JPH1054952A - 走査光学系 - Google Patents

走査光学系

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JPH1054952A
JPH1054952A JP10273497A JP10273497A JPH1054952A JP H1054952 A JPH1054952 A JP H1054952A JP 10273497 A JP10273497 A JP 10273497A JP 10273497 A JP10273497 A JP 10273497A JP H1054952 A JPH1054952 A JP H1054952A
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Takayuki Iizuka
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光学系の小型化のためにポリゴンミラーから
アナモフィックレンズまでの距離を短くすると、アナモ
フィックレンズに入射する光束の副走査方向の径の主走
査方向の位置による変化が大きくなり、走査対象面上に
形成されるビームスポットの副走査方向の径を一定に保
つことができない。 【解決手段】 半導体レーザー10から発してポリゴン
ミラー14で反射、偏向された光束は、曲面ミラー15
により反射され、アナモフィックレンズ16を介して感
光体ドラム18上に結像する。曲面ミラー15のミラー
面は、主走査方向の非円弧曲線を光軸と直交する主走査
方向の回転軸を中心に回転させた軌跡として定義される
変形トーリック面であり、その副走査方向のパワーは、
曲面ミラー15とアナモフィックレンズ16とから構成
される光学系の副走査方向の倍率が偏向角度によらず一
定となるよう主走査方向の位置に応じて変化するよう配
分されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、レーザープリン
タ等の光走査ユニットに用いられる走査光学系に関し、
特に、偏向器により偏向された光束を第1、第2のアナ
モフィック光学素子を介して対象面上に結像させる走査
光学系に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の走査光学系としては、従来から
特開平8−68957号公報に記載される光学系が知ら
れている。この公報に記載される光学系では、レーザー
光源から発した光束を副走査方向にパワーを有するシリ
ンドリカルレンズにより線状に結像させ、この光束を結
像位置の近傍に配置された偏向器であるポリゴンミラー
により反射、偏向させ、曲面ミラー、アナモフィックレ
ンズを介して走査対象面上に結像させる。ポリゴンミラ
ーおよび曲面ミラーは、反射面が入射光に対して副走査
方向に角度を持つよう配置されており、入射光と反射光
とは副走査方向に分離される。
【0003】光束は、主走査方向に関しては平行光とし
て曲面ミラーに入射し、主としてこの曲面ミラーのパワ
ーによって走査対象面上に収束される。一方、副走査方
向に関しては、強い発散光として曲面ミラーに入射し、
曲面ミラーのパワーによって弱い発散光となり、アナモ
フィックレンズのパワーにより走査対象面上に収束され
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記公
報の光学系は、収差は良好に補正されているものの、ポ
リゴンミラーと曲面ミラーとの距離、曲面ミラーとアナ
モフィックレンズとの距離、そして曲面ミラー自体の大
きさが比較的大きく設定されているため、光学系を小型
化することができないという問題を有している。
【0005】一方、光学系の小型化のためにポリゴンミ
ラーから曲面ミラーおよびアナモフィックレンズまでの
距離を短くすると、走査幅を一定とすると偏向角度範囲
が従来の走査光学系より大きくなるため、走査範囲の中
心部に向かってアナモフィックレンズに入射する光束と
周辺部に向かってアナモフィックレンズに入射する光束
との角度差、光路長差が大きくなる。前述のように、曲
面ミラーで反射された光束は副走査方向には弱い発散光
であるため、曲面ミラーからアナモフィックレンズまで
の光路長が偏向角度に応じて変化すると、アナモフィッ
クレンズに入射する光束の副走査方向の径が変化するこ
ととなる。
【0006】このような光束径の変化は、光学系の有効
Fナンバーを走査対象面上のスポットの主走査方向の位
置、すなわち像高に応じて変化させるため、走査対象面
上に形成されるビームスポットの副走査方向の径が像高
に応じて変化し、描画性能を一定に保つことができない
という問題が発生する。また、上述した走査位置による
Fナンバーの変化は、シリンドリカルレンズから像面ま
での系で考えれば、角倍率の変化と捉えることができ
る。すなわち、シリンドリカルレンズによるビームの収
束角が一定であるのに対し、アナモフィックレンズ射出
後のビームの収束角は走査位置により変化するため、角
倍率が走査位置に応じて変化することとなる。このよう
な角倍率の変化は、複数のビームを同時に走査させるマ
ルチビーム走査光学系においては走査線の相対的な間隔
の走査位置による変化として現れる。走査面上における
走査線の相対的な間隔は、シリンドリカルレンズにより
形成される線像の間隔に結像光学系の倍率をかけた形で
表されるため、上記のように角倍率が走査位置により変
化するような光学系では、走査線の間隔が走査位置に応
じて変化することとなる。このような走査線の間隔の変
化は、描画性能を劣化させる。
【0007】この発明は、上記の課題に鑑みてなされた
ものであり、全体のコンパクト化を図るために偏向器と
アナモフィックレンズとの距離を近づけた場合にも、像
高による副走査方向のスポット径の変化を抑えると共
に、マルチビーム走査光学系に利用される場合には像高
による走査線の間隔の変化を抑えることができ、描画性
能を一定に保つことができる走査光学系を提供すること
を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明にかかる走査光
