JPH1056668A - 加入者情報移設方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ホームロケーションレジスタ等の加入者情報
を管理する管理部に於いて、既設の管理部から新設の管
理部へ加入者情報を移設する方法に関し、サービス低下
を生じることなく加入者情報を自動的に移設する。 【解決手段】 移動機７からの位置登録要求等の加入者
からの加入者情報更新要求により、移動交換機２等の交
換機からビジターロケーションレジスタ４を介して又は
直接的に、新設の管理部の一例としてのホームロケーシ
ョンレジスタ１０にアクセスし、この新設のホームロケ
ーションレジスタ１０から既設の管理部としてのホーム
ロケーションレジスタ３に加入者情報要求を行い、既設
のホームロケーションレジスタ３から加入者情報を新設
のホームロケーションレジスタ１０に転送し、加入者情
報更新要求を契機として、既設の管理部から新設の管理
部へ加入者情報を移設する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、既設の管理部で管
理する加入者情報の一部を、新設した管理部に移設する
加入者情報移設方法に関する。各加入者の加入者情報を
管理部に登録して管理する交換システムに於いて、加入
者の増加等に対応して管理部を新設する場合がある。こ
の新設管理部に、新たに加入した加入者の情報を登録し
て管理する場合は、既設の管理部の加入者情報はそのま
ま保持するだけで良いが、既設の管理部で管理している
加入者の一部の加入者情報を、新設管理部で管理する場
合は、既設の管理部から新設の管理部へ加入者情報を移
設する必要がある。この加入者情報の移設を効率良く行
うことが要望されている。

【０００２】

【従来の技術】交換システムに於いては、加入者対応
に、加入者が要求する各種の付加サービスを登録して管
理する管理部を分散或いは集中して設置し、加入者の要
求により付加サービスの登録及び削除等を行うことがで
きる。又移動通信システムに於いては、携帯電話機，自
動車電話機等の移動機の位置登録と共に各種の情報を登
録して管理する管理部としてのホームロケーションレジ
スタ（ＨＬＲ）を備えている。そして、移動機の電源を
オンとした時、又は異なる基地局のサービスゾーンに移
動した時に、位置登録要求を行い、ホームロケーション
レジスタの加入者情報を更新することになる。又一般加
入者と同様に移動機加入者は、位置登録の他に、例え
ば、付加サービスの登録，削除等を行うことができる。

【０００３】図５は移動通信システムに於ける前述のホ
ームロケーションレジスタ（ＨＬＲ）の新設状態の説明
図であり、５１は移動交換局、５２は移動交換機（ＭＳ
Ｃ；Ｍobile Ｓwitching Ｃentre ）、５３は加入者情
報の管理部としてのホームロケーションレジスタ（ＨＬ
Ｒ；Ｈome Ｌocation Ｒegister ）、５４はビジターロ
ケーションレジスタ（ＶＬＲ；Ｖisitor Ｌocation Ｒ
egister ）、５５は翻訳テーブル、５６は基地局（ＢＳ
Ｓ；Ｂase Ｓtation Ｓystem ）、５７は移動機（Ｍ
Ｓ；Ｍobile Ｓtation）、５８は関門交換機（Ｇ−ＭＳ
Ｃ；Ｇateway−ＭＳＣ）、５９は翻訳テーブル、６０は
新設のホームロケーションレジスタ（ＨＬＲ）である。

【０００４】移動交換局５１は、移動交換機５２と共
に、ホームロケーションレジスタ５３とビジターロケー
ションレジスタ５４とを含む構成の場合を示し、システ
ム導入初期のコスト低減の為に内蔵ホームロケーション
レジスタ構成が採用される。又分散配置された基地局５
６が移動交換機５２と接続され、又他の交換網と関門交
換機５８を介して移動交換機５２とが接続される。

【０００５】ホームロケーションレジスタ５３は、右側
に拡大して示すように、複数の移動機５７のそれぞれの
加入者情報を格納した加入者情報エリアを有し、移動機
５７からの例えば位置登録要求により、移動交換機５２
は、ビジターロケーションレジスタ５４をアクセスし、
位置登録要求移動機５７の加入者情報を読出して、その
加入者情報の一つとしての位置情報を更新する。

