JPH1060322A - 静電塗装用低抵抗塗料組成物 - Google Patents

静電塗装用低抵抗塗料組成物

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JPH1060322A
JPH1060322A JP23856496A JP23856496A JPH1060322A JP H1060322 A JPH1060322 A JP H1060322A JP 23856496 A JP23856496 A JP 23856496A JP 23856496 A JP23856496 A JP 23856496A JP H1060322 A JPH1060322 A JP H1060322A
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JP
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paint
coating
resistance
electrostatic
resin
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JP23856496A
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Tonoo Ina
外之郎 井奈
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T B L KK
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T B L KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 静電塗装における、塗着効率、被塗装物の接
触によるスパーク等の問題を解決することが出来、さら
に、塗膜性能を低下することなく、抵抗値を低い範囲内
に任意に調整することができる静電塗装用低抵抗塗料組
成物の提供を図らんとする。 【解決手段】 静電塗装用塗料の塗料中の固形分(顔料
と樹脂を含む塗膜形成分)100重量部に対して、0.
001〜5.0重量部のアルカリ金属塩(特に、塩過塩
素酸リチュウムまたはチオシアン酸ナトリウムの金属
塩)を含有する静電塗料用低抵抗塗料組成物を提供す
る。このアルカリ金属塩は、高分子電解質溶液として配
合し、さらに、界面活性剤の帯電防止剤と併用すること
が望ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本願発明は、静電塗装用低抵抗塗
料組成物に関するものである。さらに詳しくは、塗膜性
能を低下することなく、静電塗装における塗着効率を良
くするためと、静電気の帯電でスパークによる火災防止
の対策が出来る静電塗装用低抵抗塗料組成物に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】現行の塗料を、静電塗装をすると、下記
に列挙する問題が発生する。 (1)塗着効率が悪い。 (2)凹凸面に対して、均一に塗装が出来ない。 (3)ウエット塗膜が、負に帯電するため、被塗装物ど
うしの接触によりスパークする(火災になる)。 (4)静電気塗装機のノズルから塗料漏れする。 (5)ウエット塗膜が、負に帯電するため、アルミニウ
ム,マイカーがあたかも、花が咲いたように配行した、
花咲模様の不具合が発生する。 上記の(1)(3)の問題に対する対策、即ち、静電塗
装における塗着効率を良くするための対策と、静電気の
帯電でスパークによる火災防止のための対策として、従
来の静電用塗料の抵抗値を更に低くするために、界面活
性剤の帯電防止剤を用いることが考えられる。ところが
この場合、界面活性剤の帯電防止剤単独であれば添加量
に制限があり、添加量を多くすれば塗膜性能(耐温水
性、耐湿性、等)が低下するという、致命的な問題を有
するものである。そのため、界面活性剤の帯電防止剤に
関して、種々の対策が講じられているものの、充分な成
果が上がっていない。また、塗膜性能の問題を除外した
としても、(2)(4)(5)の問題は、界面活性剤の
帯電防止剤では充分に解決し得ていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このような欠点がある
ため、上記塗膜形成であっては、商品価値がまだ充分と
はいえず、この静電塗装時の問題点を解決するに至って
いない。そこで、本願発明は、静電塗装における、塗着
効率、被塗装物の接触によるスパーク等の問題を解決す
ることが出来、さらに、塗膜性能を低下することなく、
抵抗値を低い範囲内に任意に調整することができる静電
