JPH1069657A - 光ディスク装置 - Google Patents

光ディスク装置

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JPH1069657A
JPH1069657A JP9136553A JP13655397A JPH1069657A JP H1069657 A JPH1069657 A JP H1069657A JP 9136553 A JP9136553 A JP 9136553A JP 13655397 A JP13655397 A JP 13655397A JP H1069657 A JPH1069657 A JP H1069657A
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signal
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広通 石橋
Riyuusuke Horibe
隆介 堀邊
Toshiyuki Shimada
敏幸 島田
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光ディスク装置において波形等化フィルタを
用いて再生信号ジッタを最小化しようとした場合、フォ
ーカス位置によって等化量に対するジッタ特性が変わる
など光ディスク特有の以下の課題が発生する。 【解決手段】 ジッタ計測手段6が計測したジッタの量
を用いて、最小値探査手段7がジッタの量を最小とする
ようなフォーカス位置と波形等化量を2元探査する。そ
して探査したフォーカス位置をサーボアンプ4に、波形
等化量を等化フィルタ5に出力することによって制御を
行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光ディスク装置に
関し、特にデジタルビデオディスク(デジタルバーサタ
イルディスク)等の光ディスクに高密度に記録された情
報を、誤り無く再生するための信号等化機能を有する光
ディスク装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、VTRやハードディスク等の磁気
記録の分野においては、記録の高密度化に対する要望が
強く、種々の技術により高密度化が図られている。しか
し記録の高密度化にともない、記録や再生に際しての誤
りが起こる危険性も増大するため、再生信号の信号処理
によって、記録された情報の再生誤りの低減を図る波形
等化処理も、その重要性が増している。図17は、従来
の技術による、かかる信号の波形等化を自動的に行い得
る磁気記録信号再生装置の構成を示すブロック図であ
る。
【0003】図17において、900は磁気記録媒体で
あり、情報が記録されたものである。901は磁気再生
ヘッドであり、磁気記録媒体900に接触させて、そこ
に記録された情報を読みとるものである。902はプリ
アンプであり、ヘッド901が読みとった信号を増幅し
て再生信号HFを出力するものである。903は等化手
段として用いられる可変等化フィルタであり、信号QF
を出力する。等化フィルタ903は後述する最小値探査
手段より出力される制御信号Xによって、その等化の度
合い、つまりどの帯域の信号を相対的にどの程度のゲイ
ンで増幅するか、が決定される。904はジッタ計測手
段であり、信号QFのジッタ量を測定しジッタ検出信号
JTとして出力する。ここで、ジッタとは、再生信号の
情報遷移のタイミングの基準クロックとのずれの平均値
あるいは自乗平均値を言い、上述の再生誤り率と密接に
関連する物理量として制御のための評価値に用いられる
ものである。905は最小値探査手段であり、上記ジッ
タ検出信号JTが最小になるような上記制御信号Xを探
査するものである。
【0004】まず、高密度に記録された情報の再生に際
しての、波形等化の意義について説明する。磁気記録媒
体900には、デジタル情報が高密度記録されていると
する。すなわち、磁気記録媒体上では状態”1”と”
0”との並びによって、デジタル情報が記録され、保持
されている。この”1”と”0”との並びは、基本的に
ランダムなもので、全体的にみれば、適当な変調規則に
則った配列となっているものである。しかし、部分的に
みるならば、情報の如何により、両状態が比較的短い周
期で交代するパターンと、比較的長い周期で交代するパ
ターンとが混在することとなる。このような磁気記録
が、磁気ヘッド固有の識別分解能の限界近くまで高密度
化されたものであるとき、磁気ヘッド901が走査して
再生する場合に、短いパターンを有する部分では、それ
ぞれの状態が互いに干渉を起こす符号間干渉という現象
が起こるため、長いパターンを有する部分より小振幅で
再生される。一般に振幅の大きさはS/Nに直結するた
め、短いパターンを有する部分を再生した場合に、その
再生信号のS/Nが悪くなり、情報が正しく再現できな
いという事態が起こり得る。
【0005】そこで波形等化が必要となる。磁気ヘッド
が一定線速で磁気記録媒体を走査しているとすると、上
記短いマークを再生した信号は高域周波数帯に位置する
ことになる。等化手段として用いられる可変等化フィル
タ903は、再生信号HFの劣化した高域周波数帯のゲ
インを相対的に高くして情報信号を復元し、再生誤り率
を低減する。このことにより符号間干渉によって振幅低
下した分をある程度補償することができる。しかし、ゲ
インを上げすぎるとその効果は低域にも及び全体的に波
形を歪ませる結果となる。これが等化過多の状態であっ
て、かえって再生信号の品質の低下に結びつくこととな
る。このように、波形等化にも適正量があり、適正量の
探査はフィードバック制御により自動的に実行される。
【0006】以下に、上記のように構成された従来の技
術による信号再生装置において、かかる制御を行った等
化処理の動作を説明する。磁気再生ヘッド901は、記
録媒体900より、記録された情報を読み出して、プリ
アンプ902に出力する。プリアンプ902は、ヘッド
901が読み出した信号を増幅し、再生信号HFとして
等化手段903に出力する。等化手段は、制御信号Xに
従って、高域成分のゲインを上げて等化処理を行い、等
化信号QFを出力する。等化信号QFは、再生装置の出
力となるとともに、制御のためにジッタ計測手段904
にも出力される。ジッタ計測手段904は、等化信号Q
Fのジッタを計測して、その結果をジッタ検出信号JT
として最小値探査手段905に出力する。最小値探査手
段905は、ジッタ検出信号JTを評価値として用い
て、これが最小になるように等化量を探査する。このよ
うな、最適等化量を探査する方法としては、例えば制御
信号Xを微小量変動させて等化量を微小量増減させ、そ
のときの再生信号ジッタの増減を調べ、ジッタが減る方
向に向けて制御信号を変動させることにより、等化量を
増減する方法を用いることができる。従来の技術によ
る、磁気記録信号再生装置では、このようにして最適な
波形等化量が自動的に決定され、高密度の磁気記録媒体
から、低い誤り率を保って情報を再生することが可能と
なる(例えば特公平6−9340)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】大容量の記録媒体とし
て普及してきている光ディスク媒体においても、DVD
登場に象徴されるように、記録の高密度化の傾向が顕著
であり、従って波形等化の技術の重要性も大きなものと
なる。しかし、かかる波形等化の制御にあたり、上記の
例のような、磁気記録媒体の場合に用いられる従来の技
術による等化量の制御をそのまま光ディスク装置に応用
した場合、必ずしも真に最適な値に収束しない場合があ
ることが我々の最近の研究により判明した。これについ
て簡単に説明する。
【0008】磁気ディスクあるいはテープのような磁気
記録媒体の読み出しでは、ヘッドがこれらの記録媒体に
接触した、あるいは接触に近い状態に保たれるのに対し
て、光ディスク装置では、光ヘッドを移動させて、その
収束レーザー光の焦点を光ディスクの記録面に正しく位
置させるフォーカス(焦点)制御を実行させて、初めて
記録媒体からの情報の再生が可能になる。従って、ヘッ
ドの移動について媒体面の走査及びトラッキングと、フ
ォーカシングとがあるものであり、走査及びトラッキン
グのみの磁気記録媒体の場合と比較して、ヘッド位置の
制御が複雑になり、さらに等化処理における制御にも影
響を及ぼすこととなる。
【0009】フォーカス制御にオフセットがある、すな
わち焦点から多少ずれたところが記録媒体を照射し、い
わゆる”ピンボケ”状態になった場合、ヘッドの識別分
解能は低下して、再生信号の高域成分の振幅がさらに低
下することになる。ここで、従来技術による制御を応用
して、オフセットのままでともかくジッタが最小になる
よう等化量を設定することはできるが、そうした場合、
後にフォーカスが合ったとき、その等化量では等化過多
となって逆にジッタが増加するといった現象が生じる。
【0010】このような現象は、一旦オフセットしたフ
ォーカス位置がもとに戻る、すなわち負方向にオフセッ
トする場合に起こり得る。すなわち、ヘッドがレーザー
熱で膨張することによるフォーカスオフセットの発生が
予期できるような場合、レーザー点灯後しばらくの後に
オフセットが無くなるように、予め正方向へオフセット
するように調整しておいた場合などがこれに該当する。
【0011】さらに、従来の技術の応用により等化量が
決定され、ジッタ最小となるフォーカスポイントがオフ
セット状態にあるようになった場合、これ以後ジッタを
参照しながら最適フォーカス位置を探査したい場合に支
障がある。すなわち、完全フォーカス状態では過補償と
なるのでジッタが増えるから、フォーカス最適状態には
なかなか収束せず、フォーカス制御が困難となる。
【0012】そして、光ディスク媒体の特質に絡む他の
課題がさらに存在する。まず、CD(コンパクトディス
ク)やビデオディスクの使用状態においては、光ディス
クは表面をむき出しにした状態で用いられることが多
い。従って、表面に傷がつきやすい。この傷により再生
信号ジッタは大きく乱されるから、傷の影響によって、
ジッタ最小化探査の精度が低下するという問題点につな
がる。
【0013】また、フォーカス制御は完全なものではな
く、外乱・衝撃によって容易にフォーカスずれが発生す
る。例えば、通常再生時において調整が十分されていた
としても、光ヘッドを光ディスク上のあるトラックから
他のトラックへジャンプさせた場合そのときの衝撃でフ
ォーカスがずれ、ジッタが瞬間的に悪化することがあ
る。このようなとき正しくアドレスが再生できないこと
になり、ジャンプ先が認識できずにトラックジャンプを
幾度となく繰り返すような事態が発生する。
【0014】本発明は上記課題に鑑みてなされたもので
あり、フォーカス制御と波形等化処理の制御とを精度良
