JP4199794B2 - データ送信方法及び装置並びにデータ受信方法及び装置 - Google Patents

データ送信方法及び装置並びにデータ受信方法及び装置 Download PDF

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Description

本発明は、データ通信方法及び装置に関し、より詳細には、データ伝送に伴う平均電力の制限下において、一定のエラーレートで規定される通信品質で、有限通りの変調方式の組み合わせでデータ伝送レートを向上可能なデータ通信方法及び装置に関し、更に詳細には、マルチキャリア変復調方式に適用可能なデータ通信方法及び装置に関する。
エンドユーザに対して一定のエラーレート(誤り率)でデータを伝送できる多種多様なデータ通信システムが開発されている。ここで、データ通信に要求されるサービス品質QoS(Quality of Service)を達成するために、データ通信に使用される伝送路の品質特性を、通常SN比(信号対雑音比)の測定等によって特定し、特定された伝送路特性に対して所定のサービス品質QoSを満足して最大限のデータ伝送レートを達成可能な一つの変調方式が利用可能な選択肢の中から選択され使用される(例えば、下記の特許文献1、特許文献2を参照)。ここで、利用可能な各変調方式は、各変調方式の伝送特性(変調多値数:シンボル当たりの情報量)に応じて要求されるSN比(閾値SN比)が予め設定され、伝送路の品質特性を示すSN比が上記閾値SN比を上回る伝送路に使用された場合に、上記要求されるサービス品質QoSを満足する。実用上の理由から、多くの通信システムでは利用可能な変調方式の選択肢が少数に限定されており、その際の利用可能な各変調方式間での上記閾値SN比の間隔が大きいと問題となる。即ち、選択された変調方式の閾値SN比と伝送路の実際のSN比の差が大きくなる可能性が生じる。閾値SN比に対する伝送路の実際のSN比の超過分がデータ伝送に利用されず、結果として伝送路のデータ伝送能力が有効に利用されないことになる。
データ伝送に伴う平均電力に対する制約が緩和されている場合に、送信されるシンボル(ディジタル変調後の基本となる信号波形の単位)は、利用可能な変調方式の次に大きな閾値SN比に到達するように信号電力を僅かに増大させて伝送路のSN比を増大させることで、伝送路が実際に有するSN比を有効に利用できるようになる(例えば、下記の特許文献3参照)。しかしながら、通信規格によっては、監督機関によって送信電力等が厳格に規定されており、上述の送信シンボルの電力を増大させる技術が利用できない場合がある。
上記問題に対処して伝送レートを向上させるために、幾つかの通信システムでは、利用可能な変調方式を相当数用意して、閾値SN比の間隔を縮小する試みがなされている。しかしながら、斯かる多くの変調方式を用意する対処法では、たとえ、他の設計選択やパラメータによって誘起される所定の追加的な限定に対処可能としても、送信機及び受信機の複雑度は著しく増大する。
他の従来システムでは、閾値SN比に対する伝送路の実際のSN比の超過分を有効に利用するために、送信側で幾つかのエンコード(符号化)されたデータストリームを線形合成或いはプリエンコードして得られた情報シンボルを送信し、受信側で情報シンボルを逆合成或いはプリデコードする対処が提案されている(例えば、下記の特許文献4参照)。しかし、斯かる対処法では、膨大な計算量を要し、相関する雑音等の不利な伝送路条件によって通信品質の劣化を被ることになる。
米国特許第5479447号明細書 米国特許第5596604号明細書 米国特許第6075821号明細書 米国特許第6985534号明細書
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、データ伝送に伴う平均電力を一定限度内に抑制しつつ、複数の変調方式を利用して伝送路の実際のSN比の有効利用を可能にして、データ伝送レートを向上可能なデータ送信方法及び装置並びにデータ受信方法及び装置を提供する点にある。
上記目的を達成するための本発明に係るデータ送信方法は、送信データを複数の1ビットまたは2ビット以上のデータ片に分割して、変調多値数が相互に異なる予め用意された2以上の変調方式を用いて前記データ片毎にディジタル変調を施して、1つの伝送路または複数の副伝送路を介して送信するデータ送信方法であって、
前記2以上の変調方式毎に前記変調多値数が大きいほど大きく調整される固有の送信電力で定まる前記送信データの送信に要する平均送信電力が所定の規定値以下であり、且つ、前記データ片当りの平均ビットレートが、前記平均送信電力の前記規定値が同じで最大エラーレートが同じであるという条件下で単一の変調方式を全てのデータ片に共通に使用した場合の平均ビットレート以上となるように、前記各データ片に割り当てる前記変調方式毎の利用率を設定する利用率設定工程と、
前記利用率設定工程で設定した前記利用率に基づいて、前記データ片の夫々に対して、前記2以上の変調方式の中から1つの変調方式を各別に選択して割り当てて前記送信データを前記データ片に分割する変調方式割当工程と、
前記各データ片に対して、前記変調方式割当工程で夫々割り当てられた前記変調方式でディジタル変調を施す変調工程と、を有することを第1の特徴とする。
上記第1の特徴のデータ送信装置は、更に、前記変調工程において前記2以上の変調方式で夫々変調される前記データ片毎の送信出力が、一定の基準送信出力となるように設定されており、前記基準送信出力でディジタル変調された前記各データ片の送信出力に実数または複素数の増減係数を乗じて、前記各データ片の送信電力が前記変調方式毎に固有の送信電力となるように調整する出力調整工程を有し、前記利用率設定工程において、前記平均送信電力が所定の規定値以下であり、且つ、前記平均ビットレートが、前記平均送信電力の前記規定値が同じで最大エラーレートが同じであるという条件下で単一の変調方式を全てのデータ片に共通に使用した場合の平均ビットレート以上となるように、前記利用率とともに前記増減係数を夫々設定することを第2の特徴とする。
ここで、変調多値数が相互に異なる変調方式では、信号出力が同じであれば、一定の伝送路の品質特性(SN比)に対して、変調多値数が多いほどデータ伝送レートは高くなる反面、ノイズに弱くなりエラーレートが高くなりサービス品質QoSが低下する。そこで耐ノイズ性を向上させてエラーレートを低減するには、信号出力を大きくすれば良いが、そうすると一定の送信データの送信に要する平均送信電力が増加して、当該平均送信電力の最大値が規定されている場合等には、問題となる。ここで、変調多値数とは、変調信号波形の1データ状態を示す基本単位部分に含まれる情報量(状態数)を意味する。因みに、当該基本単位部分は一般にシンボルと呼ばれる。
そこで、上記第1または第2の特徴のデータ送信方法によれば、変調多値数が相互に異なる予め用意された2以上の変調方式を用い、変調方式毎の送信出力が、変調多値数が大きいほど高く設定され、平均送信電力が所定の規定値以下であり、且つ、平均ビットレートが、平均送信電力の規定値が同じで最大エラーレートが同じであるという条件下で単一の変調方式を全てのデータ片に共通に使用した場合の平均ビットレート以上となるように、変調方式毎の利用率が設定され、当該利用率に基づいて、各データ片に対して2以上の変調方式の中から選択された1つの変調方式を各別に割り当てるので、各データ片に対して単一の変調方式を一律に使用した場合に比べて、平均送信電力と最大エラーレートが同じであれば、平均ビットレートを向上させることができる。
特に、上記第2の特徴のデータ送信方法によれば、変調方式毎に固有の送信電力の調整を、使用する伝送路の品質特性(SN比)に合わせて最適化できるので、更に、エラーレートの低減、或いは、平均ビットレートの向上を図ることができる。
上記第1または第2の特徴のデータ送信方法は、更に、前記利用率設定工程において、前記利用率の可能な複数通りの組み合わせが予め計算され格納しているテーブルを用いて、前記平均送信電力が所定の規定値以下であり、且つ、前記平均ビットレートが、前記平均送信電力の前記規定値が同じで最大エラーレートが同じであるという条件下で単一の変調方式を全てのデータ片に共通に使用した場合の平均ビットレート以上となるように、前記利用率を前記テーブルに格納された前記利用率の可能な複数通りの組み合わせの中から最適な組み合わせを選択して設定することを第3の特徴とする。
上記第3の特徴のデータ送信方法によれば、予め利用率の組み合わせがテーブル化され想定済みであるので、使用する利用率に応じて各データ片に変調方式を割り当てる処理が簡易化できる。尚、各利用率は分数表記可能な有理数となる。
上記何れかの特徴のデータ送信方法は、更に、前記予め用意された変調方式の数が2であることを第4の特徴とする。
上記第4の特徴のデータ送信方法によれば、2つの変調方式の夫々に対して要求されるSN比を、使用する伝送路の品質特性(SN比)に対して一方が高く、他方が低くなるように、2つの変調方式が選択されることで、要求されるSN比が低い方の、つまり変調多値数が小さい変調方式の送信電力を小さく、逆に、要求されるSN比が高い方の、つまり変調多値数が大きい変調方式の送信電力を小さくすることで、上記第1乃至第3の特徴のデータ送信方法の作用効果を奏することができる。また、使用する変調方式が2つだけであるので、夫々の送信電力の調整幅(一方は増大幅、他方は減少幅)を小さく抑えることができ、効率的な送信電力の調整が可能となる。更に、使用する変調方式が2つだけであるので、予め用意すべき変調回路の簡単化が図れる。
上記何れかの特徴のデータ送信方法は、更に、前記変調工程において、時系列に連続するタイムスロット毎に、前記各データ片を、各別に割り当てた前記変調方式でディジタル変調することを第5の特徴とする。ここで、前記変調方式割当工程において、前記変調工程で前記タイムスロット毎に逐次ディジタル変調され前記1つの伝送路または前記複数の副伝送路の1つに入力される一連の前記データ片に割り当てられた前記変調方式の時系列パターンが、所定数の前記タイムスロット毎に繰り返す周期的パターン、或いは、擬似ランダムなパターンとなるように、前記各データ片に前記変調方式を各別に割り当てることが好ましい。
上記第5の特徴のデータ送信方法によれば、1つの伝送路または複数の副伝送路の1つに、2以上の変調方式を用いてタイムスロット毎にデータ片にディジタル変調を施して時系列に連続して送信する場合において、上記第1乃至第4の特徴のデータ送信方法の作用効果を奏することができる。
