JPH1068723A - ホウ素分析法 - Google Patents

ホウ素分析法

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JPH1068723A
JPH1068723A JP22650096A JP22650096A JPH1068723A JP H1068723 A JPH1068723 A JP H1068723A JP 22650096 A JP22650096 A JP 22650096A JP 22650096 A JP22650096 A JP 22650096A JP H1068723 A JPH1068723 A JP H1068723A
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  • Investigating Or Analyzing Non-Biological Materials By The Use Of Chemical Means (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 スケールなどに含まれるホウ素を精度よく分
析でき、しかも分析作業を現場で迅速に実施できる方法
を提供する。 【解決手段】 試料をアルカリ溶融して水に溶解し、さ
らにHFおよびHClO4 を加え加熱して白煙処理した
後、希塩酸で溶解する工程と、NH4 Cl、BaCl2
および酒石酸を加え、pH3.5〜4.5で硫酸バリウ
ムの沈殿を生成させた後、ろ液を捕集する工程と、ろ液
をNH4 OHでpH8.6〜9.2に調整し、ホウ酒石
酸バリウムの沈殿を生成させる工程と、ホウ酒石酸バリ
ウムの沈殿をpH8.6〜9.2に調整した水でろ液に
Cl- が認められなくなるまで洗浄する工程と、ホウ酒
石酸バリウムの沈殿を750〜850℃で焼成してBa
2 BO6 としてホウ素を定量する工程とを有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はホウ素分析法に関
し、特に地熱発電プラントなどにおける金属材料の腐食
生成物であるスケールの調査に適用されるホウ素分析法
に関する。
【0002】
【従来の技術】一般的に地熱発電プラントの地上設備
(セパレータ、タービンノズル、タービン翼など)にお
いては、スケールの発生が問題になる。例えば、シリ
カ、硫化鉄、塩化ナトリウムなどは地下から熱水、蒸気
に同伴して運び込まれ、地上設備の内壁に付着する。ま
た、金属材料がガスによる腐食を受ける結果、主として
酸化鉄、硫化鉄、水酸化鉄が発生する。
【0003】地熱発電プラントでは、生産井が異なった
り国が異なると、スケールの組成や形態が変化する。特
にタービンのスケールでは、高濃度のシリカ(SiO
2 )や硫酸イオン(SO4 2-)とともにホウ素化合物で
あるH3 BO3 が数十%も含まれることもある。ホウ素
は高温において金属材料の割れなどのトラブルの原因に
なることが知られている。そこで、地熱発電プラントの
トラブルを防止するためには、スケール中のホウ素含有
量を調査し、ホウ素含有量に応じて金属材料を変更する
などの対策を講じる必要がある。
【0004】従来、公的に認められているホウ素分析法
としては、メチレンブルー吸光光度法(JIS K01
02)が存在するだけである。この方法は、主として液
体中に微量に存在するホウ素を分析するものである。し
かし、この方法でスケール中に高濃度に含まれるホウ素
を分析しようとすると大きな誤差を生じる。具体的に
は、スケール中にシリカおよび硫酸イオンが共存する場
合、ホウ素の分析結果に正の誤差が生じる。このため、
メチレンブルー吸光光度法はスケール中のホウ素分析に
は適用が困難であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】以上のように従来はス
ケールなどに含まれるホウ素を分析する適当な方法がな
く、ホウ素分析法の確立が要望されていた。本発明の目
的は、スケールなどに含まれるホウ素を精度よく分析で
き、しかも分析作業を現場で迅速に実施できる方法を提
供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明のホウ素分析法
は、試料をアルカリ溶融して水に溶解し、さらにHFお
よびHClO4 を加え加熱して白煙処理した後、希塩酸
で溶解する工程と、NH4 Cl、BaCl2 および酒石
酸を加え、pH3.5〜4.5で硫酸バリウムの沈殿を
生成させた後、ろ液を捕集する工程と、ろ液をNH4
HでpH8.6〜9.2に調整し、ホウ酒石酸バリウム
の沈殿を生成させる工程と、ホウ酒石酸バリウムの沈殿
をpH8.6〜9.2に調整した水でろ液にCl- が認
められなくなるまで洗浄する工程と、ホウ酒石酸バリウ
ムの沈殿を750〜850℃で焼成してBa2 BO6
してホウ素を定量する工程とを有するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明をより詳細に説明す
る。まず、試料をアルカリ溶融して水に溶解し、さらに
HFおよびHClO4 を加え加熱して白煙処理した後、
希塩酸で溶解する。この工程では、HFおよびHClO
4 を用いた白煙処理により、SiO2 を除去する。
【0008】次に、NH4 Cl、BaCl2 および酒石
酸を加え、pH3.5〜4.5で硫酸バリウムの沈殿を
生成させた後、ろ液を捕集する。この工程では、硫酸イ
オン(SO4 2-)を沈殿として除去する。この工程にお
いて、硫酸バリウムの沈殿を生成させるときのpHの範
囲を3.5〜4.5と規定したのは、この範囲をはずれ
ると硫酸バリウムの沈殿が十分に生成しなくなるためで
ある。また、後の工程でホウ素をホウ酒石酸バリウムの
沈殿として生成させるため、この工程では酒石酸以外の
酸を使用するのは不適当である。
【0009】次に、ろ液をNH4 OHでpH8.6〜
9.2に調整し、ホウ酒石酸バリウムの沈殿を生成させ
る。この工程において、ホウ酒石酸バリウムの沈殿を生
成させるときのpHの範囲を8.6〜9.2と規定した