学系は、上記の目的を達成させるため、偏向器により偏
向された光束を第1、第2のアナモフィック光学素子を
介して対象面上に結像させる構成において、第1のアナ
モフィック光学素子を、その副走査方向のパワーが、第
1、第2のアナモフィック光学素子により構成される光
学系の副走査方向の倍率が偏向角度によらず一定となる
ように、主走査方向の位置に応じて変化するよう構成し
たことを特徴とする。
【0009】このような構成によれば、例えば曲面ミラ
ーで反射された光束が副走査方向に発散する場合にも、
その発散の度合いを主走査方向の位置に応じて調整する
ことにより、アナモフィックレンズに入射する時点での
副走査方向の光束径を一定にコントロールすることがで
き、しかも、マルチビーム走査光学系に利用される場合
にも走査線の間隔の変化を小さく抑えることができる。
【0010】曲面ミラーで反射された光束が副走査方向
に関して発散光である場合には、曲面ミラーのミラー面
は、その副走査方向のパワーが、主走査方向の中心部か
ら周辺部に向けて正のパワーを付加する方向に変化する
よう形成される。このような形状のミラー面は、主走査
方向の非円弧曲線を光軸と直交する主走査方向の回転軸
を中心に回転させた軌跡として定義される変形トーリッ
ク面として構成することができる。この変形トーリック
面で前記のパワー配分を満たすためには、曲面ミラーが
副走査方向に負のパワーを有する場合には、副走査方向
の曲率半径が主走査方向の中心部から周辺部に向けて漸
増するよう設定し、曲面ミラーが副走査方向に正のパワ
ーを有する場合には、副走査方向の曲率半径が主走査方
向の中心部から周辺部に向けて漸減するよう設定する。
【0011】アナモフィックレンズの少なくとも一方の
レンズ面は、上記のミラー面と同様に主走査方向の非円
弧曲線を光軸と直交する主走査方向の回転軸を中心に回
転させた軌跡として定義される変形トーリック面とする
ことができる。このような面形状によれば、副走査方向
の正のパワーを像高に応じて任意に設定できるために副
走査方向の像面湾曲を良好に補正できるのみでなく、設
定した副走査方向のパワー配分により主走査方向のパワ
ーを持たせることができ、この面に主走査方向の像面湾
曲の補正機能を発揮させることもできる。
【0012】曲面ミラー、アナモフィックレンズに上記
の変形トーリック面を用いる場合、このような変形トー
リック面は主走査方向の回転軸を持つ面であるため、旋
盤により加工したレンズ型を用いて成形することができ
る。したがって、これらのレンズ面を成形するための型
の加工が比較的容易である。
【0013】なお、曲面ミラーのパワーを上記のように
主走査方向の中心部から周辺部に向けて正のパワーを付
加する方向に変化させた場合、副走査方向の光束径を一
定に保つために付加されたパワーにより、副走査方向の
像面湾曲がより大きく発生する。この像面湾曲を補正す
るためには、主走査方向の中心部から周辺部に向けて漸
減するアナモフィックレンズの副走査方向のパワーの差
を、上記の曲面ミラーへの付加パワーがない場合と比較
して、より大きくすることが望ましい。
【0014】アナモフィックレンズの一方の面が上述し
た非円弧曲線の回転軌跡として定義される面である場
合、副走査方向のパワー差を増大させるためには、副走
査方向の曲率半径を主走査方向の中心部においては変化
させずに周辺部において増加させる手法、副走査方向の
曲率半径の差は変えずに全体的に曲率半径を小さくする
手法の何れかを選択できる。ただし、前者の手法を用い
た場合にはレンズ面の主走査方向の形状の変化を伴い主
走査方向の像面湾曲、直線性誤差等に影響を与えるた
め,後者の手法をとることが望ましい。後者の手法をと
る場合、一方のレンズ面の副走査方向のパワーが全体的
に強くなるため、他方のレンズ面にはこの増加したパワ
ーを打ち消すだけの負のパワーを付加する必要がある。
【0015】したがって、上記の後者の手法をとる場
合、アナモフィックレンズは、全体として副走査方向の
正のパワーが主走査方向の中心部から周辺部に向けて漸
減するよう構成され、一方のレンズ面が主走査方向に負
のパワーを有すると共に副走査方向に正のパワーを有
し、他方のレンズ面が副走査方向に負のパワーを有する
よう構成される。
【0016】他方、アナモフィックレンズは、その一方
のレンズ面を、副走査方向の曲率中心を結ぶ軌跡が主走
査方向に対して湾曲した、回転軸を持たない曲面となる
よう構成されてもよい。この場合には、レンズ型の加工
は複雑になるものの、主走査方向のパワーと副走査方向
のパワーとを独立して制御することができるため、各方
向の収差補正に最適な形状を作製することができる。し
たがって、上記の回転軸を持たない曲面がアナモフィッ
クレンズの一方のレンズ面として形成される場合には、
他方のレンズ面はより単純な光軸回りに回転対称な面と
することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、この発明にかかる走査光学
系の実施形態を説明する。実施形態の装置は、レーザー
プリンターに使用されるレーザー走査ユニットであり、
入力される描画信号にしたがってON/OFF変調されたレー
ザー光を感光体ドラム上で走査させ、静電潜像を形成す
る反射型の走査光学系である。
【0018】実施形態にかかる反射型走査光学系は、図
1に示されるように、光源である半導体レーザー10か
ら発した発散光をコリメートレンズ11により平行光束
とし、副走査方向に正のパワーを有するシリンドリカル
レンズ12、平面ミラー13を介してポリゴンミラー1
4の反射面14aに入射させる。ポリゴンミラー14へ
の入射光束の主光線は、ポリゴンミラー14より走査対
象面側の光学系の光軸とポリゴンミラー14の回転軸1
4bとを含む平面(以下、「副走査平面」という)内に位
置している。
【0019】ポリゴンミラー14で反射、偏向されたレ
ーザー光は、結像光学系を構成する曲面ミラー15(第
1のアナモフィック光学素子)により再びポリゴンミラ
ー14側へ折り返され、同じく結像光学系を構成する主
