JPH1064472A - イオン注入装置及び汚染観測方法 - Google Patents
イオン注入装置及び汚染観測方法Info
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Abstract
で減速される前にフィールド電極で一時的に加速される
際に中性化され、その際にこれによって生じるイオンビ
ームの高エネルギー中性物汚染を、イオン注入プロセス
においてモニタする方法であって、フィールド電極上の
電流ドレインをモニタして中性化したイオン(ないしイ
オン中性化物)のターゲットへの流れを指示するステッ
プを有している。
Description
関し、特に、イオン注入プロセスにおける高エネルギー
中性汚染物の観測に関する。
ョン)は、集積回路デバイスの製造工程において、半導
体材料の決まった領域に対して、濃度を選択して不純物
をドーピングすることによりこの領域の電気特性を変え
るために用いられる、標準的なプロセスである。この技
術は、予め選択したイオンの種のビームを生成する工程
と、このビームをターゲットとなる基板の方へ指向させ
る工程を含んでいる。イオン注入の深さは、基板上の注
入点におけるイオンビームエネルギー(即ち、「注入エ
ネルギー」)にとりわけ依存している 代表的なイオン注入装置は真空チャンバを具備している
が、1つのチャンバの中には、相互に連通している多数
のコンパートメントが含まれることがある。1つのコン
パートメントには、所要のイオン種を形成するためのイ
オンソースが具備される。イオン注入に用いる代表的な
イオン種は、ボロン(B+)、リン(P+)及びヒ素(A
s+)である。イオンソースからのイオンは、イオンソ
ースの動作を効率よくするように選択した抽出エネルギ
ーで抽出される。この抽出エネルギーのイオンは、一定
の輸送エネルギーでフライトチューブの中を輸送され
る。このフライトチューブの中では、イオンは、通常は
磁石及びこれに付いたマスセレクションスリットの形態
をとるマスセレクタ(質量選別器)の中を通過する。そ
して、選別された質量のイオンは、フライトチューブか
ら出口アパーチャで外に出るが、このときも、係る輸送
エネルギーを有している。
フライトチューブの中を輸送させるためには、イオンの
抽出エネルギー及びその後の輸送エネルギーは、典型的
には、10〜20keVである。抽出エネルギーが低い
場合は、抽出の効率が低下する傾向があり、また、エネ
ルギーを高くするためには、更に出力が高く且つ大型の
磁石が必要となる。
eVあるいはそれ以上もの注入エネルギーを必要として
おり、フライトチューブから出てきたイオンに対してこ
のような高い注入エネルギーを与えることが、標準的な
手法となっていた。この手法は、「質量選別後の加
速」、あるいは「ポスト加速」と呼ばれている。
ルギーで注入を行うことへの要請が高まってきている。
これは、質量選別後の減速(ないし「ポスト減速」)へ
の示唆へと導かれる。
の1つに、エネルギー汚染の問題がある。基板に所要の
ドープ材料の構造を与える処理を行うためには、注入す
るイオンのエネルギーは予測可能で且つ制御可能である
ことが重要である。目標とする注入エネルギーに達する
前に、イオンビーム中のイオンが中性に変化したとき、
例えば、真空チャンバ中の残留ガスの原子と電子の交換
が生じた場合に、注入装置で問題が発生する。中性化が
生じれば、所要の注入種の原子は、加速場や減速場の影
響下にはなくなり、その従前のエネルギー状態を維持し
続けることになる。ターゲットとする基板に直線で移動
している際にイオンが中性化されれば、中性化した原子
は、中性化した直後のエネルギーで基板に注入されるこ
とになる。
は、高エネルギーの中性物による汚染は特に深刻な問題
を生じ、イオンが磁場から出てターゲット基板に直線上
を進行する時点と、その後イオンが減速用電界で十分減
速された時点との間で、イオンビームからのイオンを中
性化してしまうことになる。
