JPH06239940A - アクリル系共重合体およびその組成物 - Google Patents

アクリル系共重合体およびその組成物

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JPH06239940A
JPH06239940A JP5155993A JP5155993A JPH06239940A JP H06239940 A JPH06239940 A JP H06239940A JP 5155993 A JP5155993 A JP 5155993A JP 5155993 A JP5155993 A JP 5155993A JP H06239940 A JPH06239940 A JP H06239940A
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JP
Japan
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weight
acrylate
meth
copolymer rubber
examples
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Application number
JP5155993A
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English (en)
Inventor
Tsukasa Toyoshima
司 豊島
Osamu Kondo
理 近藤
Koji Nobuyo
弘次 延与
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JSR Corp
Original Assignee
Japan Synthetic Rubber Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐油性、耐寒性を損うことなく、耐熱性が著
しく改良されたアクリル系共重合体ゴムおよびその組成
物を提供する。 【構成】 下記式(化1)で代表される特定の(メタ)
アクリル酸エステル、アクリル酸メチル、アクリル酸エ
チル、アクリル酸ブチルおよび架橋性単量体を特定量重
合組成として含有する共重合体とその組成物。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、工業材料用途として優
れた耐熱性、耐油性、耐寒性を有するアクリル系共重合
ゴムおよびその組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、自動車部品を主とした工業材料の
ゴムとして、天然ゴム、スチレン−ブタジエン共重合ゴ
ム(SBR)、ポリブタジエンゴム(BR)、ポリイソ
プレンゴム(IR)、ブチルゴム(IIR)、アクリロ
ニトリル−ブタジエン共重合ゴム(NBR)、クロロプ
レンゴム(CR)、エチレン−プロピレン−ジエン三元
共重合ゴム(EPDM)、およびアクリルゴム(AC
M)などが知られている。特にアクリルゴムは耐熱性の
良いポリマーであるが、近年においては、このような工
業材料のゴムに対して、従来の耐熱性のレベルでは、要
求性能を満足できない高度の機能が要求されつつある。
これらのゴムの物性向上のために、主にポリマー組成の
変更、配合剤の種類および量の変更が実施されている。
しかしながら、これらの変更を実施しても耐油性、耐寒
性を犠牲にすることなく耐熱性を向上させることは困難
である。例えば、アクリルゴムでは、主成分モノマーと
してアクリル酸2−メトキシエチルの導入により耐寒性
を保持しているが、この方法では耐熱性が悪化してしま
う。さらに、耐油性、耐熱性を犠牲にすることなく耐寒
性を改良する方法として、1価の飽和アルコールのε−
カプロラクトン付加物の(メタ)アクリル酸エステルを
アクリル酸エチルと共重合する方法が知られている(特
開昭63−268717号公報)。しかしながら、この
方法でも耐熱性は十分でない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は前記従来技術
の課題を背景になされたもので、耐油性、耐寒性を同時
に満足し、耐熱性の良好なアクリル系共重合体ゴムおよ
びその組成物を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、耐熱性の
