JPH106377A - 樹脂枠体付き板状体の製造方法 - Google Patents

樹脂枠体付き板状体の製造方法

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JPH106377A
JPH106377A JP8164921A JP16492196A JPH106377A JP H106377 A JPH106377 A JP H106377A JP 8164921 A JP8164921 A JP 8164921A JP 16492196 A JP16492196 A JP 16492196A JP H106377 A JPH106377 A JP H106377A
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JP
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plate
molded body
frame
pressure
cavity
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Application number
JP8164921A
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English (en)
Inventor
Nobuyuki Tamai
宣行 玉井
Shoji Takeda
尚司 竹田
Takanobu Kondo
隆宣 近藤
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AGC Inc
Original Assignee
Asahi Glass Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】枠体の外観を良好にでき、外形寸法の精度の良
い枠体付き板状体を得ることができる。 【解決手段】板状体22の周縁部に成形体16を一体化
させたのち板状体22の角部に一体化される成形体16
が、圧着部材20の空洞部を通過する際に、空洞部空間
を拡げて成形体16への圧力を減少させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両用ガラス窓や
建築用ガラス窓に適した樹脂枠体付き板状体の製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】車両用、建築用の窓ガラスでは、ガラス
板、プラスチック板等の板状体とこの板状体を嵌め込ん
だ開口部との隙間に、装飾性またはシール性を高めるた
めに合成樹脂性のモール、ガスケット等の樹脂枠体を取
り付けることが通常行われている。
【0003】従来、この樹脂枠体の取り付けは、予め形
成された枠体を接着剤を介在させて板状体の周縁部に嵌
め込むことにより行われていた。しかし、これらの方法
では、人手に頼る部分が多いため工程の自動化が困難で
あり、また工程数も多くコスト高となるという問題があ
る。この問題を解決するため、板状体を配置した型内の
キャビティ空間に合成樹脂材料またはその原料を射出し
て、板状体の周縁部に合成樹脂枠体を一体成形する、い
わゆるエンキャプシュレーション法が提案されている
(特開昭57−158481号公報、特開昭58−73
681号公報参照)。
【0004】前記エンキャプシュレーション法は、金属
等の剛直な型内に板状体を挟み込み、板状体周縁部と型
内面とで構成されるキャビティ空間に合成樹脂材料又は
その原料を射出することから、成形時の人手が少なく、
製品の寸法精度が高い利点がある。その反面、板状体が
ガラス板の場合には、特にガラス板の反りや曲げ加工精
度不足により、型締め時にガラス板が非常に割れやすい
という問題がある。この型締め時のガラス板の割れを防
ぐために、型内のガラス板との接触面に弾性体を配した
り、スプリング等の手段を用いて一定圧でガラス板を押
すように工夫した型もあるが、ガラス板の割れの問題を
解決するには至っていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで、特開平3−1
93643号公報には、ガラス板の周縁部に沿って樹脂
材料をダイにより所定の形状で押し出すことによって、
ガラス板の周縁部に樹脂枠体の成形体を形成し、この樹
