JPH1066946A - 飛灰などの微粉状廃棄物の無害化処理組成物 - Google Patents

飛灰などの微粉状廃棄物の無害化処理組成物

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JPH1066946A
JPH1066946A JP8224153A JP22415396A JPH1066946A JP H1066946 A JPH1066946 A JP H1066946A JP 8224153 A JP8224153 A JP 8224153A JP 22415396 A JP22415396 A JP 22415396A JP H1066946 A JPH1066946 A JP H1066946A
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waste
silicon dioxide
composition
fly ash
hydrosol
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JP8224153A
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Tatsuo Goto
達男 後藤
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SHINSEI DENTARU LAB KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 飛灰などの微粉状廃棄物中に含まれる鉛など
の重金属類やアルカリ土類金属の溶出を抑制した飛灰の
無害化処理組成物を提供する。 【解決手段】 焼却炉から排出される飛灰などの微粉状
廃棄物と、5〜50%の濃度の二酸化ケイ素のヒドロゾ
ルとを混合する。前記微粉状廃棄物100重量部に対す
る前記二酸化ケイ素のヒドロゾルの配合割合が6〜10
0重量部であるのが好ましい。さらに前記微粉状廃棄物
の粒子よりも微細な無機フィラー0.5〜30重量部を
混合してもよい。前記二酸化ケイ素のヒドロゾルとは、
例えば、塩酸又は硫酸あるいはその塩を添加した水ガラ
スである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、飛灰などの微粉状
廃棄物中に含まれる重金属類などの溶出を抑制した微粉
状廃棄物の無害化処理組成物に関し、特に、飛灰中に含
まれる鉛等の重金属類やカルシウムなどを不溶化し有効
利用を可能とした微粉状廃棄物の無害化処理組成物に関
する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】産業廃棄物および都市
生活からの廃棄物等の内、可燃物は回収後、焼却炉で焼
却されて焼却灰の形態として投棄及び埋設処分などに付
されている。その一方、このような廃棄物を燃焼する
と、各種成分中の低沸点物質が揮散し、いわゆる飛灰と
なるが、この飛灰は、前記焼却灰に比べてカルシウム
(Ca)やマグネシウム(Mg)などのアルカリ土類金
属や鉛(Pb)、カドミウム(Cd)、クロム(C
r)、亜鉛(Zn)、砒素(As)、水銀(Hg)など
の重金属類などを多く含むので、一般廃棄物として埋め
立てることができないばかりか、外部環境に拡散させな
いために消石灰などを担持させたバグフィルターなどに
よりこれを捕集している。このような飛灰は、環境衛生
上厳重な管理が必要とされ、そのままでは投棄したり埋
め立て資材として利用することはできず、各種無害化処
理が要求されている。
【0003】このような無害化処理方法として、特開昭
56−161880号公報には、都市ゴミ、汚泥、ヘド
ロ等の焼却灰、各種ガス処理工程から生じるダスト等の
微粉状廃棄物に、消石灰などのCa成分を混合添加し
て、混合物中のCa分をCaO換算で10重量%程度以
上とし、またCa成分が十分でも固化しにくい場合に
は、必要に応じてけい藻土、水ガラス等の固化促進剤加
え、更に6価クロムを大量に含む場合には、2価鉄イオ
ンの塩、亜硫酸塩などの還元剤を添加し、これらを添加
混合した後成型し、大気圧で50℃以上の水または水蒸
気中に3日間以上放置、養生させて、粉状廃棄物を固化
させる微粉状廃棄物の固化処理方法が開示されている。
しかしながら、この公報に記載された微粉状廃棄物の固
化処理方法は、大気圧で50℃以上の水または水蒸気中
に3日間以上放置、養生させて、粉状廃棄物を固化させ
るものであるので、大量の粉状廃棄物を連続的に処理す
るには適さないという問題点がある。
