JPH1061482A - 筒内噴射型内燃機関のノック制御装置 - Google Patents

筒内噴射型内燃機関のノック制御装置

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JPH1061482A
JPH1061482A JP8224136A JP22413696A JPH1061482A JP H1061482 A JPH1061482 A JP H1061482A JP 8224136 A JP8224136 A JP 8224136A JP 22413696 A JP22413696 A JP 22413696A JP H1061482 A JPH1061482 A JP H1061482A
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宏記 田村
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一親 田島
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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 吸気行程中に燃料を噴射する第1運転モード
と圧縮行程中に燃料を噴射する第2運転モードとを運転
状態に応じて切り換え、第2運転モードから第1運転モ
ード移行時にノックセンサの誤検出を防止する筒内噴射
型内燃機関のノック制御装置を提供する。 【解決手段】 内燃機関1の振動を検出するノックセン
サ16と、ECU50に内蔵され、ノックセンサの出力
信号に基づきノック発生状態を代表するノック制御用信
号を生成し、ノックセンサの出力又はノック制御用信号
の一方に基づきノック判定用の比較信号を生成し、第2
運転モードのときに比較信号生成手段による比較信号の
演算を第1運転モードに対して変え、第1運転モードの
ときにノックセンサの出力又はノック制御用信号の一方
と比較信号とを比較してノックが発生しているかを判定
し、ノック発生を抑制するような点火時期を制御するノ
ック制御装置を備えた構成としたものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、筒内噴射型内燃機
関のノック制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】筒内噴射型内燃機関では、例えば、圧縮
行程中に燃料噴射弁からピストン頂部に設けたキャビテ
ィ内に燃料を噴射することで、点火時点において点火プ
ラグの周囲に理論空燃比に近い空燃比の混合気を生成し
燃焼室内で層状燃焼させることにより、全体に希薄な空
燃比でも着火が可能となり、COやHCの排出量が減少
すると共に、アイドル運転時や低負荷走行時の燃費を大
幅に向上させることができる。また、この機関では燃焼
室内に直接燃料を噴射しているので、燃料噴射量を増減
させる際にも吸気管による移送遅れがないため、加減速
レスポンスも非常に良くなる。ところが、機関の全作動
域においてキャビティ内に燃料を噴射すると、要求燃料
噴射量が増大する高負荷運転時には点火プラグの近傍の
空燃比がオーバリッチとなり失火が生じるため、安定し
た運転領域が狭いという問題がある。これは、燃料噴射
弁の単位時間当たりの噴射量や噴射方向を可変にするこ
とが困難であるために、点火プラグ近傍の空燃比をエン
ジンの全作動領域に亘って最適値に保つことができない
ことに起因する。
【0003】このような問題を解決するために、負荷に
応じて圧縮行程噴射モードと吸気行程噴射モードとを切
り換えると共に、燃焼室の形状や燃料噴射弁の噴射方向
等をこれに合わせて設計したものが提案されている(例
えば、特開平5−79370号公報、特開平7−102
976号公報)。これらのエンジンでは、低負荷運転時
には、圧縮行程中にキャビティ内に燃料を噴射し、点火
プラグの周囲やキャビティ内に理論空燃比に近い空燃比
の混合気を生成し層状燃焼させる。これにより全体とし
て希薄な空燃比でも着火が可能となり、COやHCの排
出量が減少すると共に、アイドル運転時や低負荷走行時
における燃費が大幅に向上する。また、高負荷走行時に
は、吸気行程中にキャビティ外に燃料を噴射し、燃焼室
内に均一な空燃比の混合気を形成させる。これにより、
吸気管噴射型のものと同様に、多量の燃料を予混合燃焼
