JPH106014A - ティグ溶接トーチ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ティグ溶接トーチに新旧タングステン電極の
交換機構を設けることによってタングステン交換動作の
自動化を可能にし無人運転、遠隔運転を行なう。 【解決手段】 ティグ溶接トーチ本体１の後部側に、タ
ングステン電極１２ａが通過出来る貫通穴を有する中空
ロッド８でコレット１１をコレットボディ４に押付けて
タングステン電極１２ａを把持する電極固定機構と、円
柱状回転体の外周側に均等間隔で多数穿設した電極保持
穴１３ａに定尺タングステン電極１３ａを挿設してなる
電極ホルダ１３をモータ１４で回転位置決めさせる電極
割出し機構と、前記電極ホルダ１３から新しいタングス
テン電極１２ａを挿入し、古いタングステン電極１３ｂ
をトーチ先端から排出する電極入替え機構とを具え、前
記各機構を適宜駆動制御しながら前記タングステン電極
を自動交換可能に構成した。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明はタングステン電極を
自動交換可能に構成したティグ溶接トーチに係り、特に
無人又は、遠隔操作での長時間自動溶接に適用される電
極自動交換方式のティグ溶接トーチに関する。

【０００２】

【従来の技術】ティグ溶接トーチには、数ミリの細径タ
ングステンを鋭角な先端形状にして電極に用いており、
その取替え時は溶接トーチ後部のキャップねじを回すこ
とによってコレットをコレットボディの底に押し付け
て、タングステン電極をチャック固定する方法で従来か
ら溶接士の手作業で行なわれている。自動溶接トーチに
ついてもタングステン電極の交換は自動交換可能に構成
されておらず、上記と同じく人手により手作業で交換し
ている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】さて自動ティグ溶接に
おいても長時間運転すると、タングステン電極の先端が
アーク熱によって劣化し、摩耗したり不純物が付着して
溶接に悪影響を与えるために定期的にタングステン電極
を交換しなければならない。しかし、ロボット等を用い
た無人運転や人が近寄れない場所での遠隔運転には上記
従来方法では作業能率、コスト面等で問題となってい
る。本発明はこの様な事情に鑑みて提案されたもので、
ティグ溶接トーチに新旧タングステン電極の交換機構を
設けることによって自動溶接運転での定期時間毎に溶接
を止め、タングステン電極を交換して、再び溶接を開始
するという一連タングステン交換動作の自動化を可能に
し無人運転、遠隔運転を効率よく行なえる電極自動交換
ティグ溶接トーチを提供することを目的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を実現
するために、ティグ溶接トーチ本体の後部側に、タング
ステン電極を通過出来る貫通穴を有する中空ロッドでコ
レットをコレットボディに押付けてタングステン電極を
把持する電極固定機構と、回転円柱の外周側に均等間隔
で多数穿設した電極保持穴に定尺タングステン電極を挿
設している電極ホルダをモータで回転位置決めさせる電
極割出し機構と、前記電極ホルダから新しいタングステ
ン電極を挿入し、古いタングステン電極を溶接トーチか
ら排出するタングステン電極入替え機構を具え、好まし
くは、前記機構において前記電極固定機構の駆動手段に
エアーシリンダを、電極割出し機構の電極ホルダの回転
位置決め手段にパルスモータを、電極入替え機構の駆動
手段にストロークエンド検出器付エアーシリンダを夫々
用い、前記駆動手段を適宜駆動制御して、新旧タングス
テン電極の交換を自動的に繰り返し出来るものとした。

【０００５】

【作用】かかる構成の電極自動交換ティグ溶接トーチに
よれば、溶接を停止した後、溶接トーチをロボット等の
保持軸により溶接部より遠ざけ横向き姿勢にして電極固
定機構のエアーシリンダを固定解除方向に作動させてコ
レット内のタングステン電極の固定を解除する。次に電
極割出し機構のパルスモータによって電極ホルダを適宜
角度回転変位させ、トーチ中心軸位置に、タングステン
電極が保持された電極ホルダの電極保持穴を位置決め回
転させる。更に電極入替え機構のエアーシリンダをタン
グステン電極の定尺長さ分下降させることによって古い
タングステンを排出し、新しいタングステン電極を同じ
位置に挿設し且つ位置設定させた後、電極固定機構の電
極固定用エアーシリンダを前記と逆に固定方向に作動さ
せてコレットをコレットボディに押付けてタングステン
電極を把持する。その後前記電極入替え機構のエアーシ
リンダをストロークエンド検出器の信号により所定スト
ローク引き上げた後、ロボット等の保持軸を溶接トーチ
を元の溶接位置に復帰させて再び溶接を開始する。これ
により、ティグ溶接トーチに新旧タングステン電極の交
換機構を設けることによって自動溶接運転での定期時間
毎に溶接を止め、タングステン電極を交換して、再び溶
接を開始するという一連タングステン交換動作の自動化
を可能にし無人運転、遠隔運転を効率良く行なえる。

