JPH1058321A - 研削盤の温度補正方法およびその装置 - Google Patents

研削盤の温度補正方法およびその装置

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JPH1058321A
JPH1058321A JP8217295A JP21729596A JPH1058321A JP H1058321 A JPH1058321 A JP H1058321A JP 8217295 A JP8217295 A JP 8217295A JP 21729596 A JP21729596 A JP 21729596A JP H1058321 A JPH1058321 A JP H1058321A
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JP
Japan
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grinding wheel
grinding
wheel
temperature
correction
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JP8217295A
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Inventor
Ryuji Kawakami
隆二 川上
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Mazda Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 研削砥石を備えた砥石台がワーク保持テーブ
ルに対し進退可能に設けられ、かつ上記ワーク保持テー
ブルに砥石修正工具が設けられた研削盤において、低温
運転時におけるワーク研削に際しての砥石台の送り量の
温度補正を行なう。 【解決手段】 定常運転時において砥石が砥石修正工具
に接触する砥石台位置を第1の砥石台位置として記憶し
ておき、低温運転時において、砥石修正工具を研削砥石
に対向させ、かつ砥石台を上記ワーク保持テーブルに向
けて移動させて、砥石が砥石修正工具に接触したときの
砥石台位置を検出して、これを第2の砥石台位置として
記憶し、上記第1および第2の砥石台位置の比較に基づ
いて、低温運転時におけるワーク研削に際しての砥石台
の送り量を補正する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、研削盤の温度補正
方法およびその装置に関し、特に、低温運転時における
ワーク研削に際しての砥石台の送り量を温度補正する方
法およびその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、研削砥石を備えた砥石台が送り装
置によってワーク保持テーブルに対し進退可能に設けら
れた研削盤において、砥石修正工具をワーク保持テーブ
ル側に設け、研削砥石のツルーイング時またはドレッシ
ング時には、ワーク保持テーブルを移動させて砥石修正
工具を研削砥石に対向させてから、砥石台の送り装置に
よって研削砥石を砥石修正工具に向かって前進させて研
削砥石のツルーイングまたはドレッシングを行なうこと
が知られている。
【0003】また、特開昭59−175953号公報に
は、ドレス用ダイヤモンドが研削砥石面と接触したとき
の微小振動加速度を、アコースティック・エミッション
・センサ等の振動検出手段によって検出して、ドレス用
ダイヤモンドの一定量の切り込み送りを行なう技術が開
示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、研削盤のワ
ーク保持テーブルおよび上記砥石台を載置するベッドは
比較的熱変位が大きいため、例えば寒冷時における運転
開始時等の低温運転時には、運転開始から所定時間経過
した定常運転時に対してワーク研削に際しての砥石台の
送り量を補正しないと、研削されたワークの寸法精度が
維持できないことになる。
【0005】そこで、研削盤に定寸ゲージ(インプロセ