させることが可能となり、加速時や高速走行時に要求さ
れる出力が確保される。
【0004】ところで、火花点火式のエンジンでは、点
火時期の設定が出力や燃費等を決定する重要な因子とな
る。即ち、同一条件で混合気を燃焼させる場合、最大ト
ルクを発生する最適点火時期MBT(Minimum spark ad
vance for the Best Torque)が一義的に存在し、これ
よりアドバンス(進角)或いはリタード(遅角)させる
と、燃焼圧力の有効利用が図られなくなり、出力も燃費
も低下する。このため、機関の点火時期は、エンジン回
転数と負荷条件等から基本的にノッキングが発生しない
範囲で、MBT近傍(特に、高負荷時においてはMBT
に対して所定量リタードした点火時期)に設定されてい
る。
【0005】しかしながら、点火時期がMBT近傍に設
定されているが故にエンジンの個体差や燃料のオクタン
価や機関負荷の急変等に応じてノッキングが発生し易く
なるため、このノッキングを抑制すべく、ノック制御装
置が設けられている。ノック制御装置は、例えば、エン
ジン本体(シリンダブロック)にノックセンサを装着し
てノンキングに起因するエンジンの異常振動を感知し、
当該ノックセンサの出力信号に基づいてバックグランド
レベル(BGL)即ち、比較信号(平均値)を演算し、
前記ノックセンサの出力信号が前記BGLよりも大きい
ときにノックが発生したと判定してエンジン制御パラメ
ータとしての点火時期を遅らせてノッキングの発生を防
止している。
【0006】図4及び図5に、吸気行程中に燃料を噴射
し予混合燃焼を行う吸気行程噴射モード(以下「第1運
転モード」という)と、圧縮行程中に燃料を噴射し層状
燃焼を行う圧縮行程噴射モード(以下「第2運転モー
ド」という)とを有し、第1運転モードと第2運転モー
ドとを運転状態に応じて切り換える4サイクル火花点火
式筒内噴射型内燃機関に上述したノック制御装置を適用
した場合を示す。尚、エンジンは、例えば、4気筒エン
ジンで、#1、#3、#4、#2気筒の順序で点火され
るものとする。
【0007】図4(a)は、クランク角センサの出力信
号(SGT)を示し、前記点火順序に応じて出力され
る。図4(b)は、例えば、#1気筒の燃焼圧の変化を
示し、斜線部分においてノックが発生し易い。図4
(c)は、各運転モードにおける#1〜#4気筒の燃料
噴射タイミングの一例を示し、実線は、第1運転モード
(吸気行程噴射モード)を、1点鎖線は、第2運転モー
ド(圧縮行程噴射モード)を示している。図4(d)
は、ノックセンサの第1運転モードにおける出力信号
を、図4(e)は、ノックセンサの第2運転モードにお
ける出力信号を示す。そして、ノックセンサのサンプリ
ング期間Tは、クランク角信号(SGT)のオフ期間と
される。更に、エンジン振動(バルブ開閉、ピストン上
下)がノイズとなるため、確実にノック検出を行うため
にはノックサンプリング期間Tを短く、ノック発生期間
のみとすることが好ましい。
【0008】ノック制御は、図5(第1運転モード時)
に示すように各サンプリング期間Tにおけるノックセン
サの出力信号のピーク値をホールドしてBGLとし、ノ
ックセンサの出力信号がこのBGLを超えたときにノッ
クが発生したものと判定し、点火装置の遅角制御を行
い、点火時期を遅らせてノッキングの発生を防止する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記第
1運転モードと第2運転モードとを運転状態に応じて切
り換える筒内噴射型内燃機関においては、第1運転モー
ドと第2運転モードとでは、インジェクタノイズの影響
により、ノックセンサのノイズレベルが第1運転モード
の方が大きく、第2運転モードとは全く異なる。
【0010】即ち、図4に示すようにノックセンサのサ
ンプリング期間Tの間に、第1運転モードでは#1〜#
4気筒の何れかの気筒の燃料噴射弁が作動(実線で示
す)しており、第2運転モードでは何れの気筒の燃料噴
射弁(1点鎖線で示す)も作動していない。このため、
ノックセンサのノイズレベルは、第1運転モードではイ
ンジェクタノイズの影響により大きく、第2運転モード
ではインジェクタノイズの影響を受けること無く第1運
転モード時に比べて遥かに小さい。
【0011】このため、図6に示すようにエンジンが、
第2運転モードから第1運転モードに切り替わる際、B
GLを運転モード切替時に演算開始したのでは、ノック
センサのノイズレベルが瞬時に切り換わったのに対し第
