JPH1055498A - 信号伝達装置 - Google Patents
信号伝達装置Info
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- JPH1055498A JPH1055498A JP22594996A JP22594996A JPH1055498A JP H1055498 A JPH1055498 A JP H1055498A JP 22594996 A JP22594996 A JP 22594996A JP 22594996 A JP22594996 A JP 22594996A JP H1055498 A JPH1055498 A JP H1055498A
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- signal
- transformer
- secondary winding
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 トランス結合容量に起因してのコモンモード
電圧の一次回路から二次回路への漏洩量を低減すること
ができる信号伝達装置を提供することにある。 【解決手段】 絶縁用のトランス11の一次巻線11a
側に配設された変調回路16が変調信号に基づいて入力
信号を変調すると共に、トランス11の二次巻線11b
側に配設された復調回路17が、変調信号に位相同期し
た復調用信号に基づいて、変調された入力信号を復調す
ることによって、互いに絶縁された一次巻線11a側の
一次回路から二次巻線11b側の二次回路に入力信号を
伝達する信号伝達装置3において、トランス11は、二
次巻線11bにセンタータップ11dが形成されると共
に変調された入力信号を二次巻線11bの両端から復調
回路17に出力可能に構成され、センタータップ11d
は、二次回路側のグランドG1 に接続されている。
電圧の一次回路から二次回路への漏洩量を低減すること
ができる信号伝達装置を提供することにある。 【解決手段】 絶縁用のトランス11の一次巻線11a
側に配設された変調回路16が変調信号に基づいて入力
信号を変調すると共に、トランス11の二次巻線11b
側に配設された復調回路17が、変調信号に位相同期し
た復調用信号に基づいて、変調された入力信号を復調す
ることによって、互いに絶縁された一次巻線11a側の
一次回路から二次巻線11b側の二次回路に入力信号を
伝達する信号伝達装置3において、トランス11は、二
次巻線11bにセンタータップ11dが形成されると共
に変調された入力信号を二次巻線11bの両端から復調
回路17に出力可能に構成され、センタータップ11d
は、二次回路側のグランドG1 に接続されている。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電圧計および電力
計などの計測器に用いられる信号伝達装置に関し、詳し
くは、互いに絶縁されている一次回路側から二次回路側
に入力信号を伝達するための信号伝達装置に関するもの
である。
計などの計測器に用いられる信号伝達装置に関し、詳し
くは、互いに絶縁されている一次回路側から二次回路側
に入力信号を伝達するための信号伝達装置に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】計測器の分野では、一次回路側の測定対
象物である電圧信号などを、一次回路とは絶縁されてい
る計測系としての二次回路側に伝達するために、絶縁用
トランスが用いられている。このような絶縁用トランス
を使用した信号伝達装置として、図6に示す信号伝達装
置51が従来から知られている。
象物である電圧信号などを、一次回路とは絶縁されてい
る計測系としての二次回路側に伝達するために、絶縁用
トランスが用いられている。このような絶縁用トランス
を使用した信号伝達装置として、図6に示す信号伝達装
置51が従来から知られている。
【0003】同図に示す信号伝達装置51は、絶縁用の
トランス52と、入力信号SINの周波数よりもある程度
高い周波数であって変調用のクロック信号CLを発振す
るクロック発振回路12と、パルストランスで構成され
互いに絶縁された一次巻線13a側の一次回路から二次
巻線13b側の二次回路にクロック発振回路12のクロ
ック信号CLを伝達するためのトランス13と、ノット
ゲート14,15と、変調回路53と、復調回路54と
を備えている。この場合、変調回路53は、オペアンプ
21、入力用の抵抗22および4つのアナログスイッチ
61〜64から構成されて電圧−電流変換回路として機
能し、復調回路54は、オペアンプ31、帰還用の抵抗
32および4つのアナログスイッチ65〜68から構成
されて電流−電圧変換回路として機能する。
トランス52と、入力信号SINの周波数よりもある程度
高い周波数であって変調用のクロック信号CLを発振す
るクロック発振回路12と、パルストランスで構成され
互いに絶縁された一次巻線13a側の一次回路から二次
巻線13b側の二次回路にクロック発振回路12のクロ
ック信号CLを伝達するためのトランス13と、ノット
ゲート14,15と、変調回路53と、復調回路54と
を備えている。この場合、変調回路53は、オペアンプ
21、入力用の抵抗22および4つのアナログスイッチ
61〜64から構成されて電圧−電流変換回路として機
能し、復調回路54は、オペアンプ31、帰還用の抵抗
32および4つのアナログスイッチ65〜68から構成
されて電流−電圧変換回路として機能する。
【0004】この信号伝達装置51では、クロック発振
回路12から出力されたクロック信号CLがロウレベル
のときには、ノットゲート14がクロック信号CLの論
理を反転することによって、アナログスイッチ61,6
2が導通状態になりアナログスイッチ63,64が非導
通状態になる。この状態において正電圧の入力信号SIN
が入力されると、入力信号SINに基づく電流は、抵抗2
2、アナログスイッチ61、トランス52の一次巻線5
2a、アナログスイッチ62およびオペアンプ21の出
力部からなる電流経路I11を流れる。逆に、クロック発
振回路12から出力されたクロック信号CLがハイレベ
ルのときには、アナログスイッチ63,64が導通状態
になりアナログスイッチ61,62が非導通状態にな
る。この状態では、入力信号SINに基づく電流は、抵抗
22、アナログスイッチ63、トランス52の一次巻線
52a、アナログスイッチ64およびオペアンプ21の
出力部からなる電流経路I12を流れる。なお、入力信号
SINが負電圧の場合には、入力信号SINに基づく電流
は、クロック信号CLがロウレベルおよびハイレベルの
ときに、それぞれ電流経路I11,I12と逆向きの経路で
流れる。このように、変調回路53は、トランス52の
一次巻線52aに流れる電流の向きをクロック信号CL