上記第1乃至第4の何れかの特徴のデータ送信方法は、更に、前記変調工程において、時系列に連続するタイムスロット毎に、前記変調方式割当工程で前記利用率に基づいて前記変調方式が各別に割り当てられた複数の前記データ片の夫々に対して、対応する前記変調方式で並列にディジタル変調を施し、前記変調工程においてディジタル変調された前記データ片の夫々を、前記副伝送路毎の前記変調方式の時系列パターンが前記利用率を満足するように、前記複数の副伝送路に各別に振り分けて接続するマッピング工程を有することを第6の特徴とする。ここで、前記マッピング工程において、前記タイムスロット毎に逐次出力され前記複数の副伝送路の1つに入力される一連の前記データ片に割り当てられた前記変調方式の時系列パターンが、所定数の前記タイムスロット毎に繰り返す周期的パターン、或いは、擬似ランダムなパターンとなるように、前記変調工程でディジタル変調された前記データ片の夫々を前記複数の副伝送路に各別に振り分けて接続することが好ましい。
上記第6の特徴のデータ送信方法によれば、送信データを複数の副伝送路に分けて、各副伝送路において2以上の変調方式を用いてタイムスロット毎にデータ片にディジタル変調を施して時系列に連続して送信する場合において、上記第1乃至第4の特徴のデータ送信方法の作用効果を奏することができる。
上記第6の特徴のデータ送信方法は、更に、前記複数の副伝送路に出力された前記データ片の夫々に対して、複数のサブキャリアを各別に割り当てて多重化処理を施す多重化工程を有することを第7の特徴とする。
上記第7の特徴のデータ送信方法によれば、送信データを複数の副伝送路に分けて、各副伝送路において2以上の変調方式を用いてタイムスロット毎にデータ片にディジタル変調を施した上で、各副伝送路の送信信号をマルチキャリア変調により多重化して1つの伝送路(無線有線を問わない)で送信データを送信する場合において、上記第1乃至第4の特徴のデータ送信方法の作用効果を奏することができる。
上記第6または第7の特徴のデータ送信方法は、前記複数の副伝送路が、複数の副伝送路群に区分されて構成されており、前記利用率設定工程において、前記送信データを前記副伝送路群毎に割り当てて、更に、前記副伝送路群に割り当てられた前記送信データの部分毎に、前記変調方式毎の利用率を設定し、前記変調方式割当工程において、前記副伝送路群毎に、前記利用率設定工程で設定した前記利用率に基づいて、前記データ片の夫々に対し前記2以上の変調方式の中から1つの変調方式を各別に選択して割り当てる処理を行い、前記マッピング工程において、前記変調工程でディジタル変調された前記データ片の夫々を前記各副伝送路群内の副伝送路に各別に振り分けて接続する処理を、前記副伝送路群毎に独立して行うことを第8の特徴とする。ここで、前記副伝送路群毎に各別に設定された前記各変調方式の前記利用率の夫々が分数で表され、前記副伝送路群毎の前記各利用率の分子の最大公約数が1で、分母が前記各利用率の分子の総和であって、前記副伝送路群毎の副伝送路の数が、前記各利用率の分母に等しいことが好ましい。
上記第8の特徴のデータ送信方法によれば、送信データを多数の副伝送路に並列に分割する場合に、副伝送路群毎に区分して、上記第6または第7の特徴のデータ送信方法を採用することができ、副伝送路群毎の処理を簡単化でき、各副伝送路群において同様の処理を採用することで、送信システム全体の簡素化が図れる。
上記第5乃至第8の特徴のデータ送信方法は、前記伝送路または複数の副伝送路の伝送品質に係る特性をモニターする伝送品質モニター工程と、前記伝送品質モニター工程でモニターした前記特性の変化に適応するように、前記利用率を調整して、前記時系列パターンを変更することを第9の特徴とする。
上記第9の特徴のデータ送信方法によれば、伝送路または複数の副伝送路の伝送品質に係る特性が経時変化した場合でも、当該特性の変化に適応して、利用率を再調整して、時系列パターンを変更することができるので、各データ片に対して単一の変調方式を一律に使用した場合に比べて、平均送信電力と最大エラーレートが同じであれば、平均ビットレートを向上させることができるという本発明に係るデータ送信方法の効果を十分に奏することができる。
上記目的を達成するための本発明に係るデータ受信方法は、上記何れかの特徴のデータ送信方法により1つの伝送路または複数の副伝送路を介して送信された前記複数のデータ片の夫々に対して、ディジタル変調に用いた前記変調方式に対応する復調方式によるディジタル復調を施して、元の前記送信データに合成するデータ受信方法であって、前記データ片の夫々に対して、前記データ送信方法の前記変調方式割当工程で割り当てられた前記変調方式に対応する復調方式を、変調多値数が相互に異なる予め用意された2以上の復調方式の中から各別に選択して割り当てる復調方式割当工程と、前記各データ片に対して選択された前記復調方式で各別にディジタル復調を施す復調工程と、を有することを第1の特徴とする。
上記第1の特徴のデータ受信方法は、更に、前記データ送信方法が、上記第2の特徴のデータ送信方法であって、前記復調工程で前記各データ片がディジタル復調される前に、前記データ送信方法の前記利用率設定工程で設定した前記増減係数に基づいて、前記各データ片の入力調整を行う入力調整工程を有することを第2の特徴とする。
上記第1の特徴のデータ受信方法は、更に、前記データ送信方法が、上記第6乃至第8の何れかの特徴のデータ送信方法であって、前記データ送信方法の前記マッピング工程において前記複数の副伝送路に各別に振り分けられた前記データ片の夫々を、前記変調工程でディジタル変調された前記変調方式に対応する復調方式で各別にディジタル復調を施す復調回路に振り分けて接続するデマッピング工程を有することを第3の特徴とする。
上記第3の特徴のデータ受信方法は、更に、前記データ送信方法が、上記第7の特徴のデータ送信方法であって、前記データ送信方法の前記多重化工程で多重化処理された信号を、逆多重化処理によって複数の副伝送路に再分配する逆多重化工程を有することを第4の特徴とする。
上記第1乃至第4の特徴のデータ受信方法によれば、上記各特徴のデータ送信方法によってディジタル変調され送信された送信データを受信及び復調して、元の送信データに復元できる。
上記目的を達成するための本発明に係るデータ送信装置は、送信データを複数の1ビットまたは2ビット以上のデータ片に分割して、変調多値数が相互に異なる予め用意された2以上の変調方式を用いて前記データ片毎にディジタル変調を施して、1つの伝送路または複数の副伝送路を介して送信するデータ送信装置であって、前記データ片の夫々に対して、前記2以上の変調方式の中から1つの変調方式を各別に選択して割り当てる変調方式制御手段と、前記各データ片に対して選択された前記変調方式でディジタル変調を施す変調回路手段と、を少なくとも備えてなり、
前記変調方式制御手段が、前記変調方式毎に前記変調多値数が大きいほど大きく調整される固有の送信電力で定まる前記送信データの送信に要する平均送信電力が所定の規定値以下であり、且つ、前記データ片当りの平均ビットレートが、前記平均送信電力の前記規定値が同じで最大エラーレートが同じであるという条件下で単一の変調方式を全てのデータ片に共通に使用した場合の平均ビットレート以上となるように、前記各データ片に割り当てられる前記変調方式毎の利用率を設定し、設定した前記利用率に基づいて、前記データ片の夫々に対し前記2以上の変調方式の中から1つの変調方式を各別に選択して割り当てて前記送信データを前記データ片に分割することを第1の特徴とする。
上記第1の特徴のデータ送信装置は、更に、前記2以上の変調方式で夫々変調される前記データ片毎の基準送信出力が相互に等しく設定され、前記変調回路手段が、前記変調方式毎に固有の送信電力を、前記基準送信出力に実数または複素数の増減係数を乗じることで調整可能に構成され、前記変調方式制御手段が、前記平均送信電力が所定の規定値以下であり、且つ、前記平均ビットレートが、前記平均送信電力の前記規定値が同じで最大エラーレートが同じであるという条件下で単一の変調方式を全てのデータ片に共通に使用した場合の平均ビットレート以上となるように、前記利用率と前記増減係数を夫々設定し、設定した前記利用率に基づいて、前記データ片の夫々に対し各別に、前記2以上の変調方式の中から1つの変調方式を選択して割り当て、設定した前記増減係数に基づいて、前記変調回路手段に対して前記データ片毎の出力調整の制御を行うことを第2の特徴とする。
上記第1または第2の特徴のデータ送信装置は、更に、前記利用率の可能な複数通りの組み合わせが予め計算されテーブルに格納されており、前記変調方式制御手段が、前記平均送信電力が所定の規定値以下であり、且つ、前記平均ビットレートが、前記平均送信電力の前記規定値が同じで最大エラーレートが同じであるという条件下で単一の変調方式を全てのデータ片に共通に使用した場合の平均ビットレート以上となるように、前記利用率を前記テーブルに格納された前記利用率の可能な複数通りの組み合わせの中から最適な組み合わせを選択して設定することを第3の特徴とする。
上記何れかの特徴のデータ送信装置は、更に、前記予め用意された変調方式の数が2であることを第4の特徴とする。
上記何れかの特徴のデータ送信装置は、更に、前記変調方式制御手段が、時系列に連続するタイムスロット毎に、前記各データ片を、各別に割り当てた前記変調方式に対応する前記変調回路手段に逐次入力させることを第5の特徴とする。ここで、前記変調方式制御手段が、前記変調回路手段から前記タイムスロット毎に逐次出力され前記1つの伝送路または前記複数の副伝送路の1つに入力される一連の前記データ片に割り当てられた前記変調方式の時系列パターンが、所定数の前記タイムスロット毎に繰り返す周期的パターン、或いは、擬似ランダムなパターンとなるように、前記各データ片に前記変調方式を各別に割り当てること好ましい。
上記第1乃至第4の何れかの特徴のデータ送信装置は、更に、前記変調回路手段が、時系列に連続するタイムスロット毎に、前記変調方式制御手段によって前記利用率に基づいて前記変調方式を各別に割り当てられた複数の前記データ片の夫々を、対応する前記変調方式で並列にディジタル変調を施すように複数の変調回路を備えて構成され、前記変調回路手段でディジタル変調された前記データ片の夫々を、前記副伝送路毎の前記変調方式の時系列パターンが前記利用率を満足するように、前記複数の副伝送路に各別に振り分けて接続するマッピング回路を備えることを第6の特徴とする。ここで、前記マッピング回路が、前記マッピング回路から前記タイムスロット毎に逐次出力され前記複数の副伝送路の1つに入力される一連の前記データ片に割り当てられた前記変調方式の時系列パターンが、所定数の前記タイムスロット毎に繰り返す周期的パターン、或いは、擬似ランダムなパターンとなるように、前記変調回路手段でディジタル変調された前記データ片の夫々を前記複数の副伝送路に各別に振り分けて接続することが好ましい。
上記第6の特徴のデータ送信装置は、更に、前記複数の副伝送路に出力された前記データ片の夫々に対して、複数のサブキャリアを各別に割り当てて多重化処理を施す多重化回路を備えることを第7の特徴とする。