スゲージ)を付加して、研削中のワークの寸法を監視
し、この情報を砥石台送り装置を制御するコントローラ
にフィードバックして、砥石台送り量を補正しながらワ
ークの研削を行なうことも従来から実施されているが、
上記インプロセスゲージは高価であるのみでなく、研削
盤のコントローラとインプロセスゲージとの間で信号の
受け渡しがあるために、サイクルタイムが長くなるとい
う欠点があった。
【0006】そのため、低温運転開始時から定常運転に
達するまでは研削されたワークの寸法を測定して、研削
されたワークの寸法が規格を外れかけると砥石台の送り
量を経験と勘とに基づいて補正するという方法を採用す
ることが多かった。
【0007】図10は、研削盤を用いて自動車エンジン
のカムシャフトのカムを研削加工する場合の上述のよう
な砥石台の送り量の温度補正の一例を示すグラフで、横
軸にワークの本数を、縦軸に研削されたカムの寸法をと
ってある。
【0008】図10において、研削盤の低温運転を開始
後最初に研削された1本目のワークは、計測の結果、そ
の寸法が点Aに示すように所定の規格範囲の下限を下回
る不良品であった。そこで、この1本目の加工済みワー
クの寸法誤差に基づいて砥石台の送り量を補正したこと
により、2本目のワークの寸法は、点Bに示すように規
格範囲内に収まった。しかしながら、研削盤の運転継続
に伴う温度上昇のため、4本目のワークの寸法は、点C
に示すように、規格範囲の上限を越えそうになる。そこ
で、再び砥石台の送り量を補正したことにより、5本目
のワークの寸法は、点Dに示すように規格範囲の下限に
近くなっているが、研削盤の温度上昇に伴い、9本目の
ワークの寸法が、点Eに示すように再び規格範囲の上限
近くに達している。ここでまた、砥石台の送り量を補正
することにより、10本目のワークの寸法は、点Fに示
すように、規格範囲の下限に近い位置に移すことができ
た。以後は砥石台の送り量の温度補正を必要としない定
常運転領域となる。
【0009】このような従来の砥石台の送り量の温度補
正方法では、研削盤の温度が安定するまではワーク寸法
の測定を行なう必要があるため手間がかかり、しかも、
低温運転開始後最初に研削される1本目のワークは不良
品になる公算が大であった。
【0010】さらに、従来は砥石台の送り量の補正量
は、作業者がその経験と勘に基づいて必要な度毎に設定
しなければならないという問題もあった。
【0011】上述の事情に鑑み、本発明は、低温運転時
におけるワーク研削に際しての砥石台の送り量を自動的
に補正することによって、高価なインプロセスゲージを
用いることなく、また研削盤の温度が安定するまで研削
後のワークの寸法測定を行なうこともなしに、研削した
ワークの寸法を低温運転開始後から所定の規格範囲内に
収めることができる研削盤の温度補正方法およびその装
置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明による研削盤の温
度補正方法は、研削砥石を備えた砥石台がワーク保持テ
ーブルに対し進退可能に設けられ、かつ上記ワーク保持
テーブルに砥石修正工具が設けられた研削盤における温
度補正方法であって、定常運転時において研削砥石が砥
石修正工具に接触する砥石台位置を第1の砥石台位置と
して記憶しておき、低温運転時において、砥石修正工具
を研削砥石に対向させ、かつ砥石台をワーク保持テーブ
ルに向けて移動させて、上記研削砥石が砥石修正工具に
接触したときの砥石台位置を検出して、これを第2の砥
石台位置として記憶し、上記第1および第2の砥石台位
置の比較に基づいて、低温運転時におけるワーク研削に
際しての砥石台の送り量を補正することを特徴とするも
のである。
【0013】この場合、上記砥石台位置検出・砥石台送
り量補正を、低温運転開始時に行なうことに加えて、低
温運転開始時から定常運転に達するまでの間に少なくと
も少なくとも1回行なうことが好ましい。
【0014】この低温運転開始時から定常運転に達する
までの間における砥石台位置検出・砥石台送り量補正の
タイミングは、カウンタによるワーク研削個数の計数あ
るいはタイマによる計時により、設定することができ
る。ワーク保持テーブルおよび上記砥石台を載置するベ