脂枠体の形成体を硬化させ、ガラス板と樹脂枠体とを一
体化する方法が提案されている。
【0006】前記公報に開示された方法は、ガラス板に
直接樹脂材料を押し出すため、ダイの振動による振動が
成形時の形成体に伝わり、成形される枠体の表面に直接
反映され、枠体の外観不良を引き起こしてしまうという
欠点がある。一方、特開昭57−158479号公報に
は、樹脂枠体を押出し成形した直後に、ローラ等からな
る圧着治具によって樹脂枠体を板状体の周縁部に嵌め込
み圧着する方法が提案されている。この方法は、前記特
開平3−193643号公報に記載された方法に比べ
て、押出し機或いはガラス板の駆動による振動が枠体の
表面に反映されず外観不良も起こり難い。
【0007】しかし、前記特開昭57−158479号
公報記載の方法は、ローラ等の圧着治具によって枠体を
ガラス板に対して押し付けるため、出来上がる枠体付き
ガラス板の外周寸法は、ガラス板の寸法形状に倣うこと
になる。車両用ガラス板は、通常曲げ加工されたものが
多く、その曲げ成形時にガラス板の外周寸法にばらつき
が生じてしまうことがある。前述したエンキャプシュレ
ーション法であれば、この外周寸法のばらつきを吸収す
るように樹脂枠体を成形できるが、特開昭57−158
479号公報記載の方法では、上記の理由から、このよ
うなばらつきを吸収することが困難であった。
【0008】また、この特開昭57−158479号公
報記載の方法は、ローラによって圧着するために、枠体
がある程度固化した状態でガラス板に嵌め込む必要が生
じる。逆に、ある程度固化した状態では、枠体とガラス
板との接着力が弱くなってしまうため、枠体とガラス板
との間に別途接着剤を介在させたり、後加熱工程を加え
たりする必要がある。
【0009】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
もので、従来技術の前記欠点を解決する新規な樹脂枠体
付き板状体の製造方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決する為の手段】本発明は、前記目的を達成
する為に、枠体用樹脂材料を樹脂成形ダイから所定の形
状で押し出して枠体の成形体を成形し、該成形体を板状
体の周縁部の少なくとも片面に一体化させる樹脂枠体付
き板状体の製造方法に於いて、前記枠体の断面外形に略
一致する空洞部を有する圧着部材を前記ダイから所定距
離離れた位置に配し、前記ダイから押出された成形体を
前記圧着部材の空洞部に進行させる一方、前記空洞部に
板状体の周縁部を挿入して、板状体の周縁部に圧着部材
が沿うように板状体に対して圧着部材を相対移動させな
がら、前記成形体を板状体の周縁部に一体化させると共
に、板状体の角部に一体化される前記成形体が前記圧着
部材の空洞部を通過する際に、該空洞部の空間を拡げて
成形体への圧力を減少させることを特徴とする。
【0011】本発明によれば、圧着部材の空洞部に板状
体の周縁部を配置し、樹脂成形ダイから押し出された成
形体を圧着部材の空洞部に進行させると共に、板状体の
周縁部に沿うように板状体に対して圧着部材を相対移動
させながら成形体を板状体の周縁部に一体化させる。ま
た、板状体の角部に一体化される成形体が圧着部材の空
洞部を通過する際に、空洞部空間の拡縮手段によって空
洞部空間を拡げて成形体への圧力を減少させる。
【0012】成形体を一定の圧力を加えて板状体に圧着
した場合、板状体の角部に一体化された成形体は、板状
体の直線部に一体化された成形体と比較して時間経過と
ともに、成形体の外周部(リップ部)に跳ね上がり変形
やリップ部に痩せ変形、又は内側に皺が発生して外観不
良となる場合がある。そこで、本発明では、板状体の角
部に一体化される成形体が圧着部材の空洞部を通過する
時に、拡縮手段によって空洞部空間を拡げて成形体への
圧力を減少させた。これによって、前記成形体のリップ
部の跳ね上がり変形やリップ部の痩せ変形、又は内側の
皺発生を防止できる。
【0013】このような拡縮手段は、圧着部材を空洞部
空間が拡縮するように二分割して、板状体の角部に一体
化される成形体が前記空洞部を通過する際に、二分割さ
れた圧着部材のうち少なくとも一方の圧着部材を、駆動
手段によって空洞部を拡げる方向に移動させれば、空洞
部空間を容易に拡げることができる。拡げられた空洞部
空間は、板状体の角部に一体化された成形体が空洞部を
