JPH1061719A - 免震装置 - Google Patents

免震装置

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JPH1061719A
JPH1061719A JP21866996A JP21866996A JPH1061719A JP H1061719 A JPH1061719 A JP H1061719A JP 21866996 A JP21866996 A JP 21866996A JP 21866996 A JP21866996 A JP 21866996A JP H1061719 A JPH1061719 A JP H1061719A
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一郎 池永
Kazutaka Sakai
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 展示ケース内に収容される展示品を免震保護
する免震装置において、装置の小型・軽量化を図って設
置・施工作業を容易にするとともに、展示ケースと壁と
の間のデッドスペースを回避して自由な展示レイアウト
ができるようにする。 【解決手段】 従来のように展示ケース2を含めたもの
を免震保護するのではなく、展示ケース2内に収容され
た展示品4のみを免震保護対象としている。免震装置6
は、展示ケース2の内方底面側に設置されており、その
大きさは展示品4の大きさ・重量に対応した大きさに設
定されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、地震等の振動エネ
ルギーを吸収して載置物の保護を図る免震装置に関し、
特に、美術館や博物館等における美術品、骨董品、精密
機器等の展示品の保護に好適な免震装置に関する。
【0002】
【従来の技術】美術館や博物館等で展示される展示品
は、文化的にも価格的にも価値あるものが多く、これを
保護する観点から通常、展示ケース内に納められた状態
で展示される。展示ケースによって見学者が直接触れる
ことによる倒壊等の不具合は回避できるものの、地震等
の振動エネルギーが作用した場合には倒壊が生じ易く、
これを防止するために免震装置が使用されている。
【0003】この種の免震装置としては、例えば実開平
4−13846号公報に開示されるように、概略、床面
等に設置される基台と、この基台の上面側に重ね合わせ
状態に設けられ載置面を有する可動台と、振動エネルギ
ー等の外力が作用したときに前記可動台の移動を案内し
て外力のエネルギーを吸収するエネルギー遮断手段と、
前記可動台を外力が作用する前の基台に対する所定位置
である原点に復帰させる原点復帰手段とを備えたものが
知られている。さらに具体的に説明すると、前記可動台
は、水平面一方向(X方向)に移動するものと、これに
直交する水平面一方向(Y方向)に移動するものとの2
段構成となっており、それぞれに個別に対応してエネル
ギー遮断手段とコイルバネ等の原点復帰手段とが設けら
れている。可動台の2次元変位によって地震波を吸収す
るもので、いわゆる2次元3段式と呼ばれるものであ
る。
【0004】上段の可動台の上面が載置面となってお
り、従来ではこの載置面に展示品を収納した展示ケース
全体を設置していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】通常、展示品の重量が
100g〜10Kgf程度である場合、上記展示ケース
自体は200〜1000Kgf程度の重量となるため、
展示ケース全体を保護し、その結果として展示品を保護
するという従来の免震方式では、免震装置の載置面に展
示ケース全体を設置する作業が困難で且つ多くの労力を
要する、という問題があった。また、免震機能を仕様通
り十分に発揮させるためには、展示ケースと展示場の壁
面との間に可動台の変位を許容するスペースを設ける必
要があり、このため自由な展示レイアウトができないば
かりか、デッドスペースを生じる、という問題があっ
た。また、展示品は展示ケース内に収納されるため、見
学者は展示品に対しては一定距離以上近づけないが、通
常、展示ケース自体には近づくことができるようになっ
ている。このため、見学者の保護も含め、見学者が展示
ケースを押したりするような地震以外の不用意な力で免
震機能が作動しないように、感震装置とこれに連動する
可動台の仮止機構とを設け、感震装置の作動信号に基づ
いて可動台の仮止機構を解除する構成が不可欠であっ
た。この構成により少なからず装置コストの上昇をも招
いていた。
【0006】本発明は、設置作業が容易であるとともに
