JPH1060060A - アクリルゴム - Google Patents

アクリルゴム

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Publication number
JPH1060060A
JPH1060060A JP22494696A JP22494696A JPH1060060A JP H1060060 A JPH1060060 A JP H1060060A JP 22494696 A JP22494696 A JP 22494696A JP 22494696 A JP22494696 A JP 22494696A JP H1060060 A JPH1060060 A JP H1060060A
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JP
Japan
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acrylic rubber
rubber
crosslinking
monomer
cross
Prior art date
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Withdrawn
Application number
JP22494696A
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English (en)
Inventor
Kentarou Kanae
健太郎 鼎
Minoru Tsuneyoshi
実 恒吉
Nobutoshi Kobayashi
伸敏 小林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JSR Corp
Original Assignee
Japan Synthetic Rubber Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPH1060060A publication Critical patent/JPH1060060A/ja
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 短時間の加熱処理によって所期の物性を発現
することができる架橋特性に優れたアクリルゴムを提供
する。 【解決手段】 (A)アクリル酸アルキルエステルおよ
びアクリル酸アルコキシアルキルエステルから選ばれる
少なくとも1種の単量体60〜99.99重量%と、
(B)下記一般式〔I〕で表される化合物から選ばれる
少なくとも1種の単量体0.01〜20重量%と、
(C)不飽和結合を有する化合物から選ばれる共重合性
の単量体0〜20重量%とからなる単量体混合物を、ラ
ジカル重合開始剤の存在下で共重合させることにより得
られることを特徴とする。 一般式〔I〕 (式中、Rは水素原子または炭素数1〜5のアルキル
基を示し、Rは炭素数1〜20のアルキレン基を示
し、Rは、水素原子または炭素数1〜20の炭化水素
基もしくはその誘導体を示す。nは0または1であ
る。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、架橋特性に優れた
アクリルゴムに関する。
【0002】
【従来の技術】アクリルゴムは、アクリル酸エステルと
架橋点含有モノマーとの共重合体より構成される主鎖に
二重結合を有しないゴムであり、前記架橋点として、活
性ハロゲン原子およびエポキシ基などが知られている。
斯かるアクリルゴムの架橋方法としては、前記架橋点に
適した架橋剤を用いる加熱架橋が行われている。
【0003】しかるに、活性ハロゲン原子が導入された
アクリルゴムは、架橋工程において金型腐食・金型汚染
の問題を生じやすく、他方、エポキシ基が導入されたア
クリルゴムは、架橋反応速度が極めて小さく、所期の物
性(ゴム状弾性)を発現させるためには、長時間の熱履
歴を付与する必要がある。
【0004】そこで、最近においては、ジヒドロキシジ
シクロペンタジエンのアクリル酸エステルを共重合させ
てアクリルゴムを得る技術(特開昭60−203615
号公報および特開昭61−44909号公報参照)、二
重結合を有するアクリル酸エステルを共重合させてアク
リルゴムを得る技術(特開昭61−57843号公報、
特開昭62−926号公報および特開平6−27173
7号公報参照)など、架橋点含有モノマーとして、二重
結合を含有する単量体を使用する技術が紹介されてい
る。このようにして得られるジエン系アクリルゴムは、
金属に対する汚染性がなく、活性ハロゲン原子やエポキ
シ基が導入されたアクリルゴムに比べて、ある程度良好
な架橋特性を有している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
技術に係るジエン系アクリルゴムにおいても、その架橋
反応速度は十分に大きいものではなく、依然として架橋
工程に長時間を必要としていた。
【0006】本発明は、以上のような事情に基いてなさ
れたものであって、本発明の目的は、短時間の加熱処理
により所期の物性を発現することができる架橋特性に優
れたアクリルゴムを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明のアクリルゴム
は、(A)アクリル酸アルキルエステルおよびアクリル
酸アルコキシアルキルエステルから選ばれる少なくとも
1種の単量体(以下「単量体(A)」ともいう)60〜
99.99重量%と、(B)下記一般式〔I〕で表され
る化合物から選ばれる少なくとも1種の単量体(以下
「単量体(B)」ともいう)0.01〜20重量%と、
(C)不飽和結合を有する化合物から選ばれる共重合性
の単量体(以下「単量体(C)」ともいう)0〜20重
量%とからなる単量体混合物を、ラジカル重合開始剤の
存在下で共重合させることにより得られることを特徴と
する。
【0008】
【化2】
【0009】(式中、R1 は水素原子または炭素数1〜
5のアルキル基を示し、R2 は炭素数1〜20のアルキ