上記第6または第7の特徴のデータ送信装置は、更に、前記複数の副伝送路が、複数の副伝送路群に区分されて構成されており、前記変調方式制御手段が、前記送信データを前記副伝送路群毎に割り当てて、更に、前記副伝送路群に割り当てられた前記送信データの部分毎に、前記変調方式毎の利用率を設定し、前記データ片の夫々に対し前記2以上の変調方式の中から1つの変調方式を各別に選択して割り当てる処理を行い、前記マッピング回路が、前記変調回路手段でディジタル変調された前記データ片の夫々を前記各副伝送路群内の副伝送路に各別に振り分けて接続する処理を、前記副伝送路群毎に独立して行うことを第8の特徴とする。ここで、前記副伝送路群毎に各別に設定された前記各変調方式の前記利用率の夫々が分数で表され、前記副伝送路群毎の前記各利用率の分子の最大公約数が1で、分母が前記各利用率の分子の総和であって、前記副伝送路群毎の副伝送路の数が、前記各利用率の分母に等しいことが好ましい。
上記何れかの特徴のデータ送信装置によれば、夫々対応する特徴のデータ送信方法によるデータ送信が実現でき、本発明に係るデータ送信方法の奏する作用効果を発揮する。
上記目的を達成するための本発明に係るデータ受信装置は、上記何れかの特徴のデータ送信装置から1つの伝送路または複数の副伝送路を介して送信された前記複数のデータ片の夫々に対して、ディジタル変調に用いた前記変調方式に対応する復調方式によるディジタル復調を施して、元の前記送信データに合成するデータ受信装置であって、前記データ片の夫々に対して、前記データ送信装置の前記変調方式制御手段で割り当てられた前記変調方式に対応する復調方式を、変調多値数が相互に異なる予め用意された2以上の復調方式の中から各別に選択して割り当てる復調方式制御手段と、前記各データ片に対して選択された前記復調方式で各別にディジタル復調を施す復調回路手段と、を少なくとも備えてなることを第1の特徴とする。
上記第1の特徴のデータ受信装置は、更に、前記データ送信装置が、上記第2の特徴のデータ送信装置であって、前記復調方式制御手段が、前記データ送信装置の前記変調方式制御手段で設定した前記増減係数に基づいて、前記復調回路手段に対してディジタル復調前の前記各データ片の入力調整の制御を行うことを第2の特徴とする。
上記第1の特徴のデータ受信装置は、更に、前記データ送信装置が、上記第6乃至第8の何れかの特徴のデータ送信装置であって、前記データ送信装置の前記マッピング回路によって前記複数の副伝送路に各別に振り分けられた前記データ片の夫々を、前記変調回路手段でディジタル変調された前記変調方式に対応する復調方式で各別にディジタル復調を施す前記復調回路手段の複数の復調回路の夫々に振り分けて接続するデマッピング回路を備えることを第3の特徴とする。
上記第3の特徴のデータ受信装置は、更に、前記データ送信装置が、上記第7の特徴のデータ送信装置であって、前記データ送信装置の前記多重化回路で多重化処理された信号を、逆多重化処理によって複数の副伝送路に再分配する逆多重化回路を備えることを第4の特徴とする。
上記第1乃至第4の特徴のデータ受信装置によれば、上記各特徴のデータ送信装置によってディジタル変調され送信された送信データを受信及び復調して、元の送信データに復元できる。
以下、本発明に係るデータ送信方法及び装置並びにデータ受信方法及び装置の実施形態を図面に基づいて説明する。以下、本発明に係るデータ送信方法及びデータ受信方法を適宜「本発明方法」と略称し、また、本発明に係るデータ送信装置及びデータ受信装置を適宜「本発明装置」と略称する。
本発明方法及び装置は、送信データを複数の1ビットまたは2ビット以上のデータ片に分割して、変調多値数が相互に異なる予め用意された2以上の変調方式を用いて前記データ片毎にディジタル変調を施して、1つの伝送路または複数の副伝送路を介して送信する際の情報量を、送信データの送信に要する平均送信電力が所定の規定値以下であり、且つ、データ片当りの平均ビットレートが所定値以上であるという制約下において改善する技術内容を含む。
〈背景説明〉
先ず、本発明方法及び装置の具体的な説明を始める前に、本発明方法及び装置で利用する変調方式の変調多値数、閾値SN比、及び、伝送路の有効SN比との間の関係について説明し、更に、背景技術の欄で簡単に説明した閾値SN比の間隔を縮小するために多くの変調方式を用意する対処法の問題点につき、再度詳細に検討する。
標準的な通信システムにおいては、信号の減衰、歪、ノイズの重畳、干渉等の伝送路の影響によってデータの送信が損なわれることがある。その結果、場合によってはイコライズ処理等の初期処理後において、受信信号はそのSN比により特徴付けられる。受信信号の復調に起因するエラーレート(誤り率)は、採用した変調方式と、伝送路の平均送信電力等の特性及び伝送路の影響に起因するSN比とによって、本質的に決定される。従って、多くの通信システムは様々な変調方式を利用することができる。そして、受信側で測定される伝送路のSN比によって、利用できる変調方式の中で何れの変調方式が当該通信システムにおける所定の要求エラーレートを満足できるかが決定される。通常、目標とするサービス品質QoSに達する変調方式の一部の中から、最も高いデータ伝送レートを示す変調方式の1つが選択され、ユーザが利用可能なリソースが最大化される。
当該処理を図解して図1に示す。図1において、閾値SN比T1〜T3は、変調方式M1〜M3に対応して、夫々の変調方式を用いた場合に要求されるSN比の受信側で測定されるSN比の下限値を示している。ここで、変調方式M1〜M3は、各変調方式における変調多値数(または、1シンボル当たりのビット数)がM1,M2,M3の順番に多くなり、従って、同じ信号出力では同順番にノイズの影響を受けやすくなり、対応する閾値SN比T1〜T3が、T1,T2,T3の順番に高くなっている。また、5種類の副伝送路S1〜S5の頂部の黒丸は、各副伝送路のSN比の受信側で測定される実測値であり、有効SN比を示している。例えば、副伝送路S3の有効SN比TM3は、変調方式M1及びM2の閾値SN比T1及びT2以上であるので、要求されるサービス品質QoSに適合することが分かる。ここで、変調方式M1より変調方式M2の方がより多くのデータを伝送可能であるので、変調方式M2が選択されることになる。
典型的には、送信機側で利用可能な変調方式は、種々のコンスタレーション(信号点配置)を有するものがある。例えば、QAM(Quadrature Amplitude Modulation:直交振幅変調)方式等は、変調多値数に応じて、4‐QAM(4値QAM)、16‐QAM(16値QAM)、64‐QAM(64値QAM)等が存在し、夫々が固有のコンスタレーションを有する。また、送信機側で利用可能な変調方式は、送信対象の初期データを、伝送路または副伝送路を介して送信する信号に変換するのに要する全ての操作が含まれ、場合によって種々の前方誤り訂正方式(FEC:Forward Error Correction)とともに用いられる。尚、本発明では、同じ形式の変調方式であっても変調多値数の異なるものは、伝送特性が異なるため、別個の変調方式として相互に区別して扱う。つまり、例えば、4‐QAMと16‐QAMと64‐QAM等は、同形式ではあるが、夫々別個の変調方式として扱う。
送信機側で利用可能な種々の変調多値数を有する変調方式の数(変調多値数別に計数する)は有限であり、当該変調方式の夫々に、サービス品質QoSの仕様を満足する固有の閾値SN比を備えることが要求されるので、伝送路または副伝送路で有効なSN比と、当該SN比で利用可能な変調方式との間の対応関係を示す所謂ローディングテーブルを規定することができる。ひいては、各変調方式がシンボル(変調信号波形の基本単位)毎に伝送可能な情報量(通常は1シンボル当たりのビット数で表現される)が明確に規定されるため、閾値SN比は、伝送路または副伝送路の伝送容量とも対応する。図2に、斯かるローディングテーブルの一例を示す。図2のローディングテーブルでは、所定のサービス品質QoSを想定し、QAM形式の各変調方式(変調多値数別)の閾値SN比の一例(概略値)を示している。
送信機側で利用可能な変調方式に依存して、変調多値数の隣接する変調方式間の閾値SN比の差(例えば、図1に示すT1とT2の差ΔT12、T2とT3の差ΔT23)が重要となる。高品質伝送を確保するには、使用される変調方式の閾値SN比は、伝送路の有する有効SN比より低くなければならない。また、大抵は当該有効SN比が最大限に利用されない。例えば、図1に示すように、副伝送路S3の有効SN比TM3は、使用する変調方式M2の閾値SN比T2を超過している。結果として、実測SN比TM3と閾値SN比T2の差ΔTM32は有効に利用されない。従って、変調方式M2より変調多値数の大きい変調方式であって、閾値SN比が有効SN比以下の変調方式が利用可能であれば、当該変調方式に比べて実際に使用する変調方式では、情報伝送能力が低いため送信効率が低下する。例えば、伝送路の有効SN比が18dBの場合を想定すると、図2に示すローディングテーブルでは、16‐QAMの変調方式が使用されることになるが、実際に使用されるSN比は、対応する閾値SN比の14dBで十分であり、4dB分のSN比の差が、送信効率向上に有効に利用されない。
ところで、ローディングテーブルにおいて、例えば、同じサービス品質QoSを満足でき、1シンボル当たり5ビットを伝送可能で、閾値SN比が17dBの変調方式(32‐QAM)が利用可能であれば、16‐QAMに代えて当該32‐QAMを使用することで、伝送レートは1シンボル当たり4ビットから5ビットに向上するので、25%改善される。しかしながら、上述の如く、多くの変調方式を用意する当該対処法では、送信機及び受信機の複雑度等の実用上の問題点によって、実際の通信システムでは、多くの利用可能な変調方式の組み合わせを用意することができない。
〈本発明の技術的特徴の概要〉
本発明方法及び装置では、中間的な変調多値数の変調方式を新たに追加せずにローディングテーブルを拡張するために、通信システムに利用可能な変調多値数の異なる固有の変調方式の中からタイムスロット毎に1つの変調方式を選択して、時系列に複数の変調方式を使い分けることにより、実質的に中間的な変調多値数を有する変調方式を実現する手法を採用する。更に、タイムスロット毎に送信されるデータ全体での平均送信電力を一定値に抑制するために、使用する変調方式毎に送信出力を増加或いは減少させる出力調整が行われる。以下、実質的に中間的な変調多値数を有する変調方式と、本発明装置において予め利用可能に用意されている変調方式(本発明方法及び装置に固有の変調方式)とを区別するために、適宜必要に応じて、前者を「合成変調方式」と称する。