【０００６】その場合、ビジターロケーションレジスタ
５４にその加入者情報が存在しない場合は、翻訳テーブ
ル５５の内容に従ってホームロケーションレジスタ５３
にアクセスし、このホームロケーションレジスタ５３か
らビジターロケーションレジスタ５４にその加入者情報
を転送し、それ以降の位置登録要求に対して、ビジター
ロケーションレジスタ５４に対するアクセスにより処理
することができる。又関門交換機５８からもホームロケ
ーションレジスタ５３にアクセスして、加入者情報の参
照が可能である。

【０００７】図６は前述の加入者情報の更新処理の説明
図であり、移動機ＭＳからのアクセス要求により、移動
交換機ＭＳＣは、移動機ＭＳの識別情報（移動機番号）
を基にビジターロケーションレジスタＶＬＲにアクセス
要求し、このビジターロケーションレジスタＶＬＲに移
動機ＭＳの識別番号対応の加入者情報が存在しない場合
は、ホームロケーションレジスタＨＬＲに加入者情報更
新要求を行う。

【０００８】それによって、ホームロケーションレジス
タＨＬＲからビジターロケーションレジスタＶＬＲに移
動機ＭＳの識別番号対応の加入者情報を転送し、ビジタ
ーロケーションレジスタＶＬＲは、加入者情報応答をホ
ームロケーションレジスタＨＬＲに送出する。この加入
者情報応答により、ホームロケーションレジスタＨＬＲ
は加入者情報更新応答をビジターロケーションレジスタ
ＶＬＲに送出する。ビジターロケーションレジスタＶＬ
Ｒは、加入者情報の更新終了を示すアクセス応答を送出
すると、移動交換機ＭＳＣは移動機ＭＳにアクセス応答
を送出する。

【０００９】これ以降は、移動機ＭＳの加入者情報はビ
ジターロケーションレジスタＶＬＲに保持されているか
ら、移動機ＭＳからの加入者情報更新のアクセス要求の
場合は、ビジターロケーションレジスタＶＬＲからホー
ムロケーションレジスタＨＬＲに対する加入者情報更新
要求を行うことなく、ビジターロケーションレジスタＶ
ＬＲに於いて更新することができる。

【００１０】又図５に於ける内蔵のホームロケーション
レジスタ５３は、加入者の増加により容量不足となるか
ら、集中局等の専用のホームロケーションレジスタ６０
を新設することになる。その場合に、既設のホームロケ
ーションレジスタ５３の加入者情報を新設のホームロケ
ーションレジスタ６０の空き加入者情報エリアに移設す
る必要が生じる。

【００１１】この加入者情報の移設は、例えば、既設の
ホームロケーションレジスタ５３の加入者情報を磁気テ
ープ等に吸い上げて、新設のホームロケーションレジス
タ６０へ一括してローディングする方法が採用されてい
る。この場合、既設のホームロケーションレジスタ５３
の総ての加入者情報を移設して、新設のホームロケーシ
ョンレジスタ６０により総ての移動機の管理を行うか、
又は既設のホームロケーションレジスタ５３の一部の加
入者情報を、新設のホームロケーションレジスタ６０に
移設し、既設のホームロケーションレジスタ５３と、新
設のホームロケーションレジスタ６０とにより、それぞ
れ分担して移動機の管理を行うシステムとすることがで
きる。

【００１２】

【発明が解決しようとする課題】既設のホームロケーシ
ョンレジスタ５３の加入者情報を磁気テープ等に吸い上
げて、新設のホームロケーションレジスタ６０にローデ
ィングする従来例に於いては、一括して加入者情報を移
設することができるが、瞬間的に行うことは不可能であ
るから、移動機５７に対するサービスを継続している場
合、既設のホームロケーションレジスタ５３から磁気テ
ープ等に吸い上げた後、移動機５７からの加入者情報の
更新要求が発生すると、新設のホームロケーションレジ
スタ６０に移設した加入者情報と実際の加入者情報とが
異なる状態が発生する。このような問題を回避するに
は、移設完了までサービスの一時中断を行うことにな
る。しかし、サービス低下の問題が生じる。本発明は、
既設のホームロケーションレジスタ等の管理部から新設
のホームロケーションレジスタ等の管理部へ加入者情報
を、サービス低下を生じることなく自動的に移設させる
ことを目的とする。

