JPH1058339A - 動力式レンチ - Google Patents

動力式レンチ

Info

Publication number
JPH1058339A
JPH1058339A JP23856396A JP23856396A JPH1058339A JP H1058339 A JPH1058339 A JP H1058339A JP 23856396 A JP23856396 A JP 23856396A JP 23856396 A JP23856396 A JP 23856396A JP H1058339 A JPH1058339 A JP H1058339A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
wrench
reaction force
projection
wrench body
force receiver
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP23856396A
Other languages
English (en)
Inventor
Hikari Miyano
光 宮野
Tsugio Fukumoto
次男 福元
Isamu Sato
勇 佐藤
Ryuichi Tsuchida
隆一 土田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
ASAHI KINZOKU KOGYO KK
Janome Corp
Original Assignee
ASAHI KINZOKU KOGYO KK
Janome Sewing Machine Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ASAHI KINZOKU KOGYO KK, Janome Sewing Machine Co Ltd filed Critical ASAHI KINZOKU KOGYO KK
Priority to JP23856396A priority Critical patent/JPH1058339A/ja
Publication of JPH1058339A publication Critical patent/JPH1058339A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Details Of Spanners, Wrenches, And Screw Drivers And Accessories (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】反力受けを当接させる突起物の位置にかかわら
ず、常時レンチ本体のハンドルを任意な方向にしてボル
ト等の被締め付け物を締緩できる動力式レンチを提供す
る。 【解決手段】レンチ本体と、反力受け2とを備えてい
る。レンチ本体は、ケーシングと、ケーシングに対して
回転自在に突設されたネジ締緩用回転軸4を備え、又、
ケーシングの先端側には、ラチェット歯33bの刻設さ
れた円筒体33が取り付けられている。反力受け2は、
反力受け本体6と、突起物に係止させる突起物係止部材
8とを有する。又、反力受け本体6は、右回転用爪64
a、左回転用爪64bを有するラチェット機構64を備
えている。そして、この反力受け本体6の右回転用爪6
4a又は左回転用爪64bが、円筒体33のラチェット
歯33bに歯合することにより、反力受け2がレンチ本
体に対して一方向に回転自在、且つ他方向に回転不能に
係止し得るものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明は、動力式レンチの
改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、比較的大きなボルトを締緩す
るような場合には、エアーや電気等の駆動源に減速装置
を内装した動力式レンチが使用されている。この従来の
動力式レンチとしては、例えば図9に示すようなものが
知られている。この動力式レンチは、レンチ本体aと、
反力受けbとを備え、又、レンチ本体aは、図10に示
すようにケーシングcと、ケーシングc内に装備した太
陽歯車d、d及び遊星歯車e…eからなる減速装置と、
ケーシングcの先端側に突設させたネジ締緩用回転軸f
と、ネジ締緩用回転軸fの先端に設けたソケットgとを
備え、一方、反力受けbの一端側を、レンチ本体aのケ
ーシングcの外周にネジh、hで固定し、反力受けbの
他端側を、突起物Tに当接させるようにしたものであ