良いアクリル酸メチルを共重合することにより耐熱性を
改良し、不足する耐寒性を一般式(I)で表わされるエ
ステル基含有(メタ)アクリル酸エステル(以下、
「(A)成分」あるいは「(メタ)アクリル酸エステル
(I)という。」)を共重合し補うことにより、従来の
アクリルゴムの耐油性、耐寒性を損なわず耐熱性を大幅
に改良できることを見い出した。本発明は、(A)一般
式(I)
【0005】
【化2】
【0006】〔式中、R1 は水素原子またはメチル基、
2 は炭素数3〜20のアルキレン基、R3 は炭素数1
〜20の炭化水素基またはその誘導体、nは1〜20の
整数を示す。〕で表わされる(メタ)アクリル酸エステ
ル(以下、「(メタ)アクリル酸エステル(I)」とい
う。)5〜30重量%、(B)アクリル酸メチル5〜5
5重量%、(C)アクリル酸エチル0〜60重量%、
(D)アクリル酸ブチル10〜50重量%および(E)
架橋性単量体0.1〜10重量%、および前記(A)〜
(E)と共重合可能な単量体(F)0〜20重量%の重
合組成を有するムーニー粘度(ML1+4 、100℃)が
15以上のアクリル系共重合体ゴムを提供するものであ
る。
【0007】本発明で用いる(メタ)アクリル酸エステ
ル(I)について説明すると、前記一般式においてR1
は水素原子またはメチル基であり、好ましくは水素原子
である。また、R2 は炭素数3〜20、好ましくは3〜
10のアルキレン基であり、例えばプロピレン基、ブチ
レン基などを挙げることができる。さらに、R3 は、炭
素数1〜20の炭化水素基、または酸素原子、窒素原子
もしくはハロゲン原子などを含有する炭化水素基の誘導
体であり、好ましくは炭素数1〜10の炭化水素基であ
る。この炭素数1〜10の炭化水素基としては、メチル
基、エチル基、ブチル基などのアルキル基;フェニル
基、トルイル基、キシリル基などの芳香族炭化水素基;
シクロペンチル基、シクロヘキシル基などの脂環式炭化
水素基が挙げられ、好ましくはアルキル基であり、さら
に好ましくはメチル基、エチル基である。さらに、一般
式(I)において、nは1〜20、好ましくは1〜10
の整数である。
【0008】一般式(I)で表わされる(メタ)アクリ
ル酸エステル(I)の具体例としては、下記の化合物を
挙げることができる。 CH2 =CHCOO−C3 6 COO−CH3 CH2 =CHCOO−C4 8 COO−CH3 CH2 =CHCOO−C5 10COO−CH3 CH2 =CHCOO−C5 10COO−C2 5 CH2 =CHCOO−C5 10COO−C4 9 CH2 =CHCOO−C5 10COO−C8 17 CH2 =CHCOO−(C3 6 COO)2 −C2 5 CH2 =CHCOO−(C4 8 COO)2 −C2 5 CH2 =CHCOO−(C5 10COO)2 −C2 5 CH2 =CHCOO−(C5 10COO)3 −C2 5 CH2 =CHCOO−(C5 10COO)4 −C2 5 CH2 =CHCOO−(C5 10COO)5 −C2 5 CH2 =CHCOO−(C5 10COO)2 −C8 17 CH2 =CH(CH3 )−COO−(C3 6 COO)
2 −CH3 CH2 =CH(CH3 )−COO−(C4 8 COO)
2 −CH3 CH2 =CH(CH3 )−COO−(C5 10COO)
2 −CH3
【0009】共重合体ゴム中の(メタ)アクリル酸エス
テル(I)の含有量は5〜30重量%、好ましくは10
〜20重量%であり、5重量%未満では得られる共重合
体ゴムの低温性改良効果が少なく、一方、30重量%を
超えると低温での圧縮永久歪特性および引張強度が悪化
する。
【0010】次に、共重合体ゴム中の(B)成分のアク
リル酸メチルの含有量は5〜55重量%、好ましくは1
0〜40重量%であり、5重量%未満では得られる共重
合体ゴムの耐熱性改良効果が小さく、一方、55重量%
を超えると低温性が著しく悪化する。
【0011】次に、共重合体ゴム中の(C)成分のアク
リル酸エチルの含有量は0〜60重量%、好ましくは1
0〜50重量%であり、60重量%を超えると低温性が
悪化する。
【0012】次に、共重合体ゴム中の(D)成分のアク
リル酸ブチルの含有量は10〜50重量%、好ましくは
20〜40重量%であり、10重量%未満では低温性が
不十分であり、50重量%を越えると耐油性が著しく悪
