JPH1053592A - ベンゼン不溶性の有機アルミニウムオキシ化合物の製造方法 - Google Patents

ベンゼン不溶性の有機アルミニウムオキシ化合物の製造方法

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JPH1053592A
JPH1053592A JP14427897A JP14427897A JPH1053592A JP H1053592 A JPH1053592 A JP H1053592A JP 14427897 A JP14427897 A JP 14427897A JP 14427897 A JP14427897 A JP 14427897A JP H1053592 A JPH1053592 A JP H1053592A
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Japan
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compound
group
benzene
aluminoxane
zirconium
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JP14427897A
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English (en)
Inventor
Toshiyuki Tsutsui
井 俊 之 筒
Mamoru Kioka
岡 護 木
Akinori Toyoda
田 昭 徳 豊
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Mitsui Petrochemical Industries Ltd
Original Assignee
Mitsui Petrochemical Industries Ltd
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  • Transition And Organic Metals Composition Catalysts For Addition Polymerization (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】優れた触媒活性を有し、しかも分子量分布およ
び組成分布の狭いオレフィン(共)重合体を与えること
ができるような新規なオレフィン重合用触媒成分の製造
方法を提供すること。 【解決手段】60℃のベンゼンに溶解するAl成分がA
l原子換算で10%以下である有機アルミニウムオキシ
化合物を製造するに際し、アルミノオキサンの溶液と活
性水素含有化合物とを接触させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ベンゼンなどの炭
化水素溶媒に不溶性である有機アルミニウムオキシ化合
物の製造方法に関し、さらに詳しくは、オレフィン重合
用触媒の触媒成分として用いられるベンゼンなどの炭化
水素溶媒に不溶性である有機アルミニウムオキシ化合物
の製造方法に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】従来からα−オレフィン重合体た
とえばエチレン重合体またはエチレン・α−オレフィン
共重合体を製造するための触媒として、チタン化合物と
有機アルミニウムとからなるチタン系触媒あるいはバナ
ジウム化合物と有機アルミニウム化合物とからなるバナ
ジウム系触媒が知られている。
【0003】一般にチタン系触媒を用いて得られるエチ
レン・α−オレフィン共重合体は、分子量分布および組
成分布が広く、かつ透明性、表面非粘着性および力学物
性に劣るという問題点があった。また、バナジウム系触
媒を用いて得られるエチレン・α−オレフィン共重合体
は、チタン系触媒を用いて得られるエチレン・α−オレ
フィン共重合体にくらべて分子量分布および組成分布は
狭く、しかも透明性、表面非粘着性、力学物性はかなり
改善されるが、重合活性が低く、脱灰操作が必要とされ
た。したがってさらにこれらの性能の改善された触媒系
の出現が望まれている。
【0004】一方、新しいチーグラー型オレフィン重合
触媒として、ジルコニウム化合物およびアルミノオキサ
ンからなる触媒を用いたエチレン・α−オレフィン共重
合体の製造方法が最近提案されている。
【0005】たとえば特開昭58−19309号公報に
は、下記式 (シクロペンタジエニル)2MeRHal [ここで、Rはシクロペンタジエニル、C1 〜C6 のア
ルキルまたはハロゲンであり、Meは遷移金属であり、
Halはハロゲンである]で表わされる遷移金属含有化合
物と、下記式 Al2 OR4 (Al(R)−O)n [ここで、Rはメチルまたはエチルであり、nは4〜2
0の数である]で表わされる線状アルミノオキサンまた
は下記式
【0006】
【化1】
【0007】[ここで、Rおよびnの定義は上記と同じ
である]で表わされる環状アルミノオキサンとからなる
触媒の存在下、エチレンおよびC3 〜C12のα−オレフ
ィンの1種または2種以上を−50℃〜200℃の温度
で重合させるエチレン・α−オレフィン共重合体の製造
方法が記載されている。そして同公開公報には、得られ