空チャンバの内部の残留ガスの圧力に依存することが知
られており、これはイオンを中性化する電子交換衝突の
数に直接影響する。しかし、残留ガスの圧力が存在して
いる方が望ましい場合もあり、それは、ビームイオンと
残留ガス原子とが衝突すれば、フリーの電子もイオンビ
ームの領域中で生成し、イオンビームの空間荷電量を低
減するからであり、そして、ビーム中の正に荷電したイ
オンが相互に反発してイオンビームが「ブローアップ」
を生じる傾向を、低減するからである
口アパーチャから出てきたイオンビームが、注入エネル
ギーまで減速される前に、一時的に加速される場合に、
ターゲット基板への高エネルギー汚染の顕著な問題が生
じる場合もある。一時的に高いエネルギーを獲得しつつ
中性化したイオンの全ては当然に、この高いエネルギー
のままでターゲット基板に注入される。この汚染中性物
のエネルギーは輸送エネルギーよりもかなり高いため、
注入を受けた基板の影響は非常に深刻となる場合があ
る。
ライトチューブに対して負の電位差を有するターゲット
基板との間に、フィールド電極(field electrode)が存
在する場合には、フライトチューブの出口アパーチャか
ら出てくるイオンは、一時的に高いエネルギーに加速さ
れるだろう。このような負のフィールド電極は、電子抑
制電極(electron suppression electrode)として用いて
もよく、この電子抑制電極は、フライトチューブから出
てくるイオンビームの中の電子が、イオンエネルギーを
注入エネルギーまで下げる減速場の作用によりフライト
チューブ内でビームの外に引き出されることを、防止す
るように設計される。しかし、イオンビームがターゲッ
ト基板に到達する前に空間荷電効果によりブローアップ
しやすい傾向に対抗して、フライトチューブの電位より
も比較的低い電位(数キロボルト)だけ負である負のフ
ィールド電極を、フィールド電極を他の電極と組み合わ
せて場を収斂させようとする用途に対して用いてもよ
い。このように比較的低い電位のフィールド電極を用い
る構成は、英国特許第9522883.9号に記載され
ている。
えば、ビームイオンが所要の注入エネルギーまで減速さ
れる前にフィールド電極で一時的に加速される際に中性
化され、その際にこれによって生じるイオンビームの高
エネルギー中性物汚染を、イオン注入プロセスにおいて
モニタする方法であって、フィールド電極上の電流ドレ
インをモニタして中性化したイオン(ないしイオン中性
化物)のターゲットへの流れを指示するステップを有し
ている。このフィールド電極の電流ドレインは、ターゲ
ット基板の汚染の量に対する良好な指示値であることが
見出され、特に、ビームイオンがフィールド電極で加速
されるエネルギーの最大値までのエネルギーに対して良
好な指示値であることが見出された。このことは、ビー
ムイオンの中性化が真空チャンバ内での残留ガス原子と
電子交換することにより生じることを認識することによ
り、説明できるだろう。このことにより、残留ガスの原
子はイオン化するものの、通常は低いエネルギーに維持
されることになる。このような低いエネルギーの残留ガ
スイオンは、次いでフィールド電極に引きつけられ、そ
こで中性化し、この中性化に応じた電流ドレインを電極
に発生させる。その結果、フライトチューブの中のイオ
ンの輸送エネルギーよりも高いエネルギーで生じるター
ゲット基板へのエネルギー汚染に対して、この電極電流
ドレインが直接の測定値となる。
の測定値としてのフィールド電極の電流ドレインを、予
備検量(ないし予備校正)するステップを有していても
よい。
電流ドレインを、高エネルギー中性化汚染物の最大許容
レベルに対応して選択した閾値と比較するステップと、
モニタ値が閾値を超えた場合はアラーム信号を与えるス
テップとを有している。あるいは、モニタした電流ドレ
インを注入プロセスの実行の時間で積分し、この積分値
を、実行の過程の間に閾値関数と比較し、アラームを発
してもよい。
ターロックを作動させて注入プロセスを停止させてもよ
