JPH1058208A - 超音波振動切削に用いられる切削工具、および、これを用いた超音波振動切削装置 - Google Patents

超音波振動切削に用いられる切削工具、および、これを用いた超音波振動切削装置

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JPH1058208A
JPH1058208A JP8216419A JP21641996A JPH1058208A JP H1058208 A JPH1058208 A JP H1058208A JP 8216419 A JP8216419 A JP 8216419A JP 21641996 A JP21641996 A JP 21641996A JP H1058208 A JPH1058208 A JP H1058208A
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JP
Japan
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cutting
tip
bite
shank
vibration
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Application number
JP8216419A
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English (en)
Inventor
Masaru Hachisuga
勝 蜂須賀
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Nikon Corp
Original Assignee
Nikon Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】大がかりな機構を用いなくとも、工具摩耗の低
減下を図ることができる切削工具、及び、これを用いた
超音波振動切削装置を提供する。 【解決手段】超音波によってたわみ振動をするバイトシ
ャンク11と、バイトシャンク11の先端部に設けられ
たバイトチップ12とを備え、バイトチップ12は、す
くい面12cを含んだ仮想平面をバイトシャンク11が
有するたわみ変位の中立面16に対面させた状態で設け
られている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属材料、プラス
チック材料等の切削加工技術に関し、特に、超音波振動
を用いた超音波振動切削に関する。
【0002】
【従来技術】振動切削は、昭和30年頃日本で発明され
た技術であり、いくつかの技術的な改良が行われ、現
在、切削加工技術の分野で実用化されている。
【0003】図8には、被加工物111を回転させなが
ら振動切削にて2次元切削を行っている様子が示されて
いる。
【0004】振動切削が通常の切削と異なるところは、
同図に示すように、バイト刃先110aを主分力方向に
積極的に振動させて被加工物を切削する点にある。この
ような振動切削においては、従来より、以下に示す作用
が認められている。
【0005】(1)工具刃先からの発熱が減少する。
【0006】(2)振動周波数と被加工物の周波数応答
との関係により剛体化作用がある。
【0007】(3)平均切削抵抗が数分の1から数十分
の1に減少する。
【0008】そして、これらの作用により、主に、以下
に示す効果を得ることができる。
【0009】(1)工具の寿命が延びる。
【0010】(2)難削材の加工が比較的容易にできる
ようになる。
【0011】(3)びびり振動が発生しにくく、内周加
工や薄肉の被加工物に対して良好な仕上げ面を得ること
ができるようになる。
【0012】(4)ダイヤモンドバイトにより鉄系の金
属の加工が可能になる。
【0013】なお、上記の作用/効果を十分なものにす
るためには、(式1)に示す条件下でバイト刃先に連続
した振動を発生させ、パルス状の切削力を被加工物に作
用させて加工を進める必要がある。
【0014】
【数1】
【0015】すなわち、被加工物の切削速度Vwに対し
てバイト刃先の振動速度Vvが必ず高くなるようにして
切削を行えば、上述の各種作用効果を十分に得ることが
できるようになる。(式1)を見てもわかるように、こ
の際、振動周波数fとバイト刃先振幅aの双方を極力高
めることが加工能率の点で有利である。
【0016】また、バイト刃先の振動1サイクルで被加
工物が切削される距離Ltと、振動周波数fとの関係
は、(式2)に示す通りであるが、距離Ltが短いほど
振動切削の効果は高いので、振動周波数fを極力高めて
加工することが肝要である。
【0017】
【数2】
【0018】以上の各条件を鑑みて、バイト刃先には、
普通、超音波領域の機械的振動を付与して切削加工を行
うこととなる。一般には、f=20〜50kHz(f:
周波数)、a=10〜30μm(a:振幅)の超音波振
動を用いることが多い。
【0019】図9に縦振動子を用いた超音波振動切削装