のレベルに応じて反転および非反転させることによっ
て、クロック信号CLのレベルに応じて位相が反転およ
び非反転する交流信号を二次巻線52bに出力する。
回路12から出力されたクロック信号CLがロウレベル
のときには、ノットゲート14がクロック信号CLの論
理を反転することによって、アナログスイッチ61,6
2が導通状態になりアナログスイッチ63,64が非導
通状態になる。この状態において正電圧の入力信号SIN
が入力されると、入力信号SINに基づく電流は、抵抗2
2、アナログスイッチ61、トランス52の一次巻線5
2a、アナログスイッチ62およびオペアンプ21の出
力部からなる電流経路I11を流れる。逆に、クロック発
振回路12から出力されたクロック信号CLがハイレベ
ルのときには、アナログスイッチ63,64が導通状態
になりアナログスイッチ61,62が非導通状態にな
る。この状態では、入力信号SINに基づく電流は、抵抗
22、アナログスイッチ63、トランス52の一次巻線
52a、アナログスイッチ64およびオペアンプ21の
出力部からなる電流経路I12を流れる。なお、入力信号
SINが負電圧の場合には、入力信号SINに基づく電流
は、クロック信号CLがロウレベルおよびハイレベルの
ときに、それぞれ電流経路I11,I12と逆向きの経路で
流れる。このように、変調回路53は、トランス52の
一次巻線52aに流れる電流の向きをクロック信号CL
のレベルに応じて反転および非反転させることによっ
て、クロック信号CLのレベルに応じて位相が反転およ
び非反転する交流信号を二次巻線52bに出力する。
【0005】一方、復調回路54では、入力信号SINが
正電圧の場合において、クロック発振回路12から出力
されたクロック信号CLがロウレベルのときには、ノッ
トゲート15がクロック信号CLの論理を反転すること
によって、アナログスイッチ65,66が導通状態にな
りアナログスイッチ67,68が非導通状態になる。こ
の状態では、入力信号SINに基づく電流が信号経路I11
で流れることによって二次巻線52bに流れる交流電流
は、グランドG2 、アナログスイッチ66、二次巻線5
2b、アナログスイッチ65および抵抗32からなる電
流経路I13で流れる。逆に、クロック発振回路12から
出力されたクロック信号CLがハイレベルのときには、
アナログスイッチ67,68が導通状態になりアナログ
スイッチ65,66が非導通状態になる。この状態で
は、入力信号SINに基づく電流が信号経路I12で流れる
ことによって二次巻線52bに流れる交流電流は、グラ
ンドG2 、アナログスイッチ67、二次巻線52b、ア
ナログスイッチ68および抵抗32からなる電流経路I
14で流れる。なお、入力信号SINが負電圧の場合には、
二次巻線52bを流れる交流電流は、クロック信号CL
がロウレベルおよびハイレベルのときに、それぞれ電流
経路I13,I14と逆向きの経路で流れる。このため、オ
ペアンプ31の反転入力部に入力される信号の位相は、
元の入力信号SINの位相と同一になり、これにより、復
調回路54に入力された信号は復調される。この結果、
信号伝達装置51は、入力信号SINが直流および交流の
いずれの場合であっても、入力信号SINを変調回路53
によって変調することにより交流信号に変換すると共
に、変換した交流信号をトランス52を介して復調回路
54に伝達し、かつ復調することにより、互いに絶縁さ
れた一次回路側から二次回路側に入力信号SINを伝達す
る。
正電圧の場合において、クロック発振回路12から出力
されたクロック信号CLがロウレベルのときには、ノッ
トゲート15がクロック信号CLの論理を反転すること
によって、アナログスイッチ65,66が導通状態にな
りアナログスイッチ67,68が非導通状態になる。こ
の状態では、入力信号SINに基づく電流が信号経路I11
で流れることによって二次巻線52bに流れる交流電流
は、グランドG2 、アナログスイッチ66、二次巻線5
2b、アナログスイッチ65および抵抗32からなる電
流経路I13で流れる。逆に、クロック発振回路12から
出力されたクロック信号CLがハイレベルのときには、
アナログスイッチ67,68が導通状態になりアナログ
スイッチ65,66が非導通状態になる。この状態で
は、入力信号SINに基づく電流が信号経路I12で流れる
ことによって二次巻線52bに流れる交流電流は、グラ
ンドG2 、アナログスイッチ67、二次巻線52b、ア
ナログスイッチ68および抵抗32からなる電流経路I
14で流れる。なお、入力信号SINが負電圧の場合には、
二次巻線52bを流れる交流電流は、クロック信号CL
がロウレベルおよびハイレベルのときに、それぞれ電流
経路I13,I14と逆向きの経路で流れる。このため、オ
ペアンプ31の反転入力部に入力される信号の位相は、
元の入力信号SINの位相と同一になり、これにより、復
調回路54に入力された信号は復調される。この結果、
信号伝達装置51は、入力信号SINが直流および交流の
いずれの場合であっても、入力信号SINを変調回路53
によって変調することにより交流信号に変換すると共
に、変換した交流信号をトランス52を介して復調回路
54に伝達し、かつ復調することにより、互いに絶縁さ
れた一次回路側から二次回路側に入力信号SINを伝達す
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、この従来の
信号伝達装置51には、以下の問題点がある。すなわ
ち、一般的に、絶縁用のトランス52の一次巻線52a
と二次巻線52bとの間には、結合容量CC が存在す
る。一方、電圧などの計測時においては、入力信号SIN
側のグランドG1 と、装置側のグランドG2 とを共通接
続する必要があるが、共通接続されていない場合には、
両グランドG1 ,G2 間に印加される電圧(以下、「コ
モンモード電圧」という)VC が発生する。この場合、
トランス52の二次巻線52bの両端を短絡し、その短
絡部分と一次回路側との間に結合容量CC が存在すると
考えれば、信号伝達装置51は、図5に示すように、コ
モンモード電圧VC の発生源SVCが、両グランドG1 ,
G2 間に接続され、グランドG1とオペアンプ31の反
転入力部との間に、結合容量CC および抵抗RA が直列
接続され、かつ、結合容量CC および抵抗RA の接続点
とグランドG2 との間に抵抗RB が接続された等価回路
として表される。なお、抵抗RA はアナログスイッチ6
5または68の等価抵抗であり、抵抗RB はアナログス
イッチ66または67の等価抵抗である。
信号伝達装置51には、以下の問題点がある。すなわ
ち、一般的に、絶縁用のトランス52の一次巻線52a
と二次巻線52bとの間には、結合容量CC が存在す
る。一方、電圧などの計測時においては、入力信号SIN
側のグランドG1 と、装置側のグランドG2 とを共通接
続する必要があるが、共通接続されていない場合には、