化する。
【0013】次に、(E)成分の架橋性単量体としては
下記の化合物を挙げることができる。 ジエン系単量体 不飽和基含有不飽和カルボン酸エステル エポキシ基含有ビニル単量体 カルボキシル基含有ビニル単量体 反応性ハロゲン原子含有ビニル単量体 水酸基含有ビニル単量体 アミド基含有ビニル単量体
【0014】ここで、ジエン系単量体としては、例え
ばブタジエン、エチリデンノルボルネン、イソプレン、
ピペリレン、ジビニルベンゼン、ビニルシクロヘキセ
ン、クロロプレン、メチルブタジエン、シクロペンタジ
エン、メチルペンタジエン、ジメチルビニルスチリルシ
ランなどを、不飽和基含有不飽和カルボン酸エステル
としては、例えばエチレングリコールジ(メタ)アクリ
レート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、ジヒドロジシクロペンタジエニルオキシエチル(メ
タ)アクリレート、(メタ)アクリル酸ビニル、ジメチ
ルビニルメタクリロキシメチルシランなどが、エポキ
シ基含有ビニル単量体としては、例えばグリシジル(メ
タ)アクリレート、アリルグリシジルエーテルなどが、
カルボキシル基含有ビニル単量体としては、例えば
(メタ)アクリル酸、イタコン酸、フマル酸モノ−n−
ブチル、マレイン酸モノエチル、マレイン酸モノ−n−
ブチル、2−メタクリロイルオキシエチルヘキサヒドロ
フタル酸、2−メタクリロイルオキシエチルマレイン酸
などが、反応性ハロゲン原子含有ビニル単量体として
は、例えば2−クロルエチルビニルエーテル、クロル酢
酸ビニル、クロル酢酸アリル、クロルメチルスチレンな
どが、水酸基含有ビニル単量体としては、例えば2−
ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピ
ルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレー
ト、N−メチルロール(メタ)アクリルアミドなどが、
アミド基含有ビニル単量体としては、例えばアクリル
アミド、メタクリルアミドなどが挙げられる。
【0015】共重合体ゴム中の(E)架橋性単量体の含
有量は0.1〜10重量%、好ましくは0.1〜5重量
%であり、0.1重量%未満では得られる共重合体ゴム
の引張強度が劣り、一方、10重量%を超えると伸びが
低下する傾向となる。
【0016】次に、前記(A)〜(E)成分と共重合可
能な(F)成分としては、(メタ)アクリル酸トリフル
オロエチル、(メタ)アクリル酸ペンタフルオロプロピ
ルなどの(メタ)アクリル酸パーフルオロアルキル、酢
酸ビニル、プロピオン酸ビニル、カプロン酸ビニルなど
のカルボン酸ビニルエステル、(メタ)アクリロニトリ
ル、α−メチルアクリロニトリルなどのビニルシアン化
合物のほか、(メタ)アクリル酸メトキシエチル、スチ
レン、エチレン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化
ビニリデン、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロ
エチレンなどが挙げられる。共重合体ゴム中の(F)成
分の含有量は20重量%以下、好ましくは10重量%以
下であり、20重量%を超えると(A)、(B)成分の
量が少なくなり、耐熱性、耐油性、耐寒性のバランスが
とれない。
【0017】本発明のアクリル系共重合体ゴムの共重合
方法は、ラジカル重合開始剤の存在下に通常の乳化重
合、懸濁重合、バルク重合、あるいは溶液重合させるこ
とによって容易に製造することができる。乳化重合法に
より共重合体ゴムを製造する場合の乳化剤としては、陰
イオンまたは非イオン界面活性剤を単独あるいは混合物
として、さらに種々の分散剤も用いることができる。こ
れらの乳化剤としては、例えばアルキルサルフェート、
アルキルアリールスルフォネート、高級脂肪酸の塩、例
えばポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル
塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシ
エチレンアルキルアリルエーテル、ポリオキシエチレン
脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンオキシプロピレン
ブロックポリマーなどが挙げられる。
【0018】共重合反応は、温度−100〜200℃、
好ましくは0〜60℃の条件下で行なうことができる。
重合を開始させるためのラジカル開始剤としては、例え
ばベンゾイルパーオキシド、クメンハイドロパーオキシ
ド、パラメンタンハイドロパーオキシドなどの有機過酸
化物、アゾビスイソブチロニトリルで代表されるアゾ化
合物、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムなどの無機
過硫酸塩、有機過酸化物−硫酸鉄の組み合わせで代表さ
れるレドックス系触媒などが挙げられる。これらのラジ
カル開始剤は、単量体混合物に対して、通常、0.01
〜2重量%用いられる。分子量調節剤は必要に応じて用
いられるが、その具体例としては、t−ドデシルメカプ
タン、ジメチルキサントゲンジスルフィドなどが挙げら
れる。
【0019】重合反応は、所定の重合転化率に達した
後、N,N−ジエチルヒドロキシアミンなどの反応停止
剤を添加して重合反応を停止させ、次いで得られたラテ
ックス中の未反応単量体を水蒸気蒸留などで取り除き、
フェノール類、アミン類などの老化防止剤を添加し、通
常の凝固方法、例えば硫酸アルミニウム水溶液、塩化カ
ルシウム水溶液、塩化ナトリウム水溶液、硫安水溶液な
どの金属塩水溶液と混合してラテックスを凝固させた
後、乾燥させることによって共重合体ゴムを得ることが
できる。また、懸濁ラジカル重合により共重合体ゴムを
製造する場合には、ポリビニルアルコールの酸化物など
を分散剤として加え、アゾビスイソブチロニトリル、過
酸化ベンゾイルなどの油溶性ラジカル開始剤を用いて重
合を行ない、重合終了後、水を除去することにより共重
合体ゴムを得ることができる。さらに、溶液ラジカル重
合により共重合体ゴムを製造する場合にも、一般的に知
られている方法を採用することができる。なお、重合方
式は、連続式、回分式のいずれも可能である。
【0020】このようにして得られる本発明の共重合体
ゴムの分子量は、分子量調節剤の種類および量、ラジカ
ル開始剤の種類および量、重合温度、溶媒の種類および
量、さらには単量体濃度などの反応条件を変更すること
により、粘度平均分子量で1万〜500万、好ましくは
10万〜200万のものが得られる。また、得られる共
重合体ゴムのムーニー粘度(ML1+4 、100℃)は1
5以上、好ましくは15〜100であり、15未満では
共重合体ゴムの引張強度が劣り、一方、100を超える
と加工性が低下する場合があり好ましくない。
【0021】本発明のアクリル系共重合体ゴムは、加硫
促進剤、架橋剤などを配合して、通常知られている加硫
方法で加硫することができる。架橋剤としては、共重合
に使用される(E)架橋性単量体の種類により、次のよ
うなものを選択することができる。すなわち、架橋性単
量体が、ジエン系単量体および/または不飽和基含有
カルボン酸エステルの場合には、架橋剤としてイオウ、
有機イオウ化合物、有機過酸化物が用いられる。また、
架橋性単量体として、エポキシ基含有ビニル単量体を
用いた場合には、ポリアミン、ポリカルボン酸、酸無水
物、ポリアミド、スルホンアミド、ジチオカルバミン酸
塩、有機カルボン酸アンモニウムなどが架橋剤として用
いられる。
【0022】さらに、架橋性単量体として、カルボキ
シル基含有ビニル単量体を用いた場合には、ポリアミ
ン、ポリエポキシド、ポリオールなどが架橋剤として用
いられる。さらに、架橋性単量体として、反応性ハロ
ゲン原子含有ビニル単量体を用いた場合には、金属セッ
ケン、有機カルボン酸アンモニウム塩、ポリアミン、ポ
リカーバメート、トリチオシアヌル酸などが架橋剤とし
て用いられる。さらに、架橋性単量体として、水酸基
含有ビニル単量体を用いる場合には、ポリイソシアネー
ト、ポリカルボン酸、アルコキシメチルメラミンなどが
架橋剤として用いられる。さらに、架橋性単量体とし
て、アミド基含有ビニル単量体を用いる場合には、ア
ミノホルムアルデヒドなどが架橋剤として用いられる。
【0023】これらの架橋剤のうち、イオウとしては、
粉末イオウ、沈降イオウ、コロイドイオウ、不溶性イオ
ウ、高分散性イオウのいずれでも使用できる。有機イオ
ウ化合物としては、熱解離によって活性イオウを放出す
る化合物であり、例えばチウラム系促進剤であるテトラ
メチルチウラムジスルフィドや4,4−ジチオモルホリ
