続する場合は、洗浄時連絡
路２６及び切換弁２７を接続する給水支管８ａ、８ｂ
は、洗浄給水管路２２が接続される排水管路１２又は１
３の規制をうけず、また、吸着浄水器９の流路選択機構
は吸着浄水器９の下流側給水管路８’に設けた逆止弁３
２だけで足り、図１ａ実施例のようなバイパス管路２８
を必要としない。

【００２９】かくして、図２ａ、図２ｂの実施例は、切
換弁２１、２７、１５を図２ｂのように切換えると、上
流側給水管路８→洗浄給水管路２２→排水管路１３→電
極室５→給水支管８ｂ→洗浄時連絡路２６→下流側給水
管路８’→給水支管８ａ→電極室６→排水管路１２の系
を流れる洗浄水回路が開成され、この洗浄水回路に、吸
着浄水器９を通さない水道水などの原水を通水すること
により、塩素を保存した水で洗浄される。

【００３０】図２ａ、図２ｂの実施例は、吸着浄水器９
の下流側給水管路８’の流路選択機構下流側にミクロフ
ィルタなどの濾過材を使用した濾過浄水器３３が介装さ
れている。図は省略したが図１ａ乃至図１ｃの実施でも
同様の構成で濾過浄水器３３を付加してもよい。濾過浄
水器３３の内部濾過材は塩素を除去させず、また、使用
しているうちに目詰まりをおこす。さらに、吸着浄水器
９の下流側に設けられているため、雑菌が生じ易い環境
にある。従って、本発明の上記構成では洗浄水は濾過浄
水器３３の濾過材を通過してこれを洗浄し、吸着浄水器
９はこれを迂回して塩素が失われるのを防いでいる。

【００３１】上記は洗浄水回路を開成し、塩素を保有し
た水で洗浄水回路を洗浄する場合について説明したが、
本発明はさらに洗浄通水の際に、洗浄給水が逆流する側
の電極室の極性を陽極にして電解することにより陽極室
で次亜塩素酸殺菌水を生成し、この次亜塩素酸殺菌水を
前記洗浄水回路に通すことにより水回路の洗浄・殺菌が
可能になる。このためには、洗浄給水管路２２を陽極室
６の排水管路１３に接続するのが望ましいが、電極極性
を所定時間毎に逆転して電解整水する装置などにあって
は、洗浄電解に連動して、洗浄給水を逆流させる側の電
極室が陽極側になるようにする。その場合の連動手段は
電極の極性交換でも電極室への洗浄水回路の切換えでも
よい。尚、次亜塩素酸水を効率よく生成するために、必
要により、陽極室に給水される水にＮａＣｌなどの塩化
物塩を添加して洗浄時の電解をしてもよい。

【００３２】図３は本願のさらに他の発明（請求項７、
８）の実施例を示すもので、図２ａ、図２ｂと同一の参
照記号は同一の部材を示している。図２ａ、図２ｂのよ
うに、吸着浄水器９の下流側給水管路８’に濾過浄水器
３３を介装した連続通水式電解水生成装置に上記の洗浄
水回路を開成して洗浄しようとすると、給水管路８から
の給水全量が洗浄給水管路２２から一方の電解室５を通
って濾過浄水器３３の給水口に供給されるので、濾過材
３３’の抵抗で電解槽７の前記電解室５側の水圧がアン
バランスに上昇し、電解隔膜４を破損させるおそれがあ
る。

【００３３】そこで、図３の実施例はこの問題を解決す
るために、洗浄時における濾過浄水器３３の洗浄水回路
上流側から下流側間に、濾過浄水器３３の洗浄水回路上
流側管路の水圧抵抗が所定値を超えると給水の一部を内
部濾過材を通さずに濾過浄水器３３の洗浄水回路下流側
へ逃がす圧力吸収手段３５を設けてある。