両グランドG1 ,G2 間に印加される電圧(以下、「コ
モンモード電圧」という)VC が発生する。この場合、
トランス52の二次巻線52bの両端を短絡し、その短
絡部分と一次回路側との間に結合容量CC が存在すると
考えれば、信号伝達装置51は、図5に示すように、コ
モンモード電圧VC の発生源SVCが、両グランドG1 ,
G2 間に接続され、グランドG1とオペアンプ31の反
転入力部との間に、結合容量CC および抵抗RA が直列
接続され、かつ、結合容量CC および抵抗RA の接続点
とグランドG2 との間に抵抗RB が接続された等価回路
として表される。なお、抵抗RA はアナログスイッチ6
5または68の等価抵抗であり、抵抗RB はアナログス
イッチ66または67の等価抵抗である。
【0007】この等価回路によれば、コモンモード電圧
VC に基づく電流が同図に示す電流経路I21で流れたと
きに、抵抗RB の両端で電圧降下が生じることによっ
て、抵抗RB の両端に電圧VS が発生する。この場合、
電圧VS は、抵抗RA を介してオペアンプ31の非反転
入力部に入力されることによって、オペアンプ31によ
って増幅されて出力信号SOUT として出力される。この
ように、この信号伝達装置51には、一次回路側のグラ
ンドG1 と、装置側のグランドG2 とが共通接続されて
いない場合に、トランス52の結合容量CC の存在に起
因して、入力信号SINが0Vのときであっても、コモン
モード電圧VC に基づく出力信号SOUT を出力してしま
う。このため、この信号伝達装置51を計測器の一部の
回路として用いたときには、正確な測定を行うことがで
きないという問題点がある。
VC に基づく電流が同図に示す電流経路I21で流れたと
きに、抵抗RB の両端で電圧降下が生じることによっ
て、抵抗RB の両端に電圧VS が発生する。この場合、
電圧VS は、抵抗RA を介してオペアンプ31の非反転
入力部に入力されることによって、オペアンプ31によ
って増幅されて出力信号SOUT として出力される。この
ように、この信号伝達装置51には、一次回路側のグラ
ンドG1 と、装置側のグランドG2 とが共通接続されて
いない場合に、トランス52の結合容量CC の存在に起
因して、入力信号SINが0Vのときであっても、コモン
モード電圧VC に基づく出力信号SOUT を出力してしま
う。このため、この信号伝達装置51を計測器の一部の
回路として用いたときには、正確な測定を行うことがで
きないという問題点がある。
【0008】また、この信号伝達装置51では、クロッ
ク信号CLのレベルに応じてトランス52の一次巻線5
2aおよび二次巻線52bを流れる電流の向きをそれぞ
れ変えるために、変調回路53および復調回路54が、
アナログスイッチをそれぞれ4つずつ備える必要があ
る。このため、この信号伝達装置51には、回路構成が
複雑になり部品コストを上昇させているという問題点も
ある。
ク信号CLのレベルに応じてトランス52の一次巻線5
2aおよび二次巻線52bを流れる電流の向きをそれぞ
れ変えるために、変調回路53および復調回路54が、
アナログスイッチをそれぞれ4つずつ備える必要があ
る。このため、この信号伝達装置51には、回路構成が
複雑になり部品コストを上昇させているという問題点も
ある。
【0009】本発明は、かかる問題点に鑑みてなされた
ものであり、絶縁用のトランスの結合容量に起因しての
コモンモード電圧の一次回路側から二次回路側への漏洩
量を低減することができる信号伝達装置を提供すること
を主目的とする。また、簡易に構成可能な信号伝達装置
を提供することを他の目的とする。
ものであり、絶縁用のトランスの結合容量に起因しての
コモンモード電圧の一次回路側から二次回路側への漏洩
量を低減することができる信号伝達装置を提供すること
を主目的とする。また、簡易に構成可能な信号伝達装置
を提供することを他の目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成すべく請
求項1記載の信号伝達装置は、絶縁用のトランスの一次
巻線側に配設された変調回路が変調信号に基づいて入力
信号を変調すると共に、トランスの二次巻線側に配設さ
れた復調回路が、変調信号に位相同期した復調用信号に
基づいて、変調された入力信号を復調することによっ
て、互いに絶縁された一次巻線側の一次回路から二次巻
線側の二次回路に入力信号を伝達する信号伝達装置にお
いて、トランスは、二次巻線にセンタータップが形成さ
れると共に変調された入力信号を二次巻線の両端から復
調回路に出力可能に構成され、センタータップは、二次
回路側のグランドに接続されていることを特徴とする。
求項1記載の信号伝達装置は、絶縁用のトランスの一次
巻線側に配設された変調回路が変調信号に基づいて入力
信号を変調すると共に、トランスの二次巻線側に配設さ
れた復調回路が、変調信号に位相同期した復調用信号に
基づいて、変調された入力信号を復調することによっ
て、互いに絶縁された一次巻線側の一次回路から二次巻
線側の二次回路に入力信号を伝達する信号伝達装置にお
いて、トランスは、二次巻線にセンタータップが形成さ
れると共に変調された入力信号を二次巻線の両端から復
調回路に出力可能に構成され、センタータップは、二次
回路側のグランドに接続されていることを特徴とする。
【0011】この信号伝達装置では、入力信号は、変調
回路によって変調された後にトランスの一次巻線に出力
される。この場合、変調された入力信号に基づく信号電
流が一次巻線を流れることによって、二次巻線のセンタ
ータップと二次巻線のいずれか一方の一端との間に、変
調された入力信号に基づく電圧が誘起する。次いで、復
調回路が、二次巻線に誘起した電圧を入力して復調する
ことによって、入力信号は、互いに絶縁された一次回路
から二次回路に伝達される。
回路によって変調された後にトランスの一次巻線に出力
される。この場合、変調された入力信号に基づく信号電
流が一次巻線を流れることによって、二次巻線のセンタ
ータップと二次巻線のいずれか一方の一端との間に、変
調された入力信号に基づく電圧が誘起する。次いで、復
調回路が、二次巻線に誘起した電圧を入力して復調する
ことによって、入力信号は、互いに絶縁された一次回路
から二次回路に伝達される。
【0012】一方、例えば、一次回路側のグランドと二
次回路側のグランドとが共通接続されていない場合、一
次回路側のグランドと二次回路側のグランドとの間にコ
モンモード電圧が発生する場合がある。このコモンモー
ド電圧は、トランスの結合容量を介してトランスの一次
巻線側から二次巻線側に漏洩する。この場合、コモンモ
ード電圧は、両端を短絡した二次巻線に漏洩すると等価
的に考えることができる。このため、コモンモード電圧
は、センタータップおよび二次回路側グランド間のイン
ピーダンスと、復調回路の入力インピーダンスとの並列