2運転モードにおけるBGLのレベルが第1運転モード
におけるBGLのレベルまで達しないため、第1運転モ
ードにけるノックセンサの出力がBGLを超えてしま
い、第2運転モードのBGLが第1運転モードのBGL
のレベルに達するまでの遅れ期間aをノック発生と誤判
定してしまう。このため実際にはノックが発生していな
いにも拘わらず、ノック制御が実行され、エンジンの出
力が低下するという問題がある。
【0012】尚、ノック制御において運転状態に応じて
増幅器のゲインを変える技術が特開平4−134167
号公報に開示されている。しかしながら、この技術は、
ノック検出の信頼性を高めるための技術であり、上述の
問題を解決するものではない。本発明は、上述の点に鑑
みてなされたもので、主に吸気行程中に燃料を噴射し予
混合燃焼を行う第1運転モードと、主に圧縮行程中に燃
料を噴射し層状燃焼を行う第2運転モードとを有し、第
1運転モードと第2運転モードとを運転状態に応じて切
り換える筒内噴射型内燃機関のノック制御装置におい
て、第2運転モードから第1運転モードに移行するとき
にインジェクタノイズに起因するノックセンサの誤検出
を防止し、エンジン出力の低下を防止するようにした筒
内噴射型内燃機関のノック制御装置を提供することを目
的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明によれば、主に吸気行程中に燃料を噴射し予混
合燃焼を行う第1運転モードと、主に圧縮行程中に燃料
を噴射し層状燃焼を行う第2運転モードとを有し、前記
第1運転モードと第2運転モードとを運転状態に応じて
切り換える筒内噴射型内燃機関のノック制御装置におい
て、前記内燃機関の振動を検出するノックセンサと、前
記ノックセンサの出力信号に基づきノック発生状態を代
表するノック制御用信号を生成するノック信号生成手段
と、前記ノックセンサの出力又はノック制御用信号の一
方に基づきノック判定用の比較信号を生成する比較信号
生成手段と、前記内燃機関が前記第2運転モードのとき
に前記比較信号生成手段による前記比較信号の演算を前
記第1運転モードに対して変える比較信号変更手段と、
少なくとも前記第1運転モードのときに前記ノックセン
サの出力又は前記ノック制御用信号の一方と前記比較信
号とを比較し前記内燃機関にノックが発生しているかを
判定するノック判定手段と、前記ノック判定手段の出力
に応じて前記内燃機関のノック発生を抑制するようエン
ジン制御パラメータを制御する制御手段とを備えた構成
としたものである。
【0014】このノック制御装置は、ノックセンサの出
力信号に基づきノック信号生成手段によりノック発生状
態を代表するノック制御用信号を生成し、前記ノックセ
ンサの出力又はノック制御用信号の一方に基づき比較信
号生成手段によりノック判定用の比較信号を生成し、前
記内燃機関が第2運転モードのときに前記比較信号生成
手段による比較信号の演算を比較信号変更手段により前
記第1運転モードに対して変え、第1運転モードのとき
にノックセンサの出力又はノック制御用信号の一方と比
較信号とを比較してノックが発生しているかを判定す
る。そして、ノックが発生しているときには内燃機関の
ノック発生を抑制するよう点火時期等を制御する。
【0015】比較信号変更手段は、好ましくは、第2運
転モードにおける比較信号(BGL)を、第1運転モー
ドの比較信号(平均)近傍に値に固定する、或いは、第
1運転モードの最終ノックセンサ出力に基づいて生成さ
れた比較信号(BGL)の値に固定する、或いは、第2
運転モードにおける比較信号(BGL)に係数(倍数)
を掛けてを補正する。この場合、係数を運転状態に応じ
て可変設定しても良い。或いは、第1運転モード移行時
の初期の比較信号(BGL)を補正して信号レベルを高
くする。これにより第2運転モードから第1運転モード
に移行する際にノック誤検出を防止することができる。
尚、エンジン制御パラメータとしては、点火時期の他、
噴射終了時間、空燃比、圧縮比、過給圧等が考えられ
る。
【0016】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施の態様を実施例
により説明する。図1は、本発明を適用したエンジン制
御システムを示す。図において筒内噴射型内燃機関1
は、例えば、4サイクル火花点火式筒内噴射型直列4気
筒ガソリンエンジン(以下単に「エンジン」という)