【００３４】そして、図３実施例は前記圧力吸収手段３
５を形成するために、濾過浄水器３３上流側の管路から
濾過浄水器３３の出口３４に迂回路３６を設け、この迂
回路３６に、所定のばね圧のばね３７で付勢させた逆止
弁３８を介装してある。かくして、図３の実施例では濾
過浄水器３３の濾過材３３’の抵抗によって上流側管路
すなわち、電解槽７の電極室６の水圧が所定の圧力を超
えると、濾過浄水器３３の上流側管路の洗浄水の一部が
濾過材３３’を通らずに迂回路３６を介して濾過浄水器
３３の排水口へ流れ、これにより、電極室６の水圧を吸
収するようにしてある。特に、図の実施例では迂回路３
６を濾過浄水器３３の排水側の補助通水口３９と中空ス
ペース４０を介して出口３４に連通させ、これにより、
雑菌が繁殖し易い排水口３４が洗浄水の全量で洗浄・殺
菌されるようになっている。 尚、洗浄水回路の流路を
変えた場合は、迂回路３６の配管も上記目的が達成され
るように変える必要があることは云うまでもない。

【００３５】尚、通常電解水生成時に原水給水の全量が
濾過浄水器３３の濾過材３３’を通過するようにするた
め、図３のように、迂回路３６に関連する三方弁４１
（または開閉弁）を設け、通常の電解水生成時は迂回路
３６が閉鎖できるようにするのが望ましい。

【００３６】洗浄水回路を開成する際の、各個所の弁は
電動弁を使用し電気的に遠隔操作できるようにするのが
望ましい。

【００３７】

【効果】本発明は塩素が除去されていない水道水で、濾
過浄水器の濾過材内及び電解槽を含む洗浄水回路全体を
洗浄・殺菌することができる。

【００３８】通常電解に使用する電解槽を使用して殺菌
力の強い電解次亜塩素酸殺菌水を生成しながら、洗浄・
殺菌に利用するので効率が著しく向上する。特に、殺菌
の必要性の高いミクロフィルタなどの濾過材や電解槽が
次亜塩素酸殺菌水で殺菌されるとともに、電解槽の陰極
室に酸性の次亜塩素酸殺菌水が通水されるので、析出し
ていたカルシウム等が効率良く溶解され、排出される。

【００３９】本発明の電解水生成装置は、簡単な弁操作
で洗浄水回路を開成し、効率の良い洗浄・殺菌ができる
ので、だれでも容易に操作ができ、電解水生成装置とし
ての付加価値、実用性が高められる。

【００４０】濾過浄水器の濾過材内まで洗浄・殺菌でき
るようになったことにより、濾過材に付着していた不純
物が除去され、その結果、濾過材の寿命が延びるととも
に、電解水生成時のアルカリ水がおいしくなる。

【００４１】洗浄時に濾過浄水器の洗浄回路上流側の過
大な水圧が吸収されるので電解槽の電解隔膜破損が未然
に防止され、しかも、濾過浄水器の排水口に洗浄水の全
量で洗浄・殺菌することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１ａ】 本発明の実施例による連続通水式電解水生
成装置の通常電解時の給排水回路図