塗装用低抵抗塗料組成物の提供を図らんとするものであ
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】本願発明者らは、以上の
如き現状を鑑みて、前記欠点を解消すべく、鋭意、研究
の結果、静電塗装用塗料の塗膜性能を低下することな
く、低い抵抗値(具体的には0.1〜50.0MΩ.c
m)塗料抵抗値を調整するには、アルカリ金属塩(特
に、過塩素酸リチュウム又はチオシアン酸ナトリウムの
金属塩)を含有することで、静電塗装に於いて問題がな
く、塗着効率も高く(良く)適切であることを見い出し
た。アルカリ金属塩(特に、過塩素酸リチュウム又はチ
オシアン酸ナトリウムの金属塩)は、高分子電解質溶液
として配合することが望ましく、その配合量は、塗料中
の固形分(顔料と樹脂を含む塗膜形成分)100重量部
に対して、0.001〜2.5重量部のアルカリ金属塩
を含有するものとする。このアルカリ金属塩(特に、過
塩素酸リチュウム又はチオシアン酸ナトリウムの金属
塩)は、界面活性剤(第4級アンモニウム塩等)の帯電
防止剤と共に配合することが可能であり、これにより、
静電塗装における、塗着効率、被塗装物の接触によるス
パーク等の問題を解決することが出来、さらに、塗膜性
能を低下することなく、0.1〜50.0MΩ.cmの範
囲で任意に調整出来ることを見い出し、本願発明に至っ
たものである。
【0005】特に、本願発明は、単に静電用塗料の抵抗
値(MΩ.cm)の調整のみでなく、被塗装物に塗着した
ウエット塗料に於いての抵抗値(MΩ.cm)が低く持続
出来ることが特徴であり、ウエットオンウエット(we
t on wet)の静電塗装に適切である。また、
(1)ウエットの塗膜表面から、負に帯電した電荷が速
やかに漏洩することから、塗着効率が向上する。(2)
一般に、被塗装物の凹凸部に対しては、静電霧化作用に
より生成した微粒子が電解内で電界方向に従うため、凸
部に多量の粒子が塗着して凹部に塗着しにくい性質があ
るが、その性質を緩和することから、凹凸部に均一に塗
装出来る。(3)ウエット塗膜が帯電しないため、被塗
装物同士の接触によりスパークの発生が無い(火災にな
らない)。(4)静電塗装機器のノズルの先端の高電圧
が、ペイントチューブを伝わり電流がアース部にアース
される結果、ペイントチューブ内のアルミニウム等が絶
縁破壊(スパーク)して、その破壊エネルギーにより塗
料が押し出される現象の塗料漏れ等が発生しない。
(5)被塗装物が負に帯電して正にアースされる方向に
塗料中のアルミニウム、マイカ、等の顔料が鱗片状に配
行して、あたかも、花が咲いたような模様に配列する花
咲模様の不具合が発生しない。
【0006】以下、本願発明をさらに詳細に説明する。
本願発明に用いられるアルカリ金属塩としては、チオシ
アン酸塩、過塩素酸塩、硝酸塩等を用いることができ
る。さらに詳しくは、チオシアン酸リチュウム、チオシ
アン酸ナトリウム、チオシアン酸カリウム、過塩素酸リ
チュウム、過塩素酸ナトリウム、過塩素酸カリウム、硝
酸リチュウム、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、塩化リ
チュウム、臭化リチュウム、等を用いることができる
が、抵抗値の降下作用や溶解性の点等から、過塩素酸リ
チュウムまたはチオシアン酸ナトリウムの金属塩が最も
好ましい。
【0007】アルカリ金属塩(過塩素酸リチュウムやチ
オシアン酸ナトリウム等)の配合量としては、塗料中の
固形分(顔料と樹脂を含む塗膜形成分)100重量部に
対して、0.001〜5.0重量部とする。アルカリ金
属塩が、0.001より少ないと、抵抗値を充分に低下
させることができず、また、5.0重量部より多いと、
静電用塗料としては必要以上に抵抗値が下がることとな
る。尚、このアルカリ金属塩(過塩素酸リチュウムやチ
オシアン酸ナトリウム等)は、界面活性剤(第4級アン
モニウム塩等)の帯電防止剤と共に配合することが可能
であり、両者を併用する場合、アルカリ金属塩が2.5
重量部以下とすることがコストの点から好ましい。即
ち、界面活性剤(第4級アンモニウム塩等)は、コスト
の点からは有利であるが、前述のとおり、添加量を多く
すれば塗膜性能(耐温水性、耐湿性、等)が低下すると
いう、弊害が生ずるものである。そのため、弊害が生じ
ない範囲で界面活性剤(第4級アンモニウム塩等)を使
用して抵抗値を下げ、さらに、アルカリ金属塩(過塩素
酸リチュウムやチオシアン酸ナトリウム等)を加えるこ
とによって、目的の抵抗値を得ることが、最も好ましい
と言える。
【0008】このアルカリ金属塩(過塩素酸リチュウム
やチオシアン酸ナトリウム等)は固体として配合しても
よいが、電解質溶液として配合する方が、均一な配合が