回路に入力すると等価的に考えることができる。一方、
センタータップが二次回路側のグランドに直接接続され
ているため、センタータップおよび二次回路側のグラン
ド間のインピーダンスは、ほぼ0Ωに近似され、かつ変
調回路の入力インピーダンスはある程度の値を有してい
る。このため、二次巻線側に漏洩したコモンモード電圧
は、センタータップを介して、インピーダンスがより低
い二次回路側のグランドに流れ込み、変調回路には入力
しない。これにより、絶縁用のトランスの結合容量に起
因してのコモンモード電圧の一次回路側から二次回路側
への漏洩量を低減させることができる。
次回路側のグランドとが共通接続されていない場合、一
次回路側のグランドと二次回路側のグランドとの間にコ
モンモード電圧が発生する場合がある。このコモンモー
ド電圧は、トランスの結合容量を介してトランスの一次
巻線側から二次巻線側に漏洩する。この場合、コモンモ
ード電圧は、両端を短絡した二次巻線に漏洩すると等価
的に考えることができる。このため、コモンモード電圧
は、センタータップおよび二次回路側グランド間のイン
ピーダンスと、復調回路の入力インピーダンスとの並列
回路に入力すると等価的に考えることができる。一方、
センタータップが二次回路側のグランドに直接接続され
ているため、センタータップおよび二次回路側のグラン
ド間のインピーダンスは、ほぼ0Ωに近似され、かつ変
調回路の入力インピーダンスはある程度の値を有してい
る。このため、二次巻線側に漏洩したコモンモード電圧
は、センタータップを介して、インピーダンスがより低
い二次回路側のグランドに流れ込み、変調回路には入力
しない。これにより、絶縁用のトランスの結合容量に起
因してのコモンモード電圧の一次回路側から二次回路側
への漏洩量を低減させることができる。
【0013】請求項2記載の信号伝達装置は、請求項1
記載の信号伝達装置において、変調回路は、変調信号に
同期して、入力信号に基づく入力信号電流の一次巻線に
流れる向きを反転および非反転することによって入力信
号を変調し、復調回路は、2つのアナログ型スイッチを
含んで構成され、両アナログ型スイッチは、各々の入力
部がトランスの二次巻線の一端および他端にそれぞれ接
続されると共に各々の出力部が共通接続され、かつ復調
用信号に同期していずれか一方が作動することにより、
変調された入力信号を復調して出力することを特徴とす
る。
記載の信号伝達装置において、変調回路は、変調信号に
同期して、入力信号に基づく入力信号電流の一次巻線に
流れる向きを反転および非反転することによって入力信
号を変調し、復調回路は、2つのアナログ型スイッチを
含んで構成され、両アナログ型スイッチは、各々の入力
部がトランスの二次巻線の一端および他端にそれぞれ接
続されると共に各々の出力部が共通接続され、かつ復調
用信号に同期していずれか一方が作動することにより、
変調された入力信号を復調して出力することを特徴とす
る。
【0014】この信号伝達装置では、変調回路によって
変調された入力信号の一次巻線に流れる向きが、変調信
号に同期して反転および非反転する。したがって、二次
巻線に誘起する信号電圧の向きも、変調信号に同期して
反転および非反転する。次いで、二次巻線に誘起した信
号電圧は、変調信号に位相同期している復調信号に同期
して作動する2つのアナログ型スイッチのいずれか一方
を通過することによって、電圧の向きが元の入力信号の
向きと同一になり、これにより、復調される。この場
合、従来の信号伝達装置51ではトランス52の二次巻
線52bを流れる信号電流の向きに応じてそれぞれ2つ
ずつ作動するアナログスイッチを2組(つまり合計4
つ)使用しなければならなかったのに対し、この信号伝
達装置では、トランスのいずれか一方の一端とセンター
タップとの間に誘起する信号電圧を出力すればよいた
め、アナログ型スイッチの数を2つに低減させることが
できる。これにより、この信号伝達装置では、簡易に構
成することができる結果、装置のコストダウンを図るこ
とが可能になる。
変調された入力信号の一次巻線に流れる向きが、変調信
号に同期して反転および非反転する。したがって、二次
巻線に誘起する信号電圧の向きも、変調信号に同期して
反転および非反転する。次いで、二次巻線に誘起した信
号電圧は、変調信号に位相同期している復調信号に同期
して作動する2つのアナログ型スイッチのいずれか一方
を通過することによって、電圧の向きが元の入力信号の
向きと同一になり、これにより、復調される。この場
合、従来の信号伝達装置51ではトランス52の二次巻
線52bを流れる信号電流の向きに応じてそれぞれ2つ
ずつ作動するアナログスイッチを2組(つまり合計4
つ)使用しなければならなかったのに対し、この信号伝
達装置では、トランスのいずれか一方の一端とセンター
タップとの間に誘起する信号電圧を出力すればよいた
め、アナログ型スイッチの数を2つに低減させることが
できる。これにより、この信号伝達装置では、簡易に構
成することができる結果、装置のコストダウンを図るこ
とが可能になる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して、本発
明に係る信号伝達装置の実施の形態について説明する。
なお、従来の信号伝達装置51と同一の構成要素につい
ては、同一の符号を付して詳細説明は省略する。
明に係る信号伝達装置の実施の形態について説明する。
なお、従来の信号伝達装置51と同一の構成要素につい
ては、同一の符号を付して詳細説明は省略する。
【0016】図1は、信号伝達装置を電圧計に適用した
回路図を示している。同図に示す電圧計1は、例えば、
一次回路側のグランドに対して所定の電圧値を有してい
る抵抗などの測定対象電圧を測定するためのものであっ
て、図示しないプローブを介して入力された測定対象電
圧の実効値を測定して表示する。
回路図を示している。同図に示す電圧計1は、例えば、
一次回路側のグランドに対して所定の電圧値を有してい
る抵抗などの測定対象電圧を測定するためのものであっ
て、図示しないプローブを介して入力された測定対象電
圧の実効値を測定して表示する。
【0017】電圧計1は、レンジ回路2、絶縁アンプ
(本発明における信号伝達装置に該当する)3、実効値
演算回路4および表示器5を備えている。レンジ回路2
は、切替スイッチ(図示せず)を含んで構成され、測定
対象電圧である入力信号SINのレベルに応じて切替スイ
ッチを切り替えることにより、入力信号SINを増幅また
は減衰させて内部回路で扱えることができるレベルの信
号に変換した後に絶縁アンプ3に出力する。絶縁アンプ
3は、絶縁用のトランス11(図2参照)を有し、トラ
ンス11の一次巻線側の一次回路に入力した入力信号S
INを変調して交流信号に変換し、かつ変換した交流信号
をトランス11の二次巻線側の二次回路に伝達すると共
に、二次回路に伝達された交流を復調して元の入力信号