る。そして、被締め付け部材としてのボルトHを締め付
けるには、図9に示すようにケーシングcの後端側に形
成したハンドルc1を把持してソケットgにボルトHを
係合させるとともに、反力受けbの他端側を突起物Tに
当接させ、その状態から起動スイッチボタンiを押圧す
るとケーシングc内に装備したモータ(図示せず)から
の回転力が減速装置を介してネジ締緩用回転軸fに伝達
されソケットgに係合させたボルトHを締め付ける。
又、その際、レンチ本体aにかかるボルトHからの反力
を反力受けbで受けることによってレンチ本体aが回転
することを防止するようにしたものである。尚、このレ
ンチ本体aの機構については、本願の発明の詳細な説明
で更に詳述する。しかしながら、この動力式レンチにお
いては、ケーシングcと反力受けbとを固定しているた
め、反力受けbを当接させる突起物Tが、例えば図11
に示すように締め付けようとするボルトHの右方側に有
る場合には、反力受けbの他端側を突起物Tに当てると
反力受けbと一体となったレンチ本体aのハンドルc1
も右側に傾いてしまう。従って、このような場合には、
作業が困難になってしまうという課題がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本願発明は、以上の実
情に鑑み提案されたもので、反力受けを当接させる突起
物の位置にかかわらず、常時レンチ本体のハンドルを任
意な方向にしてボルト等の被締め付け物を締緩できる動
力式レンチを提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本願発明は、以下の特徴
を有する動力式レンチを提供することにより上記課題を
解決する。本願発明の動力式レンチは、減速装置41、
42を有するレンチ本体1と、レンチ本体1に接続され
た反力受け2とを備える。反力受け2とレンチ本体1と
の接続部に、ラチェット機構64が備えられる。そし
て、このラチェット機構64により、反力受け2がレン
チ本体1に対して相対的に一方向側に回転自在、且つ、
他方向側に回転不能に係止し得るようになされたもので
ある。
【0005】以上のように構成された本願発明の動力式
レンチにおいては、ラチェット機構64により、反力受
け2がレンチ本体1に対して相対的に一方向側に回転自
在、且つ、他方向側に回転不能に係止するため、反力受
け2を突起物Tに当接させる場合には、レンチ本体1を
可動させることなく、反力受け2だけをレンチ本体1に
対して一方向側に回転させることにより当接させること
ができる。これにより、突起物Tの位置にかかわらずに
レンチ本体1のハンドルを所定方向にして被締め付け部
材の締緩作業を行うことできる。一方、反力受け2を突
起物Tに当接させた後、レンチ本体1に被締め付け部材
からの反力がかかった場合には、反力受け2がレンチ本
体1に対して他方向側に回転しないため、レンチ本体1
にかかる反力を、突起物Tに当接した反力受け2が受
け、レンチ本体1が反力によって回るようなことを防止
できる。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、図を基に本願発明の一実施
形態の動力式レンチを具体的に説明する。図1は、本願
発明の一実施形態の動力式レンチの側面図であり、図2
は、図1の要部拡大断面図である。
【0007】本願発明の動力式レンチは、レンチ本体1
と、レンチ本体1に接続された反力受け2とを備えてい
る。
【0008】レンチ本体1は、従来から使用されている
ものと同様のもので、ケーシング3と、ケーシング3の
先端外側(図示のX方向)にケーシング3に対して回転
自在に突設されたネジ締緩用回転軸4と、ネジ締緩用回
転軸4を回転させる駆動装置とを備えている。ケーシン
グ3は、後端側に、ケーシング3と一体的に形成された
ハンドル31が備えられており、このハンドル31と、
ケーシング3の外周に固設された握り部32とにより、
このレンチ本体1全体を把持できるようになされてい
る。又、図2に示すようにケーシング3の先端側には、
円筒体33がボルトを介して取り付けられ、ケーシング
3の一部をなしている。この円筒体33の外周には、反
力受け取付け部33aが備えられており、又、反力受け
取付け部33aには、全周に渡って複数の歯からなるラ
チェット歯33b(図3に図示)が刻設されている。
【0009】駆動装置は、ケーシング3における後方側
に内装された駆動用部材と、ケーシング3における先方
側に内装された減速装置とが備えられている。
【0010】駆動用部材は、図2に示す外周に外ギヤ4
0aの刻設された駆動軸40と、モータ(図示せず)と