レン基を示し、R3 は、水素原子または炭素数1〜20
の炭化水素基もしくはその誘導体を示す。nは0または
1である。)
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明のアクリルゴムは、単量体(A)および単
量体(B)を必須成分として含有し、単量体(C)を任
意成分として含有する単量体混合物を共重合させること
により得られる。
【0011】<単量体(A)>単量体(A)であるアク
リル酸アルキルエステルとしては、例えばメチルアクリ
レート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレー
ト、イソプロピルアクリレート、n−ブチルアクリレー
ト、イソブチルアクリレート、n−ヘキシルアクリレー
ト、2−エチルヘキシルアクリレート、シクロヘキシル
アクリレートなどを挙げることができる。これらは単独
でまたは2種類以上組み合わせて用いることができる。
これらのうち、エチルアクリレートおよびn−ブチルア
クリレートが好ましい。
【0012】単量体(A)であるアクリル酸アルコキシ
アクリルエステルとしては、例えばメトキシメチルアク
リレート、エトキシメチルアクリレート、2−メトキシ
エチルアクリレート、2−エトキシエチルアクリレー
ト、2−ブトキシエチルアクリレート、3−メトキシプ
ロピルアクリレートなどが挙げられる。これらは単独で
または2種類以上組み合わせて用いることができる。こ
れらのうち、2−メトキシエチルアクリレート、2−エ
トキシエチルアクリレートが好ましい。
【0013】本発明のアクリルゴムを得るための単量体
混合物における単量体(A)の含有割合としては、通常
60〜99.99重量%とされ、好ましくは70〜9
9.9重量%とされる。単量体(A)の含有割合が60
重量%未満である場合には、最終的に得られるアクリル
ゴムの架橋物における硬度が過大となり、当該架橋物が
好適なゴム状弾性を有するものとならない。一方、この
含有割合が99.99重量%を超える場合には、最終的
に得られるアクリルゴムの架橋物における引張強度が過
小となり、当該架橋物が好適な機械的強度を有するもの
とならない。
【0014】<単量体(B)>本発明においては、得ら
れるアクリルゴムに架橋点を導入するための架橋点含有
モノマーとして、上記一般式〔I〕で表される単量体
(B)を用いる点に特徴を有するものである。
【0015】単量体(B)を表す上記一般式〔I〕にお
いて、R1 は、水素原子またはメチル基、エチル基、プ
ロピル基、t−ブチル基などの炭素数1〜5のアルキル
基を示し、これらのうち、水素原子、炭素数1〜3のア
ルキル基が好ましく、特に好ましくは水素原子、メチル
基である。また、上記一般式〔I〕において、R2 は、
炭素数1〜20のアルキレン基を示し、これらのうち、
メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基な
ど炭素数1〜10のアルキレン基が好ましく、特に好ま
しくはメチレン基、エチレン基、プロピレン基である。
また、上記一般式〔I〕において、R3 は、水素原子ま
たは炭素数1〜20、好ましくは1〜10の炭化水素基
もしくはその誘導体を示す。ここに、炭素数1〜20の
炭化水素基としては、メチル基、エチル基、ブチル基な
どのアルキル基;フェニル基、トルイル基、キシリル基
などの芳香族炭化水素基;シクロペンチル基、シクロヘ
キシル基などの脂環式炭化水素基が挙げられ、好ましく
はアルキル基であり、特に好ましくはメチル基、エチル
基である。また、上記一般式〔I〕において、nは0ま
たは1である。
【0016】上記一般式〔I〕で表される単量体(B)
の具体例としては、CH2 =C(CH3 )−COO−C
2 −O−CO−CH=CH−COOH、CH2 =C
(CH3 )−COO−C2 4 −O−CO−CH=CH
−COOH、CH2 =C(CH3 )−COO−C3 6
−O−CO−CH=CH−COOH、CH2 =C(CH
3 )−COO−CH2 −O−CO−CH=CH−COO
CH3、CH2 =C(CH3 )−COO−C2 4 −O
−CO−CH=CH−COOCH 3 、CH2 =C(CH
3 )−COO−C3 6 −O−CO−CH=CH−CO
OCH 3 、CH2 =C(CH3 )−COO−CH2 −O
−CO−CH=CH−COOC2 5 、CH2 =C(C
3 )−COO−C2 4 −O−CO−CH=CH−C
OOC25 、CH2 =C(CH3 )−COO−C3
6 −O−CO−CH=CH−COOC25 、CH2
CH−COO−CH2 O−CO−CH=CH−COO
H、CH2 =CH−COO−C2 4 −O−CO−CH
=CH−COOH、CH2 =CH−COO−C3 6
O−CO−CH=CH−COOH、CH2 =CH−CO
O−CH2 −O−CO−CH=CH−COOCH3 、C
2 =CH−COO−C2 4 −O−CO−CH=CH
−COOCH3 、CH2 =CH−COO−C3 6 −O
−CO−CH=CH−COOCH3 、CH2 =CH−C
OO−CH2 −O−CO−CH=CH−COOC
2 5 、CH2 =CH−COO−C2 4 −O−CO−
CH=CH−COOC2 5 、CH2 =CH−COO−
3 6 −O−CO−CH=CH−COOC2 5 、C
2 =C(CH3 )−O−CH2 −O−CO−CH=C
H−COOH、CH2 =C(CH3 )−O−C2 4
O−CO−CH=CH−COOH、CH2 =C(C
3 )−O−C3 6 −O−CO−CH=CH−COO
H、CH2 =C(CH3 )−O−CH2 −O−CO−C
H=CH−COOCH3 、CH2 =C(CH3 )−O−
2 4 −O−CO−CH=CH−COOCH3 、CH
2 =C(CH3 )−O−C3 6 −O−CO−CH=C
H−COOCH3 、CH2 =C(CH3 )−O−CH2
−O−CO−CH=CH−COOC2 5 、CH2 =C
(CH3 )−O−C2 4 −O−CO−CH=CH−C
OOC2 5、CH2 =C(CH3 )−O−C3 6
O−CO−CH=CH−COOC2 5、CH2 =CH