一例として、2つの変調多値数の異なる変調方式を使用して、タイムスロット毎に当該2つの変調方式を出力調整しながら使い分ける本発明方法について、図3を参照して説明する。図3(A)に示すように、連続するタイムスロットの一部(t1,t3,t4,t5,・・・)において、変調方式M2による変調信号を平均送信電力PA2で送信し、他の一部(t2,t5,t7,・・・)において、変調方式M3による変調信号を平均送信電力PA3で送信する。ここで、データ全体での平均送信電力Paveが一定の規定値に維持されるように、或いは、当該規定値を少なくとも超えないように、変調方式M2とM3の夫々の使用率を慎重に設定する必要がある。また、受信機側で測定される伝送路のSN比は、各タイムスロットでの送信電力に依存する。図3(B)に示すように、第1のタイムスロット群(t1,t3,t4,t5,・・・)では、平均送信電力Paveより送信電力を減少させて調整しているため、伝送路のSN比T2xは、当初の有効SN比から変調方式M2の閾値SN比T2を僅かに超える値まで低下し、また、第2のタイムスロット群(t2,t5,t7,・・・)では、平均送信電力Paveより送信電力が増加するように調整しているため、伝送路のSN比T3xは、当初の有効SN比から変調方式M3の閾値SN比T3を僅かに超える値まで上昇している。
要求されるサービス品質QoSを満足して効率的なデータ伝送を達成するには、各変調方式のタイムスロット毎の送信出力を、伝送路の受信機側で実測されるSN比が夫々の閾値SN比等しくなるように調整しつつ、更に、調整後の各変調方式のタイムスロット毎の送信電力の平均送信電力Paveが、一定の規定値以下となるように、各変調方式の使用率を適切に設定する必要がある。換言すれば、平均送信電力Paveが所定の規定値以下であり、且つ、タイムスロット毎の平均ビットレート(伝送レート)が、平均送信電力の規定値が同じで最大エラーレートが同じであるという条件下、つまり、平均送信電力と要求されるサービス品質QoSが同じという条件下で、単一の変調方式を全てのタイムスロットに共通に使用した場合の平均ビットレート以上となるように、各タイムスロットに割り当てる変調方式毎の利用率を設定する。
〈第1実施形態〉
次に、簡単化された本発明方法及び装置の一実施形態について説明する。図4に、本実施形態の本発明装置の一般化された概略の機能ブロック構成を示す。図4に示すように、本発明装置は、データ源100と伝送路110の間に設けられた送信装置101と、伝送路110とデータ受信点120の間に設けられた受信装置111を備えて構成される。送信装置101は、変調方式制御手段102と、変調多値数が相互に異なる予め用意された2以上の変調方式に対応する変調回路104からなる変調回路手段103を備えて構成される。また、受信装置111は、復調方式制御手段112と、各変調回路104に対応する復調回路114からなる復調回路手段113を備えて構成される。
送信装置101側では、変調方式制御手段102が、上述の要領で複数の変調方式間の利用率を算出して、算出した利用率に基づいて、タイムスロット毎に、複数の変調回路104の1つに対応する変調方式を各別に選択して、選択した変調方式の変調多値数で定まる1シンボル当たりの伝送ビット数に応じたビット長のデータ片をデータ源100の送信データから受け取り、選択した変調方式に対応する1つの変調回路104に接続して当該データ片を供給する。当該データ片は、変調回路104によって、タイムスロット毎に選択された変調方式でディジタル変調され、伝送路の有効SN比が閾値SN比となるように後述する増減係数を乗じて出力調整された信号レベルで伝送路110に逐次出力される。
一方、受信装置111側では、復調方式制御手段112が、伝送路110から受信したタイムスロット毎のディジタル変調されたデータ片(シンボル)を、変調方式制御手段102がタイムスロット毎に割り当てた変調方式の時系列パターンに同調して、タイムスロット毎に対応する復調方式の復調回路114の1つを順次選択して供給する。当該ディジタル変調された各データ片は、復調回路114によって、後述する増減係数の逆数を乗じて入力調整された後、タイムスロット毎に選択された当該復調方式で復調され、データ受信点120に逐次供給される。
ここで、重要な点は、変調方式制御手段102と復調方式制御手段112における夫々の変調回路104の選択と復調回路114の選択が相互に同調して、同じデータ片に対しては、変調方式と復調方式が対応する必要がある。例えば、送信装置101側の或るタイムスロットにおいて、4‐QAMの変調回路104で変調されたデータ片は、受信装置111側で復調回路手段113内の4‐QAMに対応する復調回路114で復調されるように、復調方式制御手段112は同調制御を行う。
次に、各変調回路104から出力される変調信号波形の出力レベルの調整について説明する。本発明装置で利用可能な変調多値数の異なる固有の変調方式の中から使用する変調方式を選択し、選択された各固有の変調方式で変調された変調信号波形の出力レベルが、夫々初期状態において一定の基準送信出力となるように設定され、各固有の変調方式が同じ平均送信電力を有する場合を想定する。この場合、選択された変調方式での各変調信号波形の出力レベルは、夫々に固有の増減係数を乗じて調整される。ここで、伝送路の伝送品質条件(SN比等で表される)に依存して、要求されるサービス品質QoSを満足し、且つ、送信データ全体での平均送信電力が一定の規定値以下となるように、各タイムスロットにおいてどのように変調方式を、つまり如何なる増減係数で、如何なる利用率で使用すべきかの工夫が必要となる。ここで、増減係数は、変調信号波形の出力レベル(例えば電圧レベル)に対する調整係数とすると、送信電力は増減係数の2乗で変化する。
次に、本発明方法で必要となるローディングテーブルの拡張手法について説明する。ここで、ローディングテーブルは、変調多値数の異なる複数の変調方式の新規な変化パターンで規定される合成変調方式が得られ、当該合成変調方式に要求される閾値SN比が所定のサービス品質QoSを満足するように拡張される。変調方式制御手段102と復調方式制御手段112が各タイムスロットでどの変調方式が使用されたかの経過を把握するという機能を有するが、実用上の理由から、当該変化パターンは、当該機能が容易に実施できるように選択されることが多い。本実施形態では、各変調方式の使用率が単純な分数に限定することで、変調方式制御手段102と復調方式制御手段112の上記機能が簡単化される。
上記変化パターン中の各タイムスロットにおいて、変調多値数の異なるN個の変調方式の夫々が、使用率Rnで発生する。nは、変調方式を区別する指数(整数)で、n=0〜N−1であり、使用率Rnは、一連のタイムスロット中で変調方式nが使用されるタイムスロットの占有比率で与えられる。使用率Rnは下記の数1の関係を満たす。一例として、2つの変調方式を使用する場合で、各変調方式が使用されるタイムスロット数が同数の場合は、各使用率R0、R1は夫々1/2となる。
Figure 0004199794
更に、タイムスロット毎に使用される各変調方式nは、実数または複素数で表される増減係数Pnを伴って発生する。全ての変調方式夫々の平均出力レベルが、出力調整前の初期状態で、同じ一定の基準送信出力であると想定すると、本発明方法による増減係数Pnで出力調整することで送信データ全体の平均送信電力が、出力調整前から増加しないことを条件とすると、増減係数Pnは下記の数2の関係を満たす必要がある。
Figure 0004199794
但し、数2に示す条件では、変調後の送信ゲインは出力調整されないものとする。尚、数2に示す関係は、典型例であって、特定の状況に対応するように当業者にとって容易に変形され得る。
次に、利用可能な変調方式の上記数1と数2を満足する利用率Rnと増減係数Pnに基づく変化パターン(例えば、時系列パターン)で規定される新たな合成変調方式の閾値SN比を、目標のサービス品質QoSを満足するように特定する必要がある。本実施形態では、当該合成変調方式の閾値SN比は、当該変化パターン中の個々の変調方式が、他の変調方式から独立して、受信装置111側において目標のサービス品質QoSを満足する伝送路の有効SN比となるように設定される。尚、各変調方式で変調され増減係数Pnで出力調整された信号に対して受信装置111側で実測されるSN比が各変調方式の閾値SN比と等しくなるように、各変調方式の増減係数Pnが設定されている。
ここで、2つの変調多値数の異なる変調方式だけを使用する簡単化された実施形態を想定して、ローディングテーブルを拡張する手法について引き続き説明する。
ここで、当該2つの変調方式は、初期(拡張前)のローディングテーブル(通信システムにおいて利用可能な変調方式のみを含む)において閾値SN比が隣接する2つの変調方式を使用する。また、当該2つの変調方式の利用率R0,R1は、上述の如く夫々簡単な分数で表記されるものに限定する。
合成変調方式の閾値SN比Tcを、目標のサービス品質QoSを満足する最小値に設定して、各変調方式の利用率R0,R1及び増減係数P0,P1が設定されると、ローディングテーブルは、当該合成変調方式を含むローディングテーブルに拡張される。尚、上述の如く、増減係数P0,P1は、数2に示す平均送信電力の制約、及び、使用される各変調方式で変調され当該増減係数で出力調整された信号に対して受信装置111側で実測されるSN比が各変調方式の目標のサービス品質QoSを満足する閾値SN比以上となるように決定される。
図5に、上記要領で拡張されたローディングテーブルの一例を示す。図5に示すローディングテーブルでは、2つの変調方式として、図2の初期ローディングテーブル中の16‐QAMと64‐QAMを使用し、利用率R0,R1として分母が2〜5の範囲の簡単な分数に限定した。図5に示すように、拡張されたローディングテーブルは、2つの変調方式16‐QAMと64‐QAMの間を補間する9通りの合成変調方式を含む。9通りの合成変調方式の夫々は、平均送信電力を増加させず、且つ、目標のサービス品質QoSを満足する。
一例として、図5中の利用率R0,R1が夫々1/2の合成変調方式(#5)では、1シンボル当たりの伝送ビット数が4ビットの16‐QAMと1シンボル当たりの伝送ビット数が6ビットの64‐QAMを夫々1/2の比率で使用するため、平均的な伝送ビット数は、5ビット/シンボルとなっている。また、受信装置111側で要求されるSN比(閾値SN比)は17.2dBと、16‐QAMの14dBと64‐QAMの19dBの間の値となっている。
図5に示す実施例では、増減係数Pn(n=0,1)で出力調整された信号に対して受信装置111側で実測されるSN比TPnが、下記の数3に示す関係式で与えられる場合を想定している。尚、数3に示す関係式は、最小平均2乗誤差(Minimum Mean Square Error:MMSE)による周波数領域等化(Frequency Domain Equalization:FDE)の使用を想定した関係式である。
Figure 0004199794
ここで、TOnは、出力調整前のSN比、つまり、Pn=1のときのSN比で、合成変調方式の閾値SN比に相当する。また、数3において、各SN比TPn、TOnはデシベル表示ではなく、ノイズ電力と信号電力の比で与えられる。デシベル表示値を得るには、数3で得られた値の常用対数に10を乗じればよい。数3を解いてTOnを算出することで、各合成変調方式の閾値SN比が得られる。
