JPH1064695A - X線発生装置及びそれを用いたx線装置 - Google Patents

X線発生装置及びそれを用いたx線装置

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JPH1064695A
JPH1064695A JP23858996A JP23858996A JPH1064695A JP H1064695 A JPH1064695 A JP H1064695A JP 23858996 A JP23858996 A JP 23858996A JP 23858996 A JP23858996 A JP 23858996A JP H1064695 A JPH1064695 A JP H1064695A
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ray
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rays
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JP23858996A
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English (en)
Inventor
Katsuhiko Ogiso
克彦 小木曽
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Rigaku Denki Co Ltd
Rigaku Corp
Original Assignee
Rigaku Denki Co Ltd
Rigaku Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 X線出力の小さいX線源を使って強度の強い
X線ビームを形成する。 【解決手段】 X線を発生するX線発生装置であって、
一方の面に電子が衝突したときに反対面からX線を放射
する透過型ターゲット8と、一端が透過型ターゲットの
X線放射面に近接又は接触し他端がX線放射口を構成す
る複数のX線導波細管2とを有するX線発生装置であ
る。透過型ターゲット8内の各点から放射される弱いX
線を複数のX線導波細管2によって集めることにより、
高強度のX線を獲得する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、X線を発生するX
線発生装置及びそのX線発生装置を使用するX線装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】X線は、従来より、理化学分析、構造物
の非破壊検査、医療検査等といった各種の産業分野にお
いて広く利用されている。このX線を発生するためのX
線発生装置は、例えば、図7に示すように構成されてい
た。すなわち、フィラメント(すなわち、陰極)51に
対向してターゲット(すなわち、対陰極)52を配設
し、通電によって加熱されたフィラメント51から放射
される熱電子を高速度でターゲット52に衝突させ、そ
の衝突によって発生して三次元空間内の全方位に発散す
るX線をケーシング53の壁面に設けたX線取出し窓5
4から外部へ取り出すようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この種
の従来のX線発生装置では、フィラメント51から出て
ターゲット52に到達する熱電子のほとんどは熱に変化
してしまい、X線に変化するのは極めて少ない割合であ
る。従って、必要なエネルギ量のX線を獲得するために
は非常に多量の電力を使わなければならない。また、ケ
ーシング53内での放電の発生を防止したり、フィラメ
ント51の酸化を防止したり、フィラメント51からの
電子の発生を促したりするためにケーシング53の内部
を高度の真空に保持する必要があり、そのため、ケーシ
ング53に真空排気系を付設しなければならない。ま
た、上記のようにほとんどの熱電子はターゲット52の
所で熱に変化するのでターゲット52は非常に高温とな
り、従って、ターゲット52には冷却系を付設しなけれ
ばならない。このように、従来のX線発生装置は、消費
電力が大きく、さらに真空排気系や冷却系等といった大
掛かりな付帯設備を必要とするという問題点を有してい
た。
【0004】本発明者は、従来装置における上記の問題
点に鑑みて、消費電力を小さくできるX線発生装置の開
発及び付帯設備を極力必要としないX線発生装置の開発
