JPH1070808A - スパイラルチューブ - Google Patents

スパイラルチューブ

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JPH1070808A
JPH1070808A JP8224751A JP22475196A JPH1070808A JP H1070808 A JPH1070808 A JP H1070808A JP 8224751 A JP8224751 A JP 8224751A JP 22475196 A JP22475196 A JP 22475196A JP H1070808 A JPH1070808 A JP H1070808A
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powder
magnetic material
composite magnetic
cables
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Mitsuharu Sato
光晴 佐藤
栄▲吉▼ ▲吉▼田
Eikichi Yoshida
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Tokin Corp
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Tokin Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 複数本のケーブルを束ねるばかりでなく、ケ
ーブルから発生される不要輻射ノイズを抑制することも
できる、スパイラルチューブを提供する。 【解決手段】 複数本のケーブルを束ねるために使用さ
れるスパイラルチューブ10は、軟磁性体粉末14と有
機結合剤12からなる複合磁性体で構成されている。有
機結合剤12としては、伸縮特性の良好なエラストマー
を使用することが好ましい。また、軟磁性体粉末14
は、実質的に偏平状の粉末であることが好ましい。な
お、スパイラルチューブは、複合磁性体と、この複合磁
性体に積層された導電材料からなる導電体とから構成さ
れた、積層構造を有しても良い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スパイラル形状を
呈するスパイラルチューブに関し、特に、複数本のケー
ブルを束ねるために使用されるスパイラルチューブに関
する。
【0002】
【従来の技術】複数本のケーブル(ビニール被覆電線)
を配線する場合、一般に、それらケーブルはスパイラル
チューブによって束ねられる。
【0003】図3に従来のスパイラルチューブ30を示
す。スパイラルチューブ30は樹脂製で、スパイラル形
状を呈している。従来のスパイラルチューブ30は複数
本のケーブル20を束ねることだけを目的にして使用さ
れる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】複数本のケーブル20
は、電源線や信号線が混在する場合が多い。このように
混在配線すると、クロストークの増大や誘導により、ケ
ーブル20中を流れる電気信号が劣化し、これに伴って
回路が誤動作する場合がある。換言すると、ケーブル2
0からは不要輻射ノイズ40が発生される場合がある。
【0005】従来のスパイラルチューブ30は、前述し
たように、複数本のケーブル20を束ねることだけを目
的としているので、このようなケーブル20から発生す
る不要輻射ノイズ40を抑制することができない。
【0006】したがって、本発明の課題は、複数本のケ
ーブルを束ねるばかりでなく、ケーブルから発生される
不要輻射ノイズを抑制することもできる、スパイラルチ
ューブを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の第1の態様によれば、スパイラル形状を呈
するスパイラルチューブにおいて、軟磁性体粉末と有機
結合剤からなる複合磁性体で構成されることをスパイラ
ルチューブが得られる。
【0008】また、本発明の第2の態様によれば、スパ
イラル形状を呈するスパイラルチューブにおいて、軟磁
性体粉末と有機結合剤からなる複合磁性体と、この複合
磁性体に積層された導電材料からなる導電体とから構成
された、積層構造のスパイラルチューブが得られる。
【0009】上記スパイラルチューブにおいて、軟磁性
体粉末が表面に酸化被膜を有する金属磁性粉末であり、
