JPH1061807A - ダンパー内蔵式弁装置 - Google Patents

ダンパー内蔵式弁装置

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JPH1061807A
JPH1061807A JP21699996A JP21699996A JPH1061807A JP H1061807 A JPH1061807 A JP H1061807A JP 21699996 A JP21699996 A JP 21699996A JP 21699996 A JP21699996 A JP 21699996A JP H1061807 A JPH1061807 A JP H1061807A
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valve
cylinder
valve body
piston
opening
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Hiroshi Yokota
博 横田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、簡素且つ安価な構造で、的確に弁
体の運動を制動して、弁体の運動の急激な停止に伴う衝
撃音、振動、異常な圧力上昇等を防止し、安定的な作動
特性を発揮する弁装置を得ることを目的とする。 【構成】 流体の入口開口部と出口開口部と少なくとも
一つの弁座とを備えた弁箱の中に、弁体が進退自在に嵌
装され、通過流体の圧力変化に伴う該弁体の該弁座への
着脱によって流路の自動開閉を行う弁装置において、該
弁箱は、その内側に同芯のシリンダー部及びシリンダー
縮径部を備え、該弁体は、中空円筒状の部材からなり、
その軸心方向の少なくとも一端には該弁座に対向する閉
鎖面部を備えると共に、その円筒外周部には同芯のピス
トン部及びピストン拡径部を備え、そして、該シリンダ
ー部に対しては該ピストン拡径部が対向摺接し、該シリ
ンダー縮径部に対しては該ピストン部が対向摺接するこ
とによって、該ピストン拡径部と該シリンダー縮径部と
の間に、該弁体の進退運動を制動するダンパー室が形成
されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、逆止弁、自動吸気弁、
自動逃がし弁、自動排気弁等の、外力によらず通過流体
そのものの圧力変化によって自動開閉する弁装置に関す
るものであり、特に、弁体の運動を制動するダンパーを
内蔵する弁装置に関する。なお、本明細書において、
「流体」の語は液体及び気体を総称的に代表するものと
する。
【0002】
【従来の技術】通過流体の圧力変化に伴う弁体の弁座へ
の着脱によって流路の自動開閉を行う弁装置としては、
逆止弁、自動吸気弁、自動逃がし弁、自動排気弁等が周
知である。弁体の運動態様としては、回転型、スイング
型、リフト型等があるが、一般用としてよく用いられる
リフト型について言えば、その構造は、流体の入口と出
口と弁座とを備えた弁箱の中に、弁体が直接あるいは弁
軸に支持されて進退自在に嵌装され、通過流体の圧力変
化に伴う該弁体の該弁座への着脱によって流路の自動開
閉を行うものであり、該弁体は、弁体前後の圧力差がな
いときに弁閉鎖させるか弁開させるかの仕様条件によ
り、進退いずれかの方向にばね等によって付勢されてい
るのが通常である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】これらのリフト型自動
弁装置の共通の問題点は、弁体前後の圧力差によって弁
体が進退運動すると、その運動終点で弁箱(弁座を含
む)に当接するときに、急激に運動が停止する衝撃によ
って、衝撃音、振動、異常な圧力上昇等を生じることで