で、シリンダヘッド2には、各気筒毎に点火プラグ3と
電磁式の燃料噴射弁4が取り付けられており、燃焼室5
内に直接燃料が噴射されるようになっている。この燃料
噴射弁4は、図示しない燃料噴射装置に接続されてい
る。シリンダ6内のピストン7の頂面には圧縮行程後期
に燃料噴射弁4からの燃料噴霧が(点火時点において)
点火プラグ3近傍に到達するようにキャビティ8が形成
されている。このエンジン1の圧縮比は、吸気管噴射型
のものに比べ、高く設定されている。また、動弁機構と
しては、DOHC4弁式が採用されており、シリンダヘ
ッド2の上部に吸気弁9、排気弁10を駆動するカムシ
ャフトが配置されている。
【0017】シリンダヘッド2の上部には、カムシャフ
トの間を抜けるようにして略直立して吸気ポート11が
形成されており、この吸気ポート11を通過した吸気流
が、燃焼室5内で後述する逆タンブル流を発生させるよ
うになっている。排気ポート12は、通常のエンジンと
同様略水平方向に設けられており、EGRポート13が
分岐している。水温センサ14は、ウォータジャケット
に設けられて冷却水の温度を検出し、クランク角センサ
15は、各気筒の所定のクランク位置でクランク角信号
(SGT)を出力する。ノックセンサ16は、エンジン
本体所定位置に取り付けられており、当該エンジン1の
ノッキングを感知する。尚、ノックセンサ16は、複数
の気筒について1つ、又は各気筒毎に取り付けられる。
点火コイル17は、点火プラグ3に接続されて当該点火
プラグ3に高電圧を出力する。尚、カムシャフトには、
気筒判別信号を出力する気筒判別センサ(図示せず)が
取り付けられており、クランク角信号(SGT)がどの
気筒のものか判別される。
【0018】吸気ポート11には、サージタンク20を
有する吸気マニホールド21を介してエアクリーナ2
2、スロットルボディ23、アイドルコントロールバル
ブ24を備えた吸気管25が接続されている。吸気管2
5にはスロットルボディ23を迂回して吸気マニホール
ド21に吸入空気を導入するエアバイパスパイプ26が
併設され、その途中にエアバイパスバルブ(ABV)2
7が設けられている。スロットルボディ23にはスロッ
トルバルブ28、当該スロットルバルブ28の開度θTH
を検出するスロットルポジションセンサ29、スロット
ルバルブ28の全閉状態を検出するアイドルスイッチ3
0が設けられている。また、サージタンク20には吸気
管圧力Pbを検出するブースト圧センサ31が設けられ
ている。
【0019】排気ポート12には、O2センサ40が取
り付けられた排気マニホールド41を介して、三元触媒
42、マフラ(図示せず)等を備えた排気管43が接続
されている。EGRポート13は、EGRパイプ44を
介して吸気マニホールド21の上流に接続されており、
その途中にEGRバルブ45が設けられている。電子制
御装置(以下「ECU」という)50は、入出力装置
(図示せず)、制御プログラムや制御マップ等を格納し
ている記憶装置(ROM、RAM等)、中央処理装置
(CPU)、タイマカウンタ等を備え、エンジン1の総
合的な制御を行う。ECU50の入力側には、前述した
各種センサ等からの情報が入力される。ECU50は、
これらの情報に基づき、燃料噴射モードや燃料噴射量を
始めとして、点火時期やEGRガスの導入量等を決定
し、燃料噴射弁4や点火コイル17、EGRバルブ45
等を駆動制御する。尚、ECU50には、上記センサ類
の他、入力側に多数のスイッチやセンサ類が接続され、
出力側に各種の警告灯や機器類(何れも図示せず)が接
続される。
【0020】次に、ノック制御装置について説明する。
このノック制御装置は図2に示すように、共振型ノック
センサ16の出力信号に基づいてノック発生状態を代表
するノック制御用信号を生成するノック信号生成回路1
00、ノックセンサ16の出力信号又はノック制御用信
号の一方に基づいてノック判定用の比較信号を生成する
比較信号生成回路101、エンジン1が第2運転モード
(圧縮行程噴射モード)のときに前記比較信号生成回路
101による比較信号の演算を、第1運転モード(吸気
行程噴射モード)に対して変える比較信号変更回路10
2、第1運転モードのときにノックセンサ16の出力信
号又はノック制御用信号の一方と比較信号とを比較して
エンジン1にノックが発生しているか否かを判定するノ
ック判定回路(比較回路)103、このノック判定回路
103の出力信号に応じてエンジン1のノック発生を抑