置の構成を示す。
【0020】この超音波振動切削装置では、切削工具9
0がサポート金具93に取付けられており、発振器で発
生した電気信号をボルト締めランジュバン型超音波振動
子100にて機械的な振動に変換し、その振幅を振幅拡
大ホーン101で拡大する。振幅拡大ホーン101で得
られた縦振動は、振幅拡大ホーン101とバイトシャン
ク91との結合点で、バイトシャンク91のたわみ振動
に変換され、バイトシャンク91の先端に設けられたバ
イトチップ92に伝達する。この際、ボルト締めランジ
ュバン型超音波振動子100、振幅拡大ホーン101、
および、たわみ振動をするバイトシャンク91、バイト
チップ92で構成される振動系が共振系を為すよう、該
振動系が持つ固有振動数を発振器から発振する。このよ
うにすれば、振動効率が増すとともに、高いバイト刃先
振幅を得ることができるようになる。なお、超音波振動
の発生源としては、従来は縦振動子を用いたものがほと
んどであったが、最近ではたわみ振動やねじり振動を直
接発生させることができるたわみ振動子やねじり振動子
を利用することもある。
【0021】図10には、従来の切削工具の一例である
バイト40の先端部分の外観が示されている。バイトチ
ップ42は、バイトシャンク41の先端部分の切欠きに
配置されて取付けねじ43で固定されている。
【0022】たわみ振動をするバイトシャンク41の様
子は、図11に示されている。ここでは、バイトシャン
ク41が共振状態で超音波振動しており、該バイトシャ
ンク41には、振動姿態としての定在波44が発生して
いる。定在波44の各所には、波の干渉により振幅がゼ
ロになるところ(振動の節)が存在する。バイトチップ
42の刃先42aは、バイトシャンク41の先端に最も
近い振動の節45を中心に矢印A方向に円弧運動し、こ
こでは図示しない被加工物を切削する。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述の
バイト40では、以下に示す理由により、振動切削中に
不都合が生じることとなる。
【0024】ここで、前述した刃先42aの動きを図1
2を用いて再度確認する。
【0025】バイト40は、矩形断面を持つ棒状体をバ
イトシャンク41として用い、その先端部分の切欠きに
バイトチップ42を取り付けた構造になっているが、こ
のような切削工具を共振状態で超音波振動させた場合、
バイトチップ42の刃先42aの円弧運動の中心(すな
わち、振動の節45)は、バイトシャンク41が有する
たわみ変位の中立面46上に存在するものと考えられ
る。
【0026】例えば、同図において、バイトシャンク4
1の中立面46からバイトチップ42の刃先42aまで
の距離hを約5mmに設定した状態で、バイト刃先42
aの振幅aが約20μm(すなわち、2a=約40μ
m)、バイトの端面41aから振動の節45までの距離
lが約20mm、中立面46に対して、バイト刃先42
aと節45とを結ぶ直線が為す角度αが約14°となる
ようなたわみ振動を与えることもできる。
【0027】しかしながら、バイト刃先42aが矢印A
の運動軌跡を有する場合、刃先42aが図面の上方に移
動する際には通常の切削が行われて特に問題は生じない
のであるが、刃先42aが図面の下方に移動する際に
は、該バイト刃先42aが被加工物に食い込むような形
となる。このような状態で切削加工を実施すると、バイ
トチップ42の逃げ面42bが被加工物表面を1秒間に
数万回こすることになりバイトチップ42に著しいフラ
ンク摩耗が発生することになる。
【0028】このような問題を回避すべく、従来では、
バイトシャンク41を例えば14°以上傾けてバイト刃
先42aの振動方向を補正し、バイトチップ42の逃げ
面を被加工物表面にこすらせないようにすることもあっ
た。
【0029】しかしながら、バイトシャンク41を14
°以上傾けた場合、すくい角は、当然、その分だけ減少
する。
【0030】すなわち、振動方向を補正するために超音
波振動切削装置全体を傾けて工作機械の刃物台に設置す
るような方法を採用した場合、バイト刃先の有効すくい
角が減少して背分力が大きくなり、加工精度に悪影響を
及ぼすこととなる。
【0031】図13には、バイトシャンク51の先端部
分がさらに深く切り欠かれた切削工具50が示されてい
る。バイトチップ52は、取付けねじ53で固定されて
いる。この従来例では、切欠きが深くなっている分、中
立面56が中心線57(切欠きが存在しない部分の断面
中心を通る直線)よりも下方に移動していることが考え
られるが、この場合においても前述と同様な問題が発生
することになる。
【0032】すなわち、定在波54の節55を中心とし
てバイト刃先52aが矢印A方向の円弧運動する際、下
方側への移動時においては該バイト刃先52aが被加工
物に食い込むような形となり、フランク摩耗が発生しや
すくなる。
【0033】なお、以上の現象は、ねじり振動を利用し
た超音波振動切削装置についても同様である。
【0034】図14には、該超音波振動切削装置で使用