を備え、モータを駆動源として駆動軸40が回転する。
尚、駆動軸40は、モータに直接連結させても良いが、
本実施形態では、図示しないが速度切替え用のクラッチ
を備えることにより、駆動軸40を回転速度調整可能な
ものとし、ケーシング3の側面における中央部に設けた
クラッチ切替えスイッチ34によって駆動軸40の回転
速度を高速、低速に切り換えることができるようになさ
れている。又、モータは、電気的に正逆回転切替え可能
になされ、これにより、駆動軸40が左回転、又は右回
転し得るようになされている。
【0011】減速装置は、本実施形態では、図2に示す
ように第1減速装置41と、第2減速装置42との二つ
から構成されている。第1減速装置41は、第1回転軸
41aと、第1太陽ギヤ41bと、複数(図示しないが
本実施形態では四つ)の第1遊星ギヤ41cとを備えて
いる。第1回転軸41aは、後端側に駆動軸歯合用の内
ギヤ41dが設けられており、この内ギヤ41dと駆動
軸40の外ギヤ40aとが歯合されることにより、第1
回転軸41aが駆動軸40から回転伝達されて回転す
る。第1太陽ギヤ41bは、第1回転軸41aの先端側
の外周に第1回転軸41aと同心となる位置に形成され
ている。第1遊星ギヤ41cは、第1太陽ギヤ41b及
びケーシング3の内周に刻設されたケーシング内ギヤ4
1eに歯合して第1太陽ギヤ41bを周回する。
【0012】第2減速装置42は、第2回転軸42a
と、第2太陽ギヤ42bと、複数(図示しないが本実施
形態では四つ)の第2遊星ギヤ42cとを備えている。
第2回転軸42aは、後端側が第1遊星ギヤ41cと軸
支されており、第1遊星ギヤ41cが第1太陽ギヤ41
bの周回運動に伴って第2回転軸42aが回転する。第
2太陽ギヤ42bは、第2回転軸42aの先端側に第2
回転軸42aと同心になる位置に形成されている。第2
遊星ギヤ42cは、第2太陽ギヤ42b及びケーシング
3の内周に刻設されたケーシング内ギヤ42dに歯合し
て第2太陽ギヤ42bを周回する。
【0013】ネジ締緩用回転軸4の後端側は、第2減速
装置42の第2遊星ギヤ42cに軸支されており、第2
遊星ギヤ42cが第2太陽ギヤ42bを周回するに伴っ
てネジ締緩用回転軸4が回転させられる。ネジ締緩用回
転軸4の先端側は、ケーシング3の円筒体33から先端
側に突設されている。又、その突設された先端部の外周
に、ソケット嵌合部21が備えられており、ソケット嵌
合部21に、ボルト等の被締付部材と係合するソケット
Sが取り外し自在に嵌合し得るようになされている。
【0014】以上のように構成されたレンチ本体1は、
ハンドル31に設けられた起動スイッチボタン31aの
押圧操作によってモータに通電されてモータが始動し、
クラッチを介して駆動軸40が所定の回転数で回転し、
この駆動軸40の回転により第1回転軸41aが回転伝
達されて回転する。又、第1回転軸41aの回転に伴う
第1太陽ギヤ41bの回転により、第1遊星ギヤ41c
が第1太陽ギヤ41bを周回する。そして、この周回運
動により、第2回転軸42aが回転するとともに、第2
太陽ギヤ42bが回転し、それに伴い第2遊星ギヤ42
cが第2太陽ギヤ42bを周回する。そして、この第2
遊星ギヤ42cの周回運動により、ネジ締緩用回転軸4
が回転し、これにより、ソケット嵌合部21に嵌合され
たソケットSが回転する。
【0015】反力受け2は、ボルト等の被締付部材を締
め付けた際に被締付部材からレンチ本体1にかかる反力
を受けるためのもので、本実施形態では、反力受け本体
6と、反力受け本体6に着脱自在に取付けられた突起物
係止部材8との二つ部材から構成されている。
【0016】反力受け本体6は、図3に示すように上部
側に、レンチ本体1に取り付けられるレンチ本体取付け
部61が備えられ、下部側には、突起物係止部材8を係
合する係合部70が備えられている。このレンチ本体取
付け部61は、嵌挿孔63と、ラチェット機構64とを
備えている。嵌挿孔63は、レンチ本体1のケーシング
3における円筒体33の反力受け取付け部33aに嵌挿
され、抜け止め部材9(図1に図示)によって抜け止め
されることにより、反力受け本体6がレンチ本体1に取
り外し可能に取り付けられる。ラチェット機構64は、
左右対象に配位された左右一対の二つの右回転用爪64
a、左回転用爪64b(この図3では、左方側に右回転
用爪64aが、右方側に左回転用爪64bが夫々現れて
いる)と、各爪64a、64bを支持する支持部材65
a、65bと、各爪64a、64bを付勢する付勢部材
としてのコイルスプリング68a、68bと、ラチェッ
ト切替え手段とを備えている。
