JPH1053797A - リサイクル用洗浄剤組成物およびその再生方法 - Google Patents

リサイクル用洗浄剤組成物およびその再生方法

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JPH1053797A JP21126896A JP21126896A JPH1053797A JP H1053797 A JPH1053797 A JP H1053797A JP 21126896 A JP21126896 A JP 21126896A JP 21126896 A JP21126896 A JP 21126896A JP H1053797 A JPH1053797 A JP H1053797A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 各種の加工油およびフラックスに対して十分
な洗浄力を有し、リサイクルしても組成変化がなく液管
理の容易な洗浄剤組成物、およびリサイクル時に被洗浄
物に影響を及ぼすような酸性物質の発生を防止する洗浄
剤の再生方法を提供する。 【解決手段】 沸点範囲が10℃以内のC11〜C13飽和
脂肪族炭化水素溶剤を基材とし、これに、該飽和脂肪族
炭化水素溶剤との混合総重量の5〜25重量%の範囲で
共沸混合物を形成するアルコール類を、実質的に共沸組
成と同等の組成比で混合した組成物を洗浄剤として用
い、該洗浄剤組成物を蒸留再生する工程において、沸点
が240℃以上のアミノアルコール類を添加する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、機械部品、プリン
ト基板、プリント配線板、リードフレーム等の製造工程
において、各種の加工油およびハンダ用融剤(以後、フ
ラックスと称す)の洗浄のために使用される洗浄剤組成
物に関し、さらに詳しくは、洗浄力に優れ、蒸留により
再生しても組成変化がなく、被洗浄物の腐食、変色を起
こさず安定して使用できるリサイクル用洗浄剤組成物、
およびその再生方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、各種の加工油やフラックスの洗浄
には塩素系洗浄剤やフロン系洗浄剤が用いられてきた。
しかしながら、グローバルな自然環境保全意識の高揚と
共に代替洗浄剤の開発とそれへの転換が進められてい
る。
【0003】これらの代替洗浄剤としては、例えば界面
活性剤を用いる水系洗浄剤や有機溶剤を用いる非水系洗
浄剤等が知られている。非水系洗浄剤としては、例えば
特開平1−152200号公報に記載されているような
ハロゲン系洗浄剤や、特表昭63−501908号公報
に開示されたテルペン化合物等が公知であるが、前者は
洗浄力は高いものの生体毒性あるいは地中への浸透によ
る環境汚染に対する懸念があり、一方、後者は天然物で
あるが故に品質、供給およびコストなどが不安定であっ
た。そのため、近年、非水系洗浄剤の中でも、石油系の
原料から蒸留、合成等によって得られる炭化水素系洗浄
剤の需要が急速に高まりつつある。
【0004】炭化水素系洗浄剤は、各種の加工油、すな
わちプレス油、引抜油、切削油等に対しては、従来の塩
素系洗浄剤やフロン系洗浄剤と同等の洗浄力を有してい
るものの、ハンダ付け工程で多用されるフラックスに対
しては、十分な洗浄力があるとはいえなかった。そこ
で、このようなフラックスの洗浄にも十分対応するた
め、炭化水素系洗浄剤に各種の極性化合物を混合した洗
浄剤が検討されており、例えば、アルコール類、グリコ
ールエーテル類、エステル類等を混合した炭化水素系洗
浄剤(例えば、特開平3−146597号、特開平5−
140593号、特開平5−263099号、特開平7
−268391号公報等)が提案されている。
【0005】しかしながら、上記のように極性化合物を
添加した多成分系の洗浄剤を、リサイクルを目的として
蒸留により再生する場合、基材としての炭化水素と極性
化合物とは必ずしも同時に留出されるものではなく、従
って、リサイクル時には、特開平5−263099号公
報にも記載されているように、再生された洗浄剤中の極
性化合物の濃度調整が必要であり、このため液管理が煩