に変換した後に実効値演算回路4に出力する。実効値演
算回路4は、入力信号SINの実効値を演算するための公
知回路であって、特に限定されないが、入力信号の絶対
値を求める絶対値回路と、絶対値回路の出力信号の二乗
値を求める二乗回路と、二乗回路の出力信号の積分値を
求める積分回路と、積分回路の出力信号の開平値を求め
る開平回路とを備えている。なお、実効値演算回路4
は、入力信号SINの電圧値をサンプリングするサンプリ
ング回路と、サンプリング回路によってサンプリングさ
れたサンプリングデータに基づいて入力信号SINの実効
値をディジタル演算するマイクロコンピュータとで構成
してもよい。表示器5は、液晶などの表示器で構成さ
れ、実効値演算回路4によって求められた実効電圧を表
示する。
(本発明における信号伝達装置に該当する)3、実効値
演算回路4および表示器5を備えている。レンジ回路2
は、切替スイッチ(図示せず)を含んで構成され、測定
対象電圧である入力信号SINのレベルに応じて切替スイ
ッチを切り替えることにより、入力信号SINを増幅また
は減衰させて内部回路で扱えることができるレベルの信
号に変換した後に絶縁アンプ3に出力する。絶縁アンプ
3は、絶縁用のトランス11(図2参照)を有し、トラ
ンス11の一次巻線側の一次回路に入力した入力信号S
INを変調して交流信号に変換し、かつ変換した交流信号
をトランス11の二次巻線側の二次回路に伝達すると共
に、二次回路に伝達された交流を復調して元の入力信号
に変換した後に実効値演算回路4に出力する。実効値演
算回路4は、入力信号SINの実効値を演算するための公
知回路であって、特に限定されないが、入力信号の絶対
値を求める絶対値回路と、絶対値回路の出力信号の二乗
値を求める二乗回路と、二乗回路の出力信号の積分値を
求める積分回路と、積分回路の出力信号の開平値を求め
る開平回路とを備えている。なお、実効値演算回路4
は、入力信号SINの電圧値をサンプリングするサンプリ
ング回路と、サンプリング回路によってサンプリングさ
れたサンプリングデータに基づいて入力信号SINの実効
値をディジタル演算するマイクロコンピュータとで構成
してもよい。表示器5は、液晶などの表示器で構成さ
れ、実効値演算回路4によって求められた実効電圧を表
示する。
【0018】次に、図2を参照して絶縁アンプ3の具体
的な構成について説明する。
的な構成について説明する。
【0019】同図に示すように、絶縁アンプ3は、トラ
ンス11、クロック発振回路12、トランス13、ノッ
トゲート14,15、変調回路16および復調回路17
を備えている。
ンス11、クロック発振回路12、トランス13、ノッ
トゲート14,15、変調回路16および復調回路17
を備えている。
【0020】トランス11は、一次巻線11a側の一次
回路と二次巻線11b側の二次回路とを互いに絶縁する
と共に、一次巻線11aに入力された信号を二次巻線1
1bに伝達する。両巻線11a,11bは、センタータ
ップ11c,11dをそれぞれ有し、センタータップ1
1cは後述するオペアンプ21の出力部に接続され、セ
ンタータップ11dは二次回路側のグランドG2 に接地
されている。クロック発振回路12は、変復調用の例え
ば、約1MHzのクロック信号CLを発振するものであ
って、クロック信号CLをノットゲート14およびトラ
ンス13の一次巻線13aに出力する。トランス13
は、実際にはパルストランスで構成され、互いに絶縁さ
れた一次巻線13a側の一次回路から二次巻線13b側
の二次回路にクロック信号CLを伝達する。ノットゲー
ト14,15は、それぞれクロック信号CLの論理を反
転すると共に波形整形する。
回路と二次巻線11b側の二次回路とを互いに絶縁する
と共に、一次巻線11aに入力された信号を二次巻線1
1bに伝達する。両巻線11a,11bは、センタータ
ップ11c,11dをそれぞれ有し、センタータップ1
1cは後述するオペアンプ21の出力部に接続され、セ
ンタータップ11dは二次回路側のグランドG2 に接地
されている。クロック発振回路12は、変復調用の例え
ば、約1MHzのクロック信号CLを発振するものであ
って、クロック信号CLをノットゲート14およびトラ
ンス13の一次巻線13aに出力する。トランス13
は、実際にはパルストランスで構成され、互いに絶縁さ
れた一次巻線13a側の一次回路から二次巻線13b側
の二次回路にクロック信号CLを伝達する。ノットゲー
ト14,15は、それぞれクロック信号CLの論理を反
転すると共に波形整形する。
【0021】変調回路16は、レンジ回路2から出力さ
れた信号S1 を変調信号であるクロック信号CLに基づ
いて変調する回路であって、オペアンプ21、入力用の
抵抗22および2つのアナログスイッチ24,25を備
えて構成され電圧−電流変換回路として機能する。復調
回路17は、変調回路16によって変調された信号を復
調する回路であって、オペアンプ31、帰還用の抵抗3
2およびアナログスイッチ(本発明におけるアナログ型
のスイッチに該当する)33,34を備えて構成され電
流−電圧変換回路として機能する。
れた信号S1 を変調信号であるクロック信号CLに基づ
いて変調する回路であって、オペアンプ21、入力用の
抵抗22および2つのアナログスイッチ24,25を備
えて構成され電圧−電流変換回路として機能する。復調
回路17は、変調回路16によって変調された信号を復
調する回路であって、オペアンプ31、帰還用の抵抗3
2およびアナログスイッチ(本発明におけるアナログ型
のスイッチに該当する)33,34を備えて構成され電
流−電圧変換回路として機能する。
【0022】次に、変調回路16および復調回路17の
動作について、例えば、図4(a)に示すような正弦波
の信号S1 がレンジ回路2から出力された場合を想定し
て説明する。なお、この場合、クロック信号CLは、理
解を容易にするために便宜上、低周波数のクロック信号
としている。信号S1 が正電圧の場合において、クロッ
ク発振回路12から出力されたクロック信号CLがロウ
レベルのとき(同図(b)参照)には、ノットゲート1
4がクロック信号CLの論理を反転することによって、
アナログスイッチ24が導通状態になりアナログスイッ
チ25が非導通状態になる。この状態では、信号S1 に
基づく電流は、抵抗22、アナログスイッチ24、トラ
ンス11の一次巻線11aの同図において上側の巻線
部、およびオペアンプ21の出力部からなる電流経路I
1 を流れる。逆に、クロック発振回路12から出力され
たクロック信号CLがハイレベルのときには、アナログ
スイッチ25が導通状態になりアナログスイッチ24が
非導通状態になる。この状態では、信号S1 に基づく電
流は、抵抗22、アナログスイッチ25、トランス11
の一次巻線11aの同図において下側の巻線部、および
オペアンプ21の出力部からなる電流経路I2 を流れ