【００１３】

【課題を解決するための手段】本発明の加入者情報移設
方法は、（１）加入者の位置登録要求等の加入者情報更
新要求時に、この加入者の加入者情報を、新設の管理部
に移設するか否かを判定し、移設すべき加入者情報の場
合に、既設の管理部から新設の管理部にこの加入者情報
を移設する過程を含むものである。従って、サービスの
一時中断を行うことなく、システム運用中に加入者情報
を逐次移設することができる。

【００１４】又（２）新設の管理部にアクセスすべき加
入者を予め設定し、この加入者の位置登録要求等の加入
者情報更新要求時に、この加入者の加入者情報を、既設
の管理部から新設の管理部へ移設する過程を含むことが
できる。即ち、既設の管理部から一部の加入者の加入者
情報を新設の管理部に移設する場合に、移設すべき加入
者情報を、加入者情報更新要求に伴って移設することが
できる。

【００１５】又（３）新設の管理部にアクセスすべき加
入者と、この加入者の加入者情報を管理する既設の管理
部を示す情報とを予め設定し、この加入者の位置登録要
求等の加入者情報更新要求時に、この加入者の加入者情
報を、管理部を示す情報を基に、既設の管理部から新設
の管理部へ移設する過程を含むことができる。

【００１６】又（４）既設の管理部に、新設の管理部へ
移設すべき加入者情報をマーク等により表示し、加入者
の位置登録要求等の加入者情報更新要求時に、この加入
者情報に新設の管理部への移設を示す表示がある場合
に、この加入者情報を、既設の管理部から新設の管理部
へ移設する過程を含むことができる。

【００１７】

【発明の実施の形態】図１は本発明の第１の実施の形態
の説明図であり、１は移動交換局、２は移動交換機（Ｍ
ＳＣ）、３は管理部としてのホームロケーションレジス
タ（ＨＬＲ）、４はビジターロケーションレジスタ（Ｖ
ＬＲ）、５は翻訳テーブル、６は基地局（ＢＳＳ）、７
は移動機（ＭＳ）、８は関門交換機（Ｇ−ＭＳＣ）、９
は翻訳テーブル、１０は新設の管理部としてのホームロ
ケーションレジスタ（ＨＬＲ）を示し、移動通信システ
ムに適用した場合を示す。

【００１８】ホームロケーションレジスタ１０を、移動
交換局１内或いは他の局舎に新設して、既設のホームロ
ケーションレジスタ３の加入者情報を新設のホームロケ
ーションレジスタ１０に総て移設する場合、例えば、ビ
ジターロケーションレジスタ４をクリアし、且つ翻訳テ
ーブル５の翻訳情報を変更して、ビジターロケーション
レジスタ４に保持されていない加入者情報対応の加入者
からの更新要求に対しては、新設のホームロケーション
レジスタ１０にアクセスさせる。

【００１９】又新設のホームロケーションレジスタ１０
は、更新要求を行った加入者の加入者情報が移設されて
いない場合に、既設のホームロケーションレジスタ３に
対して加入者情報要求を行い、既設のホームロケーショ
ンレジスタ３から新設のホームロケーションレジスタ１
０に、更新要求を行った加入者の加入者情報を転送し、
この加入者情報を新設のホームロケーションレジスタ１
０からビジターロケーションレジスタ４に転送する。即
ち、加入者からの位置登録要求等の加入者情報更新要求
に従って、その加入者の加入者情報を、既設のホームロ
ケーションレジスタ３から新設のホームロケーションレ
ジスタ１０に移設する。

【００２０】又既設のホームロケーションレジスタ３
は、移設した加入者情報にマークを付けて移設済みを表
示するか、或いは移設済みの加入者情報を削除する。例
えば、既設のホームロケーションレジスタ３の加入者情
報エリアの加入者Ａとして示す加入者情報を、新設のホ
ームロケーションレジスタ１０の加入者情報エリアの加
入者Ａとして示すように移設することにより、削除する
ことができる。