として副走査方向のパワーを有するアナモフィックレン
ズ16(第2のアナモフィック光学素子)を透過する。ア
ナモフィックレンズ16を透過したレーザー光は、光路
屈折ミラー17により反射され、走査対象面である感光
体ドラム18上にドラムの母線方向(主走査方向)に走査
するスポットを形成する。
【0020】なお、この明細書では、「光学系の光軸」
は、感光体ドラム18上のスポットが走査中心に達する
際の光束の主光線に一致する軸として定義される。ま
た、「主走査方向」は、光学系の光軸に垂直な面内にお
いて走査対象面上でのスポットの走査方向に相当する方
向、「副走査方向」は光学系の光軸に垂直な面内におい
て主走査方向に直交する方向として定義される。
【0021】シリンドリカルレンズ12は、コリメート
レンズ11側のレンズ面が副走査方向にのみ正のパワー
を持つシリンダー面、平面ミラー13側のレンズ面が平
面として構成されている。シリンドリカルレンズ12の
パワーは、シリンドリカルレンズ12により形成される
線像がポリゴンミラー14の反射面14aの近傍に位置
するよう定められている。
【0022】ポリゴンミラー14で反射された光束は、
主走査方向にはほぼ平行光として、副走査方向には強い
発散光として曲面ミラー15に入射する。曲面ミラー1
5のミラー面は、主走査方向には正のパワーを有してお
り、曲面ミラーで反射された光束は主走査方向には収束
光となる。一方、ミラー面は、この例では副走査方向に
正のパワーを有しており、反射光は副走査方向では弱い
発散光となる。
【0023】曲面ミラー15のミラー面は、主走査方向
の非円弧曲線を光軸と直交する主走査方向の回転軸を中
心に回転させた軌跡として定義される変形トーリック面
であり、その副走査方向のパワーは、曲面ミラー15と
アナモフィックレンズ16とから構成される光学系の副
走査方向の倍率が偏向角度によらず一定となるよう主走
査方向の位置に応じて変化するよう配分されている。こ
の例では、ミラー面の副走査方向のパワーは、主走査方
向の中心部から周辺部に向けて正のパワーを付加する方
向に変化するよう配分されている。曲面ミラー15を上
記のように構成することにより、アナモフィックレンズ
16から感光体ドラム18に向かう光束の副走査方向の
収束角を一定に保つことができる。また、上記の光学系
の構成は、マルチビーム走査光学系に適用した場合にも
有効である。マルチビーム走査光学系は、光源として上
記の単一ビームを発生する半導体レーザー10に代え
て、独立して変調される複数の半導体レーザーを有する
光源、あるいは単一の素子内に複数の発光点を持つ多点
発光半導体レーザーを用い、感光体ドラム18上を副走
査方向に離れて同時に走査する複数のスポットを形成す
る。曲面ミラー15とアナモフィックレンズ16とから
構成される光学系の副走査方向の倍率が一定であると、
感光体ドラム18上に形成される複数の走査線の間隔も
偏向角度によらず、すなわち、走査位置によらず、ほぼ
一定に保つことができる。なお、上記の効果を得るため
には、感光体ドラム18の面上で像高yの位置に達する
光束に対する曲面ミラー15とアナモフィックレンズ1
6とにより構成される光学系の副走査方向の倍率をmz
(y)としたときに、走査範囲内のいかなるyに対して
も、以下の条件(1)を満たすことが望ましい。 0.90<mz(y)/mz(0)<1.10 …(1)
【0024】アナモフィックレンズ16は、主として副
走査方向に正のパワーを有し、曲面ミラー15で反射さ
れた光束を感光体ドラム18上に収束させる。アナモフ
ィックレンズの主走査方向のパワーは、主として収差補
正のために作用する。この例では、アナモフィックレン
ズ16の両レンズ面16a、16bは、主走査方向の非
円弧曲線を、光軸と直交する主走査方向の回転軸を中心
に回転させた軌跡として定義される変形トーリック面で
ある。
【0025】アナモフィックレンズ16は、全体として
副走査方向の正のパワーが主走査方向の中心部から周辺
部に向けて漸減するよう構成され、一方のレンズ面16
aが主走査方向に負のパワーを有すると共に副走査方向
に正のパワーを有し、他方のレンズ面16bが副走査方
向に負のパワーを有するよう構成される。また、アナモ
フィックレンズ16は、曲面ミラー15のパワーを上記
のように主走査方向の中心部から周辺部に向けて正のパ
ワーを付加する方向に変化させることにより、より大き
く発生する副走査方向の像面湾曲を補正するために、主
走査方向の中心部から周辺部に向けて漸減するアナモフ
ィックレンズの副走査方向のパワーの差が、上記の曲面
ミラーの付加パワーがない場合と比較して、より大きく
なるよう設定されている。
【0026】なお、アナモフィックレンズ16は、その
副走査方向の光学的な中心軸が光学系の光軸に対してポ
リゴンミラー14側(図1中下側)にオフセットするよう
に配置されている。
【0027】ポリゴンミラー14と、曲面ミラー15と
は、それぞれ入射光路と射出光路とが副走査方向に分離
されるよう配置されている。入射光線と反射光線とが副
走査方向においてなす角を分離角度と定義すると、光軸
上におけるポリゴンミラー14の分離角度はθ1、曲面
ミラー15の分離角度はθ2で表される。第1の分離角
度θ1は、ポリゴンミラー14から曲面ミラー15に向
かうレーザー光が平面ミラー13と干渉しない範囲でで
きる限り小さい値に定められる。また、第2の分離角度
θ2は、曲面ミラー15で反射されたレーザー光がポリ
ゴンミラー14と干渉しない範囲で、かつ、ポリゴンミ
ラー14の回転による振動がアナモフィックレンズ16
に伝達するのを避けるに十分な間隔が確保できる範囲
で、できる限り小さい値に定められる。
【0028】このようにポリゴンミラー14、曲面ミラ
ー15において光束を副走査方向に分離する場合、それ
ぞれの分離角度が偏向角の変化に伴って変化するため、
これらの変化がそれぞれ感光体ドラム18上での走査線
の湾曲の原因となる。また、ポリゴンミラー14への入
射光束と反射光束とが副走査方向に分離される場合、偏
向角の変化に伴って線像の方向が変化し、この方向の変