るポリエチレンの密度を調節するには、10重量%まで
の少量の幾分長鎖のα−オレフィンまたは混合物の存在
下にエチレンの重合を行うべきことが教示されている。
【0008】特開昭59−95292号公報には、下記
式、
【0009】
【化2】
【0010】[ここで、nは2〜40であり、RはC1
〜C6 ]で表わされる線状アルミノオキサンおよび下記
【0011】
【化3】
【0012】[ここで、nおよびRの定義は上記と同じ
である]で表わされる環状アルミノオキサンの製造法に
関する発明が記載されている。同公報には、同製造法に
より製造された、たとえばメチルアルミノオキサンとチ
タンまたはジルコニウムのビス(シクロペンタジエニ
ル)化合物とを混合して、オレフィンの重合を行うと、
1gの遷移金属当りかつ1時間当り、25百万g以上の
ポリエチレンが得られると記載されている。
【0013】特開昭60−35005号公報には、下記
【0014】
【化4】
【0015】[ここで、R1 はC1 〜C10アルキルであ
り、R0 はR1 であるかまたは結合して−O−を表わ
す]で表わされるアルミノオキサン化合物をまずマグネ
シウム化合物と反応させ、次いで反応生成物を塩素化
し、さらにTi、V、Zr またはCrの化合物で処理し
て、オレフィン用重合触媒を製造する方法が開示されて
いる。そして同公報には、上記触媒がエチレンとC3
12のα−オレフィンとの混合物の共重合に特に好適で
あると記載されている。
【0016】特開昭60−35006号公報には、反応
器ブレンドポリマー製造用触媒系として、異なる2種以
上の遷移金属のモノ−、ジ−もしくはトリ−シクロペン
タジエニルまたはその誘導体(a)とアルミノオキサン
(b)との組合せが開示されている。同公報の実施例1
には、ビス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)ジル
コニウムジメチルとアルミノオキサンとからなる触媒を
用いて、エチレンとプロピレンとを重合せしめて、数平
均分子量15,300、重量平均分子量36,400お
よびプロピレン成分を3.4%含むポリエチレンが得ら
れたことが開示されている。また、同実施例2では、ビ
ス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウム
ジクロライドと、ビス(メチルシクロペンタジエニル)
ジルコニウムジクロライドとアルミノオキサンとからな
る触媒を用いて、エチレンとプロピレンとを重合し、数
平均分子量2,200、重量平均分子量11,900お
よび30モル%のプロピレン成分を含むトルエン可溶部
分と数平均分子量3,000、重量平均分子量7,40
0および4.8モル%のプロピレン成分を含むトルエン
不溶部分からなる数平均分子量2,000、重量平均分
子量8,300および7.1モル%のプロピレン成分を
含むポリエチレンとエチレン・プロピレン共重合体のブ
レンド物を得ている。同様にして実施例3には分子量分
布(Mw/Mn)4.57およびプロピレン成分20.
6モル%の可溶性部分と分子量分布3.04およびプロ
ピレン成分2.9モル%の不溶性部分からなるLLDP
Eとエチレン−プロピレン共重合体のブレンド物が記載
されている。
【0017】特開昭60−35007号公報には、エチ
レンを単独で、またはエチレンと炭素数3以上のα−オ
レフィンとを、メタロセンと下記式
【0018】
【化5】
【0019】[ここで、Rは炭素数1〜5のアルキル基
であり、nは1〜約20の整数である]で表わされる環
状アルミノオキサンまたは下記式 R(R−Al−O)n AlR2 [ここで、Rは炭素数1〜5のアルキル基であり、nの
定義は上記に同じである]で表わされる線状アルミノオ
キサンとを含む触媒系の存在下に重合させる方法が記載
されている。このようにして得られる重合体は、同公報
の記載によれば、約500〜約140万の重量平均分子
量を有し、かつ1.5〜4.0の分子量分布を有する。
【0020】特開昭60−35008号公報には、少な
くとも2種のメタロセンとアルミノオキサンとを含む触
媒系を用いることにより、巾広い分子量分布を有するポ
リエチレンまたはエチレンとC3 〜C10のα−オレフィ
ンとの共重合体が製造されることが記載されている。そ
して同公報には上記共重合体が分子量分布(Mw/M
n)2〜50を有することが記載されている。
【0021】遷移金属化合物とアルミノオキサンと有機
アルミニウム化合物とからなる混合有機アルミニウム化
合物から形成される触媒を用いて、オレフィンを重合す
る方法が特開昭60−260602号公報および特開昭
60−130604号公報に提案されており、有機アル
ミニウム化合物を添加することにより単位遷移金属当り
の重合活性が向上することが記載されている。
【0022】さらに、特開昭62−36390号公報に
は、有機アルミニウム化合物と結晶水含有鉄化合物とを
反応させることによってアルミノオキサンを得ることが
できる旨教示されており、また特開昭62−14849
1号公報には、有機アルミニウム化合物と、マグネシウ
ム化合物、ニッケル化合物およびランタニド化合物から
なる群より選ばれた結晶水含有化合物とを反応させるこ
とによってアルミノオキサンを得ることができる旨教示
されており、さらに特開昭63−56507号公報およ
び特開昭63−56508号公報には、高速高遮断力誘