く実行することが可能な光ディスク装置を提供すること
を目的とする。また、本発明は、ジッタ量を評価値とし
た制御を行うにあたり、光ディスク媒体上の傷の影響を
低減することが可能な光ディスク装置を提供することを
目的とする。また、本発明は、トラックジャンプ等のフ
ォーカスの乱れが生じるような場合にも、フォーカス制
御と波形等化処理の制御とを精度良く実行することが可
能な光ディスク装置を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1にかかる光ディスク装置は、光ディスク媒
体に記録された情報を、光ヘッドを用いて読み出し、再
生信号を生成する光ディスク装置であって、上記光ヘッ
ドが発する光束の焦点を、上記光ディスク媒体における
情報の記録面近傍の位置として設定される焦点位置に制
御する焦点位置制御手段と、上記光ヘッドが生成する再
生信号に対して、設定された等化量を用いて波形等化処
理を行い、等化信号を出力する等化手段と、上記等化手
段の出力する等化信号に対して、そのジッタを計測する
ジッタ計測手段と、上記ジッタの量が最小となる、上記
焦点位置と、上記等化量とを探査する最適値探査手段と
を備えたものである。
【0016】また、請求項2にかかる光ディスク装置
は、請求項1の装置において、上記最適値探査手段は、
上記焦点位置と、上記等化量とを2元的に変化させるこ
とにより、上記計測するジッタの量が最小となるような
焦点位置と等化量とを探査する2元探査手段であるもの
である。
【0017】また、請求項3にかかる光ディスク装置
は、請求項2の装置において、上記2元探査手段は、上
記焦点位置、及び上記等化量に対する上記ジッタの微分
値を求める微分演算手段と、上記微分演算手段が求めた
微分値に基づいて、2次元ベクトルを取得するベクトル
演算手段と、上記ベクトル演算手段が取得した2次元ベ
クトルの方向に、上記焦点位置、及び上記等化量を新た
に設定する焦点位置・等化量設定手段とを内包し、上記
微分演算手段による微分値の取得と、上記ベクトル演算
手段によるベクトルの取得と、上記焦点位置・等化量設
定手段による焦点位置、及び等化量の設定とをくりかえ
すことによって、上記2元探査を実行するものである。
【0018】また、請求項4にかかる光ディスク装置
は、請求項2の装置において、上記2元探査手段は、焦
点位置を設定して、上記設定した焦点位置において、上
記ジッタの量が最小となる等化量を探査するジッタ最小
値探査手段と、上記ジッタ最小値探査手段により得られ
た等化量に基づいて、当該等化量よりも等化不足となる
等化量を求めて設定する等化不足化手段と、上記等化不
足化手段において設定された等化量において、上記ジッ
タの量が最小となる焦点位置を探査する焦点位置探査手
段とを内包し、上記最小値探査手段による等化量の探査
と、上記等化不足化手段による等化量の設定と、上記焦
点位置探査手段による焦点位置の探査とを繰り返すこと
により、上記2次元探査を行うものである。
【0019】また、請求項5にかかる光ディスク装置
は、請求項3または4の装置において、上記2元探査手
段は、等化不足状態を初期値として設定する初期値設定
手段を内包するものである。
【0020】また、請求項6にかかる光ディスク装置
は、請求項1の装置において、上記光ヘッドが生成する
再生信号に対して、その振幅を計測する振幅計測手段を
さらに備え、上記最適値探査手段は、上記等化量を変化
させることにより、上記ジッタの量が最小となるような
等化量を探査するジッタ最小値探査手段と、上記焦点位
置を変化させることにより、上記振幅が最大となるよう
な焦点位置を探査する振幅最大値探査手段とから構成さ
れるものである。
【0021】また、請求項7にかかる光ディスク装置
は、請求項1の装置において、上記焦点位置を、上記光
ディスク媒体において、同一周のトラック上に設定する
ように制御するトラッキング制御手段と、上記同一周の
トラック1周分の、上記ジッタの量の平均値を演算する
ジッタ平均取得手段とをさらに備えたものである。
【0022】また、請求項8にかかる光ディスク装置
は、請求項7の装置において、上記光ディスク媒体にお
いて、傷を検出する傷検出手段と、上記傷検出手段が、
傷を検出した場合に、上記ジッタ平均取得手段による演
算を停止させる演算制御手段とをさらに備えたものであ
る。
【0023】また、請求項9にかかる光ディスク装置
は、請求項8の装置において、上記傷検出手段は、再生
信号のジッタとしきい値との比較により傷を検出するも
のである。
【0024】また、請求項10にかかる光ディスク装置
は、請求項1の装置において、上記光ヘッドを上記光デ
ィスク媒体の半径方向に移送する移送手段と、上記最適
値探査手段による探査の実行の前に、上記光ヘッドを移
送可能な最内周に位置させるように上記移送手段を制御
する、移送制御手段とをさらに備えたものである。
【0025】また、請求項11にかかる光ディスク装置
は、請求項10の装置において、上記光ディスク媒体
は、その内周部に突起を設けたものである。
【0026】また、請求項12にかかる光ディスク装置
は、請求項1の装置において、上記等化手段が用いる等
化量として、上記最適値探査手段による探査によって得
られた値と、等化過多となるようにあらかじめ設定され
た値とを切り替えて出力する等化量切り替え手段をさら
に備えたものである。
【0027】また、請求項13にかかる光ディスク装置
は、請求項12の装置において、上記等化量切り替え手
段は、上記光ディスク媒体上での上記光ヘッドのトラッ
クジャンプがあった場合は、上記あらかじめ設定された
量を用い、上記トラックジャンプがない場合は、上記最
適値探査手段によって探査された等化量を用いるよう切
り替えるものである。
【0028】また、請求項14にかかる光ディスク装置
は、請求項13の装置において、上記最適値探査手段
は、上記トラックジャンプがあった場合は、上記探査を
しないものである。
【0029】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.本発明の実施の形態1による光ディスク
装置は、最急勾配法を用いることにより、焦点位置と等
化量との双方について、精度良くジッタ最小点を探査す
るものである。図1は本発明の実施の形態1による光デ
ィスク装置の構成を示すブロック図である。図において
1は光ディスク(光ディスク媒体)であり、情報が記録
されたものである。2は光ヘッドであり、光ディスク1
に記録された情報を読みとるものである。3はプリアン
プであり、光ヘッド2が読みとった信号を増幅して再生
信号HFを出力するものである。プリアンプ3からは、
再生情報信号HFとともに、フォーカス誤差信号FEが
生成される。4はサーボアンプであり、光ヘッド2のフ
ォーカス位置を制御する。5は等化手段として用いられ
る等化フィルタであり、再生情報信号HFに対して、カ
ットオフ周波数Fcに応じた波形等化を施し等化信号Q
Fを出力する。6はジッタ計測手段であり、等化信号Q
Fのジッタを計測しその値をジッタ検出信号JTとして
出力する。7は最小値探査手段であり、ジッタ検出信号
JTが最小になるようにフォーカス位置補償信号ΔF
E、およびカットオフ周波数Fcを相関的に変化させる
ものである。8は加算器であり、プリアンプ3から出力
されるフォーカス誤差信号と、最小値探査手段7から出
力されるフォーカス位置補償信号とを加算処理して、そ
の結果をサーボアンプ4に出力する。10はスピンドル
モータであり、光ディスク1を回転させる。
【0030】このように構成された、本実施の形態1に
よる光ディスク装置の、フォーカス位置、及び波形等化
制御の際の動作を以下に説明する。光ヘッド2は、後述
するサーボアンプ4からの制御信号を、フォーカスアク
チュエータに入力されることにより、フォーカス位置を
定め、レーザー光を光ディスク1の記録面上に収束させ
て、記録された情報を読みとり、その結果をプリアンプ
3に出力する。プリアンプ3は、光ヘッド2から出力さ
れた信号を増幅して、再生情報信号HFを等化フィルタ
5に出力する。
【0031】等化フィルタ5は、後述する最小値探査手
段7より入力されるカットオフ周波数Fcに応じて等化
処理を行い、等化信号QFを出力する。等化信号QF
は、再生装置の出力となるとともに、制御のためにジッ
タ計測手段6にも出力される。ジッタ計測手段6は、等
化信号QFのジッタを計測して、その結果をジッタ検出
信号JTとして最小値探査手段7に出力する。
【0032】最小値探査手段7は、後述する最急勾配法
により、ジッタ検出信号JTとして得られるジッタの量
を最小とするような、焦点位置と等化量とを探査し、そ
の探査により得られた焦点位置に基づいてフォーカス補
償信号ΔFEを加算器8に出力し、又得られた等化量に
基づいて、カットオフ周波数Fcを等化フィルタ5に出
力する。等化フィルタ5では、カットオフ周波数Fcが
等化処理に用いられることにより、波形等化の制御が行
われる。一方、加算器8においては、プリアンプ3より
出力されたフォーカス誤差信号FEに対して補償信号Δ
FEが加算され、加算結果は、サーボアンプ4を介して
光ヘッド2のフォーカスアクチュエータにフィードバッ
クされ、フォーカス位置制御が実行される。
【0033】ここで、等化フィルタ5の特性について、
図2を用いて説明する。等化フィルタ5は、例えばトラ
ンスバーサル型フィルタを用いることができるが、他
に、ベッセル型、等リップル型などを用いても良い。い
ずれにしても、その特性が図2に示すように特定のカッ
トオフ周波数Fcにおいて相対ゲインGを持つものであ
り、かつ、カットオフ周波数、又は相対ゲインの何れか
が、入力される制御信号に対応して可変であるものであ
れば良い。本実施の形態1による光ディスク装置では、
等化フィルタ5は、カットオフ周波数Fcを変化させる
ものであるとする。この場合カットオフ周波数Fcを下
げることにより(Fc→Fc−ΔFc)再生情報信号H
F信号の高域部のゲインを上げられるものであるから、
これはすなわち等化量を大きくしたことになる。逆に、
カットオフ周波数を上げることにより(Fc→Fc+Δ
Fc)等化量が小さくなり、このようにカットオフ周波
数を制御することで等化量を制御することができる。
【0034】次に、最小値探査手段7による探査方法の
説明のために、等化量(カットオフ周波数)の設定と、
該設定に対応する典型的な対フォーカス・ジッタ特性に
ついて、図3、および図4を用いて説明する。まず図3
(a) において、カットオフ周波数Fc0において、最適
に等化された場合、フォーカスずれが無い点であるジャ
ストフォーカス点FE0においてジッタが最小となる。
これよりカットオフ周波数が低くなっても(→Fc0−
ΔFc:等化過多)、高くなっても(→Fc0+ΔF
c:等化不足)ジッタは増加する。特にカットオフ周波
数が低く等化過多となる場合の対フォーカス・ジッタ特