ンなどが挙げられる。有機過酸化物としては、2,5−
ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシ
ン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオ
キシ)ヘキサン、1,3−ビス(t−ブチルパーオキシ
イソプロピル)ベンゼン、ジクミルパーオキシド、ジブ
チルパーオキシド、1,1−ジ−t−ブチルパーオキシ
−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、t−ブチル
クミルパーオキシド、t−ブチルパーオキシ−イソプロ
ピルカーボネートなどが用いられる。金属酸化物として
は、例えば酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化鉛などが
挙げられる。キノンジオキシムとしては、例えばp−キ
ノンジオキシム、p,p−ジベンゾイルキノンオキシム
などが挙げられる。変性アルキルフェノール樹脂として
は、例えばアルキルフェノールホルムアルデヒド樹脂、
ブロム化アルキルフェノールホルムアルデヒド樹脂など
が挙げられる。
【0024】ポリイソシアネートとしては、例えばヘキ
サメチレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネー
ト、ジフェニルメタンジイソシアネートなどが挙げられ
る。ポリアミンとしては、例えばトリエチレンテトラミ
ン、メチレンジアニリン、ジエチレントリアミンなどが
挙げられる。金属セッケンとしては、例えばステアリン
酸ナトリウム、ステアリン酸カリウムなどが挙げられ
る。有機カルボン酸アンモニウム塩としては、例えば安
息香酸アンモニウム、アジピン酸アンモニウムなどが挙
げられる。ポリカルボン酸としては、例えばアジピン
酸、オクタデシルジカルボン酸などが挙げられる。酸無
水物としては、例えば無水ピロメリット酸、無水マレイ
ン酸、無水ドデセニルコハク酸などが挙げられる。ジチ
オカルバミン酸としては、例えばヘキサメチレンジアミ
ンカーバメート、ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛など
が挙げられる。ポリエポキシドとしては、例えばエチレ
ングリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサン
ジオールジグリシジルエーテルなどが挙げられる。ポリ
オールとしては、例えば1,4−ブタンジオール、1,
1,1−トリメチロールプロパンなどが挙げられる。
【0025】これらの架橋剤には、架橋時間の短縮、架
橋温度の低下、架橋物の性能の向上を達成するために架
橋助剤を添加することができる。例えば、架橋剤として
イオウを使用する場合には、メルカプトベンゾチアゾー
ルなどのチアゾール類、テトラメチルチウラムジスルフ
ィドなどのチウラム類、ジフェニルグアニジンなどのグ
アニジン類、ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛などのジ
チオカルバミン酸塩などが架橋助剤として有効に使用で
きる。架橋剤として有機過酸化物を使用する場合には、
エチレングリコールジメタアクリレート、1,3−ブタ
ンジオールジメタアクリレート、1,4−ブタンジオー
ルジメタアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメ
タアクリレート、ポリエチレングリコールジメタアクリ
レート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,
6−ヘキサンジオールジアクリレート、2,2′−ビス
(4−メタクリロイルジエトキシフェニル)プロパン、
トリメチロールプロパントリメタアクリレート、トリメ
チロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリト
ールトリアクリレート、ジビニルベンゼン、N,N′−
メチレンビスアクリルアミド、p−キノンジオキシム、
p,p′−ジベンゾイルキノンジオキシム、トリアジン
ジチオール、トリアリルシアヌレート、トリアリルシア
ヌレート、トリアリルイソシアヌレート、ビスマレイミ
ド、ビニル含有量の多いシリコーンオイルなどが、架橋
助剤として有効に使用できる。