【0017】右回転用爪64aは、レンチ本体1に対す
る反力受け本体6の図3の時計方向側(Y方向)への回
動に際してレンチ本体1と反力受け本体6とを係合させ
て両者を回動不能とし、且つ、反時計方向(Z方向)へ
の回動に際してレンチ本体1と反力受け本体6との係合
を解除して互いに回動自在にするものであり、一方、左
回転用爪64bは、右回転用爪64aとは逆に、レンチ
本体1に対する反力受け本体6の図の反時計方向(Z方
向)への回動に際してレンチ本体1と反力受け本体6と
を係合させて両者を回動不能とし、且つ、時計方向への
回動に際してレンチ本体1と反力受け本体6とを係合を
解錠して互いに回動自在にするものである。従って、こ
れらの右回転用爪64aと左回転用爪64bとは、レン
チ本体1の正、逆回転に応じて選択的に一方のみが使用
されるものである。
【0018】これらの各爪64a、64bは、略三角形
状をなしており、上面には、レンチ本体1のケーシング
3における円筒体33のラチェット歯33bに歯合し得
る複数の歯からなる係合歯64cが刻設されている。そ
して、各爪64a、64bは、反力受け本体6の左右両
側各々に穿設された爪配設用孔60、60内に配位され
ている。詳しくは、爪配設用孔60、60は、反力受け
本体6の外周から嵌挿孔63に貫通されており、そし
て、各爪64a、64bは、爪配設用孔60、60内
に、係合歯64c…64cを嵌挿孔63を向くようにし
て収納され、爪配設用孔60、60内に配位された各爪
64a、64bの係合歯64cと、レンチ本体1のラチ
ェット歯33bとが互いに対向して両者が歯合し得るよ
うになされている。
【0019】各支持部材65a、65bは、鋼球の略上
半分をカットした半球形状をなしており、下部の球状部
65cと、上部の平滑面からなる摺動面65dとを有す
る。そして、支持部材65a、65b各々は、反力受け
本体6の各爪配設用孔60、60内に設けられた凹部6
0a、60aに各支持部材65a、65bの球状部65
cが嵌合されるとともに、摺動面65dに各爪64a、
64bの下面を載置した状態で爪配設用孔60、60内
に配位されている。従って、球状部65cは、凹部60
a、60aの内面を滑ることにより、支持部材65a、
65bの摺動面65d、65dが自在に傾きを変え、
又、摺動面65dに載置した爪64a、64bは、球状
部65cの可動に伴って反力受け本体6に対して回動可
能とされている。又、各爪64a、64bの下面がこの
支持部材65a、65bの摺動面65dを滑ることによ
り、爪64a、64bが反力受け本体6に対して左右方
向に自在に移動可能とされている。
【0020】コイルスプリング68a、68b各々は、
爪配設用孔60、60に設けられた蓋体60a、60b
と、爪64a、64bとの間に配位され、爪64a、6
4bを常時、嵌挿孔63側に付勢する。詳しくは、蓋体
60a、60bは、爪配設用孔60、60内に爪64
a、64bを収納した後、反力受け本体6にネジ止めさ
れている。そして、コイルスプリング68a、68b各
々は、その蓋体60a、60bと、爪配設用孔60、6
0内に収納された爪64a、64bとの間に配位され、
爪64a、64b各々を嵌挿孔63側の内方に付勢して
いる。従って、このコイルスプリング68a、68bの
付勢力により爪64a、64bが嵌挿孔63側に付勢さ
れる結果、爪64a、64bの係合歯64c…64cが
レンチ本体1のラチェット歯33aに押し付けられ、両
者が歯合する。
【0021】ここで、この爪64a、64bの機能につ
いて、図3を基に説明する。例えば、後述のラチェット
切替え手段をなす切替え部材66によって左回転用爪6
4bを作動不能状態にして右回転用爪64aのみが作動
状態にした状態(図7に示す状態)から反力受け5を、
レンチ本体1に対して図3の反時計方向に回転させてい
くと、右回転用爪64aは、ラチェット歯33bに歯合
しているためにその抵抗を受け、その抵抗によって右回
転用爪64aが反力受け2に対して相対的に図の左方側
に動こうとし、支持部材65aの摺動面65dを滑ると
とともに、支持部材65aの球状部65cが凹部60a
の内面を滑って回動し、コイルスプリング68aに抗し
て爪配設用孔60内における図の左方側に逃げ(図の点
線の状態)、更に反力受け2をレンチ本体1に対して回
転させていくと、右回転用爪64aがラチェット歯33
bを乗り越え、その結果、反力受け2は、レンチ本体1
に対して反時計方向に回転する。一方、反力受け2を、
レンチ本体1に対して時計方向に回転させていくと、右
回転用爪64aは、ラチェット歯33aからの抵抗によ
って反力受け2に対して相対的に図の右方側に動こうと