複合磁性体の表面抵抗が103 Ω以上であることが好ま
しい。また、複合磁性体が、周波数の互いに異なる磁気
共鳴を少なくとも2つ有することが望ましい。
【0010】
【作用】軟磁性体粉末がケーブルから発生した不要輻射
ノイズを吸収する。また、複合磁性体と導電体との積層
構造とすることにより、ケーブルから発生した不要輻射
ノイズを吸収するだけでなく、不要輻射ノイズおよび外
部から侵入する電磁波を遮蔽することもできる。
【0011】
【発明の実施の形態】次に、本発明について図面を参照
して詳細に説明する。
【0012】図1を参照して、本発明の第1の実施の形
態によるスパイラルチューブ10は、スパイラル形状を
呈し、例えば、図3に示すように複数本のケーブル20
(図3)を束ねるために使用される。図示のスパイラル
チューブ10は、有機結合剤12中に軟磁性体粉末14
を混練・分散した複合磁性体から構成されている。有機
結合剤12としては、伸縮特性の良好なエラストマーを
使用することが好ましい。また、軟磁性体粉末14は、
実質的に偏平状の粉末であることが好ましい。
【0013】有機結合剤12としては、ポリエステル系
樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリビニルブチラール樹
脂、ポリウレタン樹脂、セルロール系樹脂、ニトリル−
ブタジエン系ゴム、スチレン−ブタジエン系ゴム等の熱
可塑性樹脂あるいはそれらの重合体等を挙げることがで
きる。
【0014】軟磁性体粉末14としては、高周波透磁率
の大きな鉄アルミ珪素合金(これはセンダスト(商標)
と呼ばれる)、鉄ニッケル合金(パーマロイ)をその代
表的素材として挙げることができる。軟磁性体粉末14
は、微細粉末化され表面部分を酸化して使用される。な
お、軟磁性体粉末14のアスペクト比は十分に大きい
(例えば、おおよそ5:1以上)ことが望ましい。
【0015】このようなスパイラルチューブ10は、押
出し成形法によりチューブ状に押出し成形した後、その
チューブをスパイラル状にカットすることにより作製す
ることができる。すなわち、押出し機(図示せず)を用
いて、軟磁性体粉末14を有機結合剤12中に混練・分
散させた原料を溶融したものをダイ(図示せず)から押
出すことによってチューブ(図示せず)を成形し、その
チューブをスパイラル状にカットする。
【0016】このスパイラルチューブ10は、図3に示
すように、複数本のケーブル20(図3)を束ねるため
に使用される。これにより、ケーブル20から輻射され
た不要輻射ノイズは軟磁性体粉末14によって吸収さ
れ、ケーブル20からの不要輻射ノイズを抑制すること
ができる。また、軟磁性体粉末14の形状を実質的に偏
平状とすることにより、より効率的にケーブル20から
輻射された不要輻射ノイズを吸収、抑制することができ
る。何故なら、軟磁性体粉末14の形状が実質的に偏平
状であると、形状異方性が出現し、高周波領域にて磁気
共鳴に基づく複素透磁率が増大するからである。
【0017】図2を参照すると、本発明の第2の実施の
形態によるスパイラルチューブ10Aは、複合磁性体層
16と、この複合磁性体層16の外壁に積層された導電
材料からなる導電体層18とから構成された、積層構造
を有する。複合磁性体層16は図1に示したスパイラル
チューブ10と同様の構成を有するので、その説明を省
略する。導電体層18は、たとえば、金属メッキにより
形成される。
【0018】このような構成のスパイラルチューブ10
Aは、図1に示したスパイラルチューブ10と同様の電
磁波吸収効果を奏するばかりでなく、導電体層18に基
づく電磁波遮蔽効果をも奏する。すなわち、導電体層1
8は、ケーブル20(図3)から発生した不要輻射ノイ
ズおよび外部から侵入する電磁波を遮蔽する役目を果た
す。
【0019】
【実施例】本発明の実施例に用いた軟磁性体粉末と有機
結合剤を下記の表1に示す。
【0020】
【表1】
【0021】軟磁性体粉末は、酸素分圧20%の窒素−
酸素混合ガス雰囲気中で気相酸化し、表面に酸化被膜が
形成されていることを確認してある。軟磁性体粉末と有
機結合剤とを加熱、混練、加工成形した成形体(複合磁
性体)を得る。この複合磁性体の表面抵抗を測定したと
ころ1×106 Ωであった。
【0022】図4に複合磁性体の透磁率−周波数(μ−
f)特性の測定結果を示す。図4において、横軸は周波
数(MHz)を示し、縦軸は透磁率を示す。周知のよう
に、透磁率μは実数部成分である実数部透磁率μ´と、
虚数部成分である虚数部透磁率μ″とを合成したもので