得られる点で好ましい。電解質溶液は、過塩素酸リチュ
ウム又はチオシアン酸ナトリウム等のオリゴマーに溶媒
和可能なアルカリ金属塩を、イオン交換水又は、ケトン
系、アルコール系有機溶剤で溶解させることによって得
られる。その濃度はアルカリ金属塩(過塩素酸リチュウ
ムやチオシアン酸ナトリウム等)が完全に溶解している
ことを条件に適宜変更することができる。
【0009】さらに、アルカリ金属塩(過塩素酸リチュ
ウムやチオシアン酸ナトリウム等)は、上記のように、
固体又は電解質溶液として添加してもよいが、アルカリ
金属塩(過塩素酸リチュウムやチオシアン酸ナトリウム
等)と樹脂組成物(高分子溶液)と予め配位結合させた
高分子電解質溶液として配合する方が、爆発の危険性が
少なく安全性の高い塗料組成物を得られる点で有利であ
る。
【0010】樹脂組成物(高分子溶液)は、アルカリ金
属塩(過塩素酸リチュウムやチオシアン酸ナトリウム
等)と配位結合し得るものであればよいが、下記のもの
が好ましい。即ち、ポリエチレングリコールもしくはこ
れらの誘導体、(メタ)アクリレート、ポリエチレング
リコールもしくはこれらの誘導体の少なくとも1種と
(メタ)アクリレートの少なくとも1種との共重合体、
等を挙げることができる。
【0011】ポリエチレングリコールもしくはこれらの
誘導体の具体例としては、ポリエチレングリコール、ポ
リプロピレングリコール、ポリエチレングリコール・モ
ノメチルエーテル、ポリエチレングリコール・モノエチ
ルエーテル、ポリプロピレングリコール・モノメチルエ
ーテル、ポリプロピレングリコール・モノエチルエーテ
ル、ポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)グリコ
ール、ポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)グリ
コール・モノメチルエーテル ポリプロピレングリコール・モノ・2−エチルヘキシル
エーテル、ポリエチレングリコールモノフェニルエーテ
ル、の如き各種を挙げることができる。
【0012】(メタ)アクリレートの具体例としては、
メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレ
ート、nプロピル(メタ)アクリレート、iプロピル
(メタ)アクリレート、nブチル(メタ)アクリレー
ト、iブチール(メタ)アクリレート、tert−ブチル
(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)ア
クリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、シクロヘ
キシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリ
レート、ジプロモプロピル(メタ)アクリレート、トリ
プロモフェニール(メタ)アクリレート、アセトアセト
シキエチル(メタ)アクリレート、水酸基含有モノマ
ー、アクリル酸モノマー、の如き各種を挙げることがで
きる。
【0013】上記の水酸基含有モノマーを例示すれば、
(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、(メタ)
アクリル酸−2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリ
ル酸−2−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸1−
メチル−2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸−
3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸−4−ヒ
ドロキシブチル、カプロラクトン変性(メタ)アクリレ
ート、の如き各種を挙げることができる。
【0014】上記のアクリル酸モノマーを例示すれば、
(メタ)アクリル酸、マレイン酸、の如き各種を挙げる
ことができる。
【0015】次に、上記のアルカリ金属塩に加えて、帯
電防止剤効果のある界面活性剤等、他の帯電防止効果の
ある物質を配合してもよい。この界面活性剤の帯電防止
剤としては、第4級アンモニウム塩や第3級アンモニウ
ム塩を挙げることができるが、帯電防止の効果の点から
は第4級アンモニウム塩が最も望ましい。
【0016】この界面活性剤として、第4級アンモニウ
ム塩を用いた場合、塗料中の固形分(顔料と樹脂を含む
塗膜形成分)100重量部に対して、0.01〜3.0
0重量部とする。最も好ましくは、塗料流の固形分10
0重量部に対して0.01〜0.5重量部であり、0.