導型インペラあるいは超音波を利用して、不活性炭化水
素溶媒中で直接水と有機アルミニウム化合物とを反応さ
せることによってアルミノオキサンを得ることができる
旨教示されている。
【0023】このようにα−オレフィン(共)重合体を
製造するに際して、触媒の一成分としてアルミノオキサ
ン化合物を用いると、優れた重合活性で、分子量分布お
よび組成分布が狭いα−オレフィン(共)重合体を製造
することができる。
【0024】しかしながら、さらに優れたα−オレフィ
ンに対する重合活性を有し、しかも分子量分布および組
成分布が狭いオレフィン(共)重合体を得ることができ
るようなアルミノオキサン系の有機アルミニウム化合物
の出現が強く望まれている。
【0025】ところで上記のような公知のオレフィン重
合に用いられてきたアルミノオキサン化合物は、それ自
身は液状であっても、また固体状であっても、すべてベ
ンゼンあるいはトルエンなどの炭化水素溶媒に可溶な状
態で回収され、さらには、その分子量はベンゼンに溶解
させて凝固点降下法によって測定されていた。また、該
アルミノオキサンの構造決定もベンゼンに溶解させて凝
固点の測定を行なうことにより行なわれていた。
【0026】本発明者らは、上記のような点に鑑みてさ
らに鋭意研究したところ、アルミノオキサンの溶液から
得られる、ベンゼンおよびトルエンに不溶性あるいは難
溶性の従来全く知られていなかった新規な有機アルミニ
ウムオキシ化合物が、オレフィンの重合に優れた触媒活
性を有することを見出して本発明を完成するに至った。
【0027】
【発明の目的】本発明は、上記のような従来技術に鑑み
て完成されたものであり、優れた触媒活性を有し、しか
も分子量分布および組成分布の狭いオレフィン(共)重
合体を与えることができるような新規なオレフィン重合
用触媒成分の製造方法を提供することを目的としてい
る。
【0028】
【発明の概要】本発明に係るベンゼン不溶性の有機アル
ミニウムオキシ化合物の製造方法は、アルミノオキサン
の溶液と活性水素含有化合物とを接触させることを特徴
としており、得られるベンゼン不溶性の有機アルミニウ
ムオキシ化合物は、60℃のベンゼンに溶解するAl成
分がAl原子換算で10%以下である。
【0029】本発明で得られるベンゼン不溶性の有機ア
ルミニウムオキシ化合物は、オレフィン重合用触媒の一
成分として用いると、オレフィンの重合に優れた重合活
性を示し、しかも分子量分布および組成分布が狭いオレ
フィン(共)重合体を与えることができる。
【0030】
【発明の具体的説明】以下本発明に係るベンゼン不溶性
の有機アルミニウムオキシ化合物の製造方法について具
体的に説明する。
【0031】本発明に係るベンゼン不溶性の有機アルミ
ニウムオキシ化合物は、アルミノオキサンの溶液と活性
水素含有化合物とを接触させることにより得られる。本
発明で用いられるアルミノオキサンの溶液は、たとえば
次の方法によって製造することができる。 (1) 吸着水を含有する化合物あるいは結晶水を含有する
塩類、たとえば塩化マグネシウム水和物、硫酸銅水和
物、硫酸アルミニウム水和物、硫酸ニッケル水和物、塩
化第1セリウム水和物などの炭化水素媒体懸濁液に、ト
リアルキルアルミニウムなどの有機アルミニウム化合物
を添加して反応させて炭化水素の溶液として回収する方
法。 (2) ベンゼン、トルエン、エチルエーテル、テトラヒド
ロフランなどの媒体中で、トリアルキルアルミニウムな
どの有機アルミニウム化合物に直接水や氷や水蒸気を作
用させて炭化水素の溶液として回収する方法。
【0032】なお、該アルミノオキサンは、少量の有機
金属成分を含有してもよい。回収された上記アルミノオ
キサンの溶液から溶媒や未反応有機アルミニウム化合物
を蒸留して除去した後、溶媒に再溶解してもよい。
【0033】このようなアルミノオキサンの溶液を製造
する際に用いられる有機アルミニウム化合物としては、
具体的には、トリメチルアルミニウム、トリエチルアル
ミニウム、トリプロピルアルミニウム、トリイソプロピ
ルアルミニウム、トリn-ブチルアルミニウム、トリイソ
ブチルアルミニウム、トリsec-ブチルアルミニウム、ト
リtert- ブチルアルミニウム、トリペンチルアルミニウ
ム、トリヘキシルアルミニウム、トリオクチルアルミニ
ウム、トリデシルアルミニウム、トリシクロヘキシルア
ルミニウム、トリシクロオクチルアルミニウムなどのト
リアルキルアルミニウム;ジメチルアルミニウムクロリ
ド、ジエチルアルミニウムクロリド、ジエチルアルミニ
ウムブロミド、ジイソブチルアルミニウムクロリドなど
のジアルキルアルミニウムハライド;ジエチルアルミニ
ウムハイドライド、ジイソブチルアルミニウムハイドラ
イドなどのジアルキルアルミニウムハイドライド;ジメ
チルアルミニウムメトキシド、ジエチルアルミニウムエ
トキシドなどのジアルキルアルミニウムアルコキシド;
ジエチルアルミニウムフェノキシドなどのジアルキルア
ルミニウムアリーロキシドなどが挙げられる。
【0034】これらのうち、特にトリアルキルアルミニ
ウムが好ましい。また、有機アルミニウム化合物とし
て、一般式 (i-C4 9 x Aly (C5 10z (x、y、zは正の数であり、z≧2xである)で表わ
されるイソプレニルアルミニウムを、用いることもでき
る。
【0035】上記のような有機アルミニウム化合物は、
単独であるいは組合せて用いられる。アルミノオキサン