図5の拡張ローディングテーブル中の利用率R0,R1が夫々3/5,2/5の合成変調方式(#4)では、利用率R0,R1が数1を満足するとともに、対応する増減係数P0,P1が数2の関係式(不等号に代えて等号とした場合)を満足する。ここで、TP0=25.1189(=14dB)、P0=0.7262を夫々数3に代入すると、TO0=47.1954(=16.739dB)が得られ、同様に、TP1=79.4328(=19dB)、P1=1.3073を夫々数3に代入すると、TO1=47.1954(=16.739dB)が得られ、結果として、16.739dBの閾値SN比が特定された。
尚、増減係数PnとSN比TPn、TOnの間の関係は、数3に示す関係式に限定されるものではなく、伝送路特性や受信装置側の特性に応じて当業者が適宜変更可能である。例えば、MMSE−FDEに代えてZF(Zero Forcing)等化を使用する場合には、数3の関係式は他の関係式に変更する必要がある。また、図5に示す実施例では、増減係数Pnは実数を例にしたが、複素数であってもよい。
図5の拡張ローディングテーブル中の9通りの合成変調方式について、上記要領で夫々閾値SN比が特定され、伝送路または副伝送路の有効SN比が与えられると、その有効SN比以下で最も近い閾値SN比を有する合成変調方式を選択して、つまり、当該合成変調方式に対応する2つの変調方式16‐QAMと64‐QAMの変化パターンを用いることで、平均送信電力を増加させず、且つ、目標のサービス品質QoSを満足する最も効率的なデータ送信が実現できることになる。例えば、伝送路の有効SN比が18dBの場合には、利用率R0,R1が夫々1/3,2/3の合成変調方式(#7)を用いることで、平均ビットレートは5.3ビット/シンボルとなり、図2の拡張前のローディングテーブルで利用可能な16‐QAMの4ビット/シンボルと比べて、32.5%向上している。
以上、本実施形態における本発明方法として、有限個の利用可能な変調方式から合成変調方式を導出して、合成変調方式の利用率で各変調方式を選択して対応する増減係数で出力調整を施すことで、平均送信電力を増加させず、且つ、目標のサービス品質QoSを満足する最も効率的なデータ送信が実現できることを説明したが、当該本発明方法は、図4に例示するような単一伝送路のシステムに適用できるだけでなく、マルチキャリアシステムやその他の複数の副伝送路を用いる通信システムに適用可能である。この場合、斯かる通信システムにおいて、図4に例示する本発明方法及び装置を各サブキャリアまたは副伝送路単位で独立して個別に適用することで、同様の効果を奏することができる。
〈第2実施形態〉
次に、上記第1実施形態の本発明方法及び装置をマルチキャリアシステムやその他の複数の副伝送路を用いる通信システムに適用する他の実施形態について説明する。本第2実施形態では、本発明方法及び装置を各サブキャリアまたは副伝送路単位で独立して個別に適用した場合に生じるシステム構成の複雑化を回避する工夫がなされている。
先ず、上記第1実施形態の本発明方法及び装置を各サブキャリアまたは副伝送路単位で独立して個別に適用した場合の問題点について説明する。
上記第1実施形態の本発明方法及び装置を用いて、多くの副伝送路を介してデータ送信する場合、副伝送路と同数の変調方式制御手段と復調方式制御手段を、送信装置側と受信装置側で夫々使用する必要がある。各副伝送路において、変調方式制御手段と復調方式制御手段が同調して、タイムスロット毎にどの変調方式が使用されたかの経過を把握することが必要であるが、副伝送路の数が増加すると、当該把握作業が益々困難になり複雑化する。更に、直交周波数分割多重(Orthogonal Frequency Division Multiplexing:OFDM)等のマルチキャリアシステムへの適用を考えた場合、複数の副伝送路を介して各タイムスロットで送信される送信データの総ビット数を一定数に規制すると都合の良い場合がある。上記第1実施形態の本発明方法及び装置を各サブキャリアまたは副伝送路単位で独立して個別に適用した場合、タイムスロット毎の総ビット数は、一定ではなく変化することになる。
本第2実施形態では、上記問題点に対処するために、複数の副伝送路を1または複数の副伝送路群に分割し、各副伝送路群に対して同じ変調方式の変化パターン(時系列パターン)を適用する。各副伝送路群において、タイムスロット毎に変調多値数の異なる複数の変調方式を用いて変調された複数の送信データ列が、各副伝送路群に属する副伝送路上を送信される。任意の1つの副伝送路群について、変調された複数の送信データ列のタイムスロット毎のシンボル当たりのビット数の総数は一定である。つまり、或る1つの副伝送路では、タイムスロット毎のシンボル当たりのビット数は、使用する変調方式の変化に応じて時系列に沿って変化するが、或る1つのタイムスロットにおける同じ副伝送路群内の複数の副伝送路の夫々のシンボル当たりのビット数の総数は、常に一定値になるように制御される。従って、1つの副伝送路群においてタイムスロット毎に送信される総情報量は常に一定に維持される。更に拡張して考えると、全ての副伝送路でタイムスロット毎に送信される総情報量は常に一定に維持されることになる。
本第2実施形態の副伝送路群に分割する手法では、変調方式制御手段と復調方式制御手段の必要数を大幅に削減することができる。つまり、各副伝送路群で、同じ変調方式制御手段と復調方式制御手段を共通に使用できる。
図6に、本第2実施形態の本発明装置の一般化された概略の機能ブロック構成を示す。図6に示すように、本発明装置は、データ源200と複数の副伝送路210の間に設けられた送信装置201と、複数の副伝送路210とデータ受信点220の間に設けられた受信装置211を備えて構成される。
送信装置201は、変調方式制御手段202と、変調多値数が相互に異なる予め用意された2以上の変調方式に対応する変調回路204からなる変調回路手段203と、データ源200からの送信データを各変調回路204に分割して並列に供給する分割回路206と、各変調回路204から出力される変調信号をタイムスロット毎に変化させながら複数の副伝送路210に分配して出力するマッピング回路208を備えて構成される。また、受信装置211は、復調方式制御手段212と、各変調回路204に対応する復調回路214からなる復調回路手段213と、マッピング回路208で分配された変調信号を、対応する復調方式でディジタル復調を施す復調回路214に振り分けて接続するデマッピング回路216と、各復調回路214で復調されたデータ片を合成して元の送信データを生成する合成回路218を備えて構成される。尚、図6では図示していないが、変調方式制御手段202と復調方式制御手段212は、複数の副伝送路210を構成する複数の副伝送路群(図示せず)毎に設けられている。
尚、図6に示す変調方式制御手段202と復調方式制御手段212を副伝送路群毎に設けられた個々の制御手段と見れば、図6の機能ブロック構成を1つの副伝送路群に対するブロック構成として捉え、これらが1または複数並列に配置され本発明装置が構成されると解釈することも可能である。
次に、変調方式制御手段202の分割回路206とマッピング回路208に対する制御について説明する。ここで、或る1つの副伝送路群毎の各副伝送路の有効SN比は夫々同じであり、各副伝送路に対して共通に、平均送信電力を増加させず、且つ、目標のサービス品質QoSを満足する変調多値数の異なる複数の変調方式の変化パターンの利用率Rnと増減係数Pnが、上記第1実施形態の本発明方法の要領で導出される。以下の説明では、5本の副伝送路から成る1つの副伝送路群に対して、変調多値数の異なる2つの変調方式16‐QAMと64‐QAMを、夫々の利用率R0,R1を2/5,3/5として使用する場合について説明する。この場合の増減係数P0,P1は、平均送信電力とサービス品質QoSに対する条件が同じであれば、図5の拡張ローディングテーブルに示す増減係数P0,P1と同じになる。尚、利用率R0,R1は分数表記されるが、そのときの分母が副伝送路群の副伝送路の数に等しくなるように利用率が選択される。
本実施形態では、図7に示すように、5本の副伝送路210(Tone0〜4)から成る1つの副伝送路群に対して、5個の変調回路204(C0〜C4)を用意し、その内の2つを16‐QAMの変調回路とし、他の3つを64‐QAMとし、その比率を利用率R0,R1と同じにする。タイムスロット毎に、16‐QAMの変調回路では、1シンボル当たり4ビットが変調され、64‐QAMの変調回路では、1シンボル当たり6ビットが変調されるので、常に各タイムスロットで合計26ビットのデータが変調され、5本の副伝送路にマッピングされる。図8に、分割回路206によるタイムスロット毎の26ビットデータの各変調回路への割り振りと、マッピング回路208による5本の副伝送路へのマッピング処理を示すマッピングテーブルの一例を示す。
図8に示すように、分割回路206はタイムスロット毎に同じ26ビットを4ビット×2、6ビット×3に分割して、各4ビットを16‐QAMの変調回路C0,C1に、各6ビットを64‐QAMの変調回路C2,C3,C4に夫々割り付ける。タイムスロットt0〜t10の間で当該割り付けは変わらない。変調回路C0,C1では、4ビットデータに対して16‐QAMのディジタル変調を施し、増減係数P0で出力調整を行う。また、変調回路C2,C3,C4では、6ビットデータに対して64‐QAMのディジタル変調を施し、増減係数P1で出力調整を行う。図8中、Tone0〜4は、5本の副伝送路に対応している。
マッピング回路208は、5つの変調回路C0〜C4からの対応する増減係数P0,P1で出力調整された変調信号を、変調回路C4,C3,C2,C1,C0の順に循環的に各副伝送路Tone0〜4にマッピングする。副伝送路Tone0では、タイムスロットt0〜t4の間で、マッピングパターンが変調回路C0,C4,C3,C2,C1と変化し、副伝送路Tone1では、タイムスロットt0〜t4の間で、マッピングパターンが変調回路C1,C0,C4,C3,C2と変化し、副伝送路Tone2では、タイムスロットt0〜t4の間で、マッピングパターンが変調回路C2,C1,C0,C4,C3と変化し、副伝送路Tone3では、タイムスロットt0〜t4の間で、マッピングパターンが変調回路C3,C2,C1,C0,C4と変化し、副伝送路Tone4では、タイムスロットt0〜t4の間で、マッピングパターンが変調回路C4,C3,C2,C1,C0と変化し、5つの変調回路C0〜C4に対するマッピングパターンは、5タイムスロット毎に周期的に繰り返される。また、各副伝送路Tone0〜4においても、16‐QAMと64‐QAMが利用率R0,R1が2/5,3/5の比率で使用されるように、5タイムスロット毎に周期的に繰り返される。
このように、1つの副伝送路群において、各副伝送路Tone0〜4へのマッピングが同じパターンで1タイムスロット毎にシフトしながら実施されるので、単純なマッピングルールでマッピング処理を実行できるので、変調方式制御手段202の分割回路206とマッピング回路208に対する制御は簡単に実現できる。以上、同様の分配及びマッピング処理が、各副伝送路群で行われる。