5重量部より多くなれば、塗膜性能の耐水性、体温水
性、耐湿性等が低下し、3.00を越えると極端に低下
する。
【0017】第4級アンモニウム塩の具体例としては、
アルキルトリメチルアンモニウム塩、ジアルキルジメチ
ルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニ
ウム塩、アルキルピリジニウム塩、アルキルモーホリニ
ウム塩、アルキルイミダゾリニウム塩、アミドアンモニ
ウム塩、5,5,7,7,テトラメチル−2−オクテニ
ルメチルアンモニウムクロリド、ポリエチレンイミンの
第4級アンモニウム塩、ベンジル・トリ(ジメチルアミ
ノ)ホスホニウムクロリド、ヘキサデシル・トリ(ジメ
チルアミノ)ホスホニウムクロリド、等を挙げることが
できる。
【0018】第4級アンモニウム塩の一般構造の一例を
下記に示す。この構造式において、Rはオレイン、ステ
アリル、椰子等の脂肪基を示しており、x,yは酸化エ
チレン付加モル数を表す。尚、この構造の第4級アンモ
ニウム塩は、酸化エチレン付加アミンにメチルクロライ
ドを反応させてつくることができる。
【0019】
【化1】
【0020】具体的な製品としては、ライオン・アクゾ
社製の、 エソカード C/12、 エソカード O/12、 エソカード 18/12、 エソカード C/25、 エソカード O/25、 エソカード 18/25、 等が挙げられる。
【0021】本願発明は、−30〜−120KVの印加
電圧で樹脂基材に塗装される静電塗装用塗料に特に適応
するものであり、上記のアルカリ金属塩及び界面活性剤
の帯電防止剤の配合量を調整することによって、塗料の
塗料抵抗値を、0.1〜50.0MΩ.cmの低抵抗に調
整することができる。塗料の種類としては、(A)塩素
化ポリオレフィン系樹脂塗料、(B)塩素化ポリオレフ
ィン系樹脂とアクリルとのグラフト重合体塗料、(C)
アクリルメラミン系樹脂塗料、(D)ポリエステルメラ
ミン系樹脂塗料、(E)アルキッドメラミン系樹脂塗
料、(F)酸、エポキシ架橋系樹脂塗料、(G)シロキ
サン結合系樹脂塗料、(H)前記(B)乃至(G)の何
れかの塗料中に、マイカー顔料、アルミニウム顔料、着
色顔料、カプロラクトン基、エポキシ基の何れかを含む
塗料等、種々変更して実施し得る。
【0022】本願発明の塗料は、合成樹脂や金属に対す
る静電塗装用塗料として用いられ、より具体的には、ポ
リオレフィン系やポリウレタン系成形樹脂基材の自動車
用のバンパー(Bumper)やフェーシーア(Fac
er)の塗装に用いることができる。また、従来の技術
で指摘した花咲模様の不具合の発生は、金属基材に対し
てアルミニウムやマイカーを含有したメタリック系の塗
料を用いた場合に多く発生するため、本願発明に係る塗
料は、このような条件で使用する際に優位性が顕著に現
れる。
【0023】
【実施例】以下、本願発明の実施例を比較例と共に説明
する。まず、実施例に用いる2種の高分子電解質溶液
(a)(b)を製造した。高分子電解質溶液(a)を、
下記の高分子溶液(第1成分)と下記の電解質溶液(第
2成分)とから製造し、高分子電解質溶液(b)を、下
記の高分子溶液(第1成分)下記の電解質溶液(第3成
分)とから製造した。
【0024】高分子溶液(第1成分) 高分子溶液(第1成分)の製造は次のように行った。ま
ず、ポリエチレングリコール61.35重量部と、イソ
ホロンジイソシアネート22.97重量部と、を混合し
50℃以上(90℃を越えない)で1時間攪拌した後、