を試みた。その結果、ターゲットのX線出力が小さい場
合でも、そのターゲットにできるだけ近づけて多数のX
線導波細管を配設することにより、それらのX線導波細
管によって多量のX線を取り込むことができ、それ故、
それらのX線導波細管の出力端に強力なX線を集束でき
ることを知見した。また、ターゲットからのX線出力を
小さく抑えることにより、大掛かりな真空排気系や冷却
系を用いなくても実用上支障が生じないことを知見し
た。
【0005】本発明者は、束ねられた多数のX線導波細
管を用いてX線発生装置を構成するということに関して
従来技術が存在するか否かを検討した。その結果、X線
発生装置の分野でそのようなX線導波細管を用いるとい
う従来例は発見できなかったものの、複数のX線導波細
管を用いてX線ビームを制御するというX線ビーム制御
装置が特表平7−504491号公報に開示されている
ことを知見した。
【0006】しかしながら、ここに開示されたX線ビー
ム制御装置では、点状焦点から発せられるX線放射面積
の小さい1個のターゲットに対してX線導波細管を付設
することしか開示されておらず、さらにそのターゲット
に対してかなりの間隔をおいてX線導波細管を配設する
ことしか開示されていない。ターゲットとX線導波細管
との間にかなりの間隔を設けなければならないというの
は、従来のX線発生源では図7に示したように、フィラ
メント51をターゲット52に対向して配置しなければ
ならないことから、ターゲット52に近接又は接触させ
てX線導波細管を配設するということが構造上不可能で
あったからである。従って、特表平7−504491号
公報に開示されたX線ビーム制御装置では、実用に供す
ることができる程度に十分な強度のX線を獲得すること
は不可能であるということが、容易に理解できた。
【0007】本発明は、上述の従来技術に鑑みて成され
たものであって、面状に発生する個々のX線発生点にお
けるX線のエネルギが小さい場合であっても、さらに、
それらのX線発生源を複数個面状に並べると共に複数の
X線導波細管をそれらのX線発生点に近接又は接触させ
て配設することにより、実用上十分な強度のX線を発生
できるようにすることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明に係るX線発生装置は、一方の面に電子が衝
突したときに反対面からX線を放射する透過型ターゲッ
トと、一端が上記透過型ターゲットのX線放射面に近接
又は接触し他端がX線放射口を構成する複数のX線導波
細管とを有することを特徴とする。このX線発生装置に
よれば、ターゲットとして透過型ターゲットを用いるこ
とにより、X線導波細管のX線取込み端をターゲットの
X線放射面に近接又は接触して配置することができ、そ
の結果、透過型ターゲットの個々のX線発生点から放射
されるX線の強度が低い場合でも、それらのX線発生点
から発生するX線を複数のX線導波細管によって効率良
く取り込むことにより、そのX線導波細管のX線放射端
に強度の高いX線を形成することができる。また、その
ように個々のX線発生点に関してはX線強度をそれ程高
くする必要がないので、真空排気系や冷却系を設ける必
要もなくなる。
【0009】本発明は、比較的広い面積を有するX線発
生源、すなわちターゲット内の各X線発生点からX線導
波細管によってX線を集めることが重要であるから、上
記透過型ターゲットは、1本のX線導波細管の断面面積
よりも大きい面積を有する面状ターゲットであることが
望ましい。
【0010】この面状ターゲットに関しては、その面積
が大きい程より多量のX線を集めることによって強度の
高いX線を形成することができる。そのためには、例え
ば、複数個の小面積の透過型ターゲットを平面状に配列
することによってその面積を大きくすることができる。
また、テレビ受像器として広く用いられるCRT(陰極
線管)を用いて、その蛍光面に相当する電子衝突位置に
面積の広い平面状のターゲット部材を配設することによ
ってX線発生源を構成することもできる。
【0011】複数のX線導波細管は、それらの一端が透
過型ターゲットのX線放射面に近接又は接触して配置さ
れ、それらの他端が束ねられてX線放射口を構成する。
この構成に関して、X線放射口は透過型ターゲットのX
線放射面の面積よりも小さくすることができ、こうすれ
ば、単位面積当たりの強度が非常に高いX線ビームをX
線放射口から放射できる。
【0012】複数のX線導波細管を束ねることによって
形成されるX線放射口の形状は、本発明に係るX線発生