通過した後に前記拡縮手段によって元の空間に復帰され
る。そして、板状体の直線部に一体化される成形体が、
その元の空間に復帰された空洞部によって所定の圧力が
加えられて板状体に圧着される。
【0014】
【発明の実施の形態】以下添付図面に従って本発明に係
る樹脂枠体付き板状体の製造方法及びその装置の好まし
い実施の形態について詳説する。図1は、本発明の樹脂
枠体付き板状体の製造方法が適用された装置の斜視図で
ある。同図に示す樹脂枠体付き板状体の製造装置10
は、押出し機12の先端に取り付けられた成形ダイ14
により枠体用樹脂材料を押し出して所定の形状の枠体の
成形体16を成形する。成形体16は、引取機18のチ
ャック19(図7参照)によって引き取られたのち、引
取機18によって圧着部材20に向けて進行されて圧着
部材20の空洞部21(図5参照)に挿通される。この
空洞部21については後述する。
【0015】板状体22は駆動ロボット24によって吸
着保持されている。この駆動ロボット24を駆動させ、
板状体22の周縁部を圧着部材20の空洞部21に挿入
し、圧着部材20が板状体22の周縁部に沿って相対移
動するように板状体22を移動させることによって、圧
着部材20の空洞部21を通過した成形体16と板状体
22とを一体化させる。
【0016】成形体16が圧着部材20の空洞部21を
通過する際に、成形体16が十分に固化していないと圧
着部材20によって成形体16の表面(即ち、空洞部2
1の内壁との接触部)に外観不良が生じる虞がある。そ
こで、成形体16の表層部は、圧着部材20への到達時
に表面あれや形状変化が生じないように、固化している
ことが好ましい。
【0017】そのために、押し出される成形体16の温
度や粘度等に応じて、成形ダイ14と圧着部材20との
距離等を調節することが望ましい。一方、成形体16の
板状体22との接合部が固化してしまうと、成形体16
と板状体22との接着力を十分に得られない。従って、
成形体16の表層部のみ固化し、成形体16の板状体2
2との接合部が固化していないことが好ましい。そこ
で、成形体16の押し出し後、成形体16が圧着部材2
2に到達する前に、成形体16の表層部を急冷すること
が好ましい。
【0018】具体的には、枠体用樹脂材料が熱可塑性樹
脂の場合には、成形体16の表面に冷風を吹き付けるこ
とや液体を噴霧することによって、成形体16の表層部
のみを固化させることができる。そのうちで、短時間で
成形体16の表層部を冷却できる点に鑑みて、液体窒素
等を噴霧することが好ましい。これらの吹き付け手段
は、成形ダイ14と圧着部材20との間に配しても、圧
着部材20の入口部及び/又は出口部に備え付けてもよ
く、圧着部材20によって成形体16の外観が不良にな
らない程度に成形体16の表面を冷却できるものであれ
ば良い。
【0019】このようにして、成形体16の表面を成形
体16の板状体22との接合部に比べて低い温度にする
ことによって、板状体22と一体化された成形体16
(枠体17)の外観を損なわずに、且つ成形体16と板
状体22との接着力を十分に得ることができる。熱可塑
性樹脂、特にポリ塩化ビニル樹脂の場合、押出し機12
の温度は140〜190°C程度であるが、成形体16
の表面温度をこの温度から130°C以下、特に90°
C以下まで冷却することによって生産性よく樹脂枠体付
き板状体を製造することができる。
【0020】また、成形体16と板状体22との接着力
を更に向上させるためには、成形体16と板状体22と
を一体化させる前に、あらかじめ板状体22の周縁部を
プライマ処理しておくことが好ましい。図2は、このプ
ライマ処理を示す概略断面図である。図示の如く、板状
体22の圧着部材20に対する相対移動の向きに関し
て、圧着部材20よりも上流側の適宜の位置にプライマ
塗布装置26を配することによって板状体22の移動に
ともない、成形体16を一体化させるべき板状体22の
周縁部にプライマ28を一対のローラ30、30によっ
て塗布することができる。尚、図中矢印は圧着部材20
に対する板状体22の相対移動の向きである。
【0021】図3は、圧着部材20周辺の斜視図であ
り、図4は圧着部材20周辺の縦断面図、図5は図4に
おける5−5線上からみた断面図である。図4、図5に
おいて圧着部材20の空洞部21は、断面が枠体17の
断面形状に略一致しており、また、圧着部材20は、空
