JPH1065578A - スペクトル拡散復調方法及び装置 - Google Patents

スペクトル拡散復調方法及び装置

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JPH1065578A
JPH1065578A JP9127446A JP12744697A JPH1065578A JP H1065578 A JPH1065578 A JP H1065578A JP 9127446 A JP9127446 A JP 9127446A JP 12744697 A JP12744697 A JP 12744697A JP H1065578 A JPH1065578 A JP H1065578A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 受信機が最大の相関レベルを有する位相で動
作するように制御し、受信品質を向上することが可能な
スペクトル拡散復調装置を提供すること。 【解決手段】 マルチパス成分の相関レベルの推定変化
速度にしたがって送信信号のマルチパス成分の復調のた
めの位相を割り当てる。平均間隔にしたがってマルチパ
ス成分の平均相関レベルを決定するため平均化回路を設
け、平均間隔はマルチパス成分の相関レベルにおける推
定変化速度にしたがって決定される。マルチパス成分の
相関レベルの推定変化速度にしたがって送信機と受信機
の間の相対移動速度を決定し表示するため移動速度表示
装置を設ける。相関レベルの過去の測定値にしたがって
マルチパス成分の相関レベルを予測するため相関レベル
予測回路を設ける。位相割り当て回路は復調回路による
送信信号のマルチパス成分の復調のため予測した相関レ
ベルにしたがって位相割り当てを決定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は受信機ユニットに関し更
に特定すれば移動中に移動局による受信の改善を提供す
るスペクトル拡散通信受信機に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、セルラホンおよび携帯電話を含む
地上移動通信の要求が目だって増加した。その結果、限
られた周波数バンドを更に有効に利用して大量の加入者
容量を確保する技術の改良に対する必要性が増加した。
更に効率的な周波数利用を提供するシステムの1種類が
コード分割多重接続方式(CDMA)である。CDMA
方式は、スペクトル拡散通信技術を利用した多重接続方
式で、広帯域性や、疑似雑音(PN)系列等の符号によ
る鋭い相関特性により、優れた通信品質を有する。ま
た、CDMA方式はスペクトル拡散送信に依存し、極端
に相互相関が低くかつ非常にシャープな自動相関特性も
有する拡散符号による情報信号の変調によって従来の送
信方法より改良された受信方式を提供している。CDM
A方式を送信に使用する地上移動通信システムの例が米
国特許第4,901,307号に記載されている。直接
拡散方式を用いたスペクトル拡散通信方式では、RAK
E方式と呼ばれる受信機を用いることによって、マルチ
パス成分を最大比合成し、ダイバーシティ効果をあげる
ことができる。
【0003】米国において、既存のCDMA送信システ
ムは、RAKE方式として周知の受信機で信号の複数検
出されたマルチパス成分を独立して復調し組み合せるこ
とのできる直接拡散システムとして知られる変調方法を
使用している。従来技術のRAKE型受信機の例がIE
EE会報第68巻第3号(1980年3月)の328頁
〜353頁に記載されている。
【0004】以下の本発明の説明に対する背景として直
接拡散方式を使用する従来技術のスペクトル拡散通信シ
ステムについて説明する。図11は従来技術のスペクト
ル拡散通信システムの基本的なブロック構造と主要な部
位における電力レベルをグラフにして示す図である。こ
の図において、左側のブロックはスペクトル拡散送信
機、右側のブロックはスペクトル拡散受信機をそれぞれ
示す。図11において、符号49は送信データ、50は
送信データを変調する情報変調手段、51はスペクトル
拡散変調の際に用いられる疑似雑音系列等の符号を発生
する拡散符号発生手段、52はスペクトルを拡散するた
めのスペクトル拡散変調手段、53は送信アンテナを示
しており、これらの各部材50〜53によってスペクト
ル拡散送信機を構成している。また、54は受信アンテ
ナ、55は送信機側で発生した拡散符号と同じ符号を同
じタイミングで発生するための拡散符号同期獲得手段、
56はスペクトル拡散変調手段52における処理と逆の
処理を行なうためのスペクトル拡散復調手段、57は変
調されている信号を復調する情報復調手段を示してお
り、これらの各部材54〜57によってスペクトル拡散
受信機を構成している。また、58は受信データを表
す。
【0005】図11に図示してあるように、送信データ
49は送信データを変調するために使用する情報変調手
段50へ入力される。拡散符号発生手段51は変調した
送信データを拡散するために使用する拡散符号を生成す
る。スペクトル拡散変調手段52は生成した拡散符号を
使用してスペクトル拡散変調信号を出力する。これに接
続された送信アンテナ53を用いて変調信号を送信す
る。
【0006】拡散符号同期獲得手段55は送信機で検出
信号の変調に使用した拡散符号と同相で拡散符号を生成
するために使用する。スペクトル拡散復調手段56は送
信機のスペクトル拡散変調手段52によって使用される
処理の相補的な処理で検出信号を復調するために使用す
る。情報復調手段57はスペクトル拡散復調手段56の
出力を更に復調して受信データ58を得るために使用す
る。
【0007】送信機の情報変調手段50は送信データ4
9を伝送するのに十分なだけの帯域幅を有する狭帯域
(ナローバンド)情報信号を発生する。一方、拡散符号
発生手段51において発生される信号の帯域幅は、情報
変調手段50の出力信号に対して充分広い。スペクトル
拡散変調手段52では、情報変調手段50の出力信号に
対して拡散符号発生手段51の出力である拡散信号を乗
算し、帯域を拡散する。したがって、拡散符号による変
調後に得られた信号は本来の狭帯域情報信号に比較して
帯域幅が数倍に拡大している。受信機において、スペク
トル拡散復調手段56は広帯域信号を拡散符号同期獲得
手段55により同相で生成された同じ拡散符号と乗算し
てから結果を積分して狭帯域信号に戻す。
【0008】受信アンテナ54で検出された送信信号は
他のユーザから出された偽の周波数信号や周辺熱雑音等
(図11中の受信機の電力レベル図ではスパイクおよび
偏位した平坦なスペクトル干渉成分として図示してあ
る)による干渉周波数成分を含む。スペクトル拡散信号