−O−CH2 −O−CO−CH=CH−COOH、CH
2 =CH−O−C2 4 −O−CO−CH=CH−CO
OH、CH2 =CH−O−C3 6 −O−CO−CH=
CH−COOH、CH2 =CH−O−CH2 −O−CO
−CH=CH−COOCH3 、CH2 =CH−O−C2
4 −O−CO−CH=CH−COOCH3 、CH2
CH−O−C3 6 −O−CO−CH=CH−COOC
3 、CH2 =CH−O−CH2 −O−CO−CH=C
H−COOC2 5 、CH2 =CH−O−C2 4 −O
−CO−CH=CH−COOC2 5 、CH2 =CH−
O−C3 6 −O−CO−CH=CH−COOC2 5
で表される化合物を挙げることができる。これらの化合
物は単独でまたは2種類以上組み合わせて用いることが
できる。これらのうち、CH2 =C(CH3 )−COO
−C2 4 −O−CO−CH=CH−COOH、CH2
=C(CH3 )−COO−C2 4 −O−CO−CH=
CH−COOCH 3 、CH2 =CH−COO−C2 4
−O−CO−CH=CH−COOH、CH2 =CH−C
OO−C2 4 −O−CO−CH=CH−COOC
3 、CH2 =C(CH3 )−O−C2 4 −O−CO
−CH=CH−COOH、CH2 =C(CH3 )−O−
2 4 −O−CO−CH=CH−COOCH3 、CH
2 =CH−O−C2 4 −O−CO−CH=CH−CO
OH、CH2 =CH−O−C2 4 −O−CO−CH=
CH−COOCH3が好ましい。
【0017】単量体混合物における単量体(B)の含有
割合としては、通常0.01〜20重量%とされ、好ま
しくは0.01〜10重量%とされる。単量体(B)の
含有割合が0.01重量%未満である場合には、架橋反
応の促進効果が得られず、本発明の目的である優れた架
橋特性(架橋時間の短縮化)を達成することができな
い。一方、この割合が20重量%を超える場合には、最
終的に得られるアクリルゴムの架橋物における硬度が過
大となり、当該架橋物が好適なゴム状弾性を有するもの
とならない。
【0018】<単量体(C)>任意成分として単量体混
合物を構成する単量体(C)は、分子中に不飽和結合
(重合性二重結合)を有し、上記の単量体(A)および
単量体(B)と共重合可能な化合物の中から選ばれる。
斯かる単量体(C)の具体例としては、スチレン、α−
メチルスチレン、ビニルトルエン、ビニルナフタレン、
ハロゲン化スチレン、アクリロニトリル、メタクリロニ
トリル、アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミ
ド、酢酸ビニル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、ジビニ
ルベンゼン、プロピオン酸ビニル、カプロン酸ビニル、
シクロヘキシルアクリレート、ベンジルアクリレート、
エチレングリコールジメタクリレートなどを挙げること
ができ、これらは、単独でまたは2種類以上組み合わせ
て用いることができる。
【0019】単量体混合物における単量体(C)の含有
割合としては0〜20重量%とされる。この割合が20
重量%を超える場合には、最終的に得られる架橋物にお
いて、耐熱性や耐油性などアクリルゴムによる好ましい
性能が損なわれることがあるとともに、当該架橋物にお
ける硬度が過大となって好適なゴム状弾性を有するもの
とならないことがある。
【0020】<単量体混合物の共重合>単量体混合物を
共重合させる際に使用するラジカル重合開始剤として
は、ラジカルを発生するものであれば特に限定されるも
のではなく、例えば過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウ
ムなどの無機過硫酸塩、有機過酸化物−硫酸鉄の組合せ
に代表されるレドックス系触媒、ベンゾイルパーオキサ
イド、クメンハイドロパーオキサイド、p−メンタンハ
イドロパーオキサイド、メチルイソプロピルケトンパー
オキサイドなどの過酸化物、アゾビスイソブチロニトリ
ルなどのアゾ化合物を挙げることができる。ラジカル重
合開始剤の使用量としては、単量体混合物100重量部
あたり0.001〜1.0重量部とされる。また、この
共重合反応系に、t−ドデシルメルカプタン、ジメチル
キサントゲンジスルフィドなどの分子量調整剤を添加し
てもよい。
【0021】本発明のアクリルゴムを得るための共重合
反応は、懸濁重合法、乳化重合法、バルク重合法、溶液
重合法など通常の重合法によって行うことができる。ま
た、重合形式は連続式でもバッチ式のいずれでもよい。
乳化重合法を採用する場合において、乳化剤としては、
アニオン系またはノニオン系の界面活性剤を単独でまた
は混合して使用することができ、更に種々の分散剤を使
用することもできる。斯かる乳化剤の具体例としては、
例えばアルキルサルフェート、アルキルアリールスルフ
ォネート、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エ
ステル塩などの高級脂肪酸の塩、ポリオキシエチレンア
ルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエ
ーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキ
シエチレンオキシプロピレンブロックポリマーなどが挙
げられる。共重合反応の温度条件としては、通常−10
0℃〜200℃とされ、好ましくは0〜60℃とされ
る。
【0022】所定の重合転化率(例えば80重量%以
上)に達したところで、N,N−ジエチルヒドロキシア
ミンなどの反応停止剤を添加して重合反応を停止させ
る。次いで、得られたラテックスから未反応の単量体を
水蒸気蒸留などにより除去した後、フェノール類、アミ
ン類などの老化防止剤を添加し、この系と、金属塩水溶
液(例えば硫酸アルミニウム水溶液、塩化カルシウム水
溶液、塩化ナトリウム水溶液、硫安水溶液)とを混合さ
せるなどの常法に従ってラテックスを凝固させ、得られ
た凝固物を乾燥させることにより共重合体(本発明のア