雑になるという問題点があった。
【0006】また、炭化水素系洗浄剤を上記のように蒸
留してリサイクルする場合、数回のリサイクル後には、
本来安定と思われる炭化水素系洗浄剤も加熱により酸化
劣化を起こし、遊離酸や過酸化物といった被洗浄物の腐
食あるいは変色を引き起こす酸性物質が発生することが
知られている。また、主にフラックスを洗浄した場合
は、洗浄剤中に酸性ハロゲン化物等が取り込まれること
も知られている。そこで、炭化水素系洗浄剤を安定した
性状でリサイクルするために、これらの酸性物質の発生
を防止することが必要であるといえる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
のような状況に鑑み、加工油およびフラックスに対し十
分な洗浄力を持ち、蒸留によるリサイクルをしても組成
変化がなく液管理の容易な洗浄剤を提供すること、およ
びリサイクル時に被洗浄物に影響を及ぼすような酸性物
質の発生を防止し得る洗浄剤の再生方法を提供すること
にある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決するため鋭意検討した結果、沸点範囲の極めて
狭い飽和脂肪族炭化水素溶剤を基材とし、これに、該炭
化水素溶剤と特定の範囲で共沸するアルコール類を実質
的な共沸組成で混合した洗浄剤組成物は、蒸留再生が極
めて容易であり、リサイクル後も組成変化がなく、従っ
て液調整を行うことなくリサイクルできること、および
蒸留再生時に特定のアミノアルコール類を添加すること
により、極めて有効に酸性物質を中和してその発生を防
止できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】すなわち本発明は、炭素数が11〜13で
あり沸点範囲が10℃以内の飽和脂肪族炭化水素溶剤、
および該飽和脂肪族炭化水素溶剤との混合総重量の5〜
25重量%の範囲で共沸混合物を形成するアルコール類
を含み、該飽和脂肪族炭化水素溶剤とアルコール類との
組成比が共沸組成と実質的に同等である、蒸留によるリ
サイクルが可能なリサイクル用洗浄剤組成物を提供する
ものである。
【0010】また、本発明は、該リサイクル用洗浄剤組
成物を蒸留により再生する工程において、沸点が240
℃以上のアミノアルコール類を、該洗浄剤組成物に対し
0.001〜5重量%添加することを特徴とするリサイ
クル用洗浄剤組成物の再生方法を提供するものである。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の洗浄剤組成物の基材とし
て使用する炭化水素溶剤は、炭素数11〜13の飽和脂
肪族炭化水素を成分とするものであり、具体的には、直
鎖または分岐鎖状のウンデカン、ドデカン、トリデカン
である。これらの炭化水素溶剤は単一または混合物のい
ずれのものでも良いが、沸点範囲が10℃以内であるこ
とを要し、沸点範囲が5℃以内であるものが好ましい。
沸点範囲がこれ以上に広い場合、アルコール類との一定
組成の共沸混合物を得ることが困難となる。なお、本発
明でいう沸点範囲とは、溶剤の5%留出温度と95%留
出温度との温度差をいう。
【0012】また、本発明では上記した炭化水素溶剤の
中でも特にイソドデカンが好ましい。このイソドデカン
は、例えば、ナフサ等の石油系原料を熱分解して得られ
るC 4 留分(ブテン−ブタジエン留分)から、ブタジエ
ンを除去し、ついで硫酸吸収法等の手段によりイソブテ
ンを抽出分離し、つぎに、このイソブテンを酸触媒の存
在下に重合するかまたは硫酸に吸収されたイソブテンを
そのまま加熱して、主に2量体、3量体、4量体からな
る多量体を得、これを蒸留して3量体を分離し、この3
量体のオレフィン部分を水素化することにより得ること
ができる。なお、この水素化における水素化率は極力高
い方が好ましいが、オレフィンの残存量が5重量%以下
であれば本発明の洗浄剤としての性能を損なうものでは
ない。
【0013】このようにして製造されたイソドデカン
は、2,2,4,6,6−ペンタメチルヘプタンを主成
分とする異性体混合物であって、成分数が少ないため沸
点範囲が非常に狭く、また、極めて低臭気、低毒性であ
る等の優れた特長を有し、洗浄剤としてこれを単独で使