30℃に冷却した。これに、ベンゾキノン0.05重量
部と、メチルエチルケトン25.00重量部と、ジブチ
ルチンジラウレート1.00重量部と、メタアクリレー
ト13.63重量部と、を添加し、70℃以上(90℃
を越えない)で1時間攪拌し、これに、ジブチルチンジ
ラウレート1.00重量部を添加し70℃で3時間攪拌
し、高分子溶液(第1成分)125.00重量部を得
た。
【0025】電解質溶液(第2成分) 電解質溶液(第2成分)は、過塩素酸リチュウムをイオ
ン交換水で完全に溶解させた。濃度は過塩素酸リチュウ
ム分として25%溶液とした。
【0026】電解質溶液(第3成分) 電解質溶液(第3成分)は、チオシアン酸ナトリウムを
イオン交換水で完全に溶解させた。濃度はチオシアン酸
ナトリウム分として25%溶液とした。
【0027】高分子電解質溶液(a)の製造 上記の高分子溶液(第1成分)と上記の電解質溶液(第
2成分)とから、高分子電解質溶液(a)を製造した。
即ち、高分子溶液(第1成分)100.00重量部に、
電解質溶液(第2成液)20.00重量部を、攪拌しな
がら少量づつ添加して加え、高分子電解質溶液(a)1
20.00重量部を得た。
【0028】高分子電解質溶液(b)の製造 上記の高分子溶液(第1成分)と上記の電解質溶液(第
3成分)とから、高分子電解質溶液(b)を製造した。
即ち、高分子溶液(第1成分)100.00重量部に、
電解質溶液(第3成液)20.00重量部を、攪拌しな
がら少量づつ添加して加え、高分子電解質溶液(b)1
20.00重量部を得た。
【0029】実施例及び比較例の塗料の製造 表1に示す配合にて、実施例1乃至4、比較例1乃至3
の塗料を製造した。各塗料は、静電塗装用塗料で、塩素
化ポリオレフィン系樹脂とアクリル樹脂とのグラフト重
合体を主成分とするプライマーレス塗装用のベース塗料
であり、静電塗装によって、基材(超高剛ポリプロピレ
ン)に塗装する。これにウエットオンウエット(wet
on wet)で表2に示すアクリルメラミン樹脂を
主成分とする塗料(プライマーレス塗装用のトップクリ
ヤー塗料)を静電塗装によって塗装した後、焼付けを行
って塗膜形成を行うものである。
【0030】
【表1】
【0031】
【表2】
【0032】このベース塗料は、実施例1では高分子電
解質溶液(a)を、実施例2では高分子電解質溶液
(b)を、実施例3では高分子電解質溶液(a)と界面
活性剤とを、実施例4では高分子電解質溶液(b)と界
面活性剤とを、夫々、配合したものである。また、比較
例1は高分子電解質溶液(a)、高分子電解質溶液
(b)、界面活性剤の何れをも配合しておらず、比較例
2及び比較例3は界面活性剤のみを配合したものであ
る。各例の界面活性剤は、ライオン・アクゾ社製の「エ
ソカードC/12」を用いた。
【0033】トップクリヤー塗料は各実施例及び比較例
とも同一としたものである。尚、抵抗値が調整されてい
るベース塗料に、ウエットオンウエット(wet on
wet)で塗装するため、トップクリヤー塗料での抵
抗値の調整は不要となる。
【0034】塗膜の形成 各実施例及び比較例の塗料を静電塗装によって塗装し塗
膜を形成した。まず、水系洗浄により充分な密着性を確
保した表面物性が安定である超高剛ポリプロピレンを基
材とし、これに表1のシルバーベース塗料を静電塗装
(印加電圧−60KV)によって膜厚15μで塗装し
た。次いで、ウエットオンウエット(weton we
t)で表2のトップクリヤー塗料を静電塗装(印加電圧
−60KV)によって膜厚30μで塗装した。そして、