【0004】また、特開平5−305280号公報に
は、焼却炉から排出される飛灰、或いは飛灰を洗浄した
洗浄液、さらには排煙中の塵を洗煙した後の洗煙廃液に
ケイ酸ナトリウムなどの水溶性のケイ酸塩溶液(水ガラ
ス)を加え、灰や塵中の重金属やカルシウム、マグネシ
ウムなどのアルカリ土類金属を不溶性物とする焼却炉か
ら排出される灰等の無害化処理方法が開示されている。
この公報に記載された方法は、飛灰にケイ酸ナトリウム
などの水溶性のケイ酸塩溶液などを配合することによ
り、灰や塵中の重金属やカルシウム、マグネシウムなど
のアルカリ土類金属を不溶性とするものであるが、飛灰
とケイ酸ナトリウムなどの水溶性のケイ酸塩溶液などを
混合すると、ただちにゲル化して水溶性のケイ酸塩溶液
が少ない場合には飛灰とケイ酸ナトリウムとの反応によ
り生じる不活性塩が凝集して大きな粒状物を形成しやす
く、この粒状物の内部に飛灰が未反応な状態で閉じ込め
られると、その後この大きな粒状物が破砕して飛灰が表
在化するため、十分な無害化効果が期待できないという
問題点がある。そこでこの公報に記載された方法では、
焼却灰もしくは飛灰に対して十分な量のケイ酸塩溶液
(水ガラス)及び洗浄水を添加し、飛灰などの微粉状廃
棄物を洗浄すると同時に鉛、カドミウムなどの重金属や
カルシウムやマグネシウムなどのアルカリ土類金属を不
溶化し、飛灰の固形分及び重金属塩、アルカリ土類金属
塩などの不溶化物を沈殿分離し、これを取り出す方法を
採用しているが、この方法では焼却灰もしくは飛灰に対
して相当量の水ガラス及び洗浄水を添加する必要があり
実用的でないという問題点がある。また、沈殿分離した
飛灰などの微粉状廃棄物の固形分及び重金属塩、アルカ
リ土類金属塩などの不溶化物は、そのまま有効利用する
には適さないものであり、溶融炉において溶融スラグ化
するなどしなければ再利用することができないという問
題点がある。
【0005】本発明は上記問題点に基いてなされたもの
であり、飛灰などの微粉状廃棄物中に含まれる鉛などの
重金属類やアルカリ土類金属の溶出を抑制した飛灰の無
害化処理組成物を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1の飛灰
などの微粉状廃棄物の無害化処理組成物は、焼却炉から
排出される飛灰などの微粉状廃棄物と、5〜50%の濃
度の二酸化ケイ素のヒドロゾルとを混合したものであ
る。
【0007】このような構成を採用することにより、飛
灰などの微粉状廃棄物に二酸化ケイ素のヒドロゾルが素
早く分散して微粉状廃棄物中のアルカリ土類金属及び重
金属類が二酸化ケイ素に取り囲まれるが、二酸化ケイ素
がヒドロゾルの状態であるので直ちに全てのアルカリ土
類金属及び重金属類と反応することはなく、微粉状廃棄
物とペースト状の組成物を形成する。そして、このペー
スト状の組成物中でアルカリ土類金属及び重金属類と二
酸化ケイ素とが徐々に反応して、これらの不活性塩を形
成することにより、アルカリ土類金属及び重金属類の溶
出を抑制することができる。特に、このヒドロゾル中の
二酸化ケイ素が飛灰などの微粉状廃棄物中の水酸化カル
シウムと反応して不活性塩を形成するので、例えば水酸
化カルシウムをケイ酸カルシウムに転化することにより
pHを抑制することができるので、微粉状廃棄物中の鉛
成分がケイ酸鉛となり、水酸化鉛や亜ナマリ酸イオンと
なって溶出するのが抑制される。また、組成物が最初は
ペースト状を呈するので、二酸化ケイ素のヒドロゾルが
微粉状廃棄物にまんべんなく行きわたるため、未反応の
アルカリ土類金属及び重金属類を大幅に減少させること
ができる。そして、二酸化ケイ素のヒドロゾルは、水酸
化カルシウムや水酸化鉛などと徐々に反応してケイ酸カ
ルシウム、ケイ酸鉛あるいはそれらの水和物を形成し、
これに伴い組成物が強固に硬化し、アルカリ土類金属及
び重金属類の不溶化をもたらす。
【0008】また、請求項2の飛灰などの微粉状廃棄物
の無害化処理組成物は、前記微粉状廃棄物100重量部
に対する前記二酸化ケイ素のヒドロゾルの配合割合が6
〜100重量部であるものである。このような構成を採
用することにより、初期段階での組成物が液状となるこ
とも粒状もしくは粉状となることもなくペースト状をな
すので再利用しやすくなっている。しかも、二酸化ケイ
素のヒドロゾルを微粉状廃棄物にまんべんなく行きわた
らせることができる。
【0009】請求項3の飛灰などの微粉状廃棄物の無害
化処理組成物は、前記微粉状廃棄物100重量部と、二
酸化ケイ素のヒドロゾル6〜100重量部とに、さらに
前記微粉状廃棄物の粒子よりも微細な無機フィラー0.