自由な展示レイアウトができ、また、感震装置及びこれ
に連動する可動台の仮止機構も不要にできる免震装置の
提供を、主な目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、展示ケース全
体を免震し、その結果として展示品を保護するという従
来の固定観念化された免震思想そのものが保護対象の重
量化、装置の大型化ひいては設置・施工作業の困難性を
招いているとの考えに立ち、本来保護すべき展示品自体
のみを直接に免震して装置の小型化等を図るということ
を狙ったものである。従来においては展示ケースの寸法
に対応して800mm×800mmの寸法が限界である
とされている。具体的には、請求項1記載の発明では、
展示ケース内に収納された展示品を保護する免震装置で
あって、基台と、この基台の上面側に重ね合わせ状態に
設けられ載置面を有する可動台と、地震等の振動エネル
ギーが伝わったときに前記可動台の水平移動を案内して
振動エネルギーを吸収するエネルギー遮断手段と、前記
可動台を原点に復帰させる原点復帰手段とを備えた免震
装置において、前記基台が前記展示ケースの内方底面側
に設置されているとともに前記可動台に前記展示品が直
接載置され、装置の全体形状の大きさが前記展示品の大
きさ・重量に対応した大きさに設定されている、という
構成を採っている。展示ケースの大きさ、重量に比べて
極めて小物で且つ軽量である展示品自体を免震対象とす
ればこれに対応して必然的に免震装置も小型にでき、設
置・施工作業も容易となる。可動台の変位は展示ケース
内で生じることとなるので、展示ケースの壁付けもで
き、自由なレイアウトもできる。また、展示ケースの存
在によって、見学者が展示品を押す等の地震等以外の外
力の作用が遮断されるから感震装置及びこれに連動する
ストッパー機構を設ける必要もない。すなわち、展示品
のみを対象とする内部設置タイプとした場合、展示ケー
スの本来の防護機能を免震装置の簡易化に利用すること
ができる。
【0008】請求項2記載の発明では、請求項1記載の
構成において、前記展示ケースの設置面に固定されるベ
ース部材を備え、このベース部材に前記基台が固定され
る、という構成を採っている。可動台が最大変位位置に
達し、展示品の重心が最大にずれてオーバーハング状態
になっても、基台がベース部材を介して展示ケースの設
置面に固定されているので転倒は生じない。
【0009】請求項3記載の発明では、請求項1又は2
記載の構成において、前記可動台が重量調整機能を有し
ている、という構成を採っている。原点復帰機構として
コイルバネを用いた場合、コイルバネの強さとしての免
震性能は載置される展示品の重量及び可動台の重量によ
って大きく左右されるので、免震対象が異なる毎に最適
なバネ定数を選定する、すなわち、コイルバネを張り替
える必要があるが、可動台の重量調整機能によってコイ
ルバネを交換することなく最適な免震性能を設定するこ
とができる。
【0010】請求項4記載の発明では、請求項1又は2
又は3記載の構成において、前記エネルギー遮断手段が
スライドレールである、という構成を採っている。これ
によって市販のスライドレールを利用することができ、
経済的側面から有利となるとともに装置全体の高さの小
寸法化が可能となる。
【0011】請求項5記載の発明では、請求項1又は2
又は3又は4記載の構成において、周囲側面が、所定値
以上の地震等の振動エネルギーが伝わったときの前記可
動台の移動を許容する着脱自在なサイドカバ−で覆われ
ている、という構成を採っている。振動エネルギーが所
定値になるまではサイドカバ−によって可動台の変位が
規制され、所定値以上になったら可動台によってサイド
カバ−は突き外される。従って、サイドカバ−は、化粧
板的機能に止まらず、単なる機械的部品にありながら従
来の免震装置における可動台の仮止機構、感震装置の機
能をも合わせ持つことになる。また、展示ケース内に設
置されるため、免震装置には展示品の美観を低減させな
い意匠性が厳しく要求されることになるが、サイドカバ
−のデザイン性、着色性によってこれを克服することが
可能となる。
【0012】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図1乃至図9に基
づいて説明する。図1に示すように、底面を有しない展
示ケース2の中には展示品4が収納保護されており、展
示品4は展示ケース2の内方において底面側に設置され
た免震装置6(台又はテーブルとしての使用概念を含
む)の上に載置されている。免震装置6は、図2に示す
ように、展示ケース2の底面に対応する床面に直接固定
されるベース部材8と、このベース部材8の上面側に重
ね合わせ状態に固定される基台10と、この基台10の