る。なお、信号S1 が負電圧の場合には、信号S1 に基
づく電流は、クロック信号CLがロウレベルおよびハイ
レベルのときに、それぞれ電流経路I1 ,I2 と逆向き
の経路で流れる。このため、トランス11の一次巻線1
1aに流れる電流の向きがクロック信号CLのレベルに
同期して反転および非反転を繰り返すため、入力信号S
INが変調され、トランス11の一次巻線11aから二次
巻線11bに伝達される信号は、同図(c)に示すよう
な電圧波形SW となる。
動作について、例えば、図4(a)に示すような正弦波
の信号S1 がレンジ回路2から出力された場合を想定し
て説明する。なお、この場合、クロック信号CLは、理
解を容易にするために便宜上、低周波数のクロック信号
としている。信号S1 が正電圧の場合において、クロッ
ク発振回路12から出力されたクロック信号CLがロウ
レベルのとき(同図(b)参照)には、ノットゲート1
4がクロック信号CLの論理を反転することによって、
アナログスイッチ24が導通状態になりアナログスイッ
チ25が非導通状態になる。この状態では、信号S1 に
基づく電流は、抵抗22、アナログスイッチ24、トラ
ンス11の一次巻線11aの同図において上側の巻線
部、およびオペアンプ21の出力部からなる電流経路I
1 を流れる。逆に、クロック発振回路12から出力され
たクロック信号CLがハイレベルのときには、アナログ
スイッチ25が導通状態になりアナログスイッチ24が
非導通状態になる。この状態では、信号S1 に基づく電
流は、抵抗22、アナログスイッチ25、トランス11
の一次巻線11aの同図において下側の巻線部、および
オペアンプ21の出力部からなる電流経路I2 を流れ
る。なお、信号S1 が負電圧の場合には、信号S1 に基
づく電流は、クロック信号CLがロウレベルおよびハイ
レベルのときに、それぞれ電流経路I1 ,I2 と逆向き
の経路で流れる。このため、トランス11の一次巻線1
1aに流れる電流の向きがクロック信号CLのレベルに
同期して反転および非反転を繰り返すため、入力信号S
INが変調され、トランス11の一次巻線11aから二次
巻線11bに伝達される信号は、同図(c)に示すよう
な電圧波形SW となる。
【0023】一方、トランス11の二次巻線11bの二
次回路側では、信号S1 が正電圧の場合において、クロ
ック発振回路12から出力されたクロック信号CLがロ
ウレベルのときには、ノットゲート15がクロック信号
CLの論理を反転することによって、アナログスイッチ
33が導通状態になりアナログスイッチ34が非導通状
態になる。この状態では、信号S1 が信号経路I1 で流
れることによって二次巻線11bに信号電圧が誘起し、
この誘起電圧に基づいて流れる信号電流は、グランドG
2 、二次巻線11bの同図において上側の巻線部、アナ
ログスイッチ33および抵抗32からなる電流経路I3
で流れる。逆に、クロック発振回路12から出力された
クロック信号CLがハイレベルのときには、アナログス
イッチ34が導通状態になりアナログスイッチ33が非
導通状態になる。この状態では、信号S1 が信号経路I
2 で流れることによって二次巻線11bに信号電圧が誘
起し、この誘起電圧に基づいて流れる信号電流は、グラ
ンドG2 、二次巻線11bの同図において下側の巻線
部、アナログスイッチ34および抵抗32からなる電流
経路I4 で流れる。なお、絶縁アンプ3に入力した信号
S1 が負電圧の場合には、二次巻線11bに流れる信号
電流は、クロック信号CLがロウレベルおよびハイレベ
ルのときに、それぞれ電流経路I3 ,I4 と逆向きの経
路で流れる。このため、オペアンプ31から出力される
信号は、元の信号S1 と同じ波形に復調されて信号S
OUT として出力される。
次回路側では、信号S1 が正電圧の場合において、クロ
ック発振回路12から出力されたクロック信号CLがロ
ウレベルのときには、ノットゲート15がクロック信号
CLの論理を反転することによって、アナログスイッチ
33が導通状態になりアナログスイッチ34が非導通状
態になる。この状態では、信号S1 が信号経路I1 で流
れることによって二次巻線11bに信号電圧が誘起し、
この誘起電圧に基づいて流れる信号電流は、グランドG
2 、二次巻線11bの同図において上側の巻線部、アナ
ログスイッチ33および抵抗32からなる電流経路I3
で流れる。逆に、クロック発振回路12から出力された
クロック信号CLがハイレベルのときには、アナログス
イッチ34が導通状態になりアナログスイッチ33が非
導通状態になる。この状態では、信号S1 が信号経路I
2 で流れることによって二次巻線11bに信号電圧が誘
起し、この誘起電圧に基づいて流れる信号電流は、グラ
ンドG2 、二次巻線11bの同図において下側の巻線
部、アナログスイッチ34および抵抗32からなる電流
経路I4 で流れる。なお、絶縁アンプ3に入力した信号
S1 が負電圧の場合には、二次巻線11bに流れる信号
電流は、クロック信号CLがロウレベルおよびハイレベ
ルのときに、それぞれ電流経路I3 ,I4 と逆向きの経
路で流れる。このため、オペアンプ31から出力される
信号は、元の信号S1 と同じ波形に復調されて信号S
OUT として出力される。
【0024】次に、絶縁アンプ3においてコモンモード
電圧の漏洩量の低減、つまりCMRR(Common Modo Re
jection Ratio )が向上する原理について、図3に示す
等価回路を参照して説明する。
電圧の漏洩量の低減、つまりCMRR(Common Modo Re
jection Ratio )が向上する原理について、図3に示す
等価回路を参照して説明する。
【0025】図2において破線で示すように、トランス
11の一次巻線11aと二次巻線11bとの間に結合容
量CC が存在するものとし、測定時において、測定対象
物側のグランドG1 と装置側のグランドG2 とが共通接
続されていない場合、両グランドG1 ,G2 間にコモン
モード電圧VC が発生する。以下、トランス11の二次
巻線11bの両端を短絡し、その短絡部分と一次回路側
との間に結合容量CCが存在すると考え、入力信号SIN
の電圧値を0Vとし、レンジ回路2、変調回路16、復
調回路17およびトランス11を簡略化して考えるもの
とする。かかる場合、絶縁アンプ3は、図3に示すよう
に、コモンモード電圧VC の発生源SVCが両グランドG
1 ,G2 間に接続され、グランドG1 とオペアンプ31
の反転入力部との間に、結合容量CC および抵抗RA が
直列接続され、かつ、結合容量CC および抵抗RA の接
続点がグランドG2 に接続された等価回路として表され
る。なお、抵抗RA は、アナログスイッチ33または3
4の等価抵抗である。
11の一次巻線11aと二次巻線11bとの間に結合容
量CC が存在するものとし、測定時において、測定対象
物側のグランドG1 と装置側のグランドG2 とが共通接