【００２１】又関門交換機８からホームロケーションレ
ジスタにアクセスする場合も、新設のホームロケーショ
ンレジスタ１０にアクセスするように、翻訳テーブル９
の翻訳情報を変更し、新設のホームロケーションレジス
タ１０に存在しない加入者情報については、前述の手段
によって既設のホームロケーションレジスタ３から移設
する。又既設のホームロケーションレジスタ３の加入者
情報を新設のホームロケーションレジスタ１０に総て移
設したことを、マーク或いは削除により加入者情報が存
在しなくなった時、この既設のホームロケーションレジ
スタ３を撤去することができる。

【００２２】又既設のホームロケーションレジスタ３の
加入者情報の一部を新設のホームロケーションレジスタ
１０に移設する場合は、例えば、翻訳テーブル５に、加
入者の識別番号（加入者電話番号）と移設するか否かと
を設定し、移設しない加入者情報については、加入者情
報更新要求時に、ビジターロケーションレジスタ４又は
既設のホームロケーションレジスタ３にアクセスして、
従来通りの処理を行うものである。

【００２３】又移設する加入者情報については、加入者
情報更新要求時に、新設のホームロケーションレジスタ
１０にアクセスし、このホームロケーションレジスタ１
０に加入者情報が存在しない場合は、既設のホームロケ
ーションレジスタ３に加入者情報を要求し、その加入者
情報を新設のホームロケーションレジスタ１０に転送す
る。従って、加入者情報更新要求が発生することによ
り、加入者情報は順次既設のホームロケーションレジス
タ３から新設のホームロケーションレジスタ１０に移設
され、移設完了により、新設のホームロケーションレジ
スタ１０から既設のホームロケーション３へのアクセス
経路は削除され、既設のホームロケーションレジスタ３
と新設のホームロケーションレジスタ１０とがそれぞれ
分担して、加入者情報を管理することになる。

【００２４】図２は本発明の第１の実施の形態のシーケ
ンス説明図であり、図１に於ける移動機７をＭＳ、移動
交換機２をＭＳＣ、ビジターロケーションレジスタ４を
ＶＬＲ、新設のホームロケーションレジスタ１０を新設
ＨＬＲ、既設のホームロケーションレジスタ３を既設Ｈ
ＬＲとして、加入者情報の更新要求時のシーケンスを示
すものである。

【００２５】移動通信システムに於いて、ホームロケー
ションレジスタにアクセスする必要が生じるのは、位置
登録，着信，加入者による付加サービスの登録，変更，
削除等がある。又図１に於いて、ホームロケーションレ
ジスタ１０を新設した時、ビジターロケーションレジス
タ４及び関門交換機８に於いて、ホームロケーションレ
ジスタ３にアクセスする必要が生じた時の翻訳テーブル
５，９の翻訳情報（ルーティング情報）を、新設のホー
ムロケーションレジスタ１０にアクセスするように変更
する。それにより、既設のホームロケーションレジスタ
３に対して、位置登録等の加入者情報の更新，参照等の
為のアクセスは、新設のホームロケーションレジスタ１
０に対して行われる。

【００２６】前述のように、保守者がルーティング情報
を変更して、例えば、移動機から位置登録要求があった
場合のシーケンスを図２を参照し、ＭＳ（移動機）、Ｍ
ＳＣ（移動交換機）、ＶＬＲ（ビジターロケーションレ
ジスタ）、既設ＨＬＲ（既設のホームロケーションレジ
スタ）、新設ＨＬＲ（新設のホームロケーションレジス
タ）の符号を用いて説明する。

【００２７】ＭＳから移動機識別番号を付加した位置登
録のアクセス要求を基地局を介してＭＳＣが受信する
と、自局のＶＬＲにそのアクセス要求を転送する。ＶＬ
Ｒは、ルーティング情報を参照して、新設ＨＬＲに加入
者情報更新要求を送出する。新設ＨＬＲは、ＶＬＲから
の位置登録要求を受信すると、それに含まれる移動機識
別番号が有効か否かを判定し、無効の場合はネガティブ
応答を返送し、有効の場合は、その加入者情報が新設Ｈ
ＬＲに存在すれば、即ち、既に移設されている場合は、
その加入者情報をＶＬＲに返送するが、存在しない場
合、即ち、移設が済んでいない場合は、移動機識別番号
から既設ＨＬＲを割り出して、既設ＨＬＲに加入者情報
要求を送出する。