ッドの温度測定に基づいて上記タイミングを設定しても
よい。さらに、研削されたワークの寸法測定に基づいて
上記タイミングを変更してもよい。
【0015】本発明による研削盤の温度補正装置は、ワ
ークを保持し、かつ砥石修正工具を備えたワーク保持テ
ーブルと、研削砥石を備えた砥石台と、この砥石台をワ
ーク保持テーブルに対し進退させる砥石台送り手段と、
ワークおよび砥石修正工具を研削砥石に選択的に対向さ
せるべくワーク保持テーブルを移動させる手段とを備え
た研削盤における温度補正装置であって、図1に示すよ
うに、砥石修正工具に設けられて、この砥石修正工具に
研削砥石が接触したことを検知するセンサ25と、砥石
台移動位置検出手段31と、この検出手段31により検
出された、定常運転時において研削砥石が砥石修正工具
に接触する第1の砥石台位置および低温運転時において
上記センサ25が研削砥石の砥石修正工具に対する接触
を検知したときの第2の砥石台位置を記憶する記憶手段
32と、この記憶手段32により記憶された第1および
第2の砥石台位置との差を演算する演算手段33と、こ
の演算手段33により算出された上記第1および第2の
砥石台位置との差に基づいて、低温運転時におけるワー
ク研削に際しての砥石台の送り量を補正する補正手段3
4と、を備えてなることを特徴とするものである。
【0016】なお、図1に示す砥石台送り量制御手段3
5およびサーボモータ17によって上記砥石台送り手段
が構成され、サーボモータ17に付設されたエンコーダ
18から送られるパルス信号によって、砥石台移動位置
検出手段31が砥石台の移動位置を検出するように構成
されている。砥石台移動位置検出手段31〜砥石台送り
量制御手段35は研削盤のコントローラ30に含まれ
る。
【0017】また、上記センサ25による砥石修正工具
の研削砥石に対する接触の検知に基づいて実行される上
記補正手段34による低温運転時における砥石台の送り
量補正は、低温運転開始時に加えて、低温運転開始時か
ら定常運転に達するまでの間に少なくとも1回行なわれ
ることが好ましい。
【0018】
【発明の効果】本発明によれば、定常運転時において研
削砥石が砥石修正工具に接触する砥石台位置と、低温運
転時において、砥石修正工具が研削砥石に接触したとき
の砥石台位置との比較に基づいて、低温運転時における
ワーク研削に際しての砥石台の送り量を自動的に補正し
ているから、高価なインプロセスゲージを用いることな
く、ワークの寸法を低温運転開始時から所定の規格範囲
内に自動的に収めることができる。
【0019】また、砥石台位置検出・砥石台送り量補正
を、低温運転開始時に行なうことに加えて、低温運転開
始時から定常運転に達するまでの間に少なくとも少なく
とも1回行なうことにより、研削盤の温度が安定するま
でに研削されたワークの寸法を上記規格範囲内に収める
ことができる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。
【0021】図2および図3は、本発明が適用される研
削盤の概略的平面図および側面図を示し、この研削盤1
は、ベッド2上にワーク保持テーブル3と砥石台4とを
備えている。
【0022】図2の左右方向に長い形状を有するワーク
保持テーブル3上には、複数のカムを備えたカムシャフ
トよりなるワークWの両端をチャックしてワークWをそ
の周りで回転させる主軸5,6と、主軸5を回転させる
駆動用モータ7と、アコースティック・エミッション・
センサ等からなる振動センサ(図1のセンサ25)を内
蔵した砥石修正工具(ツルアー)8とが設けられてい
る。
【0023】上記テーブル3は、ベッド2上に左右方向
に延長して敷設されたレール9,9上に摺動可能に設け
られており、かつベッド2上にレール9,9と平行に設
けられたボールねじ10およびこのボールねじ10を回
転駆動するテーブル送り用サーボモータ11によって、
図1の左右方向、すなわち、ワークWの軸線方向に移動
するように構成されている。
【0024】上記砥石台4上には、テーブル3上のワー
クWの軸線に平行な軸線Lを有する回転軸12に固定さ
れた円盤状の研削砥石(cBN砥石)13と、この砥石
13を回転させる駆動用モータ14とが設けられてい