上記マッピングパターンによりマッピング回路208で各副伝送路210に分配された変調信号は、各副伝送路210を介して送信された後に、デマッピング回路216で上記マッピングパターンを逆転して、各副伝送路210の信号を、対応する復調回路214(D0〜D4)に振り分けて供給する。例えば、図8に示すタイムスロットt0の各副伝送路Tone0〜4の各データ片(変調信号)がデマッピング回路216に入力すると、デマッピング回路216は、副伝送路Tone0のデータ片を変調回路C0(16‐QAM)に対応する復調回路D0に、副伝送路Tone1のデータ片を変調回路C1(16‐QAM)に対応する復調回路D1に、副伝送路Tone2のデータ片を変調回路C2(64‐QAM)に対応する復調回路D2に、副伝送路Tone3のデータ片を変調回路C3(64‐QAM)に対応する復調回路D3に、副伝送路Tone4のデータ片を変調回路C4(64‐QAM)に対応する復調回路D4に、夫々分配する。同様に、タイムスロットt1の各副伝送路Tone0〜4の各データ片(変調信号)がデマッピング回路216に入力すると、デマッピング回路216は、図8に示すタイムスロットt1のマッピング元の各変調回路C0〜C4に対応する復調回路D0〜D4に夫々分配する。以下、タイムスロットt2以降のデータ片についても途切れなくデマッピング処理を繰り返す。復調回路214では、受信した変調信号レベルを対応する増減係数P0,P1の逆数倍に出力逆調整を行い、夫々の対応する復調処理を施して、夫々4ビット×2、6ビット×3の5つのデータ片(合計26ビット)に復調し、合成回路218で26ビットのデータ片に合成され、データ受信点220に出力される。以上、同様のデマッピング処理及び合成処理が、各副伝送路群で行われる。
ここで、マッピング回路208及びデマッピング回路216で使用するマッピングパターンは、図8に示すような周期的な繰り返しパターンに限定されるものではない。例えば、マッピングパターンは、図9に例示するような擬似乱数パターン、或いは、実施上の問題を考慮した他の特別な特徴を含むパターンであっても構わない。図9に例示するような擬似乱数パターンを使用する場合は、十分長いタイムスロット数を考慮すれば、各副伝送路において各変調方式の平均的な利用率が、設定された利用率を満足する。
上記第1実施形態では、単一の伝送路または副伝送路に設定された利用率に基づいて時系列に変調方式を割り当てる手法であったため、2つの変調方式に対応する変調回路及び復調回路は夫々1つずつで十分であった。これに対し、本第2実施形態では、各副伝送路群において、2つの変調方式を使用する場合であっても、副伝送路の数と同数の変調回路204及び復調回路214を使用する点が特徴的である。また、1つの副伝送路群中の副伝送路の数は、分数表記される利用率の分母と一致させることで、設定された利用率を満足する副伝送路群の構成を簡易に実現できることになる。
ここで注目すべきは、副伝送路群のサイズ(副伝送路の数)を適度な範囲内に抑えるために、使用可能な利用率の値(分数)を規定することができる点である。同じ副伝送路群中の副伝送路は夫々同じ時系列パターンを用いるので、適度な数の副伝送路が同じ時系列パターンを使用するのが実用的である。副伝送路群による伝送路構成を採用し、副伝送路群のサイズを適度な範囲内に抑えるために、限られた状況においては、一部の副伝送路群の平均ビットレートを意図的に抑制する場合があり得る。当該ケースにおいては、伝送品質を劣化させず、目標のサービス品質QoSを満足する低めの閾値SN比となる時系列パターンに置換することが可能である。例えば、変調多値数の異なる2つの変調方式16‐QAMと64‐QAMを夫々の利用率R0,R1を1/5,4/5として使用する場合は、副伝送路群のサイズは5であるが、何らかの理由で4が適切な場合は、利用率R0,R1を1/4,3/4として使用することができる。この場合、図5の拡張ローディングテーブルを参照すれば、閾値SN比は18.37dBから18.1654dBと低くなり、平均ビットレートは5.6ビット/シンボルから5.5ビット/シンボルに抑制される。このように副伝送路群の平均ビットレートを選択的に抑制できる点は重要である。仮に斯かる平均ビットレートの抑制ができないとすれば、副伝送路群のサイズが大きいと効率的なマッピング処理が困難或いは不可能となることから、多くの副伝送路が副伝送路群を形成せずに、個別に第1実施形態で示した時系列パターンを用いることになるためである。
〈第3実施形態〉
次に、上記第2実施形態の本発明方法及び装置をマルチキャリアシステムに適用する実施形態について説明する。上記第2実施形態の本発明方法及び装置の応用例として、マッピング処理により複数の副伝送路に分散された変調信号をマルチキャリア変調により多重化して、1つの伝送路を介して送信し、受信装置側で逆多重化により多重化された信号を複数の副伝送路に再分配し、デマッピング処理により各復調回路に供給して復調後のデータをデータ受信点に出力するマルチキャリアシステムが考えられる。
図10に、本第3実施形態の本発明装置の一般化された概略の機能ブロック構成を示す。図10に示すように、本発明装置は、データ源300と伝送路310の間に設けられた送信装置301と、伝送路310とデータ受信点330の間に設けられた受信装置311を備えて構成される。
送信装置301は、変調方式制御手段302と、変調多値数が相互に異なる予め用意された2以上の変調方式に対応する変調回路304と変調回路304から夫々一定の基準送信出力で出力される変調信号を設定された増減係数で出力調整するゲイン調整器305からなる変調回路手段303と、データ源300からの送信データを各変調回路304に分割して並列に供給する分割回路306と、各変調回路304からゲイン調整器305を介して出力される変調信号をタイムスロット毎に変化させながら複数の副伝送路308に分配して出力するマッピング回路307と、副伝送路308に出力された変調信号に対して逆離散的フーリエ変換処理(Inverse Discrete Fourier Transformation:IDFT)により直交周波数分割多重(Orthogonal Frequency Division Multiplexing:OFDM)方式のマルチキャリア変調を行うIDFT回路309を備えて構成される。尚、説明の簡単のため、図10において、逆離散的フーリエ変換処理後の並直列変換処理、及び、逆離散的フーリエ変換処理に追加して行われる、サイクリックプレフィックス(ガードインターバル)の連結処理、パイロットシンボルの挿入処理、フィルタリングやウィンドウ処理、当業者に自明なその他の関連処理等を行う回路手段の記載は省略している。
受信装置311は、復調方式制御手段312と、伝送路310から受信したマルチキャリア変調信号に対して離散的フーリエ変換処理(Discrete Fourier Transformation:DFT)によりOFDM方式のマルチキャリア復調を行い各サブキャリアに対応する信号を複数の副伝送路318に分配するDFT回路319と、チャンネル等化器320と、各変調回路304に対応する復調回路314と各復調回路314に入力する入力信号を設定された増減係数の逆数倍して入力調整する逆ゲイン調整器315からなる復調回路手段313と、マッピング回路307で分配された変調信号を、逆ゲイン調整器315を介して対応する復調方式でディジタル復調を施す復調回路314に振り分けて接続するデマッピング回路316と、各復調回路314で復調されたデータ片を合成して元の送信データを生成する合成回路317を備えて構成される。尚、説明の簡単のため、図10において、離散的フーリエ変換処理前のフロントエンド処理、標本化処理、直並列変換処理等を行う回路手段の記載は省略している。
チャンネル等化器320は、伝送路ひずみの補正を行う回路手段の一例で、例えば、上述のMMSE等化やゼロフォーシング等化等の処理を行う。尚、伝送路が低SN比の場合には、MMSE等化の方が好ましい。一般的なシステムにおけるのと同様に、本システムの簡単化された実施形態では、チャンネル等価器320は伝送路特性との等価処理完了後は特性変更されない。
図示していないが、上記第2実施形態と同様に、複数の副伝送路308は複数の副伝送路群に分割して構成されており、マッピング回路307は、副伝送路群毎に固有のマッピング処理を行う。同様に、複数の副伝送路318も複数の副伝送路群に分割して構成されており、デマッピング回路316副伝送路群毎に固有のデマッピング処理を行う。変調方式制御手段302、分割回路306、マッピング回路307、復調方式制御手段312、デマッピング回路316、及び、合成回路317の各処理は、上記第2実施形態と同様であるので、重複する説明は割愛する。
上記第2実施形態では、変調回路204が出力調整機能を有し、復調回路214が入力調整機能を有する構成例を説明したが、出力調整機能及び入力調整機能を夫々変調回路204、復調回路214から分離しても構わない。本第3実施形態では、ゲイン調整器305を各変調回路304とマッピング回路307の間に配置し、逆ゲイン調整器315をデマッピング回路316と各復調回路314の間に配置することで、出力調整機能及び入力調整機能の分離を行っている。
また、図10では、説明の簡単のため、変調多値数が相互に異なる予め用意された2以上の変調方式に対応する各変調回路304は、夫々複数のデータ入力列の入力端子と複数のデータ出力列の出力端子を備えている。1つの変調回路304への各データ入力列は、当該変調回路304内で相互に独立してディジタル変調されて各別に出力される。同様に、各復調回路314も、夫々複数のデータ入力列の入力端子と複数のデータ出力列の出力端子を備えている。1つの復調回路314への各データ入力列は、当該復調回路314内で相互に独立してディジタル復調されて各別に出力される。
本第3実施形態では、上記第2実施形態の本発明方法及び装置をマルチキャリアシステムに適用する実施形態について説明したが、マルチキャリア変調方式は、OFDM方式に限定されるものではない。
次に、本発明方法及び装置の別実施形態について説明する。
〈1〉上記各実施形態において、本発明方法は、平均送信電力と要求されるサービス品質QoSが同じという条件下で、単一の変調方式を全てのタイムスロットに共通に使用した場合の平均ビットレート以上となるように、伝送路の有効SN比に応じて設定された利用率や増減係数を算出した上で、これらのパラメータを用いて、変調方式の割り当て(第2及び第3実施形態では、マッピング処理が該当)及び出力調整を行う。しかし、伝送路の有効SN比は、ノイズ源や干渉が新たに発生したり、或いは、消滅・軽減したりすることで、経時変化する場合がある。利用率及び増減係数は、有効SN比が経時変化する場合には、当該変化に応じてリアルタイムで修正することで、本発明方法による高いビットレートでの高効率伝送が享受できる。