の受信では、干渉信号に対して非常に小さい相互相関を
有する拡散符号で検出信号を逆拡散することでこうした
干渉成分を減少するため、拡散復調手段56の出力にお
いては、干渉成分が低減されている。
【0009】移動体通信環境において、チャンネル周波
数での送信は、図12に図示したような送信信号の反
射、屈折、拡散、分散のため、幾つかの異なる送信パス
(すなわち経路)に沿って行なわれる。このような作用
を一般にマルチパス伝送と称する。例えば、図12で
は、基地局59と移動局60が建造物等の反射性物体6
1の付近に位置している。パス62は基地局59から直
接到着する送信電波である直接波のパスを表わす。パス
63は建造物61で反射した後で遅れて到着する同じ送
信電波の間接波(遅延波)のパスを示す。図13は直接
送信パス62と遅延送信パス63の各々に対して異なる
位相で検出された各マルチパス成分についての各々の相
関レベルを示す。この図において、64は直接送信パス
62による送信電波の相関レベル、65は遅延送信パス
63による送信電波の相関レベルをそれぞれ示す。
【0010】異なるマルチパス成分による異なる位相を
有するスペクトル拡散信号を正しく復調するためには、
正しい位相でマルチパス成分を復調するように受信機の
スペクトル拡散復調手段56を割り当てる必要がある。
受信機ではスペクトル拡散復調手段56の動作するタイ
ミング、すなわち、拡散符号同期獲得手段55において
発生した拡散符号の位相を、復調したいパスに合わせる
ことによって、そのパスを復調することができる。この
ようなマルチパス伝送路では、時間遅延をもった自分の
信号(自己機)の信号が干渉となっている。
【0011】建造物61やその他の物体に起因する反射
によるマルチパス伝送の対象となる信号は異なるマルチ
パス成分の間のロケーションに依存する減衰性干渉を受
ける。複数のスペクトル拡散復調手段56を有するRA
KE方式による受信機を使用すれば、異なるマルチパス
成分を復調するためのスペクトル拡散復調手段56を有
することでこのようなマルチパス伝送を補償することが
できる。すなわち、RAKE方式による受信機では、複
数のスペクトル拡散復調手段56のそれぞれが各々の動
作タイミングで動作することにより、ダイバーシティ効
果(パスダイバーシティと呼ばれている)を発揮するこ
とができる。
【0012】従来のRAKE型スペクトル拡散受信機の
動作について説明する。図14は従来のRAKE型復調
器の構成を表すブロック図である。図14において、1
は受信したスペクトル拡散信号、2、3、4、5はスペ
クトル拡散信号を逆拡散し復調信号を生成するスペクト
ル拡散復調手段、6、7、8、9はスペクトル拡散復調
手段2〜5のそれぞれによって生成された復調信号であ
る。10は復調信号6〜9を最大比合成する受信信号合
成手段、11は最大比合成された復調信号である。12
は受信信号1に基づいてマルチパス波の各位相における
相関レベルを検出する相関レベル検索手段、13は相関
レベル検索手段12による検索結果であるマルチパス波
の各位相における相関レベルである。14は各位相にお
ける相関レベル13を基にスペクトル拡散復調手段2〜
5それぞれの位相(受信タイミング)を決定する位相割
当手段、15は位相制御情報である。
【0013】図14に図示したように、アンテナ54か
らの受信入力信号1は数個のスペクトル拡散復調手段
2、3、4、5に印加される。スペクトル拡散復調手段
2〜5は各々異なる位相に割り当てて異なる伝送パスに
沿って受信した送信信号のマルチパス成分を別個に復調
する。スペクトル拡散復調手段2〜5の出力6〜9は受
信信号合成手段10に印加され、合成手段10はこれら
を重み付けした和として組み合せて最大比の組み合せ信
号を得る。
【0014】スペクトル拡散復調手段2〜5は異なるマ
ルチパス成分による信号の各々の位相について相関レベ
ル13を決定するための相関レベル検索手段12を含
む。各々の位相についての相関レベル13は位相割当手
段14に入力され、位相割当手段14は検出した複数の
マルチパス成分を復調する際に使用するスペクトル拡散
復調手段2〜5の位相を設定する。
【0015】図15は位相に対するスペクトル逆拡散後
の送信信号のマルチパス成分についての相関レベルの例
を示したものである。さらに詳しくは、図4は各々の位
相t 0 からt4 で検出されたマルチパス成分の相関レベ
ル16〜20を示す。図15に図示してあるように、相
関レベル16〜20は各々のマルチパス成分の各々につ
いて位相t0 〜t4 で最大となる。
【0016】スペクトル拡散復調手段56による復調の
ための位相割り当ては、最大の相関レベルが観察される
位相のサブセットを選択するように実行する。つまり、
この例では、相関レベル16、17、18、20が検出
される位相t0 、t1 、t2、t4 でそれぞれ復調する
ようにスペクトル拡散復調手段が割り当てられる。最低
の相関レベル19が観察される位相t3 は、これによっ
て復調性能の低下を招来することからスペクトル拡散復
調手段への割り当てが選択されない。
【0017】移動体通信環境では、レーリー・フェーデ
ィングと呼ばれる瞬時値変動やその他の現象のため特定
の伝送パスに沿って受信した信号の相関レベルで大きく
時間に依存する変動が発生する。レーリー・フェーディ
ングは移動局が移動する速度と比例相関して特定のロケ
ーションで時間とともに変動する周期現象である。この
ようなフェーディングが起こる各マルチパス成分の相関
レベルは20デシベル以上独立して変化することがあ
る。その結果、相関レベル検索手段12は信号の各マル
チパス成分について検出した相関レベルを連続的に追跡
する必要がある。
【0018】このようなフェーディングに対抗せず、ス
ペクトル拡散RAKE型受信機の位相割当手段14が最
大の相関レベルを有する検出された多数のマルチパス成
分のグループにかならず対応するスペクトル拡散復調手
段2〜5によって異なるマルチパス成分信号を復調する
ために位相を割り当てることができるようなシステムな
らびに方法が必要とされている。このレーリー・フェー
ディングによる瞬時値変動は、移動局60の移動速度に
よってその速さが来まる。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
RAKE方式のスペクトル拡散復調手段にあっては、各
マルチパス成分の相関レベルが移動局の移動の結果とし
て定常的に変化するため全体として最大の相関レベルに
対応する復調についての位相を必ず割り当てることがで
きない。更に、従来のRAKE方式の受信機の位相割当
手段14は相関レベル検索手段12が実行する検出動作
により発生する遅延と、スペクトル拡散復調手段2〜5