【0026】架橋剤として金属酸化物を使用する場合に
は、例えばジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド
を必要に応じて架橋助剤として有効に使用できる。架橋
剤としてキノンジオキシムを使用する場合には、例えば
鉛丹などの酸化剤が架橋助剤として有効に使用できる。
変性フェノール樹脂を架橋剤として使用する場合には、
例えば塩素化ポリエチレン、塩化スズなどのハロゲン化
物を架橋助剤として有効に使用できる。金属セッケンを
架橋剤に使用する場合には、例えばイオウ、ジペンタメ
チレンチウラムテトラスルフィドが架橋助剤として有効
に使用できる。アミンを架橋剤として使用する場合に
は、例えばジフェニルグアニジン、ジオルソトリルグア
ニジンが架橋助剤として有効に使用できる。トリチオシ
アヌル酸を架橋剤として使用するときは、ジチオカルバ
ミン酸塩、金属酸化物、有機カルボン酸のアルカリ金属
塩、ジシアンジアミドおよびアルミニウム含有化合物が
架橋助剤として有効に使用できる。
【0027】本発明のゴム組成物中におけるこれらの架
橋剤の配合量は、アクリル系共重合ゴム100重量部に
対して、通常、0.1〜10重量部の割合で使用され、
0.1重量部未満では架橋がほとんど進行せず、一方、
10重量部を超えると得られる共重合体ゴム組成物の物
性が損なわれ好ましくない。
【0028】本発明の共重合体ゴムは、前記架橋剤のほ
かにさらに必要に応じて各種の配合剤を添加し、二本ロ
ール、バンバリーミキサーなどの通常の混合機を用いて
混合することにより調整される。配合剤のうち、充填剤
としては、カーボンブラックのほか、シリカ、炭酸カル
シウム、タルク、炭酸マグネシウムなどの白色充填剤な
どを挙げることができる。また、配合剤のうち、分散剤
としては、例えば高級脂肪酸およびその金属塩またはア
ミド塩;可塑剤としては、例えばフタル酸誘導体、アジ
ピン酸誘導体、ポリエーテルエステル;軟化剤として
は、例えば潤滑油、プロセスオイル、ヒマシ油;老化防
止剤としては、例えば4,4′−(α,α′−ジメチル
ベンジル)ジフェニルアミンなどのアミン類、2,2′
−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノー
ル)などのイミダゾール類;そのほか顔料、架橋促進
剤、難燃剤、発砲剤、スコーチ防止剤、粘着付与剤、滑
剤などを任意に配合できる。
【0029】このようにして得られる本発明の共重合体
ゴムを主成分とするゴム組成物は、通常の架橋ゴム製造
条件によって成形、架橋を行ない、架橋物となすことが
できる。すなわち、成形後、通常、150〜180℃で
10〜60分、50〜150kg/cm2 )の加熱・加
圧下で一次架橋、さらに必要に応じて150〜180℃
で1〜20時間、二次架橋し、耐熱性、耐寒性、耐油性
に優れた架橋物を与えることができる。
【0030】このようにして得られるゴム架橋物は、工
業用途としてロール、ホースなど、自動車用途としてシ
ール、パッキング、ホースなどに用いることができる。
【0031】
【実施例】以下、実施例を挙げ本発明をさらに具体的に
説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、これら
実施例に制約されるものでない。なお、実施例中、部お
よび%は特に断らない限り重量基準である。また、実施
例中、共重合体ゴムおよび架橋物の諸特性の測定方法
は、次の通りである。クロム酢酸ビニルおよびクロル酢酸アリルの定量 ポリマー中の塩素含量を蛍光X線により測定し求めた。アリルグリシジルエーテルの定量 ポリマーをクロロホルムに溶解した後、酢酸法によりエ
ポキシ当量を測定して求めた。共重合体ゴム中のアクリル酸エステルの定量 アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチ
ルなどのアクリル酸エステルの定量は、13C−核磁気共
鳴スペクトルから求めた。架橋物の性質 アクリル系共重合体ゴムを含有する組成物よりゴムシー
トまたはブロックを作製し、架橋プレス装置を用いて所
定時間架橋した。また、必要に応じてギヤーオーブンを
用いてさらに所定時間架橋した。得られた架橋シートま
たはブロックをダンベルカッターで成形し、JIS K
6301に準じて耐熱性、耐寒性、圧縮永久歪および耐
油性を測定した。
【0032】実施例1〜6、比較例1〜8(アクリル系