クリルゴム)を得ることができる。
【0023】また、懸濁重合法を採用する場合には、ポ
リビニルアルコールの酸化物などを分散剤として加え、
アゾビスイソブチロニトリル、過酸化ベンゾイルなどの
油溶性ラジカル開始剤を用いて単量体混合物の重合を行
い、重合終了後、水を除去することにより共重合体を得
ることができる。さらに、溶液重合法を採用する場合に
も、常法に従って本発明のアクリルゴムを得ることがで
きる。
【0024】上記のようにして得られる共重合体(本発
明のアクリルゴム)の分子量は、分子量調整剤の種類お
よび量、ラジカル開始剤の種類および量、重合温度、溶
媒の種類および量、さらに単量体濃度などの反応条件を
変更することにより調整することができる。本発明のア
クリルゴムにおける分子量の一例を示せば、ポリスチレ
ン換算の平均分子量で10,000〜5,000,00
0とされ、好ましくは100,000〜2,000,0
00とされる。また、本発明のアクリルゴムのムーニー
粘度〔M1+4 (100℃)〕は10〜100であること
が好ましい。
【0025】<アクリルゴム組成物>上記のようにして
得られる本発明のアクリルゴムを原料ゴムとして用い、
この原料ゴムに、架橋剤、架橋促進剤、架橋促進助剤、
老化防止剤、可塑剤、滑剤、加工助剤などの配合薬品、
充填材および増量材などの配合剤を添加混合(混練)す
ることにより、アクリルゴム組成物が調製される。
【0026】<架橋剤>アクリルゴム組成物を構成する
架橋剤としては、硫黄系架橋剤、有機過酸化物、キノイ
ド架橋剤、樹脂架橋剤、金属酸化物架橋剤、含硫黄有機
化合物、アミン系架橋剤、トリアジン系架橋剤、ポリオ
ール系架橋剤、金属石けん系架橋剤およびマレイミド系
架橋剤などを挙げることができる。これらのうち、硫黄
系架橋剤、有機過酸化物、アミン系架橋剤、トリアジン
系架橋剤、ポリオール系架橋剤が、架橋基の二重結合と
の反応性が高いという観点から好ましく、特に好ましく
は有機過酸化物、アミン系架橋剤、トリアジン系架橋剤
である。
【0027】架橋剤の添加量としては、原料ゴム(本発
明のアクリルゴム)100重量部に対して、通常0.1
〜20重量部とされ、好ましくは0.1〜10重量部と
される。架橋剤の添加量が20重量部を超える場合に
は、得られる架橋物の硬度が過大となり、当該架橋物が
好適なゴム状弾性を有するものとならない。一方、この
添加量が0.1重量部未満である場合には、十分な架橋
密度を有する架橋物を得ることができず、十分な架橋さ
れていないアクリルゴム組成物は、引張強度が過小とな
って好適な機械的強度を有するものとならない。
【0028】アクリルゴム組成物を構成する「硫黄系架
橋剤」としては、例えば粉末硫黄、硫黄華、高分散性硫
黄、不溶性硫黄、沈降硫黄、表面処理硫黄、コロイド硫
黄、塩化硫黄、一塩化硫黄、二塩化硫黄、トリアジン化
合物、モルホリンジスルフィド、アルキルフェノールジ
スルフィド、N,N’−ジチオ−ビス(ヘキサヒドロ−
2H−アゼピノン−2)、2−(4’−モルホリノジチ
オ)ベンゾチアゾールなどを挙げることができる。
【0029】アクリルゴム組成物を構成する「有機過酸
化物」としては、例えば1,1−ジ−tert−ブチル
パーオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、
ジ−tert−ブチルパーオキサイド、tert−ブチ
ルクミルパーオキサイド、ジ−クミルパーオキサイド、
2,5−ジ−メチル−2,5−ジ(tert−ブチルパ
ーオキシ)ヘキサン)、2,5−ジ−メチル−2,5−
ジ(tert−ブチルパーオキシ)ヘキシン、1,3ビ
ス−(tert−ブチルパーオキシ−イソプロピル)ベ
ンゼン、tert−ブチルパーオキシ−イソプロピルカ
ーボネート、アセチルシクロヘキシルスルフォニルパー
オキサイド、イソブチルパーオキサイド、ジ−イソプロ
ピルパーオキシジカーボネート、ジ−アリルパーオキシ
ジカーボネート、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボ
ネート、ジ−(2−エトキシエチル)パーオキシジカー
ボネート、ジ(メトキシイソプロピル)パーオキシジカ
ーボネート、ジ(2−エチルヘキシル)パーオキシジカ
ーボネート、tert−ヘキシルパーオキシネオヘキサ
ネート、ジ(3−メチル−3−メチロキシブチル)パー
オキシジカーボネート、tert−ブチルパーオキシネ
オデカネート、tert−ヘキシルパーオキシネオデカ
ネート、tert−ブチルパーオキシネオヘキサネー
ト、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキシド、ter
t−ヘキシルパーキシピバレート、tert−ブチルパ
ーヘキシピバレート、3,3,5−トリメチルヘキサノ
イルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、デ
カノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、
クミルパーオキシオクテート、アセチルパーオキサイ
ド、tert−ブチルパーオキシ(2−エチルヘキサネ
ート)、ベンゾイルパーオキサイド、tert−ブチル
パーオキシイソイソブチレート、1,1−ビス(ter
t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、tert−ブ
チルパーオキシマレイックアシッド、tert−ブチル
パーオキシラウレート、tert−ブチルパーオキシ
3,3,5−トリメチルヘキサネート、シクロヘキサノ
ンパーオキサイド、tert−ブチルパーオキシアリル
カーボネート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾ
イルパーオキシ)ヘキサン、2,2−ビス(tert−
ブチルパーオキシ)オクタン、tert−ブチルパーオ
キシアセテート、2,2−ビス(tert−ブチルパー
オキシ)ブタン、tert−ブチルパーオキシベンゾエ
ート、n−ブチル−4,4−ビス(tert−ブチルパ