の位相設定の変更の際に位相割当手段での別の遅延とを
制御する。その結果、従来技術のRAKE方式の受信機
は移動局の移動中には最大相関レベルで動作せず、結果
的に最適な受信品質を提供していない。
【0020】図16を参照して、従来技術のRAKE方
式の受信機による位相割り当て動作を説明する。ここで
マルチパス成分の相関レベルでの時間変化は位相割当手
段14の制御応答速度と比較して遅い。また図17を参
照して、従来技術のRAKE方式の受信機による位相割
り当て動作を説明する。ここでマルチパス成分の相関レ
ベルでの時間変化は位相割当手段14の制御応答速度と
比較して速い。簡略化するため、この例では、検出され
たマルチパス成分の個数が2個であり受信機はひとつだ
けのスペクトル拡散復調手段を含むものと考える。
【0021】図16は通信のマルチパス成分について相
関レベルの時間変化が位相割当手段14によって行なわ
れる制御の速度より遅い例を示している。曲線30はマ
ルチパス信号のマルチパス成分Aについて相関レベルの
時間的変化を示すグラフである。曲線31はマルチパス
信号のマルチパス成分Bについて相関レベルの時間的変
化を示すグラフである。32は制御遅延、33はマルチ
パス成分Aとマルチパス成分Bの相関レベルの大小が入
れ代わる時点、すなわちマルチパス成分AとBについて
の相関レベルが交差して、マルチパスBがこの後で高い
相関レベルを有するような時刻を表わす。時間点34は
スペクトル拡散復調手段2の位相がマルチパス成分Aの
位相での復調からマルチパス成分Bの位相での復調へ切
り換わる時刻を表わしている。即ち、位相割り当てで変
化を起すための制御遅延が間隔32として示してある。
間隔35はスペクトル拡散復調手段2の位相がマルチパ
ス成分Aの位相にセットされている場合を表わし、間隔
36はスペクトル拡散復調手段2の位相がマルチパス成
分Bの位相にセットされている場合を表わす。つまり位
相割当手段14は制御遅延32の後で高い相関レベルが
検出された異なるマルチパス成分についての位相へ復調
手段の位相割り当てを切り換えることができる。
【0022】図17はマルチパス成分についての相関レ
ベルの時間的変化が位相割当手段14によって行なわれ
る制御の速度より速い例を示すグラフである。曲線37
はマルチパス信号のマルチパス成分Cについて相関レベ
ルの時間的変化を示している。曲線38はマルチパス信
号のマルチパス成分Dについての相関レベルの時間的変
化を示スグラフである。間隔39はスペクトル拡散復調
手段の位相がマルチパス成分Cのそれにセットされてい
る時を表わし、間隔40はスペクトル拡散復調手段の位
相がマルチパス成分Dのそれにセットされている時を表
わす。この例では、相関レベルの時間的変化に比較して
位相割当手段14によって行なわれる制御応答が遅いた
め、従来技術のRAKE方式の受信機は高い相関レベル
の信号の復調に継る位相割り当てを実行できない。
【0023】図16に図示してあるような既存のシステ
ム動作によれば、マルチパス成分についての相関レベル
の時間的変化が位相割当手段14の制御応答速度に比較
して遅いにもかかわらず、受信品質は低い信号相関レベ
ルでの位相で復調が実行される制御遅延32の間隔の間
に劣化する。しかし、図17に図示してあるような既存
のシステム動作によれば、マルチパス成分の相関レベル
の時間的変化が位相割当手段14の制御応答速度より高
速な場合、位相の割り当てはマルチパス成分Cより時間
的に任意の点での相関レベルが低いマルチパス成分Dの
位相で復調している場合があり、これは高い平均信号相
関レベルも有している。このような場合、図17に図示
してあるように、スペクトル拡散復調手段の位相割り当
てを頻繁に切り換えなくとも済むように、また高い平均
信号相関レベルを反映する位相に割り当てるようにする
のが望ましい。
【0024】上記の例では、簡略化のため、マルチパス
成分の個数が2個で、受信機は1つだけのスペクトル拡
散復調手段を含むような例を示したが、当該技術の熟練
者には、従来技術のRAKE方式の受信機と同様に多数
のスペクトル拡散復調手段を使用して最大比で復調され
る信号として組み合せるべき多数のマルチパス成分を別
個に復調するような場合にも応用することができること
が理解されよう。
【0025】本発明は従来技術の受信システム例えばR
AKE方式の受信機の従来の位相割り当て技術で発生す
る問題を解決しようとするものである。さらに詳しく
は、本発明はRAKE方式の受信機が任意の時間点で高
い相関レベルを有するマルチパス成分に更に緊密に対応
する復調のための位相を割り当てられるような位相割り
当て制御が実行されるシステムならびに方法を提供しよ
うとするものである。このような位相割り当て制御を用
いることで、マルチパス伝送の受信品質が改善される。
【0026】したがって、本発明の目的はRAKE方式
の受信機が任意の時間点で高い相関レベルを有するよう
なマルチパス成分に更に緊密に対応する復調のための位
相を割り当てられるようなシステムならびにその方法を
提供することである。
【0027】本発明の別の目的は移動体通信利用者に送
信機に対して移動体通信受信機の推定移動速度を通知し
得るようなシステムならびに方法を提供することであ
る。
【0028】本発明の別の目的は検出した相関レベルの
変化率を推定することとその推定変化率に基づいて位相
の割り当てを実行することである。
【0029】本発明の更に別の目的はマルチパス成分信
号の相関レベルの予測値を提供することとその予測値に
基づいて位相の割り当てを実行することである。
【0030】本発明の更に別の目的は選択した平均間隔
を有しその平均間隔にしたがって送信信号のマルチパス
成分の平均相関レベルを決定するための平均化手段を提
供することとこれに基づいて位相の割り当てを実行する
ことである。
【0031】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するために、その第1の態様として、復調パスの変化速
度を推定する変化速度推定手段を復調装置の相関レベル
検索手段に接続して送信信号のマルチパス成分の相関レ
ベルを推定させ、推定したパス変化速度に基づいてRA
KE受信機の位相割り当てを行なうようにしたことを要
旨とする。変化速度推定手段に結合された平均化手段
は、推定変化率にしたがって、マルチパス成分の平均相
関レベルを決定すべき平均間隔を選択するために提供さ
れる。平均間隔は、平均間隔にしたがって送信信号の複
数のマルチパス成分の各々についての平均相関レベルを
決定する位相割当手段に提供される。位相割当手段は平
均相関レベルに基づく復調手段に位相を割り当てる。こ