化により、感光体ドラム18上に形成されるスポットに
スキュー歪みと呼ばれる収差が発生する。
【0029】この例では、ポリゴンミラー14と曲面ミ
ラー15とで発生する走査線の湾曲を互いに打ち消し合
わせることにより、結果として感光体ドラム18上での
走査線の湾曲の発生を抑えると共に、アナモフィックレ
ンズ16を副走査方向にオフセットさせることにより、
スキュー歪みを補正している。アナモフィックレンズ1
6をオフセットさせると、アナモフィックレンズ16は
レーザー光に対して副走査方向に関しては光軸非対称に
屈折作用を与える。この作用を利用することにより、レ
ーザー光のスキュー歪みを補正することができる。
【0030】また、上記のように、副走査面内でポリゴ
ンミラー14に向けてレーザー光を入射させると、ポリ
ゴンミラー14の大きさに対して光束の振れ角を大きく
設定できるため、ポリゴンミラー14の大きさを一定と
すれば広範囲の走査が可能となり、走査範囲を一定とす
ればポリゴンミラー14の径を小さくすることができ
る。さらに、走査線の湾曲やスキュー歪み、そして像面
湾曲が光軸に関して対称となるため、その補正が比較的
容易である。
【0031】
【実施例】次に、この発明の走査光学系の具体的な実施
例を4例説明する。
【0032】
【実施例1】図2は、実施例1にかかる反射型走査光学
系の主走査方向の説明図、図3はその副走査方向の説明
図である。図2、図3では、図1に示した平面ミラー1
3と光路屈折ミラー17とを省略し、光路を展開して示
している。実施例1の光学系は、図1に示される実施形
態と同一であり、曲面ミラー15のミラー面とアナモフ
ィックレンズ16の両レンズ面16a,16bとが、い
ずれも主走査面内の非円弧曲線を光軸と垂直な主走査方
向の回転軸を中心に回転させた軌跡として定義される回
転非対象な変形トーリック面として形成されている。
【0033】実施例1の曲面ミラー15の形状は、図1
8(A)に示される通りである。曲面ミラー15に対する
入射光束の主光線と射出光束の主光線との副走査平面内
に含まれる2等分線を中心軸Axcとして定義すると、
曲面ミラー15のミラー面は、主走査方向の非円弧曲線
を、中心軸Axcに垂直に交差する主走査方向の回転軸
Rxを中心に回転させた軌跡として規定される。
【0034】ポリゴンミラー14からの光束は、中心軸
Axc上に示した矢印の方向から曲面ミラー15に入射
する。実施例1の曲面ミラー15は、主走査方向、副走
査方向の形状が共に凹面であって正のパワーを有してお
り、副走査方向のパワーが主走査方向の中心部から周辺
部に向けて正のパワーを付加する方向に変化するよう、
すなわち、この例では正のパワーが漸増するよう、その
副走査平面と平行な面内での曲率半径の絶対値が中心部
から周辺部に向けて漸減するよう構成されている。アナ
モフィックレンズ16は、副走査方向の正のパワーが主
走査方向の中心部から周辺部に向けて漸減するよう構成
され、一方のレンズ面16aが主走査方向に負のパワー
を有すると共に副走査方向に正のパワーを有し、他方の
レンズ面16bが副走査方向に負のパワーを有する。
【0035】表1は、実施例1にかかる反射型走査光学
系のシリンドリカルレンズ12より感光体ドラム18側
の構成を示す。表中の記号ryは主走査方向の曲率半
径、rzは副走査方向の曲率半径(回転対称面の場合には
省略)、dは面間の光軸上の距離、n780は波長780nmで
の屈折率である。
【0036】表中、第1、第2面がシリンドリカルレン
ズ12、第3面がポリゴンミラー14のミラー面、第4
面が曲面ミラー15のミラー面、第5面、第6面がアナ
モフィックレンズ16のレンズ面を示す。なお、この実
施例では、光軸上でのポリゴンミラー14における第1
の分離角度θ1は7.0°、曲面ミラー15における第
2の分離角度θ2は5.0°であり、アナモフィックレ
ンズ16のオフセット量はポリゴンミラーから離れる方
向をプラスとして符号をとると、−2.69mmであ
る。
【0037】変形トーリック面である曲面ミラー15の
ミラー面とアナモフィックレンズ16の両レンズ面16
a,16bとの軌跡を形成する主走査方向の非円弧曲線
は、光軸からの主走査方向の高さがYとなる非円弧曲線
上の座標点の非円弧曲線の光軸上での接線からの距離
(サグ量)をX、非円弧曲線の光軸上での曲率(1/r)を
C、円錐係数をK、4次、6次、8次の非円弧係数をA
4,A6,A8として以下の式で表される。
【0038】
【数1】X=CY2/(1+√(1-(1+K)C22))+A4Y4
+A6Y6+A8Y8
【0039】なお、表1における各非球面、変形トーリ
ック面の曲率半径は、それぞれの光学素子の中心軸上の
曲率半径であり、円錐係数、非円弧係数は表2に示され
る。
【0040】
【表1】 面番号 ry rz d n780 1 ∞ 55.424 2.000 1.48617 2 ∞ - 113.000 3 ∞ - 50.000 4 -261.191 -176.137 87.458 5 -759.241 16.025 6.000 1.48617 6 2526.391 103.495 40.642
【0041】
【表2】 第4面 第5面 第6面 K = 5.0974 K = 0 K = 0 A4 = 1.17052×10-7 A4 = 5.36095×10-8 A4 =-1.14932×10-7 A6 =-6.54853×10-12 A6 =-2.84293×10-12 A6 = 5.76236×10-13 A8 = 6.86559×10-16 A8 =-7.85360×10-17 A8 =-1.22530×10-16
【0042】曲面ミラー15のミラー面は、上記の式に
より定義される非円弧曲線を、この曲線と中心軸との交
点からポリゴンミラー14側の方向に176.137m
m離れた位置で中心軸Axcに垂直に交差する主走査方
向の回転軸Rxを中心に回転させた軌跡として規定され
る。
【0043】一方、アナモフィックレンズ16のレンズ
面16aは、上記の式により定義される非円弧曲線を、
この曲線とアナモフィックレンズの光学的な中心軸との
交点から感光体ドラム18側の方向に16.025mm