用することもできる。本発明のようにアルコール類と混
合して使用する場合でも、沸点範囲が狭いことから共沸
混合物の組成および共沸点が一定であり、またガスクロ
マトグラフ等の分析を行う場合でも成分が明確であり液
管理が容易である等の様々な利点を有する。
【0014】本発明で上記の飽和脂肪族炭化水素溶剤に
混合するアルコール類は、該炭化水素溶剤と、これらの
混合総重量の5〜25重量%の範囲で共沸混合物を形成
するものである。このようなアルコール類としては、炭
素数が7または8であり沸点が150〜220℃程度の
一価アルコールが好ましく、例えば2−エチル−1−ヘ
キサノール、2−オクタノール、1−ヘプタノール、3
−メチル−1−ヘキサノール、5−メチル−1−ヘキサ
ノール等を挙げることができる。本発明ではこれらの中
でも特に、2−エチル−1−ヘキサノール、2−オクタ
ノールまたは1−ヘプタノールの使用が好ましい。
【0015】これらのアルコール類の混合量は、上記飽
和脂肪族炭化水素溶剤との共沸組成と実質的に同等とな
る量であることを要する。ただし、リサイクル前の状態
の洗浄剤には必ずしも共沸組成で混合する必要はなく、
共沸組成の近辺の量であれば、蒸留してリサイクルした
ときに共沸組成となるので問題はない。例えば、炭化水
素溶剤が前述のイソドデカンであり、アルコール類が2
−エチル−1−ヘキサノールの場合、これを混合総重量
に対して10〜12重量%混合すれば、リサイクル後に
は共沸組成であるほぼ11重量%となり一定となる。混
合されるアルコール類の量が少ない場合、すなわち炭化
水素溶剤との共沸組成が5重量%に満たないアルコール
類を選択した場合には、フラックスに対する十分な洗浄
力が得られず、逆に多い場合、すなわち炭化水素溶剤と
の共沸組成が25重量%を超えるアルコール類を選択し
た場合には、洗浄剤中の水分が多くなるため被洗浄物の
発錆の問題が起こったり、また一般的に炭化水素溶剤よ
りもアルコール類の方が高価であるため洗浄剤のコスト
高につながり好ましくない。なお、炭化水素溶剤として
上記のイソドデカンを使用し、アルコール類として2−
エチル−1−ヘキサノール、2−オクタノールまたは1
−ヘプタノールのいずれかを選択した場合、その共沸組
成からアルコール類の混合量は8〜18重量%となる。
【0016】以上のようにして得られる本発明の洗浄剤
組成物は、各種の加工油およびフラックスに対して高い
洗浄力を持ち、しかも共沸混合物であるため、蒸留再生
しても組成が変化せず、アルコール濃度の調整等の煩雑
な液管理をせずにリサイクルすることができる。
【0017】本発明ではさらに、このような炭化水素系
溶剤を基材とする洗浄剤組成物の再生方法を提供する。
前述のように、炭化水素系洗浄剤は使用中に種々の酸性
物質を含むようになるが、本発明の再生方法では、この
ような酸性物質を中和し発生を防止する目的で、本発明
の洗浄剤を蒸留再生する工程でアミノアルコール類を添
加する。
【0018】ここで、使用されるアミノアルコール類の
種類は特に限定されないが、沸点が洗浄剤組成物より低
いものの場合には蒸留再生時に洗浄剤組成物と共に留出
し、これが洗浄剤組成物の臭気等に影響し、場合によっ
ては被洗浄物を汚染することがあるため、沸点が常圧で
240℃以上のアミノアルコール類を使用することが好
ましい。このようなアミノアルコール類としては、例え
ばジエタノールアミン(沸点269℃/760mmHg)、
トリエタノールアミン(沸点360℃/760mmHg)を
挙げることができる。
【0019】洗浄剤組成物に対するアミノアルコール類
の添加量は、洗浄対象の汚れの種類や再生しようとする
洗浄剤組成物の汚れの程度にもよるため特定されるもの
ではないが、通常は0.001〜5重量%、好ましくは
0.01〜1重量%である。添加量がこの範囲より少な
いと酸性物質の中和に十分な効果が得られず、またこの
範囲より多くしても効果は変わらず、コストアップとな
るだけである。
【0020】洗浄剤組成物にアミノアルコール類を添加
する方法は、使用済みの洗浄剤組成物を蒸留再生装置へ
供給する途中で、あるいは再生装置の底部へ直接添加す
れば良いが、使用する洗浄機が粗洗浄、すすぎ洗浄等の