る。
【0025】砥石台4は、上記レール9,9と直交する
ようにベッド2上に敷設されたレール15,15上に摺
動可能に設けられており、かつベッド2上にレール1
5,15と平行に設けられたボールねじ16およびこの
ボールねじ16を回転駆動する砥石台送り用サーボモー
タ17によって、テーブル3に対して進退するように構
成されている。
【0026】なお、図2においては、砥石台4はテーブ
ル3に対して後退した初期位置にあり、かつテーブル3
は砥石修正工具8を研削砥石13に対向させた位置にあ
るが、砥石13によってワークWのカムを研削するとき
には、図4に示すように、テーブル3が図2の左方に移
動するとともに、砥石台4がテーブル3に向かって移動
するようになっている。
【0027】砥石台送り用サーボモータ17は、砥石台
4の移動位置を検出する機能を備えたエンコーダ18
(図1)付きのサーボモータであり、砥石台4が上記初
期位置から、砥石修正工具8が備えている振動センサ2
5によって砥石13が砥石修正工具8に接触したことを
検知される位置まで距離d(図2,図3)だけ移動した
場合に、そのときの砥石台4の位置は、砥石台4の移動
に伴って上記砥石台送り用サーボモータ17のエンコー
ダ18から出力されるパルス信号を受けた砥石台移動位
置検出手段31(図1)によって検出することができ
る。
【0028】研削盤1のコントローラ30の記憶手段
(メモリ)32には、後述するように、砥石13の最終
ツルーイング終了時に砥石13が砥石修正工具8に接触
している状態における砥石台4の位置が、定常運転時に
おいて砥石修正工具8に接触する砥石台4の位置(第1
の砥石台位置)として記憶され、かつこの記憶値がツル
ーイングが行なわれる毎に更新されるようになってい
る。
【0029】そして、低温運転開始時には、ワークWの
研削に先立って、砥石修正工具8が砥石13に対向する
位置までテーブル3を移動させる。次いで砥石台4をテ
ーブル3に向けて移動させて、上記振動センサが砥石1
3砥石修正工具8に対する接触を検知したときの砥石台
4の位置を検出し、これを第2の砥石台位置として記憶
手段32に記憶し、上記第1の砥石台位置と、低温運転
時に砥石13が砥石修正工具8に接触したときの上記第
2の砥石台位置との差を演算手段33で演算し、砥石台
送り量補正手段34が低温運転時におけるワークWの研
削に際しての砥石台4の送り量を補正し、その補正量に
基づいて、砥石台送り量制御手段35がサーボモータ1
7を駆動するように構成されている。
【0030】次に、本発明による研削盤の温度補正方法
の実施の形態について、図5に示すフローチャートおよ
び図10に対応した図6に示すグラフを参照して説明す
る。なお、テーブル3はその移動範囲の左端の初期位置
にあるとする。
【0031】先ず研削盤1の低温運転開始時に先だっ
て、テーブル3を右進させて、図2に示すように、砥石
修正工具(ツルアー)8を砥石13に対向させる(図
4:S1)。次に、砥石13が砥石修正工具8に接触す
るまで砥石台4を初期位置から前進させる(S2,S
3)。この場合の砥石台4を前進速度は、砥石13が砥
石修正工具8の近傍に達するまでは速くし、その後は微
速にする。砥石13が砥石修正工具8に接触したこと
が、砥石修正工具8が備えている振動センサ25によっ
て検知されると(S3:YES)、このとき砥石台4の
位置を検出して、これを第2の砥石台位置としてコント
ローラ30の記憶手段32に記憶する(S4)。
【0032】次に記憶手段32に今回記憶した低温運転
時の砥石台4の位置(第2の砥石台位置)と、記憶手段
32に既に記憶されている定常運転時の砥石台4の位置
(第1の砥石台位置)とを記憶手段32から読み出し
て、演算手段33で両位置の差を演算し(S5)、砥石
台送り量補正手段34により、低温運転開始時における
ワークWの研削加工に際しての砥石台4の送り量を補正
(温度補正)して記憶手段32に記憶する(S6)。
【0033】次に砥石台4を後退させてから(S7)、
ワークWの最初のカムが砥石13に対向するまでテーブ
ル3を左進させ(S8)、次いで砥石台4を前進させて
(S9)、記憶手段32記憶されている温度補正された