の溶液に用いられる溶媒としては、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン、クメン、シメンなどの芳香族炭化水素;
ブタン、イソブタン、ペンタン、ヘキサン、オクタン、
デカン、ドデカン、ヘキサデカン、オクタデカンなどの
脂肪族炭化水素;シクロペンタン、シクロヘキサン、シ
クロオクタン、シクロデカン、シクロドデカンなどの脂
環族炭化水素;ガソリン、灯油、軽油などの石油留分あ
るいは上記芳香族炭化水素、脂肪族炭化水素、脂環族炭
化水素のハロゲン化物とりわけ、塩素化物、臭素化物な
どの炭化水素溶媒が挙げられる。その他、エチルエーテ
ル、テトラヒドロフランなどのエーテル類を用いること
もできる。これらの溶媒のうち特に芳香族炭化水素が好
ましい。
【0036】本発明では、上記のようなアルミノオキサ
ンの溶液と活性水素含有化合物とを接触させることによ
って、ベンゼン不溶性の有機アルミニウムオキシ化合物
が得られる。
【0037】本発明で用いられる活性水素含有化合物と
しては、メタノール、エタノール、n-プロパノール、イ
ソプロパールなどのアルコール類;エチレングリコー
ル、ヒドロキノンなどのジオール類;塩酸、硝酸、硫酸
などの無機酸類;酢酸、プロピオン酸などの有機酸類な
どが用いられる。このうちアルコール類、ジオール類が
好ましく、特にアルコール類が好ましい。
【0038】アルミノオキサンの溶液と接触される活性
水素含有化合物は、ベンゼン、トルエン、ヘキサンなど
の炭化水素溶媒;テトラヒドロフランなどのエーテル溶
媒;トリエチルアミンなどのアミン溶媒などに溶解ある
いは分散させて、あるいは、蒸気の状態で用いることが
できる。また活性水素含有化合物として、塩化マグネシ
ウム、硫酸アルミニウム、硫酸銅、硫酸ニッケル、シリ
カ、アルミナなどの無機化合物あるいはポリマーなどに
吸着された活性水素含有化合物などを用いることもでき
る。
【0039】アルミノオキサンの溶液と活性水素含有化
合物との接触反応は、通常溶媒、たとえば炭化水素溶媒
中で行なわれる。この際用いられる炭化水素溶媒として
は、ベンゼン、トルエン、キシレン、クメン、シメンな
どの芳香族炭化水素;ブタン、イソブタン、ペンタン、
ヘキサン、オクタン、デカン、ドデカン、ヘキサデカ
ン、オクタデカンなどの脂肪族炭化水素;シクロペンタ
ン、シクロヘキサン、シクロオクタン、シクロデカン、
シクロドデカンなどの脂環族炭化水素;ガソリン、灯
油、軽油などの石油留分などの炭化水素溶媒あるいは上
記芳香族炭化水素、脂肪族炭化水素、脂環族炭化水素の
ハロゲン化物とりわけ塩素化物、臭素化物などのハロゲ
ン化炭化水素;エチルエーテル、テトラヒドロフランな
どのエーテル類を用いることもできる。これらの媒体の
うち、芳香族炭化水素が特に好ましい。
【0040】該接触反応に用いられる活性水素含有化合
物は、アルミノオキサンの溶液中のAl原子に対して
0.1〜5モル、好ましくは0.2〜3モルの量で用い
られる。反応系内の濃度は、アルミニウム原子に換算し
て通常1×10-3〜5グラム原子/リットル、好ましく
は1×10-2〜3グラム原子/リットルの範囲であるこ
とが望ましく、また反応系内の活性水素含有化合物の濃
度は、通常2×10-4〜5モル/リットル、好ましくは
2×10-3〜3モル/リットルの濃度であることが望ま
しい。
【0041】アルミノオキサンの溶液と活性水素含有化
合物とを接触させるには、具体的には下記のようにすれ
ばよい。 (1)アルミノオキサンの溶液と、活性水素含有化合物
を含有した炭化水素溶媒とを接触させる方法。 (2)アルミノオキサンの溶液に、活性水素含有化合物
の蒸気を吹込むなどして、アルミノオキサンと活性水素
含有化合物の蒸気とを接触させる方法。 (3)アルミノオキサンの溶液と活性水素含有化合物を
直接接触させる方法。 (4)アルミノオキサンの溶液と、活性水素含有化合物
が吸着された化合物の炭化水素懸濁液とを混合して、ア
ルミノオキサンと活性水素含有化合物とを接触させる方
法。
【0042】なお、上記のようなアルミノオキサンの溶
液は、アルミノオキサンと活性水素含有化合物との反応
に悪影響を及ぼさない限り、他の成分を含んでいてもよ
い。上記のようなアルミノオキサンの溶液と活性水素含
有化合物との接触反応は、通常−50〜200℃、好ま
しくは0〜120℃、さらに好ましくは20〜100℃
の温度で行なわれる。また反応時間は、反応温度によっ
ても大きく変わるが、通常0.5〜300時間、好まし
くは1〜150時間程度である。
【0043】本発明で得られるこのベンゼン不溶性の有
機アルミニウムオキシ化合物は、
【0044】
【化6】
【0045】[式中、R1 は炭素数1〜12の炭化水素
基である]で示されるアルキルオキシアルミニウム単位
を有すると推定され、しかも60℃のベンゼンに溶解す
るAl成分がAl原子換算で10%以下、好ましくは5
%以下、とくに好ましくは2%以下であり、ベンゼンに
対して不溶性あるいは難溶性である。
【0046】なお本発明に係る有機アルミニウムオキシ
化合物の溶解性は、100ミリグラム原子のAlに相当
する該有機アルミニウムオキシ化合物を100mlのベ
ンゼンに懸濁した後、撹拌下60℃で6時間混合した
後、ジャケット付G5ガラス製フィルターを用い、60
℃で熱時濾過を行ない、フィルター上に分離された固体