上面側に重ね合わせ状態に設けられ、基台10に対して
水平面一方向であるX方向に移動する可動台としての第
1の可動台12と、この第1の可動台12の上面側に重
ね合わせ状態に取付られ、基台10に対して水平面一方
向であるY方向に移動する可動台としての第2の可動台
14と、基台10と第1の可動台12との間に設けら
れ、第1の可動台12の水平移動を案内して地震等の振
動エネルギーを吸収するエネルギー遮断手段としての第
1のエネルギー遮断手段16と、第1の可動台12と第
2の可動台14との間に設けられ、第2の可動台14の
水平移動を案内して振動エネルギーを吸収するエネルギ
ー遮断手段としての第2のエネルギー遮断手段18と、
基台10と第1の可動台12との間に設けられ、第1の
可動台12を原点に復帰させる第1の原点復帰手段20
と、第1の可動台12と第2の可動台14との間に設け
られ、第2の可動台14を原点に復帰させる第2の原点
復帰手段22とから概略構成されており、組付けられた
状態の周囲は4つのサイドカバー24で覆われている。
【0013】ベース部材8は、基台10、第1の可動台
12、第2の可動台14と同様に略正方形に形成されて
おり、その四隅近傍には基台10を固定するためのスタ
ッドボルト26が形成されている。また四隅には展示ケ
ース2の設置面FLへ固定するための固定用孔8aが2
個づつ形成されており、図4に示すように、すり割付き
のさら木ねじ28で固定されている。図2に示すよう
に、四隅における黒点8bは後述する基台10の水平レ
ベルの調整ねじ30の接触位置を示している。
【0014】基台10は水平レベル調整機能を有してお
り、これは四隅に形成されたねじ孔10aに螺合する調
整ねじ30によって無段階になされる。調整ねじ30の
下端には点接触又はこれに近い接触をする曲面部30a
が形成されており、上端にはドライバー等の操作具で回
動調整するための溝30bが形成されている。四隅にお
けるねじ孔10aの近傍には座ぐり穴10bが形成され
ており、図4に示すように、ここにベース部材8のスタ
ッドボルト26を通してナット部材32で固定するよう
になっている。スタッドボルト26とナット部材32に
よるベース部材8と基台10との固定は、ベース部材8
に対する基台10の水平レベル調整が完了してからなさ
れる。図2に示すように、第1のエネルギー遮断手段1
6として、この実施例では市販の直動手段としてのスラ
イドレールを使用している。スライドレール16は基台
10の両サイドにおいてX方向に延びるように設定され
ており、それぞれ2本づつ設けられている。スライドレ
ール16は基台10のみに固定されるものではなく、基
台10と第1の可動台12の双方に固定されるものであ
る。スライドレール16の具体的構造及び固定態様は第
2のエネルギー遮断手段18において詳しく述べる。
【0015】第1の可動台12を原点に復帰させる第1
の原点復帰手段20は、図5に模式的に示すように、X
方向に延びる復帰力源としてのコイルバネ34と、コイ
ルバネ34の端部が留められるバネ掛け部材36,38
と、基台10に溶接やねじ止め等の手段で固定され、バ
ネ掛け部材36,38を離脱可能に定位置に保持してコ
イルバネ34に初期張力を付与する保持部材40,42
と、第1の可動台12の下面に溶接やねじ止め等の手段
で固定され、バネ掛け部材36,38に係合可能な係合
部材44,46とから構成されている。保持部材40と
係合部材44はバネ掛け部材36が入り込む溝40a,
44aを有しており、同様に、保持部材42と係合部材
46もバネ掛け部材38が入り込む溝42a,46aを
有している。第2の原点復帰手段22も同様の構成であ
る。
【0016】図2に示すように、基台10の上面には第
1の可動台12の最大変位を規制する一方の要素である
下ストッパ48,50が設けられており、図6に示すよ
うに、これに対応して第1の可動台12の下面には最大
変位を規制する他の要素である上ストッパ52,54が
設けられている。
【0017】図2に示すように、第1の可動台12と第
2の可動台14との間に設けられる第2のエネルギー遮
断手段18は、第1のエネルギー遮断手段16と同様に
市販のスライドレールで構成されている。また、同様
に、スライドレール18は第1の可動台12の両サイド
においてY方向に延びるように設定されており、それぞ
れ2本づつ設けられている。スライドレール18は、図
4に示すように、インナーメンバー56と、アウターメ
ンバー58と、ボール60と、ボール60を保持するボ
ールリティナー(図示しない)とから構成されている。
インナーメンバー56はプレート状の座金62を介して
第2の可動台14の下面にボルト64及びナット66で