砥石台4の送り量に基づいて砥石台送り量制御手段35
がサーボモータ17を駆動してワークWの研削加工を行
なう(S10)。
【0034】このように、ワーク研削時の砥石台4の送
り量に関して温度補正が自動的になされた結果、研削盤
1の低温運転を開始後最初のワークWの加工寸法を、図
6の点Aに示すように規格範囲内に収めることが可能に
なる。
【0035】また、上述のような、砥石13が砥石修正
工具8に接触したときの砥石台4の位置検出と、この位
置検出に基づく砥石台4の送り量の温度補正は、低温運
転開始時のみでなく、低温運転開始時から定常運転に達
するまでの間に少なくとも少なくとも1回行なうことが
望ましい。
【0036】図6に示した例では、低温運転開始時に加
えて、3本目のワークWの加工が完了したとき(点B)
と、8本目のワークWの加工が完了したとき(点D)と
において、砥石台位置検出・砥石台送り量補正を行なっ
ており、この補正の結果、4本目および9本目のワーク
Wの加工寸法がそれぞれ点Cおよび点Eに示すようにマ
イナス方向に補正されて、ワークWの加工寸法が規格範
囲の上限を越えることを防止している。
【0037】本実施の形態では、低温運転開始時から定
常運転に達するまでの間の砥石台位置検出・砥石台送り
量補正のタイミングを、図5のS11に示すように、ワ
ークWの加工本数を第1カウンタを用いた計数によって
決定しており、この第1カウンタは3本目と8本目のワ
ークWの加工完了を計数した(UP)後不作動状態とな
る。したがって、第1カウンタがUPすると(S11:
YES)、第1カウンタが不作動状態にならないうちは
(S12:NO)、砥石台4を後退させ(S13)、S
1〜S12のルーチンが反復されるが、第1カウンタが
不作動状態になれば(S12:YES)、通常サイクル
の研削加工が継続される(S14)。
【0038】このようにして、低温運転時におけるワー
クWの研削に際しての砥石台4の送り量の温度補正が自
動的になされ、これによって、ワークWの加工後の寸法
が規格範囲内に収めることができる。
【0039】なお、図5に示すフローチャートでは、砥
石台位置検出・砥石台送り量補正のタイミングの設定
を、第1カウンタによるワークWの加工個数の計数によ
って行なっているが、低温運転開始時にセットされるタ
イマによって上記タイミングを設定してもよく、あるい
は、研削盤1のベッド2の温度測定の基づいて上記タイ
ミングを設定してもよい。
【0040】さらに、砥石台位置検出・砥石台送り量補
正のタイミングは、ワークWの研削加工後のポストゲー
ジによる寸法の測定の結果で変更してもよい。すなわ
ち、ポストゲージによる測定結果、砥石台送り量補正を
行なわなくてもワークWの加工後の寸法が規格範囲を越
えるおそれがないと判定されたときには、この情報をフ
ィードバックして砥石台位置検出・砥石台送り量補正の
タイミングを後にずらすように変更している。
【0041】また、図7に示すように、ポストゲージ2
0の目盛盤21における規格範囲を3分割して、中央の
OK領域、マイナス側OK領域およびプラス側OK領域
を設定し、中央のOK領域にあるときには、上記砥石台
位置検出に基づく砥石台送り量補正値をそのまま使用す
るが、マイナス側OK領域またはプラス側OK領域にあ
るときには、上記砥石台送り量補正値に対し、それぞれ
例えば+3μあるいは−3μが上乗せされるようにして
もよい。
【0042】次に、砥石修正工具(ツルアー)8による
砥石13のツル−イングについて、図8のフローチャー
トを参照して説明する。
【0043】砥石13のツル−イングは、砥石13によ
って例えば120本のワークWが研削される毎に行なわ
れ、ツル−イングのために加工本数を計数する第2カウ
ンタが設けられている。また、砥石修正工具8は、砥石
13の軸12と平行な軸8aの周りで回転しながら軸線
方向に往復動し、砥石台4の微速前進に伴ってツル−イ
ングを行なうようになっている。
【0044】図8において、カウンタ2がUPすると
(S21)、砥石修正工具8が砥石13に対向する位置
(図2に示す位置)までテーブル3が右進し(S2
2)、次いで砥石台4が、テーブル3に向かって前進す
る(S23)。
【0045】この場合、図9(a)に示すように、前回