制するように点火時期を制御する点火時期制御回路10
4等により構成されている。このうち、比較信号生成回
路101、比較信号変更回路102、ノック判定回路1
03、点火時期制御回路104は、ECU50内でプロ
グラム処理によりその機能が果たされるようになってい
る。
【0021】比較信号変更回路102は、第2運転モー
ドの比較信号(BGL)を、ECU50内で演算された
第1運転モードでのBGL(比較信号)の平均値を読み
出してその値に固定してもよく、或いは、第1運転モー
ドでのBGLに近い値をECU50内で予め記憶させて
おき、第2運転モードではその値を読み出して第2運転
モードの比較信号として固定しもよく、或いは、第2運
転モード移行直前のBGL値を保持してもよい。更に、
第2運転モードのBGL(比較信号(平均))に係数
(倍数)を掛けて第1運転モードでのBGLと略同じ程
度に補正しもよい。この場合、補正の程度(係数値)を
エンジンの運転状態によって変更するようにしてもよ
い。更に、第1運転モード移行時の初期の比較信号(初
期)を、補正して高くしても良い。この場合比較信号
は、エンジンの回転数−負荷マップにより補正するよう
にしてもよい。これにより第2運転モードから第1運転
モードへの移行時に比較信号も運転モードに対応したレ
ベルに切り換えることができ、ノックを誤検出せず確実
にノック制御を行うことが可能となる。
【0022】次に、エンジン制御の基本的な流れを説明
する。イグニッションキーがスタート操作されると、エ
ンジン1がクランキングされ、同時にECU50による
燃料噴射制御が開始される。この時点では、ECU50
は、第1運転モード(吸気行程噴射モード)を選択し、
比較的リッチな空燃比となるように燃料を噴射する。こ
れは、始動時、特に冷機時には燃料の気化率が低く、第
2運転モード(圧縮行程噴射モード)で噴射を行った場
合、失火や未燃燃料(HC)の排出が避けられないため
である。ECU50は、始動時にはエアバイパスバルブ
27を閉弁するため、燃焼室5への吸入空気は、スロッ
トルバルブ28の隙間や、アイドルコントロールバルブ
24から供給される。尚、アイドルコントロールバルブ
24とエアバイパスバルブ27は、ECU50によりス
ロットルバルブ28を迂回する吸入空気(バイパスエ
ア)の必要導入量に応じて夫々の開弁量が制御される。
【0023】ECU50は、エンジン1の暖機が終了す
ると、吸気管圧力Pbや、スロットル開度θTHから得た
目標平均有効圧Peとエンジン回転数Neとに基づいて燃
料噴射制御マップから現在の燃料噴射制御領域を検索
し、燃料噴射モードと燃料噴射量と燃料噴射時期とを決
定して、燃料噴射弁4を駆動する。また、ECU50
は、O2センサ40が活性化されると、当該O2センサ4
0の出力電圧に応じて空燃比フィードバック制御を開始
し、有害排出ガス成分を三元触媒42により浄化させ
る。ECU50は、エアバイパスバルブ27やEGRバ
ルブ45の開閉制御も行う。
【0024】ECU50は、アイドル運転時や低速走行
時等の低負荷域では、第2運転モード(圧縮行程噴射モ
ード)を選択すると共にエアバイパスバルブ27を開弁
し、リーンな平均空燃比(30〜40程度)となるよう
に燃料を噴射させる。この時点では、燃料の気化率が上
昇すると共に吸気ポート11から流入した吸入空気流が
逆タンブル流を形成するため、燃料噴霧がピストン7の
キャビティ8内に保存される。この結果、点火時点にお
いて点火プラグ3の周囲には理論空燃比近傍の混合気が
層状に形成され、全体としてリーンな空燃比でも着火が
可能となる。これによりCOやHCの排出量が少量に抑
えられると共に燃費が向上する。また、ECU50は、
この制御領域ではEGRバルブ45を開弁して燃焼室5
内にEGRガスを導入し、NOxを低減させる。
【0025】ECU50は、定速走行時等の中負荷域
は、その負荷状態やエンジン回転速度Neに応じて、第
1運転モード(吸気行程噴射モード)を選択すると共に
所定の空燃比となるように燃料噴射量を制御する。即
ち、比較的リーンな空燃比(20〜23程度)となるよ
うにエアバイパスバルブ27の開弁量と燃料噴射量とを
制御する。このとき、吸気ポート11から流入した吸入
空気流が逆タンブル流を形成するため、当該逆タンブル
流による乱れの効果により、リーンな空燃比でも着火が
可能となる。ストイキオフィードバック域では、エアバ
イパスバルブ27とEGRバルブ45とを開閉制御する