する切削工具60の先端付近の外観が示されている。切
削工具60は、円形断面を持つ棒状体をバイトシャンク
61として用い、その先端に設けられた切欠きにバイト
チップ62を取付けねじ63で固定した構造となってい
る。
【0035】図15(a)には、ねじり振動をする切削
工具60を正面から見た様子が示されている。図15
(b)には、ねじり振動をする切削工具60を側方から
見た様子が示されている。
【0036】両図において、バイトシャンク61は、共
振状態で超音波振動しており、振動姿態としての定在波
64が発生している。バイトシャンク61では、切欠き
がやや深めに形成されているため、ねじりの中心軸66
は、同図に示すように中心線67からやや外れた状態
(切削工具60を側方から見た場合には、中心線67よ
りも下方側に位置した状態)にあることが考えられる
が、この場合においても、前述と同様、定在波64の節
65を中心としてバイト刃先62aが円弧運動する際、
下方側への移動時においては該刃先62aが被加工物に
食い込むような形となるため、バイトチップ62にフラ
ンク摩耗が発生しやすくなる。
【0037】以上のような問題点を鑑み、本発明の目的
は、大がかりな機構を用いなくとも、工具摩耗の低減化
を図ることができる切削工具、及び、これを用いた超音
波振動切削装置を提供することにある。
【0038】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明の切削工具の一態様によれば、超音波振動切削
に用いられる切削工具において、超音波によってたわみ
振動をするバイトシャンクと、前記バイトシャンクの先
端部に設けられたバイトチップとを備え、前記バイトチ
ップは、すくい面を含んだ仮想平面を前記バイトシャン
クが有するたわみ変位の中立面に対面させた状態で前記
先端部に設けられていることを特徴とする切削工具が提
供される。
【0039】上記目的を達成するための本発明の切削工
具のその他の態様によれば、超音波振動切削に用いられ
る切削工具において、超音波によってねじり振動をする
バイトシャンクと、前記バイトシャンクの先端部に設け
られたバイトチップとを備え、前記バイトチップは、す
くい面を含んだ仮想平面を前記バイトシャンクのねじり
の中心軸に対面させた状態で前記先端部に設けられてい
ることを特徴とする切削工具が提供される。
【0040】上記目的を達成するための本発明の超音波
振動切削装置の一態様によれば、超音波を用いて振動切
削を行う超音波振動切削装置において、バイトチップが
設けられたバイトシャンクと、前記バイトシャンクを超
音波によってたわみ振動させる手段とを備え、前記バイ
トチップは、すくい面を含んだ仮想平面を前記バイトシ
ャンクが有する中立面に対面させた状態で前記先端部に
設けられていることを特徴とする超音波振動切削装置が
提供される。
【0041】上記目的を達成するための本発明の超音波
振動切削装置のその他の態様によれば、超音波を用いて
振動切削を行う超音波振動切削装置において、バイトチ
ップが設けられたバイトシャンクと、前記バイトシャン
クを超音波によってねじり振動させる手段とを備え、前
記バイトチップは、すくい面を含んだ仮想平面を前記バ
イトシャンクのねじりの中心軸に対面させた状態で前記
先端部に設けられていることを特徴とする超音波振動切
削装置が提供される。
【0042】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
図面を参照しながら説明する。
【0043】図1は、本発明の第1の実施形態である切
削工具10の先端部分の外観図である。
【0044】切削工具10は、矩形断面を持つバイトシ
ャンク11と、これに取り付けられたバイトチップ12
とを含んで構成される。バイトシャンク11の先端部の
下側部分は、同図に示すように切欠かれており、バイト
チップ12は、該切欠き部分に取付けねじ13で固定さ
れている。
【0045】たわみ振動をする切削工具10の様子は、
図2に示されている。ここでは、バイトシャンク11が
共振状態で超音波振動しており、バイトシャンク11に
は、振動姿態としての定在波14が発生している。定在
波14の各所には、波の干渉により振幅がゼロになると
ころ(振動の節)が存在する。バイトチップ12の刃先
12aは、バイトシャンク11の先端に最も近い振動の
節15を中心に円弧運動し、ここでは図示しない被加工
物を切削する。
【0046】バイトシャンク11の切欠きは、そう大き
いものではないので、バイトシャンク11が有するたわ
み変位の中立面16と、バイトシャンク11の中心線
(切欠きが存在しない部分の断面中心を通る直線)17
とは、ほぼ一致しているものと想定される。バイトチッ
プ12の刃先12aの円弧運動の中心15については、
この中立面45上に存在するものと考えることができ
る。
【0047】そして、本実施形態によれば、バイトチッ
プ12の取り付けにあたって、該バイトチップ12のす
くい面12cを含んだ仮想平面がバイトシャンク11の
中立面16に対面するような取付け構造を採用している