【図１ｂ】 図１ａの洗浄水回路開成時の給排水回路図

【図１ｃ】 図１ｂの実施例を示す給排水回路図

【図２ａ】 本発明の他の実施例による連続通水式電解
水生成装置の通常電解時の給排水回路図

【図２ｂ】 図２ａの洗浄水回路開成時の給排水回路図

【図３】 本発明の他の実施例による連続通水式電解水
生成装置の洗浄水回路開成時の給排水回路図

【符号の説明】

１…連続通水式電解水生成装置 ２、３…電極 ４…電解用隔膜 ５、６…電極室 ７…電解槽 ８…給水管路 ８ａ、８ｂ…給水支管 ９…吸着浄水器 １０…吸着浄水器給水口 １１…吸着浄水器排水口 １２、１３…排水管路 １４…銀電解装置 １５…切換弁 １６…浄水排出管路 １７…減圧弁 １８…フロースイッチ １９、２０…開閉弁 ２１…切換弁 ２２…洗浄給水管路 ２３…絞り弁 ２４…逆止弁 ２５…開閉弁 ２６…洗浄時連絡路 ２７…切換弁 ２８…バイパス管路 ２９…逆止弁 ３０…連絡通路 ３１…開閉弁 ３２…逆止弁 ３３…濾過浄水器 ３３’…濾過材 ３４…濾過浄水器出口 ３５…圧力吸収手段 ３６…迂回路 ３７…ばね ３８…逆止弁 ３９…補助通水口 ４０…中空スペース ４１…三方弁。

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【手続補正書】

【提出日】平成９年３月４日

【手続補正１】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】発明の名称

【補正方法】変更

【補正内容】

【発明の名称】連続通水式電解水生成装置の洗浄・殺菌
方法及びこの方法を実施する機構を備えた連続通水式電
解水生成装置

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁶ 識別記号 庁内整理番号 ＦＩ 技術表示箇所 Ｃ０２Ｆ 1/50 ５４０ Ｃ０２Ｆ 1/50 ５５０Ｄ ５５０ ５６０Ｆ ５６０ 1/76 Ａ 1/76 Ｂ０１Ｄ 35/02 Ｚ