ーオキシ)バレレート、ジ−tert−ブチルジパーオ
キシイソフタレート、メチルエチルケトンパーオキサイ
ド、α,α’−ビス(tert−ブチルパーオキシ−m
−イソプロピル)ヘキサン、ジ−イソプロピルベンゼン
ーヒドロパーオキサイド、p−メタンヒドロパーオキサ
イド、1,1,3,3−テトラメチルブチルヒドロパー
オキサイド、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジヒ
ドロパーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイド、t
ert−ブチルヒドロパーオキサイドなどを挙げること
ができる。
【0030】アクリルゴム組成物を構成する「アミン系
架橋剤」としては、例えばヘキサメチレンジアミンカル
バメート、N,N’−1,6−ヘキサンジアミン、ヘキ
サメチレンジアミン、トリエチレン・テトラミン、テト
ラエチレン・ペンタミン、4,4’−メチレンビス(シ
クロヘキシルアミン)カルバメート、N,N’−ジシン
ナミリデン−1,6−ヘキサンジアミン、アンモニウム
ベンゾエートなどを挙げることができる。また、「トリ
アジン系架橋剤」としては、例えば2,4,6−トリメ
ルカプト−S−トリアジン、2−ジブチルアミノ−4,
6−ジメルカプト−S−トリアジンなどを挙げることが
できる。また、「ポリオール系架橋剤」としては、例え
ばビスフェノールA、ビスフェノールAF、ハイドロキ
ノン、ペンタエリスリトールなどを挙げることができ
る。
【0031】アクリルゴム組成物を構成する「キノイド
架橋剤」としては、例えばp−キノンジオキシム、p,
p’−ジベンゾイルキノンジオキシム、テトラクロロ−
p−ベンゾキノン、ポリ−p−ジニトロベンゼンなどを
挙げることができる。また、「樹脂架橋剤」としては、
例えばアルキルフェノール−ホルムアルデヒド樹脂、メ
ラミン−ホルムアルデヒド縮合物、トリアジン−ホルム
アルデヒド縮合物、オクチルフェノール−ホルムアルデ
ヒド樹脂、アルキルフェノール−スルフィド樹脂、ヘキ
サメトキシメチル−メラミン樹脂などを挙げることがで
きる。また、「金属酸化物架橋剤」としては、例えば酸
化亜鉛、酸化マグネシウム、一酸化鉛などを挙げること
ができる。また、「含硫黄有機架橋剤」としては、例え
ばモルホリンジスルフィド、アルキルフェノールジスル
フィド、N、N’−ジチオ−ビス(ヘキサヒドロ−2H
−アゼピノン−2)、チウラムポリスルフィド、2−
(4’−モルホリノジチオ)ベンゾチアゾールなどを挙
げることができる。また、「金属石けん系架橋剤」とし
ては、例えばステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カ
リウム、オレイン酸ナトリウム、オレイン酸カリウムな
どを挙げることができる。また、「マレイミド系架橋
剤」としては、N,N’−m−フェニレンジマレイミド
などを挙げることができる。アクリルゴム組成物を構成
する架橋剤は、単独でまたは2種類以上組み合わせて用
いることができる。
【0032】架橋剤として「硫黄系架橋剤」および「ト
リアジン系架橋剤」を使用する場合には、架橋促進剤を
使用することができる。斯かる架橋促進剤の具体例とし
ては、例えばヘキサメチレンテトラミン、アセトアルデ
ヒド・アンモニアなどのアルデヒドアンモニア類;n−
ブチルアルデヒド−アニリン縮合物、ブチルアルデヒド
−モノブチルアミン縮合物、ヘプトアルデヒド−アニリ
ン反応生成物、トリクロトニリデン・テトラミンなどの
アルデヒドアミン類;ジフェニルグアニジン、ジ−o−
トリルグアニジン、オルト・トリル・ビグアニド、ジカ
テコール・ホウ酸のジオルト・トリル・グアニジン塩な
どのグアニジン塩類;2−メルカプトイミダゾリンなど
のイミダゾリン;2−メルカプトベンゾチアゾール、2
−メルカプトチアゾリン、ジベンゾチアジル・ジスルフ
ィド、2−メルカプトベンゾチアゾールの亜鉛塩、2−
メルカプトベンゾチアゾールのナトリウム塩、2−メル
カプトベンゾチアゾールのシクロヘキシルアミン塩、2
−(2,4−ジニトロフェニルチオ)ベンゾチアゾー
ル、2−(N,N−ジエチルチオ・カルバモイルチオ)
ベンゾチアゾール、2−(4’−モルホリノ・ジチオ)
ベンゾチアゾール、4−モルホニル−2−ベンゾチアジ
ル・ジスルフィドなどのチアゾール;N−シクロヘキシ
ル−2−ベンゾチアジル・スルフェンアミド、N,N−
ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアジル・スルフェンア
ミド、N−オキシジエチレン−2−ベンゾチアジル・ス
ルフェンアミド、N,N−ジイソプロピル−2−ベンゾ
チアジル・スルフェンアミド、N−tert−ブチル−
2−ベンゾチアジル・スルフェンアミドなどのスフェン
アミド類;チオカルバニド、エチレン・チオ尿素(2−
メルカプトイミダゾリン)、ジエチル・チオ尿素、ジブ
チル・チオ尿素、混合アルキルチオ尿素、トリメチルチ
オ尿素、ジラウリルチオ尿素などのチオ尿素類;ジメチ
ル・ジチオカルバミン酸ナトリウム、ジエチル・ジチオ
カルバミン酸ナトリウム、ジ−n−ブチル・カルバミン
酸ナトリウム、ジメチル・ジチオカルバミン酸鉛、ジア
ミル・ジチオカルバミン酸鉛、ジメチルジチオカルバミ
ン酸亜鉛、ジアミル・ジチオカルバミン酸亜鉛、ジエチ
ル・ジチオカルバミン酸亜鉛、ジ−n−ブチル・ジチオ
カルバミン酸亜鉛、ジベンジル・ジチオカルバミン酸亜
鉛、N−ペンタメチレン・ジチオカルバミン酸亜鉛、エ
チルフェニル・ジチオカルバミン酸亜鉛、ジメチル・ジ
チオカルバミン酸セレン、ジエチル・ジチオカルバミン
酸セレン、ジエチル・ジチオカルバミン酸テルル、ジエ
チル・ジチオカルバミン酸カドミウム、ジメチル・ジチ
オカルバミン酸銅、ジメチル・ジチオカルバミン酸鉄、
ジメチル・ジチオカルバミン酸ビスマス、ジメチル・ジ
チオカルバミン酸ピペリジン、メチルペンタメチレン・
ジチオカルバミン酸ピペコリン、活性化ジチオカルバメ
ートなどのジチオカルバミン酸塩類;テトラメチルチウ
ラム・モノスルフィド、テトラメチルチウラム・ジスル
フィド、活性テトラメチルチウラム・ジスルフィド、テ