ある。実数部透磁率μ´と虚数部透磁率μ″との比
(μ″/μ´)は損失係数tanδを表す。虚数部透磁
率μ″は電磁波の吸収に必要な磁気損失項を表し、した
がって、この値が大きい程、より良く電磁波を吸収でき
る。図4において、点線がアニール処理前の複合磁性体
における実数部透磁率μ´および虚数部透磁率μ″の周
波数特性を示し、実線がアニール処理後の複合磁性体に
おける実数部透磁率μ´および虚数部透磁率μ″の周波
数特性を示す。
【0023】図4の点線から明らかなように、アニール
処理前の複合磁性体は虚数部透磁率μ″のピークが異な
る周波数で2つ現れており、磁気共鳴が2ヶ所で起こっ
ていることが伺える。この複合磁性体をアニール処理す
ると、図4の実線で示すように、複合磁性体の虚数部透
磁率μ″が広い範囲で高い値を示し、実数部透磁率μ´
も高い周波数で大きな値を示すようになる。
【0024】本発明者らは、電磁波をより効果的に吸収
するには、複合磁性体の表面抵抗をどの程度にすれば良
いかについて、種々検討した。すなわち、本発明者ら
は、複合磁性体の表面抵抗に対する透過減衰レベルおよ
び結合レベルを測定した。その結果、本発明者らは図5
に示すような関係を得た。図5において、Aは透過減衰
レベル(dB)を、Bは結合レべル(dB)を示す。図
5から、電磁波を外部に透過させず、かつ内部に反射さ
せないためには、複合磁性体の表面抵抗は、103 Ω以
上あれば良いことが分かる。
【0025】〈実施例1〉上記複合磁性体で平均肉厚が
1mmのスパイラルチューブを形成した。
【0026】〈実施例2〉複合磁性体を2層とし、それ
らの間に厚さ10μの銅メッキを施し、3層の積層構造
のスパイラルチューブを得た。得られたスパイラルチュ
ーブのトータルの平均肉厚は1mmあった。
【0027】〈比較例〉比較例として、平均肉厚1mm
のスパイラルチューブ30(図3)に厚さ35μmの銅
泊テーブを巻き付けたものを使用した。
【0028】実施例1、実施例2および比較例を評価す
るために、スパイラルチューブの平均肉厚と同じ厚さ1
mmの評価試料100を使い、図6に示す測定装置によ
って、それぞれの透過減衰レベル及び結合レベルを測定
した。測定装置は、電磁界波源用発振器21と、電磁界
強度測定器(受信用素子)22と、電磁界波源用発振器
21に接続されたループ径2mm以下の電磁界送信用マ
イクロループアンテナ23と、電磁界強度測定器22に
接続されたループ径2mm以下の電磁界受信用マイクロ
ループアンテナ24とから構成される。電磁界強度測定
器22としては、例えば、スペクトラムアナライザを使
用することができ、評価試料100が存在しない状態で
の電磁界強度を基準として測定を行った。
【0029】図6(a)は透過減衰レベル[dB]を測
定装置により測定する評価系を示し、電磁界送信用マイ
クロループアンテナ23と電磁界受信用マイクロループ
アンテナ24との間に評価試料100を位置させた。図
6(b)は結合レベル[dB]を測定装置により測定す
る評価系を示し、評価試料100の一面側に電磁界送信
用マイクロ小ループアンテナ23と電磁界受信用マイク
ロループアンテナ24と対向配置させた。
【0030】図7(a)および図7(b)に、実施例
1、実施例2および比較例に対して、それぞれ、図6
(a)および図6(b)に示した評価系により測定した
透過減衰レベル[dB]および結合レベル[dB]を示
す。図7(a)において、横軸は周波数[GHz]を表
し、縦軸は透過減衰レベル[dB]を表す。図7(b)
において、横軸は周波数[GHz]を表し、縦軸は結合
レベル[dB]を表す。図7(a)および図7(b)に
おいて、実施例1をで、実施例2をで、比較例を
で示してある。
【0031】図7(a)および図7(b)から以下のこ
とが分かる。実施例1では、透過減衰レベルが測定周波
数範囲内で約−7.5[dB]あり、結合レベルが測定
周波数範囲内で約−6[dB]あった。すなわち、実施
例1では、透過減衰レベルおよび結合レベルが共に減少
していることが分かる。また、実施例2では、透過減衰
レベルが測定周波数範囲内で約−34.5[dB]あ
り、実施例1に比較していっそう減少し、電磁波の遮蔽
吸収効果が高まっていることが分かる。一方、実施例2
の結合レベルは測定周波数範囲内で約−0.5[dB]
あり、実施例1ほどではないが、これも減少しているこ
とが分かる。
【0032】これに対して、比較例では、透過減衰レベ
ルが測定周波数範囲内で約−47.5[dB]あり、実