あり、その衝撃が弁体のチャタリングを誘発し、作動が
不安定となることもある。更に、それが弁体付近のみな
らず管路全体の流体の運動の急激な停止を伴う場合は、
逆止弁の閉鎖時の水撃現象のように装置破壊の危険さえ
生じることがある。この衝撃を防止する手段として、弁
装置にダンパーやダッシュポット等の制動装置を装備す
ることが、従来一般的に行われてきているが、主として
弁体とは別に付設された制動装置を弁体と連結する仕組
みであるために、コスト高となり、しかも制動装置を弁
箱の外に付設した場合には、弁体との連結部のいずれか
の箇所に弁箱貫通シール部を設ける必要があるなど、煩
わしい構造のものとなる。
【0004】従って、それらダンパーやダッシュポット
等の制動装置は、所謂高価格な機種以外では装着しにく
いものとされ、所謂低価格の機種では、衝撃音、振動、
異常な圧力上昇等が致命的でない場合には、何も対策を
施さないか、あるいは衝突箇所に弾性体を装着する程度
で済ませていることが多い。その場合は当然に、衝撃
音、振動、異常な圧力上昇等の解消には至らず、性能的
には不満の残るところとなる。本発明は、上記の問題を
解決するため、簡素且つ安価な構造で、的確に弁体の運
動を制動して、弁体の運動の急激な停止に伴う衝撃音、
振動、異常な圧力上昇等を防止し、安定的な作動特性を
発揮する弁装置を得ることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明のダンパー内蔵式弁装置は、流体の入口開口
部と出口開口部と少なくとも一つの弁座とを備えた弁箱
の中に、弁体が進退自在に嵌装され、通過流体の圧力変
化に伴う該弁体の該弁座への着脱によって流路の自動開
閉を行う弁装置において、該弁箱は、その内側に同芯の
シリンダー部及びシリンダー縮径部を備え、該弁体は、
中空円筒状の部材からなり、その軸心方向の少なくとも
一端には該弁座に対向する閉鎖面部を備えると共に、そ
の円筒外周部には同芯のピストン部及びピストン拡径部
を備え、そして、該シリンダー部に対しては該ピストン
拡径部が対向摺接し、該シリンダー縮径部に対しては該
ピストン部が対向摺接することによって、該ピストン拡
径部と該シリンダー縮径部との間に、該弁体の進退運動
を制動するダンパー室が形成されたことを特徴とする。
【0006】本発明は、前記弁体を弁閉鎖方向に付勢す
る付勢力部材が前記弁箱と前記弁体との間に介設された
構成としてもよい。又、前記弁体を弁開方向に付勢する
付勢力部材が前記弁箱と前記弁体との間に介設された構
成としてもよい。又、前記付勢力部材の付勢力の調整機
構を備えた構成としてもよい。又、前記シリンダー部と
前記ピストン拡径部との対向間隙、乃至、前記シリンダ
ー縮径部と前記ピストン部との対向間隙が、前記弁体の
進退運動に伴って変化する形状に形成された構成として
もよい。更に、前記ダンパー室の内外を連通し且つ連通
流量を調整できるバイパス調節流路が介設された構成と
してもよい。
【0007】
【作用】本発明のダンパー内蔵式弁装置は、通過流体の
圧力変化に伴う弁体の弁座への着脱によって流路の自動
開閉を行うものであるが、弁箱と弁体の間に一体的に内
蔵されて流過流体そのものを制動用流体として利用する
ダンパー室の制動の働きによって、弁閉鎖のときに弁体
の閉鎖面部が緩やかに弁座に着座するので、衝撃音、振
動、異常な圧力上昇等が発生しない。又、ダンパー室を
形成する弁箱と弁体の各嵌合部の間隙を、弁体の進退運
動に伴って変化する形状に形成することによって、制動
力を弁閉鎖動の初期には弱く、閉鎖に近づくほど強くす
ることも可能であり、更に、ダンパー室の内外を連通し
且つ連通流量を調整できるバイパス調節流路を介設する
ことによって、制動力の微調整も行える。
【0008】弁体は中空の充分大きな通路を有している