続されていない場合、両グランドG1 ,G2 間にコモン
モード電圧VC が発生する。以下、トランス11の二次
巻線11bの両端を短絡し、その短絡部分と一次回路側
との間に結合容量CCが存在すると考え、入力信号SIN
の電圧値を0Vとし、レンジ回路2、変調回路16、復
調回路17およびトランス11を簡略化して考えるもの
とする。かかる場合、絶縁アンプ3は、図3に示すよう
に、コモンモード電圧VC の発生源SVCが両グランドG
1 ,G2 間に接続され、グランドG1 とオペアンプ31
の反転入力部との間に、結合容量CC および抵抗RA が
直列接続され、かつ、結合容量CC および抵抗RA の接
続点がグランドG2 に接続された等価回路として表され
る。なお、抵抗RA は、アナログスイッチ33または3
4の等価抵抗である。
【0026】この等価回路によれば、コモンモード電圧
VC がトランス11の一次巻線11aから二次巻線11
bに漏洩したとすると、コモンモード電圧は、トランス
11のセンタータップ11dおよびグランドG2 間のイ
ンピーダンスと、抵抗RA およびオペアンプ31の入力
インピーダンスの直列回路との並列回路に入力すると等
価的に考えることができる。一方、センタータップ11
dがグランドG2 に直接接続されているため、センター
タップ11dおよびグランドG2 間のインピーダンス
は、ほぼ0Ωに近似され、抵抗RA およびオペアンプ3
1の入力インピーダンスはある程度の値を有している。
このため、二次巻線11c側に漏洩したコモンモード電
圧VC は、同図に示す電流経路I5 で、つまり、センタ
ータップ11dを介して、インピーダンスがより低いグ
ランドG2 に流れ込む。この場合、コモンモード電圧V
C に基づく信号電流がセンタータップ11dを介してグ
ランドG2 に流れ込んだとしても、センタータップ11
dのインピーダンスが極めて低いため、電圧が発生しな
い結果、コモンモード電圧VC は抵抗RA 側に入力しな
い。したがって、トランス11の結合容量CC に起因し
てのコモンモード電圧VC の一次回路側から二次回路側
への漏洩量の低減、つまりCMRRを向上させることが
できる。
VC がトランス11の一次巻線11aから二次巻線11
bに漏洩したとすると、コモンモード電圧は、トランス
11のセンタータップ11dおよびグランドG2 間のイ
ンピーダンスと、抵抗RA およびオペアンプ31の入力
インピーダンスの直列回路との並列回路に入力すると等
価的に考えることができる。一方、センタータップ11
dがグランドG2 に直接接続されているため、センター
タップ11dおよびグランドG2 間のインピーダンス
は、ほぼ0Ωに近似され、抵抗RA およびオペアンプ3
1の入力インピーダンスはある程度の値を有している。
このため、二次巻線11c側に漏洩したコモンモード電
圧VC は、同図に示す電流経路I5 で、つまり、センタ
ータップ11dを介して、インピーダンスがより低いグ
ランドG2 に流れ込む。この場合、コモンモード電圧V
C に基づく信号電流がセンタータップ11dを介してグ
ランドG2 に流れ込んだとしても、センタータップ11
dのインピーダンスが極めて低いため、電圧が発生しな
い結果、コモンモード電圧VC は抵抗RA 側に入力しな
い。したがって、トランス11の結合容量CC に起因し
てのコモンモード電圧VC の一次回路側から二次回路側
への漏洩量の低減、つまりCMRRを向上させることが
できる。
【0027】また、絶縁アンプ3では、クロック信号C
Lに同期して電圧の向きが反転および非反転している二
次巻線11bの誘起電圧が、クロック信号CLに同期し
て作動する2つのアナログスイッチ33,34のいずれ
か一方を通過することによって、元の入力信号の電圧の
向きと同一になり、これにより、入力信号SINが復調さ
れている。この場合、従来の信号伝達装置51ではトラ
ンス52の二次巻線52bを流れる信号電流の向きに応
じてそれぞれ2つずつ作動するアナログスイッチを2組
(つまり合計4つ)使用しなければならなかったのに対
し、この絶縁アンプ3では、トランス11の二次巻線1
1bのいずれか一方の一端とセンタータップ11d間に
誘起する誘起電圧を通過させればよいため、アナログス
イッチの数を2つに低減させることができる。これによ
り、この絶縁アンプ3では、簡易に構成することができ
る結果、装置のコストダウンを図ることが可能になる。
Lに同期して電圧の向きが反転および非反転している二
次巻線11bの誘起電圧が、クロック信号CLに同期し
て作動する2つのアナログスイッチ33,34のいずれ
か一方を通過することによって、元の入力信号の電圧の
向きと同一になり、これにより、入力信号SINが復調さ
れている。この場合、従来の信号伝達装置51ではトラ
ンス52の二次巻線52bを流れる信号電流の向きに応
じてそれぞれ2つずつ作動するアナログスイッチを2組
(つまり合計4つ)使用しなければならなかったのに対
し、この絶縁アンプ3では、トランス11の二次巻線1
1bのいずれか一方の一端とセンタータップ11d間に
誘起する誘起電圧を通過させればよいため、アナログス
イッチの数を2つに低減させることができる。これによ
り、この絶縁アンプ3では、簡易に構成することができ
る結果、装置のコストダウンを図ることが可能になる。
【0028】なお、本実施形態では、変調回路16は、
一次巻線11aにセンタータップ11cが形成されたト
ランス11と、2つのアナログスイッチ24,25とで
構成されているが、本発明は、これに限定されず、従来
の信号伝達装置51と同様にして、センタータップ11
cなしのトランスと、4つのアナログスイッチとで構成
してもよい。また、本発明に係る信号伝達装置の変調回
路は、クロック信号CLに位相同期して電圧の向きを反
転および非反転させる変調回路に限定されず、搬送波を
発振する発振回路と、搬送波を入力信号SINで変調する
変調器とで構成してもよく、この場合の復調回路は、変
調された入力信号SINと搬送波とでミキシングすること
によって入力信号SINに復調する復調回路で構成すれば
よい。
一次巻線11aにセンタータップ11cが形成されたト
ランス11と、2つのアナログスイッチ24,25とで
構成されているが、本発明は、これに限定されず、従来
の信号伝達装置51と同様にして、センタータップ11
cなしのトランスと、4つのアナログスイッチとで構成
してもよい。また、本発明に係る信号伝達装置の変調回
路は、クロック信号CLに位相同期して電圧の向きを反
転および非反転させる変調回路に限定されず、搬送波を
発振する発振回路と、搬送波を入力信号SINで変調する
変調器とで構成してもよく、この場合の復調回路は、変
調された入力信号SINと搬送波とでミキシングすること
によって入力信号SINに復調する復調回路で構成すれば
よい。
【0029】また、本発明に係る信号伝達装置は、本実