い。
備えるイオン注入装置を与え、この真空チャンバは:注
入を行おうとするターゲット基板のホルダと、イオンの
ソースと、ソースからイオンのビームを輸送エネルギー
のレベルで運ぶためのフライトチューブであって、この
フライトチューブは、出口アパーチャと、この出口アパ
ーチャから輸送エネルギーでビーム内に移動するイオン
に対して、所要の質量のイオンだけを選別するための、
マスセレクタ(質量選別器)とを有する、フライトチュ
ーブと、出口アパーチャと基板ホルダとの間に接続さ
れ、この間に減速場を与えて、ビーム内のイオンをホル
ダでの注入エネルギーにまで減速する、第1の電圧電位
供給器と、出口アパーチャと基板ホルダの間に配置され
るフィールド電極と、フィールド電極と出口アパーチャ
との間に接続され、この間に、イオンを輸送エネルギー
よりも高くまで一時的に加速する電位差を与える、第2
の電圧電位供給器と、フィールド電極上の電流ドレイン
を指示する信号を与える電流メーターと、電流ドレイン
信号に応答して、抑制電極を去るビーム中の加速中性粒
子の量を指示する、応答手段とを備えている。
して中性粒子の流れを指示する信号を与えるように予備
検量がなされている、検量手段を有していてもよい。
タした電流ドレインを、高エネルギー中性汚染物の最大
許容レベルに対応して選択される閾値と比較する、比較
手段と、電流ドレインのモニタ値がこの閾値を超えた場
合にアラーム信号を発するアラーム手段とを有してい
る。装置は、アラーム信号に応答して、注入プロセスを
停止させる動作が可能なシステムインターロックを有し
ていてもよい。
出口アパーチャは、フライトチューブの電位にあるスク
リーニング要素を有しており、また、このスクリーニン
グ要素に隣接してフィールド電極が配置される。フィー
ルド電極に隣接し且つフィールド電極の下流には、減速
電極が含まれていてもよく、この減速電極は、ターゲッ
トホルダの電位と実質的に等しくなるように接続され
る。
が、出口アパーチャに対して少なくとも5kVだけ負の
バイアスをフィールド電極に与えている場合に、最も有
用である。実際、第2の電圧電位供給器は、減速電極に
対して5kV〜40kVだけ負のバイアスをフィールド
電極に与えるような構成を有していてもよい。フィール
ド電極は、減速電極に対して−5kV〜−30kVの固
定電圧に保持されることが好ましく、更に好ましくは、
−15kV〜−30kVの固定電圧に保持される。更に
具体的には、フィールド電極は減速電極に対して約−2
5kVに保持される。
入装置1は、イオンのビームを発生するイオンビーム発
生器3と、イオンビーム発生器3に隣接し、自身の質量
に従ってビームイオンを空間的に分解するための磁石5
と、分解磁石5に隣接して配置され、ターゲット基板に
注入しようとするイオン種を、磁石により空間的に分解
したビームから選別し、その他のイオンを排除するため
の、イオンセレクタ7と、イオンセレクタ7に隣接して
配置され、イオンビームの注入直前のエネルギーを制御
するための、電極組立体9と、電極組立体9と間隔をお
いて配置され、ビームイオンを注入しようとするターゲ
ット基板12を支持するための、支持体11と、電極組
立体9と基板支持体11との間に配置され、ターゲット
表面近くのイオンビームに電子を導入してビーム及びウ
エハ表面を中性化するための、電子発生器13とを備え
ている。基板支持体11の下流には、イオンビームコレ
クタ14が配置され、これがビームストップとして、ま
た、ドーズ量測定のためのイオン電流検出器として働
く。
アークチャンバ17を有するイオンソース15を備えて
おり、アークチャンバ17の前面には、出口アパーチャ
19が形成されている。アークチャンバからイオンを抽
出してイオンビーム25を形成するために、1対の抽出
電極21,23が出口アパーチャ19から間隔をおいて
配置される。アークチャンバの出口アパーチャ19に近
い方の抽出電極21は、ビーム発生器から先に進んだ電