部を60℃のベンゼン50mlを用いて、4回洗浄した
後、濾液中に存在するAl原子の存在量(xミリモル)
を測定することにより求められる(x%)。
【0047】上記のアルキルオキシアルミニウム単位に
おいて、R1 は、具体的には、メチル基、エチル基、n-
プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル
基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、
シクロヘキシル基、シクロオクチル基などが例示でき
る。これらの中でメチル基、エチル基が好ましく、とく
にメチル基が好ましい。
【0048】本発明に係るベンゼン不溶性の有機アルミ
ニウムオキシ化合物は、式
【0049】
【化7】
【0050】で表わされるアルキルオキシアルミニウム
単位の他に式
【0051】
【化8】
【0052】で表わされるオキシアルミニウム単位[こ
こで、R1 は上記に同じであり、R2 は、炭素数1〜1
2の炭化水素基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素
数6〜20のアリーロキシ基、水酸基、ハロゲンまたは
水素であり、R1 およびR2 は互いに異なる基を表わ
す]を含有していてもよい。その場合には、アルキルオ
キシアルミニウム単位
【0053】
【化9】
【0054】を30モル%以上、好ましくは50モル%
以上、特に好ましくは70モル%以上の割合で含むアル
キルオキシアルミニウム単位を有する有機アルミニウム
オキシ化合物が好ましい。
【0055】本発明で得られるベンゼン不溶性の有機ア
ルミニウムオキシ化合物は、オレフィン重合用触媒の触
媒成分として用いられる。このような、ベンゼン不溶性
の有機アルミニウムオキシ化合物は、たとえば、シクロ
アルカジエニル骨格を有する配位子を含む遷移金属化合
物、好ましくはさらに有機アルミニウム化合物と組み合
せてオレフィン重合用触媒として用いることができる。
【0056】本発明で得られるベンゼン不溶性の有機ア
ルミニウムオキシ化合物とともにオレフィン重合用触媒
として用いられるシクロアルカジエニル骨格を有する配
位子を含む遷移金属化合物は、 式 MLx (式中、Mは遷移金属であり、Lは遷移金属に配位する
配位子であり、少なくとも1個のLはシクロアルカジエ
ニル骨格を有する配位子であり、シクロアルカジエニル
骨格を有する配位子を少なくとも2個以上含む場合に
は、少なくとも2個のシクロアルカジエニル骨格を有す
る配位子は低級アルキレン基を介して結合されていても
よく、シクロアルカジエニル骨格を有する配位子以外の
Lは炭素数1〜12の炭化水素基、アルコキシ基、アリ
ーロキシ基、ハロゲンまたは水素であり、xは遷移金属
の原子価である。)で示される。
【0057】上記式において、Mは遷移金属であるが、
具体的には、ジルコニウム、チタンまたはハフニウムあ
るいはクロム、バナジウムであることが好ましく、この
うち特にジルコニウムおよびハフニウムが好ましい。
【0058】シクロアルカジエニル骨格を有する配位子
としては、たとえばシクロペンタジエニル基;メチルシ
クロペンタジエニル基、エチルシクロペンタジエニル
基、t-ブチルシクロペンタジエニル基、ジメチルシクロ
ペンタジエニル基、ペンタメチルシクロペンタジエニル
基などのアルキル置換シクロペンタジエニル基;インデ
ニル基、フルオレニル基などを例示することができる。
【0059】上記のようなシクロアルカジエニル骨格を
有する配位子は、2個以上遷移金属に配位されていても
よく、この場合には少なくとも2個のシクロアルカジエ
ニル骨格を有する配位子は、低級アルキレン基を介して
結合されていてもよい。
【0060】シクロアルカジエニル骨格を有する配位子
以外の配位子は、炭素数1〜12の炭化水素基、アルコ
キシ基、アリーロキシ基、ハロゲンまたは水素である。
炭素数1〜12の炭化水素基としては、アルキル基、シ
クロアルキル基、アリール基、アラルキル基などを例示
することができ、具体的には、アルキル基としては、メ
チル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチ
ル基などが例示され、シクロアルキル基としては、シク
ロペンチル基、シクロヘキシル基などが例示され、アリ
ール基としては、フェニル基、トリル基などが例示さ
れ、アラルキル基としては、ベンジル基、ネオフィル基
などが例示される。
【0061】アルコキシ基としては、メトキシ基、エト
キシ基、ブトキシ基などが例示され、アリーロキシ基と
しては、フェノキシ基などが例示される。
【0062】ハロゲンとしては、フッ素、塩素、臭素、
ヨウ素などが例示される。以下、Mがジルコニウムであ
るシクロアルカジエニル骨格を有する配位子を含む遷移
金属化合物について、具体的な化合物を例示する。
【0063】ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウ
ムモノクロリドモノハイドライド、ビス(シクロペンタ
ジエニル)ジルコニウムモノブロミドモノハイドライ
ド、ビス(シクロペンタジエニル)メチルジルコニウム
ハイドライド、ビス(シクロペンタジエニル)エチルジ
ルコニウムハイドライド、ビス(シクロペンタジエニ
ル)フェニルジルコニウムハイドライド、ビス(シクロ