離れた位置で中心軸と垂直に交差する主走査方向の回転
軸を中心に回転させた軌跡として規定され、レンズ面1
6bは、非円弧曲線を、この曲線と中心軸との交点から
感光体ドラム18側の方向に103.495mm離れた
位置で中心軸と垂直に交差する主走査方向の回転軸を中
心に回転させた軌跡として規定される。
【0044】図4は、実施例1の構成による反射型走査
光学系の(A)直線性誤差、(B)主走査方向、副走査方向
の像面湾曲、図5は(A)走査線の副走査方向の湾曲、
(B)主走査方向、副走査方向の有効Fナンバーの変化
率、(C)走査線の間隔を示す。各グラフの縦軸は像高
(描画面5での光軸からの主走査方向の距離)、横軸は各
収差の発生量であり、単位は図5(B)の横軸がパーセン
トである他は全てmmである。図5(C)に示される走査
線の間隔は、像高0の位置で42.3μmの間隔をもっ
て形成される2本の走査線の各像高における間隔を像高
0の位置での間隔からの差として表している。実施例1
の構成によれば、直線性誤差や像面湾曲、走査線湾曲を
小さく抑えつつ、有効Fナンバーの変化を約±3%以下
に抑えることができ、感光体ドラム18面上でのスポッ
ト径の変化やマルチビームの場合の走査線間隔の変化を
抑えることができる。
【0045】
【実施例2】図6は、実施例2にかかる反射型走査光学
系の主走査方向の説明図、図7はその副走査方向の説明
図である。実施例2の光学系は、曲面ミラー25、アナ
モフィックレンズ26の構成が実施例1と異なり、シリ
ンドリカルレンズ12、ポリゴンミラー14、感光体ド
ラム18等の構成は実施例1と同一である。また、この
例では、アナモフィックレンズ26がポリゴンミラー1
4の直上に位置しており、下側の一部を切り欠くことに
よりポリゴンミラー14との干渉を防いでいる。実施例
2では、曲面ミラー25のミラー面とアナモフィックレ
ンズ26の両レンズ面26a,26bとが、いずれも主
走査面内の非円弧曲線を光軸と垂直な主走査方向の回転
軸を中心に回転させた軌跡として定義される回転非対象
な変形トーリック面として形成されている。
【0046】実施例2の曲面ミラー25の形状は、図1
8(B)に示される通りである。曲面ミラー25のミラー
面は、主走査方向の非円弧曲線を、中心軸Axcに垂直
に交差する主走査方向の回転軸Rxを中心に回転させた
軌跡として規定される。
【0047】ポリゴンミラー14からの光束は、中心軸
Axc上に示した矢印の方向から曲面ミラー25に入射
する。実施例2の曲面ミラー25は、主走査方向の形状
が凹面であって正のパワーを有すると共に、副走査方向
の形状が凸面であって負のパワーを有しており、副走査
方向のパワーが主走査方向の中心部から周辺部に向けて
正のパワーを付加する方向に変化するよう、すなわち、
この例では負のパワーが漸減するよう、その副走査平面
と平行な面内での曲率半径の絶対値が中心部から周辺部
に向けて漸増するよう構成されている。アナモフィック
レンズ26は、副走査方向の正のパワーが主走査方向の
中心部から周辺部に向けて漸減し、端部で増加するよう
構成され、一方のレンズ面26aが副走査方向に負のパ
ワーを有し、他方のレンズ面26bが主走査方向に負の
パワーを有すると共に、副走査方向に正のパワーを有す
る。
【0048】表3は、実施例2にかかる反射型走査光学
系のシリンドリカルレンズ12より感光体ドラム18側
の構成を示す。実施例2では、光軸上でのポリゴンミラ
ー14における第1の分離角度θ1は7.0°、曲面ミ
ラー25における第2の分離角度θ2は5.0°であ
り、アナモフィックレンズ26のオフセット量はポリゴ
ンミラーから離れる方向をプラスとして符号をとると、
+0.40mmである。
【0049】変形トーリック面である曲面ミラー25の
ミラー面とアナモフィックレンズ26の両レンズ面26
a,26bとの軌跡を形成する主走査方向の非円弧曲線
の円錐係数、非円弧係数は表4に示される。
【0050】
【表3】 面番号 ry rz d n780 1 ∞ 55.424 2.000 1.48617 2 ∞ - 113.000 3 ∞ - 50.000 4 -261.545 133.360 61.372 5 -25618.425 -46.785 6.000 1.48617 6 963.743 -14.092 67.690
【0051】
【表4】 第4面 第5面 第6面 K = 5.0668 K = 0 K = 0 A4 = 1.44534×10-7 A4 = 1.48633×10-7 A4 =-6.49057×10-8 A6 =-1.24633×10-11 A6 =-5.55645×10-12 A6 = 6.00017×10-12 A8 = 8.25347×10-16 A8 =-2.24539×10-16 A8 =-4.44896×10-16
【0052】曲面ミラー25のミラー面は、表4の係数
により定義される非円弧曲線を、この曲線と中心軸との
交点から半導体レーザー10側の方向に133.360
mm離れた位置で中心軸Axcに垂直に交差する主走査
方向の回転軸Rxを中心に回転させた軌跡として規定さ
れる。
【0053】一方、アナモフィックレンズ26のレンズ
面26aは、表4の係数により定義される非円弧曲線
を、この曲線とアナモフィックレンズの光学的な中心軸
との交点から曲面ミラー25側の方向に46.785m
m方向に離れた位置で中心軸と垂直に交差する主走査方
向の回転軸を中心に回転させた軌跡として規定され、レ
ンズ面26bは、非円弧曲線を、この曲線と中心軸との
交点から曲面ミラー25側の方向に14.092mm離
れた位置で中心軸と垂直に交差する主走査方向の回転軸
を中心に回転させた軌跡として規定される。
【0054】図8は、実施例2の構成による反射型走査
光学系の(A)直線性誤差、(B)主走査方向、副走査方向
の像面湾曲、図9は(A)走査線の副走査方向の湾曲、
(B)主走査方向、副走査方向の有効Fナンバーの変化
率、(C)走査線の間隔を示す。実施例2の構成によれ
ば、直線性誤差や像面湾曲、走査線湾曲を小さく抑えつ
つ、有効Fナンバーの変化を約±5%以下に抑えること