性は、図3(a) に示されるような非対称になる、このよ
うな場合には、フォーカス誤差が無い状態(FE0)で
ジッタ最小にならず、多少オフセットしたところがジッ
タ最小になる。また、図4に示すように、過補償時(等
化過多)、フォーカス点を中心に両側にジッタ極小点が
出る場合がある。図3と図4に示す特性の違いは光ヘッ
ド固有の収差(球面収差、コマ収差、非点収差など)に
大きく起因していると考えられる。いずれにせよ、等化
過多は、いうなれば、より再生条件の悪い信号に対して
最適となっているはずであって、これを考慮すればフォ
ーカスがずれた方がよりジッタが小さくなることもあり
得ることと言える。
【0035】カットオフ周波数、フォーカス位置、及び
ジッタについて、以上のような関係があることにより問
題となるのは、評価値であるジッタが最小(極小)にな
るようにフォーカス位置調整しようとした場合、真のフ
ォーカス点が探査できないことにつながる点が挙げられ
る。また、これとは逆に、フォーカスオフセットがある
状態において、ジッタ最小になるように等化フィルタ5
のカットオフ周波数を調整しても、過補償状態(Fc0
−ΔFc)に収束してしまう場合もある。従って、等化
フィルタ、及びフォーカスはいずれも独立して調整する
ことは望ましくなく、両者を関連付けながら調整しなけ
ればならない。すなわち、等化フィルタについてのカッ
トオフ周波数と、フォーカス調整についてのフォーカス
位置とを2元的に同時に考慮する必要がある。図3(b)
はこのような関係を示す図である。図3(b) に示すカッ
トオフ周波数Fcを横軸に、フォーカスを縦軸にジッタ
を濃淡表示した等高線マップを示す。図においては、濃
い方がジッタが小さいことを示すものである。図3(a)
のグラフは、この等高線マップから得られる等化フィル
タカットオフ周波数がFc0−ΔFc、Fc0、Fc0
+ΔFcにおける断面図をプロットしたものに他ならな
い。この等高線マップより、ジッタ最小点は、特定の等
化フィルタカットオフ周波数Fc0とフォーカス位置F
E0の交点にただ一つ存在することが分る。従って、再
生信号ジッタを最小化するためにはこの組み合わせを2
元探査することが必要である。
【0036】最小値探査手段7はこの2元探査を実行す
るものであって、例えば本実施の形態1による光ディス
ク装置においては、マイクロプロセッサーで構成される
ことにより、多少複雑な探査方法をもプログラミングに
より簡単に実現することができる。本実施の形態1で
は、最小値探査手段7は、最急勾配法により探査を行う
ものである。
【0037】図5は、最急勾配法を説明するための図で
ある。ここで簡単化のため、等化フィルタカットオフ周
波数Fcをx、フォーカス位置(フォーカス誤差信号F
Eで表記できるものとする)をy、ジッタJTをzとす
る。図5における等高線の垂線の方向ベクトルGは G=(∂z/∂x、∂z/∂y) (1) であらわすことができる。(1)を具体的に求めるには
x(カットオフ周波数Fc)、y(フォーカス位置F
E)をそれぞれ独立に微小量動かし、そのときのジッタ
の変化量を一時記憶しそれぞれの微小量で除するように
すれば良い。そしてその後、現在位置する(x、y)の
位置を、ベクトルΔVすなわち ΔV=(−ε・∂z/∂x、−ε・∂z/∂y) (2) だけ離れた新座標(x’、y’)に移動させる。ここで
εは定数であり、例えば実験的に求めておく等して、予
め設定しておくことができる。それから、次の2つの式
に従って新座標を求める。 x’=x−ε・∂z/∂x (3) y’=y−ε・∂z/∂y (4) この新座標の決定は、具体的には、x’を等化フィルタ
カットオフ周波数Fxの新たな値として、y’をフォー
カス位置補償量(FE+ΔFE)として、それぞれ等化
フィルタ5、加算器8に供給することとなる。
【0038】そして、(3)、及び(4)で求めた新座
標(x’y’)を新たに(x、y)として(1)、及び
(2)でベクトルを求め、(3)、(4)でさらに新座
標を求めることを繰り返せば、図5に示すように(x、
y)は、等高線と垂直な軌跡を描きながらジッタ最小と
なる点へ収束する。従って、探査の結果、上記2元変数
x、yはジッタが最小となる等化フィルタカットオフ周
波数FC0と(フォーカス誤差信号FE0で表記でき
る)フォーカス位置として得られる。
【0039】このように、本実施の形態1による光ディ
スク装置では、最急勾配法を用いて、ジッタが最小とな
るような等化フィルタカットオフ周波数と、フォーカス
位置とを求める最小値探査手段7を備えたことで、波形
等化処理の制御と、フォーカス位置の制御とを精度良く
行うことが可能となる。
【0040】なお、最小値探査手段の用いる最急勾配法
式の演算式として、上記のものを示したが、(2)〜
(4)において記述したアルゴリズムは一例であり、実
用上はさまざまな変形が考えられる。例えば、式(2)
において一度に2次元ベクトルを求めたが、x(F
c)、y(FE)を交互に微少変化させ交互に式
(3)、(4)を実行させながら探査を進めるものであ
ってもよい。
【0041】実施の形態2.本発明の実施の形態2によ
る光ディスク装置は、2次元ジッタ特性を利用した簡易
探査方法を用いることにより、焦点位置と等化量との双
方について、精度良くジッタ最小点を探査するものであ
る。本発明の実施の形態2による光ディスク装置は実施
の形態1による装置と同様に構成され、説明には図1を
用いる。そして、本実施の形態2による光ディスク装置
の動作についても、最小値探査手段7の用いる探査方法
が異なる点を除き、実施の形態1のものと同様となる。
【0042】以下に、本実施の形態2による装置で用い
る2元探査の簡易的方法について図6、図7を用いて説
明する。以下説明する方法は、図3(b) で示した等高線
マップの特徴を利用したものであって、図7に示すT1
〜T4の経路に沿った探査を行うものである。まず、初
期値として、等化フィルタカットオフ周波数として十分
高い値を設定する(T0)。これは即ち、等化量を十分
小さい値にしておくことであり、後述するように探査を
簡単にするために行う。
【0043】そして、T1の処理では、等化フィルタカ
ットオフ周波数を低い方に適量シフトさせて、等化量を
増加させ、ジッタの変化を調べる。初期値としては、カ
ットオフ周波数Fcを十分高い設定値としてあったの
で、そこから徐々に下げて行くとそれに応じて等化量が
増すからジッタは低減する。探査が進み、ジッタが底打
ち状態となって、次に増加し始めると変化率Gxは正に
転ずる。ここで、第1段階における等化フィルタカット
オフ周波数については、ジッタ極小状態となる最適値を
求めたことになる。このとき、たまたまフォーカスが合
っておれば最適Fcが探査されたことになるが、先述の
ように過補償状態になっている可能性もある。従って、
次にT2、及びT3の処理を行い、第2段階としてフォ
ーカス最適値を探査する。
【0044】本実施の形態2による光ディスク装置で用
いる探査方法では、T2において、若干補償不足となる
ように、フィルタカットオフ周波数をシフトさせるとい
う処理を行う。これは、図3(a) に示すように、対フォ
ーカス・ジッタ特性については、等化フィルタが最適ま
たは補償不足状態においてのみ対称になる性質があるの
で、対フォーカス・ジッタ特性の対称性を得ることによ
り、探査の精度の向上を図るためである。そして、T3
の処理ではジッタ最小となるフォーカス最適値を探査す
る。
【0045】第3段階では、T4の処理として、フォー
カス位置を第2段階で求めたフォーカス最適値として、
再びジッタ最小となる等化フィルタカットオフ周波数の
探査を行う。この第3段階においては、第1段階から第
2段階に移行する際の等化不足となる等化フィルタカッ
トオフ周波数を初期値とした探査を行う。
【0046】図6は、最小値探査手段7による、この探
査方法のアルゴリズムを示すフローチャート図である。
ステップ1〜4は第1段階であって、等化フィルタカッ
トオフ周波数の最適値近辺を探査する。ステップ5〜7
は第2段階であって、フォーカス最適値を探査する。ス
テップ8〜9は第3段階であって、再び等化フィルタカ
ットオフ周波数の最適値を求める。以下に図6のフロー
に従って、本実施の形態2による光ディスク装置の最小
値探査手段7における、探査の際の動作を説明する。
【0047】まず、ステップ1において、等化フィルタ
カットオフ周波数Fc(変数x)、およびフォーカス誤
差信号FEで表記できるフォーカス位置(変数y)の初
期設定を行う。フィルタカットオフ周波数は十分高い値
にしておくと、Fc探査の方向が確定するので、傾斜ベ
クトルを求める必要がなく、実施の形態1に示した最急
勾配法よりも演算処理を簡略化することができる。一
方、フォーカス位置の初期値としては、信号が再生可能
な程度に設定された値を用いて良いが、後述するように
再生信号振幅やトラッキングエラー信号等を参照して粗
調整を行っても良い。いずれの初期値も、実験やシミュ
レーション等により、あらかじめ算定して設定しておく
ことができる。
【0048】まず、ステップ2が実行されると、等化フ
ィルタカットオフ周波数すなわち変数xの変化量として
設定された、Δxを用いて、変数xを低い側へシフトさ
せ(x−Δx)、その時のジッタJTの変化分(z
(x,y)−z(x−Δx,y))を測定する。そし
て、得られたジッタの変化分をΔxで除して変化率Gx
を演算して、その正負を判定する。初期値としてxは十
分高い値が設定されているので、Gxは負の値となり、
ステップ3の後にステップ2が実行される。従って、ス
テップ2で正の値と判定されるまで、変数xの値はΔx
ずつ増加される。
【0049】これは、上記のT1の探査であり、カット
オフ周波数Fcを十分高い設定値から徐々に下げて等化
量を増加させると、それに応じてジッタは低減する。し
たがって探査の当初はGxは常に負であるが、探査が進
み、ジッタが底打って増加し始めると変化率Gxは正に
転ずる。ここで、ステップ4が実行される。ステップ4
は上記のT2の処理であり、T1の段階で得られたジッ
タ極小となるxをkΔxだけ増加させ、若干補償不足の
状態とする処理である。先述のように、対フォーカス・
ジッタ特性の非対称性を改善して、次のフォーカス探査
が精度良く行えるようにするための処理である。
【0050】ここで、対称性と探査方法との関係につい
て説明する。実施の形態1で用いた最急勾配法において
は、(2)式に示したような微分ベクトルを求める必要
があるが、これを精度良く求めるためには分母∂y(フ
ォーカスオフセットの差)が小さくなけばならないが、
その結果、分子∂z(測定ジッタの差)がノイズに対し
て小さくなり、結局精度良くベクトルが検出できないと
いった問題点が生じる。一方、本実施の形態2による探
査方法においては、図6のフローにおけるステップ5〜
6において、微分を行うのではなく、単にフォーカスオ