ペンタジエニル)ベンジルジルコニウムハイドライド、
ビス(シクロペンタジエニル)ネオペンチルジルコニウ
ムハイドライド、ビス(メチルシクロペンタジエニル)
ジルコニウムモノクロリドハイドライド、ビス(インデ
ニル)ジルコニウムモノクロリドモノハイドライド、ビ
ス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジブロミ
ド、ビス(シクロペンタジエニル)メチルジルコニウム
モノクロリド、ビス(シクロペンタジエニル)エチルジ
ルコニウムモノクロリド、ビス(シクロペンタジエニ
ル)シクロヘキシルジルコニウムモノクロリド、ビス
(シクロペンタジエニル)フェニルジルコニウムモノク
ロリド、ビス(シクロペンタジエニル)ベンジルジルコ
ニウムモノクロリド、ビス(メチルシクロペンタジエニ
ル)ジルコニウムジクロリド、ビス(t-ブチルシクロペ
ンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(インデ
ニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(インデニル)ジ
ルコニウムジブロミド、ビス(シクロペンタジエニル)
ジルコニウムジメチル、ビス(シクロペンタジエニル)
ジルコニウムジフェニル、ビス(シクロペンタジエニ
ル)ジルコニウムジベンジル、ビス(シクロペンタジエ
ニル)ジルコニウムメトキシクロリド、ビス(シクロペ
ンタジエニル)ジルコニウムエトキシクロリド、ビス
(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムエトキシ
クロリド、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウム
フェノキシクロリド、ビス(フルオレニル)ジルコニウ
ムジクロリド、エチレンビス(インデニル)ジメチルジ
ルコニウム、エチレンビス(インデニル)ジエチルジル
コニウム、エチレンビス(インデニル)ジフェニルジル
コニウム、エチレンビス(インデニル)メチルジルコニ
ウムモノクロリド、エチレンビス(インデニル)エチル
ジルコニウムモノクロリド、エチレンビス(インデニ
ル)メチルジルコニウムモノブロミド、エチレンビス
(インデニル)ジルコニウムジクロリド、エチレンビス
(インデニル)ジルコニウムジブロミド、エチレンビス
(4,5,6,7-テトラヒドロ-1- インデニル)ジメチルジル
コニウム、エチレンビス(4,5,6,7-テトラヒドロ-1- イ
ンデニル)メチルジルコニウムモノクロリド、エチレン
ビス(4,5,6,7-テトラヒドロ-1- インデニル)ジルコニ
ウムジクロリド、エチレンビス(4,5,6,7-テトラヒドロ
-1- インデニル)ジルコニウムジブロミド、エチレンビ
ス(4-メチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリ
ド、エチレンビス(5-メチル-1- インデニル)ジルコニ
ウムジクロリド、エチレンビス(6-メチル-1- インデニ
ル)ジルコニウムジクロリド、エチレンビス(7-メチル
-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、エチレンビ
ス(5-メトキシ-1- インデニル)ジルコニウムジクロリ
ド、エチレンビス(2,3-ジメチル-1- インデニル)ジル
コニウムジクロリド、エチレンビス(4,7-ジメチル-1-
インデニル)ジルコニウムジクロリド、エチレンビス
(4,7-ジメトキシ-1- インデニル)ジルコニウムジクロ
リド、また上記のようなジルコニウム化合物において、
ジルコニウム金属を、チタン金属、ハフニウム金属、ク
ロム金属またはバナジウム金属に置換えた遷移金属化合
物を用いることもできる。
【0064】また、本発明で得られるベンゼン不溶性の
有機アルミニウムオキシ化合物は、他の有機アルミニウ
ム化合物とともにオレフィン重合用触媒成分として用い
ることもできる。この際用いられる有機アルミニウム化
合物は、たとえばRn 6 AlX3-n (式中、R6 は炭素
数1〜12の炭化水素基であり、Xはハロゲンまたは水
素であり、nは1〜3である)で示される。
【0065】上記式において、R6 は炭素数1〜12の
炭化水素基たとえばアルキル基、シクロアルキル基また
はアリール基であるが、具体的には、メチル基、エチル
基、n-プロピル基、イソプロピル基、イソブチル基、ペ
ンチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、シクロ
ペンチル基、シクロヘキシル基、フェニル基、トリル基
などである。
【0066】このような有機アルミニウム化合物として
は、具体的には以下のような化合物が用いられる。トリ
メチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイ
ソプロピルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウ
ム、トリオクチルアルミニウム、トリ2-エチルヘキシル
アルミニウムなどのトリアルキルアルミニム。
【0067】イソプレニルアルミニウムなどのアルケニ
ルアルミニウム。 ジメチルアルミニウムクロリド、ジエチルアルミニウム
クロリド、ジイソプロピルアルミニウムクロリド、ジイ