装置が使用されるX線装置の構造に応じて任意の形状と
することができる。例えば、円形状、方形状、線状等と
することができる。円形状又は方形状とすれば、いわゆ
るポイントフォーカスのX線ビームが得られ、線状とす
れば、いわゆるラインフォーカスのX線ビームが得られ
る。
【0013】X線導波細管は、X線を全反射させながら
一端から他端へと伝導するものであり、その作用が得ら
れる限りにおいて任意の材質及び任意の構造のチューブ
によって形成できる。例えば、ガラスによって形成され
たキャピラリ・チューブによって形成できる。また、ガ
ラスに鉛等のX線非透過材料を混合した材料を用いてX
線導波細管を構成することもできる。
【0014】本発明に係るX線装置は、以上に説明した
X線発生装置を使用することを特徴とするX線装置であ
る。このX線装置は、具体的には、X線発生装置から放
射されたX線を使用するX線装置であって、そのX線発
生装置を、一方の面に電子が衝突したときに反対面から
X線を放射する透過型ターゲットと、一端が上記透過型
ターゲットのX線放射面に近接又は接触し他端がX線放
射口を構成する複数のX線導波細管とを含んで構成する
ものである。
【0015】
【発明の実施の形態】図1は、本発明に係るX線発生装
置の一実施形態を示している。このX線発生装置は、平
面状に配列された複数のX線発生ユニット1と、それら
のX線発生ユニット1から延びる複数のX線導波細管2
とを有している。X線発生ユニット1は、図5に示すよ
うに、通電によって熱を発生するペルティエ素子によっ
て形成されたヒータ3と、そのヒータ3に接触して配置
されていて加熱されたときに電子を発生するピロ電気素
子4と、それらを収納するケーシング6と、ピロ電気素
子4に対向するケーシング6の壁面に形成された円形状
又は方形状のX線放射窓7とを有する。ヒータ3の表面
には温度センサ11が配設される。ケーシング6の外径
Dは、例えば、直径4mm程度に設定される。
【0016】X線放射窓7は、円形状又は方形状のター
ゲット8と、そのターゲット8に面接触する円形状又は
方形状のベリリウム部材9とによって構成されている。
ターゲット8は、図の左面側から電子が衝突したときに
図の右面側(すなわち、X線放射面)からX線を放出す
る形式の、いわゆる透過型ターゲットとして構成されて
いる。例えば、ターゲット8の厚さを薄くすることによ
ってそのような透過型ターゲットを形成できる。ベリリ
ウム部材9は、薄く形成されたターゲット8の機械的強
度を補償したり、ターゲット8で発生する熱をケーシン
グ6へ伝達する等の作用を奏する。ベリリウム部材9
は、X線を通すことができると共に比較的高い機械的強
度を有する材料であれば、ベリリウム以外の任意の材料
に代えることができる。
【0017】X線放射窓7の右側面(すなわち、外側
面)には、束ねられた多数のX線導波細管2の一端すな
わちX線取込み端が接触する。つまり、透過型ターゲッ
ト8のX線放射面に近接して各X線導波細管2のX線取
込み端が配置される。ターゲット8のX線放射面にベリ
リウム部材9を設けない場合には、ターゲット8のX線
放射面にX線導波細管2のX線取込み端を直接に接触さ
せることができる。
【0018】X線導波細管2は、図4に示すように、多
数本が束ねられた状態で使用されるものであり、それら
の個々のX線導波細管2は、例えば、ガラス製のキャピ
ラリチューブによって形成される。個々のキャピラリチ
ューブ2は、例えば、内径6μm〜10μm程度に形成
され、一端開口から導入したX線を外周ガラスの内周面
で全反射させながら他端開口まで導く。X線導波細管2
はX線放射窓7の全面を覆うように配置することもでき
るし、あるいは、X線放射窓7の一部に対向して配置す
ることもできる。いずれの場合でも、多数のX線導波細
管2がX線放射窓7に対向して設けられる。
【0019】図1において、束ねられた多数のX線導波
細管2のX線取込み端側は、面状に配列された各X線発
生ユニット1のX線放射窓に対向して配置され、その他
端側はX線放射口12を形成している。本実施形態で
は、X線放射口12は円形状に形成されている。X線放
射口12の面積は、各X線発生ユニット1のX線放射窓
7(図5)の面積を合計した面積、すなわち、各透過型
ターゲット8のX線放射面の面積を合計した面積よりも
小さくなっている。これにより、広い面積の透過型ター
ゲット8から取り込んだX線を狭い面積に集束させるこ
とによって強度の高いX線ビームとして取り出すことが
できる。
【0020】本発明に係るX線発生装置は以上のように