5〜30重量部を混合したものである。このような構成
を採用することにより、ペースト状組成物が形成される
と無機フィラーが均一に分散され、アルカリ土類金属及
び重金属類と二酸化ケイ素との反応による不活性塩が形
成されるとその表面に無機フィラーが付着してこれを被
覆し、微粉状廃棄物が不活性塩と無機フィラーとにより
二重に保護されることになるので、そのアルカリ土類金
属及び重金属類の溶出が長期間にわたり安定的に抑制さ
れる。
【0010】さらに、請求項4の飛灰などの微粉状廃棄
物の無害化処理組成物は、前記二酸化ケイ素のヒドロゾ
ルが、塩酸又は硫酸あるいはその塩を添加した水ガラス
である。このような構成を採用することにより、二酸化
ケイ素を含有する水ガラスを良好にゾル化することがで
きるので、二酸化ケイ素が微粉状廃棄物にまんべんなく
行きわたるため、未反応のアルカリ土類金属及び重金属
類を大幅に減少させることができる。そして、この二酸
化ケイ素が水酸化カルシウムと徐々に反応してケイ酸カ
ルシウムあるいはその水和物を形成することができる。
【0011】
【発明の実施形態】以下、本発明の飛灰などの微粉状廃
棄物の無害化処理組成物について詳細に説明する。
【0012】本発明において微粉状廃棄物とは、ごみを
焼却するとごみの各種成分中の低沸点物質が揮散する
が、この揮散した低沸点物質をフィルターなどにより捕
集した飛灰を主成分とするものである。この飛灰は、焼
却炉の底部に残存する焼却灰に比べてカルシウム(C
a)やマグネシウム(Mg)などのアルカリ土類金属や
鉛(Pb)、カドミウム(Cd)、クロム(Cr)、亜
鉛(Zn)、砒素(As)、水銀(Hg)などの重金属
類などを多く含むため、一般廃棄物として埋め立てるこ
とができず、無害化処理が要求されているものである。
なお、この飛灰は消石灰(水酸化カルシウム)を担持し
たバグフィルターなどにより捕集されるためその成分中
に消石灰あるいはその中和物である塩化カルシウムなど
を多く含有する。本発明の微粉状廃棄物は、基本的には
この飛灰を対象とするものであるが、少量の焼却灰など
他の成分を含有していてもよい。上述したような微粉状
廃棄物飛灰は、通常1〜100μmもしくはそれ以上の
粒径を有する。
【0013】上述したような微粉状廃棄物に配合する二
酸化ケイ素のヒドロゾルとは、水ガラスなどのケイ酸ソ
ーダ水溶液に塩酸、硫酸、硝酸又はリン酸などの強酸性
溶液、あるいは塩酸塩、硫酸塩、硝酸又はリン酸などの
塩(水溶液)を添加して得られるゾルである。このよう
な二酸化ケイ素のヒドロゾルは、5〜50%の二酸化ケ
イ素の濃度を有し、例えば、水ガラス100容量部に対
して、塩酸、硫酸、あるいはその塩類の水溶液30〜2
00容量部を混合することにより得ることができる。上
述したような二酸化ケイ素のヒドロゾルとしては、微粉
状廃棄物と混練する上で良好な粘度とするためにpH2
〜5あるいはpH10〜12のものが好ましい。なお、上記
水ガラスとは、SiO2 とNa2 Oなどとを含有する濃
厚な水溶液のことである。
【0014】この二酸化ケイ素のヒドロゾルは、以下の
目的で使用する。すなわち、二酸化ケイ素のヒドロゾル
中の酸化ケイ素イオン(SiO3 2-あるいはSi
4 4-)は、カルシウムなどのアルカリ土類金属あるい
は鉛などの重金属類と反応性を有し、例えばカルシウム
や鉛との間で下記の反応が生じて不活性の塩(水和物)
を形成すると考えられる。
【0015】Ca2++SiO3 2-+nH2 0→CaSi
3 ・nH2 0 Pb2++SiO3 2-+nH2 0→PbSiO3 ・nH2
0 なお、他のアルカリ土類金属及び重金属類もこれに類す
る反応により酸化ケイ素イオン(SiO3 2-あるいはS
iO4 4-)と反応して不活性塩(水和物)として固定さ
れる。
【0016】また、鉛(Pb)、カドミウム(Cd)、
クロム(Cr)、亜鉛(Zn)、砒素(As)、水銀
(Hg)などの重金属類はpH10以上になると不溶性