多槽式となっている場合には、粗洗浄槽へ添加する方法
でも良い。
【0021】再生のための蒸留において使用する蒸留塔
は多段式、充填式等のものを使用できるが、通常は単蒸
留で十分である。このときの圧力は、常圧でも良いが、
洗浄剤の沸点が比較的高いため、例えば100mmHg以下
の減圧下で行うのが望ましい。蒸留時の塔頂温度は、上
記のような減圧下で実施する場合150℃以下であり、
例えば前述のイソドデカンと2−エチル−1−ヘキサノ
ールとの共沸混合物の場合、100℃(75mmHg)〜1
05℃(85mmHg)である。蒸留の形式は回分式、半回
分式または連続式のいずれでも良い。このような蒸留に
よる洗浄剤組成物の回収量は、洗浄剤組成物の汚れの程
度にもよるが通常は供給量の80〜95重量%程度であ
る。
【0022】なお、このような本発明の洗浄剤組成物の
再生方法は、本発明で提供される洗浄剤組成物のみに適
用されるものではなく、広く飽和脂肪族炭化水素を基材
とする洗浄剤を蒸留してリサイクルする場合に効果を示
すものである。
【0023】本発明の洗浄剤組成物を用いて機械部品、
プリント基板、プリント配線板、リードフレーム等を洗
浄する場合は、洗浄剤組成物中に被洗浄物を浸漬して、
さらに必要ならば通常知られている洗浄方法、すなわち
超音波洗浄、機械攪拌、振とう、揺動、窒素ガス等の不
燃性ガスによるバブリング、液流動等の手段を併用し実
施すればよい。本発明の洗浄剤組成物は引火点を有する
可燃性の液体であるから、通常は閉鎖密閉系で洗浄剤の
引火点(50〜60℃程度)以下の温度で使用すること
が望ましいが、それ以外は、本発明の洗浄剤組成物を用
いる場合に適用する洗浄方法に特段の制限を加えるもの
ではない。
【0024】
【実施例】以下に、実施例、比較例を挙げて本発明をさ
らに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定される
ものではない。
【0025】実施例1 ナフサを熱分解してエチレン、プロピレンを製造する際
に副生するC4 留分から、ブタジエンを除去し、ついで
63%硫酸でイソブテンを吸収分離し、このイソブテン
を吸収した硫酸をそのまま加熱して主にイソブテンの2
量体、3量体、4量体からなる重合液を得、これを蒸留
精製してイソブテンの3量体を得た。つぎに、ニッケル
系触媒を用いて反応温度160℃、圧力40kg/cm2
G、3時間の条件でオレフィン部分を水素化して、イソ
ブテン3量体の水素化物(以下、イソドデカンと称す)
を得た。このものの性状は、水素化率99%以上、5%
留出温度177.9℃、95%留出温度179.0℃で
あった。
【0026】つぎに、オスマー平衡蒸留装置を用いてイ
ソドデカンと2−エチル−1−ヘキサノール(協和油化
(株)製、純度99.9%、以下、EHAと称す)との
共沸組成を調べた。その結果、イソドデカンの組成比8
9重量%、EHAの組成比11重量%であった。以下、
この組成物を洗浄剤Aと称す。
【0027】実施例2 実施例1と同様にして得たイソドデカンと2−オクタノ
ール(関東化学(株)製、試薬1級)との共沸組成を実
施例1と同様にして調べた。その結果、イソドデカンの
組成比87重量%、2−オクタノールの組成比13重量
%であった。以下、この組成物を洗浄剤Bと称す。
【0028】実施例3 実施例1と同様にして得たイソドデカンと1−ヘプタノ
ール(関東化学(株)製、試薬1級)との共沸組成を実
施例1と同様にして調べた。その結果、イソドデカンの
組成比85重量%、1−ヘプタノールの組成比15重量
%であった。以下、この組成物を洗浄剤Cと称す。
【0029】実施例4〜6および比較例1 加工油(コスモ石油(株)製、コスモプレスB202)
およびフラックス(タムラ化研(株)製、F−230
V)をそれぞれ、重量を測定した銅片(0.2×20×
70mm)の全面に塗布し、これを実施例1で得た洗浄剤
A、実施例2で得た洗浄剤B、実施例3で得た洗浄剤C
およびイソドデカン単独の1リットルの液にそれぞれ浸
漬して、室温で5分間穏やかに攪拌した。その後、銅片
を引き上げ、40℃で25分乾燥し、銅片の重量増を測
定することによりそれぞれの洗浄剤の加工油およびフラ
ックスに対する洗浄力を評価した。結果を表1に示す。