れによりRAKE受信機は最大の相関レベルを有する位
相で動作するように制御を行なう。
【0032】変化速度推定手段はマルチパス成分の相関
レベル信号を微分するための手段と単位時間あたりの微
分した相関レベル信号のゼロ交差の個数をカウントする
ための手段によって実現するのが望ましい。望ましく
は、相関レベルの推定変化率が速い場合には平均間隔が
長くなるように選択する。望ましくは、推定変化率が遅
い場合には平均間隔が短くなるように選択する。送信の
マルチパス成分の相関レベルの推定変化率にしたがって
移動体通信受信機とその送信の送信機との間の相対移動
速度を決定し表示するための手段を復調装置に設けるの
が望ましい。望ましくは、復調装置はスペクトル拡散送
信信号を復調する。
【0033】本発明の別の態様においては、マルチパス
成分の相関レベルの予測を行なう手段を設け、予測した
相関レベルに基づいてRAKE受信機の位相割り当てを
行なうようにしたことを要旨とする。相関レベル予測手
段は送信信号のマルチパス成分の予測される将来の相関
レベルをそのマルチパス成分の相関レベルの過去の測定
値に基づいて提供する。位相割当手段14には予測相関
レベルが提供されてその予測相関レベルに基づいて位相
の割り当てを実行する。これによりRAKE受信機は最
大の相関レベルを有する位相で動作するように制御を行
なうものである。
【0034】
【発明の実施の形態】
(実施の形態1)図1は本発明の第1の実施の形態に係
るスペクトル拡散復調装置の構成を表すブロック図であ
る。このスペクトル拡散復調装置は基本的には図14に
示した従来のスペクトル拡散復調装置と同じ構成を有し
ている。すなわち、図1において、1は受信したスペク
トル拡散信号、2、3、4、5はスペクトル拡散信号を
逆拡散し復調信号を生成するスペクトル拡散復調手段、
6、7、8、9はスペクトル拡散復調手段2〜5のそれ
ぞれによって生成された復調信号である。10は復調信
号6〜9を最大比合成する受信信号合成手段、11は最
大比合成された復調信号である。12は受信信号1に基
づいてマルチパス波の各位相における相関レベルを検出
する相関レベル検索手段、13は相関レベル検索手段1
2による検索結果であるマルチパス波の各位相における
相関レベルである。14は各位相における相関レベル1
3を基にスペクトル拡散復調手段2〜5それぞれの位相
(受信タイミング)を決定する位相割当手段、15は位
相制御情報である。また、21は各位相における相関レ
ベル13から復調パスの変化速度を推定する復調パス変
化速度推定手段、22は推定された復調パスの推定変化
速度、23は平均化手段、24は平均化された相関レベ
ル情報である。
【0035】変化速度推定手段21は各マルチパス成分
について検出した相関レベル13を演算して各々の相関
レベルについての推定変化速度22を提供する。平均化
手段23は位相割当手段14に接続されて相関レベルの
推定変化速度に基づいた平均間隔にしたがい各々のマル
チパス成分についての平均相関レベル24を決定する。
推定変化速度22が遅い場合、平均化手段23の平均間
隔は短く設定する。推定変化速度22が速いような他の
場合では、平均間隔は長く設定する。推定変化速度22
と平均相関レベル情報24を用いて、位相割当手段14
はスペクトル拡散復調手段2、3、4、5の各々での復
調のために使用すべき異なる位相を割り当てる。
【0036】本発明の第1の実施の形態によるスペクト
ル拡散復調装置の動作について説明する。図1に図示し
たように、アンテナからの受信入力信号1は数個のスペ
クトル拡散復調手段2、3、4、5に印加される。スペ
クトル拡散復調手段2〜5は各々異なる位相に割り当て
て異なる伝送パスに沿って受信した送信信号のマルチパ
ス成分を別個に復調する。スペクトル拡散復調手段2〜
5の出力6〜9は受信信号合成手段10に印加され、受
信信号合成手段10はこれらを重み付けした和として組
み合せて最大比の組み合せ信号を得る。
【0037】スペクトル拡散復調手段2〜5は異なるマ
ルチパス成分による信号の各々の位相について相関レベ
ル13を決定するための相関レベル検索手段12を含
む。各々の位相についての相関レベル13は平均化手段
23に入力せしめられて各々のマルチパス成分に応じた
平均相関レベル24が決定され、その後位相割当手段1
4に入力される。位相割当手段14は検出した複数のマ
ルチパス成分を復調する際に使用するスペクトル拡散復
調手段2〜5の位相を設定する。
【0038】ここで、変化速度推定手段21は相関レベ
ル検索手段12で検出されたマルチパス成分の相関レベ
ル13の推定変化速度22を提供する。平均化手段23
はマルチパス成分についての推定変化速度22に基づい
た平均間隔を選択してこの平均間隔にしたがいマルチパ
ス成分の平均相関レベル24を決定する。平均相関レベ
ル24は位相割当手段14に提供される。平均間隔にし
たがって決定された平均マルチパス信号相関レベルに基
づいて、位相割当手段14は任意の点でどの相関レベル
がもっとも高い検出相関レベルかを決定する。位相割り
当て手段14はさらにこれに基づいてスペクトル拡散復
調手段2〜5へ位相制御情報15を出力し、それぞれの
位相(受信タイミング)を割り当てる。
【0039】図2を参照して、マルチパス成分の相関レ
ベルの変化速度が遅い場合の特定の動作例について説明
する。また図3を参照して、マルチパス成分の相関レベ
ルの変化速度が速い場合の特定の動作例について説明す
る。簡略化するため、マルチパス成分の個数が2で受信
機にはひとつだけスペクトル拡散復調手段が設けてある
場合を考察する。図2に図示してある曲線30と曲線3
1、交差点33と位相割り当て35、36は先に図16
を参照して図示しまた説明したのと同じ特徴を表わして
いる。図2における参照番号41と図3における参照番
号43は相関レベル検索手段12においてかかる検索時
間、平均化手段23で発生する遅延を含めた制御遅延を
表わしている。参照番号42は、スペクトル拡散復調手
段2の位相がマルチパス成分Aの位相をマルチパス成分
Bのそれに再割り当てされた時の時間点を示す。参照番
号44(図3)はスペクトル拡散復調手段2の位相がマ
ルチパス成分Cを復調するように割り当てられている間
隔を示す。
【0040】図2はマルチパス成分の相関レベルの推定
変化速度が遅い場合を示す。平均化手段23の平均間隔
(周期)が短く設定されているため、これによって位相
割当手段はスペクトル拡散復調手段2の位相をマルチパ
ス成分Aのそれからもっと大きな相関レベルを有するマ
ルチパス成分Bの位相へ高速で再割り当てする。
【0041】図3はマルチパス成分の相関レベルの推定
変化速度が速い場合を示す。推定変化速度に対して平均