と共に、O2センサ40の出力に応じて空燃比フィード
バック制御を行う。
【0026】急加速時や高速走行時等の高負荷域では、
ECU50は、第1運転モード(吸気行程噴射モード)
を選択すると共に、エアバイパスバルブ27を閉弁し、
スロットル開度θTHやエンジン回転数Ne等に応じて、
比較的リッチな空燃比となるように燃料噴射量を制御す
る。このときには圧縮比が高いことや吸入空気流が逆タ
ンブル流を形成することの他、吸気ポート11が燃焼室
5に対し略直立しているために慣性過給効果によっても
高い出力が得られる。
【0027】次に、ノック制御について説明する。図2
において、ECU50は、ノックセンサ16の出力信号
に基づいてノック信号生成回路100によりノック発生
状態を代表するノック制御用信号を生成する。このノッ
ク制御用信号は、ノック発生状態を検出するための信号
で、ノックセンサ16の出力信号を加工して(例えば、
非共振型ノックセンサの場合はバンドパスフィルタを通
し、或いは共振型ノックセンサの場合はピークホールド
して)生成する。ECU50は、前記ノックセンサ16
の出力信号又は、前記ノック制御用信号の一方に基づい
て比較信号生成回路101によりノック判定用の比較信
号(BGL)を生成する。
【0028】そして、ECU50は、比較信号変更回路
102によりエンジン1が第2運転モードのときに比較
信号生成回路101による比較信号(BGL)の演算を
行う。この演算は、第1運転モードに対して加工の仕方
を変える。例えば、第2運転モードにおける比較信号
(BGL)のレベルを、当該第2運転モードにおけるB
GLよりも高いレベルの第1運転モードにおける比較信
号(BGL)(平均)近傍の値に固定する。尚、この第
2運転モードにおける比較信号(BGL)のレベルとし
ては、前述したように、第1運転モードから第2運転モ
ードに移行した際の第1運転モードの最終のノックセン
サ16の出力信号に基づいて生成した比較信号に固定し
てもよく、或いは、第2運転モードの比較信号に係数
(倍数)を掛けて補正しても良い(尚、この倍数は、エ
ンジン1の運転状態に応じて変更しても良い)。或い
は、第1運転モード移行時の初期の比較信号を補正して
高くしてもよい。これにより、第2運転モードから第1
運転モードに移行する際に、ノックセンサ出力信号のノ
イズレベルの急激な変化に起因するノック誤検出を防止
することができる。
【0029】ECU50は、ノック判定回路103によ
り第1運転モードのときに前記比較信号生成回路101
から出力される比較信号とノックセンサ16の出力信号
又はノック制御用信号とを比較し、ノックセンサ16の
出力信号又はノック制御用信号が前記比較信号を超えた
ときにノックが発生したと判定して信号を出力する。点
火時期制御回路104は、このノック判定回路103か
らの信号によりノック発生を抑制するように点火装置を
制御して点火時期を遅らせる。
【0030】次に、図3に示すフローチャートによりノ
ック制御を説明する。ECU50は、エンジン1の現在
の負荷Pe、回転数Neを読み込み(ステップS1)、当
該エンジン1が第2運転モードであるか否かを判定し
(ステップS2)、第2運転モードのときには、ノック
制御を禁止し(ステップS3)、比較信号(BGL)の
レベルを所定値(固定値)に設定して(ステップS
4)、当該制御を終了する。第2運転モードにおいて
は、ノックが出にくいことを考慮してノック制御を行わ
ない。これにより、ノック制御の簡素化を図ることがで
きる。尚、ステップS4において、BGLの所定値は、
エンジンの運転状態に応じて変えてもよい。また、所定
値は、第1運転モードにおける比較信号(BGL)の最
終値でもよい。
【0031】尚、第2運転モードにおいてノック制御を
行う場合には、比較信号(BGL)として当該第2運転
モードにおけるノックセンサ16の出力信号により生成
される比較信号(BGL)をマスキングして使用せず、
前記所定値(第1運転モードにおける比較信号(BG
L)(平均)近傍の値、第1運転モードの最終のノック
センサ16の出力信号に基づいて生成した比較信号等)
を使用することが好ましい。
【0032】ECU50は、ステップS2において、エ
ンジン1が第1運転モードにあると判定されたときノッ
クセンサ16の出力信号に基づいて比較信号(BGL)
を算出し(ステップS5)、ノックセンサ16の出力信
号レベル(K)が前記算出した比較信号(BGL)のレ