ため、振動切削時においてはバイトチップ12の刃先1
2aが矢印Bの円弧運動を行うことなる。このような円
弧運動のもとでは、被加工物(ここでは図示省略)に対
して刃先12aが無理に押し付けられることがないの
で、バイトチップ12のフランク摩耗が著しく減少す
る。なお、取付け構造について別の見方をすれば、バイ
トチップ12のすくい面12cを含むチップ壁面をバイ
トシャンク11の切り欠きの底面に接触させた状態でバ
イトチップ13をバイトシャンク11に取り付けている
と考えることもできる。
【0048】図3には、本発明の第2の実施形態である
切削工具20がたわみ振動をしている様子が示されてい
る。同図においても、バイトシャンク21が共振状態で
超音波振動しており、該バイトシャンク21には、振動
姿態としての定在波24が発生している。定在波24の
各所には、振動の節(振動の節25のみ図示)が存在す
る。
【0049】切削工具20では、先程の切削工具10よ
りも切欠きを深くしているため、バイトシャンク21が
有するたわみ変位の中立面26が中心線27から上方に
移動していることが考えられが、この場合においても図
4に示すように前述と同様な効果を得ることができる。
【0050】図4は、バイトチップ22の動きをより詳
細に示した説明図である。
【0051】バイトチップ22は、第1の実施形態と同
様、すくい面22cを含んだ仮想平面をバイトシャンク
21の中立面26に対面させた状態でバイトシャンク2
1に設けられているため、刃先22aが図面の下方に移
動するときには、該刃先22aが被加工物111から遠
ざかることとなり、逃げ面22bが該被加工物表面に過
度に擦れるようなことがない。
【0052】図5は、本発明の第3の実施形態である切
削工具30の先端部分の外観図である。
【0053】切削工具30は、円形断面を持つバイトシ
ャンク31と、これに取り付けられたバイトチップ32
とを含んで構成される。バイトシャンク31の先端部の
下側部分は、同図に示すように切欠かれており、バイト
チップ32は、該切欠き部分に取付けねじ33(ここで
はバイトシャンク31に隠れて図示されていない)で固
定されている。
【0054】ねじり振動をする切削工具30の様子は、
図6(a)、(b)に示されている。両図において、バ
イトシャンク31は、共振状態で超音波振動しており、
バイトシャンク31には、振動姿態としての定在波34
が発生している。定在波34の各所には、振動の節が存
在する。バイトチップ32の刃先32aは、バイトシャ
ンク31の先端に最も近い振動の節35を中心に円弧運
動し、被加工物111を切削する。
【0055】バイトシャンク31では、切欠きがやや深
めに形成されているため、ねじりの中心軸36は、同図
に示すように中心線37からやや外れた状態(切削工具
30を側方から見た場合には、中心線37よりも上方側
に位置した状態)にあることが考えられるが、この場合
においても、前述と同様な効果を得ることが出来る。
【0056】すなわち、バイトチップ32ついては、前
述の各実施形態と同様、すくい面32cを含んだ仮想平
面をバイトシャンク31のねじりの中心軸36に対面さ
せた状態でバイトシャンク31に設けられているため、
刃先32aが図面の下方に移動するときには、該刃先3
2aが被加工物111から遠ざかることとなり、逃げ面
32bが該被加工物表面に過度に擦れるようなことがな
い。
【0057】図7は、超音波ねじり振動を用いた超音波
振動切削装置の一例を示した構成図である。
【0058】該超音波振動切削装置は、工作機械の刃物
台に設置される本体70と、該本体70に接続した発振
器80とから構成される。本体70のハウジング75の
後端には、ファン76が取り付けられている。
【0059】同図において、発振器80から送出された
高周波電気信号は、給電用コネクタ71を介して、超音
波ねじり振動を発生するボルト締めランジュバン型電歪
ねじり振動子72に印加される。該振動子72の先端に
は、該振動子72で発生したねじり振動の振幅を拡大し
て伝達する振幅拡大ホーン73がハウジング75にねじ
止めされており、超音波ねじり振動は、該ホーン73を
通過する際に、その振動振幅が数倍に拡大される。振幅
拡大ホーン73の先端部には、図5に示したバイトチッ
プ32がねじ止めされている。バイトチップ32は、前
述と同様、すくい面を含んだ仮想平面をねじりの中心軸
に対面させた状態でバイトシャンク74に取り付けられ
ている。ねじり振動子72、振幅拡大ホーン73、バイ
トシャンク74、及び、バイトチップ32については、
ねじり振動子72の固有振動数とほぼ同じ振動数で定在
波が発生するような共振系を為している。
【0060】以上の構成を有する超音波振動切削装置を
駆動した場合、バイトチップ32は、前述したような円
弧運動を行いながら被加工物を切削することになるの
で、バイトチップ32のフランク摩耗は著しく低減され
ることとなる。なお、本超音波振動切削装置には、具体
的には、無負荷時の振動系の共振周波数が約20.4k
Hz、切削用チップ刃先振幅が、発振器の出力20Wで