化手段23の周期を長く設定することにより、位相割当
手段14は最高の平均相関レベルを有する信号の位相で
位相割り当てを維持し、スペクトル拡散復調手段2の位
相割り当てに関して急速で頻繁な変化は起こらないよう
にする。このようにすると、時間に対して全体で相関レ
ベルが高い位相で復調が行なわれる。
【0042】以上説明した動作例では、マルチパス成分
の個数が2で1つだけのスペクトル拡散復調手段(上記
の場合は2)の割り当てを考えるような場合を考察し
た。複数のスペクトル拡散復調手段を用いて複数のマル
チパス成分を復調するような場合において当業者には本
発明の動作が理解されよう。上記で説明したような本発
明により提供される改良によってRAKE方式の受信機
による復調で使用される位相割り当ては従来技術のRA
KE方式の受信機で実行されるよりも更に緊密に最大相
関レベルと関連しているマルチパス成分を復調するため
に維持することができる。
【0043】(実施の形態2)図4は本発明の第2の実
施の形態に係るスペクトル拡散復調装置の構成を表すブ
ロック図である。本実施の形態は、上記第1の実施にお
ける復調パス変化速度推定手段21の一実現方法を示し
たものである。したがって図4中、参照番号1〜15と
参照番号22〜24は図1に図示し関連する本文で説明
したのと同じ要素を表わしている。図4において、25
は各位相における相関レベル13を微分する微分手段、
26はこの微分手段25から出力される微分信号、27
はゼロ交差点の数を数えるゼロ交差カウンタである。
【0044】図4に示してある特定の相互接続で示した
ように、復調パス変化速度推定手段21は、本発明のこ
の実施の形態によれば、上述のように微分手段25とゼ
ロ交差カウンタ27により構成されており、微分手段2
5は検出した送信信号のマルチパス成分の相関レベル1
3を微分するために使用する。参照番号26はこれの微
分信号を表わし、ゼロ交差カウンタ27は単位時間あた
りに微分信号のゼロ交差点の個数のウントを提供するた
めに使用される。
【0045】図5は本発明のこの実施の形態に関わる動
作の特定の動作例を示す。図5において、参照番号66
は任意のマルチパス成分について相関レベルの時間的変
化を表わしており、参照番号67は時間的変化66の微
分レベルを表わし参照番号68は微分レベル67のゼロ
交差点を示す。図5から理解されるように、相関レベル
の基本的サイクル(周期)は、時間的変化66における
単位時間当たりのゼロ交差点68の個数をカウントする
ことによって推定できる。
【0046】動作において、ゼロ交差カウンタ27によ
って提供される相関レベルの推定基本サイクルによれば
位相割当手段14はもっとも高い相関レベルに対応した
復調手段2での復調のための位相を割り当てる。
【0047】(実施の形態3)図6は本発明の第3の実
施の形態に係るスペクトル拡散復調装置の構成を表すブ
ロック図である。本実施の形態においても、スペクトル
拡散復調装置の基本的な構成は上記第1の実施の形態と
同様である。したがって図6の参照番号1〜15と24
は図1に図示し関連する先の説明で述べたのと同じ要素
を表わしている。図6において、28は各位相における
相関レベル13から復調パスレベルの予測を行なう復調
パスレベル予測手段を表す。この復調パスレベル予測手
段28は、マルチパス信号のマルチパス成分について相
関レベルを予測する際に使用される。復調パスレベル予
測手段28は相関レベル検索手段12からマルチパス成
分についての相関レベル13を受信してスペクトル拡散
復調手段2へ位相を割り当てる際に使用するため位相割
当手段14へ平均相関レベル24を送付する。
【0048】第3の実施の形態によるスペクトル拡散復
調装置の動作について説明する。復調パスレベル予測手
段28は相関レベル検索手段12によって各々の位相に
ついて検出された時々刻々変化する相関レベル13から
のマルチパス成分の相関レベルを予測する。予測の方法
としては、例えば、一般に用いられている波形予測法、
例えば過去に観察された相関レベルの値に重みを付け、
その平均から予測値が得られるような方法によって得ら
れる。位相割当手段14は平均相関レベル24を使用し
て、予測した相関レベル値にしたがいスペクトル拡散復
調手段2、3、4または5へ位相を割り当て、位相割り
当ての更に正確にタイミングをとった変化を実現するよ
うにする。
【0049】図7を参照して、本発明のこの実施の形態
の波形予測法を用いた動作の例を説明する。図7に図示
してあるように、参照番号69と72は1つの例では相
関レベルの変化速度が比較的遅く他方の例では変化速度
が速いマルチパス成分について観察された相関レベルで
の時間的変化を表わしている。参照番号70、73は相
関レベル69、72での各々の時間的変化各々について
得られた予測相関レベルの傾向(トレンド)を示す。時
間点71は予測相関レベルが決定される時、すなわち予
測を行なう時点を表わす。サンプリング間隔は参照番号
74で示してある。
【0050】相関レベル予測値(波形予測値)は次式に
したがって決定する: ここで、 ak:重み付け係数 x(n):時刻nTでのサンプルの値(T:サンプリン
グ間隔、n:整数) N:観察期間 である。このように、予測値は各々の重みを現在時刻ま
でのサンプル値に印加することによって得られる。この
重みの値は、予測誤差が最小となるように予め選ばれ
る。
【0051】図7において、トレンド70、73は信号
相関レベルの過去の測定値の重み付け平均によって得ら
れた直線で、予測相関レベルは時間点71で決定すべき
である。相関レベルの変化速度が遅い場合では、比較的
高い精度で予測を実行することが可能である。しかし相
関レベルの変化速度が速い場合には、予測相関レベルは
実際の相関レベルの不正確な測定が残って予測誤差が大
きくなり、傾向としてはその信号についての平均的な
値、すなわち平均相関レベルが求められることになる。
【0052】本発明のこの実施の形態によるRAKE方
式の受信機の特定の動作例として、マルチパス成分の変
化速度が遅い場合と、相関レベルの変化速度が速い別の
場合について、図8および図9を各々参照して説明す
る。簡略化するため、この例ではマルチパス成分の個数
が2であるものと考え、受信機にはスペクトル拡散復調
手段2〜5のうち1つだけのスペクトル拡散復調手段が
提供されるものとする。図8および図9において、参照
番号30、31、33、35〜38は図16および図1
7に図示し関連する本文で説明したのと同じ曲線および
特徴を表わす。参照番号45は時間点33で予測された
間隔32の後のマルチパス成分Aの相関レベルの予測時
点を表わす。マルチパス成分Cの相関レベルの予測値4
6はマルチパス成分Dの相関レベルの予測値47と同様