洞部21の空間が拡縮するように上ブロック40と下ブ
ロック42とに二分割されて構成されている。圧着部材
20と板状体22との相対移動によって、空洞部21の
入口部21Aに挿入された板状体22の周縁部の全周又
は一部に、成形体16が一体化される。
【0022】本実施の形態では、押し出された成形体1
6の断面形状として、板状体22の咬み込み部(板状体
22との接合部)32が開口側を先細りとした形状とし
ている。本実施の形態のように板状体22の両縁面に成
形体16を一体化させる場合、押し出された成形体16
の断面形状を上記の形状とすることによって、板状体2
2と成形体16との接着を強固にできるので好ましい。
この際、咬み込み部32の開口を板状体22の厚みより
も拡げる口開き用の一対のガイド爪34、34を、圧着
部材20の上流側で板状体22が前記咬み込み部32に
侵入してくる位置に設置することにより、成形体16が
板状体22を円滑に咬み込むことができる。
【0023】圧着部材20と板状体22との相対移動
は、圧着部材20が板状体22の周縁部に沿って圧着部
材20と板状体22とが相対移動するように、駆動ロボ
ット24に予め動きを教示させておくことによって、正
確に位置制御された相対移動を実現できる。板状体22
が車両の窓に用いられる板状体の場合、枠体付き板状体
は車両の窓開口部に嵌め込まれる。この際、枠体付き板
状体の窓開口部への納まり具合は、枠体付き板状体の枠
体部分の外周(リップ)位置に左右される。このため、
枠体の板状体への咬み込み部が板状体の端面まで至って
いると、枠体付き板状体の枠体部分のリップ位置は板状
体の外形寸法に依存することになる。この板状体の外形
寸法に予め設定された寸法に対して誤差がある場合に
は、窓開口部での枠体付き板状体の納まりに不具合が生
じることがある。
【0024】そこで、図5に示すように、予め設定され
た所定寸法の板状体22の端面と成形体16の板状体2
2への咬み込み部32との間に空隙36が形成されるよ
うに、板状体22の動きを駆動ロボット24に教示させ
ておくことによって、板状体22自身の外形寸法誤差を
吸収することができる。すなわち、板状体22の外形寸
法が所定の寸法(設計寸法)より大きい場合には、上記
の空隙36が小さくなるか無くなり、逆の場合には空隙
36が大きくなるだけで、枠体付き板状体の外形寸法自
身は、常に窓開口部に納まりよい所定の寸法となる。こ
のことは、枠体付き板状体の量産時に特に有効である。
【0025】この点についてさらに詳細に述べる。従来
の成形された枠体をローラ等により板状体に押し付ける
場合には、枠体付き板状体の外形寸法は完全に板状体自
身の外形寸法に倣うことになる。このため、上記のよう
に板状体22に外形寸法誤差がある場合には、その誤差
が枠体付き板状体の外形寸法に反映されてしまう。一
方、あらかじめ板状体22の設計寸法を駆動ロボット2
4(の制御装置)に教示させておき、更に、設計寸法を
もとに板状体22の本来あるべき板状体22の周縁部の
位置を把握させ、この本来あるべき板状体22の周縁部
の位置が常に圧着部材20に対して所定の位置に移動す
るように、板状体22の周縁部を圧着部材20に対して
相対移動させることにより、板状体22によって成形体
16の板状体22への咬み込みの度合いが各々異なるこ
とはあっても、成形体16が一体化された後の枠体付き
板状体の外形寸法は常に所定の寸法に維持される。
【0026】ところで、図3、図5に示した圧着部材2
0の上ブロック40には、その上面にエアシリンダ44
のロッド46が固着される。前記エアシリンダ44は、
本装置全体を統括制御する図示しないCPUに駆動制御
され、図6に示すように板状体22の角部が圧着部材2
0を通過する際に、前記上ブロック40を所定量持ち上
げるように駆動制御されている。従って、板状体22の
角部が圧着部材20を通過する際には、圧着部材20か
ら成形体16への圧力が減少される。
【0027】次に、本発明の実施の形態に係る樹脂枠体
付き板状体の製造方法の一例を図7を用いて説明する。
先ず、押出し機12の成形ダイ14から枠体用樹脂材料
を押し出し、押し出された所定形状の枠体の成形体16
を引取機18のチャック19で握持する。そして、引取
機18によって圧着部材20の空洞部21に成形体16
を進行させると共に、吹き付け機48から冷風を吹き付
けて成形体16の表層部を固化させて、成形体16を図