固定されており、一方、アウターメンバー58はボルト
68で第1の可動台12の上面に固定されている。この
スライドレール18の取付構成によって、第1の可動台
12と第2の可動台14の結合が得られるとともに、第
1の可動台12に対する第2の可動台14のY方向の水
平移動が案内される。第1のエネルギー遮断手段16に
おいても同様である。
【0018】図2に示すように、第2の可動台14を原
点に復帰させる第2の原点復帰手段22は、第1の原点
復帰手段20と同様に、Y方向に延びる復帰力源として
のコイルバネ34と、コイルバネ34の端部が留められ
るバネ掛け部材36,38と、第1の可動台12に溶接
やねじ止め等の手段で固定され、バネ掛け部材36,3
8を離脱可能に定位置に保持してコイルバネ34に初期
張力を付与する保持部材40,42と、第2の可動台1
4の下面に溶接やねじ止め等の手段で固定され、バネ掛
け部材36,38に係合可能な係合部材44,46とか
ら構成されている。保持部材40と係合部材44はバネ
掛け部材36が入り込む溝40a,44aを有してお
り、同様に、保持部材42と係合部材46もバネ掛け部
材38が入り込む溝42a,46aを有している。第1
の可動台12の上面には第2の可動台14の最大変位を
規制する一方の要素である下ストッパ70,72が設け
られており、図7に示すように、これに対応して第2の
可動台14の下面には最大変位を規制する他の要素であ
る上ストッパ74,76が設けられている。図2に示す
ように、また、第1の可動台12の周囲には、サイドカ
バー24の着脱機能を支援するL字形のカバー上金具7
8が複数設けられている。
【0019】第2の可動台14は、重量調整機能を有す
る可動台本体80と、この可動台本体80の上面開口部
を覆う展示品載置面としての天板82とから概略構成さ
れている。可動台本体80の内部は複数の平鋼材84で
区画されており、各区画部86には帯状のカウンターウ
ェイト88が複数収納されている。カウンターウェイト
88を出し入れすることにより可動台の重量をカウンタ
ーウェイト88の一枚当たりの重量単位で微調整するこ
とができ、これによって第1の原点復帰手段20及び第
2の原点復帰手段22のコイルバネ34を交換すること
なく重量の異なる展示品に対して最適な免震性能を容易
に設定することができる。なお、図2では明示していな
いが、図4に示すように、スライドレール18を第2の
可動台14に固定するためのボルト64及びナット66
とカウンターウェイト88との干渉を避けるために、カ
ウンターウェイト88にはその対応位置に透孔88aが
形成される。
【0020】図2に示すように、サイドカバー24は、
平板状のカバー本体90と、基台10の上面に入り込む
L字形のカバー下金具92と、サイドカバー24の着脱
力源、すなわち、振動エネルギーが一定値以上になるま
で可動台の移動を規制する仮止力源としてのラバーマグ
ネット94、96とから構成されている。ラバーマグネ
ット94、96の形状、面積等は、適正仮止力が得られ
る範囲で適宜に決定されるものである。また、本発明に
係る免震装置6は展示ケース2内に展示品とともに存在
する設置方式であるので、展示品の美観を可能な限り損
なわないようにしなければならない。かかる観点から、
免震装置の外表面を構成するサイドカバー24と天板8
2はデザイン性に優れるとともに着色性に優れる素材が
選定される。
【0021】次に、免震装置6の免震動作を説明する。
図6に示すように、X方向の一方向であるX1方向へ作
用する振動エネルギーが発生した場合、第1の可動台1
2はスライドレール16の案内によってX1方向へ変位
する。スライドレール16の伸張によって振動エネルギ
ーは吸収され減衰する。基台10上の保持部材40に保
持されていたバネ掛部材36は、第1の可動台12の係
合部材44によって連れ去られ、これによってコイルバ
ネ34が伸びる。第1の可動台12が更に移動すると、
基台10側の下ストッパ48と第1の可動台12側の上
ストッパ54が当接し、これによって第1の可動台12
の変位は最大となる。反対側(X2方向)に変位した場
合には、基台10側の下ストッパ50に第1の可動台1
2側の上ストッパ52が当接することによって最大とな
る。
【0022】Y方向の変位についても同様である。すな
わち、図7に示すように、Y方向の一方向であるY1
向へ作用する振動エネルギーが発生した場合、第2の可
動台14はスライドレール18の案内によってY1方向
へ変位する。スライドレール18の伸張によって振動エ
ネルギーは吸収され減衰する。第1の可動台12上の保
持部材40に保持されていたバネ掛部材36は、第2の
可動台14の係合部材44によって連れ去られ、これに