するが、爪配設用孔60内における図の右方側には右回
転用爪64aの逃げるスペースがなく、支持部材65a
とラチェット歯33bとの間に押し込められるため、右
回転用爪64aがラチェット歯33bから外れることが
なく、その結果、反力受け2は、レンチ本体1に対して
時計方向に回転不能状態になる。同様に、右回転用爪6
4aを作動不能状態にして左回転用爪64bのみを作動
状態にした状態(図8の状態)では、反力受け2は、レ
ンチ本体1に対して時計方向に回転し、反時計方向に回
転不能状態になってレンチ本体1と共に回転する。尚、
反力受け2とレンチ本体1とは相対的に互いに一方向側
に回転するもので、上記の説明は、レンチ本体1を固定
した場合におけるレンチ本体1に対する反力受け2の回
転方向についてのものである。従って、反力受け2を固
定した場合における反力受け2に対するレンチ本体1の
回転方向でみると、上記の説明と反対方向になる。例え
ば右回転用爪64aのみが作動した状態(図7に示す状
態)では、反力受け2に対してレンチ本体1は図3の時
計方向に回転することになる。
【0022】ラチェット切替え手段は、右回転用爪64
a、又は左回転用爪64bの一方を選択的に作動不能状
態にすることにより、ラチェット機構を右回転用と左回
転用とに切替えるものであり、本実施形態ではT字状の
切替え部材66により行われる。この切替え部材66
は、摺動片66aと、爪64a、64bを操作する爪操
作片66bとを備えている。摺動片66aは、反力受け
本体6の幅より長く形成された断面四角形状の棒状体か
らなり、左右両端部に操作部66c、66cが備えら
れ、中央部に所定間隔だけ隔てて左右方向に並設された
二つのボール嵌合孔66d、66dが備えられている。
【0023】爪操作片66bの下端は、摺動片66aの
中央に取り付けられることにより、爪操作片66bが摺
動片66aの動きに伴って移動しうるようになされてい
る。爪操作片66bの上端には、左右の両端部に爪操作
部67a、67bが夫々備えられている。
【0024】このように形成された切替え部材66は、
反力受け本体6に穿設された摺動片挿通孔68内に左右
方向摺動自在に配設される。詳しくは、摺動片挿通孔6
8は、反力受け本体6の左側面から右側面にかけて左右
方向に貫通されているとともに、中央部で爪配設用孔6
0、60に連通するように形成されている。又、この摺
動片挿通孔68は、中央部における内側面に、ボール6
9が備えられている。このボール69は、摺動片66a
のボール嵌合孔66d、66dに嵌挿させるためのもの
で、図4に示すように摺動片挿通孔68の内側面に所定
深さで明けられたボール収納用孔69aに、摺動片挿通
孔68の内側面に出没可能に収納され、又、ボール付勢
用バネ69bに付勢されることにより、常時、摺動片挿
通孔68の内側面に突出している。そして、図3の切替
え部材66の摺動片66aが、摺動片挿通孔68内に配
位されることにより、爪操作片66bの爪操作部67
a、67bが爪配設用孔60、60内における右回転用
爪64aと左回転用爪64bとの間に配位されている。
又、切替え部材66が摺動片挿通孔68内に配設された
状態では、少なくともいずれか一方の操作部66c、6
6cが摺動片挿通孔68から側方に突出されており、そ
の突出した操作部66c、66cを押圧操作することに
より、摺動片66aが摺動片挿通孔68内を左右方向に
摺動し、又、摺動片66aの摺動に伴って爪操作部67
a、67bが右又は左に移動して右回転用爪64a又は
左回転用爪64bの側面を押圧するとともに、ボール嵌
合孔66d、66dに摺動片挿通孔68内のボール69
が嵌挿して一時的にその位置に係止される。
【0025】突起物係止部材8は、図6(A)(B)に示すよ
うに後端側に係合孔81を備え、右端側に突起物T(図
7に図示)に当接させるための突起物当接部82を備え
ている。係合孔81は、反力受け本体6の係合部70に
係合する部分をなす。
【0026】この係合孔81が係合する反力受け本体6
の係合部70は、図5に示すように正八角柱をなし、左
右両側面に係合手段71、71が備えられている。係合
手段71は、係合部70の左右の両側面各々に所定深さ
で明けられたボール用孔72と、係合用ボール73と、
係合用ボール73を付勢する付勢バネ74とを備えてい
る。係合用ボール73は、ボール用孔72内に、係合部
70の側面から出没可能に収納されている。又、係合用
ボール73は、ボール用孔72内において付勢バネ74
により、常時ボール用孔72内から外に押し出すように
付勢されており、この付勢バネの付勢力によって通常状