トラエチルチウラム・ジスルフィド、テトラブチルチウ
ラム・ジスルフィド、N,N’−ジメチル−N,N’−
ジフェニルチウラム・ジスルフィド、ジペンタメチレン
チウラム・ジスルフィド、ジペンタメチレンチウラム・
テトラスルフィド、混合アルキル・チウラム・ジスルフ
ィドなどのチウラム類;イソプロピル・キサントゲン酸
ナトリウム、イソプロピル・キサントゲン酸亜鉛、ブチ
ル・キサントゲン酸亜鉛などのザンテート類;4,4’
−ジチオジモルホリン、アミノジアルキルジチオホスフ
ェート、亜鉛−o,o−n−ブチル・ホスホロジチオエ
ート、3−メルカプトイミダゾリン−チオン−2、チオ
グリコール酸エステルなどを挙げることができる。これ
らの架橋促進剤は、単独でまたは2種類以上組み合わせ
て用いることができる。
【0033】架橋剤として「有機過酸化物」を使用する
場合には、有機過酸化物と併用して共架橋剤(Co−a
gent)を使用することができる。斯かる共架橋剤と
しては、例えば硫黄、p−キノンジオキシム、p−ベン
ゾキノンジオキシム、p,p’−ジベンゾイルキノンジ
オキシム、N−メチル−N’−4−ジニトロソアニリ
ン、N,’N−m−フェニレンジマレイミド、ジペンタ
メチレンチウラムペンタスルフィド、ジニトロソベンゼ
ン、ジビニルベンゼン、トリアリルシアヌレート、トリ
アリルイソシアヌレート、トリアジンチオール、エチレ
ングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコール
ジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリ
レート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、ネ
オペンチルグリコールジメタクリレート、ジプロピレン
グリコールジメタクリレート、トリメトロールプロパン
トリアクリレート、エリスリトールテトラメタクリレー
ト、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ジア
リルメラミン、トリメタクリレート、ジメタクリレー
ト、ジビニルアジペート、ビニルブチラート、ビニルス
テアレート、液状ポリブタジエンゴム、液状ポリイソプ
レンゴム、液状スチレン−ブタジエンゴム、液状アクリ
ロニトリル−ブタジエンゴム、マグネシウムジアクリレ
ート、カルシウムジアクリレート、アルミニウムアクリ
レート、亜鉛アクリレート、スタナスアクリレート、メ
タクリル酸亜鉛、メタクリル酸マグネシウムジメタクリ
ル酸亜鉛などが挙げられる。これらの共架橋剤は、単独
でまたは2種類以上組み合わせて用いることができる。
【0034】架橋剤として、「ポリオール系架橋剤」お
よび「トリアジン系架橋剤」を使用する場合には、架橋
剤と併用して、第四級オニウム塩を使用することができ
る。斯かる第四級オニウム塩としては、例えばテトラエ
チルアンモニウムブロマイド、テトラブチルアンモニウ
ムクロライド、テトラブチルアンモニウムブロマイド、
テトラブチルアンモニウムアイオダイド、テトラブチル
アンモニウムハイドロジェンスルフェート、n−ドデシ
ルトリメチルアンモニウムブロマイド、オクタデシルト
リメチルアンモニウムブロマイド、1,8−ジアザビシ
クロ(5,4,0)ウンデセン−7−ベンジルアンモニ
ウムクロライド、テトラエチルアンモニウムアセテー
ト、トリメチルベンジルアンモニウムベンゾエート、ト
リエチルベンジルアンモニウムベンゾエート、トリメチ
ルベンジルアンモニウムパラトルエンスルホネート、ト
リメチルベンジルアンモニウムボレートなどのアンモニ
ウム塩;トリフェニルベンジルホスホニウムクロライ
ド、トリフェニルベンジルホスホニウムブロマイド、ト
リフェニルベンジルホスホニウムアイオダイド、トリフ
ェニルメトキシメチルホスホニウムクロライド、トリエ
チルベンジルホスホニウムクロライド、トリシクロヘキ
シルベンジルホスホニウムクロライド、トリオクチルメ
チルホスホニウムジメチルホスフェート、テトラブチル
ホスホニウムブロマイド、トリオクチルメチルホスホニ
ウムアセテートなどの第四級ホスホニウム塩などが挙げ
られる。これらの第四級オニウム塩は、単独でまたは2
種類以上組み合わせて用いることができる。
【0035】<架橋促進助剤>アクリルゴム組成物を構
成する架橋促進助剤の具体例としては、例えば酸化マグ
ネシウム、亜鉛華、活性亜鉛華、表面処理亜鉛華、炭酸
亜鉛、複合亜鉛半華、複合活性亜鉛華、表面処理酸化マ
グネシウム、水酸化カルシウム、極微細水酸化カルシウ
ム、一酸化鉛、リサージ、鉛丹、鉛白などの金属酸化物
およびステアリン酸、オレイン酸、ラウリル酸、ステア
リン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸カ
リウム、ステアリン酸ナトリウムなどの有機酸類を挙げ
ることができる。これらの架橋促進助剤は、単独でまた
は2種類以上組み合わせて用いることができる。
【0036】<配合薬品>アクリルゴム組成物に添加混
合される老化防止剤としては、例えばナフチルアミン
系、ジフェニルアミン系、p−フェニレンジアミン系、
キノリン系、ヒドロキノン誘導体系、モノフェノール
系、ビスフェノール系、トリスフェノール系、ポリフェ
ノール系、チオビスフェノール系、ヒンダートフェノー
ル系、亜リン酸エステル系、イミダゾール系、ジチオカ
ルバミン酸ニッケル塩系、リン酸系の老化防止剤を挙げ
ることができる。これらの老化防止剤は、単独でまたは
2種類以上組み合わせて用いることができる。
【0037】アクリルゴム組成物に添加混合される可塑
剤としては、例えばフタル酸誘導体、アジピン酸誘導
体、ポリエーテルエステルが挙げられる。また、滑剤と
しては、例えば脂肪酸系、エステルワックス系、脂肪酸
エステル系、脂肪酸アミド系が挙げられる。また、加工
助剤としては、例えば高分子脂肪酸エステル系、高級脂
肪酸アミド系が挙げられる。
【0038】さらに、紫外線吸収剤、光安定剤、難燃
剤、帯電防止剤、導電性可塑剤、液状ゴム、官能基含有
オリゴマー、着色剤、耐油性向上剤、軟化剤、光架橋開