よってコイルバネ34が伸びる。厳密には、コイルバネ
34の復元力も振動エネルギーの吸収・減衰作用に寄与
する。第2の可動台14が更に移動すると、第1の可動
台12側の下ストッパ70と第2の可動台14側の上ス
トッパ76が当接し、これによって第2の可動台14の
変位は最大となる。反対側(Y2方向)に変位した場合
には、第1の可動台12側の下ストッパ72に第2の可
動台14側の上ストッパ74が当接することによって最
大となる。これらX方向とY方向の2次元変位によって
水平面方向に作用する複雑な振動エネルギーを吸収して
展示品を保護できるものである。この実施例では変位量
を片振幅230mm(両振幅460mm)として設定し
ており、阪神大震災(震度7)レベルにも対応できるよ
うになっている。変位した第1の可動台12と第2の可
動台14はそれぞれ第1の原点復帰手段20と第2の原
点復帰手段22によって原点に復帰する。この実施例に
おける免震装置6の外形寸法は、縦・横が最大約400
mmの略正方形で、高さは約45mmである。この少寸
法・軽量化は、展示ケース2内に収納された展示品のみ
を免震保護するという本発明の新しい技術的思想によっ
て初めてもたらされるものである。
【0023】図8に示すように、変位によって展示品4
の重心位置Gが原点位置Cから大きくずれていわゆるオ
ーバーハング状態となった場合、基台10が持ち上げら
れて展示品4が転倒する恐れがあるが、基台10はベー
ス部材8を介して展示ケース2の設置面FLに固定され
ているので、かかる場合にも展示品4は倒れない。
【0024】次にサイドカバ−24の機能について説明
する。図4に示すように、基台10の上面にカバー下金
具92を載せた状態で押し付けると、カバー下金具92
によって位置決めがなされるとともに、上部のラバーマ
グネット94が第1の可動台12の側面とカバー上金具
78に密着し、且つ、下部のラバーマグネット96が基
台10の側面に密着する。すなわち、このサイドカバ−
24はワンタッチ操作で着脱できるようになっている。
ラバーマグネット94,96の吸着力以上の力で引き抜
けば容易に外れる。
【0025】図9に示すように、図4に示す状態、すな
わち、サイドカバ−24による第1の可動台12及び第
2の可動台14の仮止状態から第1の可動台12が一定
値以上の振動エネルギーの作用によってX1 方向に変位
すると、サイドカバ−24は第1の可動台12によって
自動的に突き外される。このように、サイドカバ−24
は単なる機械的構成要素でありながら、従来の感震装置
及びこれに連動する可動台の仮止機構の機能を併せ持
つ。電気的構成部分が無いので、誤作動や作動不能とい
った不具合は生じず、確実な仮止機能を得ることができ
る。勿論、従来と同様に感震装置及びこれに連動する可
動台の仮止機構を採用してもよい。図9では第1の可動
台12がX1 方向へ変位した場合を示したが、X2 方向
においても同様である。また、Y方向における第2の可
動台14の変位についても同様である。サイドカバ−2
4による仮止力、すなわち、振動エネルギーが一定値以
上になるまでの第1の可動台12、第2の可動台14の
保持力は、ラバーマグネット94,96の磁力、面積等
によって、あるいは第1の可動台12に固定されるカバ
ー上金具78の面積によって調整することができる。サ
イドカバ−24のカバー本体90と、第2の可動台14
の天板82は、免震装置6の意匠を構成するので、これ
らには展示品の美観を損なわないようなデザイン・色彩
が付与される。
【0025】上記実施例ではベース部材8を展示ケース
2の設置面FLに固定したが、展示ケース2が底面を有
する場合にはこの底面に固定することもできる。
【0026】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、展示ケー
ス内に収容されて保護される展示品自体のみを免震保護
する構成としたので、装置の小型化・軽量化を図ること
ができるとともに設置・施工作業の容易化を図ることが
できる。また、展示ケースの存在によって地震以外の外
力の作用が遮断されるので、感震装置及びこれに連動す
る可動台の固定機構を設ける必要もなく、これによって
装置の更なる簡易化、低コスト化を図ることができる。
また、展示ケースを壁付けできるので、デッドスペース
を回避することができるとともにレイアウトを自由に行
うことができる。
【0027】請求項2記載の発明によれば、請求項1記
載の構成において、ベース部材を介して基台を展示ケー
スの設置面に固定する構成としたので、請求項1の効果
に加え、展示品の重心が初期載置位置から大きくずれて
オーバーハング状態になっても展示品の転倒を防止する