Claims (8)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 陰極室と陽極室を有する電解槽の給水管
   路に、吸着浄水器を介装し、吸着浄水器の浄化材内を通
   過させた水を二本の給水支管を介して電解槽の陰極室と
   陽極室に独立に給水するとともに、給水された水をアル
   カリ水と酸性水に電解して一対の排水管路から排出する
   連続通水式電解水生成装置の洗浄・殺菌方法において、
   給水管路から供給される水を電解槽の一方の排水管路か
   ら給水して該一方の電極室及びこれに通ずる一方の給水
   支管を逆流させるとともに、前記吸着浄水器の吸着材を
   迂回させて上流側の給水管路及び／又は他方の給水支管
   から電解槽の他方の電極室を通して排水する洗浄水回路
   を開成し、この洗浄水回路に、前記給水管路から給水し
   た水を通水することを特徴とする連続通水式電解水生成
   装置の洗浄・殺菌方法
2. 【請求項２】 陰極室と陽極室を有する電解槽の給水管
   路に、吸着浄水器と濾過浄水器を直列に介装し、これら
   両浄水器の通水させた水を二本の給水支管を介して電解
   槽の陰極室と陽極室に独立に給水するとともに、給水さ
   れた水をアルカリ水と酸性水に電解して一対の排水管路
   から排出する連続通水式電解水生成装置の洗浄・殺菌方
   法において、給水管路から供給される水を電解槽の一方
   の排水管路から給水して該一方の電極室及びこれに通ず
   る一方の給水支管を逆流させるとともに、前記濾過浄水
   器の濾過材内を通過させ、且つ、前記吸着浄水器の浄化
   材を迂回させて上流側の給水管路及び／又は他方の給水
   支管から電解槽の他方の電極室を通して排水する洗浄水
   回路を開成し、この洗浄水回路に、前記給水管路から給
   水した水を通水することを特徴とする連続通水式電解水
   生成装置の洗浄・殺菌方法
3. 【請求項３】 前記洗浄水回路に水を通水する際に、排
   水管路側から給水される前記一方の電極室の電極を陽極
   にして電解槽を通る水を電解することにより、該陽極電
   極室に次亜塩素酸殺菌水を生成し、この次亜塩素酸殺菌
   水を前記洗浄水回路に通水することを特徴とする請求項
   １又は２記載の連続通水式電解水生成装置の洗浄・殺菌
   方法
4. 【請求項４】 陰極室と陽極室を有する電解槽の給水管
   路に、吸着浄水器を介装し、該吸着浄水器の浄化材内を
   通過させた水を二本の給水支管を介して電解槽の陰極室
   と陽極室に独立に給水するとともに、給水された水をア
   ルカリ水と酸性水に電解して一対の排水管路から排出す
   る連続通水式電解水生成装置であって、給水管路から切
   り換え弁を介して分岐させ、電解槽の一方の排水管路に
   接続した洗浄給水管路と；前記一方の排水管路に配設さ
   れ、前記洗浄給水管路から供給される水が前記一方の排
   水管路からこれに連通する電解槽の電極室に流れるよう
   に規制する開閉弁と；吸着浄水器の上流側から給水され
   る原水は該吸着浄水器を通し、吸着浄水器下流側から給
   水される洗浄水は吸着浄水器上流側の給水管路へ通水さ
   せる流路選択機構と；他方の排水管路に連通する給水支
   管と前記吸着浄水器の上流側の給水管路とを切換弁を介
   して接続する洗浄時連絡路と；を備え、前記給水管路の
   切り換え弁と、前記一方の排水管路の開閉弁と、前記流
   路選択機構と、前記洗浄時連絡路の切換弁の流路切り換
   えにより、給水管路からの水が、洗浄給水管路を介して
   一方の電極室とその給水支管を逆流し、前記吸着浄水器
   の吸着材を迂回して他方の給水支管から電解槽の他方の
   電極室を通してその排水管路から排水される洗浄回路が
   開成されるようにしたことを特徴とする連続通水式電解
   水生成装置
5. 【請求項５】 陰極室と陽極室を有する電解槽の給水管
   路に、吸着浄水器を介装し、該吸着浄水器の浄化材内を
   通過させた水を二本の給水支管を介して電解槽の陰極室
   と陽極室に独立に給水するとともに、給水された水をア
   ルカリ水と酸性水に電解して一対の排水管路から排出す
   る連続通水式電解水生成装置であって、給水管路から切
   り換え弁を介して分岐させ、電解槽の一方の排水管路に
   接続した洗浄給水管路と；前記一方の排水管路に配設さ
   れ、前記洗浄給水管路から供給される水が前記一方の排
   水管路からこれに連通する電解槽の電極室に流れるよう
   に規制する開閉弁と；吸着浄水器の上流側から給水され
   る原水は該吸着浄水器を通し、吸着浄水器の下流側から
   給水される洗浄水は吸着浄水器を迂回して浄水器の上流
   側給水管路へ通水させる流路選択機構と；いずれかの給
   水支管と前記吸着浄水器の下流側の給水管路とを切換弁
   を介して接続する洗浄時連絡路と；を備え、前記給水管
   路の切換弁と、前記一方の排水管路の開閉弁と、前記流
   路選択機構と、前記洗浄時連絡路の切換弁の流路切り換
   えにより、給水管路からの水が、洗浄給水管路を介して
   一方の電極室とその給水支管を逆流し、前記吸着浄水器
   の吸着材を迂回して他方の給水支管から電解槽の他方の
   電極室を通してその排水管路から排水される洗浄水回路
   が開成されるようにしたことを特徴とする連続通水式電
   解水生成装置
6. 【請求項６】 吸着浄水器の流路選択機構の下流側給水
   管路に濾過浄水器を介装したことを特徴とする請求項４
   又は５記載の連続通水式電解水生成装置
7. 【請求項７】 洗浄水回路の濾過浄水器の上流側と下流
   側の間に濾過浄水器の濾過材を通さない迂回路を設け、
   この迂回路に、濾過浄水器の洗浄水給水圧が所定値を超
   えると洗浄給水の一部を濾過浄水器の洗浄水回路の濾過
   材下流側に逃がす圧力弁を設けたことをさらに特徴とす
   る請求項６記載の連続通水式電解水生成装置
8. 【請求項８】 前記迂回路の圧力弁上流側に開閉弁を設
   けたことを特徴とする請求項７記載の連続通水式電解水
   生成装置