子がアークチャンバに流入する事を防止する抑制電極と
して機能する。
間には、フライトチューブ27が配置され、このフライ
トチューブは、ビーム発生器3からのイオンビームを受
容し、磁石の2つの極の間をイオンビームが通過する際
にそのエネルギー(輸送エネルギー)を調節する。この
輸送エネルギーは、フライトチューブ27とイオンソー
スの間の電位差により決めることができる。この特定の
具体例では、分解磁石の磁界強度と磁石を通るイオンビ
ームのエネルギーとを選択して、適当な質量を有するイ
オンが約90゜屈折するようにし、また、フライトチュ
ーブ27もこれに従って、フライトチューブ27の出口
アパーチャ55が入口アパーチャ29とほぼ直角となる
ように構成される。
5,39,41及び43を有しており、これらは、ビー
ムライン45に沿って間隔をおいて配置され一連のアパ
ーチャを画定し、これらが協働して、ターゲット基板に
注入しようとするイオンのうち適正な質量のイオンを選
別し、残りの、分解磁石5を通過した空間的に分解した
イオンを排除する。この特定の具体例では、イオンセレ
クタ7は、磁石からの不要なイオン種の大部分を排除す
るプレート電極35と、選別したイオンのみを通過させ
る幅可変の質量分解スリットを協働して画定する、1対
の要素39,41と、イオンビームの高さを画定するも
う1つの要素とを備えている。しかし、質量分解要素の
数とその構成とを変更してもよい。
中の磁石と電極組立体9との間に収容され、フライトチ
ューブ27の延長部を形成する。質量分解チャンバ壁4
9は、ビームラインの方向に伸びて略円筒状の外囲を画
定する部分51と、円筒部分51に隣接しビームライン
を横断するように配置されるプレート電極を構成しビー
ムを通過させる出口アパーチャ55を画定する横断部分
53とを備え、このアパーチャ55はイオンセレクタ7
の最終の要素43に隣接している。
分解磁石5の近隣に真空ポート57が配置され、この真
空ポート57は、チャンバ47を脱気するための真空ポ
ンプ59に接続している。ただし、この真空ポートを有
していなくてもよい。
5と電極組立体9との間にスクリーニング組立体52が
配置され、電界が電極組立体9から出口アパーチャ55
を通って質量分解チャンバ47内に浸透することを低減
する。スクリーニング組立体52は、円筒電極54と、
フィールド画定電極56とを備えている。円筒電極54
は、出口アパーチャ55と共軸となるような配置が与え
られ、その一方の端部58が質量分解チャンバ壁49の
横断部分(又は前端)51隣接し且つこれに接続するよ
うに配置される。円筒電極54は質量分解チャンバ47
の前に伸び、また、円筒電極54は、更にスクリーニン
グを付加するために円筒電極54のもう一方の端部に
(又はその近隣に)形成された、内向きに伸びる円状の
フランジ60を有している。
ーチャ62が中心に形成された円形プレートを備えてい
るが、このフィールド画定電極は使用してもよいし使用
しなくてもよい。フィールド画定電極56は、円筒電極
54の中に載置されこれに支持され、また、円筒電極5
4の両方の端部の中間付近(この位置は変わってもよ
い)に配置されビームライン45を横切るように配置さ
れる。正方形のアパーチャは、電極組立体9の方へ緩く
外側に向かってテーパー状になっている。この具体例で
は、正方形のアパーチャの幅は約60mmである。円筒
電極とフィールド画定電極とはそれぞれ、グラファイト
製又はその他の安定な材料製であってもよい。
ための電極組立体9は、スクリーニング組立体52のす
ぐ向こうに配置され、フィールド電極61及び減速電極
65を備えている。フィールド電極61は、スクリーニ
ング組立体52の出口アパーチャと実質的に共軸であり
且つこれに隣接する方形アパーチャ63を画定する。減
速電極65は、ビームライン45をほぼ横断するように
配置され、また、イオンビームを通過させる別のアパー
チャ67を画定する。この別のアパーチャ67は、フィ
ールド電極アパーチャ63に隣接して配置される。フィ