【0030】
【表1】
【0031】同表より、イソドデカン単独ではフラック
スに対してやや洗浄力不足であるが、本発明の洗浄剤
A、洗浄剤Bおよび洗浄剤Cは加工油およびフラックス
の両方に対して十分な洗浄力を有することがわかる。
【0032】比較例2 実施例1で得た洗浄剤Aの500mlに、実施例4で使用
したものと同じ加工油、およびフラックスを各1g添加
し、120℃で5時間加熱した。その後、75mmHgの減
圧下、単蒸留によりこの混合物から洗浄剤Aを回収し
た。回収液が約450mlとなった時点で蒸留を中止し、
得られた回収液について、銅板変色試験(JIS K
2513に準拠)および酸分測定(JIS K 007
0に準拠)を行った。その後、この回収液に新しい洗浄
剤Aを加えて全量を500mlとし、上記と同様の操作を
行い、このリサイクルを5回繰り返した。なお、120
℃で5時間の加熱操作は実際の洗浄工程とは無関係であ
るが、洗浄剤の酸化劣化による影響を顕著にするために
行ったものである。上記の試験および測定の結果を表2
に示す。
【0033】
【表2】
【0034】同表から、上記の方法により再生された洗
浄剤は、リサイクルを繰り返すと酸分が上昇し、これに
より銅片の変色を起こすことがわかる。
【0035】実施例7〜8 蒸留時にトリエタノールアミン(沸点360℃)、また
はジエタノールアミン(沸点269℃)の0.38g
(洗浄剤に対し0.1重量%)をそれぞれ添加する以外
は比較例2と同様の操作を行った。結果を表2にあわせ
て示す。同表から、蒸留時にトリエタノールアミン、ま
たはジエタノールアミンを添加することにより、洗浄剤
中の酸分の発生を防止でき、再生洗浄剤はリサイクルを
繰り返しても銅板変色を起こさないことがわかる。
【0036】
【発明の効果】本発明の洗浄剤組成物を用いれば、フロ
ン系および塩素系のいわゆるハロゲン系の溶剤を用いる
ことなく、加工油およびフラックスの洗浄に対し優れた
実効を上げることができ、しかもリサイクルしても組成
変化がなく、液管理が容易である。また、本発明の洗浄
剤組成物の再生方法によれば、炭化水素系洗浄剤で従来
問題となっていた洗浄剤中の酸性物質の発生を効率的に
防止することができる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭素数が11〜13であり沸点範囲が1
    0℃以内の飽和脂肪族炭化水素溶剤、および該飽和脂肪
    族炭化水素溶剤との混合総重量の5〜25重量%の範囲
    で共沸混合物を形成するアルコール類を含み、該飽和脂
    肪族炭化水素溶剤とアルコール類との組成比が共沸組成
    と実質的に同等である、蒸留によるリサイクルが可能な
    リサイクル用洗浄剤組成物。
  2. 【請求項2】 飽和脂肪族炭化水素溶剤が、イソブテン
    3量体の水素化物であり、アルコール類が、2−エチル
    −1−ヘキサノール、2−オクタノールまたは1−ヘプ
    タノールであって、かつ該アルコール類の混合量が8〜
    18重量%である請求項1に記載のリサイクル用洗浄剤
    組成物。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載のリサイクル用洗浄剤組
    成物を蒸留により再生する工程において、沸点が240
    ℃以上のアミノアルコール類を、洗浄剤組成物に対し
    0.001〜5重量%添加することを特徴とするリサイ
    クル用洗浄剤組成物の再生方法。
  4. 【請求項4】 リサイクル用洗浄剤組成物が請求項2に
    記載の洗浄剤組成物である請求項3記載の再生方法。
  5. 【請求項5】 アミノアルコール類がジエタノールアミ
    ンまたはトリエタノールアミンである請求項3または4
    記載の再生方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN107954817A (zh) * 2017-12-04 2018-04-24 万华化学集团股份有限公司 一种制备无气味异构十二烷的方法

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