態でボール用孔72から突出状態に維持されている。
【0027】一方、係合孔81は、断面正八角形をなし
ており、この係合孔81内に反力受け本体6の係合部7
0を嵌合し得るようになされている。そして、この係合
孔81が、反力受け本体6の係合部70を嵌挿される
と、反力受け本体6の係合部70の係合用ボール73に
よって係合孔81の内側面が押圧される。これにより、
突起物係止部材8が反力受け本体6に回動不能状態で係
合される。又、本実施形態では、突起物係止部材8の外
周に、外周から係合孔81に貫通したネジ孔83を備え
ており、このネジ孔83に係止用ボルト(図示せず)を
螺合させて締め付けることにより、嵌合した突起物係止
部材8の係合孔81が反力受け本体6の係合部70から
確実に外れないようにしている。尚、図6(A)(B)中の8
4、84は、軽量化のための孔を示す。
【0028】突起物当接部82は、断面四角形状を呈し
ており、その前面と後面とが当接面82a、82aをな
し、被締め付け部材の締緩に際していずれかの当接面8
2a、82aが突起物Tに当接される。
【0029】次に、この動力式レンチの作動について説
明する。被締め付け部材として右ネジのボルトを締め付
ける場合、そのボルトに適合するソケットSをレンチ本
体1のネジ締緩用回転軸4に嵌合させる。又、図7に示
すように反力受け2の切替え部材66の操作部66cを
押圧操作し、左回転用爪64bをラチェット歯33aか
ら離し常時ラチェット歯33aに歯合しないようにして
おき、レンチ本体1に対する反力受け2の回転操作に際
し、右回転用爪64aのみが作動し、反力受け2は、レ
ンチ本体1に対して図7の反時計方向に回転可能に、且
つ時計方向に回転不能状態にしておく。そして、ソケッ
トSを、ボルトに係合させるとともに、反力受け2の当
接面82aを突起物Tに当接させる。この当接面82a
の突起物Tへの当接に際し、例えばこの図7に示すよう
に突起物Tが、締め付けようとするボルトの右側方にあ
る場合には、反力受け2を反時計方向に回転させる。そ
の際、反力受け2のみがレンチ本体1に対して回動し、
レンチ本体1は回動することがなく、ハンドル31の方
向を維持することができる。従って、突起物Tがレンチ
本体1に対してどのような位置にあっても反力受け2だ
けを回動させて当接させることができ、レンチ本体1の
ハンドルを常時、任意な方向に配位させてセットでき
る。
【0030】そして、その状態からレンチ本体1のネジ
締緩用回転軸4を回転させることにより、ソケットSを
回す。これにより、ボルトを締め付けることができる。
又、ボルトの締め付けに際し、レンチ本体1にはボルト
から図7の反時計方向の反力がかかり、この反力がかか
ると、反力受け2の右回転用爪64aが歯合してレンチ
本体1と共に回転しようとするが、反力受け2が突起物
Tに当接しているため、回転するのが防止される。これ
により、レンチ本体1がボルトからの反力によって回転
するようなことが防止される。又、反力受け2が反力を
受けた場合、ラチェット歯33aと右回転用爪64aと
の歯合部に相当な力がかかるが、右回転用爪64aに複
数の歯からなる係合歯64cを設け、係合歯64cをラ
チェット歯33aの複数の歯に同時に歯合させるため、
ラチェット歯33aや右回転用爪64aが破壊するよう
なことを防止できる。
【0031】左ネジのボルトを締め付ける場合は、レン
チ本体1に設けた切り換えスイッチによってネジ締緩用
回転軸4を左回転するようにするとともに、図8に示す
ように反力受け2の切替え部材66における上記と反対
側(この図8では上方側)の操作部66cを押圧操作
し、右回転用爪64aをラチェット歯33aから離して
おき、左回転用爪64bのみを作動状態にしておく。
又、反力受け2の当接面82aを突起物Tに当接させる
が、この場合は、反力受け2を時計方向に回転させるこ
とにより行う。以下、右ネジのボルトを締め付けた場合
と同様にして締め付けることができる。
【0032】以上のように構成することにより、ラチェ
ット機構によって突起物Tがレンチ本体1に対してどの
ような位置にあっても反力受け2だけを回動させて当接
させることができ、レンチ本体1のハンドルを常時、任
意な方向に配位させてセットできる。
【0033】又、レンチ本体1に対し反力受け2を回動
させる手段として、本願発明のようなラチェット機構を
設けず、ケーシング3の先端部におけるケーシング内ギ
ヤ42dを有する部分を、ケーシング3と別体のものか
ら構成してケーシング3に対して回転可能なリングギヤ
に形成するとともに、そのリングギヤに反力受け2を固
定することも考えられる。しかし、その場合は、本願発