始剤、多官能性不飽和モノマー、層間化合物、単官能性
不飽和モノマー、発泡剤、スコーチ防止剤、粘着付与
剤、脱水剤、活性剤、ワックス、カップリング剤、素練
り促進剤、抗菌剤、発泡助剤などの配合薬品を任意に添
加混合することができる。
【0039】<充填材・増量材>アクリルゴム組成物に
添加混合される充填材・増量材としては、例えばSAF
カーボンブラック、ISAFカーボンブラック、HAF
カーボンブラック、FEFカーボンブラック、GPFカ
ーボンブラック、SRFカーボンブラック、FTカーボ
ンブラック、MTカーボンブラック、アセチレンカーボ
ンブラック、ケッチェンブラック、重質炭酸カルシウ
ム、胡粉、軽微性炭酸カルシウム、極微細活性化炭酸カ
ルシウム、特殊炭酸カルシウム、塩基性炭酸マグネシウ
ム、炭酸マグネシウム、天然ケイ酸、合成無水ケイ酸、
合成含水ケイ酸、合成ケイ酸カルシウム、合成ケイ酸マ
グネシウム、合成ケイ酸アルミニウム、水酸化アルミニ
ウム、水酸化マグネシウム、酸化マグネシウム、カオリ
ンクレー、焼成クレー、パイロフライトクレー、カオリ
ン、シラン処理クレー、セリサイト、タルク、微粉タル
ク、ケイ酸カルシウム(ウォラスナイト、ゾーノトナイ
ト、花弁状ケイ酸カルシウム)、珪藻土、ケイ酸アルミ
ニウム、無水ケイ酸、マイカ、ケイ酸マグネシウム、ア
スベスト、PMF(Processed Minera
l Fiber)、セピオライト、チタン酸カリウム、
エレスタダイト、石膏繊維、ガラスバルン、シリカバル
ン、フライアシュバルン、シラスバルン、カーボン系バ
ルン、フェノール樹脂、尿素樹脂、スチレン系樹脂、サ
ラン樹脂などの有機系バルン、アルミナ、硫酸バリウ
ム、硫酸アルミニウム、硫酸カルシウム、二硫化モリブ
デン、グラファイト、ガラス繊維(チョップドストラン
ド、ローピング、ミルドガラス繊維、ガラスフレー
ク)、カットファイバー、ロックファイバー、ミクロフ
ァイバー、炭酸繊維、芳香族ポリアミド繊維、チタン酸
カリウム繊維、タッキファイアー、エボナイト粉末、木
粉、セラミック、ゴム粉末、再生ゴム、チタン酸カリウ
ム繊維などを挙げることができる。これらの充填材・増
量材は、単独でまたは2種類以上組み合わせて用いるこ
とができる。
【0040】<ゴム材料および樹脂材料>また、本発明
のアクリルゴムを含有するアクリルゴム組成物には、良
好な架橋特性が維持される範囲内において、本発明のア
クリルゴム以外のアクリルゴム、他の種類のゴム材料お
よび樹脂材料が混合されていてもよい。
【0041】アクリルゴム組成物に混合することのでき
る他の種類のゴム材料および樹脂材料としては、例えば
スチレン−ブタジエンゴム、水添スチレン−ブタジエン
ゴム、天然ゴム、イソプレンゴム、エチレン−α−オレ
フィン共重合体ゴム、エチレン−α−オレフィン−非共
役ジエン共重合体ゴム、ブタジエンゴム、クロロプレン
ゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム、水添アクリロ
ニトリルブタジエンゴム、ブチルゴム、ポリイソプレン
ゴム、クロロスルホン化ポリエチレンゴム、多硫化ゴ
ム、エピクロルヒドリンゴム、エピクロルヒドリン−エ
チレンオキシドゴム、ポリエーテルウレタンゴム、ポリ
エステルウレタンゴム、メチルシリコーンゴム、ビニル
−メチルシリコーンゴム、フェニル−メチルシリコーン
ゴム、フッ素ゴム、ポリエチレン、ポリプロピレン、塩
素化ポリエチレン、エチレン−アクリレート共重合体、
エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−酢酸ビニル
共重合体、塩素化ポリプロピレン、ポリイソブチレン、
ポリブテン、4−メチルペンテン−1樹脂、1,3−ペ
ンタジエン樹脂、1,2−ポリブタジエン、ポリスチレ
ン、ABS樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリ塩化ビニル、ポ
リビニルカルバゾール、ポリビニルピリジン、ポリビニ
ルイミダゾール、ポリオキシメチレンなどを挙げること
ができる。これらのゴム材料および樹脂材料は、単独で
または2種類以上組み合わせて混合することができる。
【0042】<アクリルゴム組成物の調製(混練)>ア
クリルゴム組成物の調製方法の一例を示せば、通常のゴ
ム混練装置(例えばバンバリーミキサ、ニーダ、オープ
ンロールなど)によって原料ゴムを素練して軟化させた
後、当該原料ゴムに、充填材・増量材、架橋促進助剤、
金属酸化物、軟化剤を添加して混練し、次いで、架橋
剤、架橋促進剤、脱水剤などを添加して更に混練する方
法を挙げることができる。なお、構成成分の添加方法、
添加順序、混練方法、混練装置の種類などは特に限定さ
れるものではない。また、本発明のアクリルゴムを含有
する組成物は、成形加工性にも優れており、プレス成
形、押出成形、射出成形、トランスファー成形、カレン
ダー成形などにより容易に成形することができる。
【0043】<アクリルゴム組成物の架橋>アクリルゴ
ム組成物の架橋としては、通常のゴム組成物に適用され
るプレス架橋、射出成形架橋、熱空気架橋、蒸気架橋な
どを採用することができる。架橋温度は、通常150℃
以上とされる。ここに、アクリルゴム組成物の架橋方法
の一例を示せば、150〜180℃で所定時間のプレス
架橋を行い、さらに必要に応じて150〜180℃で無
圧下において二次架橋を行う方法を挙げることができ
る。
【0044】上記のようにして得られたアクリルゴム組
成物の架橋物は、良好なゴム状弾性および機械的強度を
兼ね備え、耐熱性および耐油性などにも優れている。そ
して、当該架橋物は、例えばオイルクーラーホース、エ
アーダクトホース、パワーステアリングホース、コント
ロールホース、インタークーラーホース、トルコンホー
ス、オイルリターンホース、耐熱ホースなどの各種ホー
ス材、ベアリングシール、バルブステムシール、各種オ
イルシール、Oリング、パッキン、ガスケットなどのシ
ール材、免震ゴム、制振ゴムなどの緩衝材のほか、ベル
ト、ロール、ゴム板、各種ダイヤフラム、オイルレベル
ゲージなど種々の工業的用途に適用することができる。