に図9に図示してある。間隔48はスペクトル拡散復調
手段の位相がマルチパス成分Cの位相に合っている区間
を表わす。
【0053】図8に図示してあるように、時間点33で
なされたマルチパス成分AとBの予測相関レベル45か
らマルチパス成分Bの相関レベルは時間点33以降でマ
ルチパス成分Aのそれを越えるように予測されることが
理解できる。このような予測に基づいて、従来技術のR
AKE方式の受信機のような時間点33以降の制御遅延
を受けることなく、マルチパス成分Bを復調するように
位相割当手段がスペクトル拡散復調手段の位相を割り当
てる。
【0054】しかし、図9に図示した例では、予測相関
レベル46、47は各々マルチパス成分CとDの各々に
ついて検出された相関レベルの平均である。このような
場合、位相割当手段14は予測相関レベル46、47に
したがって決定した高い方の平均相関レベルの位相に復
調手段2の位相を割り当てる。その結果、復調手段2の
位相割り当ては間隔48の間はマルチパス成分Cについ
ての位相で維持され、従来技術のRAKE方式の受信機
で見られるように、復調手段2の位相割り当てを頻繁に
切り換えて結果的に復調性能を低下させることはない。
【0055】図6をもう一度参照すると、本発明では、
予測相関レベル24にしたがってスペクトル拡散復調手
段2〜5の位相の割り当てを行なうことで、RAKE方
式の受信機は最大相関レベルに更に緊密に相関する位相
で動作し、これによって受信品質が改善される。
【0056】(実施の形態4)図10は本発明の第4の
実施の形態に係るスペクトル拡散復調装置の構成を表す
ブロック図である。図10の参照番号1〜15および2
1〜24は図1に図示してあり関連する本文で説明した
のと同じ要素を表わす。図10において参照番号29は
特定のマルチパス成分についての推定された復調パスの
変化速度22を移動速度に変換し、この移動速度を表示
するために使用する移動速度表示装置を示す。他のすべ
ての点で、本発明の第4の実施の形態の構造および動作
は本発明の第1の実施の形態の構造および動作と同一で
ある。したがって構造および動作に関する同一の部分に
ついては重複を避けるため繰り返して詳細に説明するこ
とはしない。
【0057】本発明のこの実施の形態において、移動速
度表示装置29は変化速度推定手段21で決定された信
号相関レベルの推定変化速度22にしたがって送信機と
受信機の間の相対移動速度を計算し表示する。マルチパ
ス成分の変化速度22および送信機と受信機の相対速度
は比例関係にあるので、相対速度は容易に得ることがで
きる。本実施の形態は、本発明の第1の実施の形態で提
供される効果に加えて、ある送信の送信機とその送信の
受信機の間の相対速度の表示を利用者に提供するという
利点を提供している。
【0058】本発明は、これの幾つかの好適実施の形態
にしたがって本明細書で詳細に説明したが、当業者によ
って多くの変更および変化を行なうことができよう。し
たがって、請求の範囲の記載内容は、本発明の精神に含
まれるこれらすべての改変、変更事項を含むものであ
る。
【0059】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
スペクトル拡散復調装置において、復調パスの変化速度
を推定する変化速度推定手段を復調装置の相関レベル検
索手段に接続して送信信号のマルチパス成分の相関レベ
ルを推定させ、推定したパス変化速度に基づいてRAK
E受信機の位相割り当てを行なうようにしたため、RA
KE受信機は最大の相関レベルを有する位相で動作する
ように受信制御を行なうことができ受信品質を向上させ
ることができる。
【0060】或いはまた、本発明の別の態様において
は、マルチパス成分の相関レベルの予測を行なう手段を
設け、予測した相関レベルに基づいてRAKE受信機の
位相割り当てを行なうようにしたため、RAKE受信機
は最大の相関レベルを有する位相で動作するように受信
制御を行なうことができ受信品質を向上させることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るスペクトル拡
散復調装置の構成を表すブロック図
【図2】前記実施の形態における送信信号の二つのマル
チパス成分とスペクトル拡散復調手段に提供された位相
割り当てについて、相関レベルの推定変化速度が遅い場
合の相関レベルの時間的変化を示すグラフ図
【図3】前記実施の形態における送信信号の二つのマル
チパス成分とスペクトル拡散復調手段に提供された位相
割り当てについて、相関レベルの推定変化速度が遅い場
合の相関レベルの時間的変化を示すグラフ図
【図4】本発明の第2の実施の形態に係るスペクトル拡
散復調装置の構成を表すブロック図
【図5】前記第2の実施の形態におけるマルチパス成分
とこれの微分信号との相関レベルの時間的変化と微分信
号のゼロ交差を示すグラフ図
【図6】本発明の第3の実施の形態に係るスペクトル拡
散復調装置の構成を表すブロック図
【図7】前記第3の実施の形態における相関レベル予測
手段の動作を示すグラフ図
【図8】前記第3の実施の形態における送信信号の二つ
のマルチパス成分と、予測される相関レベルと、スペク
トル拡散復調手段に提供される位相割り当ての相関レベ
ルの時間的変化について相関レベルの変化速度が遅い場
合を示すグラフ図
【図9】前記第3の実施の形態における送信信号の二つ
のマルチパス成分と、予測される相関レベルと、スペク
トル拡散復調手段に提供される位相割り当ての相関レベ
ルの時間的変化について相関レベルの変化速度が速い場
合を示すグラフ図
【図10】本発明の第4の実施の形態に係るスペクトル
拡散復調装置の構成を表すブロック図
【図11】従来技術のスペクトル拡散通信システムの基
本的なブロック構造と主要な部位における電力レベルを
グラフにして示す図
【図12】移動体通信環境でのマルチパス伝送の状態を
示す図
【図13】マルチパス伝送信号の二つのマルチパス成分
についての相関レベル対位相を示すグラフ図
【図14】従来技術のRAKE方式のスペクトル拡散受
信機の略ブロック図
【図15】スペクトル拡散復調後の送信信号のマルチパ
ス成分の相関レベル対位相を示すグラフ図
【図16】従来技術の位相割り当て制御によるグラフ
で、送信信号の二つのマルチパス成分とスペクトル拡散
復調手段に提供された位相割り当てについて、相関レベ
ルの推定変化速度が遅い場合の相関レベルの時間的変化
を示す図
【図17】従来技術の位相割り当て制御によるグラフ
で、送信信号の二つのマルチパス成分とスペクトル拡散
復調手段に提供された位相割り当てについて、相関レベ
ルの推定変化速度が速い場合の相関レベルの時間的変化
を示す図
【符号の説明】