120°Cで30分焼付けを行い塗膜形成を完了した。
【0035】塗料溶液及び希釈塗料の抵抗値の測定 表1のシルバーベース塗料の塗料溶液及び希釈塗料の塗
料抵抗値を測定し、その結果を、表3及び表4に示す。
測定方法は、塗料溶液及び希釈塗料の抵抗値の測定は、
1mm×1mmの銅板2枚を、正確に1mm間隔を保ち
固定する。そして、この2枚の銅板間の抵抗を、横川電
気製(2407デジタル絶縁抵抗計)にて測定した。
【0036】塗装後の抵抗値の測定 被塗装物に塗着したウエット塗膜(表1のシルバーベー
ス塗料の塗装完了後、表2のトップクリヤー塗料の塗装
前)の塗料抵抗値を測定し、その結果を、表3及び表4
に示す。測定方法は、まず、プリント基盤(紙フェノー
ル製)の銅泊(70μ)の表面を、専用のレタリングテ
ープで、10mm×100mmを2本、10mmの間隔
を保ち正確にマスキングする。その後、25〜40℃に
保たれた、塩化第2鉄溶液に5〜20分間攪拌しながら
浸漬する、マスキング以外の銅泊が除去されているか確
認して水洗いする。充分に乾燥した後に、表1のシルバ
ーベース塗料を塗装し、ウエット塗膜の塗料抵抗値を、
正確に10mmの間隔に保たれた、10mm×100m
mの銅板間の抵抗を、横川電気製(2407デジタル絶
縁抵抗計)にて規定の時間毎に塗料抵抗値を測定したも
のである。
【0037】
【表3】
【0038】
【表4】
【0039】比較例1では、塗料溶液及び希釈塗料並び
に塗装後の各抵抗値が高く、また、比較例2,3では、
塗料溶液及び希釈塗料の各抵抗値は比較的低いものの、
塗装後の時間の経過に従って、抵抗値が高くなる。これ
に対して、実施例1〜4では、塗料溶液及び希釈塗料の
各抵抗値が低いことは勿論、塗装後、時間が経過しても
抵抗値は低い状態を維持する。特に、ウエットオンウエ
ット(wet on wet)でトップクリヤー塗料を
静電塗装する場合、ベース塗料の塗装後トップクリヤー
塗料の塗装までの約3分間、ベース塗膜の塗装抵抗値が
低いことが望ましく、各実施例における優位性が確認さ
れた。尚、実施例1,2及び比較例1,2では、10〜
60分経過後の抵抗値をも参考に測定し表4に示した
が、実施例3,4及び比較例3では、最も必要な塗装後
3分までの抵抗値を表3に示すに止めた。
【0040】密着性の評価 密着性の評価は、表1のシルバーベース塗料及び表2の
トップクリヤー塗料の塗装及び焼付け完了に対して行っ
たもので、基材上の塗膜を貫通して、基材の生地面に到
達するまで、2mmの碁盤目100個(10×10)カ
ッターナイフで切りつけ、セロハン粘着テープ(JIS
Z1522)を碁盤目の上に密着させ、上方に一気に引
きはがし、その剥離個数により、密着性を評価した。表
3にその結果を示したように、各実施例及び比較例と
も、何れも良好であった。
【0041】耐温水性の評価 耐温水性の評価は、表1のシルバーベース塗料及び表2
のトップクリヤー塗料の塗装及び焼付け完了に対して行
ったもので、40°Cに保持した純水に、240時間浸
漬した後、室温で24時間放置後、上記の2mmの碁盤
目試験と同様の密着性試験を行った。表3にその結果を
示したように、各実施例及び比較例とも、何れも良好で
あった。但し、外観性を肉眼にて判断したところ、比較
例2においては白化変色が認められた。
【0042】外観性の評価 外観性に関ついては、PGD値に関する限り、何れの例
も良好であった。
【0043】静電塗装性の評価 塗着効率では、各実施例は、比較例1及び比較例3に比