ールド電極と減速電極とはそれぞれ、グラファイト製又
はその他の安定な材料製であってもよい。
は、イオンビームのターゲット近くの部分に低いエネル
ギーの電子を導入するプラズマフラッドシステムを備え
ている。このプラズマフラッドシステムは、減速電極ア
パーチャ67からターゲット基板12へと進むイオンビ
ームを通過させるガイドチューブ69を備え、このガイ
ドチューブは、イオンビームの近隣で低いエネルギーの
電子を維持し、且つ、イオンビームのうち減速電極アパ
ーチャとウエハの間にある部分をスクリーニングする。
イアスを与えるためのイオンソース電圧源71と、抑制
電極21にバイアスを与えるための抑制電極電圧源73
と、フライトチューブ27と質量分解チャンバ47及び
その他の注入電極23にバイアスを与えるためのフライ
トチューブ電圧源75と、電極組立体91のフィールド
電極61にバイアスを与えるためのフィールド電極電圧
源77と、電子閉じ込め電極69にバイアスを与えるた
めのプラズマフラッド電圧源79とを備えている。減速
電極65と、ターゲット基板支持体11と、基板12と
は、接地電位に維持され、これにより、ターゲット基板
の取り扱いが容易になり、支持組立体を簡単なものに
し、その他の電極に対する簡便な参照電位として機能す
る。
入装置を作動させて低エネルギーでイオン注入を行う方
法を説明するが、この具体例は、例示の目的のものであ
ることを注記しておく。
ンソース15の間の電位差によって決定される。基板が
接地電位に維持されているため、イオンソース電圧源7
1には、接地に対して正のバイアスが与えられ、その大
きさがイオン注入エネルギーを決める。例えば、2ke
Vの注入に対しては、イオンソース電圧源には、+2k
Vのバイアスが与えられる。分解磁石5及び質量分解チ
ャンバ47を通るイオンビームの輸送エネルギーは、イ
オンソース15とフライトチューブの間の電位差により
決定され、フライトチューブ75によって制御される。
このイオンビームの輸送エネルギーは、イオンビームの
抽出エネルギーと呼ぶこともできる。従って、フライト
チューブの中を10keVのエネルギーでイオンビーム
を輸送するためには、フライトチューブはイオンソース
に対して−10kVのバイアスが与えられ、あるいは接
地電位に対して−8kVのバイアスが与えられる。イオ
ンビームは分解磁石の中を実質的に一定のエネルギーで
輸送され、イオンビーム中の様々なイオン化種が、自身
の質量に従って磁石により空間的に分解される。このよ
うに空間的に分解したビームは、質量分解チャンバの中
に進入し、その中では、ビームは先ず、分解磁石5に近
い方のプレート電極35に画定された予備画定アパーチ
ャを通過する。このプレート電極35は、空間的に分解
したビームに対するコース上の第1のステージフィルタ
として作用し、空間的に分解したビームのうちイオン注
入に必要のない部分をブロックする。第2の要素39と
第3の要素41は、分解磁石5から間隔をおいて配置さ
れ、ビームラインに沿って相互に軸上に配置され、幅が
可変の分解スリット42を画定する。そのポジション
は、ビームラインを横切る方向に変化させることがで
き、フィルタを通過したビームから注入すべきイオン種
を選別する。
磁石を通過した空間分解ビームは、BF3、BF2、B
F、B及びFのイオンや分子を含んでいてもよく、ま
た、ボロンイオンにはボロン同位体10B又は11Bが含ま
れていてもよい。従って、「ボロン11」の注入に対し
ては、予備画定要素35及び質量分解要素39,41が
フィルタとなり、11B以外の全てのイオン化種を取り除
くだろう。
は、ビームのエネルギーは一定に維持され、この実施例
ではこの値は10keVである。10keVの質量分解
ビーム46は、質量分解チャンバ47の出口アパーチャ
55を通過し、スクリーニング組立体52を通過して、
電極組立体9に至る。
により、フィールド電極が質量分解チャンバ47に対し
て負になる。円筒電極61に印加する電位の大きさは、