第1実施形態を例に具体的に説明すると、図11に示すように、受信装置111内に、伝送路110の有効SN比を常時或いは定期的に計測するSN比監視手段119を設け、SN比監視手段が実測した有効SN比が変動したか否かを、変調方式制御手段102が常時或いは定期的にモニターする構成とする。変調方式制御手段102は、有効SN比が変動したことを検出すると、現状の変調方式の変化パターン(時系列パターン)で規定される合成変調方式の閾値SN比が、変動後の有効SN比以下であるか否かを判断し、変動後の有効SN比を超える場合には、閾値SN比が変動後の有効SN比以下で最大となる合成変調方式を、例えば、図5の拡張ローディングテーブルの中から選択して、当該合成変調方式に変更する。また、現行の合成変調方式の閾値SN比が、変動後の有効SN比以下を維持している場合であっても、閾値SN比が変動後の有効SN比以下で最大となる合成変調方式が他に存在する場合には、当該他の合成変調方式に変更する。変更後の合成変調方式の利用率と増減係数を使用して、変調方式の変化パターンの変更を行う。復調方式制御手段112は、変更後の変化パターンに同調して、タイムスロット毎に対応する復調方式の復調回路114の1つを順次選択して供給する。
また、複数の副伝送路を備える第2または第3実施形態では、1つの伝送路に対する時系列パターンを変更する代わりに、マッピング回路208,307のマッピング処理におけるマッピングパターンが、上述の変化パターンの変更と同様に変更される。また、必要に応じて、副伝送路群のサイズを変更した上で、マッピングパターンの変更を行うようにしても構わない。
〈2〉上記各実施形態において、図4、図6及び図10において、本発明装置の概略の機能ブロック構成を例示したが、本発明装置の構成が、これらの例示した構成に限定されるものではない。また、各ブロックの具体的な実現方法も、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア等を利用した種々の実現方法が可能である。
〈3〉上記各実施形態において、本発明装置で利用可能な変調多値数の異なる固有の変調方式として、16‐QAMや64‐QAM等のQAM方式を想定して説明したが、変調方式としては、QAM方式に限定されるものではない。また、ローディングテーブルの拡張に使用する2つの変調方式の変調多値数は、必ずしも16値と64値に限定されるものではない。
本発明は、データ伝送に伴う平均電力の制限下において、一定のエラーレートで規定される通信品質で、有限通りの変調方式の組み合わせでデータ伝送レートを向上可能なデータ通信方法及び装置に利用可能であり、特に、マルチキャリア変復調方式に適用可能なデータ通信方法及び装置に有用である。
変調方式毎の閾値SN比と副伝送路の有効SN比の関係を示す図 変調方式毎の閾値SN比とシンボル当たりのビット数の関係を示すローディングテーブルの一例を示す図 タイムスロット毎に2つの変調多値数の異なる変調方式を出力調整しながら使い分ける本発明に係るデータ送信方法の概念を説明する図 本発明に係るデータ送信装置とデータ受信装置の第1実施形態における一般化された概略の機能ブロック構成を示すブロック図 2つの変調多値数の異なる変調方式を使用して生成された合成変調方式のシンボル当たりの平均ビット数、閾値SN比、2つの変調方式の各利用率と増減係数の関係を示す拡張されたローディングテーブルの一例を示す図 本発明に係るデータ送信装置とデータ受信装置の第2実施形態における一般化された概略の機能ブロック構成を示すブロック図 図6に示すデータ送信装置とデータ受信装置の1つの副伝送路群における回路構成の一具体例を示すブロック図 図7に示すマッピング回路による5本の副伝送路への周期的なマッピング処理の一例を示すマッピングテーブル 図7に示すマッピング回路による5本の副伝送路への擬似ランダムなマッピング処理の一例を示すマッピングテーブル 本発明に係るデータ送信装置とデータ受信装置の第3実施形態における一般化された概略の機能ブロック構成を示すブロック図 本発明に係るデータ送信装置とデータ受信装置の別実施形態における一般化された概略の機能ブロック構成を示すブロック図
符号の説明
100,200,300: データ源
110,310: 伝送路
101,201,301: 送信装置
120,220,330: データ受信点
111,211,311: 受信装置
102,202,302: 変調方式制御手段
104,204,304: 変調回路
103,203,303: 変調回路手段
112,212,312: 復調方式制御手段
114,214,314: 復調回路
113,213,313: 復調回路手段
119: SN比監視手段
210,308,318: 副伝送路
206,306: 分割回路
208,307: マッピング回路
216,316: デマッピング回路
218,317: 合成回路
305: ゲイン調整器
309: IDFT回路
315: 逆ゲイン調整器
319: DFT回路
320: チャンネル等化器
C0〜C4: 変調回路
D0〜D4: 復調回路
M1〜M3: 変調方式
PA2,PA3: 変調方式別の平均送信電力
Pave: データ全体での平均送信電力
S1〜S5: 副伝送路
TM3: 有効SN比
Tone0〜4: 副伝送路
T1〜T3: 閾値SN比
T2x,T3x: 伝送路のSN比
t0〜t10: タイムスロット

Claims (31)

  1. 送信データを複数の1ビットまたは2ビット以上のデータ片に分割して、変調多値数が相互に異なる予め用意された2以上の変調方式を用いて前記データ片毎にディジタル変調を施して、1つの伝送路または複数の副伝送路を介して送信するデータ送信方法であって、
    前記2以上の変調方式毎に前記変調多値数が大きいほど大きく調整される固有の送信電力で定まる前記送信データの送信に要する平均送信電力が所定の規定値以下であり、且つ、前記データ片当りの平均ビットレートが、前記平均送信電力の前記規定値が同じで最大エラーレートが同じであるという条件下で単一の変調方式を全てのデータ片に共通に使用した場合の平均ビットレート以上となるように、前記各データ片に割り当てる前記変調方式毎の利用率を設定する利用率設定工程と、
    前記利用率設定工程で設定した前記利用率に基づいて、前記データ片の夫々に対して、前記2以上の変調方式の中から1つの変調方式を各別に選択して割り当てて前記送信データを前記データ片に分割する変調方式割当工程と、
    前記各データ片に対して、前記変調方式割当工程で夫々割り当てられた前記変調方式でディジタル変調を施す変調工程と、を有することを特徴とするデータ送信方法。
  2. 前記変調工程において前記2以上の変調方式で夫々変調される前記データ片毎の送信出力が、一定の基準送信出力となるように設定されており、
    前記基準送信出力でディジタル変調された前記各データ片の送信出力に実数または複素数の増減係数を乗じて、前記各データ片の送信電力が前記変調方式毎に固有の送信電力となるように調整する出力調整工程を有し、
    前記利用率設定工程において、前記平均送信電力が所定の規定値以下であり、且つ、前記平均ビットレートが、前記平均送信電力の前記規定値が同じで最大エラーレートが同じであるという条件下で単一の変調方式を全てのデータ片に共通に使用した場合の平均ビットレート以上となるように、前記利用率とともに前記増減係数を夫々設定することを特徴とする請求項1に記載のデータ送信方法。
  3. 前記利用率設定工程において、前記利用率の可能な複数通りの組み合わせが予め計算され格納しているテーブルを用いて、前記平均送信電力が所定の規定値以下であり、且つ、前記平均ビットレートが、前記平均送信電力の前記規定値が同じで最大エラーレートが同じであるという条件下で単一の変調方式を全てのデータ片に共通に使用した場合の平均ビットレート以上となるように、前記利用率を前記テーブルに格納された前記利用率の可能な複数通りの組み合わせの中から最適な組み合わせを選択して設定することを特徴とする請求項1または2に記載のデータ送信方法。
  4. 前記予め用意された変調方式の数が2であることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載のデータ送信方法。
  5. 前記変調工程において、時系列に連続するタイムスロット毎に、前記各データ片を、各別に割り当てた前記変調方式でディジタル変調することを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載のデータ送信方法。
  6. 前記変調方式割当工程において、前記変調工程で前記タイムスロット毎に逐次ディジタル変調され前記1つの伝送路または前記複数の副伝送路の1つに入力される一連の前記データ片に割り当てられた前記変調方式の時系列パターンが、所定数の前記タイムスロット毎に繰り返す周期的パターン、或いは、擬似ランダムなパターンとなるように、前記各データ片に前記変調方式を各別に割り当てることを特徴とする請求項5に記載のデータ送信方法。
  7. 前記変調工程において、時系列に連続するタイムスロット毎に、前記変調方式割当工程で前記利用率に基づいて前記変調方式が各別に割り当てられた複数の前記データ片の夫々に対して、対応する前記変調方式で並列にディジタル変調を施し、
    前記変調工程においてディジタル変調された前記データ片の夫々を、前記副伝送路毎の前記変調方式の時系列パターンが前記利用率を満足するように、前記複数の副伝送路に各別に振り分けて接続するマッピング工程を有することを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載のデータ送信方法。
  8. 前記マッピング工程において、前記タイムスロット毎に逐次出力され前記複数の副伝送路の1つに入力される一連の前記データ片に割り当てられた前記変調方式の時系列パターンが、所定数の前記タイムスロット毎に繰り返す周期的パターン、或いは、擬似ランダムなパターンとなるように、前記変調工程でディジタル変調された前記データ片の夫々を前記複数の副伝送路に各別に振り分けて接続することを特徴とする請求項7に記載のデータ送信方法。
  9. 前記複数の副伝送路に出力された前記データ片の夫々に対して、複数のサブキャリアを各別に割り当てて多重化処理を施す多重化工程を有することを特徴とする請求項7または8に記載のデータ送信方法。
  10. 前記複数の副伝送路が、複数の副伝送路群に区分されて構成されており、
    前記利用率設定工程において、前記送信データを前記副伝送路群毎に割り当てて、更に、前記副伝送路群に割り当てられた前記送信データの部分毎に、前記変調方式毎の利用率を設定し、
    前記変調方式割当工程において、前記副伝送路群毎に、前記利用率設定工程で設定した前記利用率に基づいて、前記データ片の夫々に対し前記2以上の変調方式の中から1つの変調方式を各別に選択して割り当てる処理を行い、