明のようにレンチ本体1を可動させる前に予め手で反力
受け2をハンドルに対して回転させて突起物Tに当接さ
せることができず、レンチ本体1を可動させることによ
りリングギヤを回転させなければならないため、リング
ギヤに固定させた反力受けを突起物Tに当接させる際に
指等を挟み込んでしまう危険性があるが、本願発明で
は、そのようなことを防止でき、安全に使用し得るもの
となる。しかも、リングギヤをネジ締緩用回転軸4に単
に取付けたのではリングギヤのケーシング内ギヤ42d
とネジ締緩用回転軸4とが心振れする恐れがあり、心振
れがあると第2遊星ギヤ42cを円滑に可動させられな
くなる等の支障をきたす場合がある。その結果、リング
ギヤをネジ締緩用回転軸4に対して精密に取付けなけれ
ばならない等、レンチ本体1の製作が複雑化してしまう
が、本願発明では、反力受け2を取り付ける円筒体33
を、単にケーシング3にボルト等で固定すれば良く、レ
ンチ本体1の製作が容易なものとなる。
【0034】尚、本実施形態では、右回転用爪64aと
左回転用爪64bとの二つを設けることによって、レン
チ本体1の右回転、左回転に対応させるようにしている
が、例えば左又は右方向の一方向に回転させるレンチ本
体1を使用する場合は、爪を一つ設けるようにすれば良
い。又、爪を一つだけ設ける場合は、ラチェット切替え
手段としての切替え部材66も不要であり、適宜変更し
得る。
【0035】又、本実施形態では、反力受け2を、反力
受け本体6と、これに取り外し可能な突起物係止部材8
との二つから構成しているが、一体的に形成したもので
も実施できる。
【0036】更に、本願発明に使用するレンチ本体1
は、本実施形態で説明した形態のものに限らず、従来か
ら使用されているレンチ本体を使用でき、電機式、エア
式等のものでも良く、適宜変更し得る。
【0037】
【発明の効果】以上、本願発明の動力式レンチは、反力
受け2を突起物Tに当接させる場合には、レンチ本体1
を可動させることなく、反力受け2だけをレンチ本体1
に対して一方向側に回転させることにより当接させるこ
とができる。従って、突起物Tの位置に係わらずにレン
チ本体1のハンドルを所定方向にして被締め付け部材の
締緩作業を行うことでき、作業を容易に行うことができ
る。一方、反力受け2を突起物Tに当接させた後、レン
チ本体1に被締め付け部材からの反力がかかった場合に
は、反力受け2がレンチ本体1に対して他方向側に回転
しないため、レンチ本体1にかかる反力を、突起物Tに
当接した反力受け2が受け、レンチ本体1が反力によっ
て回るようなことを防止できる。以上、本願発明は、ボ
ルト等の被締め付け部材を容易に締緩し得る有用且つ実
用的な減速装置を有する動力式レンチを提供しえたもの
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の一実施形態の減速装置を有する動力
式レンチの側面図である。
【図2】レンチ本体の要部拡大断面図である。
【図3】図1のIII −III 線に沿う断面図である。
【図4】反力受けの側面図である。
【図5】反力受けにおける反力受け本体の底面図であ
る。
【図6】(A) は、反力受けにおける突起物係止部材の側
面図、(B) は、その底面図である。
【図7】反力受けを突起物に当接させ、レンチ本体を右
回転させて被締め付け部材を締め付ける場合の断面説明
図である。
【図8】反力受けを突起物に当接させ、レンチ本体を左
回転させて被締め付け部材を締め付ける場合の断面説明
図である。
【図9】従来例の側面図である。
【図10】従来例のレンチ本体の要部拡大断面図であ
る。
【図11】従来例の反力受けを突起物に当接させた状態
のハンドルの方向を示す説明図である。
【符号の説明】
1 レンチ本体 2 反力受け 3 ケーシング 4 ネジ締緩用回転軸 6 反力受け本体 8 突起物係止部材 33 円筒体 33b ラチェット歯 41 第1減速装置 42 第2減速装置 64 ラチェット機構 64a 右回転用爪 64b 左回転用爪 64c 係合歯 66 切替え部材 82 突起物当接部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 福元 次男 新潟県西蒲原郡吉田町大字下中野1444番地 1 旭金属工業株式会社内 (72)発明者 佐藤 勇 新潟県西蒲原郡吉田町大字下中野1444番地 1 旭金属工業株式会社内 (72)発明者 土田 隆一 東京都中央区京橋3丁目1番1号 蛇の目 ミシン工業株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 減速装置(41)(42)を有するレンチ本体