7(a)で示すように圧着部材20の空洞部21に挿入
する。この時、駆動ロボット24は図7(b)に示すよ
うに板状体22を吸着保持して待機位置に板状体22を
待機させておく。
【0028】次いで、駆動ロボット24を駆動させ、板
状体22の周縁部が圧着部材20の空洞部21に挿入す
るように板状体22を移動させる。この時、引き出され
た成形体16の余分な部分をカッタ50で切断しておく
ことが好ましい。こうして、圧着部材20が板状体22
の周縁部に沿って相対移動するように、板状体22を移
動させ、板状体22の周縁部に成形体16を一体化させ
る。そして、板状体22の角部に一体化される成形体1
6が圧着部材20の空洞部21を通過する際には、CP
Uによってエアシリンダ44が駆動制御されて上ブロッ
ク40が下ブロック42に対して持ち上げられる。即
ち、上ブロック40が成形体16から退避する方向に移
動して空洞部21の空間が拡げられるので、圧着部材2
0からその成形体16に加わる圧力が減少する。そし
て、前記角部が圧着部材20を通過すると、CPUによ
ってエアシリンダ44が駆動制御されて上ブロック40
が下降し、上ブロック40と下ブロック42とが図5に
示したように接触することにより元の位置に復帰する。
即ち、板状体22の直線部に一体化される成形体16
は、角部に一体化される成形体16よりも強い圧力で板
状体22に圧着される。
【0029】成形体16を一定の圧力で板状体22に圧
着した場合、前記角部に一体化された枠体17A(図1
参照)は、板状体22の直線部に一体化された枠体17
と比較して時間経過とともに、枠体17Aのリップ部1
7Bに跳ね上がり変形やリップ部17Bに痩せ変形、又
は内側17Cに皺が発生して外観不良となる場合があ
る。
【0030】そこで、本実施の形態では、前記角部に一
体化される成形体16が圧着部材20の空洞部21を通
過する時に上ブロック40を上昇させて、即ち空洞部2
1の空間を拡げて成形体16への圧力を減少させた。こ
れによって、前記枠体17Aのリップ部17Bの跳ね上
がり変形や、リップ部17Bの痩せ変形、又は内側17
Cの皺発生を防止できる。これにより、本実施の形態で
は、外観の良い樹脂枠体付き板状体を提供することがで
きる。
【0031】このようにして板状体22の周縁部に成形
体16を一体化させたのち、最後にカッタ50によって
成形体16を圧着部材20の上流側で切断する。これに
より、図7(c)に示すように成形ダイ14から連続し
て送られてくる成形体16と、一体化された枠体17と
が切り離される。こうして、1枚の板状体22の周縁に
枠体17を一体化できる。さらに、引取機18によって
成形体16を進行させることによって、次の板状体22
に成形体16を一体化させる工程に移ることができる。
【0032】引取材として、上記のようなもののほか、
図8に示す構成の引取機を用いることは好ましい。すな
わち、圧着部材20の成形ダイ14と反対側の位置に、
図示のような一対のローラ54、56を有する引取機5
8を配置する。さらにこの引取機58の後段にカッター
60を設けることによって、装置の上方に図7のような
レールをそなえる必要がなく装置全体をコンパクトにで
きる。なお、成形体16に板状体22の周縁部が咬み込
んでいるときは、成形体16は板状体22の圧着部材2
0に対する相対移動によって板状体22と一体になりな
がら移動するため、引取機58による引張りは不要であ
る。そのため、図8のローラの上側ローラ54または下
側ローラ56の少なくとも一方を成形体16から離間さ
せることが好ましい。
【0033】本実施の形態では、板状体22を移動させ
て板状体22の周縁部に対して圧着部材20を相対移動
させているが、逆に圧着部材20自身を移動させても、
さらには両者の動きを調整して両者を動かすこともでき
る。板状体22の周縁部に沿うように、板状体22と圧
着部材20とが相対移動さえすれば良いからである。圧
着部材20が移動する場合は、成形ダイ14或いは引取
機18も移動させる必要性が生じるため、板状体22の
みを移動させる方が好ましい。
【0034】板状体22と圧着部材20との相対移動速
度に特に制限はなく、常に一定の速度で良いし、例えば
板状体22の角部で速度を増加させたり、逆に減少させ
たりすることもできる。この場合、速度の増加や減少に
あわせて、材料の押し出し量を変化させることが好まし