施例1および実施例2に比較して非常に減少している。
しかしながら、比較例の結合レベルは測定周波数範囲内
で約+9.5[dB]もあり、実施例1および実施例2
に比較して非常に高くなっていることが分かる。
【0033】以上のことから、本発明によるスパイラル
チューブは、反射による2次反射ノイズを引き起こすこ
となく、効果的に反射ノイズを除去することが出来るこ
とが分かる。
【0034】以上、本発明についていくつかの実施の形
態を挙げて説明したが、本発明は上述した実施の形態に
限定せず、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変
更が可能なのはいうまでもない。例えば、スパイラルチ
ューブは1本のケーブルに巻き付けて使用しても良い。
【0035】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係るスパ
イラルチューブを、軟磁性体粉末と有機結合剤からなる
複合磁性体で構成したので、ケーブルから発生する不要
輻射ノイズを抑制することができる。また、複合磁性体
と導電体との積層構造とすることにより、ケーブルから
発生した不要輻射ノイズを吸収するだけでなく、不要輻
射ノイズおよび外部から侵入する電磁波を遮蔽すること
もできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態によるスパイラルチ
ューブを示す斜視図である。
【図2】本発明の第2の実施の形態によるスパイラルチ
ューブを示す断面図である。
【図3】従来のスパイラルチューブを複数本のケーブル
を束ねた状態で示す斜視図である。
【図4】本発明の実施の形態に用いた複合磁性体の透磁
率の周波数特性(μ−f特性)曲線を示すグラフであ
る。
【図5】本発明の実施の形態に用いた複合磁性体の表面
抵抗に対する、図6に示す測定装置で測定した透過減衰
レベルおよび結合レベルの関係を示すブラフである。
【図6】本発明の電磁波抑制効果を評価するために使用
される測定装置を示す概略斜視図で、(a)は透過減衰
レベルを測定する場合の評価系を、(b)は結合レベル
を測定する場合の評価系を示す。
【図7】本発明の実施例によるスパイラルチューブにお
ける評価結果を示す図で、(a)は透過減衰レベルを、
(b)は結合レベルを示す。
【符号の説明】
10,10A スパイラルチューブ 12 有機結合剤 14 軟磁性体粉末 16 複合磁性体層 18 導電体層 21 電磁界波源用発振器 22 電磁界強度測定器(スペクトラムアナライザ) 23 電磁界送信用マイクロループアンテナ 24 電磁界受信用マイクロループアンテナ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スパイラル形状を呈するスパイラルチュ
    ーブにおいて、軟磁性体粉末と有機結合剤からなる複合
    磁性体で構成されることを特徴とするスパイラルチュー
    ブ。
  2. 【請求項2】 スパイラル形状を呈するスパイラルチュ
    ーブにおいて、軟磁性体粉末と有機結合剤からなる複合
    磁性体と、該複合磁性体に積層された導電材料からなる
    導電体とから構成された、積層構造のスパイラルチュー
    ブ。
  3. 【請求項3】 前記軟磁性体粉末が表面に酸化被膜を有
    する金属磁性粉末であり、前記複合磁性体の表面抵抗が
    103 Ω以上であることを特徴とする請求項1または2
    記載のスパイラルチューブ。
  4. 【請求項4】 前記複合磁性体が、周波数の互いに異な
    る磁気共鳴を少なくとも2つ有することを特徴とする請
    求項1ないし3のいずれか1つに記載のスパイラルチュ
    ーブ。
JP8224751A 1996-08-26 1996-08-27 スパイラルチューブ Pending JPH1070808A (ja)

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PCT/JP1997/002954 WO1998009297A1 (fr) 1996-08-26 1997-08-26 Tube magnetique composite, son procede de fabrication, et tube de suppression d'interferences electromagnetiques
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