    (1) と、レンチ本体(1) に接続された反力受け(2) とを
    備え、 反力受け(2) とレンチ本体(1) との接続部に、ラチェッ
    ト機構(64)が備えられ、このラチェット機構(64)によ
    り、反力受け(2) がレンチ本体(1) に対して相対的に一
    方向側に回転自在、且つ、他方向側に回転不能に係止し
    得るようになされたものであることを特徴とする動力式
    レンチ。
JP23856396A 1996-08-20 1996-08-20 動力式レンチ Pending JPH1058339A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP23856396A JPH1058339A (ja) 1996-08-20 1996-08-20 動力式レンチ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP23856396A JPH1058339A (ja) 1996-08-20 1996-08-20 動力式レンチ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH1058339A true JPH1058339A (ja) 1998-03-03

Family

ID=17032095

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP23856396A Pending JPH1058339A (ja) 1996-08-20 1996-08-20 動力式レンチ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH1058339A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100822911B1 (ko) 2007-02-09 2008-04-16 지엠대우오토앤테크놀로지주식회사 전동드라이버용 리액션바

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100822911B1 (ko) 2007-02-09 2008-04-16 지엠대우오토앤테크놀로지주식회사 전동드라이버용 리액션바

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2002531277A (ja) 反転可能なラチェットヘッド装置
US6263993B1 (en) Transmission assembly for electrically powered bicycle
JP3726842B2 (ja) ラチェットレンチ
JP3721191B2 (ja) 動力駆動式反転ラチェットドライバー
JP3092073B2 (ja) 二重回転する定常駆動ハンドルを有したラチエツトレンチ
US4907476A (en) Socket wrench with improved handle
US6681660B2 (en) Variable speed ratchet wrench and method of use
JP2003181773A (ja) ラチェットレンチ
JP2007537889A (ja) 正転/逆転アクチュエータ付き空気ラチェット
US6764256B2 (en) Angle drills having rotary handles
US4735119A (en) Manually operated gear wrench
JPH1058339A (ja) 動力式レンチ
JP2000233306A (ja) 震動ドライバドリル
GB2108029A (en) A tool for rotationally secured fasteners
JP2001105333A (ja) 作業工具用ソケット
US20030213341A1 (en) Reverse torque drive ratchet wrench
GB2246090A (en) Nut turner
GB2609071A (en) Ratchet with toggle trigger
JPH0653350B2 (ja) 回転工具
JPS6317595B2 (ja)
JP3764118B2 (ja) トルク伝達機構およびこれを用いた電動工具
JP3248824U (ja) 電動式ラチェット回転工具
JPH0246354B2 (ja)
JPH0459110B2 (ja)
JPH0740257A (ja) 電動回転工具