して、塗着効率が飛躍的に改善されている。比較例2で
も塗着効率は改善されているが、この比較例2では、界
面活性剤を多量に用いる結果、上記のように、白化変色
が発生し、塗膜性能(耐温水性)が低下するという、弊
害が生ずるものである。塗料漏れ及び花咲模様の発生に
ついては、比較例1以外は問題がないが、比較例1で
は、塗料漏れ及び花咲模様が発生が若干認められた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09D 151/06 PGX C09D 151/06 PGX 161/28 PHJ 161/28 PHJ PHK PHK 163/00 PJP 163/00 PJP PKC PKC 167/00 PKW 167/00 PKW PLB PLB 167/08 PLJ 167/08 PLJ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 静電塗装用塗料の塗料中の固形分(顔料
    と樹脂を含む塗膜形成分)100重量部に対して、0.
    001〜5.0重量部のアルカリ金属塩を含有すること
    を特徴とする静電塗料用低抵抗塗料組成物。
  2. 【請求項2】 静電塗装用塗料の塗料中の固形分(顔料
    と樹脂を含む塗膜形成分)100重量部に対して、0.
    001〜2.5重量部のアルカリ金属塩を含有する高分
    子電解質溶液と、界面活性剤の帯電防止剤とを含有する
    ことを特徴とする、静電塗料用低抵抗塗料組成物。
  3. 【請求項3】 アルカリ金属塩が過塩素酸リチュウムま
    たはチオシアン酸ナトリウムの金属塩であることを特徴
    とする請求項1又は2記載の静電塗料用低抵抗塗料組成
    物。
  4. 【請求項4】 界面活性剤の帯電防止剤が、第4級アン
    モニウム塩であることを特徴とする請求項1乃至3の何
    れかに記載の静電塗料用低抵抗塗料組成物。
  5. 【請求項5】 上記の静電塗装用塗料が、−30〜−1
    20KVの印加電圧で樹脂基材に塗装される静電塗装用
    塗料であって、(A)塩素化ポリオレフィン系樹脂塗
    料、(B)塩素化ポリオレフィン系樹脂とアクリルとの
    グラフト重合体塗料、(C)アクリルメラミン系樹脂塗
    料、(D)ポリエステルメラミン系樹脂塗料、(E)ア
    ルキッドメラミン系樹脂塗料、(F)酸、エポキシ架橋
    系樹脂塗料、(G)シロキサン結合系樹脂塗料、(H)
    前記(B)〜(G)の塗料中に、マイカー顔料、アルミ
    ニウム顔料、着色顔料、カプロラクトン基、エポキシ基
    の何れかを含む塗料からなる群より選択された1種であ
    り、この塗料の塗料抵抗値が0.1〜50.0MΩ.cm
    の低抵抗に調整されたものであることを特徴とする請求
    項1乃至4の何れかに記載の静電塗装用低抵抗塗料組成
    物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11326408A (ja) * 1998-04-21 1999-11-26 Illinois Tool Works Inc <Itw> 電圧増倍器回路を有する抵抗測定メ―タ
JP2015140382A (ja) * 2014-01-28 2015-08-03 関西ペイント株式会社 静電塗装用塗料組成物

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