のは、この範囲ではホウ酒石酸バリウムの沈殿生成が完
全となり、回収率が100%に近くなるからである。
【0010】次に、ホウ酒石酸バリウムの沈殿をpH
8.6〜9.2に調整した水でろ液にCl- が認められ
なくなるまで洗浄する。この工程において、ホウ酒石酸
バリウムの沈殿を洗浄するための水のpHを8.6〜
9.2と規定したのは、常温の蒸留水(pH7)で洗浄
した場合、沈殿が水側に溶解して沈殿の回収率が低下す
る結果、分析値に低値を与えるためである。
【0011】なお、洗浄時に沈殿の溶解を防止するため
に、10℃以下に冷却した水を用いることも考えられ
る。しかし、この方法は実験室レベルでは可能である
が、現場での分析作業では不可能な場合が多い。
【0012】次いで、ホウ酒石酸バリウムの沈殿を75
0〜850℃で焼成してBa2 BO6 としてホウ素を定
量する。この工程において、ホウ酒石酸バリウムの沈殿
を750〜850℃で焼成するのは、焼成温度がこの範
囲をはずれると沈殿中に存在するBa2 BO6 以外の物
質を十分に除去することができなくなるためである。
【0013】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。以下のよ
うにして地熱発電プラントの地上設備で発生するスケー
ル試料中のホウ素を分析する。
【0014】(1)試料0.5gとNa2 CO3 をよく
混合し、白金るつぼに入れ、バーナーまたは溶融炉で3
0分間強熱し、融解する。 (2)HF10mL(ミリリットル)とHClO4 10
mLを加えて加熱し、白煙処理することにより、SiO
2 を除去する。
【0015】(3)放冷後、テフロンビーカーに入れ、
水50mLを加え希HCl(1+1)で中和しながら加
熱することにより融成物を溶解する。 (4)放冷後、溶液をろ紙No.5Cでろ過し100m
Lとする。
【0016】(5)適量の溶液を200mLビーカーに
分取し、1規定HClでpH4に調整する。 (6)溶液に20%NH4 Cl溶液10mLおよび10
%BaCl2 溶液5mLを加え、よく撹拌する。
【0017】(7)溶液に10%酒石酸溶液5mLを加
え、よく撹拌する。 (8)一夜放置した後、生成した硫酸バリウムの沈殿を
ろ紙No.5Cでろ過し、ろ液を捕集する。
【0018】(9)ろ液をNH4 OH(1+1)でpH
8.6〜9.2に調整する。ここで、pH8.6〜9.
2においてホウ酒石酸バリウムの沈殿生成が完全にな
り、回収率が100%近くになる。
【0019】(10)NH4 OH(1+1)でpH8.
6〜9.2に調整した水を加え、全量を50〜90mL
とする。 (11)ろ紙No.5Cでろ過してホウ酒石酸バリウム
の沈殿を捕集する。
【0020】(12)NH4 OH(1+1)でpH8.
6〜9.2に調整した水で、ホウ酒石酸バリウムの沈殿
を洗浄する。この洗浄はろ液にCl- が認められなくな
るまで続ける。
【0021】(13)ホウ酒石酸バリウムの沈殿を80
0℃の電気炉で1時間強熱する。800℃で強熱するこ
とにより、沈殿中に存在するNH4 OHおよびその他の
物質を除去し、Ba2 BO6 のみを得る。
【0022】(14)残ったBa2 BO6 の重量を化学
天秤で0.1mgの精度で秤量する。 (15)秤量された重量に0.0283を乗じてホウ素
の量を求める。
【0023】B=Ba2 BO6 ×0.0283 なお、上記実施例ではpH=4で硫酸バリウムの沈殿を
生成させ、800℃でホウ酒石酸バリウムの沈殿を強熱
する場合について述べたが、これらの条件はpH3.5
〜4.5、温度750〜850℃の範囲であればよい。
【0024】
【発明の効果】以上詳述したように本発明の方法によれ
ば、スケール中にシリカ(SiO2 )および硫酸イオン
(SO4 2-)が高濃度で共存する場合でも、主成分であ
るホウ素を精度よく分析でき、しかも分析作業を現場で
迅速に実施できる。このように地熱発電プラントなどに
おけるセパレータ、タービンノズル、タービン翼に付着
するスケールの正確な調査が実施でき、的確な対策立案
が可能である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 試料をアルカリ溶融して水に溶解し、さ
    らにHFおよびHClO4 を加え加熱して白煙処理した
    後、希塩酸で溶解する工程と、NH4 Cl、BaCl2
    および酒石酸を加え、pH3.5〜4.5で硫酸バリウ
    ムの沈殿を生成させた後、ろ液を捕集する工程と、ろ液
    をNH4 OHでpH8.6〜9.2に調整し、ホウ酒石
    酸バリウムの沈殿を生成させる工程と、ホウ酒石酸バリ
    ウムの沈殿をpH8.6〜9.2に調整した水でろ液に
    Cl- が認められなくなるまで洗浄する工程と、ホウ酒
    石酸バリウムの沈殿を750〜850℃で焼成してBa
    2 BO6 としてホウ素を定量する工程とを具備したこと
    を特徴とするホウ素分析法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP0524766A2 (en) * 1991-07-22 1993-01-27 Kabushiki Kaisha Toshiba Liquid crystal display device
JP2021522437A (ja) * 2018-04-18 2021-08-30 エコラボ ユーエスエー インコーポレイティド タービン堆積物洗浄剤
CN114062186A (zh) * 2020-07-31 2022-02-18 上海梅山钢铁股份有限公司 一种烧结脱硫脱硝灰中硫酸钙含量的测定方法
US12037538B2 (en) 2019-03-28 2024-07-16 Ecolab Usa Inc. Synergistic blends of fluoro-inorganics and inorganic acids for removing deposits and stimulating geothermal wells

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