接地した減速電極65の最終アパーチャ67とスクリー
ニング電極54のフランジ60のアパーチャとの間の領
域に収斂する静電界を形成できる程度に十分な大きさで
ある。減速電極65の電位に対して−5kV〜−30k
Vの電位がフィールド電極にあれば、最終のアパーチャ
67で所望の収斂静電界を形成して最終アパーチャ67
とターゲット基板の間でビームの中にビームイオンを維
持するに十分である。しかしながら、フィールド電極6
1は−25kVに維持されることが好ましい。
チューブ及び質量分解チャンバがー8kVにあるため、
フィールド電極61には、フライトチューブの電位より
も低い電位にバイアスされる。質量分解領域内で電子が
減速電極に引き寄せられれば、この領域で空間荷電の中
性化が破壊されビームが分散し電流が損失してしまう
が、このバイアスが、質量分解領域内で電子が減速電極
に引き寄せられることを防止する作用をする。
ィールド電極61に近づく際に、ビームは10keVで
ある輸送(抽出)エネルギーよりも高く、イオンソース
15とフィールド電極61の間の電位差で実質的に決め
られるエネルギーまで容易に加速され、この値は典型的
には25keVである。ビームはフィールド電極アパー
チャ63を通過した後、フィールド電極アパーチャ63
と減速電極65の最終アパーチャ67の間のギャップの
中で、実質的に要求されている注入エネルギーまで減速
される。同時に、フランジ60とフィールド電極61の
間の領域と、フィールド電極61と減速電極65の間の
領域と、その向こう側とで、正味の収斂力がイオンビー
ムに作用する。
ャ67とターゲット基板の間の領域の中を通過する。こ
の領域の中では、イオンビームは実質的に所要の注入エ
ネルギーで基板まで輸送される。プラズマフラッドシス
テム13を用いてビームを低いエネルギーの電子で満た
すことにより、速度の低くなったビームの拡散を最小に
する。また、プラズマフラッドシステムは、イオン注入
の工程の間、ターゲット基板の表面電荷を最小にし、同
時に、イオンビームの電位を下げ、ビームが基板に到達
する前のビームの拡散の程度を最小にする。
ット基板12へと移動する間、ビーム内のイオンから電
子を奪って中性化することができる。イオンソース3と
プラズマフラッドシステム13の領域との間では、ビー
ムイオンが中性化する通常のメカニズムは、残留ガス原
子との電子交換である。ビームイオンが一度中性化され
れば、磁界や電界による影響を受けなくなる。従って、
ビームイオンがターゲット基板まで視界直線上を移動す
る前に形成された中性原子は全て、ビームイオンが中性
化されたときの方向に飛行し、フライトチューブや質量
選別チャンバ47に吸収され、そして、出口アパーチャ
55を出ていくビームへと、質量選別要素41,42を
介して出ていくことは、ない。しかし、ビームイオンは
一旦中性化されれば、ターゲット基板へ直線で移動する
これらイオン中性化物は、一定のエネルギーを維持し、
このエネルギーのままで基板へと注入される。
ームイオンは、輸送エネルギーを有しており、これは典
型的には10keVである。このような中性原子は、こ
のエネルギー(典型的には10keV)で基板へエネル
ギー汚染を生じさせ、所要の注入エネルギー(典型的に
は2keV)を有するイオンよりも更に浸透する。
時的に加速された時に中性化されたイオンはこれよりも
高いエネルギーを有しており、これが更に深刻なエネル
ギー汚染を生じさせる。このような領域で形成された中
性化原子の有しているエネルギーは、25keVにまで
なっていることもある。
ールド電極61の電流ドレインをモニタすることによ
り、フィールド電極61を通過して一時的に加速された
時にこのように高いエネルギーのまま中性化するイオン
の量をモニタする。
する際に中性化したビームイオンは、残留ガス原子と電
子交換して、正に荷電した低エネルギー残留ガスを発生
させる。この低エネルギー残留ガスは、フィールド電極
61上の負電位に引き寄せられ、その際放電を生じ、こ