上、付勢力部材が流れを妨げない位置に介設可能である
ため、損失抵抗は少なく、当然ゴミ詰まりも少ない。本
発明は、このように、簡素且つ安価な構造で、的確に弁
体の運動を制動して、弁体の運動の急激な停止に伴う衝
撃音、振動、異常な圧力上昇等を防止し、安定的な作動
特性を発揮する弁装置を得ることができたものである。
【0009】
【実施例】以下、実施例を示した図面に基づき本発明を
より詳細に説明する。なお、全図にわたって共通の働き
をする部材には共通の符号が付されている。図1は、本
発明の第1実施例を示したもので、逆止弁への適用例で
ある。図中の右から左に向かうのが正流、左から右に向
かうのが逆流の方向とする。1は弁箱であり、正流の入
口となる第一開口部1aと、出口となる第二開口部1b
と、弁座1eとを備えている。又、弁箱1の内側には、
シリンダー部1c及びシリンダー縮径部1dが同芯に形
成されている。弁体2は、軸心部が中空の円筒状の部材
からなり、その軸心方向の一端即ち図中では右端には、
弁座1eに対向する閉鎖面部2eを備えている。そし
て、流体が閉鎖面部2e近傍の円筒外周面に設けられた
第一開口部2aから中空通路部2fを経て第二開口部2
bに至る流路を通過するよう形成されている。又、弁体
2の円筒外周部には、前記シリンダー縮径部1dとほぼ
同径のピストン部2d、及び前記シリンダー部1cとほ
ぼ同径のピストン拡径部2cが同芯に形成されている。
【0010】この弁体2が弁箱1の中に進退自在に嵌装
されているが、その嵌合の状態は、シリンダー部1cに
対してはピストン拡径部2cが対向摺接し、シリンダー
縮径部1dに対してはピストン部2dが対向摺接してい
るので、ピストン拡径部2cとシリンダー縮径部1dと
の間には、ほぼ密封状態の区画室即ちダンパー室kが形
成される。このダンパー室kは、弁体2の進退運動(図
中においては左右方向の往復直線運動)に伴って容積が
増減しようとするが、そのときのダンパー室k内の流体
(流過流体をそのまま利用する)の出入りが絞られ制限
されていることによって制動効果が生じる。
【0011】又、シリンダー縮径部1dとピストン部2
dとの対向間隙が、弁体2の進退運動に伴って変化する
形状に形成されており、具体的には、ピストン部2dが
弁閉鎖方向に向かって縮径するテーパー状に形成されて
いる。このため、制動力は弁閉鎖動の初期には弱く、閉
鎖に近づくほど強くなり、効果的な制動が行える。更
に、ダンパー室kの内外を連通し且つ連通流量を調整で
きるバイパス調節流路4が介設されており、制動力の微
調整が行えるようになっている。仕様条件によっては、
これらの制動力の調整機構の全てを具備しなくても充分
にダンパーとして機能するものであり、いずれかを取捨
選択してもよい。そして、弁箱1と弁体2との間には、
弁体2を弁閉鎖方向に付勢する付勢力部材3の一例とし
て、コイルばねが介設されている。この付勢力部材3の
付勢力は、図示のように、適切な力のものを選択して固
定値としても差しつかえないが、仕様条件によっては、
付勢力の大きさを調整する調整機構を付設してもよい。
【0012】本装置を逆止弁として使用するために、弁
箱第一開口部1aから弁箱第二開口部1bに向かう方向
を正流方向とする管路(図示は省略)に介装すると、流
れは弁箱第一開口部1a→弁体第一開口部2a→中空通
路部2f→弁体第二開口部2b→弁箱第二開口部1bの
経路で流過する。この正流が流れている間は、その動圧
力(閉鎖面部2e近辺での流路抵抗による前後圧力差)
が付勢力部材3の付勢力に勝って弁体2は弁開状態とな
る。このとき、弁体2は充分大きな通路2a;2f;2
bを有している上、付勢力部材3が流れを妨げない位置
に設けられているため、損失抵抗は少なく、当然ゴミ詰
まりも少ない。この弁開時に、流過流体はシリンダー縮
径部1dとピストン部2dの間の充分な間隙からダンパ