の塩を形成し溶出しなくなるが、逆にpH11.5を超
えるとこれらの重金属類のうち鉛(Pb)が水酸化鉛や
亜ナマリ酸イオンとなって溶出するようになる。従っ
て、そのpHが10〜11.5の範囲内にあれば鉛(P
b)を含む重金属類の溶出を防止することができる。し
かしながら、飛灰中にはカルシウム成分の供給源として
消石灰(水酸化カルシウム)及びその中和物である塩化
カルシウムなどが多量に含有されており、両者の溶解度
の差から塩化カルシウムの方が多く溶出するが、カルシ
ウムイオンの溶出量は一定であるので、水酸化カルシウ
ムの方が残存することになる。この残存した水酸化カル
シウムが後に溶出することにより、その水酸基に起因し
てpHが11.5以上に上昇することになるのである。
この対策としてpHを調整してやることが考えられる
が、塩化カルシウムが緩衝剤としての機能を発揮するた
め一旦上昇したpHを下げるのは困難である。そこで、
本発明においては、二酸化ケイ素のヒドロゾルを添加す
ることにより、水酸化カルシウム及び塩化カルシウムな
どのカルシウムを酸化ケイ素イオンと反応させて水和物
として固定化することによりその溶出を防止してpHの
上昇を抑制する。しかも、二酸化ケイ素のヒドロゾル
は、流動性の富むので、カルシウムなどのアルカリ土類
金属及び重金属類と二酸化ケイ素とが反応すると、未反
応の二酸化ケイ素がゾル状態を維持しながら流動し、未
反応のアルカリ土類金属及び重金属類と反応するので、
アルカリ土類金属及び重金属類と二酸化ケイ素との反応
がゆっくりと進行するのである。
【0017】また、本発明においては上述したような微
粉状廃棄物と、二酸化ケイ素のヒドロゾルとに無機フィ
ラーを配合するのが好ましい。本発明において使用する
無機フィラーとしては、前述した微粉状廃棄物よりも粒
径が小さいものであれば特に制限はなく、微粉状のもの
細片状のもの(ピグメント)のいずれも用いることがで
きる。特にその粒径が0.01〜0.5μmの範囲内の
ものを用いることにより、微粉状廃棄物粒子の反応によ
る不活性塩の表面を隙間なく被覆することができるので
好ましい。上述したような無機フィラーとしては、化学
反応性の低いものが好ましく、特にコロイダルシリカ、
無水ケイ酸粒子、フェロケイ酸塩などのシリカ系フィラ
ー、アルミナ系フィラーなどが好ましい。
【0018】上述したような微粉状廃棄物と、二酸化ケ
イ素のヒドロゾルと、無機フィラーとの配合割合は特に
制限はないが、飛灰などの微粉状廃棄物100重量部に
対して、二酸化ケイ素のヒドロゾル6〜100重量部で
あるのが好ましい。微粉状廃棄物100重量部に対する
ヒドロゾルの割合が6重量部未満では、微粉状廃棄物中
のアルカリ土類金属や重金属類などと良好に反応して不
活性塩を形成するのが困難となるばかりか、微粉状廃棄
物を十分に濡らしてペースト状組成物を形成しにくくな
る一方、100重量部を超えてもそれ以上のアルカリ土
類金属や重金属類との反応が得られないばかりか、得ら
れる組成物の流動性が大きくなりすぎて取扱性が低下す
るため好ましくない。
【0019】また、微粉状廃棄物100重量部に対する
無機フィラーの配合割合は0.5〜30重量部であるの
が好ましい。無機フィラーの配合割合が0.5重量部未
満では、アルカリ土類金属や重金属類などを含む微粉状
廃棄物粒子と二酸化ケイ素との反応による生じる不活性
塩の表面をまんべんなく被覆するのが困難となる一方、
30重量部を超えても不活性塩に対して過剰量となるた
め無意味である。
【0020】上述したような本発明の無害化処理組成物
は、例えば、あらかじめ水ガラスなどのケイ酸ソーダ水
溶液を塩酸、硫酸などの強酸性の溶液、あるいはこれら
の塩の水溶液などで希釈、混合して所望の粘度及びpH
の二酸化ケイ素のヒドロゾルを製造しておき、このヒド
ロゾルと、微粉状廃棄物と、必要に応じて添加される無
機フィラーとを配合し、ボールミル、高速ミキサなどの