フセットを正負に変化させたときのジッタの差を求める
だけである。ここでは対フォーカス・ジッタ特性が対称
であることを前提としているので、フォーカスを±Δy
変更させてジッタが等しいということは、±0のポイン
トではジッタが最小値であることを意味する。したがっ
てこのときのΔyは微分における∂yのように微小量で
ある必要は無く、むしろδに対して十分大きい方が精度
的に有利となる。
【0051】ステップ5では、フォーカスである変数y
を±Δy変移させ、そのときのジッタの変化の差分Gy
(=z(x,y+Δy)−z(x,y−Δy))を演算
する。ステップ6では、差分Gyの絶対値がδ以下にな
ったか否かを判断する。このことは、フォーカスをそれ
ぞれ反対方向に等量オフセットさせたときのジッタがδ
以下の誤差で一致したか否かを判断することである。ス
テップ6の判断において、δ以下でない場合は、変数y
の値をy−ε・Gy(ε:定数)に変更することによ
り、フォーカスオフセットの中心値をε・Gyだけ補償
して、ステップ5〜6の処理を繰り返す。ステップ6で
δ以下と判断されるまで、ステップ5〜7が繰り返さ
れ、ステップ6でδ以下と判断されたとき、上記のT3
が終わり、ステップ8が実行される。
【0052】ステップ8〜9は上記のT4であり、ステ
ップ2〜3と同様の処理である。すなわち、ステップ4
(T2)で若干補償不足気味に設定したカットオフ周波
数Fc(x)を初期値として用いて、再度ジッタ最小と
なる値を探査する。ステップ8において正の値となれば
探査終了となる。以上の手順において、等化フィルタカ
ットオフ周波数、及びフォーカス位置の変化分Δx、及
びΔy、定数k、及びεについては、x、及びyの初期
値と同様に、実験やシミュレーション等により、あらか
じめ算定して設定しておくことができる。
【0053】このように、本実施の形態2による光ディ
スク装置では、等化フィルタが最適または補償不足状態
においてのみ対フォーカス・ジッタ特性が対称になる性
質を利用した探査法を用いて、ジッタが最小となるよう
な等化フィルタカットオフ周波数と、フォーカス位置と
を求める最小値探査手段7を備えたことで、波形等化処
理の制御と、フォーカス位置の制御とを精度良く行うこ
とが可能となる。
【0054】実施の形態1で示した最急勾配法を適用し
た場合、精度良くしかも理論的には高速に2元探査を実
行できるが、これは(1)で示される微分演算が高速・
高精度に実行できることを前提としたものである。しか
し実際には、2次元の偏微分を演算するためには近接し
た3点の測定が少なくとも必要であり、測定時間、精度
の点で実用上の問題が発生することがある。
【0055】なお、フォーカスオフセットの初期値につ
いて、ある程度焦点制御がなされた状態にしておいたほ
うが、以降の探査の収束が早くなり、処理の高速化を図
れる。そのためには、ジッタがほぼ最小になるようにフ
ォーカスオフセットを粗調整しておいても良いが、かか
る方法によったのではフォーカス・ジッタ特性について
の対称性が保証されていないこととなるので、再生情報
信号の振幅や、トラッキングエラー信号の振幅等を評価
値として用いて、これら振幅が最大になるようにフォー
カスを調整する方法も採用できる。このような他の評価
値を用いる方法については、実施の形態3において説明
する。
【0056】また、等化フィルタカットオフ周波数Fc
の初期値として、最適周波数以上であり、かつ最適周波
数の近傍存在する値に設定できるならば、ステップ1〜
4による処理は不要となる。従って、実験やシミュレー
ション等によりかかる値を設定し、これを初期値として
用いることによればさらに処理負担を軽減し、処理の高
速化を図ることが可能となる。しかし、実際には光ディ
スク媒体は交換媒体であり、成形条件の差によって特性
が大きく異なることが予期され、適度な学習無しに最適
値に近い初期値を設定することは困難であると考えられ
るため、上記のような設定した初期値を用いる方法によ
ることは、若干の精度の低下を伴う可能性がある。ま
た、初期値が極端に補償不足状態であるときにフォーカ
スオフセット最適化を行った場合、再生情報信号のS/
Nが大きく低下するので、十分な精度が確保できない可
能性もあるため、適切な設定を行うことが望ましい。
【0057】実施の形態3.本発明の実施の形態3によ
る光ディスク装置は、フォーカス位置探査については評
価値として再生信号あるいはトラッキング誤差信号の振
幅を利用することにより、フォーカス位置探査と等化量
探査とを独立に実行するものである。図8は本発明の実
施の形態3による光ディスク装置の構成を示すブロック
図である。図8において、9は振幅計測手段であり、プ
リアンプ3から出力される再生情報信号の振幅を計測
し、振幅計測信号EVを出力する。72は最大値探査手
段であり、振幅計測信号EVが最大になるようにフォー
カス位置補償信号ΔFEを相関的に変化させる。本実施
の形態2における最小値探査手段71は、ジッタ検出信
号JTが最小になるようにカットオフ周波数Fcのみを
相関的に変化させる。光ディスク媒体1、光ヘッド2、
プリアンプ3、サーボアンプ4、等化フィルタ5、ジッ
タ計測手段6、加算器8、及びスピンドルモータ10は
実施の形態1による装置のものと同様である。
【0058】このように本実施の形態3による装置で
は、等化フィルタ5、ジッタ計測手段6、最小値探査手
段71が係わる等化量最適化ループと、信号振幅計測手
段9、最大値探査手段72、およびフォーカス制御ルー
プが係わるフォーカス位置補償ループとを分離している
ものである。図2から図4を用いて説明したように、単
純に信号等化系とフォーカス制御系とをそれぞれ独立に
実行させたのでは十分な制御をなし得ない場合がある。
しかし、このことは、両者に対して同一の評価値すなわ
ちジッタを用いることによるものであって、互いに別の
評価値を用いて独立に制御をすれば、それぞれにおいて
最適値に収束するはずである。そこで本実施の形態3に
よる光ディスク装置では、信号等化系においてはジッタ
計測手段6より得られる信号JTを最小化するように、
一方フォーカス制御系においては再生信号の再生振幅を
最大にするように、それぞれ探査が実行される。
【0059】このように構成された本実施の形態3によ
る光ディスク装置について、以下にその動作を説明す
る。光ヘッド2は、サーボアンプ4からの制御信号に従
ってフォーカス位置を定め、レーザー光を光ディスク1
の記録面上に収束させて、記録された情報を読みとり、
その結果をプリアンプ3に出力する。プリアンプ3は、
光ヘッド2から出力された信号を増幅して、再生情報信
号HFを等化フィルタ5に出力する。
【0060】等化フィルタ5は、後述する最小値探査手
段71より入力されるカットオフ周波数Fcに応じて等
化処理を行い、等化信号QFを出力する。等化信号QF
がジッタ計測手段6に出力され、ジッタ計測手段6の計
測結果がジッタ検出信号JTとして最小値探査手段71
に出力される。最小値探査手段71は、後述する探査方
法を用いて、ジッタの量を最小とするような等化量を探
査し、得られた等化量に基づいて、カットオフ周波数F
cを等化フィルタ5に出力する。等化フィルタ5では、
カットオフ周波数Fcが等化処理に用いられることによ
り、波形等化の制御が行われる。
【0061】一方、再生情報信号HFは、振幅計測手段
9にも入力され、信号振幅計測手段9は再生情報信号H
Fの信号振幅を計測して、その結果を振幅計測信号EV
として出力する。振幅計測手段9による振幅の計測方法
としては、例えば、再生情報信号HFを全波整流し、リ
ップル成分を除去してDC成分のみ出力する方法が使用
可能である。振幅計測手段9の計測結果が振幅計測信号
EVとして最大値探査手段72に出力され、最大値探査
手段72は、後述する探査方法を用いて、振幅の量を最
大とするようなフォーカス位置を探査し、得られたフォ
ーカス位置に基づいて、フォーカス補償信号ΔFEを加
算器8に出力する。加算器8においては、プリアンプ3
より出力されたフォーカス誤差信号FEに対して補償信
号ΔFEが加算され、加算結果は、サーボアンプ4を介
して光ヘッド2のフォーカスアクチュエータにフィード
バックされ、フォーカス位置制御が実行される。
【0062】以下に、最小値探査手段71と、最大値探
査手段72とによる探査の方法を説明する。我々の実験
では、図9に示すように、フォーカス位置に対してジッ
タ関数と振幅関数とをプロットして比較すると、ジッタ
関数の最小値と振幅関数の最大値とは0〜0.3μm程
度の誤差でほぼ一致することが分かっている。従って、
信号振幅EVを評価値として用い、これが最大となるよ
うに探査したフォーカス位置は、ジッタが最小となる位
置の近傍に収束すると考えられる。そして、この探査処
理は波形等化前の信号HFを用いて行うものであり、波
形等化の結果にかかわることなしに、独立して実行でき
る。
【0063】最小値探査手段71、および最大値探査手
段72はそれぞれが別のマイクロプロセッサーにおいて
実現するものであってもよく、あるいは同一マイクロプ
セッサーにおける複数タスクによって実現されるもので
あってもよい。図10は最小値探査手段71、又、図1
1は最大値探査手段72における処理手順を示すフロー
チャート図である。図10に示す、最小値探査手段71
による探査では、ステップ1〜3は、図6に示すステッ
プ1〜3と同様の処理となり、等化フィルタ5のカット
オフ周波数Fc(x)を初期値から順次下げて行き、ジ
ッタ(z)の最小値が見つかった状態で探査を終了す
る。
【0064】図11に示す、最大値探査手段72による
探査では、ステップ1は図6に示すステップ1と同様で
あり、ステップ2〜4は図6に示すステップ5〜7と同
様の処理となる。ここで、実施の形態2においてはジッ
タ(z)を最小化させることが目的であったのに対し、
本実施の形態3では、信号振幅EV(w)を最大化させ
ることを意図している点で異なる。従って、フォーカス
位置(y)を微少量(Δy)変化させたとき、振幅
(w)の差分Gyが0に近づくようにフォーカス位置を
更新するものであるが、Gy=0となるポイントが極小
点ではなく極大点であるためステップ4でなされるフォ
ーカス位置の微少変位の方向が図6におけるステップ7
に対して逆になっている。
【0065】このように、本実施の形態3による光ディ
スク装置では、実施の形態1又は2による装置に対し
て、再生情報信号HFの振幅を計測する振幅計測手段9
と、振幅が最大となるようなフォーカス位置を探査する
最大値探査手段72とを追加した構成としたことで、フ
ォーカス探査を実行する際に再生信号振幅EVを用いる
ため、フォーカス制御系と信号等化系とを互いに独立し
て探査することができ、双方を精度良く制御することが
可能となる。
【0066】なお、本実施の形態3の装置では両制御系
を同時に動作させることとしているが、信号等化系に先