れがフィールド電極61上の電流ドレインに寄与する。
電流ドレインを指示する信号をライン81に与え、フィ
ールド電極61を所望の電位に維持する。ライン81の
電流ドレイン信号は、検量及びユーティリティのための
ユニット82に供給される。
82の最も簡単な構成は、閾値検出器であり、これは電
極61の電流ドレインを示すライン81の信号が所定の
閾値を超えたときにアラーム信号を発するように設定さ
れる。この所定の閾値は、ターゲット基板12に到達す
るイオンビームの中の高いエネルギー汚染の最大許容値
のレベルに対応する。この所定の最大電流ドレインの値
は、実験により求めることができる。このアラーム信号
は、注入装置において音声アラームや可視アラームとし
てもよいが、電気信号として注入装置のシステムコント
ローラへ供給することが好ましい。
ムコントローラの非常に概説的な形態を例示する。ここ
で、注入装置はボックス80で大きく表され、システム
コントローラは点線で示されるボックス81で大きく示
されている。システムコントローラは、ライン92で注
入装置90から多数のシステムパラメータ信号を受容
し、ライン93で多数のシステム制御出力信号を注入装
置に伝達する。図2に示されるように、フィールド電極
61の電流ドレインを指示する信号を供給するライン8
1は、注入装置90からシステムコントローラ91へ供
給する。コントローラ91の内部では、ライン81の信
号は検量ユニット94へと伝達されてもよい。この検量
ユニットでは、ターゲット基板に到達するイオンビーム
のエネルギー汚染のレベルを表すように、比例して変動
しないし変換される。この比例変動関す又は変換関数に
用いられる係数は予備検量のプロセスにより実験的に求
めることができる。
ビーム中の汚染のレベルの最大許容量を指示する閾値レ
ベルを決めてもよい。
ット94において許容最大値を超える高エネルギー汚染
のレベルを示すように決められる場合は、アラームユニ
ット95に供給されたときにアラーム信号を発生する。
これは、マシンオペレータに対しての可視アラーム信号
又は音声アラーム信号であってもよい。
して、システムコントローラの中のユニット96を補償
的に制御し、且つ/又はインターロックする。高エネル
ギー汚染が過剰なレベルにあることを示す検量ユニット
94からの信号に応答して、システムのインターロック
を作動させることによって注入プロセスを停止させるよ
うに、このユニットの構成を与えてもよい。
ける電流ドレインが高いレベルにあることに対してユニ
ット96が応答し、ビーム中の高エネルギー中性物汚染
のレベルを制御する目的で他のシステムパラメータを制
御するような構成が、ユニット96に与えられてもよ
い。例えば、ビーム電流を停止させあるいは注入を中断
させて、フィールド電極の領域に真空を復帰させてもよ
い。
にあるようなポスト減速の注入装置及び注入方法に関し
て本発明を説明してきたが、本発明は、ビームイオンを
フィールド電極を過ぎた後に加速するような構成であっ
てもよい。
えば、高エネルギー汚染のレベルをモニタすることが可
能となる。
る。
石、7…イオンセレクタ、9…電極組立体、11…基板
支持体、12…基板、13…電子発生器、14…イオン
ビームコレクタ、17…アークチャンバ、19…出口ア
パーチャ、21,23…抽出電極、27…フライトチュ
ーブ、29…出口アパーチャ、35,39,41,43
…個別要素、51…部分、52…スクリーニング組立
体、55…入口56…フィールド画定電極、57…真空
ポート、59…アパーチャ、60…フランジ、61…フ
ィールド電極、62…正方形アパーチャ、65…減速電
極。
Claims (14)
- 【請求項1】ビームイオンが所要の注入エネルギーまで
減速される前にフィールド電極で一時的に加速される
際、イオンが中性化されるときに生じるイオンビームの
高エネルギー中性物汚染を、イオン注入プロセスにおい
てモニタする方法であって、フィールド電極上の電流ド
レインをモニタして、イオン中性化物のターゲットへの