混合装置で混合することにより得ることができる。
【0021】このようにして得られる本発明の焼却炉か
ら排出される飛灰などの微粉状廃棄物の無害化処理組成
物は、初期状態においては酸化ケイ素イオンと、アルカ
リ土類金属及び重金属類などの粒子とが該酸化ケイ素イ
オンがヒドロゾルの状態であり流動性に富むので微粉状
廃棄物粒子にまんべんなく行きわたり、これを濡らすの
でペースト状を呈する。そして、カルシウムなどのアル
カリ土類金属及び重金属類と二酸化ケイ素とが反応する
と、未反応の二酸化ケイ素がゾル状態を維持しながら流
動し、未反応のアルカリ土類金属及び重金属類と反応す
るので、このペースト状組成物中でアルカリ土類金属及
び重金属類と二酸化ケイ素とが徐々に反応して、これら
の不活性塩(水和物)が形成され、経時的にアルカリ土
類金属及び重金属類などの溶出を抑制する効果が向上し
ていく。特に、二酸化ケイ素とカルシウムとが反応して
不活性塩(水和物)を形成する。そして、二酸化ケイ素
のヒドロゾルと水酸化カルシウムとが徐々に反応してケ
イ酸カルシウムあるいはその水和物を形成すると、これ
に伴い強固に硬化する。したがって、ペースト状組成物
の硬化と、アルカリ土類金属及び重金属類の溶出を抑制
する効果とが共に進行することになるので、ペースト状
組成物を所定の形状に成型し、これが完全に硬化した時
点でアルカリ土類金属及び重金属類の溶出の抑制が完了
したとみなすことができる。そしてこのようにして硬化
させたらその硬化物をそのまま水に浸漬するだけで塩抜
きが可能であり、瀘過などを必要としないかもしくは軽
微で済む。このようにして塩抜きをした後、ポルトラン
ドセメント、砂、砂利などにその利用率(含有率)を高
い状態で配合してセメントブロック化して土木工事ある
いは建築工事の基礎道路の基礎、具体的には道路、建築
物、グランド、競技場などの基礎として有効利用を図る
ことができる。特に、無機フィラーを配合することによ
りアルカリ土類金属及び重金属類と二酸化ケイ素との反
応による不活性塩の表面にこれががびっしりと付着して
被覆する。このため、微粉状廃棄物は、不活性塩と化学
反応性の低い無機フィラーとにより2重の層内に閉じ込
められることになるので、長期間にわたって安定してそ
の溶出の抑制効果が維持される。
【0022】以上、本発明の飛灰などの微粉状廃棄物の
無害化処理組成物について説明してきたが、本発明はこ
れに限定されず、本発明の思想を逸脱しない範囲で種々
の変更が可能であり、例えば、前記成分の他に他の添加
剤、例えば還元剤などを添加することができる。
【0023】
【実施例】以下の具体的実施例により本発明をさらに詳
細に説明する。
【0024】混合溶液の調整 水ガラス(3号水ガラス)100容量部と、水100容
量部と、塩酸20容量部を混合して二酸化ケイ素のヒド
ロゾルを製造し、この二酸化ケイ素のヒドロゾル100
容量部に対して、無機フィラー(フェロケイ酸塩)10
容量部を配合して混合溶液を調整した。
【0025】例1〜3 pH調整試験 Pbの溶出量が140mg/リットルでpH12.01
の試験用微粉状廃棄物40gに対して水400ccを配
合したものに前記混合溶液を添加し、pHが11以下と
なるまでの添加量を測定した(例1)。また、前記No.1
において混合溶液の代わりに硫酸アルミニウム33%水
溶液を用いた場合(例2)について同様にpHが11以
下となるまでの添加量を測定した。結果を表1に示す。
【0026】また、試験用微粉状廃棄物40gに対して
混合溶液40gを添加し混練、硬化したものに水400
ccを配合し、pHが11以下となるまでの硫酸アルミ
ニウム33%水溶液の添加量を測定した(例3)。結果
を表1にあわせて示す。
【0027】
【表1】
【0028】表1から明らかなように試験用微粉状廃棄
物と混合液とを配合しただけである例1では、pHを1
1以下とするのに100gを要し、試験用微粉状廃棄物