【００２８】既設ＨＬＲは、ＶＬＲとの間の加入者情報
の処理と同様に、新設ＨＬＲとの間の加入者情報要求に
対する処理を行うものであり、要求された移動機識別番
号対応の加入者情報を新設ＨＬＲに返送する。新設ＨＬ
Ｒは、その加入者情報を登録して、その移動機識別番号
についての加入者情報保持状態をセットし、その加入者
情報の受信処理を既設ＨＬＲに通知する加入者情報応答
を送出する。既設ＨＬＲは、この加入者情報応答によ
り、移設した加入者情報に対してマークを付加するか或
いは削除する。

【００２９】又新設ＨＬＲは、既設のＨＬＲとＶＬＲと
の間の処理と同様に、ＶＬＲに要求された加入者情報を
転送し、ＶＬＲと新設ＨＬＲとの間で加入者情報応答、
加入者情報更新応答を送受信する。そして、ＶＬＲから
位置登録要求のＭＳに対して、位置登録を処理したこと
を示すアクセス応答をＭＳＣを介して送出する。このよ
うな処理により、位置登録要求を行ったＭＳについての
加入者情報が既設ＨＬＲから新設ＨＬＲに加入者情報が
移設されたことになる。

【００３０】そして、既設ＨＬＲから新設ＨＬＲに対し
て総ての加入者情報の移設が完了すると、既設ＨＬＲの
総ての加入者情報に移設済みのマークが付加されるか、
或いは削除されて存在しなくなる。又新設ＨＬＲは必要
な加入者情報を総て保持した状態となる。このような加
入者情報移設完了を保守者に通知することにより、既設
ＨＬＲの撤去を行うことができる。

【００３１】又既設ＨＬＲの加入者情報の一部を新設Ｈ
ＬＲに移設する場合は、ＶＬＲに於けるルーティング情
報を、移設しないＭＳの加入者情報については既設ＨＬ
Ｒにアクセスし、移設するＭＳの加入者情報については
新設ＨＬＲにアクセスするように変更する。それによっ
て、ＭＳからの位置登録要求等の加入者情報更新要求毎
に、ＶＬＲは既設ＨＬＲにアクセスするか新設ＨＬＲに
アクセスするかを判定し、新設ＨＬＲにアクセスして、
この新設ＨＬＲから既設ＨＬＲに加入者情報を要求し、
既設ＨＬＲの加入者情報を新設ＨＬＲに移設することが
できる。そして、移設完了により、既設ＨＬＲと新設Ｈ
ＬＲとが分担して加入者情報を管理することになる。

【００３２】図３は本発明の第２の実施の形態のシーケ
ンス説明図であり、ＭＳ−ＭＳＣ−ＶＬＲ間は、図２に
示す場合と同様のシーケンスが実行される。この実施の
形態は、ＶＬＲから既設ＨＬＲにアクセスし、それによ
って、加入者情報を新設ＨＬＲに移設する場合を示す。

【００３３】ＭＳからの位置登録要求のアクセス要求
を、ＭＳＣからＶＬＲに転送し、ＶＬＲは既設ＨＬＲに
アクセスして加入者情報更新要求を行うと、既設ＨＬＲ
はその加入者情報を新設ＨＬＲに送出すると共に、ＶＬ
Ｒに転送する。この加入者情報を受信した新設ＨＬＲか
ら既設ＨＬＲに、又ＶＬＲから既設ＨＬＲに、それぞれ
加入者情報応答を返送する。又既設ＨＬＲがＶＬＲに加
入者情報更新応答を送出すると、ＶＬＲから位置登録要
求を受付けて処理したことを示すアクセス応答をＭＳＣ
を介してアクセス要求を行ったＭＳに送出する。