1 受信スペクトル拡散信号 2、3、4、5 スペクトル拡散復調手段 6、7、8、9 復調信号 10 受信信号合成手段 11 最大比合成された復調信号 12 相関レベル検索手段 13 相関レベル 14 位相割当手段 15 位相制御情報 21 復調パス変化速度推定手段 22 推定変化速度 23 平均化手段 24 相関レベル情報 25 微分手段 27 ゼロ交差カウンタ 28 復調パスレベル予測手段 29 移動速度表示装置

Claims (32)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 送信信号の複数のマルチパス成分のうち
    の選択した1つまたはそれ以上の成分に位相を割り当て
    て受信信号の復調を行なう方法であって、 前記マルチパス成分の各々について位相に対応する相関
    レベルを決定するステップと、 前記相関レベルの変化率を推定するステップと、 前記相関レベルおよび前記推定変化率にしたがって前記
    復調手段へ前記位相割り当てを提供するステップとを有
    するスペクトル拡散復調方法。
  2. 【請求項2】 前記マルチパス成分の前記相関レベルの
    前記推定変化率に基づいて前記送信信号の送信器と前記
    復調手段の間の推定相対速度を決定し表示するステップ
    を更に含むことを特徴とする請求項1に記載のスペクト
    ル拡散復調方法。
  3. 【請求項3】 前記マルチパス成分についての前記相関
    レベルの前記推定変化率にしたがって平均間隔を選択
    し、また、前記マルチパス成分の各々について、前記平
    均間隔に対する平均相関レベルを決定するステップと、 前記平均相関レベルにしたがって前記位相割り当てを選
    択するステップとを更に含むことを特徴とする請求項1
    に記載のスペクトル拡散復調方法。
  4. 【請求項4】 前記相関レベルの前記推定変化率が遅い
    時に前記選択される平均間隔が短いことを特徴とする請
    求項3に記載のスペクトル拡散復調方法。
  5. 【請求項5】 前記相関レベルの前記推定変化率が速い
    時に前記選択される平均間隔が長いことを特徴とする請
    求項3に記載のスペクトル拡散復調方法。
  6. 【請求項6】 前記送信信号は拡散符号信号にしたがっ
    て変調されていることを特徴とする請求項3に記載のス
    ペクトル拡散復調方法。
  7. 【請求項7】 前記相関レベルの前記推定変化率は前記
    マルチパス成分の前記相関レベルを微分して前記微分相
    関レベルのゼロ交差の個数をカウントすることによって
    決定されることを特徴とする請求項3に記載のスペクト
    ル拡散復調スペクトル拡散復調方法。
  8. 【請求項8】 送信信号の複数のマルチパス成分のうち
    の選択した1つまたはそれ以上の成分に位相を割り当て
    て受信信号の復調を行なう方法であって、 前記マルチパス成分の各々について位相に対応する相関
    レベルを決定するステップと、 前記相関レベルの各々について過去の相関レベルの決定
    に基づいて将来の相関レベルを予測するステップと、 前記予測した将来の相関レベルにしたがって前記復調手
    段へ位相割り当てを提供するステップとを含むことを特
    徴とするスペクトル拡散復調方法。
  9. 【請求項9】 前記将来の相関レベルは前記過去の相関
    レベルの決定の平均に基づいて予測されることを特徴と
    する請求項8に記載のスペクトル拡散復調方法。
  10. 【請求項10】 前記平均が重み付け平均であることを
    特徴とする請求項8に記載のスペクトル拡散復調方法。
  11. 【請求項11】 前記将来の相関レベルは前記相関レベ
    ルが急速に変化する場合に前記過去の相関レベルの決定
    の平均であることを特徴とする請求項8に記載のスペク
    トル拡散復調方法。
  12. 【請求項12】 拡散符号信号にしたがって変調された
    デジタル送信信号の複数のマルチパス成分のうちの選択
    した1つまたはそれ以上の成分を復調する際に、複数の
    スペクトル拡散復調手段の各々に拡散符号位相および位
    相を割り当てて復調する方法であって、 前記マルチパス成分の各々について拡散符号位相に対応
    する相関レベルを決定するステップと、 前記相関レベルの変化率を推定するステップと、 前記相関レベルと前記推定変化率にしたがって前記復調
    手段の各々に拡散符号位相割り当てを提供するステップ
    とを含むことを特徴とするスペクトル拡散復調方法。
  13. 【請求項13】 位相割り当てにしたがって送信信号の
    複数のマルチパス成分のうちで選択した1つまたはそれ
    以上の成分を復調するための復調手段と、前記マルチパ
    ス成分の各々について位相に対応する相関レベルを決定
    するための相関レベル検索手段とを含む復調装置におい
    て、 前記相関レベルの変化率を推定するための推定手段と、 前記相関レベルと前記推定変化率にしたがって前記復調
    手段へ前記位相割り当てを行なうための位相割り当て手
    段とを備えたスペクトル拡散復調装置。
  14. 【請求項14】 前記マルチパス成分の前記相関レベル
    の前記推定変化率に基づいて前記送信信号の送信器と前
    記復調手段の間の推定相対速度を決定して表示するため
    の移動速度表示ユニットを更に含むことを特徴とする請
    求項13に記載のスペクトル拡散復調装置。
  15. 【請求項15】 前記位相割り当て手段に接続され、前
    記マルチパス成分の各々について、平均間隔における平
    均相関レベルを決定するための平均化手段を更に含み、
    前記平均間隔は前記マルチパス成分の前記相関レベルの
    前記推定変化率にしたがって選択され、また、前記位相
    割り当て手段は前記平均相関レベルにしたがって前記位
    相割り当てを選択することを特徴とする請求項13に記
    載のスペクトル拡散復調装置。
  16. 【請求項16】 前記相関レベルの前記推定変化率が遅
    いときに前記選択される平均間隔が短いことを特徴とす
    る請求項15に記載のスペクトル拡散復調装置。
  17. 【請求項17】 前記相関レベルの前記推定変化率が速
    いときに前記選択される平均間隔が長いことを特徴とす
    る請求項15に記載のスペクトル拡散復調装置。
  18. 【請求項18】 前記復調手段は拡散符号信号にしたが
    って変調された送信信号を復調することを特徴とする請
    求項15に記載のスペクトル拡散復調装置。
  19. 【請求項19】 前記推定手段は前記マルチパス成分の