に硫酸アルミニウム33%水溶液を配合した場合である
例2の70gより多かったのに対し、試験用微粉状廃棄
物と混合液を混練し、硬化した例3の場合にはpHを1
1以下とするのに硫酸アルミニウム33%水溶液がわず
か15gでよいことがわかる。これは、混合液を配合し
混練することにより、ペースト状組成物が形成され、こ
のペースト状組成物中で水酸化カルシウムと二酸化ケイ
素とが反応しはじめ、硬化するためであると考えられ
る。
【0029】例4〜6 経時によるpH調整試験 試験用微粉状廃棄物40gに混合液25gを配合し混練した
組成物において、混練後1時間及び3時間乾燥させた場
合(例4、例5)、及び30分間乾燥した後、混合液に
5分間浸漬した場合(例6)について、前記例3と同様
にしてpHが11以下となるまでの硫酸アルミニウム3
3%水溶液の添加量を測定した。結果を表2に示す。
【0030】
【表2】
【0031】表2から明らかなように乾燥時間が長いほ
ど初期pHが低くなっており、また、pHが11以下と
なるまでの硫酸アルミニウム33%水溶液の添加量が少
なくてすむことがわかる。このことから、ペースト状組
成物中で水酸化カルシウムと二酸化ケイ素との反応が徐
々に進行していると予想される。また、30分間乾燥し
た後、混合液に5分間浸漬することによりこの反応が促
進されるため、乾燥時間が短くてもpHが11以下とな
るまでの硫酸アルミニウム33%水溶液の添加量が少な
くてすむことがわかる。
【0032】例7〜9 長期間経過後のpH測定試験 試験用微粉状廃棄物40gに混合液25gを配合し混練した
組成物において、1週間(7日間)自然放置した場合
(例7)、天日で3日間乾燥した場合(例8)、及び混
練後30分間乾燥した後混合液に5分間浸漬するサイク
ルを3回繰り返した場合(例9)について、前記例3と
同様にして水400ccに浸漬したものについてpHの
測定を行った。結果を表3に示す。
【0033】
【表3】
【0034】表3から明らかなように1週間自然放置し
た例7の場合には、pH10.25 であり、天日で3日間乾
燥した例8の場合にはpH11.04 であり、十分に低いも
のであった。また、30分間乾燥した後混合液に5分間
浸漬するサイクルを3回繰り返した例9では、乾燥時間
は短いもののpH10.78 であった。
【0035】例10 鉛溶出試験 硝酸鉛1gと、酸化鉛1gと、水酸化カルシウム(Ca
(OH)2 )10gと、塩化カルシウム(CaCl2
10gと、前述した混合溶液20gとを混練し、鉛溶出
試験用のペースト状組成物を調整した。このようにして
得られた組成物をドライヤーにて熱風乾燥して得られた
硬化物を水400ccに浸漬したところpH10.3で
あった。また、この浸漬水中の鉛濃度を測定したところ
検出されなかった(0.1mg/リットル未満であっ
た)。次に、この浸漬水に硝酸を添加し浸漬水のpH
2.93として、浸漬水中の鉛濃度を測定したところや
はり検出されなかった(0.1mg/リットル未満であっ
た)。
【0036】このことから、本発明の組成物中では鉛が
酸性領域及びアルカリ性領域のいずれでも水に不溶で安
定した状態にあることがわかる。これは、鉛がケイ酸鉛
(水和物を含む)となって、これが不溶化しているため
であると考えられる。
【0037】
【発明の効果】本発明の請求項1の焼却炉から排出され
る飛灰などの微粉状廃棄物の無害化処理組成物は、焼却
炉から排出される飛灰などの微粉状廃棄物と、5〜50
%の濃度の二酸化ケイ素のヒドロゾルとを混合したもの
であるので、飛灰などの微粉状廃棄物中のアルカリ土類
金属及び重金属類と二酸化ケイ素とが徐々に反応して、
これらの不活性塩を形成することにより、アルカリ土類
金属及び重金属類の溶出を抑制することができる。特
に、このヒドロゾル中の二酸化ケイ素が飛灰などの微粉
状廃棄物中の水酸化カルシウムと反応して不活性塩を形
成するので、例えば水酸化カルシウムをケイ酸カルシウ