構成されているので、図5において、ヒータ3が通電に
よって発熱するとピロ電気素子4から電子が発生し、そ
の電子が透過型ターゲット8の一面に到達してその他
面、すなわちX線放射面からX線が発生する。ヒータ3
の温度は温度センサ11に検知され、その検知結果に基
づいてヒータ3の温度が所定温度に制御される。
【0021】図1において、個々のX線発生ユニット1
内の透過型ターゲット8のX線放射面から発生したX線
は、それらに対向して配置された各X線導波細管2の一
端から取り込まれ、各チューブの中を全反射しながら伝
達されてX線放射口12に到達し、そのX線放射口12
から外部へ放射される。放射されたX線は、理化学分析
装置、構造物の非破壊検査装置、医療検査装置等といっ
た各種のX線利用機器に利用される。
【0022】個々のX線発生ユニット1の透過型ターゲ
ット8(図5参照)から発生するX線の強度は、例えば
2ワット〜50ワット程度と弱いものであり、これら単
体ではX線装置のX線源としては不十分である。しかし
ながら、本実施形態のように各透過型ターゲット8に近
接させて多数のX線導波細管2のX線取込み口を配置し
ておけば、各透過型ターゲット8から4π方向、すなわ
ち3次元空間内の全方位に発散するX線の多くの部分を
それらのX線導波細管2に取り込んで、さらにX線放射
口12(図1)へ集束でき、従って、X線装置のための
X線源として使用するに足りる十分に強度の高いX線ビ
ームをX線放射口12から放射できる。しかも、本実施
形態で用いる個々のX線発生ユニット1それ自体は、X
線の出力強度が小さくて発熱量も小さい。従って、ケー
シング6を高度の真空に保持するための真空排気系や、
透過型ターゲット8を冷却するための冷却系等を設ける
必要がない。
【0023】図6は、以上に説明したX線発生装置を使
用するX線装置の一実施形態である、理化学分析装置と
してのX線回折装置を示している。このX線回折装置
は、X線発生装置13と、測定対象である試料14を支
持したθ回転台16と、θ回転台16と同軸な2θ回転
台17から延びる検出器アーム18と、その検出器アー
ム18の上に固定配置されたX線カウンタ19とを有し
ている。X線発生装置13は、面状に配列された複数の
X線発生ユニット1と、それらのX線発生ユニット1か
ら放射されるX線を集める複数のX線導波細管2とを有
している。
【0024】X線発生装置13と試料14との間には発
散規制スリット21が配置され、θ回転台16にはθ回
転駆動系22が付設され、2θ回転台17には2θ回転
駆動系23が付設され、そして、試料14とX線カウン
タ19との間の検出器アーム18の上に散乱線規制スリ
ット24及び受光スリット25が配設される。θ回転駆
動系22は試料14を試料軸線ωを中心として所定の角
速度で連続的又は間欠的に回転、いわゆるθ回転させ
る。2θ回転駆動系23は、X線カウンタ19等を搭載
した検出器アーム18を試料軸線ωを中心としてθ回転
と同じ方向へθ回転の2倍の角速度で回転、いわゆる2
θ回転させる。これらのθ回転駆動系22及び2θ回転
駆動系23は、例えば、モータ等の駆動源に接続された
ウオームと、θ回転台16や2θ回転台17に固着され
たウオームホイールとを互いに噛み合わせることによっ
て構成できる。
【0025】本実施形態のX線回折装置は以上のように
構成されているので、試料14がθ回転駆動系22によ
って駆動されてθ回転し、同時に、検出器アーム18が
2θ回転駆動系23によって駆動されて2θ回転する。
これらのθ回転及び2θ回転が行われる間、X線発生装
置13のX線焦点、すなわちX線導波細管2の束のX線
放射口12から十分な強度のX線が放射され、放射され
たX線が発散規制スリット21によってその発散を制限
された状態で試料14に照射される。
【0026】θ回転する試料14の結晶格子面とそれに
入射するX線との間でブラッグの回折条件が満足される
とき、試料14でX線の回折が生じ、発生したその回折
X線が受光スリット25を通過してX線カウンタ19に
よって計数される。これにより、試料14に関して回折
角度2θのどの角度位置でどの程度の強度の回折X線が
発生するかを測定できる。なお、散乱線規制スリット2
4はノイズ成分となる散乱線がX線カウンタ19に取り
込まれることを防止し、受光スリット25は散乱線規制
スリット24から発生する散乱X線が得た9に取り込ま
れることを防止する。
【0027】このX線回折装置で用いられるX線発生装
置13は、既述の通り、真空排気系や冷却系等といった