施形態において説明した実効電圧測定用の電圧計1に適
用できるばかりでなく、互いに絶縁された一次回路から
二次回路に入力信号を伝達するためのすべての装置に適
用可能である。
施形態において説明した実効電圧測定用の電圧計1に適
用できるばかりでなく、互いに絶縁された一次回路から
二次回路に入力信号を伝達するためのすべての装置に適
用可能である。
【0030】
【発明の効果】以上のように請求項1記載の信号伝達装
置によれば、絶縁用のトランスの二次巻線側にセンター
タップを形成すると共にセンタータップを二次回路側の
グランドに接続したので、二次巻線側に漏洩したコモン
モード電圧がセンタータップを介して、インピーダンス
がより低い二次回路側のグランドに流れ込み結果、絶縁
用のトランスの結合容量に起因してのコモンモード電圧
の一次回路側から二次回路側への漏洩量を低減させるこ
とができる。
置によれば、絶縁用のトランスの二次巻線側にセンター
タップを形成すると共にセンタータップを二次回路側の
グランドに接続したので、二次巻線側に漏洩したコモン
モード電圧がセンタータップを介して、インピーダンス
がより低い二次回路側のグランドに流れ込み結果、絶縁
用のトランスの結合容量に起因してのコモンモード電圧
の一次回路側から二次回路側への漏洩量を低減させるこ
とができる。
【0031】また、請求項2記載の信号伝達装置によれ
ば、トランスの二次巻線のいずれか一方の一端に誘起す
る信号電圧を出力すればよいため、アナログ型スイッチ
の数を2つに低減させることができ、これにより、簡易
に構成することができると共に装置のコストダウンを図
ることができる。
ば、トランスの二次巻線のいずれか一方の一端に誘起す
る信号電圧を出力すればよいため、アナログ型スイッチ
の数を2つに低減させることができ、これにより、簡易
に構成することができると共に装置のコストダウンを図
ることができる。
【図1】本発明の実施の形態に係る電圧計のブロック図
である。
である。
【図2】本発明の実施の形態に係る絶縁アンプの回路図
である。
である。
【図3】本発明の実施の形態に係る絶縁アンプの等価回
路図である。
路図である。
【図4】(a)は入力信号の信号波形図であり、(b)
はクロック信号の信号波形図であり、(c)はトランス
の一次巻線から二次巻線に伝達される変調信号の電圧波
形図である。
はクロック信号の信号波形図であり、(c)はトランス
の一次巻線から二次巻線に伝達される変調信号の電圧波
形図である。
【図5】従来の信号伝達装置の等価回路図である。
【図6】従来の信号伝達装置の回路図である。
3 絶縁アンプ 11 トランス 11a 一次巻線 11b 二次巻線 11d センタータップ 16 変調回路 17 復調回路 33 アナログスイッチ 34 アナログスイッチ G1 グランド
Claims (2)
- 【請求項1】 絶縁用のトランスの一次巻線側に配設さ
れた変調回路が変調信号に基づいて入力信号を変調する
と共に、前記トランスの二次巻線側に配設された復調回
路が、前記変調信号に位相同期した復調用信号に基づい
て、前記変調された入力信号を復調することによって、
互いに絶縁された前記一次巻線側の一次回路から前記二
次巻線側の二次回路に前記入力信号を伝達する信号伝達
装置において、 前記トランスは、前記二次巻線にセンタータップが形成
されると共に前記変調された入力信号を当該二次巻線の
両端から前記復調回路に出力可能に構成され、前記セン
タータップは、前記二次回路側のグランドに接続されて
いることを特徴とする信号伝達装置。 - 【請求項2】 前記変調回路は、前記変調信号に同期し
て、前記入力信号に基づく入力信号電流の前記一次巻線
に流れる向きを反転および非反転することによって当該
入力信号を変調し、 前記復調回路は、2つのアナログ型スイッチを含んで構
成され、 当該両アナログ型スイッチは、各々の入力部が前記トラ
ンスの二次巻線の一端および他端にそれぞれ接続される
と共に各々の出力部が共通接続され、かつ前記復調用信
号に同期していずれか一方が作動することにより、前記
変調された入力信号を復調して出力することを特徴とす
る請求項1記載の信号伝達装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22594996A JPH1055498A (ja) | 1996-08-08 | 1996-08-08 | 信号伝達装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22594996A JPH1055498A (ja) | 1996-08-08 | 1996-08-08 | 信号伝達装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1055498A true JPH1055498A (ja) | 1998-02-24 |
Family
ID=16837426
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP22594996A Pending JPH1055498A (ja) | 1996-08-08 | 1996-08-08 | 信号伝達装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1055498A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2021155271A1 (en) * | 2020-01-31 | 2021-08-05 | The Texas A&M University System | An ultra-wideband ultra-isolation fully integrated fdd transmit-receive duplexer front-end module for 5g and next-generation wireless communication |
-
1996
- 1996-08-08 JP JP22594996A patent/JPH1055498A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2021155271A1 (en) * | 2020-01-31 | 2021-08-05 | The Texas A&M University System | An ultra-wideband ultra-isolation fully integrated fdd transmit-receive duplexer front-end module for 5g and next-generation wireless communication |
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