    前記相関レベルを微分するための手段と、前記微分した
    相関レベルのゼロ交差の個数を決定するためのカウンタ
    とを含むことを特徴とする請求項13に記載のスペクト
    ル拡散復調装置。
  20. 【請求項20】 前記位相割り当て手段に接続されて、
    前記マルチパス成分の各々について平均間隔にわたる平
    均相関レベルを決定し、前記平均間隔は前記マルチパス
    成分について前記相関レベルの前記推定変化率にしたが
    って選択されるようにするための平均化手段を更に含
    み、また、前記位相割り当て手段は前記平均相関レベル
    にしたがって前記位相割り当てを選択することを特徴と
    する請求項13に記載のスペクトル拡散復調装置。
  21. 【請求項21】 前記相関レベルの前記推定変化率が遅
    いときに前記選択される平均間隔が短いことを特徴とす
    る請求項20に記載のスペクトル拡散復調装置。
  22. 【請求項22】 前記相関レベルの前記推定変化率が速
    いときに前記選択される平均間隔が長いことを特徴とす
    る請求項20に記載のスペクトル拡散復調装置。
  23. 【請求項23】 前記復調手段は拡散符号信号にしたが
    って変調された送信信号を復調することを特徴とする請
    求項21に記載のスペクトル拡散復調装置。
  24. 【請求項24】 位相割り当てにしたがって送信信号の
    複数のマルチパス成分のうちで選択した1つまたはそれ
    以上を復調するための復調手段を含み、更に前記マルチ
    パス成分の各々について位相に対応する相関レベルを決
    定するための相関レベル検索手段を含むような復調装置
    において、 前記相関レベルの各々について過去の相関レベル決定に
    基づいて将来の相関レベルを予測するための相関レベル
    予測手段と、 前記予測した将来の相関レベルにしたがって前記復調手
    段へ前記位相割り当てを提供するための位相割り当て手
    段とを含むことを特徴とするスペクトル拡散復調装置。
  25. 【請求項25】 前記将来の相関レベルは前記過去の相
    関レベル決定の平均に基づいて予測されることを特徴と
    する請求項24に記載のスペクトル拡散復調装置。
  26. 【請求項26】 前記平均は重み付け平均であることを
    特徴とする請求項25に記載のスペクトル拡散復調装
    置。
  27. 【請求項27】 前記将来の相関レベルは前記相関レベ
    ルが急速に変化する場合に前記過去の相関レベル決定の
    平均であることを特徴とする請求項24に記載のスペク
    トル拡散復調装置。
  28. 【請求項28】 拡散符号信号にしたがって変調された
    デジタル送信信号の選択した複数のマルチパス成分を復
    調して組み合せるためのスペクトル拡散復調装置であっ
    て、 各々の復調手段が拡散符号位相割り当てにしたがって前
    記デジタル送信信号の複数のマルチパス成分のうちの選
    択した1つまたはそれ以上を復調する複数の拡散符号復
    調手段と、 前記マルチパス成分の各々について拡散符号位相割り当
    てに対応する相関レベルを決定するための相関レベル検
    索手段と、 前記相関レベルの変化率を推定するための推定手段と、 前記相関レベルおよび前記推定変化率にしたがって前記
    復調手段の各々に対し拡散符号位相割り当てを提供する
    ための位相割り当て手段とを含むことを特徴とするスペ
    クトル拡散復調装置。
  29. 【請求項29】 スペクトル拡散信号を復調する少なく
    とも1つのスペクトル拡散復調手段と、前記スペクトル
    拡散復調手段の逆拡散出力をダイバーシティ合成する主
    審信号合成手段と、伝送路を経て受信した信号からマル
    チパス成分の各位相における相関レベルを検出する相関
    レベル検索手段と、検出された各位相における相関レベ
    ルを平均化する平均化手段と、上記平均化手段の出力に
    基づいて上記スペクトル拡散復調手段の各位相を決定す
    る位相割当手段と、前記相関レベル検索手段の出力に基
    づいて復調パスのレベル変化の速度を推定する復調パス
    変化速度推定手段とを備え、前記復調パス変化速度推定
    手段の推定結果に基づいて前記平均化手段における周期
    を決定することを特徴とするスペクトル拡散復調装置。
  30. 【請求項30】 スペクトル拡散信号を復調する少なく
    とも1つのスペクトル拡散復調手段と、前記スペクトル
    拡散復調手段の逆拡散出力をダイバーシティ合成する主
    審信号合成手段と、伝送路を経て受信した信号からマル
    チパス成分の各位相における相関レベルを検出する相関
    レベル検索手段と、検出された各位相における相関レベ
    ルを平均化する平均化手段と、上記平均化手段の出力に
    基づいて上記スペクトル拡散復調手段の各位相を決定す
    る位相割当手段と、前記相関レベル検索手段の出力を微
    分する微分手段と、前記微分手段の出力信号におけるゼ
    ロ交差点の数を数えるゼロ交差カウンタとを備え、前記
    ゼロ交差カウンタによって得られた単位時間当たりのゼ
    ロ交差点の数に基づいて前記平均化手段における周期を
    決定することを特徴とするスペクトル拡散復調装置。
  31. 【請求項31】 スペクトル拡散信号を復調する少なく
    とも1つのスペクトル拡散復調手段と、前記スペクトル
    拡散復調手段の逆拡散出力をダイバーシティ合成する主
    審信号合成手段と、伝送路を経て受信した信号からマル
    チパス成分の各位相における相関レベルを検出する相関
    レベル検索手段と、前記相関レベル検索手段の検索結果
    に基づいて前記スペクトル拡散復調手段の各位相を決定
    する位相割当手段と、状態数検出された各位相における
    相関レベルを平均化する平均化手段と、前記相関レベル
    検索手段の検索結果に基づいて復調パスのレベルの予測
    を行なう復調パスレベル予測手段とを備え、前記復調パ
    スレベル予測手段の予測結果に基づいて前記スペクトル
    拡散復調手段の復調位相を決定することを特徴とするス
    ペクトル拡散復調装置。
  32. 【請求項32】 復調パス変化速度推定結果に基づいて
    受信機の移動速度を表示する移動速度表示装置を有する
    請求項29に記載のスペクトル拡散復調装置。
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