だってフォーカス制御系を実行させるようにしてもよ
い。ただし、信号等化系を先に実行してからフォーカス
制御系を実行することは、フォーカスがオフセットであ
る状態で等化制御を行うことが等化過剰を招くこととな
るので望ましくない。また、本実施の形態ではフォーカ
ス位置を探査するのに再生信号振幅を用いたが、ジッタ
以外の評価値であれば、フォーカス位置に伴って変化す
るどのような信号を用いてもよい。例えばプリアンプが
トラッキング誤差信号を出力するものとして、これを用
いることとしても同様の精度の良好な制御が可能とな
る。
【0067】実施の形態4.本発明の実施の形態4によ
る光ディスク装置は、光ディスク上に大小の傷がある場
合でも、それらを避けてあるいは相殺して、精度よくジ
ッタの変化分を測定し得るものである。図12は本発明
の第3の実施の形態のブロック図である。図12におい
て、光ディスク1は実施の形態1と同様のものである
が、光ディスク1上にはスパイラル状のトラックが設け
られていて、このトラックに沿って情報が記録されてい
るとする。11は回転検出手段であり、スピンドルモー
ター10の回転を検出し、その1回転ごとにパルス信号
RVを発する。12はスチルパルス生成手段であり、回
転検出手段11が発生するパルス信号RVに同期して、
スチルパルス信号STLを生成する。プリアンプ31
は、実施の形態1と同様の増幅を行うが、本実施の形態
4による装置では、再生情報信号HFとともに、トラッ
キング誤差信号TEをも出力するものである。32、3
4、36、及び37はホールド手段であり、入力された
信号を一時保持する。33、及び44は加算器であり、
入力された信号を加算処理し、その加算結果を出力す
る。35、及び43はカウンタであり、入力された信号
を計数する。38は除算手段であり、ホールド手段36
の出力JYをホールド手段37の出力JXで割って、そ
の出力を平均ジッタ信号AJTとして出力する。39は
クロック発生手段であり、処理に用いるクロック信号C
Kを発生する。40はコンパレータであり、入力された
信号の比較を行い、ある条件を満たす場合には制御信号
を発生する。41、及び42はスイッチであり、閉じた
状態では入力された信号を出力側に流通させるが、開い
た状態においては入力された信号を出力側に流通させな
くするものである。45はトラッキングアンプであり、
光ヘッド2を設定されたトラック上に位置するように制
御する制御信号を出力する。光ヘッド2、等化フィルタ
5、ジッタ計測手段6、及びスピンドルモータ10は実
施の形態1による装置のものと同様である。
【0068】このように構成された本実施の形態4によ
る光ディスク装置について、以下にその動作を説明す
る。光ヘッド2は、トラッキングアンプ45からの制御
信号に従ってトラッキング位置を定め、レーザー光を光
ディスク1の記録面上の設定されたトラックに収束させ
て、記録された情報を読みとり、その結果をプリアンプ
3に出力する。プリアンプ3は、光ヘッド2から出力さ
れた信号を増幅して、再生情報信号HFを等化フィルタ
5に出力し、またトラッキング誤差信号TEを加算器4
4に出力する。トラッキング誤差信号TEはトラッキン
グアンプ45を経て光ヘッド2のトラッキングアクチュ
エータにフィードバックされ、トラッキング制御が実行
される。
【0069】等化フィルタ5は、後述するカウンタ43
より入力されるカットオフ周波数Fcに応じて等化処理
を行い、等化信号QFを出力する。等化信号QFはジッ
タ計測手段6に出力され、ジッタ計測手段6の計測結果
がジッタ検出信号JTとしてホールド手段32に出力さ
れる。
【0070】一方光ディスク媒体1はスピンドルモータ
ー10に装着されており、回転検出手段11はこのスピ
ンドルモーター10の1回転ごとにパルス信号RVを発
する。パルス信号RVは、スチルパルス生成手段12
と、カウンタ35、及び43と、ホールド手段34、3
6、及び37とに入力される。スチルパルス生成手段1
2はパルス信号RVに同期してスチルパルス信号STL
を発生し、この信号STLはさらに加算器44を介して
トラッキングアンプ45に供給される。その結果トラッ
クスチル動作が実行される。つまり、1回転ごとに再生
方向と逆方向に1トラックジャンプが実行され、光ヘッ
ド2は常に同じトラック上の情報を繰り返し再生し続け
る。
【0071】クロック発生器39はクロック信号CKを
発し、このクロック信号CKはスイッチ41を通して、
ホールド手段32、及び34と、カウンタ35とに供給
される。スイッチ41は通常は閉じた状態であり、クロ
ック信号を上記に出力させる方向に接続している。ホー
ルド手段32はこのクロック信号CKに応じてジッタ計
測手段6の出力信号JTを、クロック信号CKの周期の
期間だけ一時保持してから、スイッチ42を通して加算
器33に出力する。スイッチ42は通常は閉じた状態で
あり、ホールド手段32の出力を加算器33に出力する
方に接続している。33、34はそれぞれ加算器、ホー
ルド手段であり、これらはホールド手段32の出力をク
ロック信号CKに応じて逐次累積加算する、いわゆるア
キュムレータとして作用する。
【0072】カウンタ35はクロック信号CKを計数す
る。36、37はそれぞれホールド手段であり、それぞ
れホールド手段34、カウンタ35の出力を回転同期パ
ルス信号RVのエッジに応じて、スピンドルモータ1回
転の期間、一時保持する。38は除算手段であり、ホー
ルド手段36の出力JYをホールド手段37の出力JX
で割って、その出力を平均ジッタ信号AJTとして出力
する。ジッタの積算値が保持されているホールド手段3
4は回転同期パルス信号RVでリセットされることによ
り、次のサイクルのための初期設定がなされる。
【0073】図13は、本実施の形態4による光ディス
ク装置におけるトラッキング制御とジッタ計測とを説明
するための図である。先述のように光ディスク媒体1の
表面には傷が付きやすいものであるため、かかる傷は、
ジッタを計測する際に大きな誤差要因となる。そこで本
実施の形態4ではジッタを計測するのに常に同一トラッ
クで計測し、しかもトラック1周当たりの計測ジッタの
積算平均を用いることによって、傷の影響を相殺し得る
ものである。
【0074】つまり、等化フィルタ5のカットオフ周波
数Fcを変化させ、その時のジッタの増減分から最適値
を探査することは実施の形態1〜3と同様であるが、F
cを切り換えるタイミングを、図13に示されるように
カウンタ43を用いて回転検出信号RVと同期をとって
切り換えるようにすれば、同じトラックを走査する限
り、ジッタ増減分からは傷の成分が殆ど除去されること
になる。すなわち、図13に示すように回転検出信号R
Vに応じて等化フィルタ5のカットオフ周波数Fcを変
えた場合、ジッタの改善、または悪化によって、ジッタ
検出信号JTは同図に示されるように平行移動するよう
に変化する。従ってこのときのジッタの変化量ΔJYは
図中点線(等化フィルタ変更前)と実線で挟まれたハッ
チング部分となって、結局傷部分も相対的に変化するこ
とでその影響が相殺される。
【0075】そして、本実施の形態4による装置では、
コンパレータ40と、スイッチ41、及び42とを備え
たことにより、さらに大きな傷に対する対策をとり得る
ものである。コンパレータ40は、ジッタ検出信号JT
がしきい値Vthを越えたとき、スイッチ41、及び4
2に対してスイッチを開くよう制御信号を発するもので
あり、本実施の形態4の装置において傷検出手段として
作用する。
【0076】図13において、加算器33およびホール
ド手段34で生成されるジッタの積算値Jyは図中ハッ
チングした部分の積分となる。この積算値の生成の過程
で大きな傷があると、ジッタは瞬時に増大する。本実施
の形態4による装置では、あらかじめ設定されたしきい
値Jthを超えるジッタ検出信号JTが出力された場合
は、傷を検出したものとみなすものである。これによ
り、大きな傷があるとき、ジッタ検出信号JTがしきい
値Vthを超えるので、コンパレータ40より制御信号
JOVRが発せられることにより、スイッチ41、及び
42はいずれも開いた状態となる。
【0077】従って、スイッチ42が開いた状態になる
ことにより、加算器33にはジッタ検出信号が供給され
なくなる。また、スイッチ41が開いた状態になること
により、カウンタ35にはクロック信号CKが供給され
ないこととなるので、カウンタ35の動作は一時停止状
態となる。この状態は、光ヘッドが傷部分を通過し終
え、ジッタ信号JTがしきい値Vth以下になるまで続
く。ジッタ信号JTがしきい値Vth以下になると、コ
ンパレータ40からは制御信号JOVRが発せられなく
なるので、スイッチ41、及び42は再び閉じた状態と
なる。その後、加算器33およびホールド手段34は処
理を再開し、パルス信号RVを受け取るまで累積加算を
続ける。その結果、図中ハッチングされた部分が傷部分
を除く累積加算結果Jyとなってホールド手段37に保
持される。
【0078】これを累積加算が実行された「期間」で除
すれば平均値が求まる。この「期間」はクロック信号C
Kをカウンタ35でカウントして得る。カウントの終
了、及びリセットはパルス信号RVに応じて行われる。
また、信号JOVRが出ている間、すなわち傷部分に相
当する間は、スイッチ41が開いてカウントが中断され
る。その結果ホールド回路36には傷部分を除く「期
間」Jxが保持される。従って、積算値Jyを期間Jx
で除すれば、傷部分を除く平均ジッタ信号AJTが求ま
ることとなる。
【0079】本実施の形態4では、ジッタを評価値とし
た波形等化処理の制御については言及せず、また図示し
ていないが、実施の形態1〜3と同様に等化フィルタカ
ットオフ周波数Fcを制御することとして、ジッタ信号
JTの代わりに上記の平均ジッタ信号AJTを用いれ
ば、傷の影響を低減して高精度にカットオフ周波数Fc
の探査を実行できるものである。また、本実施の形態4
ではカットオフ周波数Fcに対するジッタ検出にのみ言
及したが、カットオフ周波数Fcの代わりに光ディスク
1回転ごとにフォーカス位置を微少変化させた場合にお
いても本実施の形態と同様の効果が得られ、傷の影響の
低減を図り得る。
【0080】このように、本実施の形態4による光ディ
スク装置では、回転検出手段11と、スチルパルス生成
手段12と、加算器42と、トラッキングアンプ45と
を備え、これらが、光ヘッド2を光ディスク1の同一ト
ラック上で走査を行うように制御するトラッキング制御
手段として機能し、クロック生成手段39と、ホールド
手段32、34、36、及び37と、カウンタ35と除
算手段38とを備え、これらがジッタの量の平均値を演
算するジッタ平均手段として機能し、光ディスク1上の
同一トラックにおいてトラック1周当たりの計測ジッタ
の積算平均を求めるので、ジッタ量計測にあたり光ディ
スク1上の傷の影響を低減することが可能となる。