共重合体ゴムの製造) 単量体混合物100部、ラウリル硫酸ナトリウム4部、
p−メンタンハイドロパーオキシド0.25部、硫酸第
一鉄0.01部、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム
0.025部およびソジウムホルムアルデヒドスルホキ
シレート0.04部を、窒素置換したオートクレーブに
仕込み、反応温度30℃で単量体の転化率が90%に達
するまで反応させ、N,N−ジエチルヒドロキシルアミ
ン0.5部を加え、反応を停止させた。次に、反応生成
物を取り出して水蒸気を吹き込み、未反応単量体を除去
した。このようにして得たゴムラテックスを、0.25
%の塩化カルシウム水溶液に加えて凝固させ、凝固物を
十分水洗して約90℃で3時間乾燥させて実施例1に相
当する共重合体Aを得た。共重合体Aの組成は、13C−
NMRスペクトルの化学シフトから算出した。ただし、
クロム酢酸ビニル含量およびクロル酢酸アリル含量は蛍
光X線法により求め、アリルグリシジルエーテルについ
てはエポキシ基の定量から求め、その結果を表1に示し
た。
【0033】
【表1】
【0034】共重合体ゴムB〜Nも同様にして製造し
た。次いで、得られた各共重合体ゴム100部に、FE
Fカーボンブラック60部、ステアリン酸1部、各共重
合体ゴムの製造に用いた架橋性単量体の種類に応じて表
2の過硫促進剤および架橋剤を加え、ロールで混合した
後、170℃で20分間、架橋させ架橋シートおよびブ
ロックを作製した。この架橋シートおよびブロックを、
オーブン中で175℃で4時間、さらに架橋させた。得
られた架橋サンプルは、JIS K6301に準じて、
引張強度特性、耐熱性、耐油性および耐寒性を測定し
た。結果を表2に示す。
【0035】
【表2】
【0036】
【発明の効果】本発明のアクリル系共重合体ゴムおよび
その組成物は、耐油性、耐寒性を犠牲にすることなく、
耐熱性が非常に改良されていることがわかる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)一般式(I) 【化1】 〔式中、R1 は水素原子またはメチル基、R2 は炭素数
    3〜20のアルキレン基、R3 は炭素数1〜20の炭化
    水素基またはその誘導体、nは1〜20の整数を示
    す。〕で表される(メタ)アクリル酸エステル5〜30
    重量%、(B)アクリル酸メチル5〜55重量%、
    (C)アクリル酸エチル0〜60重量%、(D)アクリ
    ル酸ブチル10〜50重量%および(E)架橋性単量体
    0.1〜10重量%、および前記(A)〜(E)と共重
    合可能な単量体(F)0〜20重量%の重合組成(ただ
    し、(A)+(B)+(C)+(D)+(E)+(F)
    =100)を有するムーニー粘度(ML1+4 、100
    ℃)が15以上のアクリル系共重合体ゴム。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のアクリル系共重合体ゴム
    100重量部に対し、架橋剤0.1〜10重量部を配合
    してなるゴム組成物。
JP5155993A 1993-02-17 1993-02-17 アクリル系共重合体およびその組成物 Pending JPH06239940A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005120143A (ja) * 2003-10-14 2005-05-12 Jsr Corp エポキシ基含有ゴム、該製造法、該組成物及び積層体
WO2005103143A1 (ja) * 2004-04-21 2005-11-03 Unimatec Co., Ltd. アクリル系エラストマー組成物
JP2010070713A (ja) * 2008-09-22 2010-04-02 Nippon Zeon Co Ltd アクリルゴム

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WO2005103143A1 (ja) * 2004-04-21 2005-11-03 Unimatec Co., Ltd. アクリル系エラストマー組成物
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