【００３４】この場合、既設ＨＬＲに対してアクセスす
る毎に新設ＨＬＲに加入者情報を転送することができ
る。それによって、既設ＨＬＲと新設ＨＬＲとの加入者
情報を同一として保持することができる。又転送回数等
を示す情報を付加し、加入者情報の移設完了か否かを判
定するように構成することもできる。又既設ＨＬＲと新
設ＨＬＲとに於いて保持する加入者情報が同一となった
か否かを確認することにより、加入者情報の移設完了か
否かを判定することもできる。

【００３５】この移設完了により、既設ＨＬＲに対する
アクセスから新設ＨＬＲに対するアクセスに切替えるよ
うに制御する。又既設ＨＬＲの加入者情報の一部を新設
ＨＬＲに移設する場合は、前述の転送回数等の情報によ
り、移設すべき加入者情報の総てについて１回でも転送
されたことを示す場合は、移設完了と判定して、移設す
べき加入者情報についてのＭＳからのアクセスについて
は、新設ＨＬＲに対して行い、移設しない加入者情報に
ついてのＭＳからのアクセスについては、既設ＨＬＲに
対して行うように切替えることになる。

【００３６】図４は本発明の第３の実施の形態の説明図
であり、既設のホームロケーションレジスタＨＬＲａ，
ＨＬＲｂ，ＨＬＲｃに対してホームロケーションレジス
タＨＬＲｄを新設し、既設のホームロケーションレジス
タＨＬＲａ，ＨＬＲｂ，ＨＬＲｃに於いて管理していた
加入者情報の一部を新設のホームロケーションレジスタ
ＨＬＲｄに於いて管理する場合を示す。

【００３７】新設のホームロケーションレジスタＨＬＲ
ｄは、右側に示すように、加入者０〜ｎエリアからなる
加入者情報エリアを有し、移設する加入者の加入者識別
子（移動機識別番号，移動機電話番号）ＩＭＳＩｍ，Ｉ
ＭＳＩｍ＋１，・・・対応に、加入者情報を保持してい
るホームロケーションレジスタを関連ＨＬＲ情報ＨＬＲ
ａ，ＨＬＲｂ，・・・のように予め設定する。即ち、移
設元のホームロケーションレジスタを設定する。

【００３８】図示の場合は、加入者ｎエリアについて、
下方に示すように、加入者識別子（ＩＭＳＩｍ）と、関
連ＨＬＲ情報（ＨＬＲａ）と、位置情報，付加サービス
情報等の加入者情報の登録領域とを含むもので、従っ
て、加入者識別子ＩＭＳＩｍの移動機からの位置登録要
求等が発生した場合に、新設のホームロケーションレジ
スタＨＬＲｄに対してアクセスされるから、関連ＨＬＲ
情報のＨＬＲａを基に、既設のホームロケーションレジ
スタＨＬＲａに加入者情報を要求し、加入者識別子ＩＭ
ＳＩｍの加入者情報を既設のホームロケーションレジス
タＨＬＲａから新設のホームロケーションレジスタＨＬ
Ｒｄに移設することになる。この場合、既設のホームロ
ケーションレジスタＨＬＲａは、加入者情報の移設済み
を表示するか或いは移設済みの加入者情報を削除する。

【００３９】又既設のホームロケーションレジスタＨＬ
Ｒａ，ＨＬＲｂ，ＨＬＲｃの加入者識別子対応に、移設
先のホームロケーションレジスタＨＬＲｄを関連ＨＬＲ
情報として設定し、加入者情報更新要求に伴ってホーム
ロケーションレジスタＨＬＲａ，ＨＬＲｂ，ＨＬＲｃに
対してアクセスされた時に、関連ＨＬＲ情報を基に、新
設のホームロケーションレジスタＨＬＲｄに加入者情報
を転送する。

【００４０】従って、既設のホームロケーションレジス
タにアクセスし、この既設のホームロケーションレジス
タから新設のホームロケーションレジスタに加入者情報
を移設する点が、図３に示す実施の形態に類似する。そ
して、移設が完了すると、既設のホームロケーションレ
ジスタＨＬＲａ，ＨＬＲｂ，ＨＬＲｃの移設すべき加入
者情報と、新設のホームロケーションレジスタＨＬＲｄ
に移設された加入者情報とが同一の内容となる。