ムに転化することによりpHを抑制することができるの
で、微粉状廃棄物中の鉛成分がケイ酸鉛となり、水酸化
鉛や亜ナマリ酸イオンとなって溶出するのが抑制され
る。また、組成物が最初はペースト状を呈するので、二
酸化ケイ素のヒドロゾルが微粉状廃棄物にまんべんなく
行きわたるため、未反応のアルカリ土類金属及び重金属
類を大幅に減少させることができる。そして、二酸化ケ
イ素のヒドロゾルは、水酸化カルシウムや水酸化鉛など
と徐々に反応してケイ酸カルシウム、ケイ酸鉛あるいは
それらの水和物を形成し、これに伴い組成物が強固に硬
化し、アルカリ土類金属及び重金属類の不溶化をもたら
す。
【0038】また、請求項2の飛灰などの微粉状廃棄物
の無害化処理組成物は、前記微粉状廃棄物100重量部
に対する前記二酸化ケイ素のヒドロゾルの配合割合が6
〜100重量部であるものであるので、初期段階での組
成物が液状となることも粒状もしくは粉状となることも
なくペースト状をなすので再利用しやすくなっている。
しかも、二酸化ケイ素のヒドロゾルを微粉状廃棄物にま
んべんなく行きわたらせることができる。
【0039】請求項3の飛灰などの微粉状廃棄物の無害
化処理組成物は、前記微粉状廃棄物100重量部と、二
酸化ケイ素のヒドロゾル6〜100重量部とに、さらに
前記微粉状廃棄物の粒子よりも微細な無機フィラー0.
5〜30重量部を混合したものであるので、ペースト状
組成物が形成されると無機フィラーが均一に分散され、
アルカリ土類金属及び重金属類と二酸化ケイ素との反応
による不活性塩が形成されるとその表面に無機フィラー
が付着してこれを被覆し、微粉状廃棄物が不活性塩と無
機フィラーとにより二重に保護されることになるので、
そのアルカリ土類金属及び重金属類の溶出が長期間にわ
たり安定的に抑制される。
【0040】さらに、請求項4の飛灰などの微粉状廃棄
物の無害化処理組成物は、前記二酸化ケイ素のヒドロゾ
ルが、塩酸又は硫酸あるいはその塩を添加した水ガラス
であるので、二酸化ケイ素を含有する水ガラスを良好に
ゾル化することができるため、二酸化ケイ素が微粉状廃
棄物にまんべんなく行きわたるため、未反応のアルカリ
土類金属及び重金属類を大幅に減少させることができ
る。そして、この二酸化ケイ素が水酸化カルシウムと徐
々に反応してケイ酸カルシウムあるいはその水和物を形
成することができる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 焼却炉から排出される飛灰などの微粉状
    廃棄物と、5〜50%の濃度の二酸化ケイ素のヒドロゾ
    ルとを混合したことを特徴とする飛灰などの微粉状廃棄
    物の無害化処理組成物。
  2. 【請求項2】 前記微粉状廃棄物100重量部に対する
    前記二酸化ケイ素のヒドロゾルの配合割合が6〜100
    重量部であることを特徴とする請求項1記載の飛灰など
    の微粉状廃棄物の無害化処理組成物。
  3. 【請求項3】 前記微粉状廃棄物100重量部と、二酸
    化ケイ素のヒドロゾル6〜100重量部とに、さらに前
    記微粉状廃棄物の粒子よりも微細な無機フィラー0.5
    〜30重量部を混合したことを特徴とする請求項2記載
    の飛灰などの微粉状廃棄物の無害化処理組成物。
  4. 【請求項4】 前記二酸化ケイ素のヒドロゾルが、塩酸
    又は硫酸あるいはその塩を添加した水ガラスであること
    を特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の飛灰な
    どの微粉状廃棄物の無害化処理組成物。
JP8224153A 1996-08-26 1996-08-26 飛灰などの微粉状廃棄物の無害化処理組成物 Pending JPH1066946A (ja)

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