付帯機器を必要としないので、外観形状が非常に小さ
く、しかもその重さが非常に軽量である。従って、θ回
転台16及び2θ回転台17を含んで構成されるゴニオ
メータに対して希望する任意の位置にX線発生装置13
を設置できる。また、X線発生装置13の外観形状が小
さいので検出器アーム18の2θ回転角度を大きくとる
ことができる。
【0028】図2は、X線導波細管2のX線放射口12
の改変例を示している。この例では、X線放射口12が
正方形又は長方形といった方形状に形成される。また、
図3は、X線導波細管2のX線放射口12の他の改変例
を示している。この例では、X線放射口12が細い線状
に形成される。図1に示す円形状のX線放射口12や図
2に示す方形状のX線放射口12から放射されるX線
は、ポイントフォーカスのX線として利用できる。ま
た、図3に示す線状のX線放射口12から放射されるX
線は、ラインフォーカスのX線として利用できる。
【0029】以上、好ましい実施形態を挙げて本発明を
説明したが、本発明はそれらの実施形態に限定されるも
のでなく、請求の範囲に記載した技術的範囲内で種々に
改変できる。例えば、図1の実施形態では、X線発生ユ
ニット1を複数個平面状に並べることによって面積の広
い平面状の透過型ターゲットを構成したが、これに代え
て、1個のX線発生ユニット1の内部に含まれる1個の
透過型ターゲット8だけによって平面状の透過型ターゲ
ットを構成することもできる。但しこの場合には、1個
の透過型ターゲット8のX線放射面に対向して複数のX
線導波細管2のX線取込み端を配置したとしても、集め
ることのできるX線の量が少ないので、X線導波細管2
のX線放射口12に得られるX線の強度は低いかもしれ
ない。
【0030】また、本発明で用いることのできる平面状
のX線発生源は、図1に示すような、固体状の電子発生
素子を備えた小型のX線発生ユニット1を用いたものに
限られず、透過型ターゲットを用いるものでありさえす
れば、どのような構造であっても良い。例えば、テレビ
受像器として広く用いられるCRT(陰極線管)を用い
て、その蛍光面に相当する電子衝突位置に面積の広い平
面状のターゲット部材を配設することによってX線発生
源を構成することもできる。
【0031】また、本発明に係るX線発生装置を使用す
るX線装置は、図6に示すようなX線回折装置に限られ
ず、その他のあらゆる構造のX線回折装置や、X線回折
装置以外の理化学分析装置や、建築構造物の残留応力等
を検査するための非破壊検査装置や、医療検査装置等と
いったX線を用いる各種の機器に関してX線源として使
用できる。
【0032】
【発明の効果】請求項1記載のX線発生装置及び請求項
9記載のX線装置によれば、透過型ターゲットを用いる
のでX線導波細管のX線取込み端をターゲットのX線放
射面に近接又は接触させて配置することができ、その結
果、透過型ターゲットの個々のX線発生点において発生
するX線を効率良く集めることができ、よって、透過型
ターゲットの個々のX線発生点に発生するX線のフォト
ンが少ない場合でも、X線導波細管のX線放射口に高強
度のX線を獲得することができる。また、透過型ターゲ
ットのX線出力を極端に大きくしなくても実用上十分な
強度のX線が得られるので、真空排気系や冷却系等とい
った付帯機器が不要となり、よって、X線発生装置を小
型及び軽量にすることができる。
【0033】請求項2記載のX線発生装置によれば、透
過型ターゲットに対向して複数個のX線導波細管を配設
でき、よって、透過型ターゲットのX線出力を増大する
ことができる。仮に、透過型ターゲットの面積が1本の
X線導波細管の断面積と等しいか又はそれよりも小さい
場合には、透過型ターゲットに対して複数のX線導波細
管を配設することができないから、X線出力の微弱なタ
ーゲットから高強度のX線を取り出すという効果は得ら
れない。
【0034】請求項3及び請求項4記載のX線発生装置
によれば、ポイントフォーカスのX線ビームを得ること
ができる。
【0035】請求項5記載のX線発生装置によれば、ラ
インフォーカスのX線ビームを得ることができる。
【0036】請求項6記載のX線発生装置によれば、広
い面積の透過型ターゲットから発生するX線を面積の小
さいX線放射口に集束することにより、高強度のX線ビ
ームを形成できる。
【0037】請求項7記載のX線発生装置によれば、消
費電力を小さく抑えた上で十分に強度の強いX線ビーム
を得ることができる。
【0038】また、図5に示すように、小面積の透過型