い。本発明に用いられる板状体22としては、単板のガ
ラス板のほか、合わせガラスやガラス板に透明合成樹脂
フイルムが積層された積層ガラス、複層ガラス等、車両
や建築用の窓として用いられるものが、その用途等に応
じて適宜選択され用いられる。さらに、これらガラス板
が曲げ加工、強化処理、機能コーティング処理等施され
たものであっても良い。また、ガラス板の他にも、いわ
ゆる有機ガラスと呼ばれている有機透明樹脂板や、これ
とガラス板との積層体等にも採用できる。
【0035】本発明における枠体用樹脂材料としては、
加熱溶融させて使用する熱可塑性樹脂材料や、熱硬化性
あるいは湿気硬化性樹脂材料等、押し出し成形に用いら
れる材料が例示される。熱可塑性樹脂材料としては例え
ばPVC、塩化ビニルとエチレンの共重合体やスチレン
系、オレフィン系樹脂が例示できる。また、熱硬化性樹
脂や湿気硬化性樹脂の材料としては、ウレタン樹脂材料
やシリコン樹脂材料が例示できる。他に、成形ダイから
押し出して、賦形した後に加熱して成形体とするゾル状
塩化ビニル等が用いられる。
【0036】以上のうちで、押し出された成形体16が
表層部のみ固化し、板状体22との接合部が接着性に優
れたものとするためには、熱可塑性樹脂材料を選択する
ことが好ましい。湿気硬化性樹脂材料や熱硬化性樹脂材
料も、表面のみに水分や熱を与えることによって、押し
出された成形体16の表層部のみを固化させることはで
きるが、固化の程度の制御が困難である。一方、熱可塑
性樹脂材料は、冷却または単に放熱することによって、
温度の低い部分だけ固化するため、上記のように成形体
16の表面のみを変形や表面あれの生じない程度に容易
に固化させることができる。
【0037】枠体17の形状は、その用途等に応じて適
宜決定される。従って、板状体22の片面のみ、片面と
端面、又は板状体22の周縁部を覆うように板状体22
の両縁面に、夫々の用途等に応じて成形体16が一体化
される。このうち、本発明の製法が最もその効果を発揮
できるのが、板状体22の両縁面に成形体16を一体化
させる場合である。これによって、本発明は、枠体17
の外観を良好にできると共に、枠体付き板状体22の外
形寸法を精度良く制御できるという、従来技術にない優
れた効果を有する。
【0038】本実施の形態では図3、図6に示したよう
に、エアシリンダ44の動作で上ブロック40を上昇さ
せて空洞部21の空間を拡げるようにしたが、これに限
られるものではない。例えば、図9に示すように、上ブ
ロック40に形成されたナット部62と下ブロック42
に形成されたナット部64にネジ棒66を螺合し、この
ネジ棒66と下ブロック42に固着されたモータ68と
を連結する。また、上ブロック40は下ブロック42に
直進ガイド部材(図示せず)を介して係合され、この直
進ガイド部材によって上ブロック40が下ブロック42
に対して直進移動するようになっている。従って、モー
タ68を駆動してネジ棒66を正転させると、上ブロッ
ク40はネジ棒66、ナット部62、及び直進ガイド部
材の作用により下ブロック42から遠ざかる方向に移動
する。これによって、空洞部21の空間を拡げることが
できる。また、モータ68でネジ棒66を逆転させる
と、上ブロック40は、下ブロック42に近づく方向に
移動する。これによって、空洞部21の空間を狭くする
ことができる。
【0039】従って、図9に示した形態では、板状体2
2の角部に一体化される成形体16が圧着部材20を通
過する際には、ネジ棒66を正転させて前記成形体16
への圧力を減少させ、そして、この角部が通過した後に
はネジ棒66を逆転させて成形体16を所定の圧力で圧
着させるように前記モータ68を制御すれば、図6に示
した形態と同様な効果を得ることができる。
【0040】図10は圧着部材20の他の実施の形態を
示す縦断面図である。この圧着部材70の空洞部71
は、一対のローラ72、74間で形成される間隙と、圧
着部材70の厚肉部に形成された断面略三角形状の空間
部76とで形成され、断面が枠体17の断面形状に略一
致している。そして、圧着部材70と板状体22との相
対移動によって、空洞部71に挿入された板状体22の
周縁部の全周又は一部に、成形体16が一体化される。
【0041】ところで、一対のローラ72、74は、圧
着部材70内に形成された上空間部78と下空間部80
とに配置される。下側のローラ74は、両端に突設され