ー室kにも侵入しており、この侵入流体がそのまま制動
作動用の流体として利用されることになる。
【0013】次に、流体の給送が停止すると、弁体2は
付勢力部材3に押されて弁閉鎖方向(図中では右方向)
に動き、その閉鎖面部2eが弁座1eに着座して逆流を
塞き止めるが、このときダンパー室kの制動の働きで弁
体2の閉鎖面部2eは衝撃音、振動、異常な圧力上昇等
なく緩やかに弁座1eに着座し、水撃を防止する。な
お、ピストン部2dが弁閉鎖方向に向かって縮径してい
るテーパー部を、弁閉鎖動の内の弁座1eへの着座の直
前までは制動がほとんど働かず、着座の瞬間にのみ働く
ような形状に形成することによって、逆流の開始前に極
力弁体2を着座付近の位置に移動させ、逆流の発生によ
る水撃現象の発生そのものをなくするように設計するこ
とも可能である。
【0014】図2は、本発明の第2実施例を示したもの
で、自動排気弁への適用例である。図中の左から右に向
かうのが排気の方向とする。この実施例は、第1実施例
において弁体2を弁閉鎖方向に付勢していた付勢力部材
3を、弁開方向に付勢する付勢力部材3に置き換えてい
る。この付勢力部材3の付勢力は、適切な力のものを選
択して固定値としても差しつかえないが、図中では、付
勢力の大きさを調整したい場合の調整機構の一例とし
て、弁箱1を分割螺合させ、その螺合部分の回動により
弁箱1自身の軸方向長さを変化させることによって、そ
の付勢力の大きさを調整する方法も示してある。又、第
1実施例においてシリンダー縮径部1dとピストン部2
dとの対向間隙が弁体2の進退運動に伴って変化する形
状に形成されていたものを、シリンダー部1cとピスト
ン拡径部2cとの対向間隙が弁体2の進退運動に伴って
変化する形状に形成されたものに置き換えた例も示して
おり、具体的には、シリンダー部1cが弁閉鎖方向に向
かって縮径するテーパー状に形成されている。
【0015】本装置を自動排気弁として使用するため
に、弁箱第一開口部1aを大気開放側に接続し、弁箱第
二開口部1bを液体管路の上部に接続すると、該液体管
路内に混入していた気体は、直ちに弁箱第二開口部1b
→弁体第二開口部2b→中空通路部2f→弁体第一開口
部2a→弁箱第一開口部1aの経路で排気される。この
排気が行われている間は、気体の流れから弁体2が受け
る動圧力よりも付勢力部材3の付勢力が勝って弁体2は
弁開状態のままである。やがて排気が終了すると、該排
気通路には液体の流れが充満し、次第に液体の動圧力が
増大する。このとき、液体はピストン部2d上の連通穴
2gから更にシリンダー部1cとピストン拡径部2cの
間の充分な間隙を経由してダンパー室kにも侵入してお
り、この侵入液体がそのまま制動作動用の液体として利
用されることになる。
【0016】更に液体の動圧力が増大して付勢力部材3
の付勢力を超えると、弁体2は弁閉鎖方向(図中では右
方向)に動き、その閉鎖面部2eが弁座1eに着座して
液体の流出が防がれるが、このときダンパー室kの制動
の働きで、閉鎖面部2eは衝撃音や振動等なく緩やかに
弁座1eに着座する。なお、弁体2は充分大きな通路2
b;2f;2aを有しているため、急速排気が可能であ
り、また当然ゴミ詰まりも少ない。その他の構成及び作
動態様は第1実施例のものと同様であるので、詳説は省
略する。
【0017】次に、前記各実施例における共通事項につ
いて説明すると、弁箱1や弁体2の構造は、設計・製作
上の要請に応じて柔軟に設計変更可能であり、例えば、
各図中では、弁箱1を2つの部材に分割した構成として
いるが、この分割方法に限らず、製作・保守点検に便利
なように適宜に分割してもよい。弁体2についても、図
示の一体型の他にも、分割した構成にしてもよい。又、
装置前後の管路との接続方法は、ねじ込み式、フランジ