ターゲットを用いることによりX線出力の小さなX線発
生ユニットは簡単に製造できる。このようなX線発生ユ
ニットを複数個面状に並べれば、請求項7記載のX線発
生装置のように、小面積の透過型ターゲットを複数個平
面状に並べて大面積の透過型ターゲットを構成できる。
この構造は、X線発生ユニットを単に並べるだけである
ので、作業が非常に簡単である。
【0039】請求項8記載のX線発生装置によれば、X
線導波細管を簡単、確実且つ安価に形成できる。
【0040】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るX線発生装置の一実施形態を示す
斜視図である。
【図2】X線放射口の改変例を示す斜視図である。
【図3】X線放射口の他の改変例を示す斜視図である。
【図4】X線導波細管の一例の一部分を示す斜視図であ
る。
【図5】透過型ターゲット及びそれを用いたX線発生ユ
ニットの一例を示す側面断面図である。
【図6】本発明に係るX線装置の一実施形態を示す平面
図である。
【図7】従来のX線発生装置の一例の一部分を示す斜視
図である。
【符号の説明】
1 X線発生ユニット 2 X線導波細管 3 ヒータ 4 ピロ電気素子 6 ケーシング 7 X線放射窓 8 ターゲット 9 ベリリウム部材 11 温度センサ 12 X線放射口 13 X線発生装置 14 試料 19 X線カウンタ 27 電子銃 28 陰極線管 29 ターゲット部材 29a X線照射面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01J 35/18 H01J 35/18 // G01N 23/207 G01N 23/207

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 X線を発生するX線発生装置において、 一方の面に電子が衝突したときに反対面からX線を放射
    する透過型ターゲットと、 一端が上記透過型ターゲットのX線放射面に近接又は接
    触し、他端がX線放射口を構成する複数のX線導波細管
    とを有することを特徴とするX線発生装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のX線発生装置において、
    上記透過型ターゲットは、1本のX線導波細管の断面面
    積よりも大きい面積を有する面状ターゲットであること
    を特徴とするX線発生装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2記載のX線発生装
    置において、複数のX線導波細管によって構成されるX
    線放射口は円形状であることを特徴とするX線発生装
    置。
  4. 【請求項4】 請求項1又は請求項2記載のX線発生装
    置において、複数のX線導波細管によって構成されるX
    線放射口は方形状であることを特徴とするX線発生装
    置。
  5. 【請求項5】 請求項1又は請求項2記載のX線発生装
    置において、複数のX線導波細管によって構成されるX
    線放射口は線状であることを特徴とするX線発生装置。
  6. 【請求項6】 請求項1から請求項5のうちのいずれか
    1つに記載のX線発生装置において、複数のX線導波細
    管によって構成されるX線放射口は上記透過型ターゲッ
    トのX線放射面の面積よりも小さいことを特徴とするX
    線発生装置。
  7. 【請求項7】 請求項1から請求項6のうちのいずれか
    1つに記載のX線発生装置において、上記透過型ターゲ
    ットは、複数個の小面積の透過型ターゲットを平面状に
    配列することによって形成されることを特徴とするX線
    発生装置。
  8. 【請求項8】 請求項1から請求項7のうちのいずか1
    つに記載のX線発生装置において、上記X線導波細管
    は、ガラス製で中空のチューブであることを特徴とする
    X線発生装置。
  9. 【請求項9】 X線発生装置から放射されたX線を使用
    するX線装置において、そのX線発生装置は、 一方の面に電子が衝突したときに反対面からX線を放射
    する透過型ターゲットと、 一端が上記透過型ターゲットのX線放射面に近接又は接
    触し、他端がX線放射口を構成する複数のX線導波細管
    とを有することを特徴とするX線装置。
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