たピン82、82が圧着部材70の内壁に回動自在に支
持されており、成形体16と板状体22との移動に追従
して回動可能となっている。また、上側のローラ72も
同様にその両端にピン84、84が突設され、このピン
84、84は、二股アーム86に連結されている。この
二股アーム86は、図示しないエアシリンダのロッド8
8に連結されている。前記エアシリンダは、本装置全体
を統括制御する図示しないCPUに駆動制御され、板状
体22の角部が圧着部材20を通過する際に、前記上ロ
ーラ72を所定量持ち上げるように駆動制御される。従
って、板状体22の角部が圧着部材70を通過する際に
は、圧着部材70から成形体16への圧力が減少され
る。
【0042】従って、図10に示した形態においても、
板状体22の角部に一体化される成形体16が圧着部材
70を通過する際には、上ローラ72を上昇させて前記
成形体16への圧力を減少させ、そして、この角部が通
過した後には上ローラ72を下降移動させて元の位置に
復帰させる。これにより、本実施の形態でも、図6に示
した形態と同様な効果を得ることができる。
【0043】
【発明の効果】以上説明したように本発明に係る樹脂枠
体付き板状体の製造方法及びその装置によれば、板状体
と枠体の成形体とを成形体の押し出し後に圧着部材を用
いて一体化させるため、板状体や圧着部材の移動による
振動があっても、枠体の外観不良を防止できる。
【0044】また、本発明では、板状体の角部に一体化
される成形体が圧着部材の空洞部を通過する時に、空洞
部空間の拡縮手段によって空洞部空間を拡げて成形体へ
の圧力を減少させたので、成形体の外周部の跳ね上がり
変形や外周部の痩せ変形、又は内側の皺発生を防止する
ことができる。従って、本発明では、品質の良い樹脂枠
体付き板状体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る樹脂枠体付き板状体
の製造装置の全体斜視図
【図2】プライマ処理装置の一例を示す概略断面図
【図3】圧着部材周辺の拡大斜視図
【図4】圧着部材の縦断面図
【図5】図4における5−5線上からみた圧着部材の断
面図
【図6】板状体の角部に一体化される成形体が圧着部材
を通過する時の動作説明図
【図7】本発明の実施の形態に係る樹脂枠体付き板状体
の製造装置の動作説明図
【図8】引取機の他の実施の形態を示す斜視図
【図9】二分割された圧着部材の実施の形態を示す断面
【図10】一対のローラを用いた圧着部材の実施の形態
を示す断面図
【符号の説明】
12…押出し機 14…成形ダイ 16…成形体 17…枠体 17A…板状体の角部に一体化された枠体 20、70…圧着部材 22…板状体 40…上ブロック 42…下ブロック 44…エアシリンダ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】枠体用樹脂材料を樹脂成形ダイから所定の
    形状で押し出して枠体の成形体を成形し、該成形体を板
    状体の周縁部の少なくとも片面に一体化させる樹脂枠体
    付き板状体の製造方法に於いて、 前記枠体の断面外形に略一致する空洞部を有する圧着部
    材を前記ダイから所定距離離れた位置に配し、前記ダイ
    から押出された成形体を前記圧着部材の空洞部に進行さ
    せる一方、前記空洞部に板状体の周縁部を挿入して、板
    状体の周縁部に圧着部材が沿うように板状体に対して圧
    着部材を相対移動させながら、前記成形体を板状体の周
    縁部に一体化させると共に、板状体の角部に一体化され
    る前記成形体が前記圧着部材の空洞部を通過する際に、
    該空洞部の空間を拡げて成形体への圧力を減少させるこ
    とを特徴とする樹脂枠体付き板状体の製造方法。
  2. 【請求項2】前記板状体を駆動ロボットに保持させて、
    該駆動ロボットにあらかじめ教示させた軌跡で板状体を
    移動させ、板状体の周縁部に圧着部材が沿うように板状
    体に対して圧着部材を相対移動させることを特徴とする
    請求項1の樹脂枠体付き板状体の製造方法。
JP8164921A 1996-06-25 1996-06-25 樹脂枠体付き板状体の製造方法 Pending JPH106377A (ja)

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