ことができるとともに、免震装置自体のずれも防止する
ことができる。
【0028】請求項3記載の発明によれば、請求項1又
は2記載の構成において、前記可動台が重量調整機能を
有する構成としたので、請求項1又は2記載の効果に加
え、展示品が異なる毎にバネを交換することなく最適な
免震性能を設定することができる。
【0029】請求項4記載の発明によれば、請求項1又
は2又は3記載の構成において、エネルギー遮断手段を
スライドレールとしたので、請求項1又は2又は3の効
果に加え、市販のものを使用することができることによ
るコスト低下を図ることができる。
【0030】請求項5記載の発明によれば、請求項1又
は2又は3又は4記載の構成において、周囲側面を、所
定値以上の地震等のエネルギーが作用したときに前記可
動台の移動を許容する着脱自在なサイドカバ−で覆う構
成としたので、請求項1又は2又は3又は4の効果に加
え、感震装置及びこれに連動する可動台の仮止機構に比
べて誤作動の無い確実な仮止機能を得ることができる。
また、サイドカバ−にデザイン性・着色性を付与するこ
とによって、展示ケース内に設置されることによる展示
品の美観への影響を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す免震装置の使用状態の
斜視図である。
【図2】図1で示した免震装置の分解斜視図である。
【図3】図1で示した免震装置の拡大斜視図である。
【図4】図3の矢印A側から見た要部側面図である。
【図5】第1の原点復帰手段を示す斜視図である。
【図6】第1の可動台の変位を示す概要平面図である。
【図7】第2の可動台の変位を示す概要平面図である。
【図8】展示品の重心のずれによるオーバーハング状態
を示す概要側面図である。
【図9】可動台の変位によるサイドカバ−の突き外れ状
態を示す要部側面図である。
【符号の説明】
2 展示ケース 4 展示品 8 ベース部材 10 基台 12 第1の可動台(可動台) 14 第2の可動台(可動台) 16 スライドレール(エネルギー遮断手段) 18 スライドレール(エネルギー遮断手段) 20 第1の原点復帰手段(原点復帰手段) 22 第2の原点復帰手段(原点復帰手段) 24 サイドカバ−
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 坂井 一隆 熊本県熊本市上熊本3丁目8番1号・金剛 株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】展示ケース内に収納された展示品を保護す
    る免震装置であって、基台と、この基台の上面側に重ね
    合わせ状態に設けられ載置面を有する可動台と、地震等
    の振動エネルギーが伝わったときに前記可動台の水平移
    動を案内して振動エネルギーを吸収するエネルギー遮断
    手段と、前記可動台を原点に復帰させる原点復帰手段と
    を備えた免震装置において、 前記基台が前記展示ケースの内方底面側に設置されてい
    るとともに前記可動台に前記展示品が直接載置され、装
    置の全体形状の大きさが前記展示品の大きさ・重量に対
    応した大きさに設定されていることを特徴とする免震装
    置。
  2. 【請求項2】前記展示ケースの設置面に固定されるベー
    ス部材を備え、このベース部材に前記基台が固定される
    ことを特徴とする請求項1記載の免震装置。
  3. 【請求項3】前記可動台が重量調整機能を有しているこ
    とを特徴とする請求項1又は2記載の免震装置。
  4. 【請求項4】前記エネルギー遮断手段がスライドレール
    であることを特徴とする請求項1又は2又は3記載の免
    震装置。
  5. 【請求項5】周囲側面が、所定値以上の地震等の振動エ
    ネルギーが伝わったときの前記可動台の移動を許容する
    着脱自在なサイドカバ−で覆われていることを特徴とす
    る請求項1又は2又は3又は4記載の免震装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2001050341A (ja) * 1999-08-04 2001-02-23 Takashi Funaki 物品搭載用免震装置における周囲側面部の改良構造
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CN115486668A (zh) * 2022-08-31 2022-12-20 首都博物馆 一种文物保护用的超细纤维与硅胶的组合装置及其应用

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