ができ、感光体ドラム18面上でのスポット径の変化や
マルチビームの場合の走査線間隔の変化を抑えることが
できる。
【0055】
【実施例3】図10は、実施例3にかかる反射型走査光
学系の主走査方向の説明図、図11はその副走査方向の
説明図である。実施例3の光学系は、曲面ミラー35、
アナモフィックレンズ36の構成が実施例1と異なり、
シリンドリカルレンズ3、ポリゴンミラー14、感光体
ドラム18等の構成は実施例1と同一である。実施例3
では、曲面ミラー35のミラー面とアナモフィックレン
ズ36の一方のレンズ面36aとが、いずれも主走査面
内の非円弧曲線を光軸と垂直な主走査方向の回転軸を中
心に回転させた軌跡として定義される回転非対象な変形
トーリック面として形成されている。アナモフィックレ
ンズ36の他方のレンズ面36bは、主走査方向に非円
弧化された副走査方向にパワーを持たない面である。
【0056】実施例3の曲面ミラー35の形状は、図1
8(A)に示される通りであり、実施例1と同様に、副走
査方向のパワーが主走査方向の中心部から周辺部に向け
て正のパワーを付加する方向に変化するよう、すなわ
ち、この例では正のパワーが漸増するよう、その副走査
平面と平行な面内での曲率半径の絶対値が中心部から周
辺部に向けて漸減するよう構成されている。アナモフィ
ックレンズ36は、副走査方向の正のパワーが主走査方
向の中心部から周辺部に向けて漸減するよう構成され、
一方のレンズ面36aが主走査方向に負のパワーを有す
ると共に副走査方向に正のパワーを有し、他方のレンズ
面36bが副走査方向に負のパワーを有する。
【0057】表5は、実施例3にかかる反射型走査光学
系のシリンドリカルレンズ12より感光体ドラム18側
の構成を示す。実施例3では、光軸上でのポリゴンミラ
ー14における第1の分離角度θ1は7.0°、曲面ミ
ラー35における第2の分離角度θ2は5.0°であ
り、アナモフィックレンズ36のオフセット量はポリゴ
ンミラーから離れる方向をプラスとして符号をとると、
−2.34mmである。
【0058】変形トーリック面である曲面ミラー35の
ミラー面とアナモフィックレンズ36のレンズ面36a
の軌跡を形成する主走査方向の非円弧曲線の円錐係数、
非円弧係数は表6に示される。
【0059】
【表5】 面番号 ry rz d n780 1 ∞ 55.424 2.000 1.48617 2 ∞ - 113.000 3 ∞ - 50.000 4 -261.142 -209.313 87.617 5 -708.557 17.756 6.000 1.48617 6 2884.976 ∞ 40.496
【0060】
【表6】 第4面 第5面 第6面 K = 5.2333 K = 0 K = 0 A4 = 1.17674×10-7 A4 = 4.94634×10-8 A4 =-1.25009×10-7 A6 =-6.34178×10-12 A6 =-3.55030×10-12 A6 = 7.66402×10-13 A8 = 7.04719×10-16 A8 =-8.37140×10-17 A8 =-1.94389×10-16
【0061】曲面ミラー35のミラー面は、表6の係数
により定義される非円弧曲線を、この曲線と中心軸との
交点からポリゴンミラー14側の方向に209.313
mm離れた位置で中心軸Axcに垂直に交差する主走査
方向の回転軸Rxを中心に回転させた軌跡として規定さ
れる。
【0062】一方、アナモフィックレンズ36のレンズ
面36aは、表6の係数により定義される非円弧曲線
を、この曲線とアナモフィックレンズの光学的な中心軸
との交点から感光体ドラム18側の方向に17.756
mm方向に離れた位置で中心軸と垂直に交差する主走査
方向の回転軸を中心に回転させた軌跡として規定され、
レンズ面36bは、非円弧曲線を、副走査方向に平行移
動させた軌跡として規定される。
【0063】図12は、実施例3の構成による反射型走
査光学系の(A)直線性誤差、(B)主走査方向、副走査方
向の像面湾曲、図13は(A)走査線の副走査方向の湾
曲、(B)主走査方向、副走査方向の有効Fナンバーの変
化率、(C)走査線の間隔を示す。実施例3の構成によれ
ば、直線性誤差や像面湾曲、走査線湾曲を小さく抑えつ
つ、有効Fナンバーの変化を約7%以下に抑えることが
でき、感光体ドラム18面上でのスポット径の変化やマ
ルチビームの場合の走査線間隔の変化を抑えることがで
きる。
【0064】
【実施例4】図14は、実施例4にかかる反射型走査光
学系の主走査方向の説明図、図15はその副走査方向の
説明図である。実施例4の光学系は、曲面ミラー45、
アナモフィックレンズ46の構成が実施例1と異なり、
シリンドリカルレンズ13、ポリゴンミラー14、感光
体ドラム18等の構成は実施例1と同一である。実施例
4では、曲面ミラー45のミラー面が、主走査面内の非
円弧曲線を光軸と垂直な主走査方向の回転軸を中心に回
転させた軌跡として定義される回転非対象な変形トーリ
ック面として形成されている。
【0065】実施例4の曲面ミラー45の形状は、図1
8(A)に示される通りであり、実施例1と同様に、副走
査方向のパワーが主走査方向の中心部から周辺部に向け
て正のパワーを付加する方向に変化するよう、すなわ
ち、この例では正のパワーが漸増するよう、その副走査
平面と平行な面内での曲率半径の絶対値が中心部から周
辺部に向けて漸減するよう構成されている。
【0066】アナモフィックレンズ46の一方のレンズ
面46aは、図18(C)に示されるとおり、副走査方向
の曲率中心が主走査方向の位置に応じて光軸方向に変化
する回転軸を持たない曲面であり、他方のレンズ面46
bは、中心軸回りに回転対称な非球面である。
【0067】表7は、実施例4にかかる反射型走査光学
系のシリンドリカルレンズ12より感光体ドラム18側
の構成を示す。実施例4では、光軸上でのポリゴンミラ
ー14における第1の分離角度θ1は10.0°、曲面
ミラー45における第2の分離角度θ2は5.0°、ア
ナモフィックレンズ46のオフセット量はポリゴンミラ
ーから離れる方向をプラスとして符号をとると、−5.