【0045】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明するが、本発明
はこれらに限定されるものではない。なお、以下におい
て、「部」および「%」は、それぞれ「重量部」および
「重量%」を意味するものとする。
【0046】〔合成例1〕窒素置換されたオートクレー
ブ内に、下記表1に示す単量体混合物100部と、ラウ
リル酸ナトリウム4.0部と、p−メンタンハイドロパ
ーオキサイド0.25部と、硫酸第一鉄0.01部と、
エチレンジアミン四酢酸ナトリウム0.025部と、ソ
ジウムホルムアルデヒドスルホキシレート0.04部と
を仕込み、反応温度30℃で共重合させた。重合転化率
が90%に達したところで、N,N−ジエチルヒドロキ
シルアミン0.5部を反応系に添加して共重合反応を停
止させた(反応時間1時間)。次いで、反応生成物(ラ
テックス)を取り出し、当該反応生成物に水蒸気を吹き
込ませることにより未反応の単量体を除去した。このよ
うにして得られた反応生成物に、塩化カルシウム水溶液
(0.25%)を添加してアクリルゴムを凝固させた。
この凝固物を十分に水洗した後、約90℃で3〜4時間
乾燥させることにより、本発明のアクリルゴム(これを
「アクリルゴム(AR1)」とする)を得た。
【0047】〔比較合成例1〕下記表1に示す処方に従
って、単量体混合物の組成を変更したこと以外は合成例
1と同様にして比較用のアクリルゴム(これを「アクリ
ルゴム(AR2)」とする)を得た。
【0048】
【表1】
【0049】<実施例1〜4>下記表2に示す配合処方
に従って、本発明のアクリルゴム(AR1)と、各種架
橋剤とをオープンロールを用いて混練することにより、
アクリルゴム組成物を調製した。得られた組成物の各々
について、キュラストメータ「JSRキュラストメータ
V型」(日本合成ゴム(株)製)を用いて架橋曲線を測
定した。なお、架橋温度は170℃、振幅角を±1度と
した。測定された架橋曲線を図1に示し、tc10 〔スコ
ーチタイムに近似される(最大トルク値−最小トルク
値)×0.1に達した時間をいう。〕およびtc90 〔最
適加硫時間に近似される(最大トルク値−最小トルク
値)×0.9に達した時間をいう。〕の測定値を表2に
併せて示す。
【0050】
【表2】
【0051】*「ジスネットDB」〔三協化成(株)
製:トリアジン系架橋剤〕 *「V−3」〔ダイキン(株)製:アミン系架橋剤〕 *「パーカドックス14/40」〔化薬アクゾ(株)
製:有機過酸化物〕 *「バルノックPM」〔大内新興化学(株)製:マレ
イミド系架橋剤(有機過酸化物の共架橋剤として使
用)〕
【0052】<比較例1〜4>下記表3に示す配合処方
に従って、比較用のアクリルゴム(AR2)と、各種架
橋剤とをオープンロールを用いて混練することにより、
アクリルゴム組成物を調製した。得られたアクリルゴム
組成物の各々について、実施例1と同様にして架橋曲線
を測定した。測定された架橋曲線を図2に示し、tc10
およびtc90 の測定値を表3に併せて示す。
【0053】
【表3】
【0054】図1〜図2に示す架橋曲線から下記のこと
が理解される。 実施例1〜2に係る組成物の架橋曲線から、本発明
のアクリルゴム(AR1)は、トリアジン系架橋剤(実
施例1)およびアミン系架橋剤(実施例2)によって架
橋させることができる。これに対して比較用のアクリル
ゴム(AR2)は、これらの架橋剤によっては架橋させ
ることはできない。 実施例3〜4に係る組成物の架橋曲線から、本発明
のアクリルゴム(AR1)は、有機過酸化物の存在下に
おいて短時間で架橋させることができ、また、共架橋剤
を併用しない場合(実施例4)であっても、比較的短い
時間で架橋させることができる。
【0055】
【発明の効果】本発明のアクリルゴムは、短時間の加熱
処理により所期の物性を発現することができ、架橋特性
に優れたものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1〜4に係る組成物の架橋曲線図であ
る。
【図2】比較例1〜4に係る組成物の架橋曲線図であ
る。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)アクリル酸アルキルエステルおよ
    びアクリル酸アルコキシアルキルエステルから選ばれる
    少なくとも1種の単量体60〜99.99重量%と、 (B)下記一般式〔I〕で表される化合物から選ばれる
    少なくとも1種の単量体0.01〜20重量%と、 (C)不飽和結合を有する化合物から選ばれる共重合性
    の単量体0〜20重量%とからなる単量体混合物を、ラ
    ジカル重合開始剤の存在下で共重合させることにより得
    られるアクリルゴム。 【化1】 (式中、R1 は水素原子または炭素数1〜5のアルキル
    基を示し、R2 は炭素数1〜20のアルキレン基を示
    し、R3 は、水素原子または炭素数1〜20の炭化水素
    基もしくはその誘導体を示す。nは0または1であ
    る。)
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010070713A (ja) * 2008-09-22 2010-04-02 Nippon Zeon Co Ltd アクリルゴム
KR101173613B1 (ko) 2012-03-22 2012-08-13 한국씰텍주식회사 엔진용 가스켓 고무 조성물 및 이를 포함하는 엔진용 가스켓

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010070713A (ja) * 2008-09-22 2010-04-02 Nippon Zeon Co Ltd アクリルゴム
KR101173613B1 (ko) 2012-03-22 2012-08-13 한국씰텍주식회사 엔진용 가스켓 고무 조성물 및 이를 포함하는 엔진용 가스켓

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