【0081】さらに、本実施の形態4による光ディスク
装置では、コンパレータ40と、スイッチ41、及び4
2とを備え、これらがジッタ検出信号が設定されたしき
い値を超えたことにより傷を検出する傷検出手段と、ジ
ッタの積算平均の演算を中止する演算制御手段として機
能するので、大きな傷を検出し、計測に対するその影響
を回避することが可能となる。
【0082】なお、本実施の形態4においては、光ディ
スク上の傷を検出するのにジッタ信号JTの大きさを用
いたが、これに限らず再生信号から得られる他の情報を
用いてもよい。例えば図8で示されたような振幅計測手
段を用いた場合、検出振幅の急峻な落ち込みにより傷を
検出することができる。
【0083】実施の形態5.本発明の実施の形態5によ
る光ディスク装置は、傷の少ない光ディスク内周部で探
査を行うことにより、傷の影響を避けるものである。図
14は本発明の実施の形態5による光ディスク装置の構
成を示すブロック図である。101は光ディスクであ
り、図15に示すものである。図15については、後述
する。51はコントローラであり、光ヘッド2の移動を
制御するためのパルス信号を出力する。52はフリップ
フロップであり、入力された信号に対応して、H(Hi
gh)、又はL(Low)の信号を出力する。53はト
ラバースモータであり、光ヘッド2を移動させる。54
はセンサであり、光ディスク101の最内周付近に位置
しており、光ヘッドを検知して信号を出力する。56は
サンプルホールド回路であり、サンプル状態(スイッチ
オン状態)では最小値探査手段71から入力された信号
を等化フィルタ5に流通させるが、ホールド状態(スイ
ッチオフ状態)においては入力された信号を出力側に流
通させなくなる。最小値探査手段71は実施の形態3と
同様にジッタ最小となる等化フィルタカットオフ周波数
の探査を行うが、その探査の結果を直接等化フィルタ5
に入力するのではなく、サンプルホールド回路56に入
力するものである。光ヘッド2、等化フィルタ5、ジッ
タ計測手段6、及びスピンドルモータ10は実施の形態
1による装置のものと同様である。
【0084】このように構成された本実施の形態4によ
る光ディスク装置について、以下にその動作を説明す
る。まずコントローラ51がスタートパルスSTPを発
してフリップフロップ52の出力をHにする。トラバー
スモータ53は、フリップフロップ52からHの信号を
入力されると、光ヘッド2を光ディスク媒体101の内
周側へ移送する。光ヘッド2がほぼ光ディスク媒体10
1の記録面のほぼ最内周に移動すると、センサ54はこ
れを検知してフラグ信号Dを出力する。フラグ信号D
は、フリップフロップ52とサンプルホールド回路56
とに出力される。フリップフロップ52はこのフラグ信
号Dを入力されることによってリセットされ、出力信号
はLとなるので、この信号を入力されたトラバースモー
タ53は光ヘッド2の移送を止める。
【0085】そして、このフラグ信号Dによりジッタ最
小化手法による最適等化量探査が実行される。すなわ
ち、フラグ信号Dが供給されるとサンプルホールド回路
56がサンプル状態となり、ジッタ計測手段6より出力
されるジッタ検出信号JTが最小になるような等化フィ
ルタカットオフ周波数Fcを最小値探査手段71が探査
するループが閉じられる。等化フィルタ5には、最小値
探査手段71が出力した等化フィルタカットオフ周波数
Fcが入力される。
【0086】その後ドライブが通常動作となり、情報の
再生を行う場合には、光ヘッド2が外周側へ移動するこ
とにより、センサー54が光ヘッド2を検知しないこと
となるので、フラグ信号Dが出力されなくなり、サンプ
ルホールド回路56がホールド状態となる。従って、先
に最小値探査の結果決定された等化フィルタカットオフ
周波数Fcが以降保持され、これにより波形等化処理が
行われる。
【0087】以上の動作は言い換えれば、等化フィルタ
最適化の探査を光ディスク媒体の最内周領域においての
み行うことに他ならない。このようにしたのは以下の理
由による。まず図15に本実施の形態5における光ディ
スク媒体101の正面図、および断面図を示す。光ディ
スク媒体は、例えばコンパクトディスク(CD)やビデ
オディスクのように、カートリッジに入れずに用いる場
合が多いが、長期間使用していると同図に示すように媒
体表面に多数の傷が付く。これらの傷は情報再生時にエ
ラーの原因となるばかりでなく、等化フィルタを最適調
整する際にも悪影響を与えることは既に述べた通りであ
る。
【0088】かかる傷のうち最も多いのは媒体面を机等
で擦った際にできるスクラッチ、すなわち”引っ掻き
傷”である。そこで本実施の形態5では図15に示すよ
うに光ディスク媒体101の情報記録領域103のさら
に内側に突起部102を設け、その近傍(最内周領域)
が机等の平面と接触しないようにしている。その結果、
他の領域に比べ最内周部に傷が付きにくくなるので、上
述のように最内周領域のみで最適等化係数探査を実行す
れば、傷による影響は軽減される。
【0089】このように、本実施の形態5による光ディ
スク装置では、トラバースモータ53を備え、これが、
光ヘッド2を光ディスク101の傷の少ない内周に移送
する移送手段として機能し、センサ54、コントローラ
51、及びフリップフロップ52を備え、これらが、上
記光ヘッドの移送を制御する移送制御手段として機能
し、サンプルホールド回路56を備え、これが、光ディ
スク101の最内周で探査した等化量により波形等化を
行うように制御する等化量設定手段として機能すること
で、傷の少ない最内周領域で探査した等化量を、波形等
化処理に用いるので、かかる探査に対する光ディスク1
01の傷の影響を低減することが可能となり、精度の良
い制御を行い得ることとなる。
【0090】なお、本実施の形態5ではフォーカス探査
については言及していないが、ジッタの最小化の精度を
向上できるものであるので、等化フィルタを最適化する
のと同様の効果が期待できる。すなわち、本実施の形態
5による傷の影響の低減効果は、ジッタを評価量として
用いるすべてのパラメータの探査において用いることが
できる。また、フォーカス探査については実施の形態3
に準じて、図8に示す構成とし、信号振幅を評価値とし
て用いてもよい。また、実施の形態4による光ディスク
装置との組み合わせにより、傷の少ない最内周領域にお
いてジッタをディスク1周ごとに平均化するようにすれ
ばさらに傷の影響を受けにくくすることができる。
【0091】また、本実施の形態5では、光ヘッド2が
最内周に位置するか否かを検知するのにセンサー54を
用いたが、光ヘッド2そのものが再生するアドレス信号
あるいは他の識別信号から最内周にいるか否かを判断し
ても良い。また、本実施の形態5では、上記センサー5
4の出力をもとに等化フィルタ設定値をホールドした
が、この信号を用いず、コントローラ51が探査終了後
の適当なタイミングにホールド信号を発生するようにし
ても良い。
【0092】実施の形態6.本発明の実施の形態6によ
る光ディスク装置は、等化過多状態で対フォーカス、ジ
ッタ特性が緩やかになる性質を利用して、トラックジャ
ンプに伴うフォーカス変動によるジッタの悪化を低減
し、アドレス情報等をより確実に検出できるようにする
ものである。図16は本発明の実施の形態6による光デ
ィスク装置の構成を示すブロック図である。図16にお
いて61はコントローラであり、トラックジャンプの際
にH(High)状態となるトラックジャンプ指令信号
TJPを発生する。トラバースモータ53は実施の形態
5と同様に光ヘッドを移動させるものであるが、本実施
の形態6では、コントローラ61から発せられるトラッ
クジャンプ指令信号TJPに応じて光ヘッド2を光ディ
スク媒体半径方向に移動させるものである。62はメモ
リであり、予め設定された等化フィルタカットオフ周波
数を記憶する。メモリ62に記憶される等化フィルタカ
ットオフ周波数は、等化フィルタ5における波形等化処
理が等化過多となるような値として設定されたものとす
る。63はスイッチであり、閉じた状態のときのみ、メ
モリ62の記憶内容を加減算器64に出力する。64は
加減算器で、入力された信号の加減演算処理を行う。光
ディスク媒体1、光ヘッド2、スピンドルモータ10、
等化フィルタ5、ジッタ検出手段6は実施の形態1と同
様のものである。また、サンプルホールド回路56と、
最小値探査手段71とは実施の形態5と同様のものであ
る。
【0093】このように構成された本実施の形態4によ
る光ディスク装置について、以下にその動作を説明す
る。既に説明した通り、光ディスク101の記録面には
スパイラル状のトラックが設けられていて、このトラッ
クに沿って情報が記録されているものであり、通常再生
状態では光ヘッドはトラックに沿って情報の読み出しを
行っている。しかし、離れたトラックに記録された情報
を読み出すことが必要となった際には、瞬時に該離れた
トラックに光ヘッドが移動するトラックジャンプを行う
こととなる。
【0094】かかるトラックジャンプなしに、光ヘッド
2がトラック上を走査しているときコントローラ61が
出力するトラックジャンプ指令信号TJPはLであり、
サンプルホールド回路56はサンプル状態であり、ま
た、スイッチ63は開いているとする。このとき等化フ
ィルタ5、ジッタ検出回路6、最小値探査手段71は閉
ループを構成し、検出ジッタ値JTが最小になるように
カットオフ周波数Fcを決定する。
【0095】上記トラックジャンプを行う際には、コン
トローラ61がトラックジャンプ指令信号TJPを発し
(L→H)、このトラックジャンプ指令信号TJPを入
力されることでトラバースモータ53が起動し、光ヘッ
ド2は移動を開始する。このトラックジャンプ指令信号
TJPはサンプルホールド回路56と、スイッチ63と
にも供給される。そして、サンプルホールド回路56は
トラックジャンプ指令信号TJPを入力されることによ
り、光ヘッドの移動と同時にホールドモードになる。さ
らに、スイッチ63はトラックジャンプ指令信号TJP
を入力されることにより、閉じた状態となって、メモリ
ー62に保持されている補償値ΔFcが減算器64に入
力される。そして、サンプルホールド回路56から減算
器64に入力される周波数Fcより、補償値ΔFcが減
算された結果が、等化フィルタ5に供給される。
【0096】つまり、最小値探査手段71の探査により
得られたカットオフ周波数Fcの代わりに、Fc−ΔF
cが設定され、その結果、等化フィルタFcの出力する
等化信号は等化過多状態状態となる。ホールド直前のF
cはジッタ最小となる値であったので、Fcが変化する
ことでジッタは増大するが、光ヘッド2の移動に伴う振
動によって生じるフォーカスの乱れに対してはむしろ幾
分強くなる。
【0097】このことを図4を用いて説明する。等化フ
ィルタ5が最適等化状態にある場合(FcO)、確かに