86mmである。
【0068】変形トーリック面である曲面ミラー45の
ミラー面、アナモフィックレンズ46のレンズ面46
a、46bの軌跡を形成する非円弧曲線の円錐係数、非
円弧係数は表8、表9に示される。表9の符号As2,A
s4,As6は、レンズ面46aの副走査平面内での曲率係
数であり、以下の式にあてはめることにより、レンズ面
46aの中心軸からの主走査方向の高さYにおける副走
査平面と平行な面内での曲率Cz(Y)が示される。ただ
し、Cz0=1/rzである。 Cz(Y)=Cz0+As2・Y2+As4・Y4+As6・Y6
【0069】
【表7】 面番号 ry rz d n780 1 ∞ 55.424 2.000 1.48617 2 ∞ - 113.000 3 ∞ - 50.000 4 -260.006 -133.562 80.065 5 -501.598 23.000 6.000 1.48617 6 -2391.219 - 47.970
【0070】
【表8】 第4面 第5面 第6面 K = 5.4939 K = 0 K = 0 A4 = 1.35217×10-7 A4 = 6.97010×10-8 A4 =-1.17225×10-7 A6 =-9.14366×10-12 A6 = 2.97717×10-12 A6 = 5.68397×10-12 A8 = 8.37809×10-16 A8 = 6.25610×10-17 A8 = 3.08669×10-16
【表9】 第5面 As2 =-2.08089×10-6 As4 = 9.85955×10-11 As6 = 0
【0071】曲面ミラー45のミラー面は、表8の係数
により定義される主走査方向の非円弧曲線を、この曲線
と中心軸との交点からポリゴンミラー14側の方向に1
33.562mm離れた位置で中心軸Axcに垂直に交
差する主走査方向の回転軸Rxを中心に回転させた軌跡
として規定される。
【0072】一方、アナモフィックレンズ46のレンズ
面46aは、表8の係数により定義される主走査方向の
非円弧曲線を、表9の係数により定義される副走査平面
内での非円弧曲線に沿って移動させた軌跡として定義さ
れる。さらに、アナモフィックレンズ46のレンズ面4
6bは、表8の係数により定義される非円弧曲線を中心
軸回りに回転させた軌跡として定義される面である。
【0073】図16は、実施例4の構成による反射型走
査光学系の(A)直線性誤差、(B)主走査方向、副走査方
向の像面湾曲、図17は(A)走査線の副走査方向の湾
曲、(B)主走査方向、副走査方向の有効Fナンバーの変
化率、(C)走査線の間隔を示す。実施例4の構成によれ
ば、直線性誤差や像面湾曲、走査線湾曲を小さく抑えつ
つ、有効Fナンバーの変化を約±4%以下に抑えること
ができ、感光体ドラム18面上でのスポット径の変化や
マルチビームの場合の走査線間隔の変化を抑えることが
できる。
【0074】以下の表10は、上述した4つの実施例に
おける副走査方向の倍率、およびその変化率を示す。感
光体ドラム18の面上で像高yの位置に達する光束に対
する曲面ミラー15とアナモフィックレンズ16とによ
り構成される光学系の副走査方向の倍率をmz(y)とした
ときに、実施例の光学系の軸上(y=0)、y=40m
m、y=80mm、y=108mm(最大像高)の各点に
おける倍率mz(0)、mz(40)、mz(80)、mz(108)の値
と、これらの倍率の軸上の倍率に対する比mz(y)/mz
(0)の値とを示す。全ての実施例で、40mm、80m
m、108mmいずれの像高においても前述した条件
(1)を満たしている。
【0075】
【表10】 実施例1 実施例2 実施例3 実施例4 mz(0) -0.5134 -0.3934 -0.4630 -0.7328 mz(40) -0.5234 -0.3917 -0.4693 -0.7441 mz(80) -0.5260 -0.3842 -0.4744 -0.7518 mz(108) -0.5245 -0.3691 -0.4944 -0.7113 mz(40)/mz(0) 1.02 1.00 1.01 1.02 mz(80)/mz(0) 1.02 0.98 1.02 1.03 mz(108)/mz(0) 1.02 0.94 1.07 0.97
【0076】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、曲面ミラーの副走査方向のパワー配分を適宜設定す
ることにより、全体のコンパクト化を図るために偏向器
とアナモフィックレンズとの距離を近づけた場合にも、
曲面ミラーとアナモフィックレンズとから構成される光
学系の副走査方向の倍率を偏向角度によらず一定に保つ
ことができ、走査対象面上に形成されるビームスポット
の副走査方向の径を一定に保つことができる。また、マ
ルチビーム走査光学系に適用した場合には、複数の走査
線の副走査方向の間隔を走査位置によらず一定に保つこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 反射型走査光学系の実施形態を示す斜視図で
ある。
【図2】 反射型走査光学系の実施例1を示す主走査方
向の説明図である。
【図3】 反射型走査光学系の実施例1を示す副走査方
向の説明図である。
【図4】 実施例1の構成による直線性誤差と像面湾曲
とを示すグラフである。
【図5】 実施例1の構成による走査線湾曲と有効Fナ
ンバー変化率と走査線の間隔とを示すグラフである。
【図6】 反射型走査光学系の実施例2を示す主走査方
向の説明図である。
【図7】 反射型走査光学系の実施例2を示す副走査方
向の説明図である。
【図8】 実施例2の構成による直線性誤差と像面湾曲
とを示すグラフである。
【図9】 実施例2の構成による走査線湾曲と有効Fナ
ンバー変化率と走査線の間隔とを示すグラフである。
【図10】 反射型走査光学系の実施例3を示す主走査
方向の説明図である。
【図11】 反射型走査光学系の実施例3を示す副走査
方向の説明図である。
【図12】 実施例3の構成による直線性誤差と像面湾
曲とを示すグラフである。
【図13】 実施例3の構成による走査線湾曲と有効F
ナンバー変化率と走査線の間隔とを示すグラフである。
【図14】 反射型走査光学系の実施例4を示す主走査
方向の説明図である。
【図15】 反射型走査光学系の実施例4を示す副走査
方向の説明図である。
【図16】 実施例4の構成による直線性誤差と像面湾
曲とを示すグラフである。
【図17】 実施例4の構成による走査線湾曲と有効F
ナンバー変化率と走査線の間隔とを示すグラフである。
【図18】 (A)(B)は各実施例の曲面ミラーの形状を
示す説明図、(C)は実施例4のアナモフィックレンズの
一方のレンズ面の形状を示す説明図である。