ソブチルアルミニウムクロリド、ジメチルアルミニウム
ブロミドなどのジアルキルアルミニウムハライド。
【0068】メチルアルミニウムセスキクロリド、エチ
ルアウミニウムセスキクロリド、ブチルアルミニウムセ
スキクロリド、エチルアルミニウムセスキブロミドなど
のアルキルアルミニウムセスキハライド。
【0069】メチルアルミニウムジクロリド、エチルア
ルミニウムジクロリド、イソプロピルアルミニウムジク
ロリド、エチルアルミニウムジブロミドなどのアルキル
アルミニウムジハライド。
【0070】ジエチルアルミニウムハイドライド、ジイ
ソブチルアルミニウムハイドライドなどのアルキルアル
ミニウムハイドライド。またその他の有機アルミニウム
化合物として、たとえばR6 n AlY3-n (式中R6
上記と同様であり、Yは−OR7 基、−OSiR8 3基、
−OAlR9 2基、−NR10 2 基、−SiR11 3 基または
−N(R12)AlR13 2 基であり、nは1〜2であり、
7 、R8 、R9 およびR13はメチル基、エチル基、イ
ソプロピル基、イソブチル基、シクロヘキシル基、フェ
ニル基などであり、R10は水素、メチル基、エチル基、
イソプロピル基、フェニル基、トリメチルシリル基など
であり、R11およびR12はメチル基、エチル基などであ
る。)で示される化合物を用いることもできる。
【0071】このような有機アルミニウム化合物として
は、具体的には、以下のような化合物が用いられる。 (i)R6 n Al(OR7 )3-n ジメチルアルミニウムメトキシド、ジエチルアルミニウ
ムエトキシド、ジイソブチルアルミニウムメトキシドな
ど、 (ii)R6 n Al(OSiR8 33-n Et2 Al(OSiMe3)、(iso-Bu)2 Al(OSi
Me3)、(iso-Bu)2 Al(OSiEt3) など、 (iii)R6 n Al(OAlR9 2)3-n Et2 AlOAlEt2 、(iso-Bu)2 AlOAl(is
o-Bu)2 など、 (iv) R6 n Al(NR10 2)3-n Me2 AlNEt2 、Et2 AlNHMe、Me2 Al
NHEt、Et2 AlN(Me3 Si)2、(iso-Bu)2
AlN(Me3 Si)2 など、 (v)R6 n Al(SiR11 3)3-n (iso-Bu)2 AlSiMe3 など、 (vi)R6 n Al〔N(R12)AlR13 2 3-n Et2 AlN(Me)AlEt2 (iso-Bu)2 AlN(Et)Al(iso-Bu)2 など。
【0072】上記のような有機アルミニウム化合物とし
て、R6 3Al、R6 n Al(OR7 ) 3-n、R6 n Al(O
AlR9 2)3-n が好ましく、特にR6 がイソアルキル基
であり、n=2のものが好ましく、これらの有機アルミ
ニウム化合物は、2種以上混合して用いることもでき
る。
【0073】本発明において得られるベンゼン不溶性の
有機アルミニウムオキシ化合物は、好ましくは上記のよ
うなシクロアルカジエニル骨格を有する配位子を含む遷
移金属化合物、より好ましくはさらに有機アルミニウム
化合物とともにオレフィン重合用触媒として用いる。有
機アルミニウム化合物を組み合せた際、オレフィンの重
合に優れた重合活性を示すので好適である。
【0074】このようなオレフィン重合用触媒により重
合することができるオレフィンとしては、エチレン、お
よび炭素数が3〜20のα−オレフィン、たとえばプロ
ピレン、1-ブテン、1-ヘキセン、4-メチル-1- ペンテ
ン、1-オクテン、1-デセン、1-ドデセン、1-テトラデセ
ン、1-ヘキサデセン、1-オクタデセン、1-エイコセン、
シクロペンテン、シクロヘプテン、ノルボルネン、5-メ
チル-2- ノルボルネン、テトラシクロドデセン、2-メチ
ル-1,4,5,8-ジメタノ-1,2,3,4,4a,5,8,8a-オクタヒドロ
ナフタレンなどを挙げることができる。
【0075】さらにスチレン、ビニルシクロヘキサン、
ジエンなどを用いることもできる。本発明では、重合は
溶解重合、懸濁重合などの液相重合法あるいは気相重合
法、いずれにおいても実施できる。
【0076】このようなオレフィン重合用触媒を用いた
オレフィンの重合温度は、通常、−50〜200℃、好
ましくは0〜150℃の範囲である。重合圧力は、通
常、常圧〜100kg/cm2 、好ましくは常圧〜50
kg/cm2 の条件下であり、重合反応は、回分式、半
連続式、連続式のいずれの方法においても行なうことが
できる。さらに重合の反応条件の異なる2段以上に分け
て行なうことも可能である。得られるオレフィン重合体
の分子量は、水素および/または重合温度によって調節
することができる。
【0077】上記のようなオレフィン重合用触媒を用い
て、オレフィンの重合を行なうに際して、ベンゼンに不
溶性の有機アルミニウムオキシ化合物は、通常10-6
0.1グラム原子−Al/リットル、好ましくは10-5
〜10-2グラム原子−Al/リットルの量で、またシク
ロアルカジエニル骨格を有する遷移金属化合物は、通常
10-8〜10-3モル/リットル、好ましくは10-7〜1
-4モル/リットルの量で、さらに有機アルミニウム化
合物は、通常0〜0.1モル/リットル、好ましくは1
-4〜10-2モル/リットルの量で用いられることが望
ましい。また、有機アルミニウム化合物に対するベンゼ