【０００６】

【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の好
適な実施例を例示的に詳しく説明する。但しこの実施例
に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相
対的配置等は特に特定的な記載がないかぎりは、この発
明の範囲をそれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例
にすぎない。図１は、電極自動交換ティグ溶接トーチの
正面図、図２は側面図、図３は図２のＡ−Ａ断面図（中
央断面図）、図４は図１のＢ矢視図（下方からみた底面
図）である。図１〜図４において、トーチ本体１は絶縁
体ケース２と絶縁板３とで覆われ、絶縁体ケース２の側
面からロボット等の保持軸２０に接続している。トーチ
本体１は、軸中心に沿って貫通穴が設けてあり、下側に
市販品であるガスレンズ付コレットボディ４がねじで結
合し、コレットボディ４外周に設けたねじ部にシールド
カップ６が螺合しパッキン５を締付固定することにより
トーチ先端部を形成している。

【０００７】一方、トーチ本体１の上側には、内径穴に
タングステン電極１２ａが挿設される中空軸のピストン
ロッド８と戻り用ばね９及び絶縁体ハウジング１０ａ、
１０ｂとから成る電極固定機構のシリンダ７が取り付け
てあり、ピストンロッド８先端をトーチ本体１の中心穴
に挿設してあるコレット１１を押圧することによってコ
レット１１先端がコレットボディ４に押し付けられてタ
ングステン電極１２ｂを把持固定する。

【０００８】又、電極固定用シリンダ７の上部には断面
略コの字状のフレーム１７に設けた回転軸２１により回
転自在に支持された電極ホルダ１３が配設されている。
即ち、前記電極ホルダ１３は円柱状回転体の外周側に、
定尺タングステン電極１２ａを挿設する保持穴１３ａを
均等間隔で多数穿設するとともに、トーチ本体１の中心
穴から偏心した位置に垂直に絶縁体からなる上下フレー
ム１７間に軸支した回転軸２１により回転自在に支持さ
せ、下側フレーム１７ａに穿設した穴を介して前記保持
穴１３ａとトーチ本体１の中心穴が一致するように配設
する。そして上側フレーム１７ｂ上には、前記回転軸２
１に駆動力を伝達するパルスモ−タ１４が固設されてい
る。

【０００９】従って取替用の定尺タングステン電極１２
ａを外周の電極保持穴１３ａに保持させた電極ホルダ１
３とパルスモータ１４によってピストンロッド８の中空
穴軸心へタングステン電極１２ａを回転位置決めする割
出し機構が構成される。ピストンロッド８の軸心と一致
する電極ホルダ１３電極保持穴１３ａ上には挿入軸１５
が垂設されており、その下端（先端）は上側フレームに
設けたガイド２２を介して前記電極保持穴１３ａ内に侵
入可能に構成されている。

【００１０】１６は前記挿入軸１５を進退させる突出し
用シリンダ１６でカバー１８下面より下方に向けて固設
するとともに、そのシリンダピストン１６ａがカバー１
８内に垂直に延設され、連結板２３を介して前記挿入軸
１５に連結する。又前記突出し用シリンダ１６にはスト
ロークエンド検出器１９が取付けてあり、この信号によ
る制御で、シリンダピストン１６ａの進退ストローク量
が規制され、タングステン電極１２ａ／１２ｂの交換動
作を繰返して行う事が出来る。即ち挿入軸１５と突出し
用シリンダ１６で絶縁体のフレーム１７及びカバー１８
によって支持された電極入替え機構が構成され、シリン
ダピストン１６ａの進退動作により、挿入軸１５が電極
ホルダ１３電極保持穴１３ａ内に侵入し、ピストンロッ
ド８及びトーチ本体１内のタングステン電極１２ａを順
次押込み古いタングステン電極１２ｂを排出可能に構成
されている。