【符号の説明】
10 半導体レーザー 11 コリメートレンズ 12 シリンドリカルレンズ 13 平面ミラー 14 ポリゴンミラー 15,25,35,45 曲面ミラー 16,26,36,46 アナモフィックレンズ 17 光路屈折ミラー 18 感光体ドラム

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光源から発する光束を偏向器により偏
    向、走査し、主走査方向に正のパワーを有する第1のア
    ナモフィック光学素子、および主として副走査方向に正
    のパワーを有する第2のアナモフィック光学素子を介し
    て走査対象面上に結像させる走査光学系において、 前記第1のアナモフィック光学素子の副走査方向のパワ
    ーは、前記第1、第2のアナモフィック光学素子により
    構成される光学系の副走査方向の倍率が偏向角度によら
    ず一定となるように、主走査方向の位置に応じて変化す
    ることを特徴とする走査光学系。
  2. 【請求項2】 前記第1のアナモフィック光学素子は、
    その副走査方向のパワーが、主走査方向の中心部から周
    辺部に向けて正のパワーを付加する方向に変化するよう
    構成されていることを特徴とする請求項1に記載の走査
    光学系。
  3. 【請求項3】 前記第1のアナモフィック光学素子は、
    主走査方向の非円弧曲線を光軸と直交する主走査方向の
    回転軸を中心に回転させた軌跡として定義される変形ト
    ーリック面を備えることを特徴とする請求項2に記載の
    走査光学系。
  4. 【請求項4】 前記第1のアナモフィック光学素子は、
    副走査方向に負のパワーを有する曲面ミラーであり、そ
    の副走査方向の曲率半径が、主走査方向の中心部から周
    辺部に向けて漸増することを特徴とする請求項2または
    3のいずれかに記載の走査光学系。
  5. 【請求項5】 前記第1のアナモフィック光学素子は、
    副走査方向に正のパワーを有する曲面ミラーであり、そ
    の副走査方向の曲率半径が、主走査方向の中心部から周
    辺部に向けて漸減することを特徴とする請求項2または
    3のいずれかに記載の走査光学系。
  6. 【請求項6】 前記第2のアナモフィック光学素子は、
    副走査方向のパワーが主走査方向の位置に応じて変化す
    るアナモフィックレンズであり、その少なくとも一方の
    レンズ面は、主走査方向の非円弧曲線を、光軸と直交す
    る主走査方向の回転軸を中心に回転させた軌跡として定
    義される変形トーリック面であることを特徴とする請求
    項1から5の何れかに記載の走査光学系。
  7. 【請求項7】 前記アナモフィックレンズは、副走査方
    向の正のパワーが主走査方向の中心部から周辺部に向け
    て漸減するよう構成され、一方のレンズ面が主走査方向
    に負のパワーを有すると共に副走査方向に正のパワーを
    有し、他方のレンズ面が副走査方向に負のパワーを有す
    ることを特徴とする請求項6に記載の走査光学系。
  8. 【請求項8】 前記アナモフィックレンズは、副走査方
    向の正のパワーが主走査方向の中心部から周辺部に向け
    て漸減し、端部で増加するよう構成され、一方のレンズ
    面が主走査方向に負のパワーを有すると共に副走査方向
    に正のパワーを有し、他方のレンズ面が副走査方向に負
    のパワーを有することを特徴とする請求項6に記載の走
    査光学系。
  9. 【請求項9】 前記第2のアナモフィック光学素子は、
    副走査方向の正のパワーが主走査方向の中心部から周辺
    部に向けて漸減するよう構成されたアナモフィックレン
    ズであり、その一方のレンズ面は、副走査方向の曲率中
    心が主走査方向の位置に応じて光軸方向に変化する曲面
    として形成されていることを特徴とする請求項1から5
    のいずれかに記載の走査光学系。
  10. 【請求項10】 前記第1のアナモフィック光学素子
    は、副走査方向に正のパワーを有する曲面ミラーであ
    り、前記偏向器と前記曲面ミラーとは、いずれも当該素
    子に入射する光束の光路と、当該素子により反射される
    光束の光路とを副走査方向において分離するよう配置さ
    れていることを特徴とする請求項1から9の何れかに記
    載の走査光学系。
  11. 【請求項11】 前記光源と前記偏向器との間に、前記
    光源から発する光束を主走査方向に延びる線像として結
    像させる副走査方向に正のパワーを有するシリンドリカ
    ルレンズが設けられていることを特徴とする請求項1か
    ら10の何れかに記載の走査光学系。
  12. 【請求項12】 前記シリンドリカルレンズと前記第1
    のアナモフィック光学素子との副走査方向のパワーは、
    前第2の記アナモフィック光学素子に入射する光束が副
    走査方向で発散光となるよう定められていることを特徴
    とする請求項11に記載の走査光学系。
  13. 【請求項13】 光源から発する光束を偏向器により偏
    向し、主走査方向に正のパワーを有する曲面ミラー、お
    よび主として副走査方向に正のパワーを有するアナモフ
    ィックを介して走査対象面上に結像させる走査光学系に
    おいて、 前記アナモフィックレンズは、副走査方向の正のパワー
    が主走査方向の中心部から周辺部に向けて漸減するよう
    構成され、一方のレンズ面が主走査方向に負のパワーを
    有すると共に副走査方向に正のパワーを有し、他方のレ
    ンズ面が副走査方向に負のパワーを有することを特徴と
    する走査光学系。
  14. 【請求項14】 前記光源は、前記走査対象面上を副走
    査方向に離れて同時に走査する複数のスポットを形成す
    るよう複数の発光部を有することを特徴とする請求項1
    から13の何れかに記載の走査光学系。
  15. 【請求項15】 前記走査対象面上で光軸から距離yの
    位置に達する光束に対する前記第1、第2のアナモフィ
    ック光学素子により構成される光学系の副走査方向の倍
    率をmz(y)としたときに、走査範囲内のいかなるyに対
    しても、以下の条件を満たすことを特徴とする請求項1
    に記載の走査光学系。 0.90<mz(y)/mz(0)<1.10
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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