【００４１】この移設完了の判定は、各既設のホームロ
ケーションレジスタＨＬＲａ，ＨＬＲｂ，ＨＬＲｃの移
設済みの表示或いは削除による移設すべき加入者情報の
不存在により行うか、又は新設のホームロケーションレ
ジスタＨＬＲｄの加入者識別子対応に総て加入者情報が
設定された否かにより行うことができる。

【００４２】前述の各実施の形態に於いては、位置登録
要求等の加入者情報更新要求を契機として、既設のホー
ムロケーションレジスタから新設のホームロケーション
レジスタに加入者情報を移設するものであるが、比較的
長期間、休止状態の移動機等の加入者が存在する場合、
保守者から既設のホームロケーションレジスタにコマン
ドを投入し、新設のホームロケーションレジスタに加入
者情報を転送させて、加入者情報の移設を完了させるこ
とができる。

【００４３】又新設のホームロケーションレジスタにコ
マンドを投入し、新設のホームロケーションレジスタか
ら既設のホームロケーションレジスタに加入者情報を要
求させて、既設のホームロケーションから新設のホーム
ロケーションレジスタに加入者情報を転送して、加入者
情報の移設を完了させることができる。

【００４４】

【発明の効果】以上説明したように、本発明は、移動通
信システム及び一般の交換システムに於いて、移動機７
からの位置登録要求や付加サービス登録等の加入者情報
更新要求、或いは、一般加入者についての付加サービス
登録等の加入者情報更新要求時に、既設のホームロケー
ションレジスタ３から新設のホームロケーションレジス
タ１０に、移設すべき加入者情報を転送するものであ
り、加入者情報の移設中にサービスを中断する必要がな
く、且つ自動的に順次加入者情報の移設を行うことがで
きる利点がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１の実施の形態の説明図である。

【図２】本発明の第１の実施の形態のシーケンス説明図
である。

【図３】本発明の第２の実施の形態のシーケンス説明図
である。

【図４】本発明の第３の実施の形態の説明図である。

【図５】新設状態の説明図である。

【図６】従来例の加入者情報更新処理の説明図である。

【符号の説明】

１ 移動交換局 ２ 移動交換機（ＭＳＣ） ３ 既設のホームロケーションレジスタ（ＨＬＲ） ４ ビジターロケーションレジスタ（ＶＬＲ） ６ 基地局（ＢＳＳ） ７ 移動機（ＭＳ） ８ 関門交換機（Ｇ−ＭＳＣ） １０ 新設のホームロケーションレジスタ（ＨＬＲ）

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 加入者情報を管理する既設の管理部から
   新設の管理部に加入者情報を移設する方法に於いて、 加入者の位置登録要求等の加入者情報更新要求時に、該
   加入者の加入者情報を前記新設の管理部に移設するか否
   かを判定し、移設すべき加入者情報の場合に、前記既設
   の管理部から前記新設の管理部に該加入者情報を移設す
   る過程を含むことを特徴とする加入者情報移設方法。
2. 【請求項２】 前記新設の管理部にアクセスすべき加入
   者を予め設定し、該加入者の位置登録要求等の加入者情
   報更新要求時に、該加入者の加入者情報を前記既設の管
   理部から前記新設の管理部へ移設する過程を含むことを
   特徴とする請求項１記載の加入者情報移設方法。
3. 【請求項３】 前記新設の管理部にアクセスすべき加入
   者と、該加入者の加入者情報を管理する前記既設の管理
   部を示す情報とを予め設定し、該加入者の位置登録要求
   等の加入者情報更新要求時に、該加入者の加入者情報
   を、前記管理部を示す情報を基に前記既設の管理部から
   前記新設の管理部へ移設する過程を含むことを特徴とす
   る請求項１記載の加入者情報移設方法。
4. 【請求項４】 前記既設の管理部に、前記新設の管理部
   へ移設すべき加入者情報をマーク等により表示し、加入
   者の位置登録要求等の加入者情報更新要求時に、該加入
   者情報が前記新設の管理部への移設を示す表示がある場
   合に、該加入者情報を前記既設の管理部から前記新設の
   管理部へ移設する過程を含むことを特徴とする請求項１
   記載の加入者情報移設方法。