のツル−イング終了時に砥石13が砥石修正工具8に接
触している状態における砥石台4の位置が記憶手段32
に記憶されており、かつその後のワーク研削によって、
砥石13の表面が図9(b)に13aで示すように削ら
れるが、砥石13の表面の端部13bは殆ど削られてい
ない実情に鑑み、先ず憶手段32に記憶された位置まで
砥石台4を前進させて、ツルーイングを開始する。この
ツルーイングにより、図9(c)に13cで示す部分が
削り取られ、図9(d)に示す状態となる(S24)。
このツル−イングは、砥石修正工具8による砥石13の
1回の削り量、すなわち砥石台4の1回の送り量を例え
ば2μとして10回行なわれ、これにより、砥石13が
0.02mmだけ切削されて、図9(d)に示すように、
砥石13の外周面が平坦に修正される。そして、このと
きのツル−イング終了時の砥石台4の位置が、定常運転
時における砥石13が砥石修正工具8に接触する砥石台
4の位置(第1の砥石台位置)として記憶手段32に記
憶され(S25)、この記憶値がツル−イングの度毎に
更新されて、低温運転時の砥石台4の送り量補正の基準
となる。
【0046】ツル−イングが終了すると、砥石台4が後
退し(S26)、次いでワークWのカムが砥石4に対向
する位置までテーブル3が左進した後(S27)、砥石
台4が前進してワークWの研削加工が実行され(S2
8)、S21に戻る。
【0047】以上の説明で、本発明による研削盤の温度
補正法補およびその装置の実施の形態が明らかになった
が、本実施の形態によれば、定常運転時において砥石1
3が砥石修正工具8に接触する第1の砥石台位置と、低
温運転時において、砥石修正工具8が砥石13に接触し
たときの第2の砥石台位置との差の演算に基づいて、低
温運転時におけるワーク研削に際しての砥石台4の送り
量を自動的に補正しているから、高価なインプロセスゲ
ージを用いることなく、ワークWの寸法を低温運転開始
時から自動的に規格範囲内に収めることが容易になる。
【0048】また、砥石台位置検出・砥石台送り量補正
を、低温運転開始時に行なうことに加えて、低温運転開
始時から定常運転に達するまでの間に少なくとも少なく
とも1回行なうことにより、研削盤1の温度が安定する
までに研削されたワークWの寸法を規格範囲内に収める
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による研削盤の温度補正装置の主たる構
成を示すブロック図
【図2】本発明が適用される研削盤において、砥石修正
工具に砥石が対向ししている状態を示す概略的平面図
【図3】同 側面図図
【図4】本発明が適用される研削盤において、砥石がワ
ークを研削している状態を示す概略的平面図
【図5】本発明による研削盤の温度補正方法の一実施の
形態を示すフローチャート
【図6】図5のフローチャートの説明に供するグラフ
【図7】ポストゲージとその目盛盤を示す図
【図8】ツルーイングの説明に供するフローチャート
【図9】本発明が適用される研削盤で実行されるツルー
イングの説明図
【図10】従来の研削盤の温度補正方法の説明に供する
グラフ
【符号の説明】
1 研削盤 2 ベッド 3 ワーク保持テーブル 4 砥石台 5,6 主軸 8 砥石修正工具(ツルアー) 11 テーブル送り用サーボモータ 10,16 ボールねじ 13 研削砥石 17 砥石台送り用サーボモータ 18 エンコーダ 20 ポストゲージ 25 振動センサ 30 コントローラ

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 研削砥石を備えた砥石台がワーク保持テ
    ーブルに対し進退可能に設けられ、かつ上記ワーク保持
    テーブルに砥石修正工具が設けられた研削盤における温
    度補正方法であって、 定常運転時において上記研削砥石が上記砥石修正工具に
    接触する砥石台位置を第1の砥石台位置として記憶して
    おき、 低温運転時において、上記砥石修正工具を上記研削砥石
    に対向させ、かつ上記砥石台を上記ワーク保持テーブル
    に向けて移動させて、上記研削砥石が上記砥石修正工具