式など適宜選択してよいことは言うまでもない。閉鎖面
部2eのシール部材2sは、説明の便宜上、Oリング方
式のものを例示したが、その他の形式のシールでもよ
く、全金属製や全セラミックス製などの仕様によって
は、シールそのものを省略してもよい。弁座と閉鎖面部
の設置個数については、各実施例中には一端にのみ設け
たものを示したが、この他に用途によっては両端に設け
ることも可能であり(図示は省略)、弁体が一方向に運
動するときに弁閉鎖→開弁→弁閉鎖のプロセスを経させ
ることが可能となる。
【0018】弁体2の弁箱1中での支持の方法について
は、弁体2の進退直線運動がブレないようにするための
工夫として、弁箱1と弁体2の間に案内筒を挿入した
り、閉鎖面部2eの外側に案内軸や弁脚板を延設する等
の方法も当然考えられる。又、弁箱1と弁体2との各嵌
合部、即ち、シリンダー部1cとピストン拡径部2c、
乃至シリンダー縮径部1dとピストン部2dの嵌合部な
どについては、各図中では簡単のためにシール部材は省
略しているが、この箇所にOリングやピストンリングを
装着したり、大型の弁装置の場合やスラリー等の混入の
ある場合にはダイヤフラムを援用した構造にできること
は言うまでもない。付勢力部材3については、各図中で
は、コイルばねを使用する例を示したが、その他の付勢
の方法を用いてもよい。例えば、図示は省略したが、逆
止弁として使用する場合に、本装置を弁箱第一開口部1
aが下側になるよう縦置きに設置し、弁体2の自重を弁
閉鎖力として利用し、更に必要に応じて付勢力部材とし
て重錘を装着するなどの方法もある。
【0019】又、シリンダー部1cとピストン拡径部2
cとの間、乃至シリンダー縮径部1dとピストン部2d
との間の対向間隙を、弁体2の進退運動に伴って変化す
る形状に形成する点に関しては、各実施例中では、ピス
トン部2d乃至シリンダー部1cをテーパー状に形成す
る方式が例示されているが、テーパーに代えて勾配溝を
設けてもよく、又、その目的である制動力を漸増・漸減
させるための他の方法として、バイパス調節流路4の絞
りを多段調節できるようにしてもよい。更に、弁体2が
開弁方向に動くときにはダンパー室kの制動が働かない
ようにしたい場合は、バイパス調節流路4に小型の逆止
弁を介設するなどの方法をとってもよい。弁体2上の連
通穴2gは、ダンパー室kの正確な制動作動を妨げない
ように、それ以外の区画室には流体を自由に出入りさせ
るためのものであるが、逆にこの連通穴2gを小さくす
ることによって、該連通穴2gに繋がる区画室(ピスト
ン拡径部2cから見てダンパー室kと反対側の区画室)
をも気密ダンパー室として利用することも可能である。
その場合は、弁体2の進退両方の運動を制動する双方向
緩作動弁となる。
【0020】以上の各実施例において説明した通り、本
発明のダンパー内蔵式弁装置は画期的な作用効果を生み
出すが、更に、本発明の各構成要素にわたって、本発明
の趣旨の範囲内で、その構成要素の個数や構成要素間の
位置関係を変更したり、従来技術を援用するなど、種々
設計変更可能であり、又、その素材材質も適宜現地仕様
に適合したものを選択可能であり、本発明を前記の各実
施例に限定するものではない。
【0021】
【発明の効果】本発明のダンパー内蔵式弁装置は、通過
流体の圧力変化に伴う弁体の弁座への着脱によって流路
の自動開閉を行う逆止弁、自動吸気弁、自動逃がし弁、
自動排気弁等の各種自動弁装置において、弁箱と弁体の
間に一体的に内蔵されて流過流体そのものを制動用流体
として利用するダンパー室の制動の働きによって、弁閉
鎖のときに弁体の閉鎖面部が緩やかに弁座に着座するの
で、衝撃音、振動、異常な圧力上昇等が発生しないとい
う格別の効果がある。又、ダンパー室を形成する弁箱と
弁体の各嵌合部の間隙を、弁体の進退運動に伴って変化
する形状に形成することによって、制動力を弁閉鎖動の