    前記マッピング工程において、前記変調工程でディジタル変調された前記データ片の夫々を前記各副伝送路群内の副伝送路に各別に振り分けて接続する処理を、前記副伝送路群毎に独立して行うことを特徴とする請求項7〜9の何れか1項に記載のデータ送信方法。
  11. 前記各変調方式の前記利用率の夫々が分数で表され、前記副伝送路群毎の前記各利用率の分子の最大公約数が1で、分母が前記各利用率の分子の総和であって、
    前記副伝送路群毎の副伝送路の数が、前記各利用率の分母に等しいことを特徴とする請求項10に記載のデータ送信方法。
  12. 前記伝送路または複数の副伝送路の伝送品質に係る特性をモニターする伝送品質モニター工程と、
    前記伝送品質モニター工程でモニターした前記特性の変化に適応するように、前記利用率を調整して、前記時系列パターンを変更することを特徴とする請求項6〜11の何れか1項に記載のデータ送信方法。
  13. 請求項1〜12の何れか1項に記載のデータ送信方法により1つの伝送路または複数の副伝送路を介して送信された前記複数のデータ片の夫々に対して、ディジタル変調に用いた前記変調方式に対応する復調方式によるディジタル復調を施して、元の前記送信データに合成するデータ受信方法であって、
    前記データ片の夫々に対して、前記データ送信方法の前記変調方式割当工程で割り当てられた前記変調方式に対応する復調方式を、変調多値数が相互に異なる予め用意された2以上の復調方式の中から各別に選択して割り当てる復調方式割当工程と、
    前記各データ片に対して選択された前記復調方式で各別にディジタル復調を施す復調工程と、を有することを特徴とするデータ受信方法。
  14. 前記データ送信方法が、請求項2に記載のデータ送信方法であって、
    前記復調工程で前記各データ片がディジタル復調される前に、前記データ送信方法の前記利用率設定工程で設定した前記増減係数に基づいて、前記各データ片の入力調整を行う入力調整工程を有することを特徴とする請求項13に記載のデータ受信方法。
  15. 前記データ送信方法が、請求項7〜11の何れか1項に記載のデータ送信方法であって、
    前記データ送信方法の前記マッピング工程において前記複数の副伝送路に各別に振り分けられた前記データ片の夫々を、前記変調工程でディジタル変調された前記変調方式に対応する復調方式で各別にディジタル復調を施す復調回路に振り分けて接続するデマッピング工程を有することを特徴とする請求項13に記載のデータ受信方法。
  16. 前記データ送信方法が、請求項9に記載のデータ送信方法であって、
    前記データ送信方法の前記多重化工程で多重化処理された信号を、逆多重化処理によって複数の副伝送路に再分配する逆多重化工程を有することを特徴とする請求項15に記載のデータ受信方法。
  17. 送信データを複数の1ビットまたは2ビット以上のデータ片に分割して、変調多値数が相互に異なる予め用意された2以上の変調方式を用いて前記データ片毎にディジタル変調を施して、1つの伝送路または複数の副伝送路を介して送信するデータ送信装置であって、
    前記データ片の夫々に対して、前記2以上の変調方式の中から1つの変調方式を各別に選択して割り当てる変調方式制御手段と、
    前記各データ片に対して選択された前記変調方式でディジタル変調を施す変調回路手段と、を少なくとも備えてなり、
    前記変調方式制御手段が、前記変調方式毎に前記変調多値数が大きいほど大きく調整される固有の送信電力で定まる前記送信データの送信に要する平均送信電力が所定の規定値以下であり、且つ、前記データ片当りの平均ビットレートが、前記平均送信電力の前記規定値が同じで最大エラーレートが同じであるという条件下で単一の変調方式を全てのデータ片に共通に使用した場合の平均ビットレート以上となるように、前記各データ片に割り当てられる前記変調方式毎の利用率を設定し、設定した前記利用率に基づいて、前記データ片の夫々に対し前記2以上の変調方式の中から1つの変調方式を各別に選択して割り当てて前記送信データを前記データ片に分割することを特徴とするデータ送信装置。
  18. 前記2以上の変調方式で夫々変調される前記データ片毎の基準送信出力が相互に等しく設定され、
    前記変調回路手段が、前記変調方式毎に固有の送信電力を、前記基準送信出力に実数または複素数の増減係数を乗じることで調整可能に構成され、
    前記変調方式制御手段が、前記平均送信電力が所定の規定値以下であり、且つ、前記平均ビットレートが、前記平均送信電力の前記規定値が同じで最大エラーレートが同じであるという条件下で単一の変調方式を全てのデータ片に共通に使用した場合の平均ビットレート以上となるように、前記利用率と前記増減係数を夫々設定し、設定した前記利用率に基づいて、前記データ片の夫々に対し各別に、前記2以上の変調方式の中から1つの変調方式を選択して割り当て、設定した前記増減係数に基づいて、前記変調回路手段に対して前記データ片毎の出力調整の制御を行うことを特徴とする請求項17に記載のデータ送信装置。
  19. 前記利用率の可能な複数通りの組み合わせが予め計算されテーブルに格納されており、
    前記変調方式制御手段が、前記平均送信電力が所定の規定値以下であり、且つ、前記平均ビットレートが、前記平均送信電力の前記規定値が同じで最大エラーレートが同じであるという条件下で単一の変調方式を全てのデータ片に共通に使用した場合の平均ビットレート以上となるように、前記利用率を前記テーブルに格納された前記利用率の可能な複数通りの組み合わせの中から最適な組み合わせを選択して設定することを特徴とする請求項17または18に記載のデータ送信装置。
  20. 前記予め用意された変調方式の数が2であることを特徴とする請求項17〜19の何れか1項に記載のデータ送信装置。
  21. 前記変調方式制御手段が、時系列に連続するタイムスロット毎に、前記各データ片を、各別に割り当てた前記変調方式に対応する前記変調回路手段に逐次入力させることを特徴とする請求項17〜20の何れか1項に記載のデータ送信装置。
  22. 前記変調方式制御手段が、前記変調回路手段から前記タイムスロット毎に逐次出力され前記1つの伝送路または前記複数の副伝送路の1つに入力される一連の前記データ片に割り当てられた前記変調方式の時系列パターンが、所定数の前記タイムスロット毎に繰り返す周期的パターン、或いは、擬似ランダムなパターンとなるように、前記各データ片に前記変調方式を各別に割り当てることを特徴とする請求項21に記載のデータ送信装置。
  23. 前記変調回路手段が、時系列に連続するタイムスロット毎に、前記変調方式制御手段によって前記利用率に基づいて前記変調方式を各別に割り当てられた複数の前記データ片の夫々を、対応する前記変調方式で並列にディジタル変調を施すように複数の変調回路を備えて構成され、
    前記変調回路手段でディジタル変調された前記データ片の夫々を、前記副伝送路毎の前記変調方式の時系列パターンが前記利用率を満足するように、前記複数の副伝送路に各別に振り分けて接続するマッピング回路を備えることを特徴とする請求項17〜20の何れか1項に記載のデータ送信装置。
  24. 前記マッピング回路が、前記マッピング回路から前記タイムスロット毎に逐次出力され前記複数の副伝送路の1つに入力される一連の前記データ片に割り当てられた前記変調方式の時系列パターンが、所定数の前記タイムスロット毎に繰り返す周期的パターン、或いは、擬似ランダムなパターンとなるように、前記変調回路手段でディジタル変調された前記データ片の夫々を前記複数の副伝送路に各別に振り分けて接続することを特徴とする請求項23に記載のデータ送信装置。
  25. 前記複数の副伝送路に出力された前記データ片の夫々に対して、複数のサブキャリアを各別に割り当てて多重化処理を施す多重化回路を備えることを特徴とする請求項23または24に記載のデータ送信装置。
  26. 前記複数の副伝送路が、複数の副伝送路群に区分されて構成されており、
    前記変調方式制御手段が、前記送信データを前記副伝送路群毎に割り当てて、更に、前記副伝送路群に割り当てられた前記送信データの部分毎に、前記変調方式毎の利用率を設定し、前記データ片の夫々に対し前記2以上の変調方式の中から1つの変調方式を各別に選択して割り当てる処理を行い、
    前記マッピング回路が、前記変調回路手段でディジタル変調された前記データ片の夫々を前記各副伝送路群内の副伝送路に各別に振り分けて接続する処理を、前記副伝送路群毎に独立して行うことを特徴とする請求項23〜25の何れか1項に記載のデータ送信装置。
  27. 前記副伝送路群毎に各別に設定された前記各変調方式の前記利用率の夫々が分数で表され、前記副伝送路群毎の前記各利用率の分子の最大公約数が1で、分母が前記各利用率の分子の総和であって、
    前記副伝送路群毎の副伝送路の数が、前記各利用率の分母に等しいことを特徴とする請求項26に記載のデータ送信装置。
  28. 請求項17〜27の何れか1項に記載のデータ送信装置から1つの伝送路または複数の副伝送路を介して送信された前記複数のデータ片の夫々に対して、ディジタル変調に用いた前記変調方式に対応する復調方式によるディジタル復調を施して、元の前記送信データに合成するデータ受信装置であって、
    前記データ片の夫々に対して、前記データ送信装置の前記変調方式制御手段で割り当てられた前記変調方式に対応する復調方式を、変調多値数が相互に異なる予め用意された2以上の復調方式の中から各別に選択して割り当てる復調方式制御手段と、
    前記各データ片に対して選択された前記復調方式で各別にディジタル復調を施す復調回路手段と、を少なくとも備えてなることを特徴とするデータ受信装置。
  29. 前記データ送信装置が、請求項18に記載のデータ送信装置であって、
    前記復調方式制御手段が、前記データ送信装置の前記変調方式制御手段で設定した前記増減係数に基づいて、前記復調回路手段に対してディジタル復調前の前記各データ片の入力調整の制御を行うことを特徴とする請求項28に記載のデータ受信装置。
  30. 前記データ送信装置が、請求項23〜27の何れか1項に記載のデータ送信装置であって、
    前記データ送信装置の前記マッピング回路によって前記複数の副伝送路に各別に振り分けられた前記データ片の夫々を、前記変調回路手段でディジタル変調された前記変調方式に対応する復調方式で各別にディジタル復調を施す前記復調回路手段の複数の復調回路の夫々に振り分けて接続するデマッピング回路を備えることを特徴とする請求項28に記載のデータ受信装置。
  31. 前記データ送信装置が、請求項25に記載のデータ送信装置であって、
    前記データ送信装置の前記多重化回路で多重化処理された信号を、逆多重化処理によって複数の副伝送路に再分配する逆多重化回路を備えることを特徴とする請求項30に記載のデータ受信装置。
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