約25μm、ユニットの重量が4.2kgで、全長が2
40mmのものを用いても構わない。
【0061】
【発明の効果】本発明によれば、大がかりな機構を用い
なくとも工具摩耗の低減化が図れ、特に、ステンレス、
インバー、チタンを被加工物としてを用いた場合には、
工具寿命の著しい延長が認められる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態の切削工具の先端付近
の外観図である。
【図2】本発明の第1の実施形態の切削工具がたわみ振
動する様子を示した側面図である。
【図3】本発明の第2の実施形態の切削工具がたわみ振
動する様子を示した側面図である。
【図4】本発明の第2の実施形態の切削工具がたわみ振
動する様子を、バイトチップの刃先に着目して示した説
明図である。
【図5】本発明の第3の実施形態の切削工具の先端付近
の外観図である。
【図6】本発明の第3の実施形態の切削工具がねじり振
動する様子を示した説明図である。
【図7】本発明に係る超音波振動切削装置の一例を示し
た構成図である。
【図8】従来の切削工具による超音波振動切削の様子を
示した説明図である。
【図9】従来の超音波振動切削装置の構成図である。
【図10】従来の切削工具の一例の先端付近の外観図で
ある。
【図11】図10に示した切削工具がたわみ振動する様
子を示した説明図である。
【図12】図10に示した切削工具がたわみ振動する様
子を、バイトチップの刃先に着目して示した説明図であ
る。
【図13】図10に示した切削工具よりも切欠きが深い
従来の切削工具がたわみ振動する様子を示した説明図で
ある。
【図14】従来の切削工具のその他の例の先端付近の外
観図である。
【図15】図14に示した切削工具がねじり振動する様
子を示した説明図である。
【符号の説明】
10、20、30、40、50、60、90:切削工
具、 11、21、31、41、51、61、91、74:バ
イトシャンク、 12、22、32、42、52、62、92:バイトチ
ップ、 12a、22a、32a、42a、52a、62a、1
10a:刃先、 12b、22b、32b、42b:逃げ面、 12c、22c、32c:すくい面、 13、23、33、43、53、63:取り付けねじ、 14、24、34、44、54、64:定在波、 15、25、35、45、55、65:振動の節、 16、26、46、56:中立面、 17、27、37、57、67:中心線、 36、66:ねじりの中心軸、 41a:端面、 70:本体、 71:給電用コネクタ、 72:ボルト締めランジュバン型電歪ねじり振動子、 73、101:振幅拡大ホーン、 75:ハウジング、 76:ファン、 80:発振器、 93:サポート金具、 100:ボルト締めランジュバン型超音波振動子、 111:被加工物

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】超音波振動切削に用いられる切削工具にお
    いて、 超音波によってたわみ振動をするバイトシャンクと、 前記バイトシャンクの先端部に設けられたバイトチップ
    とを備え、 前記バイトチップは、すくい面を含んだ仮想平面を前記
    バイトシャンクが有するたわみ変位の中立面に対面させ
    た状態で前記先端部に設けられていることを特徴とする
    切削工具。
  2. 【請求項2】超音波振動切削に用いられる切削工具にお
    いて、 超音波によってねじり振動をするバイトシャンクと、 前記バイトシャンクの先端部に設けられたバイトチップ
    とを備え、 前記バイトチップは、すくい面を含んだ仮想平面を前記
    バイトシャンクのねじりの中心軸に対面させた状態で前
    記先端部に設けられていることを特徴とする切削工具。
  3. 【請求項3】超音波を用いて振動切削を行う超音波振動
    切削装置において、 バイトチップが設けられたバイトシャンクと、 前記バイトシャンクを超音波によってたわみ振動させる
    手段とを備え、 前記バイトチップは、すくい面を含んだ仮想平面を前記
    バイトシャンクが有するたわみ変位の中立面に対面させ
    た状態で前記先端部に設けられていることを特徴とする
    超音波振動切削装置。
  4. 【請求項4】超音波を用いて振動切削を行う超音波振動
    切削装置において、 バイトチップが設けられたバイトシャンクと、 前記バイトシャンクを超音波によってねじり振動させる
    手段とを備え、 前記バイトチップは、すくい面を含んだ仮想平面を前記
    バイトシャンクのねじりの中心軸に対面させた状態で前
    記先端部に設けられていることを特徴とする超音波振動
    切削装置。
JP8216419A 1996-08-16 1996-08-16 超音波振動切削に用いられる切削工具、および、これを用いた超音波振動切削装置 Pending JPH1058208A (ja)

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