【００１１】従ってかかる構成の電極自動交換ティグ溶
接トーチによれば、溶接を停止した後、溶接トーチをロ
ボット等の保持軸２０により溶接部より遠ざけ横向き姿
勢にして電極固定用エアーシリンダ７を固定解除方向に
作動させてコレット１１内のタングステン電極１２ｂの
固定を解除する。次に電極割出し機構のパルスモータ１
４によって電極ホルダ１３を保持穴１３ａ間の周方向の
角度分だけ回転変位させ、、ピストンロッド８の中心軸
位置に、電極ホルダ１３の次位の電極保持穴１３ａを位
置決めさせる。この状態で突出し用シリンダ１６をタン
グステン電極の定尺長さ分下降させることによって挿入
軸１５が電極ホルダ１３電極保持穴１３ａ内に侵入し、
ピストンロッド８及びトーチ本体１内のタングステン電
極１２ａを順次押込み古いタングステン電極１２ｂを排
出し、新しいタングステン電極１２ａを同じ位置に挿設
し且つ位置設定させた後、前記電極固定用エアーシリン
ダを前記と逆に固定方向に下降させてコレット１１を押
圧させてタングステン電極１２ａを把持する。その後電
極固定用シリンダを引き上げてストロークエンド検出器
の信号により作動を停止させた後、ロボット等の保持軸
２０が溶接トーチを元の溶接位置に復帰させて再び溶接
を開始する。これにより、前記した本発明の作用を円滑
に達成し得る。

【００１２】

【発明の効果】本発明によれば、本発明によれば、ティ
グ溶接トーチに新旧タングステン電極の交換機構を設け
ることによって自動溶接運転での定期時間毎に溶接を止
め、タングステン電極を交換して、再び溶接を開始する
という一連タングステン交換動作の自動化を可能にし無
人運転、遠隔運転を効率よく行なえる。従って本発明に
よれば、劣化したタングステン電極を人手に頼らずに自
動交換が出来ることから、長時間の自動溶接運転の無人
化、遠隔操作化が可能となり溶接能率、工数低減等、コ
スト面において最も効果的であるための本発明は産業上
極めて有益なものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１乃至図４は、本発明の第１実施例に係る電
極自動交換ティグ溶接トーチで、図１はその正面図であ
る。

【図２】図１の側面図である。

【図３】図３は図２のＡ−Ａ断面図（中央断面図）であ
る。

【図４】図４は図１のＢ矢視図（下方からみた底面図）
である。

【符号の説明】

１ トーチ本体 ２ 絶縁体ケース ３ 絶縁板 ４ ガスレンズ付コレットボディ ５ パッキン ６ シールドカップ ７ 電極固定用シリンダ ８ ピストンロッド ９ 戻り用ばね １０ａ、１０ｂ 絶縁体ハウジング １１ コレット １２ａ タングステン電極（新） １２ｂ タングステン電極（古） １３ 電極ホルダ １４ パルスモータ １５ 挿入軸 １６ 突出し用シリンダ １７ フレーム １８ カバー １９ ストロークエンド検出器 ２０ 保持軸

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ティグ溶接トーチ本体の後部側に、 タングステン電極が通過出来る貫通穴を有する中空ロッ
   ドでコレットをコレットボディに押付けてタングステン
   電極を把持する電極固定機構と、 円柱状回転体の外周側に均等間隔で多数穿設した電極保
   持穴に定尺タングステン電極を挿設してなる電極ホルダ
   をモータで回転位置決めさせる電極割出し機構と、 前記電極ホルダから新しいタングステン電極を挿入し、
   古いタングステン電極をトーチ先端から排出する電極入
   替え機構とを具え、 前記各機構を適宜駆動制御しながら前記タングステン電
   極を自動交換可能に構成した事を特徴とするティグ溶接
   トーチ。
2. 【請求項２】 前記電極固定機構の駆動手段にエアーシ
   リンダを、電極割出し機構の電極ホルダの回転位置決め
   手段にパルスモータを、電極入替え機構の駆動手段にス
   トロークエンド検出器付エアーシリンダを夫々用い、前
   記駆動手段を適宜駆動制御して、新旧タングステン電極
   の交換を自動的に繰り返し可能に構成したことを特徴と
   するティグ溶接トーチ。