初期には弱く、閉鎖に近づくほど強くすることも可能で
あり、更に、ダンパー室の内外を連通し且つ連通流量を
調整できるバイパス調節流路を介設することによって、
制動力の微調整も行える。
【0022】弁体は中空の充分大きな通路を有している
上、付勢力部材が流れを妨げない位置に介設可能である
ため、損失抵抗は少なく、当然ゴミ詰まりも少ない。本
発明は、このように、簡素且つ安価な構造で、的確に弁
体の運動を制動して、弁体の運動の急激な停止に伴う衝
撃音、振動、異常な圧力上昇等を防止し、安定的な作動
特性を発揮する弁装置を得ることができたものであり、
設計・製作・維持管理等の広汎にわたり優れた成果をあ
げることができ、実施効果の顕著さは従来技術と比較し
て極めて大きいものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の縦断面図(一部正面図)
である。
【図2】本発明の第2実施例の縦断面図(一部正面図)
である。
【符号の説明】
1…弁箱 1a…弁箱第一開口部 1b…弁箱第二
開口部 1c…シリンダー部 1d…シリンダー縮径部 1
e…弁座 2…弁体 2a…弁体第一開口部 2b…弁体第二
開口部 2c…ピストン拡径部 2d…ピストン部 2e…
閉鎖面部 2f…中空通路部 2g…連通穴 2s…シール部
材 3…付勢力部材 4…バイパス調節流路 k…ダンパー室

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 流体の入口開口部と出口開口部と少なく
    とも一つの弁座とを備えた弁箱の中に、弁体が進退自在
    に嵌装され、通過流体の圧力変化に伴う該弁体の該弁座
    への着脱によって流路の自動開閉を行う弁装置におい
    て、該弁箱は、その内側に同芯のシリンダー部及びシリ
    ンダー縮径部を備え、該弁体は、中空円筒状の部材から
    なり、その軸心方向の少なくとも一端には該弁座に対向
    する閉鎖面部を備えると共に、その円筒外周部には同芯
    のピストン部及びピストン拡径部を備え、そして、該シ
    リンダー部に対しては該ピストン拡径部が対向摺接し、
    該シリンダー縮径部に対しては該ピストン部が対向摺接
    することによって、該ピストン拡径部と該シリンダー縮
    径部との間に、該弁体の進退運動を制動するダンパー室
    が形成されたことを特徴とするダンパー内蔵式弁装置。
  2. 【請求項2】 前記弁体を弁閉鎖方向に付勢する付勢力
    部材が前記弁箱と前記弁体との間に介設されたことを特
    徴とする請求項1に記載のダンパー内蔵式弁装置。
  3. 【請求項3】 前記弁体を弁開方向に付勢する付勢力部
    材が前記弁箱と前記弁体との間に介設されたことを特徴
    とする請求項1に記載のダンパー内蔵式弁装置。
  4. 【請求項4】 前記付勢力部材の付勢力の調整機構を備
    えたことを特徴とする請求項2又は3に記載のダンパー
    内蔵式弁装置。
  5. 【請求項5】 前記シリンダー部と前記ピストン拡径部
    との対向間隙、乃至、前記シリンダー縮径部と前記ピス
    トン部との対向間隙が、前記弁体の進退運動に伴って変
    化する形状に形成されたことを特徴とする請求項1〜4
    のいずれかに記載のダンパー内蔵式弁装置。
  6. 【請求項6】 前記ダンパー室の内外を連通し且つ連通
    流量を調整できるバイパス調節流路が介設されたことを
    特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のダンパー内
    蔵式弁装置。
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