フォーカス最適点(FEO)でジッタ最小にはなるが、
フォーカス位置ずれが大きくなるにつれ、ジッタは急峻
に悪化する。一方等化フィルタが過等化に設定されてい
る場合(Fc−ΔFc)、フォーカス最適点(FEO)
でのジッタは増えるが、フォーカス位置ずれに伴うジッ
タ増加は緩やかであり、むしろある程度のフォーカス位
置ずれがある状態では最適等化の場合に比べてジッタが
小さい場合がある。トラックジャンプ等のない、通常再
生の際においてはジッタ最小の状態が望ましいので、適
時フォーカス最適点を探査し、あるいはその結果をホー
ルドするようにしておけば、対フォーカス特性が急峻で
あっても問題にはならない。しかし、本実施の形態6の
ようにトラックジャンプを実行する場合、その際の振動
や衝撃などによって瞬時にフォーカスずれが発生する場
合がある。通常再生時のように定常的なフォーカスずれ
が考えられる場合は探査手法を用いてこれを吸収するこ
とが可能であるが、瞬時に発生するフォーカスずれを極
めて短時間のうちに吸収するのは殆ど不可能である。
【0098】そこで本実施の形態6では過等化状態にお
ける対フォーカスジッタ特性を利用して、瞬時のフォー
カスずれにおけるジッタを多少なりとも改善している。
すなわち、トラックジャンプ直後(TJP=L→H)
に、すでに最適探査されている等化フィルタカットオフ
周波数FcからFc−ΔFcに変えているのは、最適等
化状態から過等化状態に切り替えていることに他ならな
い。その結果対フォーカス、ジッタ特性は図4に既に示
されているような”鍋底”になり、フォーカスが大きく
ずれたときでもジッタの増加をある程度抑えることがで
きる。トラックジャンプ指令信号TJPでサンプルホー
ルド回路56をホールド状態にしているのはトラックジ
ャンプ中に最適探査を実行しないようにするためであ
る。
【0099】トラックジャンプにより移動する先の目標
アドレスADRが検出され、トラックジャンプを終了さ
せるとき、コントローラ61はトラックジャンプ指令信
号TJPをLにしてトラバースモータ53を止める。ま
た、トラックジャンプ指令信号がLになることにより、
スイッチ63が開放され、等化フィルタ6で用いられる
カットオフ周波数をFcに戻す。その結果、ジッタ最小
の状態で情報の再生を再開できるようになる。
【0100】このように、本実施の形態6による光ディ
スク装置では、コントローラ61、スィッチ63、メモ
リ62、及びサンプルホールド回路56を備えたこと
で、トラックジャンプがある場合には、スイッチ63と
サンプルホールド回路56とを切り替えることにより、
等化フィルタ5が用いるカットオフ周波数を、等化過多
になるようあらかじめ設定したものとするので、等化過
多時におけるフォーカス・ジッタ特性を利用することに
より、トラックジャンプ時の振動・衝撃によるフォーカ
スずれに対してジッタの増加を抑えることができ、その
結果、トラックジャンプ時においてもより確実にアドレ
スを検出することが可能となる。
【0101】なお、以上のように、本実施の形態6で
は、トラックジャンプによって生じるフォーカスのずれ
をあらかじめ見込んで、そのフォーカスずれのある状態
において最適になるようなカットオフ周波数、すなわち
探査した最適周波数よりは等化過多となるようなカット
オフ周波数を設定しておき、トラックジャンプ期間中の
み上記設定最多カットオフ周波数を用いることとしたも
のである。しかし、トラックジャンプ期間中のみなら
ず、常時、探査した最適周波数よりは等化過多となるよ
うなカットオフ周波数を用いることとすることも可能で
あり、コントローラの負担の軽減を図り得るとともに、
不測のフォーカスずれによく対応可能となり、特に連続
的にトラックジャンプを繰り返すような動作をさせる場
合には、全体的な処理の迅速化が図り得るという効果が
ある。
【0102】さらに、このように設定することで、ディ
スクの変形等によって生じるディスクチルトにも対応が
可能となる。一般にディスクは外周部ほど変形が大とな
る傾向があるので、先の実施の形態5に示したように、
傷の少ない最内周で探査を実行し、該探査で得られたカ
ットオフ周波数を用いて波形等化処理を行うこととする
場合に、外周部では等化不足をひき起こす可能性があ
る。そこで、常時等化過多となるような制御を行うこと
により、ディスクの内外周にかかわりなく、良好な波形
等化処理を行うことが可能となる。
【0103】また、本実施の形態6においては、トラッ
クジャンプ開始と同時にサンプルホールド回路56をホ
ールド状態にしたが、同時である必要は無く、トラック
ジャンプ開始前にホールドしても良い。なお、実施の形
態1〜6においては、いずれも等化量を変化させるのに
カットオフ周波数を変化させるものとしたが、代わりに
ゲインG(図2参照)を変化させること、あるいは両者
を同時に変化させることによって調整を行ってもよく、
同様の効果が得られる。
【0104】また、いずれの実施の形態においても、最
小値探査手段等をマイクロプロセッサー等で構成するこ
とができる。そして、マイクロプロセッサーそのものは
デジタル処理を実行するものであるから、その入力値で
あるジッタ信号JTあるいはその出力であるFc、ΔF
E、そしてΔFEと加算されるべきフォーカス誤差信号
FEについては、デジタル信号であるものとして扱った
ものであるが、いずれの実施の形態においてもアナログ
かデジタルかは全く問題ではなく、AD変換器、DA変
換器の設置場所等に関する単なる設計上の問題となるの
みであって、アナログ信号を用いた処理を行うことも可
能である。
【0105】
【発明の効果】請求項1の光ディスク装置によれば、光
ディスク媒体に記録された情報を、光ヘッドを用いて読
み出し、再生信号を生成する光ディスク装置であって、
上記光ヘッドが発する光束の焦点を、上記光ディスク媒
体における情報の記録面近傍の位置として設定される焦
点位置に制御する焦点位置制御手段と、上記光ヘッドが
生成する再生信号に対して、設定された等化量を用いて
波形等化処理を行い、等化信号を出力する等化手段と、
上記等化手段の出力する等化信号に対して、そのジッタ
を計測するジッタ計測手段と、上記ジッタの量が最小と
なる、上記焦点位置と、上記等化量とを探査する最適値
探査手段とを備えたものとしたことで、ジッタ量を評価
値として、フォーカス位置と波形等化処理との制御を精
度良く行うことが可能となる。
【0106】また、請求項2の光ディスク装置によれ
ば、請求項1の装置において、上記最適値探査手段は、
上記焦点位置と、上記等化量とを2元的に変化させるこ
とにより、上記計測するジッタの量が最小となるような
焦点位置と等化量とを探査する2元探査手段であるもの
としたことで、フォーカス位置と波形等化処理との制御
を精度良く行うことが可能となる。
【0107】また、請求項3の光ディスク装置によれ
ば、請求項2の装置において、上記2元探査手段は、上
記焦点位置、及び上記等化量に対する上記ジッタの微分
値を求める微分演算手段と、上記微分演算手段が求めた
微分値に基づいて、2次元ベクトルを取得するベクトル
演算手段と、上記ベクトル演算手段が取得した2次元ベ
クトルの方向に、上記焦点位置、及び上記等化量を新た
に設定する焦点位置・等化量設定手段とを内包し、上記
微分演算手段による微分値の取得と、上記ベクトル演算
手段によるベクトルの取得と、上記焦点位置・等化量設
定手段による焦点位置、及び等化量の設定とをくりかえ
すことによって、上記2元探査を実行するものとしたこ
とで、最急勾配法により焦点位置と等化量との探査を行
うので、フォーカス位置と波形等化処理との制御を精度
良く行うことが可能となる。
【0108】また、請求項4の光ディスク装置によれ
ば、請求項2の装置において、上記2元探査手段は、焦
点位置を設定して、上記設定した焦点位置において、上
記ジッタの量が最小となる等化量を探査するジッタ最小
値探査手段と、上記ジッタ最小値探査手段により得られ
た等化量に基づいて、当該等化量よりも等化不足となる
等化量を求めて設定する等化不足化手段と、上記等化不
足化手段において設定された等化量において、上記ジッ
タの量が最小となる焦点位置を探査する焦点位置探査手
段とを内包し、上記最小値探査手段による等化量の探査
と、上記等化不足化手段による等化量の設定と、上記焦
点位置探査手段による焦点位置の探査とを繰り返すこと
により、上記2次元探査を行うものとしたことで、フォ
ーカス・ジッタ特性を応用した簡易探査法により焦点位
置と等化量との探査を行うので、フォーカス位置と波形
等化処理との制御を精度良く、かつ、効率的に行うこと
が可能となる。
【0109】また、請求項5の光ディスク装置によれ
ば、請求項3または4の装置において、上記2元探査手
段は、等化不足状態を初期値として設定する初期値設定
手段を内包するものとしたことで、上記探査処理の簡便
化を図ることが可能となる。
【0110】また、請求項6の光ディスク装置によれ
ば、請求項1の装置において、上記光ヘッドが生成する
再生信号に対して、その振幅を計測する振幅計測手段を
さらに備え、上記最適値探査手段は、上記等化量を変化
させることにより、上記ジッタの量が最小となるような
等化量を探査するジッタ最小値探査手段と、上記焦点位
置を変化させることにより、上記振幅が最大となるよう
な焦点位置を探査する振幅最大値探査手段とから構成さ
れるものとしたことで、フォーカス位置と波形等化処理
との制御をそれぞれに対応した評価値を用いて行うの
で、いずれをも精度良く行うことが可能となる。
【0111】また、請求項7の光ディスク装置によれ
ば、請求項1の装置において、上記焦点位置を、上記光
ディスク媒体において、同一周のトラック上に設定する
ように制御するトラッキング制御手段と、上記同一周の
トラック1周分の、上記ジッタの量の平均値を演算する
ジッタ平均取得手段とをさらに備えたものとしたこと
で、光ディスク媒体上の傷の影響を低減し、制御の精度
の向上を図り得る。
【0112】また、請求項8の光ディスク装置によれ
ば、請求項7の装置において、上記光ディスク媒体にお
いて、傷を検出する傷検出手段と、上記傷検出手段が、
傷を検出した場合に、上記ジッタ平均取得手段による演
算を停止させる演算制御手段とをさらに備えたものとし
たことで、光ディスク媒体上の大きな傷の影響を回避
し、制御の精度のさらなる向上を図り得る。
【0113】また、請求項9の光ディスク装置によれ
ば、請求項8の装置において、上記傷検出手段は、再生
信号のジッタとしきい値との比較により傷を検出するも
のとしたことで、上記の効果が得られる。
【0114】また、請求項10の光ディスク装置によれ
ば、請求項1の装置において、上記光ヘッドを上記光デ
ィスク媒体の半径方向に移送する移送手段と、上記最適
値探査手段による探査の実行の前に、上記光ヘッドを移
送可能な最内周に位置させるように上記移送手段を制御
する、移送制御手段とをさらに備えたものとしたこと