ン不溶性の有機アルミニウム化合物(Al原子に換算)
の比は、0.01〜5、好ましくは0.02〜2の範囲
で用いられることが望ましい。
【0078】なお、上記のような[A]有機アルミニウ
ムオキシ化合物は、シリカ、アルミナ、酸化マグネシウ
ム、塩化マグネシウムなどの固体状無機化合物、あるい
はポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレンなどの
固体状有機化合物に担持させて用いることもできる。
【0079】上記のようなベンゼン不溶性の有機アルミ
ニウムオキシ化合物と、シクロアルカジエニル骨格を有
する遷移金属化合物と、有機アルミニウム化合物とから
形成されるオレフィン重合用触媒は、優れた重合活性を
有している。
【0080】また本発明に係るベンゼン不溶性の有機ア
ルミニウムオキシ化合物を含むオレフィン重合用触媒を
用いてオレフィンを共重合させると、分子量分布が狭
く、かつ組成分布が狭いオレフィン共重合体を得ること
ができる。
【0081】なお、本発明では、オレフィン重合用触媒
は、上記のような各成分以外にも、オレフィン重合に有
用な他の成分を含むことができる。
【0082】
【発明の効果】本発明に係るベンゼン不溶性の有機アル
ミニウムオキシ化合物はオレフィン重合用触媒の一成分
として用いると、オレフィンの重合に優れた重合活性を
示し、しかも分子量分布および組成分布が狭いオレフィ
ン共重合体を得ることができる。
【0083】
【実施例】以下本発明を実施例により説明するが、本発
明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0084】
【参考例1】 [アルミノオキサンの調製]充分に窒素置換した400
mlのフラスコに、Al2(SO4)3・14H2O 37g
とトルエン125mlとを装入し、0℃に冷却した後、
トルエン125mlで希釈したトリメチルアルミニウム
500ミリモルを滴下した。次に、40℃まで昇温し、
その温度で10時間反応を続けた。反応終了後、濾過に
より固液分離を行い、さらに、濾液よりトルエンを除去
したところ、白色固体のアルミノオキサン12gが得ら
れた。
【0085】
【実施例1】充分に窒素置換した400mlのガラス製
フラスコに、トルエン60.3mlおよび参考例1で調
製したアルミノオキサンのトルエン溶液(2.23モル
−Al/リットル)89.7mlとを装入し、系内を4
0℃とした。そこへトルエン50mlで希釈したメタノ
ール80ミリモルを滴下し、60時間反応させた。その
後、濾過により固液分離を行ない固体成分すなわちベン
ゼン不溶性の有機アルミニウムオキシ化合物を得た。
(Al当りの収率67.6%)。なお濾液中に溶存する
アルミニウム濃度を測定したところ、検出限界の5mg
−Al/リットル以下であった。
【0086】上記のようにして得られたベンゼン不溶性
の有機アルミニウムオキシ化合物を撹拌機付200ml
の反応器にAl原子換算で100ミリグラム原子加え、
さらに100mlのベンゼンを加えて、60℃で6時間
撹拌混合した。この懸濁液をジャケット付G5ガラス製
フィルターを用い、ジャケットに注いだシリコンオイル
を60℃に保ちつつ熱時濾過を行ない、さらに60℃の
ベンゼン50mlを使い、4回洗浄した。濾液を回収
し、濾液中のAl量を測定したところ、0.4ミリモル
相当のAlが検出された。すなわち、上記有機アルミニ
ウムオキシ化合物の60℃のベンゼンに溶解するAl成
分の量はAl原子換算で0.4%と考えられた。その
他、上記固体状有機アルミニウムオキシ化合物のIR測
定を行なったところ、IRスペクトルにおいて600〜
800cm-1にAl−O−Al原子団における吸収が見
られ、また水による分解によってメタンの発生が見られ
た。
【0087】上記で調製したベンゼン不溶性有機アルミ
ニウムオキシ化合物の重合活性試験を次の通り行なっ
た。充分に窒素置換した2リットルのステンレス製オー
トクレーブに4-メチル-1-ペンテン900mlを装入
後、50℃まで昇温し、実施例1で得られた固体成分す
なわちベンゼン不溶性有機アルミニウムオキシ化合物の
トルエン懸濁液(0.75モル−Al/リットル)0.
67mlと(i-Bu)2−Al−O−Al(i-Bu)2のトルエ
ン溶液(1モル−Al/リットル)1mlとを添加し
た。さらに75℃まで昇温した後、ビス(メチルシクロ
ペンタジエニル)ジルコニウムジクロリドのトルエン溶
液(0.001モル−Zr /リットル)5mlをエチレ
ンとともに圧入し、重合を開始した。エチレンを連続的
に供給しながら全圧20kg/cm 2-G 、80℃で10
分間重合を行なったところ、135℃デカリン中で測定
した[η]が3.3dl/gであるエチレン・4-メチル
-1- ペンテン共重合体41gが得られた。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミノオキサンの溶液と活性水素含有
    化合物とを接触させることを特徴とする、60℃のベン
    ゼンに溶解するAl成分がAl原子換算で10%以下で
    ある有機アルミニウムオキシ化合物の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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