流量を指示するステップを有する、方法。 - 【請求項2】 前記フィールド電極の電流ドレインを、
イオン中性化物の流れの指示値として予備校正するステ
ップを有する請求項1に記載の方法。 - 【請求項3】 モニタした電流ドレインを、高エネルギ
ー中性化物汚染の最大許容レベルに対応して選択した閾
値と比較するステップと、モニタ電流が閾値を超えた場
合はアラーム信号を与えるステップとを有する請求項1
又は2のいずれかに記載の方法。 - 【請求項4】 前記アラーム信号に応答して、システム
インターロックを作動させ注入プロセスを停止させるス
テップを有する請求項3に記載の方法。 - 【請求項5】 真空チャンバを備えるイオン注入装置で
あって、前記チャンバの内部に、 注入しようとするターゲット基板のためのホルダと、 イオンのソースと、 ソースからイオンのビームを輸送エネルギーのレベルで
運ぶためのフライトチューブであって、このフライトチ
ューブは、出口アパーチャと、前記出口アパーチャから
輸送エネルギーでビーム内に移動するイオンに対して、
所要の質量のイオンだけを選別するための、マスセレク
タ(質量選別器)とを有する、フライトチューブと、 前記出口アパーチャと前記基板ホルダとの間に接続さ
れ、ビーム内のイオンをホルダでの注入エネルギーにま
で減速する、第1の電圧電位供給器と、 前記出口アパーチャと前記基板ホルダの間に配置される
フィールド電極と、 前記フィールド電極と前記出口アパーチャとの間に接続
され、この間に、イオンを輸送エネルギーよりも高くま
で一時的に加速する電位差を与える、第2の電圧電位供
給器と、 前記フィールド電極上の電流ドレインを指示する信号を
与える電流メーターと、 該電流ドレイン信号に応答して、抑制電極を去るビーム
中の加速中性粒子の量を指示する、応答手段とを備える
イオン注入装置。 - 【請求項6】 前記応答手段が、電流ドレイン信号に応
答して前記中性粒子の流れを指示する信号を与えるよう
に予備検量されている検量手段を有する請求項5に記載
のイオン注入装置。 - 【請求項7】 前記応答手段が、 モニタした電流ドレインを高エネルギー中性汚染物の最
大許容レベルに対応して選択される閾値と比較する、比
較手段と、 電流ドレインのモニタ値がこの閾値を超えた場合にアラ
ーム信号を発するアラーム手段とを有する請求項5又は
6のいずれかに記載のイオン注入装置。 - 【請求項8】 アラーム信号に応答して注入プロセスを
停止させる動作をすることが可能なシステムインターロ
ックを有する請求項7に記載のイオン注入装置。 - 【請求項9】 前記フライトチューブの前記出口アパー
チャが、フライトチューブの電位にあるスクリーニング
要素を有し、前記フィールド電極が前記スクリーニング
要素に隣接して配置される請求項5〜8のいずれかに記
載のイオン注入装置。 - 【請求項10】 前記フィールド電極に隣接し且つ前記
フィールド電極の下流に減速電極を有し、前記減速電極
の電位がターゲットホルダの電位と実質的に等しくなる
ように前記減速電極が接続される請求項8又は9のいず
れかに記載のイオン注入装置。 - 【請求項11】 前記第2の電圧電位供給器が、出口ア
パーチャに対して少なくとも5kVだけ負であるバイア
スをフィールド電極に与える構成を有する請求項10に
記載のイオン注入装置。 - 【請求項12】前記第2の電圧電位供給器が、前記減速
電極に対して5kV〜40kVだけ負であるバイアスを
前記フィールド電極に与える構成を有する請求項10又
は11のいずれかに記載のイオン注入装置。 - 【請求項13】 前記フィールド電極が、前記減速電極
に対して−5kV〜−30kVの固定電圧に保持される
請求項12に記載のイオン注入装置。 - 【請求項14】 前記フィールド電極が、前記減速電極
に対して約−25kVに保持される請求項13に記載の
イオン注入装置。
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