で、傷の少ない内周部においてジッタ量を測定すること
により、光ディスク媒体上の傷の影響を低減し、制御の
精度の向上を図り得る。
【0115】また、請求項11の光ディスク装置によれ
ば、請求項10の装置において、上記光ディスク媒体
は、その内周部に突起を設けたものとしたことで、光デ
ィスクの内周部に傷がつくことを防止し、上記の効果を
向上する。
【0116】また、請求項12の光ディスク装置によれ
ば、請求項1の装置において、上記等化手段が用いる等
化量として、上記最適値探査手段による探査によって得
られた値と、等化過多となるようにあらかじめ設定され
た値とを切り替えて出力する等化量切り替え手段をさら
に備えたものとしたことで、必要に応じて等化過多の状
態における制御を実行し、フォーカス・ジッタ特性を応
用して、不測のフォーカスずれにも対応した制御が可能
となる。
【0117】また、請求項13の光ディスク装置によれ
ば、請求項12の装置において、上記等化量切り替え手
段は、上記光ディスク媒体上での上記光ヘッドのトラッ
クジャンプがあった場合は、上記あらかじめ設定された
量を用い、上記トラックジャンプがない場合は、上記最
適値探査手段によって探査された等化量を用いるよう切
り替えるものとしたことで、トラックジャンプ時のフォ
ーカスぶれに対応し、安定した制御を行うことを可能と
する。
【0118】また、請求項14の光ディスク装置によれ
ば、請求項13の装置において、上記最適値探査手段
は、上記トラックジャンプがあった場合は、上記探査を
しないものとしたことで、処理負担の軽減を図ることが
可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1による光ディスク装置の
構成を示すブロック図である。
【図2】同装置の等化フィルタ5の動作を説明するため
の図である。
【図3】等化量とフォーカス位置に対するジッタ変化を
表す特性図である。
【図4】等化量とフォーカス位置に対するジッタ変化を
表す特性図である。
【図5】同装置の最小値探査手段7の動作を説明するた
めの図である。
【図6】本発明の実施の形態2による光ディスク装置の
最小値探査における処理手順を示すフローチャート図で
ある。
【図7】同装置の処理手順を説明するための図である。
【図8】本発明の実施の形態3による光ディスク装置の
構成を示すブロック図である。
【図9】ジッタと振幅の関係を表す特性図である。
【図10】本発明の実施の形態3による光ディスク装置
のジッタ最小値探査における処理手順を示すフローチャ
ート図である。
【図11】本発明の実施の形態3による光ディスク装置
の振幅最大値探査における処理手順を示すフローチャー
ト図である。
【図12】本発明の実施の形態4による光ディスク装置
の構成を示すブロック図である。
【図13】同装置の動作を説明するための図である。
【図14】本発明の実施の形態5による光ディスク装置
の構成を示すブロック図である。
【図15】同実施の形態において用いる光ディスク10
1の上面図および側面図である。
【図16】本発明の実施の形態6による光ディスク装置
の構成を示すブロック図である。
【図17】従来の技術による光ディスク装置の構成を示
すブロック図である。
【符号の説明】
1,101 光ディスク 2 光ヘッド 3,902 プリアンプ 4 サーボアンプ 5,903 等化フィルタ 6,904 ジッタ検出手段 7 最小値探査手段 8,33,40 加算器 9 振幅計測手段 10 スピンドルモータ 11 回転検出器 12 スチルパルス生成回路 32、34、36、37 ホールド手段 35、43 カウンタ 38 除算手段 39 クロック生成手段 40 コンパレータ 41,43,63 切り替えスイッチ 45 トラッキングアンプ 51,61 コントローラ 52 フリップフロップ回路 53 トラバースモータ 54 センサー 56 サンプル・ホールド回路 61 コントローラ 62 メモリー 71,905 ジッタ最小値探査手段 72 振幅最大値探査手段 900 磁気記録媒体 901 磁気ヘッド

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光ディスク媒体に記録された情報を、光
    ヘッドを用いて読み出し、再生信号を生成する光ディス
    ク装置であって、 上記光ヘッドが発する光束の焦点を、上記光ディスク媒
    体における情報の記録面近傍の位置として設定される焦
    点位置に制御する焦点位置制御手段と、 上記光ヘッドが生成する再生信号に対して、設定された
    等化量を用いて波形等化処理を行い、等化信号を出力す
    る等化手段と、 上記等化手段の出力する等化信号に対して、そのジッタ
    を計測するジッタ計測手段と、 上記ジッタの量が最小となる、上記焦点位置と、上記等
    化量とを探査する最適値探査手段とを備えたことを特徴
    とする光ディスク装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の光ディスク装置におい
    て、 上記最適値探査手段は、 上記焦点位置と、上記等化量とを2元的に変化させるこ
    とにより、上記計測するジッタの量が最小となるような
    焦点位置と等化量とを探査する2元探査手段であること
    を特徴とする光ディスク装置。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の光ディスク装置におい
    て、 上記2元探査手段は、 上記焦点位置、及び上記等化量に対する上記ジッタの微
    分値を求める微分演算手段と、 上記微分演算手段が求めた微分値に基づいて、2次元ベ
    クトルを取得するベクトル演算手段と、 上記ベクトル演算手段が取得した2次元ベクトルの方向
    に、上記焦点位置、及び上記等化量を新たに設定する焦
    点位置・等化量設定手段とを内包し、 上記微分演算手段による微分値の取得と、上記ベクトル
    演算手段によるベクトルの取得と、上記焦点位置・等化
    量設定手段による焦点位置、及び等化量の設定とをくり
    かえすことによって、上記2元探査を実行するものであ
    ることを特徴とする光ディスク装置。
  4. 【請求項4】 請求項2に記載の光ディスク装置におい
    て、 上記2元探査手段は、 焦点位置を設定して、上記設定した焦点位置において、
    上記ジッタの量が最小となる等化量を探査するジッタ最
    小値探査手段と、 上記ジッタ最小値探査手段により得られた等化量に基づ
    いて、当該等化量よりも等化不足となる等化量を求めて
    設定する等化不足化手段と、 上記等化不足化手段において設定された等化量におい
    て、上記ジッタの量が最小となる焦点位置を探査する焦
    点位置探査手段とを内包し、 上記最小値探査手段による等化量の探査と、上記等化不
    足化手段による等化量の設定と、上記焦点位置探査手段
    による焦点位置の探査とを繰り返すことにより、上記2
    次元探査を行うものであることを特徴とする光ディスク
    装置。
  5. 【請求項5】 請求項3または4に記載の光ディスク装
    置において、 上記2元探査手段は、 等化不足状態を初期値として設定する初期値設定手段を
    内包するものであることを特徴とする光ディスク装置。
  6. 【請求項6】 請求項1に記載の光ディスク装置におい
    て、 上記光ヘッドが生成する再生信号に対して、その振幅を
    計測する振幅計測手段をさらに備え、 上記最適値探査手段は、 上記等化量を変化させることにより、上記ジッタの量が
    最小となるような等化量を探査するジッタ最小値探査手
    段と、 上記焦点位置を変化させることにより、上記振幅が最大
    となるような焦点位置を探査する振幅最大値探査手段と
    から構成されるものであることを特徴とする光ディスク
    装置。
  7. 【請求項7】 請求項1に記載の光ディスク装置におい
    て、 上記焦点位置を、上記光ディスク媒体において、同一周
    のトラック上に設定するように制御するトラッキング制
    御手段と、 上記同一周のトラック1周分の、上記ジッタの量の平均
    値を演算するジッタ平均取得手段とをさらに備えたもの
    であることを特徴とする光ディスク装置。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載の光ディスク装置におい
    て、 上記光ディスク媒体において、傷を検出する傷検出手段
    と、 上記傷検出手段が、傷を検出した場合に、上記ジッタ平
    均取得手段による演算を停止させる演算制御手段とをさ
    らに備えたものであることを特徴とする光ディスク装
    置。
  9. 【請求項9】 請求項8に記載の光ディスク装置におい
    て、 上記傷検出手段は、 再生信号のジッタとしきい値との比較により傷を検出す
    ることを特徴とする光ディスク装置。
  10. 【請求項10】 請求項1に記載の光ディスク装置にお
    いて、 上記光ヘッドを上記光ディスク媒体の半径方向に移送す
    る移送手段と、 上記最適値探査手段による探査の実行の前に、上記光ヘ
    ッドを移送可能な最内周に位置させるように上記移送手
    段を制御する、移送制御手段とをさらに備えたものであ
    ることを特徴とする光ディスク装置。
  11. 【請求項11】 請求項10に記載の光ディスク装置に
    おいて、 上記光ディスク媒体は、その内周部に突起を設けたもの
    であることを特徴とする光ディスク装置。
  12. 【請求項12】 請求項1に記載の光ディスク装置にお
    いて、 上記等化手段が用いる等化量として、上記最適値探査手
    段による探査によって得られた値と、等化過多となるよ
    うにあらかじめ設定された値とを切り替えて出力する等
    化量切り替え手段をさらに備えたものであることを特徴
    とする光ディスク装置。
  13. 【請求項13】 請求項12に記載の光ディスク装置に
    おいて、 上記等化量切り替え手段は、 上記光ディスク媒体上での上記光ヘッドのトラックジャ
    ンプがあった場合は、上記あらかじめ設定された量を用
    い、 上記トラックジャンプがない場合は、上記最適値探査手
    段によって探査された等化量を用いるよう切り替えるも
    のであることを特徴とする光ディスク装置。
  14. 【請求項14】 請求項13に記載の光ディスク装置に
    おいて、 上記最適値探査手段は、 上記トラックジャンプがあった場合は、上記探査をしな
    いものであることを特徴とする光ディスク装置。
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