ベル(K0)よりも大きいか否かを判定する(ステップ
S6)。特に、第2運転モードから第1運転モードに移
行した場合であっても第2運転モードでの比較信号が第
1運転モードでの比較信号近傍の値にしているため、ス
テップS6でのノック判定が正確なものとなる。ECU
50は、ノックセンサ16の出力信号レベル(K)が比
較信号のレベル(K0)よりも大きいときには、ノック
が発生したものと判定し、点火時期をリタードして(ス
テップS7)当該制御を終了し、ノックセンサ16の出
力信号レベル(K)が比較信号のレベル(K0)よりも
小さいときには、ノックが発生していないものと判定し
て点火時期を徐々に進角させる(ステップS8)。
【0033】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、第
1運転モードと第2運転モードとを運転状態によって切
り換える筒内噴射型内燃機関において、運転モードによ
ってインジェクタノイズの影響度合いが異なることによ
るノック誤検出を防止することができ、ノック誤検出に
伴う点火時期のリタードに起因するエンジンの出力低下
を確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るノック制御装置を適用した筒内噴
射型内勤機関のシステム構成の概要を示す図である。
【図2】本発明のノック制御装置を示すブロック図であ
る。
【図3】本発明のノック制御装置の作動手順を説明する
フローチャートである。
【図4】筒内噴射型内燃機関の燃料噴射制御とノックセ
ンサ出力信号を示すタイムチャートである。
【図5】図4のタイムチャートに示す内燃機関の第1運
転モードにおけるノックセンサ出力信号とBGLとの関
係を示す説明図である。
【図6】図4のタイムチャートに示す内燃機関の第2運
転モードから第1運転モードに移行した際のノックセン
サの出力信号及びBGLの変化を示す説明図である。
【符号の説明】
1 エンジン(筒内噴射型内燃機関) 2 シリンダヘッド 3 点火プラグ 4 燃料噴射弁 5 燃焼室 15 クランク角センサ 16 ノックセンサ 50 ECU 100 ノック信号生成回路 101 比較信号生成回路 102 比較信号変更回路 103 ノック判定回路(比較回路) 104 点火時期制御回路

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主に吸気行程中に燃料を噴射し予混合燃
    焼を行う第1運転モードと、主に圧縮行程中に燃料を噴
    射し層状燃焼を行う第2運転モードとを有し、前記第1
    運転モードと第2運転モードとを運転状態に応じて切り
    換える筒内噴射型内燃機関のノック制御装置において、 前記内燃機関の振動を検出するノックセンサと、 前記ノックセンサの出力信号に基づきノック発生状態を
    代表するノック制御用信号を生成するノック信号生成手
    段と、 前記ノックセンサの出力又はノック制御用信号の一方に
    基づきノック判定用の比較信号を生成する比較信号生成
    手段と、 前記内燃機関が前記第2運転モードのときに前記比較信
    号生成手段による前記比較信号の演算を前記第1運転モ
    ードに対して変える比較信号変更手段と、 少なくとも前記第1運転モードのときに前記ノックセン
    サの出力又は前記ノック制御用信号の一方と前記比較信
    号とを比較し前記内燃機関にノックが発生しているかを
    判定するノック判定手段と、 前記ノック判定手段の出力に応じて前記内燃機関のノッ
    ク発生を抑制するようエンジン制御パラメータを制御す
    る制御手段とを備えたことを特徴とする筒内噴射型内燃
    機関のノック制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2004257304A (ja) * 2003-02-26 2004-09-16 Toyota Motor Corp バイフューエルエンジンおよびその制御方法
JP2007092610A (ja) * 2005-09-28 2007-04-12 Toyota Motor Corp 可変圧縮比内燃機関
JP2021161968A (ja) * 2020-03-31 2021-10-11 本田技研工業株式会社 内燃機関の制御装置
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