    に接触したときの砥石台位置を検出して、これを第2の
    砥石台位置として記憶し、 上記第1および第2の砥石台位置の比較に基づいて、低
    温運転時におけるワーク研削に際しての上記砥石台の送
    り量を補正することを特徴とする研削盤の温度補正方
    法。
  2. 【請求項2】 上記砥石台位置検出・砥石台送り量補正
    を、低温運転開始時に行なうことに加えて、低温運転開
    始時から定常運転に達するまでの間に少なくとも少なく
    とも1回行なうことを特徴とする請求項1記載の研削盤
    の温度補正方法。
  3. 【請求項3】 上記低温運転開始時から定常運転に達す
    るまでの間における上記砥石台位置検出・砥石台送り量
    補正のタイミングを、ワーク研削個数の計数により設定
    することを特徴とする請求項2記載の研削盤の温度補正
    方法。
  4. 【請求項4】 上記低温運転開始時から定常運転に達す
    るまでの間における上記砥石台位置検出・砥石台送り量
    補正のタイミングを、タイマにより設定することを特徴
    とする請求項2記載の研削盤の温度補正方法。
  5. 【請求項5】 上記低温運転開始時から定常運転に達す
    るまでの間における上記砥石台位置検出・砥石台送り量
    補正のタイミングを、上記ワーク保持テーブルおよび上
    記砥石台を載置するベッドの温度測定に基づいて設定す
    ることを特徴とする請求項2記載の研削盤の温度補正方
    法。
  6. 【請求項6】 上記低温運転開始時から定常運転に達す
    るまでの間における上記砥石台位置検出・砥石台送り量
    補正のタイミングを、研削されたワークの寸法測定に基
    づいて変更することを特徴とする請求項1ないし5のい
    ずれか1項記載の研削盤の温度補正方法。
  7. 【請求項7】 ワークを保持し、かつ砥石修正工具を備
    えたワーク保持テーブルと、研削砥石を備えた砥石台
    と、該砥石台を上記ワーク保持テーブルに対し進退させ
    る砥石台送り手段と、上記ワークおよび上記砥石修正工
    具を上記研削砥石に選択的に対向させるべく上記ワーク
    保持テーブルを移動させる手段とを備えた研削盤におけ
    る温度補正装置であって、 上記砥石修正工具に設けられて、該砥石修正工具に上記
    研削砥石が接触したことを検知するセンサと、 砥石台移動位置検出手段と、 該検出手段により検出された、定常運転時において上記
    研削砥石が上記砥石修正工具に接触する第1の砥石台位
    置、および低温運転時において上記センサが上記研削砥
    石の上記砥石修正工具に対する接触を検知したときの第
    2の砥石台位置を記憶する記憶手段と、 該記憶手段により記憶された上記第1および第2の砥石
    台位置との差を演算する演算手段と、 該演算手段により算出された上記第1および第2の砥石
    台位置との差に基づいて、低温運転時におけるワーク研
    削に際しての上記砥石台の送り量を補正する補正手段
    と、を備えてなることを特徴とする研削盤の温度補正装
    置。
  8. 【請求項8】 上記センサによる上記研削砥石の上記砥
    石修正工具に対する接触の検知に基づいて実行される上
    記補正手段による低温運転時における上記砥石台の送り
    量補正が、低温運転開始時に加えて、低温運転開始時か
    ら定常運転に達するまでの間に少なくとも1回行なわれ
    ることを特徴とする請求項7記載の研削盤の温度補正装
    置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016129927A (ja) * 2015-01-13 2016-07-21 クリンゲルンベルク・アクチェンゲゼルシャフトKlingelnberg AG 研磨装置における温度起因偏差を補償する方法及び該方法に対応する装置
JP2020049588A (ja) * 2018-09-27 2020-04-02 株式会社ジェイテクト 工作機械

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